僕と私のあるてぃめっと   作:三奈木イヴ

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お待たせしました!週一ペースは目標ではありますが、なるべくキープしたいです…!ただ安芸優樹の第2章が始まったら更新途絶えるかもしれない。そんな事が無いように善処する次第です。次回、初デート? デートなのかこれは?デートって幕末じゃないのか⁉︎


デートのお誘い

「柾宗兄様」

 

「うん?どうした京極?」

 

「お祖母様がお怒りになられてるって本当ですか……?」

 

「……ああ。斎賀家から兄貴がここに居るって連絡受けたのが婆ちゃんでな……。そこから親父、親父から俺へと流れたわけだ。多分親父経由でお袋も知ってるんじゃないか?」

 

柾宗兄様の言葉に、僕はこめかみを抑えた。

今でこそお祖母様は丸くなったが、怒るととても怖い人だ。

かつてはあのお祖父様にグーパンを当てるほど……。もしかしたら國綱兄様も帰ったらお祖母様のお説教を受けるかもしれない。ご愁傷様です……。

 

「まあ、兄貴の事は置いておいて、凄いなあの少年」

 

「サン……陽務の事?」

 

確かに兄様の言う通りだ。剣道の心得も無く、國綱兄様とあそこまで打ち合えた人は見たことがない。いくら寸止めとはいえ、何度も打ち合ったし終盤は兄様の剣を避けていた。ゲームで培った技術がリアルで役に立つとは……。だったら僕も幕末でいろんな猛者と戦えれば……!

 

「そうだ。ぶっちゃけ未経験なのに兄貴の攻撃を避けるなんざ到底出来る事じゃない。たとえマグレだったとしてもだ」

 

「そうですね……。未経験という事を考慮してもそれが出来るのは……お父様やお祖父様辺りなら……」

 

「あの二人なら間違いなくやるな」

 

ブーッ……ブーッ……

 

「ん?あ、噂をすればなんとやら。京極、ちょっと席外すわ」

 

「は、はい」

 

柾宗兄様は道場から出て行った。

 

「……凄かったな」

 

思い出すのは、國綱兄様と戦っていた時のサンラクの動き。

黒狼戦で初めて見たあの動きは、リアルなのもあってかキレは前に見たほどではなかった。だけど練習さえすればきっと動きが良くなる。

もしも機会があれば……きっと……。

 

◆◇

 

國綱さんとの試合?から数週間が経過した。

 

「おはよー楽郎」

 

「おはよう京極」

 

いつものように挨拶をした。

ちなみにいつの間にかお互い名前で呼ぶようになっていた。

 

「なっ……⁉︎ りゅ、龍宮院さん……!」

 

「なんだい?えっと……暁ハート君?」

 

「ちょっ……!その名前は……!」

 

「何かダメだったかい?よく暁ハートと言う名前が聞こえてたからてっきりそう呼ばれてるのかと」

 

「……いや、良いよ。是非呼んでください」

 

うっわコイツひでぇ……さりげなく雑ピのペンネームをクラス中に晒してらぁ……。いやまあ、既に俺たちが騒いでるから割と知ってる人は多いか。

 

「それで、どうしたんだい?」

 

雑ピの事だから、また変な事聞かないと良いんだが──

 

「二人って付き合ってるんですか?」

 

「おいおい雑ピ……お前またか」

 

本当この手の話題好きだな。

 

「だから俺はそういう人はいねえっての。京極は友達だよ」

 

「うんうん、楽郎の言う通りだよ──いや、」

 

俺が答えると、京極は何かを企むような笑みを浮かべた。

コイツ……何を──ッ

 

「実は僕と楽郎は同じゲームをする仲なんだ。昨日は楽郎に手を引かれてね……」

 

「ちょっ……オイ京極──」

 

「なんだって……⁉︎ オイ山本!出番だ!」

 

「おう!」

 

うおい京極!お前のせいで尋問が始まるじゃねえか!

俺は目線で京極に抗議した。

 

「でも面白い事を言うね。僕と楽郎が付き合ってる──か。」

 

京極の一言は聞き取れなかった。とりあえず

 

「逃げろッ!」

 

俺は脱兎の如く教室から逃げ出した。

 

「逃すな!追え!」

 

後ろからいくつかの足音が聞こえてくる。雑ピ達だけなら多分撒けるな……。陸上部が来なけりゃな……。

 

ガラッ……

 

「⁉︎」

 

「こっち!」

 

「うおっ……!」

 

曲がり角の空き教室のドアから伸びた手に引っ張られた。

 

「陽務どこだ!」

 

「クッソ……いろいろ聞きたいことがあったのにな」

 

「まあ、すぐ見つかるべ。」

 

足音が遠のいた。

 

「いやぁ……間一髪だったね」

 

「結局尋問は不可避だけどな。てか、お前のせいだけどな?京極」

 

俺の手を引いたのは、京極其の人だった。

ていうか、いつの間にここにいたんだ……何か瞬間移動のバグでも持ってるのかコイツは?

 

「僕をクソゲーのバグと一緒にしないでよ。ただ、どこに来るか読んで引っ張っただけだって。」

 

え、コイツ心読めるの……⁉︎ こっわ……

 

「面白そうだったからあんな事言ったけど、なんかごめんね」

 

京極は申し訳なさを全く感じない笑顔で謝った。

 

「誠意を感じない……いや別に良いんだが」

 

この手の騒動はしょっちゅうだし今更だしな。

 

「そういやさ、いつの間にか名前で呼んでたな」

 

話題に困った俺は、沈黙を埋める為にいつの間にか名前呼びになってた事に触れた。

俺が話題を振ると、京極はそういえばと言わんばかりの顔をしていた。

 

「まあ、そうだね。ほら、僕は楽郎の事を友達だと思ってるからさ」

 

「そういうもんか?なら良いんだが」

 

「うん!ありがとう」

 

まあ、幕末でほぼ毎日殺し合ってるしな。そんなもんか。だからって俺はそう簡単に天誅されないがな!

 

「それでさ、話は変わるけど今週の土曜日って空いてるかい?」

 

「今週?まあ特に何も無いが」

 

強いていえばクソゲーするぐらい。幕末ってもうすぐイベントじゃなかったか?

 

「なら良かった!実は京都の実家から映画のチケットが届いたんだよ!良かったらと思ってね!」

 

「そうなのか、でも俺で良いのか?クラスのヤツらとか誘ったら来るだろ」

 

「まあね。でも、僕は楽郎と行きたいから誘ったんだ」

 

「俺と……?」

 

どういう風の吹き回しだろう……?もしかしてリアルで天誅されるとか──は無いな。幕末をリアルに持ってくるのはマナー違反だし。

 

「そう、楽郎と」

 

どうやら気のせいとかではなかったらしい。

 

「てか、もうすぐチャイム鳴るぞ。一旦戻らないか?」

 

「本当だ……続きは放課後にでもしようか」

 

ひとまず授業だ。だけど雑ピ達の尋問どうしような……めんどくせぇ……。

 

◆◇

 

そんな訳で夜になった。ちなみに雑ピ達はアイツのポエムの情報を献上したら帰してくれたぞ。

 

「んで……土曜日か……。外出用の服なんてそう無いからな……」

 

「あれ?どしたのお兄ちゃん遂にファッションに目覚めたの⁉︎」

 

おっ、良いところに

 

「目覚めてない。土曜日に友達と出かけるから服が要り用でな」

 

「ふーん、友達と出かけるねぇ……そんで新しい服?お兄ちゃんデートでも行くの?」

 

「バカちげえよ、普通に友達だよ」

 

デートではない……。確かにラブ・クロックでのデートイベントはあったが、決して最効率で回ったりするものではない。だからデートっぽくてもこれは多分デートではない。

 

「うんうん、ゲームばかりのお兄ちゃんにも遂に春が来たんだね……デート用の服装だったら私にお任せあれ」

 

「話聞けよ……でもまあ、頼む」

 

「おっけー」

 

そして瑠美のファッション講座が始まった。

正直何を言ってるかさっぱりわからん。だが、二つの端末を使って上下合わせて合うモノを選んでくれたようだった。

 

「はい、こんなとこでしょ」

 

「おお、ありがと──ハウマッチ⁉︎」

 

「オシャレに妥協は無しだよお兄ちゃん」

 

「あの瑠美さん……?俺の財布を破壊する気ですかい?」

 

「大丈夫大丈夫、出かける人も褒めてくれるって」

 

oh……この邪教徒め……。でも服選んでくれたのは感謝しないとな。

 

「ありがとうな」

 

「うんうん、それで出かける人ってどんな人?写真とかは──お兄ちゃんだし無いか。お土産はその人との写真で良いよ!」

 

「勘弁してくれ。第一そういう関係じゃないっての」

 

このまま話してるとボロが出そうだ。さっさと退散するに限るぜ。

 

「んじゃ俺はゲームしてるから」

 

「あ、ちょっと!」

 

◆◇

 

【いつか天誅する】

 

京極:それで、土曜日どうする?

 

サンラク:なんだこのグル名は……

 

京極:いつか君を天誅するっていう覚悟の表れ

 

サンラク:お前その前に公開切腹になるんじゃないか?

 

京極:なにそれ

 

サンラク:いや、知らないなら良いんだ。それより何の映画だっけ?

 

京極:これだよ【写真】

 

 

京極がトーク画面に送った映画は、最近話題になってる映画だった。確か、歴史の授業に出てきた元寇に当たる時代を描いた映画だっけか。侍と蒙古の戦いのやつ。俺は侍とか武士はゲームでもそこまで経験してないからあんまわからんな。でも、京極のオススメだし見ればわかるだろう。

 

サンラク:CMで見たな

 

京極:面白そうだなと思ってたら送られてきたんだよね。國綱兄様から

 

うげ……國綱さん絡みか……なんか怖いな

 

サンラク:それ大丈夫……?当日映画館行ったら國綱さん待ってたりしない?

 

京極:それは大丈夫。本当は僕と行くつもりだったらしいけど、この前の件でお祖母様に凄く怒られたらしくて……

 

サンラク:察したわ。御愁傷様です。

 

それなら心配しなくても良いのか……?でもまあ、いざとなったらどうにかしないとな……。

 

◆◇

 

京極:じゃあ、土曜日はよろしくね

 

サンラク:おう。また幕末で

 

京極:今日こそ君をやってやるよ……!

 

サンラク:上等

 

「フゥ……そんじゃ行くか」

 

修羅の世界へと。というかもうすぐイベントだしな。何気に幕末へのログイン率上がってないか?まあいいや。

 

「天がやれって言ったんだからな」

 

俺はVRシステムを起動し、修羅の世界へと旅立った。




来週もしかしたら投稿出来ないかもしれないです…。なるべく頑張ります
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