後、戦闘描写は苦手なので分かりにくい点があるかもです。
言い訳がましい前書き失礼しました。では第四話。楽しんでいただけたら幸いです。
まずは歓迎の曲を。
総勢二十名。小銃弾、数万発。ロケット弾、数百発。セリューに運ばせた大型火砲、数十発。最後にディスペンサー弾頭の大型ミサイル数発。ソロとして私の銃弾が1発。
黄色い髪の女性に照準を合わせ、歓迎曲に紛れ込ませて銃声を響かせる。
「貴女が薔薇を持たない限り私の弾は外れはしない。」
私の歓迎は腕を食い千切るだけに終わり。十分に合格点の狙撃だったんですが、勘の良い方です。予定通りに窓から跳び、閃光が屋敷を包みます。
遠隔操作の銃器群と小銃弾がパンプキンに薙ぎ払われたのでしょう。屋敷の二階部分ごと。
そんなどうでもいい事に思考を割くのを止め、糸に絡め捕られたロケット弾やミサイルを足場に一息で彼らの元まで駆ける。
構えて
「零閃編隊・三機」
全力で放つ。全てを黒髪に受け止められます。出来なければ興醒めも良い所なのですが。
そのままウェルカムドリンクに
反動を利用して空へ跳び
「セリュー!!」
返事の代わりに投石が。それを足場に屋敷の玄関に降り立ち、務めを果たす。
「お客様方。当屋敷の歓迎はお気に召したでしょうか。こちらとしてはバル・マスケを予定しておりましたがそうではないようで。これは失礼しました。この舞踏会の主催を務めております。アリア・フォン・トスカーナと申します。どうか、幕引きまでお付き合いを。」
さあ。素敵な時間を過ごしましょう。
「葬る。」「私も行きます。」
火の海と化した庭園で黒髪と紫髪が私の元へ。
「俺も続くぜ。行くぞ。」「へいへい。ボスの為に頑張りますよ。」
「いかせるかぁ!!2番、5番、6番、7番、8番。馬頭換装牛頭。全弾接射。正義執行!!」
張り切っていますねセリュー。
二対一を二つ。地の利は私達に。悪くない流れですね。
「こちらです。リードは任せてください。」
腰から牽制用の拳銃を取り出し適当に撃ちながら
「先に行ってくれ。隙を見つけ次第葬る。」「奇襲はお任せします。出来るだけ早く。」
当然のことですが銃弾は弾かれます。牽制になれば十分ですが。
「こちらで踊りましょう。格別の趣向を凝らしておりますので気に入って頂けるかと。」
「行きます!!」
ポンと
「シェーレ!!」
咄嗟に帝具を盾にして爆風を利用して後ろに跳びましたか。ただ
「大丈夫です。生きてます。」
そこまで体勢を崩したのを見過ごすことは有りません。
足元の地雷を踏んで爆風で加速する。神速のその先、縮地より速く。爆縮地の速さをもって
「五頭龍閃!!繋ぎ、「させるか!!」龍巣閃。」
ほぼ同時の五連撃。入り込んできた黒髪を巻き込むように乱撃を放つ。この手応え。手首にヒビを入れたくらいでしょうか。なら、
「葬る。」その力のない斬撃は防刃繊維で編まれたドレスを切り裂けず、滑る。その驚愕でできた意識の空隙は
「幕引きです。零閃。」零閃が入るには十分すぎます。「アカメ!!」
会心の一撃だったのですが
「随分と硬い帝具ですね。帝具ごと斬るつもりでしたが、左手一つですか。」
「仲間の命と引き換えなら安いモノです。利き手が残っているなら戦えます。」
あの帝具。恐らくは鉋と鈍の真打。防刃布など裁ち鋏の前の布と同じですね。なら、戦力の分析が出来、対策をしていない帝具使いを殆ど無力化できたと考えれば大分優勢だと考えられますか。
「折角です。相手も知らず踊るのは無粋でしょうし。自己紹介としませんか。止血もしなければいけないでしょう。」
こちらも戦術を練り直したいです。本当は先程のやり取りで村雨を殺して、未知の帝具をゆっくりと攻略する予定が消えましたから。
「では、お言葉に甘えさせてもらいます。えっと、」
「私がする。」
黒髪が紫髪の左手に包帯と枝で手際よく止血していく。
「先ほどもさせていただきましたが改めて、アリア・フォン・トスカーナと申します。」
「アカメ。」「シェーレです。」
「踊る前に一つ質問を。部隊章は梟ですか。」
「ミミズクだ。」「ミミズクです。」
あれだけ梟と予測しておいて外れていましたか。恥ずかしい話です。
「でしたら、貴女方から耳を削いで梟だったと言い張る事にします。では、踊って頂けますか。」
「剣舞でよければ!!」
以外と話せる方ですね。アカメさん。
小細工なし。二人きりの円舞曲。剣戟の音が拍子の代わり。ただ、幾ら踊れど千日手。拮抗してしまいました。
時間が長引くのはどちらにとっても好ましくありません。シェーレさんに刺されるかもしれませんがワザと踏んでみますか。
「土龍閃。繋ぎ龍翔槌閃。」
目くらまし。切り上げ。打ち上げた石礫を足場にして下向きに加速して斬る。
二つは躱され、最後は刀で受け止めようとする。私は鉋を手放して刀の間合いの内側に入り込み。
自分と触れていたモノの重さを打ち消す足軽を使ってアカメさんを空高く打ち上げる。
基本的に空中では身動きできません。だから、面制圧の散弾銃なんて躱しようがないでしょう。
梟に鳥撃ちなんて中々小粋だと思いませんか。
「アカメ!!エクスタス!!」鋏が発光しての目くらまし。散弾銃じゃなければ有効な手でした。アカメさんが居ると思われる方向に銃口を向けて引き金を引く。
閃光が収まりアカメさんの死体を確認しようとして見当たらない。周りを見渡すと糸使いだと思われる男性がアカメさんを抱いていました。
「セリューはどうしました。しぶとさなら油虫以上ですから死んではないと思いますが。」
「兄貴が時間稼ぎに徹しているよ。と役得、役得。キスしてくれてもいいんだぜ。アカメちゃん。」
確かにお姫様抱っこは役得でしょうね。
「助かった。キスだな。……これでいいか。」
「よっしゃ。今の俺なら何でもできる。ってふざけれる相手じゃないようだな。これでいいか。シェーレ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
手も触れずに結紮止血を行いますか。
「にしても、化け物屋敷かよ。ここは。地の利はそっちとは言え、兄貴が時間稼ぎしか出来ないって。あの綺麗な姉ちゃん何者だよ。」
「ただの帝都警備隊員ですよ。セリューは。」
落ちてきた鉋を掴む。
「どこの世の中にあんな重装備で滑るように高速移動して。いざ、攻撃の時は反動が大きい武器なのに後退もしない。挙句の果てに糸の鎧ぶち抜いてあばら折る帝具持ちの平隊員が居るんだよ!!」
他人の目線からセリューを見るとこんなにもふざけた存在になるのですね。私も大概でしょうが。ただ。先程、支援砲撃を要請する信号弾が見えたのですがあれを撃たれてまだ戦闘が続いています。化け物はお互い様でしょう。
「どう言っても目の前の現実は変わりませんよ。因みに高速移動は馬頭によるホバー推進。反動は牛頭によるアンカーを足元に打ち込んでいるにすぎません。と談笑はここまでにしましょう。」
位置関係は理解した。戦術を立てるには少し情報が足りませんね。なら、踊ってみるだけです。
「分かりましたよ。お嬢様。一曲踊って頂けますか。」
「喜んで。一曲と言わず何曲でも。とその前に。」
掌で切り裂いて周りに血を撒く。紅い雫に彩られた極細の糸が見えてきます。おどけた表情も先程の会話もこの為だったのでしょう。
「いつ気付いた。」
「私ならこうしますから。では行きますよ。」
そして、確信する。この方はここで殺さなければ。巣に態々入ってきた千載一遇のこのチャンスで仕留めなければ。次は私の対策を立てて殺しに来る。
私が今、彼らの対策を立てて殺しているように。
切り札を切ることにします。
糸を足場に加速。縮地の速度まで加速して
「瞬天殺・零」
抜き打つ。
光速の移動術と光速を超えた居合切り。痛みも感じず死ぬはずですが。
「なぜ生きているのですか。」
「それはこっちのセリフだよ。界断糸の紐を中ほどまで断ち切るとか化け物とか甘いモノじゃないね。」
「だが、私たちの勝ちだ。」
顔に一太刀。防刃繊維がない部分を斬りにきましたか。
つまり、村雨に斬られる。それは避けようのない未来。多少マシな未来にするために左腕を斬らせて軌道をずらす。防刃繊維も正面からでは防ぎきれない。悪足掻きに左手首に仕掛けていたビーネンシュットックを糸使い目掛けて撃ち出す。
「まだ、暗器があったのかよ!!くそ!!躱せねぇ!!」
左腕を斬られた。このまま呪毒が回って私は死ぬ。
斬刀狩り
そんな甘い夢あるはずないでしょう。たかが左腕一本で。私が。アリア・フォン・トスカーナが止まる事なんて有り得ないでしょう。
零閃編隊・六機
界断糸の紐の同じ所を斬り続ける。切れ味はあの鋏と同じ。斬り裂けない道理はない。
「どうしました。私はまだ生きています。さぁ、踊りましょう。」「「ラバック!!」」
六太刀目で界断糸の紐を断ち切り糸使いの胸を斬り裂く。距離を取って斬り飛ばした左肩の結紮止血を行う。
左肺と肋骨を数本斬った手応えは有りましたが心臓を斬った気がしません。
「内臓逆位だったりしますか。貴方は……お名前を聞いても。」
「美女に聞かれたら答えなくちゃな。ラバックだ。単純に体内に糸送り込んで心臓の位置をずらしただけだ。おかげで呼吸困難だ。村雨に斬られて生きているお嬢様に化け物扱いとは光栄だよ。」
「切り札二枚でも仕留め損なう。ラバックさんの生命力を心の底から尊敬しますよ。ただ、私はまだ片腕があります。夜は明けていません。なら、舞踏会は続きます。だから、踊りましょう。ナイトレイド様」
「シェーレ。ラバックを頼む。」
「私ではダメですか。アカメはもう。」
「五体満足な分。私が有利だ。」
左肩を防刃布で保護しておく。次は大分抉らないといけませんから。
「待たせたか。」
「いえ、そんなには。左腕から武器を取っても。」
「構わない。」
お言葉に甘えて。ナイフを回収しておく。
「お礼の代わりに情報を。先程の針弾にはトリカブトとゲルセミウム・エレガンスの毒が仕込んであります。早く本格的な施設で治療しないと命にかかわります。」
「シェーレ。アジトまで行けるか。」
「マイン達と合流して追撃されなければ。」
「去る者は追わず来る者は拒まず。踊って頂ける限りはですが。」
「付き合ってやるさ。」
「アカメさん。準備は。」
「アカメでいい。万全だ。ラバックやシェーレのおかげでな。」
私の目立つ外傷は左腕欠損のみ。アカメはなし。有ったとして手首の損傷程度。地の利の分も殆ど無く。不利ですか。
体が軽くなった分、縮地をしやすいと前向きに考えますか。
ナイフと鈍と鉋以外の武器を外し少しでも軽くする。
ナイフを構え。駆ける。小細工はあと一つ。一対一。実に素敵です。
村雨の刀身を鉄板入りの靴で捌き懐に入る。距離を取ろうとするアカメにナイフを向け、引き金を引く。
内臓には達しない程度に浅く刺さる。距離が遠い。手数が足りない。なら、今まで以上に命を削ればいい。
残ったナイフの柄を投げ、縮地で詰める。右足の腿の内側を千切り取る。代わりに柄で殴られ左側の鎖骨が折れる。
左足刀で右肩を砕く。脇差で刺される。誘導し損ねて膵臓に刺さりましたが問題はありません。脇差を握っている左手首を外す。
「あ。」
血に足を取られ体勢が崩れる。
「葬る!!」「飛龍閃!!」
刺さったままの脇差が邪魔で捻りが足りない。本来なら右手を砕く一撃は村雨を弾くに留まる。無理をしたせいで脇差が胃を切り裂く。吐血しながらアカメの刺さっているナイフに掌底を入れて深く刺す。そして村雨の刺突を右腕に深々と貫通させ、絡めとる。呪毒が回る前に村雨もろとも右腕を斬り飛ばす。血飛沫を目くらましに使い、右足の腿を蹴り、転倒させる。左足首を踏み折って、ナイフが私の足を貫通する。立つ事も儘ならないなら腹部の傷口に膝を落とすように転倒する。そして
「打つ手がありません。貴女の勝ちですか。アカメ。」
「いや、お前の勝ちだよ。アリア。」
「お嬢様。黒髪さん。何笑ってるんですか!!ちょっと待って。骨が所々飛び出ているし、動脈も見えてる。焼いて止血します!!赤い靴起動。」
「ミルク。アカメはセリューにばれないように別宅に客人として案内してください。私の名を貶めない待。」
吐血で話が途切れる。
「分かりました。承りました。ああ、もう。血が止まらない!!こっちの黒髪さんは内臓があちこち傷ついている。」
ああ、私の足を刺したナイフはアカメに刺し込んだナイフを抜き取った物だったのですか。
「ミルク。私は少し、休みます。」
「私も眠い。」
「待って。それ血が抜けすぎて起こるショック症状だから。衛生兵。こっち!!どっちも出血性ショック!!ちりょうじゅん
ああ、視界が暗い。舞踏会は終わりでしょうか。試合としてみたら私の敗北ですか。あぁ、届かなかった。