てなわけで第9話どうぞ!
今日は土曜日だが学校に行かないといけない。
部活動や生徒会などの課外活動の紹介が行われることになっていて、他にも色々と説明されるらしい。
一応午前中に終わるとのことだが、普通なら今日は休みの日で、説明会に関係ない先輩方は参加しなくて良いこともあって行きたくない気持ちが出てくる。
まぁ仕方ないことなので、いつも通り準備をして登校する。
今日は比乃宮と一緒に登校する約束をしていたから寮のエントランスで待つことにする。
「おはよう、待ったか?」
「待ってないし、時間通りだから問題無い。じゃあ行こうか」
比乃宮も僕と同じで土曜日に学校に行くことに不満があるようで、口を尖らせている。
やはり顔が良い人はどんな仕草をしても絵として成り立つな。これを逆の人がやったら残念な感じになるんだろうな。
こういう子供っぽいところも比乃宮の魅力の1つだな。
「昨日は大丈夫だったか?何ともなさそうだから問題無かったんだろうけど、神崎と2人でちょっと心配したぜ」
「大丈夫だ、ありがとう。昨日は授業が良かったかと、改善点を聞くために残されたんだ」
「へぇ、そうか。安心安心」
手を抜いてるのがバレて残された、だなんて流石に言えないな。
それにしても昨日は色々あったな。
佐々宮先生に手抜きがバレて、彩辻先輩と決闘して、風紀委員会のメンバーと知り合って、エクスモールで不審者に絡まれた。
これが同じ日に起きた出来事と考えると中々濃い1日だったな。
今日は放課後に風紀委員会室に寄らないといけないんだったか。
昨日は早速榊委員長に連絡することになったから若干の気まずさがあったんだよなぁ。
風紀委員長直々の勧誘を断ったのに都合良く使うのって、よくよく考えたら凄く失礼じゃないか?一応謝っておくか?
体育館で説明会を開くということなので体育館に移動したが、1年生全員が集まるのでかなりの生徒が集まっている。
人が多くいると気持ちが落ち着かないな。やはり少ない人数でいる方が僕には合っているな。
「欠神くん、比乃宮くん、おはよっ」
「おはよう、神崎」
「はよー」
神崎がペタペタと走ってきて挨拶をしてきた。そのうち犬耳とか尻尾が見えてくるんじゃないかと思い始めてきた。
説明会が始まるまで3人で雑談をしているとアナウンスでもうすぐ始まることを伝えられた。
説明会は並んだりする必要は無いようなので、3人で隅に固まって説明会が始まるのを待った。
『これから、課外活動説明会を始めます』
アナウンスとともに、才麗学園の部活動紹介が始まった。
部長と数人の部員でその部の活動内容などをプレゼンしていく。
神崎は料理研究部、比乃宮は実戦形式で実力を磨く闘錬部に興味を示していた。今のところはどこの部活動にも興味は無いな。
次は風紀委員会の番のようだ。榊委員長と彩辻先輩と白井先輩が出てきて風紀委員会の説明をしている。
「私たちは自分たちの愛する学園の秩序を守るために存在しています。実力も大事ですがそれ以上に、優しく誠実な精神こそが大事だと思っています。風紀委員会に入ることを望むなら、私たちはちゃんと向き合って審査します。貴方たちが門を叩く日を待っています。以上です」
委員長の美貌とカリスマ性に魅了されて周りの生徒、特に男子は委員長に見惚れて骨抜きにされている生徒が多くいる。
さて、次の生徒会で最後のようだな。
入学式で見た生徒会長があの時と変わらぬ雰囲気のまま出てくる。
後ろには1人男子生徒がついてきていて、その人は生徒会長と違って優しそうな人だ。副会長なのだろうか?
「生徒会長の
ただ話していただけだった。だがこの場にいる全員が圧倒されていた。
隣の比乃宮と神崎も生徒会長から目を離せずに固唾を呑んで聞いている。
これが生徒会長、やはり上に立つ者は他と一線を画す存在感があるな。
壇上から姿は消したが、体育館にはまだ余韻が残っていた。
『課外活動説明会は以上となります。入部の受付は明日からで、生徒会と風紀委員会を除き5月中旬まで行いますので、入部を希望する生徒はデータベースから申し込みリンクを開きウェブ上で申請してください。次は、決闘試験の説明をします』
アナウンスと共に矢吹先生が出てきた。
体育館全域を見渡し、少し深呼吸をしてから話し始めた。
「今から決闘試験の説明をしていきます。決闘試験は簡単に言うと実技版の定期試験です。
ぺこりと頭を下げて先生が去っていく。
必ず決闘しなければいけないのか。まぁ、異能使いは今も異端者として気味悪がられて迫害されたりするケースはあるし、最低限の自衛手段を身に着けさせる為なら強制的に決闘をさせるか。
対戦相手は正直誰でも良いし、学園側がランダムに選出した人にしよう。
これで説明会は終わりか。じゃあこれから風紀委員会室に行かないといけないのか。
比乃宮たちに寄るところがあって一緒に帰らないことを伝えてから別れ、風紀委員会室に向かう。
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風紀委員会室と書かれたプレートがある扉の前に立つ。
「欠神戒斗です。入室してもよろしいでしょうか」
インターホンで自分の名前を名乗りと入室の許可を求める。
「どうぞ、入ってちょうだい」
インターホンから委員長の声が聞こえると共に、機械音が小さく聞こえてドアのロックが外れた。
中に入ると昨日のメンバーと、知らない女生徒がいた。
「おいすー、ウチは
机に突っ伏してだらけながら挨拶してきた。
のほほんとした雰囲気で掴みどころがない人だ。3年生で榊委員長と同い年のはずだが全くそう見えない。
身だしなみも頓着しないタイプのようで、腰まで伸びている髪は手入れをしていないのかボサっとしている。
「これで幹部全員と会えたわね」
「幹部?そんなものがあるんですね」
「えぇ、警備隊と似たようなものね。その場で他の風紀委員を纏めて指揮出来る権限を持った生徒たちで実力は折り紙付きよ。じゃあ、昨日のことを聞かせてもらっても良いかしら」
昨日エクスモールで起きた出来事を話す。
皆真剣に聞いており、錠剤の話をしたら警備隊の人たちのように空気が変わった。
流石に気になって来たので質問してみる。
「彼らが持っていた錠剤は何なんですか?皆さんも知っているんですか?」
「……あれは所謂ドーピング剤で、ブーステッドドラッグと呼ばれているわ。解析結果から、使用すれば天耀力の総量と出力が増幅し操作技術も向上することが分かってるわ。そして決して無視出来ない副作用があることも分かっている。効果が切れると激しい頭痛や吐き気に襲われ、細胞が急激に劣化するの。それに精神が不安定になって狂暴化してしまうこともあるわ。そして症状を和らげるにはブーステッドドラッグを使うしかないからさらに悪化し、死に至る。まさに悪魔の薬ね。そして、そんな薬が最近アスカーディアで出回っているらしいの。各学園でその薬を使った結果狂暴化した生徒が現れだして……才麗も他人事じゃなくなっちゃったわね。まだ薬の存在は公表されてないけど、時間の問題ね」
予想通り違法薬物だったな。
学園都市と言えど、やはり裏社会は作られてしまうか。
まだ未熟な学生を食い物にしようだなんて、心が痛まないのか?いや、裏社会にいる奴にそんなことを期待する方が間違いか。
他の学園でも被害が出ているようだし、どうやらこの一件は僕が思っている以上に規模が大きいのかもしれない。