安心院さんなオリ主がゆく、fate/staynight 作:豆電球
まずはじめに、僕は死んだらしい。享年23歳だった。
子供を助けようとしてトラックに轢かれたのが死因らしい。記憶を辿ってみても轢かれてすぐに意識が途切れたみたいだから子供は助かったかわからない。助かってるといいな。
色々あってニートになった僕だったけど、死に際に人を助けて死ねたらしいからまぁ人としていいことできたんじゃないかと思う。
で、なんで冒頭に自分が死んだことを、不確定な「らしい」と言ったかというと、今目の前にいる白い髭のおじいさん、それも自称"神"から伝えられたからだ。
「うむ。混乱しているのはわかるが、心の中で説明しても状況は変わらぬよ」
どうやら神は心を読めるみたいだ。こわい。
「怖がられても仕方ないんじゃがなあ」
それもそうか。まぁ神を名乗るなら心くらい読んでくれないと困る気もしてきた。
「ふむ。落ち着いたかの? ではこれから貴様には転生特典と転生先を選んでもらうぞい」
神の二人称は"貴様"らしい。なんか意外だ。
「って、転生?」
「やっと言葉を口から発してくれたのう。神的には心が読めると言っても話してくれた方が楽じゃからその方が助かるぞい」
神の一人称は"神"らしい。下の名前が一人称のタイプのめんどくさい女の子かな?
「そんなことはどうでもよいじゃろ。気になることがあるなら口にだして言っとくれ」
神にそう言われちゃ仕方ないか。この場には他の人もいないからいいかと思ったんだけど。まぁ他の人もいないどころか物もない真っ白な世界なんだけど。
とりあえず神は心の中の発言は無視してもらって構わないからね。
「うむ。わかったぞい」
「言ってないことに返事しないでください」
この神、初手からわかったのかわかってないのか反応に困ることしてくれたな……。まぁいいけど。
「それで、転生ってどういうことですか?」
「そうじゃのう。簡単に言えば、貴様が死んだのは神のミスなのじゃ。だから慣習的に詫びとして好きな能力を得て好きな転生先を選べるのじゃよ。よくある神様転生ってやつじゃな。実際に起こることは稀じゃが」
よくあるとか言っちゃったよ神。それで良いのかよ神。
しかもそれに当たるって、僕、ラッキーなのか? いや死んだ時点でラッキーというのも微妙か。
それにしても転生か……。急に言われても困ってしまう。
能力は……、そうだ。僕は好きなキャラがいるからそれにできるか聞いてみるか。
「めだかボックスの安心院さんの全能力、いけます?」
「うむ。知らぬけどいけると思うぞい」
「『知らんけどいける』はどういうことなんだよ」
思わず口に出してツッコんでしまった。いや、なんでも叶えてあげると言ってきた人(神)が「知らんけどいけるやろ」って言ってきたら誰でも意味がわからなくてツッコむだろう。
「あぁ、神は能力を得る権利を渡すだけで、その能力自体は転生者である貴様のイメージとか想像力とかそういうのに左右されるんじゃよね。転生先も半分くらいは能力と同じ感じじゃ。だからこの質問は実質確認の意味でやってるんじゃよ」
なるほど。なるほど? つまり僕が知ってる限りの安心院さんの力を得られるってことか。ん……? それっていいのかな。まぁ神が良いって言ってるし良いんだろう。
さて、面白いことを思いついた。できなくても能力が得られるならなんとかなるだろうし……、よし。
「じゃあ転生先はちいかわの世界でお願いします」
「うむ。知らんけど良いぞい。じゃあ転生させるぞ〜。ほい」
なんの情緒も躊躇もなく神がそう言った瞬間、僕の意識は暗転した。
ーーーーー
目が覚める。
「うぅん……うわっ!」
自分の声の高さにびっくりした。そうだ。僕、転生したんだ。女になってるのは予想外だけど。というかこの声は安心院さんの声かな? 転生特典で姿も安心院さんにされた感じか。別に姿はどうでも良かったんだけど。
ここは……僕の家なのかな? 転生っていうから赤子の時からなのかと思ったけどそうでもないみたいだ。もしかしたらちいかわの世界にしたからかもしれない。そもそもこれを狙ってちいかわに興味もないのにちいかわの世界にしたし。
さて、まずはスキルの確認だ。えーと、
よし、次はやりたいことができるか確認しよう。できなかったらちいかわ世界で生きないといけないから嫌だしね。できなくても保険はあるけど。
ーーーーー
「よっと」
ということで僕が来たのは神と話した部屋、真っ白の何もない空間だ。
原理は簡単。腑罪証明は僕がいたい場所にいるスキル。つまり好きな場所に移動するスキルだ。ここに戻って来られるかは賭けだったけど、神の言い草的に分は悪くない賭けだったね。
そして過身様ごっこは神になるスキル。起立気を付け異例は例外を設けるスキル。どちらも一応使っておいたって感じかな。
「むむ? 貴様は……さっき転生した奴かの? どうして、いやどうやってここに来たんじゃ」
お、神いるじゃん。ここに住んでるのかな。こんな何もないところに住んでるなんて可哀想。まぁそんなことはどうでも良いけど。
「なんじゃその目は。というか貴様の心が読めぬ。どうなっておるのじゃ?」
おお、神になった影響か、あるいは精神系の常時発動系スキルか、どちらにせよ心を読まれないみたいだ。プライバシーなかったから気分良くなかったし嬉しい結果だ。でも話さないといけないのは不便かもしれない。
「さっき能力をもらったから、それを試しに来たんですよ。あ、もう僕も神なんで敬語もいらないか」
「どうなっておるのじゃ。転生特典の能力はここには干渉できないはずじゃが」
「出来てるんだから良いでしょ。たまには
「何を言って「おっと、君の生殺与奪は僕が握ってるからね」……わかったわい。教えれば良いんじゃろ」
「話が早いね。よかったよかった」
「一体どうなっておるのじゃ……」
ということで、神に転生先の世界の作り方……もとい、探し方を教えてもらった。どうやら能力と違ってこっちは既存のものを使ってるらしい。今ある世界に行ったりあるいは作り替えたりするみたいだ。それならここに来る必要なかったな。
「もういいじゃろ? というか貴様さっき神になったと言っておったな。神は世界を移動できない決まりになってるんじゃよ。残念じゃったな」
「ふーん。まぁ僕には関係ないことかな。そもそもここに来れてるし。ということで、じゃあね神」
神な僕じゃダメらしい。まぁ嘘だと思うけど、また例外を設けても良いけどせっかくだし別のスキルを使おうか。人間になるスキル、
今度は意識の暗転もなく、僕は次の世界へと旅立った。
今回登場したオリジナルスキル
・才能検索(スキルサーチ)
スキルを検索するスキル。極めれば自分が持っていないスキルも検索することができる。スキルに関することのみアカシックレコードに接続する感じ。ただしスキルは概要しかわからない。