呪術師に再び青春を   作:枝那

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評価がついてた…すごい嬉しい…
というわけで1話です


第1話 キヴォトスでのこれから

シオンがキヴォトスに来てから数日後、彼は………

 

「シオン!次そこ頼む!!」

「はい!!」

 

アルバイトをしていた。

 

あれから彼はこの世界の常識を学んでいた。

わかったことは多くある。

この都市はキヴォトスという学園都市だということ。

彼が目覚めた場所はブラックマーケットという闇市場だということ。

そしてこのキヴォトスでは銃火器を携帯することが常識であるということ。

 

………実はあの後銃を所持していなかったため不良に絡まれ

返り討ちにしてこれらの情報を聞き出したのだがその話は今は置いておく。

 

キヴォトスの常識も知ったシオンが最初に行ったことは生活の確保だった。

なにしろ彼は無一文。財布やスマートフォンは決戦前に置いてきたから現在所持していない。

衣は呪術高専の制服があるから問題なし。食もギリギリ問題なし。

住居を確保すること。それが彼がまず優先して行ったことだった。

 

そこからは早かった。彼は日雇いのバイトの情報を収集。

条件の良さそうなものを見極め、(呪術を用いて)見事採用を勝ち取り、今に至る。

現在複数のバイトを掛け持ちしているシオンは、着実に金を貯めていった。

 

「シオン、これ今日の給料だ。ボーナスも弾んでるぞぉ〜」

「………!!ありがとうございます!!」

「いいってことよ!真面目に働いてくれるし、難癖つけてくる輩も追っ払ってくれる。ずっとうちで働いてほしいくらいだぜ」

 

そんなこんながあってある程度貯金が増えた頃、彼はようやく住む場所を手に入れた。

ここブラックマーケットには『ワケあり』が多いため

アパートを借りるのに身分を提示する必要がなかったのは僥倖だった。

 

安定した住居を手に入れたシオンは、ようやく次のステージに進む。

ここキヴォトスは彼の知る世界と比べかなり治安が悪い。

銃撃戦が日常的に行われてるくらいには。

そんな世界だからか、警察でも対応しきれない犯罪者は賞金首として指名手配されている。

戦闘は彼の最も得意とする分野であるため即断即決だった。

そういう訳で………

 

◇◇◇◇◇

 

「く、来るんじゃねぇ!!」

 

バンッ!バンッ!と銃声が鳴り響く。人の命を容易に奪う弾幕が、シオンを襲う。

彼はそれを軽やかに避ける。

呪力で強化した彼の肉体は、ヘイローを持たない普通の人間より高い性能を持つキヴォトスの人間であっても捉えられない。

 

「どうします、リーダー!?こいつ全然攻撃当たりませんよ!?」

「狼狽えるな!数じゃこっちが上だ!攻撃し続ければいずれ限界が来る、とにかく物量でゴリ押せ!!」

「まぁ、その考えには概ね同意しますよ」

 

ターゲットの賞金首は数十人ほどのグループを作り上げていた。

対してシオンに味方はおらず一人だけ。普通に考えれば彼に勝てる道理は無い。

しかし、彼にはその数の有利を覆せる力があった。

 

「…来い」

『縺顔宛縺輔?懊s縲√♀豈阪&縲懊s』『縺願?縺吶>縺溘=縲』『縺ゅl雋キ縺」縺ヲ繧医♂縲』

 

彼の合図に呼応して、虚空から無数の怪物が現れる。

明らかに人間の味方とは思えない、異形の軍団。

意味を持たない言葉を発するその怪物を見て敵のグループに動揺が広がる。

 

「ヒィ!?ば、化け物!?」

「お、落ち着け!ありゃただのホログラムだろ!!」

「…見えるんだ」

 

彼女らの反応にシオンは驚きの声をあげる。

異形の正体は“呪霊”。負の感情が源である呪力が、人々の体から漏出し、澱のように重なったもの。呪霊は限られた者にしか見えない上、その数はとても少ない。

だが、敵の少女たちは全員が呪霊の姿が見えているらしい。

キヴォトスの人間が銃弾が当たっても平気なことと何か関係があるのかと考察しつつ、彼は呪霊の大軍を向かわせる。

 

顔を恐怖に染めた少女たちは銃撃を再開する。

銃弾は呪霊の体をすり抜けることはなく、無力に弾き返された。

それが、ようやく彼女たちに目の前の怪物たちが決してホログラムなどではなく

この世に実体を持つ存在であることを理解させた。

 

呪霊()術。それが彼の術式である。

人々から漏出した呪力に形を与え、調伏し、支配下に置く。

副次効果として、呪霊操術も使用可能。

異形の軍隊を無制限に所有できる術式。それが彼が“特級”たる所以だった。

 

呪力のこもってない弾丸は、呪霊にダメージを与えることは叶わない。

銃弾の壁をものともせず、呪霊の群れは少女たちに向かう。

恐怖で動きがガタガタになり、統率を失った軍団を制圧するのに、そう時間はかからなかった。

仲間たちがやられていくのを見て戦意を失い、自ら銃を捨てる者まで現れた。

 

「…クソッ!逃げ「させない」!?」

 

使い物にならない手下たちを見て、賞金首は逃亡を選択。

しかし、虚空から伸びた手が、彼女の行く手を阻む。

武器を奪われ、あっけなく捕まった彼女は、ようやく抵抗することを止めた。

 

◇◇◇◇◇

 

賞金首をヴァルキューレ警察学校という、キヴォトスにおける警察機関に引き渡して、報奨金を受け取り、帰路についた。

自宅へ到着し、夕飯、シャワー、衣服の洗濯など、一通りのことを終えたあと、彼は布団の上に寝転がり、キヴォトスでの今後について考えていた。

 

金を稼ぐ手段も確立でき、このキヴォトスで本格的に生活する以上、やらければならないことはまだまだある。

一つはスマートフォンの入手。

キヴォトスは前の世界と比べ治安が悪いが、技術が高度に発達している。日本でもそうだったが現代人にスマートフォンは必要不可欠だ。

 

加えて、この世界では学籍が重要視される。ブラックマーケットにいる生徒は、何らかの理由で学籍を失ってる者たちがほとんだ。学籍を失った者は、普通の生徒に比べ不遇な扱いを受けている。

故に今すぐにでもどこかの学園に所属するべきだが、彼にはキヴォトスにおける戸籍がない。戸籍がなければ入学することもできない。

呪霊の術式を使って偽造することもできるが、できればそれは避けたい。

 

「やることが多い…」

 

日本にいた時の自分がいかに恵まれていたのか痛感させられる。この世界に仲間たちはいない。自分一人でやるしかない。

悩んでいても仕方がない。とりあえず今は目の前のことを地道にこなしていくしかない。

未来のことは、その時に考えればいい。

そう思考をまとめ、彼はようやく眠りについた。

 

そして数週間後、キヴォトスにある噂話がまことしやかに囁かれることになる。

曰く、『ブラックマーケットの魔人』と。




神薙シオン
所属:東京都立呪術高等専門学校
年齢:15歳
誕生日:1月17日
等級:特級呪術師
出身地:島根県
身長:170cmくらい
術式:呪霊創術
趣味:料理
好きな食べ物:カレー(食べるのも作るのも)
苦手な食べ物:福神漬け
ストレス:呪霊・呪詛師
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