リアス・グレモリーになったんだけど世界が違う。   作:のうち

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第13話

 

響side

 

 奏さんと夢で再会してから、私は何かを抱えたまま日々を過ごしていた。

 

 ブーステッドギアのこと、天空聖者のこと、そして……マジトピアとインフェルシア。

 新しい世界の扉が開いてしまった今、私はこれまでの“普通”とは違う場所に立っている。

 

 そんなことを思い出していると――

 

「響」

 

 声をかけてきたのは、小日向未来だった。

 屋上の風が、彼女の髪をやさしく揺らしている。

 

「未来・・・・・?」

 

「最近、一人でいることが多くなったんじゃない?」

 

「そうかな? そうでもないよ。私、一人じゃ何にこもできないし……。

 ほら、この学校にだって未来が進学するから、私も一緒にって決めたわけだし。あ、いや……なんていうか、ここって学費がびっくりするくらい安いじゃない?

 だったら、お母さんとおばあちゃんには負担かけずに済むかなーって。あはははー……」

 

 未来は何も言わずに、私の手を取ってきた。

 

「あ……やっぱり、未来には隠し事できないね」

 

「だって響、無理してるんだもの」

 

「うん……。でも、ごめん。もう少しだけ、一人で考えさせて。これは……私が、自分で向き合わなきゃいけないことなんだ」

 

「わかった」

 

「ありがとう、未来」

 

 しばらく沈黙が続いた後、未来がぽつりと口を開く。

 

 

「ねえ、響。どんなに悩んで考えて、出した答えで前に進んでも……

 響は響のままでいてね」

 

「私のまま……?」

 

「そう。変わってしまうんじゃなくて、響のままで成長していくなら、私は応援する。

 だって響の代わりなんて、どこにもいないもの。居なくなってほしくない」

 

「私、私のままで……いて、いいのかな……」

 

「響は響じゃなきゃ嫌だよ」

 

 その一言に、私は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

「……ありがとう、未来。

 私、私のままで歩いていける気がする」

 

 「くすっ。……そうだ、この前響が来れなかったこと座流星群、見てみる? 動画で撮っておいたんだ」

 

「えぇっ!?」

 

 私は思わず声を上げて、未来のスマホを覗き込む。

 

「んん? 何にも見えないんだけど……?」

 

「うん……光量不足だったみたい」

 

「ダメじゃん!」

 

「ふふっ」「あははははっ!」

 

「おっかしいなあ、もう……。涙が止まらないよ……。今度こそ、一緒に見よう」

 

「約束。次こそは約束だからね」

(私だって守りたいものがある。

 それはきっと、小さな約束や何でもない日常なのかもしれないけど……

 それでも、守りたい。守れるように、私は強くなりたい)

 

翌日・風鳴家にて

 

「たのもーーっ!」

 

 元気よくインターホンを押すと、玄関から赤い髪の利発そうな少年が顔を出した。

 

「どちら様ですか?」

 

「あ、私、風鳴弦十郎さんに用があって。翼さんから場所を聞いて来ました。弦十郎さんはいらっしゃいますか?」

 

「翼姉様から? わかりました。今、父様を呼んできますね」

 

 やがて姿を見せたのは、がっしりとした体躯の男――風鳴弦十郎その人だった。

「おお、響くんか。なんだ、いきなり?」

 

「はい。今日はお願いがあって来ました。単刀直入に言います――

 私に、戦い方を教えてください!」

 

「……この俺が、君に? ふむ……俺のやり方は厳しいぞ」

 

 

「はいっ!」

 

 

「ときに響くん、アクション映画は嗜む方かね?」

 

「は、はい?」

特訓の日々

 

 私、立花響の特訓が――始まりました。

 

 まずは映画。ブルース・リー。

 その動きを真似る。表情も、構えも。

 

 走る! 腕立て! 腹筋!

 

 息抜きにカラオケで熱唱!

 ボクシング!

 お好み焼き・特盛で体力づけ!

 

 そしてまたボクシング!

 

 ……たまに殺意の波動的な何か(?)

 

 そして、また走る!

 

 

 

 そんな熱い日々が続いて――ある日の放課後。

 

「ねえ未来、また流れ星の動画、見せてよ」

 

「何にも映ってないのに? 響ってやっぱり変わった子」

「変わった子とつるんでる未来は、もっと変わった子~。えへへっ」

 

 2人で笑い合う時間。

 そんな中、未来がふと真剣な顔をする。

 

「……あのね、響」

 

「なに?」

 

 

「流れ星の動画を撮ってたとき……響に黙ってるの、少しだけ苦しかったの。

 響にだけは、もう二度と隠し事したくないな」

 

 その言葉に、私はぎゅっと胸が締めつけられる思いだった。

「私こそ、未来に隠し事なんて……しないよ」

 

(……いつか、きっと。

 この“今”の私のことも、未来にちゃんと打ち明けられたらな)

 

 

 そんな風に思う私は――今ばかりは、ちょっと自分の立場を恨めしく感じてしまうのだった。

 

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