……私は失敗した。
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗して…しまった。
[紅]き霧を泳ぎ
[妖]しい春を追い
[永]く終わらぬ夜を駆け抜け
[萃]めた夢想を散らせば鬼退治
[花]に宿る魂の行方を知れば
[文]の記事の為東奔西走*1
[風]吹く妖怪の山で神遊び
[緋]想天を仰ぐ極光
[地]獄の底までも進む
[星]なる宝船に乗りもした
[ダ]ブルスポイラー記事競い
[非]なる巨像は夢のまま
[心]技体を比べては戦争はだ・ん・ま・く・で
[神]霊の欲に耳を傾け
[輝]き出した叛逆の狼煙に挑む
[弾]幕足り得ない幕などひっくり返して
[深]秘なるその扉を暴いて
[紺]珠を用いず完全無欠の存在へ
[天]空に舞う春夏秋冬のその先へ
[憑]かれたら憑き返せ最凶最悪の花に
[秘]した幾多の悪夢を越えた先
[鬼]形を造形せしイドラデウスを獣と叩き
[剛]欲な口を閉ざさせては
[虹]色龍の腹に潜る
[バ]レットフィリア達の闇市場を掻き回し
[獣]の武将達と争えば
[錦]織られた石達で聖域を進む
___Next Dream…!!
霊夢達が数々の異変を解決していったその先で、私は失敗した。
この失敗を取り戻すには幻想よりも遠くへと至ってしまったと思われる彼女…先代の巫女を探すことも1つの手かもしれない。
とはいえ、突然失踪した彼女の残した手掛かりは無いに等しく、探すにも何から手をつけていいか分かったものじゃあない。
それに現状、私は賢者としての権能、立場も失ったに等しく、能力さえもこの崩壊した幻想郷内にスキマを開くことしか出来ないでいる。私の能力の本質は境界を曖昧にする。
それを満足に扱えないで、妖怪の賢者と名乗るのも烏滸がましい状態で、八雲 紫などと自信を持って名乗れない私には新しい名前が必要かもしれないと、差し当たってはワードミス00_号の号を名乗っている。
いるのだけれど___。
霊夢「戻ったわよ、紫」
そう言って鳥居から出てきたこの巫女はまだこんな私のことを〝紫〟などと呼んでくれる。ううん、呼びやがるから困った…。
「あら、1ヶ月ぶりね、それで外の世界の様子はどうだったの?幻想郷がこうなったのだから外の世界も無事では無かったのでしょう?」
霊夢「それが…全く変わってないわ、不思議なことにね」
そんな訳が無い、現実世界での『余白』である、この幻想の地がこのような様子で、現実世界が無事であるままな筈が無い。絶対に。
「それじゃあ…もしかしたら別の世界の現実に影響でもしてるのかしら…」
霊夢「それだともうこっちから観測の仕様がないね、紫が元の調子に戻ってくれればその限りではないんだけど、まだ幻想郷内にスキマを開くことしか出来ないの?」
「えぇ…残念ながらね」
霊夢「ふーん…ま、それならいいわ、紫がこれだから私がなんとかするしかないわね現状…突然消失した魔理沙達を取り戻す為にも頑張らないと」
「…あんまり気負って欲しくないかな〜?」
霊夢「幻想郷の皆が消失したあの日から一睡もしないで頭を働かせている貴女に言われたくはないわよ、ねぇ?上海アリスさん」
そう霊夢が声を掛けた相手は、自身で作り上げた完全自立人形上海と融合して、阿求の元にあった幻楽団の歴史と底部に銘が有る蓄音機を持った物言わぬ人形とでも言うべき姿に成り果てたアリス。私達は便宜上彼女を上海アリスと呼んでいる。
完全自立人形と融合したというだけでも狂気を感じるが、それでどうして人形よりも人形らしい物言わぬ状態になるのか、私がいくら考えを巡らせても正解と思えるような解には辿り着けないでいる。
上海アリス「〜♪」♪明日ハレの日ケの昨日♪
それとその口から時折幻楽団の音楽がランダムに出ることに関しては、持ってるレコードからじゃないのか!?と霊夢と一緒にこのアリスを魔界への通路で発見した時にツっこんだものである。
「それに魔理沙…彼女なら直ぐ戻って来ると思うわ、なんとなくだけどそう思うの。…勘よ?貴女じゃないけれど当たると思うわ、この勘に関しては」
霊夢「…そう、そうなるといいんだけど」
魔理沙「ダークスパーク…」
などと話していると、突如、黒い影が飛び込んできて間髪入れず私に黒い殺意を撃ち込んだ。
「けほっ、けほっ、まぁ随分と荒々しいお帰りだこと」
魔理沙「チッ、外したか」
霊夢「ま、魔理沙っ!!!!戻ってきてくれた…のはいいけど、いきなり紫に攻撃するなんてどういう了見?」
魔理沙「簡単な話だ、こいつが、コイツが幻想郷の管理をまともに出来ていなかったからこんなことが起こったんだ。だから管理不行届として罰される必要がある」
「そうだとして、私の罪を裁くのが貴女?裁いたあとはどうするの?…何の考えも無しに私を裁くというのなら全力で抵抗くらいはさせて貰うわよ?それと、今の私は八雲 紫なんかじゃない、ワードミス00_号」
魔理沙「っ、そうやって名前を変えて責任から逃れるのか!?」
「違う、違うわ、妖怪の賢者八雲 紫の名を責任逃れの為に捨てたわけじゃないわ。今の私にはそれを名乗る資格が無いと、そう思って今だけ名乗っていないのよ。幻想郷がこうなった責任は痛感しているわ」
霊夢「ほら、紫もそう言ってることだし、そもそもなんで幻想郷が突然崩壊、皆が失踪したのか全然分からないことだらけの状態で誰かを責めることなんて出来る?私なら出来ないわね」
魔理沙「うっ…悪かったよ、ただ、この様子のアリスを見たらつい…な」
「それより貴女よ貴女、今の今まで何処に行っていたの?」
魔理沙「分からない…突然天地がひっくり返ったと思ったら、黄昏染まった世界になんだか懐かしい感覚を覚える悪霊と一緒にいて…今しがた幻想郷に帰らせて貰ったところだ」
霊夢「悪霊、ねぇ………」
霊夢は何処か懐かしそうな表情をする魔理沙と一緒に懐かしい思い出に浸っているような、そんな表情をした。
魔理沙「それより、これからどうするつもりだ?」
霊夢「ん、答えは決まってる。こうなった原因をもっと多角的に調べる為に人手を集める、外の博麗神社の神主にも手伝って貰うわ」
魔理沙「そんな物好きな奴いるかねぇ、こっちのより相当傷んでて、廃神社一歩手前なんだろ?外の博麗神社ってのは。菫子から聞いてるぜ」
「…そうよ!菫子よ!」
魔理沙「うわっ、急にどうした!?」
霊夢「菫子がどうかしたの?」
「あの子を人手に加えましょう」
そうと決まれば、まだあの子の悪夢の残滓が幻想郷に漂っていることを願って、夢の分子を集める結界を張る。
菫子(夢人格)「ひゃぁっ!?いきなり何々!?」
霊夢「紫…ちょっと、力が戻って来てない…?!どーれ、私も即席結界!!封夢陣!!よいしょーっ!!」
魔理沙「おおっ、捕獲成功…それで?」
霊夢「主人格の方を呼び寄せないと………その為にはとにかく弾幕ね!」
菫子(夢人格)「ちょ、タンマタンマ、態々そんなことしなくったって何やら非常事態らしいし?大人しく代わってくるから弾幕は撃たないでー」
菫子「んー、目覚め最悪ぅ…だけどどったの霊夢っち、魔理沙っち」
魔理沙「紫…号:ダブルオーさんから話を聞いてくれ」
「早速だけど菫子、貴女を幻想郷を取り戻す為に活動する私達のprojectの一員に勧誘するわ、応えてくれるわよね?」
菫子「はぁ………ダブルオーさん?の言ってる事はよく分からないけど、分かった、私で良ければ幾らでも応える」
魔理沙「projectぅ?」
霊夢「いつのまにそんなprojectが出来て私らがその一員になっているのかしら?」
「今さっきよ。菫子、現状幻想郷は滅ぶ寸前と言ってもいいくらいに切羽詰まった状態なのよ、このまま賢者達だけでも戻ってこないと幻想郷そのものの土地の維持が難しくなるのよ」
菫子「何かぐるぐるしてる神社の外の景色を見たら、確かにとんでもない状況だってことは分かった…」
「そこでその賢者達だけでも戻ってきて貰う為には何をしたらいいのか、皆で審議して行動して…霊夢か魔理沙、後の説明はお願い」
魔理沙「そこで丸投げかよっ!?」
霊夢「紫が始めた話でしょ、紫が終わりまで責任持って話なさいよ」
そんなことを言っている場合ではないことを今、この場にいる彼女達に言っても仕方ないかしら。急激に、私という存在が揺らぎ始めているのが分かる。
こんな…これからって時に…!!
魔理沙「んー、そうだな、簡潔に、紫の言うprojectとやらに参加して、んでもって旗振り役をしてくれるのを期待しているのかもしれん」
菫子「わ、私が!?」
霊夢「だって現状、他の世界…魔界や地獄、天界に行く力が私達には残されていないのよ、紫があんな感じだし、私も他の世界に行ける程力が残ってないし」
魔理沙「私は………私も付喪神った八卦炉が言うことを聞かない以上、他の世界を渡り歩くのは危ういし、何より帰ってきたばっかりだ、休ませてくれ」
菫子「魔理沙っち、最後のさ、私がここで旗振り役を買う理由としては弱くない?」
「ごめんなさい、それよりも見てほしい物があったのを忘れていたわ。霊夢が出掛けている間自分の家の押し入れかなんかに繋がってるスキマを弄っていたらね、こんなのが出てきたの、これって現状を打開するものに…なら、ないわよね」
霊夢「尻すぼみにならないでよ、不安になるじゃない、取り敢えず何か見つけたのなら見せてみなさい」
私が見せた真っ白な紙面にはただ、冴月 麟という名前らしきものが記されている。
「この名前に見覚えは?私は無いわ」
霊夢「ないわ」
魔理沙「私もないな」
菫子「分っかりっません」
「菫子貴女………」
魔理沙「分からないってことはどっかで見かけたことがあるかもしれないってこと、だよな?」
菫子「え?あれ?そうなっちゃう?そうなっちゃうかー…まぁ確かに?知ってるような知らないような、遠い記憶に残る友人だった人の名前かも、それ以上は本当に記憶にない」
期待して出てきた情報はそれだけ…でも。
「まぁ、一歩前進かしらね、この名前に何かあるのは多分確定していいでしょう」
霊夢「うん」
魔理沙「異論ないぜ」
霊夢「あ、と、ここで博麗大結界に感あり、どうやらここではない世界からやってきて大往生を遂げた少年みたい。返せるかどうか分からないけど、彼の魂返してくるわ」
魔理沙「大往生遂げたのに少年?妙だな」
菫子「ふふっ、私は理解したわ、その少年の姿が死者の1番お気に入りの生前の姿だったから、その姿で霊体になったことを…」
魔理沙「あー、そういえば死後にとる姿は必ずしも死んだ直後の姿じゃあない場合もあるんだっけか?」
「そう………ね___」
不味いわ、段々と知覚が弱くなってきている…。こんな感覚は霊夢達が聖域に異変を解決しに行った時分以来久方ぶり。
でもまだ、まだ眠っては駄目よワードミス00_号、私を欠いては多分、今度こそ幻想郷は終わり。
「早く、早くprojectを…」
魔理沙「ん?お、おい!大丈夫か!?紫!!」
東方project…それが此度、幻想郷を取り戻す為のprojectの名称。
______幻想郷はこの命に替えても取り戻す、絶対に。
これも続きは書かない予定ではいます。