Sin and Punishment:Accelerando   作:アイダカズキ

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補遺:少しだけ未来で戦う者たち(本編未登場キャラ紹介)

『Sin and Punishment』本編より少しだけ未来の時間軸の話のため、本編未登場のキャラについてここで解説します。作者の一口感想付きです。

 なお、なんせ未来の話なので今後の展開次第ではここに挙げた設定は変更される可能性もあります。それを念頭にお読みください。悪しからず……。

 

 ・ミルカ・ステヴァノヴィチ

 セルビア出身の13歳の少女。両親は既に死亡し、唯一の肉親である兄のガヴロと共に新香港へ移住してきた。龍一やブリギッテと出会い、事件の渦中で〈竜〉を発動させる。

〈王国〉の下部組織が行なっていた〈竜〉と人間の融合実験の被験体であり、兄と思っていたのは彼女の目の前で殺され、彼女が無意識に〈竜〉の権能で蘇らせた、幼馴染の青年だった。

 誰に対しても明るく人懐っこい娘だが、その一方で「目が覚めたら、自分を慈しんでくれる優しい人たちが全て消えていなくなっているのではないか」という悪夢に常に怯えている。

 彼女が発動させた〈竜〉は〈クルースニク〉。血液・涙・唾液など生物の体液だけでなく、戦闘兵器の潤滑油や冷却剤まで制御・暴走させられる権能を持つ。

 

 一番明るいけど一番過去が重い娘さん。龍一やブリギッテの前では素直な良い子なのに、シュウに接する時だけは急にわがままで甘ったれになるのが気に入ってます。

 

 ・シュウ(〈蚩尤《シユウ》〉)

 電子の海で生まれた、機械仕掛けの〈竜〉。

 元は中国軍の戦略・戦術支援AIだったが、仮想空間内での〈竜〉との融合実験により自我を持つに至る。

 彼は生まれながらに〈竜〉であり、その意味では〈悪竜〉から直接生まれた龍一に極めて近しい存在である。

 現実空間に実体を持たず、普段の生活では現在昏睡状態のとある少年を模した全身義体を遠隔操作している。軍用ではないがシュウ自らが未知の技術で設計・改造を行なっており、HW程度なら素手で蹂躙できるほどに機体性能は高い。

 彼の戦闘形態──〈蚩尤〉もまた、超巨大な戦闘用全身義体に過ぎない。

 自他共に認める「力の信奉者」であり、龍一とも一度戦っているが、現実空間でのシミュレートが不充分だったために敗れた。

 彼の持つ権能〈八卦炉〉はいわば超高精度の3Dプリンタとセットになったデータバンクであり、基本的な刀剣や銃器(ただしその品質は、市場に流通しているものとは比較にならない)から戦車、戦闘機、さらには惑星破壊ビーム砲・超弩級宇宙戦艦に至るまで「いずれ実現される兵器」までをも製造可能である。ただし時間と正確な設計図を用意する必要がある(逆に言えば、時間と設計図さえあれば何でも作れる)。

 加えて〈八卦炉〉にはそれらの兵器を利用した戦術・防御方法も蓄えられているため、〈蚩尤〉形態の基本性能とも相まって純粋な火力だけなら相良龍一の〈悪竜〉に勝るとも劣らない。反面、それらの武器兵器が通用しない敵とは相性が悪い。

 やたらと懐いてくる(そしてお姉さんぶってくる)ミルカに心の底から困惑している。

 

 これまたミルカと二人で一キャラのような存在。日常の話に困った時は、この二人に漫才させておけば大抵解決できるので作者としては大変ありがたいです。

 

 ・〈夢の国の王子〉アイネイア

 初登場は『Sin and Punishment』の「叶愛花の章 夢の国の王子(未完)」。空に開いた〈割れ目〉の向こう、〈夢の国〉からやってきたと称する謎の青年。

 開けっぴろげな態度と大きすぎる笑い声で、どこにいようと注目を集めてしまう、隠密行動には向かなすぎる人物である。

 彼の語る〈夢の国〉の冒険譚はどれも奇想天外すぎ、話のスケールが大きすぎてその場の全員が注意散漫になってしまうほど。

 戦闘では唯一、身に帯びている長剣を振るって戦う。が、この長剣は彼が自ら刃を潰しており、殺傷能力はない(人間相手に力一杯殴ったら怪我くらいはさせるだろうが)。

 その大きすぎる笑い声と、自分を狙う攻撃を全て『それは夢である』の一言で瞬間移動により無効化できる。が、それも通じない強敵に対しては彼のもう一つの姿、〈悪鬼《デーモン》〉と呼ぶ形態に変化する。

〈悪鬼〉は悪夢の産物のごとき不定形の「生きた沼」であり、戦闘終了まで生物・無生物を問わず全てを飲み込み喰らい尽くし続ける。

 そして、彼の語る〈夢の国〉とはどのような場所なのか、彼以外の誰も知らない。今のところは。

 

 豪放磊落、気は優しくて力持ち。相良龍一よりよほど快男児ムーブをしていますね(龍一は快男児と呼ぶには、だいぶ陰に篭りすぎている)。

 彼がたびたび口にする〈夢の国〉とは……まだ内緒です。物語の根幹に関わってくるので現時点でははっきりと言えないのです。

 

 ・イナンナ

 エンリル製薬の人体実験施設〈人類の檻(ケージオブマンカインド)〉に監禁されていた『限りなく原型に近い〈竜〉』と呼ばれる少女。

 十万体以上の「姉妹たち」の犠牲を経て奇跡的に生き残った実験体であり、斃れた「姉妹たち」の記憶を全て受け継いでいる。

 無生物に生命を与え、あるいは生命力そのものを移動させる権能〈天から地へ(アンガルタ・キガルシェ)〉を持つ。床や大地に一時的な生命を与えて防壁にする、あるいは瀕死の者に生命力を与えるなど、応用範囲は広い。

 粘土細工が好きで、時間さえあれば〈カルネアデス〉の一室で粘土相手に木の箆を振るっている彼女の姿が見られる。

 優しい眼差しと儚げな佇まいとは裏腹に、彼女は単体で惑星改造《テラフォーミング》が可能な環境操作の怪物であり、その全能力は〈黒い氷〉を駆使する瀬川夏姫にも匹敵する。

 実際、ヨハネスは瀬川夏姫が制御不能に陥った、あるいは喪われた際の「保険」として彼女を用意していた。

 

 彼女が武器として使う「木の箆」と「パレットナイフ」はキャラが固まっていなかった故の表記ぶれです(修正しましたが、万が一漏れていたらご一報ください。申し訳ない……)

『限りなく原型に近い〈竜〉』と呼ばれているのは伊達ではなく、彼女もまた龍一にアイネイアとはまた違う形で近しい存在でもあります。

「魂を持つもの」特効持ちなのでその気になればもっとえげつない戦い方ができるはずですが、彼女の性格上していません……現時点では。




これにて『Sin and Punishment:Accelerando』今度こそ本当に終わりです。半年間のお付き合い、ありがとうございました!
龍一たちの死闘と試練は今後もなお激しさを増して続きます。お楽しみに!
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