原作よりも低能なギレン・ザビ   作:スカウトマニア

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そろそろ突っ込むべき機体が減ってきましたね。イフリートとかギャンとか、ビグ・ザムとかそれぐらい?


GUNDAM

 ギレンとキャスバルが話をしていた部屋に、オリヴァー・マイとセシリア・アイリーンが入室する。

 マイは国父ジオンの遺児にして現ジオン軍最高峰のエースたるキャスバルの姿に、少なからず緊張していたが、自分の役目を忘れてはいなかった。

 セシリアがタブレット端末をギレンとキャスバルに渡してから、いつでもギレンの盾になれる位置に着く。マイは壁面スクリーンの前へと移動し、いつでも説明を始められる態勢を整えた。

 

「キャスバル・レム・ダイクン少佐、お初にお目にかかります、親衛隊所属オリヴァー・マイ技術中尉であります。名高き“赤い彗星”にお会いできて光栄です」

 

 キャスバルはマイの敬礼に立ち上がって答礼し、柔和な笑みで答える。マイの口にする敬意に偽りがなく、薄っぺらい太鼓持ちの言葉でないのが分かったからだ。

 

「あまり持ち上げないでくれないか。私など所詮は若輩者だ。今回の件もいくつもの幸運に恵まれた結果に過ぎない」

 

 とはいうものの性能で劣るザクⅡS型でガンダムタイプ二機を無力化するなど、キャスバルの他に可能な者がジオンにどれだけいることか。

 ベテランのデニム以外にも、トクワンとデミトリーという優れたMAパイロットが他の機体を抑えていたのも大きいが、大きな戦果であるのは間違いない事実なのだ。

 ギレンはキャスバルとマイのやり取りを見届けてから、連邦の兵器に対して自国の技術者がどう評価するのか、興味を抱きながらマイへと目配せをした。

 

「オリヴァー・マイ技術中尉、始めたまえ」

 

「はっ。キャスバル少佐がサイド7で拿捕した地球連邦軍の新型戦艦、並びに新型MSについて、分析の結果をご報告いたします」

 

 壁面スクリーンに映し出されたのは、前後に突き出た四本の脚のような部位と翼を広げたシルエットと白い船体が特徴的な宇宙戦艦だ。

 ある少女の夢見た世界とは異なり、ブリッジもクルーも無事なまま鹵獲されたホワイトベースである。

 

「こちらがペガサス級強襲揚陸艦二番艦ホワイトベース。地球連邦のMSの運用母艦として建造された艦となります。

 ブースターなどのオプション無しで単独での大気圏の離脱突入能力を持ち、更にミノフスキー・クラフト・システムによる大気圏内での飛行すら可能となっています。

 このミノフスキー・クラフト・システムの恩恵はすさまじく、浮遊したままの後退や低空飛行、更にはVTOL式の軟着陸と発進すら可能としており、これは我が軍のザンジバル級にも備わっていない機能となります」

 

 ジオン軍において大気圏内外で活動可能な艦は、現在、ザンジバル級のみだが、ミノフスキー・クラフト・システムは未搭載の為、話を聞く限りホワイトベースの方が一つ、二つ、優れた両用艦に聞こえる。

 MAへのミノフスキー・クラフト・システムによる飛行能力の付与はアッザムから始まり、ギニアスのアプサラス計画でも実装が進められているが、連邦軍は艦艇クラスとはいえより優れた代物が実戦投入可能な段階に達しているのだ。

 壁面スクリーンの画像は様々な角度から映したホワイトベースの外観と、MSデッキを始めとした内部の画像へと切り替えられる。

 

「この特徴的な船体は前方に突き出ている左右の脚を思わせる箇所がMSデッキ、後方に伸びているのがエンジンブロックとなります。

 翼につきましては太陽光パネルと放熱板を兼用し、かつ大気圏内でミノフスキー・クラフト・システムを空力的に補助する役目を持ちます。これはミノフスキー・クラフト・システムが洗練されきってはおらず、改良の余地を含む為であります」

 

 更に船体中央の艦橋下にある実弾式の主砲、前脚基部の円形シャッターに格納されているメガ粒子砲二基、格納式の銃座や前部と後部にあるミサイルランチャーについて報告が成される。

 総合的な火力はサラミス級以上、マゼラン未満といったところだろうか。ジオンでは改良を加えたムサイ級でも撃ち合いを避けるべきだ。

 

「しかし、長所ばかりでなく問題もあります。ブロック状の構造は生産がしやすく、ダメージコントロールにも優れますが、MS運用母艦としての機能を盛り込んだ結果、箱型の船体に対して砲配置が適切ではなく、火力の集中投下が困難である事。

 また艦単独での自衛能力は銃座とミサイルランチャーだけでは不足しており、艦載機に頼る運用と割り切っています。銃座については直接人員が操作する形式ですので、人的損耗率の高さも懸念事項の一つです。

 はっきりと言えば開戦初期の大敗により生産能力の激減した連邦軍が、単艦に多くの機能を持たせ、高性能化を追求した結果、火力はマゼラン級に劣り、速度は高速艇に劣り、物資輸送能力ではコロンブス級に劣る艦となっています」

 

 ホワイトベースの外観と内部の図面をしげしげと眺めていたキャスバルは、左右のMSデッキ間の移動が直接行えず、いちいち船体中央を経由しなければならないのは、状況によっては致命的だなと思っている内に、ギレンが口を開いた。

 

「ふ、とはいえ我々ジオンも割とそういった傾向は見られる。特にMSに艦の守りを任せるという発想あたりがな。マイ中尉、ではペガサス級とMSにはどんな評価を下したのだ?」

 

「は。ホワイトベースのこの前方に突き出た箇所がMSデッキであることは先に述べた通りです。船体中央部の第三デッキに大気圏内用の汎用輸送機ガンペリー一機を搭載できますが、一旦、割愛いたします。

 ホワイトベースはMS運用母艦であると同時にキャスバル少佐の鹵獲されたMS群、RXシリーズの運用母艦でもあります。このRXシリーズには共通して、コア・ブロック・システムが導入されています。こちらをご覧ください」

 

 壁面スクリーンがコンピューター・グラフィックによる解説用の画像へ切り替えられた。宇宙の空を背景に、三機の箱型戦闘機が映る。

 箱型の戦闘機コア・ファイターが、翼を格納し突き出た機首も機内へと折り畳まれると、古い時代のカセットテープのような形状へと変化する。

 そこへガンタンク、ガンキャノン、ガンダムの上半身と下半身とが次々と飛来して、ブロック型になったコア・ファイターを上下に挟み込んで合体してゆく。

 

「このようにコア・ファイターと呼ばれる戦闘機を中心に、上半身のAパーツ、下半身のBパーツを合体させることで三機のMSが完成するシステム、これをコア・ブロック・システムとして、連邦軍はテストを重ねていました」

 

 コア・ブロック・システムについて、最初に感想を口にしたのはキャスバルだった。パイロットとしての視点から、彼はこう言った。

 

「それぞれのMSについてはこれからのマイ中尉からの評価を待つとして、これはエースパイロットを長時間戦闘に参加させる目論見もあるのかもしれんな。

 戦闘距離に合わせてパーツ交換によるMSの乗り換えを行い、常に距離に合わせて最大のパフォーマンスを発揮する機体で戦わせるといったような考えがあるように感じられる」

 

 キャスバルの頭の中ではコア・ファイターに乗った自分が遠距離ならガンタンク、中距離ならガンキャノン、近距離ならガンダムと次々と機体を乗り換えて、連邦軍の未知のMSと戦うイメージが描かれていた。

 それぞれの機体にパイロットを乗せて同時に運用する方が、戦術の幅も戦力も勝るのだろうが、MSはパイロットの技量次第で数倍の敵戦力に勝利しうる可能性を持つ機動兵器だ。

 一つの戦場において突出したエースは、並みのパイロット数名、下手をすれば十名以上の活躍を見せるのは、ジオン軍自体がこれまで証明している。そう考えれば、エースに掛かる尋常でない負担を他所にすれば、キャスバルの想像もあながち的外れではなさそうだ。

 

 ギレンは運用する側の視点に立ち、画期的であると同時にジオンにとっても未知の運用方法を採用したRXシリーズとペガサス級のコストを予想し、眉間にしわを寄せる。同数のムサイとザクの数倍のコストがかかるに違いない。

 

「損傷を受けてもパーツ交換ですぐさま戦場へ再投入できる点も見逃せんな。RXシリーズなら極端な例になるが、下半身が吹き飛んでも予備のパーツを使えばそれで修理が終わったのと同義だが専用母艦の必要性も含め、運用コストは高くなるだろう」

 

「説明を続けさせていただきます。まずは三機のMSに共通する点から。これら機体は連邦軍がMS開発にかかるノウハウ獲得を目指し、各種の技術を投入して開発されたものと目されます。

 コア・ファイターには教育型コンピューターが搭載されており、脱出装置としても機能することで、MSの運用データを高確率で持ち帰られるよう試行錯誤されています。

 教育型コンピューターそのものは我が軍のザクを始め、旧来の兵器や民生品にも搭載されていますが、コア・ファイターに搭載されたのは非常に高性能な代物です。

 教育型コンピューター以外にもコア・ファイター自体が核融合ジェネレーターを二基搭載していることに加え、すべての機体がルナ・チタニウムを装甲に用いている為、高コスト化を招いています」

 

 貴重なルナ・チタニウムのあまりに贅沢な使い方にマイを始め、分析に当たったジオンの技術者達は眩暈のする思いをしたものだ。

 

「機体の装甲そのものがルナ・チタニウムとは、これではザクマシンガンが通じんわけだ。これではバズーカとシュツルムファウストも通じるか怪しいものだな」

 

 あのガンダムの硬さを思い出し、キャスバルは秀麗な眉宇を寄せる。

 今後、地球連邦の送り出す量産型MSまでもガンダム並みの硬さであったなら、それは途方もない脅威に他ならない。

 南極条約によって核バズーカを使えなくなった状況では、一機撃墜するのにも手間取るのは目にも明らかだ。

 

「それではそれぞれの機体に関する分析結果と評価をご説明いたします。まずはこちらRX-75ガンタンク。御覧いただいております通り戦車状の下半身と武装そのものの腕、砲身を備えた上半身からなる機体です。

 三機の中では最初に開発が進められた機体であり、外見通り長距離支援用の試作MSとなります。

 最大射程260kmを誇る120mm低反動キャノン砲×2、腕部の40mm四連装ボップミサイルランチャーで武装しています。特に両腕のボップランチャーは試算では、一斉に発射した場合、ドム三機を粉砕する威力を発揮します」

 

「粉砕……粉砕? 撃墜ではなく粉砕か?」

 

「はい、ギレン総帥。重装甲を誇るドムであっても、文字通り粉砕されます。粉のように砕かれるのです」

 

「本当に40mmか、それは?」

 

「……計測した限りは間違いなく」

 

 ギレンはいったん、ボップランチャーのことは忘れて、ガンタンクの機体構造について話を切り替えた。

 

「まだ人型には行き着いていない時期のMSか。人型に寄せた大型戦車にしか見えんな。MSとしては未成熟でも、長距離支援や砲撃戦には適合していそうなものだ。しかし、射程が260kmか。地上ならば使いようもあるか?」

 

 ギレンが水を向けたのはキャスバルだ。宇宙と地上両方の戦場を知る歴戦のエースに、意見を求めた形である。

 

「ミノフスキー粒子の散布下では無用の長物となりますが、現場での観測データをリアルタイムで得られるか、あるいは軍事拠点などの固定目標相手ならば十分に活用できるでしょう」

 

「運用する指揮官次第では十分に脅威か。MSの出来損ないでもMSとして使わなければ、厄介な戦力になるかもしれんとは、頭の痛いことだ」

 

 ギレンの目配せを受けて、マイは説明を再開する。

 

「はい。ガンタンクはキャタピラによる地形を問わない走破性、砲撃時の安定性などを備えていますが、MSに求められる機動性は皆無です。

 底部スラスターによって浮上出来る為、かろうじて宇宙空間でも運用可能ではありますが、仮に飛行中の母艦へ着艦するとなると地上では母艦への着艦時に、浮いた状態で母艦から迎えに来てもらわなければならない欠点があります。

 頭部にガンナー、腹部にパイロットが乗り込む複座式ですが、コア・ファイターは腹部の一機のみですから、脱出時にガンナーは自力で何とかする必要があります。

 鹵獲した機体の中には単座式への改修が行われた機体もありましたが、なぜか頭部での単座式となっており、せっかくのコア・ファイターを活用できない仕様となっていました。

 またコア・ファイターの為に、上半身を旋回させることは出来ず、機体そのものが方向を転換しなければなりません」

 

 脱出機構の不備と旋回出来ない戦車とは、まるでかつてのマゼラアタックを彷彿とさせる。ジオンがマゼラアタックからMSを開発しようとしたら、似たような塩梅になったかもしれない。

 

「こう聞くと戦車から人型機動兵器を開発しようと、四苦八苦していた過渡期の機体という印象だな」

 

「はい。ガンダムに至るまでの試験機としての側面の強い機体です。続きまして人型としての形状を獲得したRX-77ガンキャノンについて、ご説明いたします」

 

 そして壁面スクリーンには頭は白く、ごつい胴体と手足は真っ赤なガンキャノンが映し出される。ガンタンクから人型機動兵器へと劇的な進化を遂げている外見だ。

 ジオンは数年がかりでザクへと行き着いたのに、地球連邦は本腰を入れて数か月でコレである。国力の差をまざまざと見せつけられた気分で、ギレンは内心でゲンナリとしていた。

 ザクに至るまでどれだけ議論を交わし、四苦八苦し、迷走したことか。なんなら今だって迷走している。きっとこれからも迷走する。

 

「ガンタンクが長距離支援用のMSであるのに対し、ガンキャノンは中距離支援用のMSとなります。MSの機動性を活かしつつ、前衛と有機的に連携して砲撃支援を行う機体となります。

 武装は240mmキャノン砲あるいはスプレーミサイルランチャー×2、60mmバルカン砲×2、専用ビームライフルとなります。

 ザクマシンガン並みの連射速度を誇る240mmキャノン砲もさることながら、最大30kmの射程と高い命中精度を誇るビームライフルは大きな脅威という他ありません。

 撃ち合いを前提に重装甲化された機体の強度は、ザクⅡの約六倍に達し、ガウ攻撃空母の主砲やドムのジャイアント・バズの直撃でも破壊できない、凄まじい防御性能を発揮します」

 

 マイの口から語られるガンキャノンの無法な性能に、キャスバルがデニム達はそんな高性能機と戦っていたのか、と驚きながら口を開く。

 

「では機動性は? それだけの重装甲となると劣悪な性能になりそうなものだが」

 

「それほど悪くはありません。後述するガンダムに追従する必要性も含め、人型機動兵器として十分な機動性を有しています。

 しかしながら、高火力・重装甲の支援機としてのコンセプトを満たす為に、ザクの約四倍以上となるコストとなっています」

 

 高性能ゆえの高コストを告げられて、キャスバルはガンキャノンとザク四機ならどちらを求めるかを考える。

 

「ガンキャノン一機でザク四機か。マゼラ・トップ砲なりバズーカを持たせたザク四機の方が使い道はあるか?」

 

 それに対してギレンは連邦軍の初めての人型MSがいきなりこれほどの高性能機であることに、苦く淹れすぎたコーヒーを飲んだような顔になる。もっとこう、欠点塗れの機体でもいい筈なのになあ、といった具合だ。

 

「最後にRX-78ガンダムについてご説明いたします。本機はRXシリーズの集大成と呼ぶべき機体と言えます。機体はもちろんシールドもザクマシンガンの直撃をものともしない強度を誇ります。

 武装は一撃で既存の我が軍のMS全てを撃破可能なビームサーベル、ビームライフル、頭部に60mmバルカン砲×2、ハイパーバズーカをメインとし、オプションとしてガンダムハンマー、スーパーナパームを確認しています」

 

 スクリーンにはキャスバルとの戦闘とシミュレーターによる仮想戦闘の映像が次々と映し出され、ガンダムの優れた機動性とジオンのMSを容易く破壊する各種武装の圧倒的攻撃力が残酷なほど克明に描かれている。

 

「ガンダムの単純なスペックそのものは、我が軍のゲルググと同等かそれ以上です。更には宇宙、地上、水中を問わない圧倒的な汎用性、遠近どちらもビームと実弾による隙の無い武装、単独での大気圏突入能力と、信じがたい機能を多数備えています」

 

「ゲルググと同等以上の性能を持った機体が、場所を問わずこちらのMSを一撃で破壊できる武装で暴れ回るというわけか。我々にとってガンダムとは悪魔の代名詞か?」

 

 皮肉気にギレンが呟き、まったくだなとキャスバルが同意する一方で、マイは問題点について語り始めた。

 

「当然ながら問題点も存在します。ガンダムにおいては全てのパーツが極めて精度の高い高品質の品が使用されており、工業力の落ちた現在の地球連邦では一機当たりのコストが極めて高いものになるのは間違いありません。検査に弾かれたパーツが数十機分はあるはずです。

 また三機に共通する問題として、コア・ブロック・システムにより接合部、胴体付近の強度に不安を抱えている点と、システムと装甲材の齎す高コストはいかに地球連邦でもこれらの機体を量産するのは至難を極めるものと推察されます。

 特にガンダムに至ってはザクの約二十倍近いコストです。これはRXシリーズが量産を前提とした試作機ではなく、概念実証機、実験機と呼ぶべき機体群である為です。これらとは別に量産を前提とした機体の開発が進んでいるのは間違いないかと」

 

「二十倍か。我々なら十機のガンダムより二百機のザクを選ぶが、地球連邦はさてどう出るか……。マイ技術中尉、貴官ならば地球連邦はどのようなMSを量産すると考える?」

 

「はい、高コスト化を招く要因である装甲材の変更、コア・ブロック・システムの廃止は必須です。その上で我が方のMSを相手に優位性を保つ為には、ビーム兵器の標準装備が必要かと」

 

「すでにそういった機体が生産体制に入っていると考えて、当たるべきであろうな。地球連邦のV作戦の本質は、RXシリーズによって収集したデータを反映させて、本格的な量産型MSを開発・生産するものかもしれん。

 キャスバル少佐の活躍で今回、V作戦の一端をものにできた。問題となっていたビーム兵器の小型化について、解決のめどは立ったのか?」

 

「はい。ガンダムとガンキャノンのビーム兵器の解析により、我が軍でのMSへのビーム兵器搭載に向けて、大きく弾みがつきました。遠からずビーム兵器の実装が成されます」

 

 それは今回、マイから伝えられる情報の中で、数少ない朗報であった。現在、ゲルググの機体そのものは完成しているが、搭載予定だったビーム兵器の開発は難航していたのだ。

 とりあえず機体だけ量産して各戦線にザクⅡFZ型などと一緒に配備する予定だったが、ビーム兵器があるに越したことはない。

 

「それにしても」

 

 不意にキャスバルが軽い調子で口を開いた。

 

「タンクだからガンタンク、キャノンを背負っているからガンキャノンとして、ガンダムのダムとは、なんなのでしょうね? 捕虜の中には開発者も居ることですから、尋ねてみたくもあります」

 

 ネーミングセンスについてはジオンも大概だが、まあ、キャスバルの疑問ももっともではあった。キャスバルの軽口に答えたのはギレンだった。

 

「そうさな、GUN(ガン)FREEDOM(フリーダム)GUNDAM(ガンダム)ではどうだ? スペルに誤差はあるが、地球連邦が我々に対し、“お前達の求める自由とは銃を手に取ってまで求める価値があるのか”と、そう突き付けているのではないか?」

 

 穿った見方かもしれんがな、とギレンはつまらなそうに呟いたが、キャスバルなどは確かにそうであるかもしれないと、少し思う程度には説得力のあるギレンの説であった。




下でジークアクスに触れます。最終回まで未視聴の方は避けてくださいまし。
















遅い感想となりましたが、残念ながらギレンを確認することはできませんでしたね。
ジオン本国で不敵に笑うギレン、地球軌道上に集結する連邦艦隊とそれを指揮するレビルかティアンムかジャミトフかバスク、宇宙を見るカミーユ、木星でほくそ笑むシロッコあたりは想像していましたが、私の想像以上に物語はハッピーエンドとなりました。ララァのプライスレスな笑顔が見られて、あの御三方の声が聞こえたので、よし! という感じです。
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