現政奉還記 B.O.W.編   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 前回からの続き。
 今回はこのシリーズの架空戦記の年表から始まります。


現政奉還記 東南アジア市内編 小田原修司の生態調査 後編

[chapter:小田原修司出生から現在に至るまでの歴史年表]

 

1988年1月3日

 日本の千葉県某所にて小田原修司生誕。

 血液型はA型、日本人らしく黒髪で産まれ、早産であったと言われる。担当医師が言うには、正式な出産予定日は10日であったという。

 後に彼の精神状態や精密検査で、小田原修司が発達障害者である事が判明。

 

199X年

 詳細な年数は不明であるが、小田原修司は二次元界にかの二次元界の神々ウォール・トゥーサムの命の下、渡ったという。

 その後、神々の命に従い二次元界を統べ、アニメタウンと命名しその市長に襲名。

 アニメタウンに古くから伝わる《聖龍伝説》を調べ、その龍玉を探し出し聖龍使いに変身を遂げる事を第一の目的として秘密裏に活動。

 小田原修司は後に副長に抜擢するバーンズ・ウィングダムズ・キングズ(当時、彼は本名を名乗らず変身怪獣と自称していた)と接触し、彼と意気投合しては聖龍隊への結成に向けて着々と準備を進める。

 遂に聖龍使いへと変身を遂げた小田原修司はメタルバードに変身可能だった変身怪獣と共にコンビを組み、聖龍隊に相応しい英雄達の勧誘及び捜索に活動を進める。

 当時、二次元界で活躍してた《美少女戦士セーラームーン》《キューティーハニーF》《ナースエンジェル りりかSOS》《カードキャプターさくら》などのキャラクターを統一し、聖龍隊を結成する。

 《ひみつのアッコちゃん》の加賀美あつこに変化が起き、彼女は本来変身できないスーパーヒロイン《魔鏡聖女 ミラーガール》へと変身を遂げる。その後、当時の聖龍隊の危機を察知したミラーガールは彼女等を助ける為に初めてミラーガールとして戦いに参戦する。これを機にミラーガールも聖龍隊に加盟、更に他の隊士も加わり聖龍隊は組織として拡大を始める。

 その後、当時より小田原修司の秘書や執事を務めてたウッズ・J・プラントの息子ジュニアも変身できる様になり《ジュピターキッド》として聖龍隊に加わる。更に聖龍隊の結成者であり同時に総隊長でもあった小田原修司の計らいで、通常の人物よりも高い知能を持つ父親譲りの知性を持ったジュニアを若干9歳にして参謀総長に任命する。

 それからウッズ氏が設計・製造した《異世界亜空間ゲート》が完成。様々な異世界や亜空間への移動が可能になる。その際の実験過程で最初に訪れた異世界ボスコワールドにて後に聖龍隊に加盟するプリンセス・アプリコットに《魔法騎士レイアース》の3人と遭遇する。

 そして前々から小田原修司が内密に交渉し、絶対的な権威を手に入れる為の密談を繰り返していた交渉相手の国際連合の面々の承諾を受けて《異次元からの脅威》と呼ばれる存在への対抗策として聖龍隊が抜擢された。

 聖龍隊が半ば正式に組織として認められると同時に、小田原修司は前々から接触してた《コレクターユイ》の3人の少女と以前にも面識を持った《魔法騎士レイアース》の3名に加え、当時自衛隊が《異次元からの脅威》の為に秘密裏に改造した兵器人間《最終兵器彼女》のちせと彼女の恋人であり同姓同名のシュウジも聖龍隊に加えて《異次元からの脅威》と立ち向かう準備を進める。

 そして遂にアニメタウンを舞台に決戦の火蓋は切られ、半ば組織としての結束力が弱くなっていた聖龍隊は気高い聖女ミラーガールの言葉と想いで一致団結し、異次元から来襲してくる多種多様な怪人や怪物と激戦を繰り広げる。

 だが戦いの後半で《異次元からの脅威》を束ねていたのは、皮肉にも小田原修司の心の闇が具現化した通称《闇人》だった。この闇人はおそらく小田原修司が、自身が発達障害者で周囲から誤解や偏見さらには軋轢を受けて生まれてしまった心意だったのかもしれないと言われている。

 ようやく《異次元からの脅威》と無事に戦いを乗り切り、本来は物語の中で死亡してしまうキャラであった二次元人の命も無事に生存でき、聖龍隊は改めて組織として国連を通して世界的に認められた。この際、聖龍隊の結成に深く関わり《異次元からの脅威》と激しく抵抗した聖龍隊士は主に《創設者》たちと呼ばれ、その一部の隊士たちは聖龍隊を束ねる面々として組織の頂点に君臨する。

 その後、小田原修司はウッズ氏が開発した《異世界亜空間ゲート》の設計や技術を国連管轄の組織に売り渡し、世界は挙って異世界との交流を育むようになり発展を突き進めていった。同時に小田原修司は二次元界と三次元界をウォール・トゥーサムの力を借りて一つに融合させ、二次元人と三次元人の交流も同時に発展していった。

 この時、三次元側は自分達の思想概念から生まれた二次元人を、自分たち三次元人と区別するため二次元界で生まれた全ての生物、人型・獣人などを一括りにして《二次元生命体》と生物学的にも総省し分類した。

 

199X年

 これまた詳細な年数は不明だが、小田原修司は聖龍隊の組織としての基盤を更に高める為、単身アメリカに渡米した。その間のアニメタウンの治安維持と政権は彼の腹心の部下であるウッズ氏に市長代理を任せ、同じく腹心であるバーンズには聖龍隊の副長として組織の維持と組織拡大の為に更なる英雄達の勧誘・保護を任せた。

 アメリカに渡米した小田原修司は外人部隊で様々な訓練を積み、最終的に暗殺術も教え込む秘密部隊の一員としても活動。その間にアメリカの重要人物やヒーロー達と接触し、英雄としての教訓と人脈の幅を高めたという。

 だがアメリカの極秘研究機関が自ら志願した軍人に投与していった《D-ワクチン》という筋肉強化剤の人体実験に、小田原修司も自身の弱さを失くすため自ら実験に志願。結果、彼だけがワクチンを投与されても生存できたが同時に筋肉が増大して5mほどの巨体に変貌し理性までも失っては暴走してしまったという。その後も小田原修司は軍に身を置き、同時に彼の特殊能力《闇の心(ダーク・ソウル)》の研究も行われ、小田原修司は国連管轄下の人間兵器として自ら己を委ねる形で対特殊能力者用の傭兵や兵器として戦火に身を投げる。

 その後の研究で小田原修司の体内に投与されたD-ワクチンは彼の体内で劇的に変化を繰り返し、遂には生物をあらゆる環境や状況に適応できる物質としてD-ワクチンは生まれ変わった。

 

199X年~2000年

 D-ワクチンと闇の心(ダーク・ソウル)の研究の為、長い間国連や軍に身を置いていた小田原修司がアニメタウンに帰還。その際、市長の権限を預けていたウッズ氏から市長を返還してもらい、更に聖龍隊を統治する役目を任せたバーンズから改めて総隊長の座を返還してもらう。同時に自分が居ない間にバーンズが勧誘し聖龍隊に加盟させた隊士として《東京ミュウミュウ》と《マーメイドメロディ ぴちぴちピッチ》のメンバーといった自分が不在の間に聖龍隊に加盟した隊士らと対面する。

 そしてアメリカより帰還した小田原修司の軍でのノウハウを生かし、聖龍隊は組織としての基盤を更に強めていく。その際、各版権作品のキャラクター同士で部隊を組ませ、作品ごとに部隊として聖龍隊に取り込む形式を発案する。

 だがアニメタウンに戻ってきた小田原修司を尻目に、アニメタウンは元より二次元界では異常な事態が発生していた。それは全く異なる種である二次元人と三次元人が共存する道を探り始めていた最中に起こった由々しき事態であった。

 二次元世界の社会が広がるにつれ、二次元人による犯罪が増大。更に様々な版権作品の漫画やアニメが統一された二次元界で主にモブキャラ等と言われる脇役達などの名も無い二次元人が突如として凶暴化し、一般の二次元人は元より別次元の三次元人までも無差別に殺傷するという事例が次々に報告された。

 調査の結果、三次元人の思想概念を基に生まれては存在する二次元人の精神に、三次元人の憎悪など負の感情が感化され精神的に異状を来たすと判明。更にその後、精神だけでなく肉体までも変異し僅かながらにクリーチャーなどの怪物に変異しては攻撃性を強めていく二次元人が多数報告された。後にこの様な二次元人達や自らの意思で犯罪行為や陰湿行為を行う二次元人や創作の人物を総称して《異常者(ヒール)》と命名する。

 この異常者(ヒール)の只ならぬ異常発生に三次元政府は二次元人の人権を尊重してた小田原修司に解決案を求める。

 これにより小田原修司が考案したのが、異常者(ヒール)と化した二次元人や陰湿な二次元人を取り締まり最終的には処分の形で現場での死刑も許す《異常者(ヒール)排除法》を制定する。この異常者(ヒール)排除法に基づき多くの異常者(ヒール)が処分され、また矯正の道に指導する取り組みも行われていった。

 これ等の異常者(ヒール)を始めとする二次元人の問題に対応する為の組織として聖龍隊が三次元政府によって認可。二次元人による異常者(ヒール)対抗処置、通称異常者(ヒール)ハンターの役職を聖龍隊が請け負う事となる。

 聖龍隊は多くの陰湿な二次元人や異常者(ヒール)化した二次元人の対応を総隊長である小田原修司の指揮の下、厳格なまでの死刑・処分を行う。だが同時に小田原修司率いる男性隊士とは違い心優しいヒロインなどの女性隊士は、そんな異常者(ヒール)に襲われ負傷した人々の救済や異常者(ヒール)の更生や矯正に尽力を注ぐ。この時の小田原修司率いる男性隊士たちの振る舞いは、《絆》の御旗を先頭の隊士が掲げる行進から「かの幕末の武士の集い 新選組の如き行進と容赦ない制圧」だったと証言されてる。

 しかし異常者(ヒール)への強硬な対応に三次元政府からの信頼を徐々に積み重ねていく事ができ、二次元人の信頼は安定していった。

 

 この同時期に、世界中で異色の存在が現勢に浮かび上がってきた。その異質な者の名は《ジャッジ・ザ・デーモン》すなわち裁きの鬼。

 ジャッジ・ザ・デーモンが現れると凶悪な人間や犯罪者は容赦なく叩きのめされるか、或いは殺傷され惨たらしい死体に成り果てるという。

 その出没範囲は世界各地で目撃され、各地でジャッジ・ザ・デーモンの凶行ともいえる犯罪への制裁が多く見られた。

 だが当初、警察組織は「ジャッジ・ザ・デーモンなど只の都市伝説で実在しない」と断言しては、その存在そのものを認めていなかった。

 逆に政府は最初「異常者(ヒール)を代わりに排除してくれる便利な奴」として見向きもしなかったが、ジャッジ・ザ・デーモンの制裁の矛先が凶悪犯や異常者(ヒール)だけでなく、裏で賄賂や横領などの犯罪を行っていた政治家や警察関係者などの法律関係者までもが無残に殺傷される事態に、ようやく警察組織がジャッジ・ザ・デーモンへの厳戒体制を布いた。

 しかし、ジャッジ・ザ・デーモンは警察関係者のOBや重役の犯罪や陰湿な行為にも矛先を向け、惨たらしく殺傷していき、警察の捜査の手も掻い潜っていく。

 それと同時に警察や検察さらには弁護士などの法律家や役人らが犯した罪状を世間に公開するという脅迫で捜査機関に圧力を掛け、己の裁きを実行し続けていった。

 これにより次第に警察組織の信頼と権威も地に墜ち、警察組織は根本から組織構成を立て直す結果にまで追い詰められる。

 この際、警察組織の根本的な見直しは既に日本政府や天皇陛下の厚い信頼を得ていた小田原修司の意向で、警察組織の重役達の多くは世間的に好感と実績を兼ねていた二次元人の警察組織重役に任命される。

 二次元人の下で組織として警察機関が成り立つ筈がないと、それまでの三次元人の警察関係者や検察当局に弁護士団体などは断固として反対意見を述べたが、日本政府は聞き入れなかった。

 この時、威厳を完全に失った上にアメリカ法務省やICPOより各国の機関にジャッジ・ザ・デーモンへの捜査を打ち切るよう圧力が布かれた。詳細は不明であるが、アメリカ諜報機関やICPOが自分達だけでは解決できない組織ぐるみの犯罪をジャッジ・ザ・デーモンに依頼した事で、法務省やICPOはその交換条件として世界中の捜査機関にジャッジ・ザ・デーモンの捜査を制止するよう呼び掛けた。

 ジャッジ・ザ・デーモンの正体や捜査が行えなくなった警察当局は、警察組織はもちろん日本政府とは別離している聖龍隊にジャッジ・ザ・デーモンの調査を秘密裏に依頼。この依頼を請け負ったのは副長のバーンズであり、当初総隊長の小田原修司はアニメタウン内の政治や法案について多忙であった為、代わりに副長のバーンズ氏に内密調査を依頼する形式を取った。その最中、小田原修司は正式な名称の無かった聖龍隊の組織の頂点すなわち幹部に当たる隊士らに《聖龍HEAD》という名称を与え、他の隊士や一般市民からは俗称としてHEADと呼ばれる様になる。

 だが聖龍隊でもジャッジ・ザ・デーモンの正体は依然と掴めず、デーモンが日本人なのか外人なのか。はたまた二次元人か三次元人かも不明のままである。

 

2000年3月

 時代が21世紀を迎えたのを皮切りに、聖龍隊総隊長小田原修司が己の意思で選抜した二次元人達を聖龍隊に入隊させる。

 村田順一を始めとする平凡なアニメタウン在住の一般少年を除いて、その他は特殊能力または武術に秀でた様々な環境で生きてきた二次元人を小田原修司は自らの弟子として自ずと率先して指導していく。

 

2001年9月11日

 マサチューセッツ州ボストン、ワシントンD.C.近郊バージニア州ダレス、ニュージニア州ニューアークを足った4機の旅客機がアラブ系のテロリストグループ、モハメド・アタを中心とするメンバーにほぼ同時にハイジャックされる。

 犯人達はスグにパイロットを殺害し自ら操縦して2機をニューヨーク・マンハッタンに、もう2機をワシントンD.C.に向かわせる。

 その内のニューヨークに向かった2機の機体、アメリカン航空11便とユナイテッド航空175便が向かったのはニューヨーク世界貿易センターに進路を取り、11便は110階建のツインタワー北棟に午前8時46分に突入し爆発炎上。その後、175便は同じく110階建の南棟に午前9時3分に突入し爆発炎上する。

 無論、機内の乗員・乗客は全員死亡。

 更に世界貿易センタービルは2機の旅客機が激突した後の9時59分に南棟が、北棟は10時28分に崩壊しツインタワーは完全にその姿を消した。

 この世界貿易センタービルの崩壊で、ビル内に居た人間や救護に向かった消防士も含めて1,700人ほどが死亡。また煙や炎から逃れる為にビルから飛び降りた人の巻き添えで、消防士や避難者そして飛び降りた人らが命を落とす悲劇も報告されてる。またビル崩壊時の際の破片や煙によってビル外でも数名が死亡している。

 この世界貿易センタービルでの崩壊で、少なくとも2,749人ほどが死亡する大惨事になった。

 その他の2機の旅客機。アメリカン航空77便はアメリカ国防総省本庁舎ペンタゴンに激突し、もう1機のユナイテッド航空93便はペンシルベニア州シャンクスヴィルに墜落した。

 勿論この2機も乗員・乗客は全員死亡。更にペンタゴンの方では189人の国防総省職員も死亡した。

 これ等の悲惨な事件は日付から《9・11事件》または《アメリカ同時多発テロ》と呼ばれる。

 

2001年10月~

 9・11を境に世界中で様々なテロが勃発。多くの一般市民が巻き込まれ、大衆はテロへの恐怖に駆り立てられる。

 更に過激派テロリストにアラブ系だけでなく、国籍・人種ともに不明の《ブラッディ・ドラゴン(血塗れの竜)》と名乗る若い青年の容姿の総元帥率いる《革命軍士》と呼ばれる謎の反世界思想のテロリストが登場。世界各地ではもちろん異世界の国々でもテロを引き起こし、世界情勢を著しく混乱させる。

 アラブ系テロリストに加わり革命軍士の頻繁に起こす過激テロに世界中の人々が脅える中、その混乱に乗じてか《アメリカ炭疽菌事件》など凶悪な犯罪行為も世界基準で増大し、問題は拡大していく一方であった。

 其処で国際連合は、これらの問題を解決する為に小田原修司が二次元界で考案した異常者(ヒール)排除法を世界基準で大々的に可決。アメリカ/イギリス/日本など多くの発展国は合法的に異常者(ヒール)排除法を法案として可決し、排除法案を基にそれまでの法律も大々的に変更して国の法案に組み込んだ。

 異常者(ヒール)排除法を国の法律に組み込んだ事で凶悪な犯罪者やテロリストも異常者(ヒール)と認定され人権剥奪および財産の9割を没収する法案を実行していく。

 この際に異常者(ヒール)と認定された罪人から押収した財産により国の財政は安定した事で国家予算も赤字が消滅していく傾向が示された事から、更に多くの国々が異常者(ヒール)排除法を自分達の国でも採用していく様になる。

 その一方でアメリカは軍によるアフガニスタン侵攻を開始する。

 更に小田原修司がイギリスの情勢を見本にアニメタウンで既に実行していた犯罪防止策の一環である監視カメラの大規模な増設が世界情勢的にも認可され、日本やアメリカなどの大国は異常者(ヒール)から没収した財源で都市や町のあらゆる所に監視カメラを設置し、常に凶悪犯罪やテロの警戒を強めていくと同時に多大な監視社会が世界規模で布かれていった。

 世界の人々がテロはもちろん頻発する凶悪犯罪にも脅えていく中、軍や警察機構によるテロリストや犯罪者を一括して異常者(ヒール)として絶対的に処分していく方向に進んでいく。

 人々がテロと凶悪犯罪に恐怖を募らせている中、そんな人々へ激励するかの如く小田原修司が世界の人々に向けて大々的に対異常者(ヒール)への法案拡散を奨励する演説を始める。

 小田原修司の凄まじい言動と立ち振る舞いから人々は心の底から勇気付けられ、凶悪なテロや犯罪への徹底的な抵抗の意思に賛同していく。

 同時に学校や会社でのイジメなど陰湿な悪行も異常者(ヒール)認定すべきだという小田原修司が微かに発した発言から、大衆は多勢に無勢の勢いでイジメなど今までの法律では裁けなかった陰湿な人間も同様に異常者(ヒール)として人権を剥奪し排除していく傾向が日本を中心に世界規模で拡散していった。

 この勢いに当時の教育庁や教育委員会もイジメによる問題が拡大し校内での問題拡大などを恐れて、イジメっ子やイジメを隠蔽した教育者たちも容赦なく排除していき、軍や警察に連絡して合法的に処刑してもらう様に至る。

 更に日本の隣国でもあるアジア一の独裁国家《北の国》でも、同時多発テロの流れで密かに過激な行動を示す様になっていく。

 

2001年12月1日

 日本の皇室で愛子内親王、通称《愛子様》が御生誕。

 この時、小田原修司は聖龍隊の幹部であるHEADを引き連れて皇室に赴き、愛子様生誕の祝いの品を多く持参して皇族の方々と面会する。

 そして御親族である皇太子殿下や雅子様、今上天皇に愛子様誕生の祝福をHEAD総出で述べ上げた。

 

2001年12月22日

 九州南西海域工作事件が発生。日本近海における北の国からの工作船による事件であった。

 

2002年1月29日

 当時のアメリカ大統領が《悪の枢軸》として当時ならず者国家またはテロ支援国家として北の国/イラン・イスラム国/イラクを名指で批判する発言を公言する。

 これにより当時の名指された3国は時には内密に、時には大々的に反発するかのように様々な過激行動を取る様に行動していく。

 またアメリカ政府の申し出で国連の機関にも所属していた《小田原修司》が悪の枢軸といわれる中東のイラン・イスラム/イラクへと内密に派遣される。

 

2002年5月8日

 北の国からの亡命者が中国の日本領事館に駆け込み助けを求める事件が発生。北の国での市民への軋轢が徐々に表沙汰になっていく。

 

2002年10月4日

 北の国が「六ヵ国枠組み合意」を一方的に破り、核兵器開発の再開を示唆する。これによりアメリカは元よりアジア各国が北の国の脅威に懸念を募らせ始める。

 日本としては9月17日の小泉首相の訪問で当時のキム将軍が日本人拉致問題を認めたばかりであり、様々な波紋が生じた。

 この北の国の言動に小田原修司も国際連合も難色を示すが、核兵器所持の脅威から迂闊に北の国を挑発する事はできなかった。

 

2002年10月12日

 バリ島で爆破テロが勃発し、190人以上が死亡する。人々のテロリストを含む異常者(ヒール)への恐怖と懸念が一層強まる。

 

2003年1月9日

 福岡県篠栗町で17歳の少年ら9人が同い年の土木作業員を集団暴行で殺害。

 その後、警察に捕まる直前に加害者少年9人がジャッジ・ザ・デーモンに急襲され全員虐殺される。

 

2003年1月10日

 北の国が拡散防止条約すなわちNPTを脱退。アジア諸国に更なる危機感が走る。

 

2003年2月18日

 大韓民国で地下鉄放火事件、大邱地下鉄放火事件が発生。192人が死亡、148人が負傷する大惨事となった。

 この放火を起こした犯人は責任能力が低下しているという事で本来は死刑の所を無期懲役に減刑されて服役。

 だが服役中、収監されてた獄中に忍び込んだジャッジ・ザ・デーモンに特殊な精神崩壊を伴う恐怖心を増大させる薬物を投与され乱心。

 その後、恐怖心に支配された精神状態が発端で心臓発作を起こし3月2日に死亡が確認された。

 

2003年2月24日

 北の国が地対艦ミサイルを日本海に向けて発射。翌月の3月10日にも同様に発射。

 これを機に日本政府は沖縄などに拠点を置いていたアメリカ駐屯基地の軍隊と小田原修司率いる聖龍隊に北の国からの警戒を兼ねて警護を依頼。

 アメリカ軍は沖縄を中心に活動するしかなかったのに対し、聖龍隊は日本海側を中心に全面的に日本を護衛し続けた。

 

2003年3月19日

 アメリカ・イギリスによるイラク侵攻作戦が開始。

 その際、国連から派遣された人間兵器である小田原修司が傭兵として派遣され、多大な戦果を挙げたと言われている。

 

2003年3月21日~29日

 神奈川連続通り魔事件で4人の人間が死傷。

 5人目の被害者に犯人の牙が襲い掛かる直前、ジャッジ・ザ・デーモンが犯人の前に現れ3本の鋭利な爪により顎から頭部を貫き、犯人は絶命する。

 

2003年7月1日

 長崎男児誘拐殺人事件が発生し、逮捕された少年はアスペルガー症候群と認定され投獄。だが獄中に侵入したジャッジ・ザ・デーモンにより睡眠薬と特殊な機械を使っての安楽死により命を絶たれる。

 更に少年の母親など加害者家族の身勝手な振る舞いと自分の子供が起こした事件に対して一切の責任を感じてない傾向。更に被害者家族への形だけの真摯さのない虚構の謝罪から、ジャッジ・ザ・デーモンに狙われ、加害者少年の両親は双方ともに体を切り刻まれ、虫の息となった所を自宅の外壁に鉄製の釘で両腕を打ち付けられ、そのまま出血多量で死亡。

 身勝手な加害者家族が自らの惨たらしい死体をマスコミや近隣住民に晒すという惨状に至った。

 

2003年7月18日

 元衆議院議員の辻元清美が秘書給与詐欺容疑で逮捕。

 この逮捕の背景にはジャッジ・ザ・デーモンが暗躍していた可能性があると報道機関は取り上げた。

 

2003年20日

 九州地方で集中豪雨が発生。

 この際、小田原修司の指示を受けて聖龍隊管轄の《SRM通称聖龍ロボットメンバーズ》が出動。豪雨に見舞われる市民を救出。

 だが力及ばず、死者が15人も生じてしまわれた。

 

2003年7月25日

 渋谷連続通り魔事件で5人が軽傷。

 その数週間後に犯人が重傷を負った上に顔の頬に《J・D》の文字の焼き鏝を当てられた状態で、警察署の屋上から麻製の袋に詰められた状態で吊るされているのを警察官が発見し、そのまま逮捕。

 体に幾つも見られる切り傷や殴打の痕跡、そして何より頬に焼き付けられた《J・D》のイニシャルから犯人を暴行し警察署に吊るしたのはジャッジ・ザ・デーモンであると安易に予想できた。

 

2003年7月26日

 イラク復興支援特別措置法が成立。

 この時、聖龍隊総隊長小田原修司も措置法に賛成し、戦禍に見舞われた人々の救済活動を全面的に奨励していく姿勢を示す。

 

2003年8月6日

 上海協力機構加盟五ヵ国の中国/ロシア/ウズベキスタン/キルギスタン/タジキスタンが聖龍隊と合同でテロ対策を目的とした軍事演習を実施。

 

2003年8月18日

 埼玉県にて熊谷男女4人殺傷事件が発生。

 この際、事件を起こし殺人を行った通称oは警察よりも先にジャッジ・ザ・デーモンに発見され、デーモンと所持していた刃物で格闘した末に、デーモンに殺された。

 そして殺人幇助・殺人未遂幇助の罪に問われる事となってた少女と少年はジャッジ・ザ・デーモンに制裁の名目で体中を殴打され、重傷を負うものの命までは取られなかった。

 その後、二人の少女と少年はジャッジ・ザ・デーモンに制裁を加えられた後、デーモン自らが最寄りの警察署に2人を連行し署の入り口前に揃って投げ捨てられた事で事件の詳細な事柄が判明した。

 この際、少女と少年の頬にはジャッジ・ザ・デーモンが自ら制裁を加えた証として例の如く《J・D》の焼き印が押し当てられてた。

 

2003年9月16日

 愛知県名古屋市東区で起こった運送会社「軽急便」の賃金不払いに抗議した当時52歳の男が、大曾根駅前の第一大曾根駅前ビルの本社・名古屋支店に侵入し、店内にガソリンを撒いて当時41歳の支店長を人質に立てこもる事件が発生。

 警察の説得にも応じず、更に特殊部隊SATに待機命令を出したのだが、現場となっていた店内には揮発したガソリンが充満していたため、犯人の制圧に銃器や閃光弾が使用できず立ち往生していた。

 だが密かに本社内部に侵入したジャッジ・ザ・デーモンが犯人の男に忍び寄り、適格に相手の急所を殴打し男を気絶させ、誰一人の犠牲者も出さずに事件は幕を下ろした。

 犯人を取り押さえたジャッジ・ザ・デーモンは警察が突入する前に気絶してる犯人を拘束し、人質とされてた支店長の身柄を解放させ、支店長を自力でビルから脱出させる。ビルから出てきた支店長の告発で既に犯人が取り押さえられ、ジャッジ・ザ・デーモンが駆け付けては単身で事件を解決させた事を把握する。

 

2003年10月当初~

 世界的機密事項な故に正確な日時は不明であるが、当時日本政府からも様々な理由で着目されてた二次元世界のアニメタウンに突如として謎の工作員らしき二名が聖龍隊の前に出没する。

 総隊長小田原修司により1人はその場で殺害され、もう1名は小田原修司を始めとする聖龍隊士に取り囲まれ身柄を拘束されそうになった所で所持していた拳銃を頭に突き付け

「北の国、万歳! 将軍様に栄光あれッ」と叫びながら自害した。これによりアニメタウンに侵入し諜報活動を行っていた2名は北の国からの諜報員である事が安易に把握できた。

 これに当時アニメタウンの市長であり聖龍隊総隊長の小田原修司は国連やアジア連合に北の国への速急な対応が必要であると掛け合うが、国連は元より日本政府を含むアジア連合も北の国を刺激する事を恐れて何の対策も講じようとはしなかった。

 小田原修司は、この現状に多大なほど呆れ果て同時に失望した事で「アジアの脅威であり、今なお罪もない国民を虐げるだけに飽き足らず日本など他国から人々を拉致する北の国に制裁を与えると共に、正しい国へと導いていく」と豪語し、国連及びアジア連合の制止を振り切り更にはどの機関の協力も得られないまま、聖龍隊だけで北の国への侵攻を開始した。

 小田原修司は北の国に出兵する際、強制ではなく志願する隊士のみを引き連れて秘密裏に北の国への侵攻を開始。

 まず手始めに聖龍隊配下の忍などの諜報員や能力者たちを用いた情報操作を行い、北の国内の情勢を著しく混乱させ、軍は元より国としての機能を完全に麻痺させる事に成功する。その後、北の国の強制収容所や一般の貧しい環境下に置かれた人々を救済していくと同時に、反抗する北の国の軍人や武人を悉く討伐していき、遂には北の国は軍事政権を完全に崩壊させる顛末へと相成った。

 その最中、国内が聖龍隊の情報操作と進軍によって混乱している状況下で一部の軍人たちがクーデターを勃発。今まで北の国を支配していた将軍を始めとする政権上層部の人間が国外へ逃亡を図ろうとする機会を逃さず、将軍らが搭乗していたヘリを撃墜し、将軍を暗殺した。

 クーデターを起こした一部の軍隊は、いわゆる破壊工作を専門に行う諜報と武術を兼ね備えた極秘部隊であり、彼らは撃墜したヘリに搭乗してた将軍や上層部以外の、生存してた軍や政権のトップを拘束し捕らえてしまう。

 そして聖龍隊の進軍を好機として反乱を起こした部隊と聖龍隊が対峙。

 だが彼らは降伏する所か、信じ難い事に「自分達の最終目的は、北の国の軍だけに非ず世界中の軍事力を支配する事である」と断言し、更には捕らえた上層部の人間を男女問わず聖龍隊の目前で深手を負わせたばかりか、その人間の肉を自ら剥ぎ取り口に運んでは食すという《食人》という凶行まで披露した。これには相手を惨殺する事に懸けては聖龍隊でも随一という小田原修司本人も顔から血の気が引いて愕然としたという。

 その後、聖龍隊と反乱を起こした北の国の極秘部隊は激突。戦闘の最中、相手の北の国の部隊の中にはロシア人も含まれ、その大半が軍に恨みを抱いていた事が判明。彼らが世界中の軍を力で支配するという目的は、これらの要因が根源であった。

 最終的な戦いは、将軍と共にヘリに搭乗していた軍の最高幹部が撃墜され炎上するヘリの中から生存しており、反乱を起こした部隊の隊長を自力で叩きのめして再び聖龍隊と対峙する構えを見せる。この時、軍の最高幹部であった3mを超える大男は、自分は死んだ将軍の父親が売春婦に産ませた子供であり、将軍の腹違いの兄であると告白。自分こそ聖龍隊に攻められた北の国の新たな最高指導者であると断言した上で、屈強な聖龍隊の隊士を次々に素手で撃破していく荒業を成して見せる。

 だが聖龍隊士が大男の軍人1人に苦戦を強いられている最中、荒れる戦況の中で生死不明となっていた小田原修司が現れ、大男の軍人に真っ向から対決。大男の首を最後には白銀の雪風に身を乗せて勢いを増した状態で断頭する。これを皮切りに、聖龍隊は極寒の地である北の国の独裁政権を自分達だけで解放させるという偉業を成し遂げた。

 北の国での紛争が完全に終結したのは、北の国の諜報員2名がアニメタウンに姿を現した10月から、かなりの期間が経った翌年の2月であった。

 

2003年3月

 北の国を自軍のみで開放に導き、日本に多くの拉致被害者を帰還させる事に成功した聖龍隊は天皇家から直々に名誉勲章を授与され、同時に天皇家直属の皇軍の地位も与えられ、聖龍隊の日本での存在は絶対的なものと相成った。

 同時に天皇家は、以前より小田原修司より嘆願されてた「アニメタウンの国家としての認定」を北の国解放の功績を称えて、アニメタウンを正式に日本より独立した独立国家であると天皇家より直々に認可された。

 更に国際連合およびアジア連合も、アジアのみに非ず世界規模で脅威と化していた北の国の独裁政権とアジアの核問題を解決した聖龍隊を、手の平を返すか如く豪く称賛し、改めて聖龍隊および彼らが自国としているアニメタウンや其処に住んでいる二次元人への評価を高く見直した。

 その後、天皇家より勲章と皇軍の地位を与えられた聖龍隊は、その総隊長である小田原修司の激励の下、国連やアジア連合と共に北の国の情勢を整えつつ平定したものへと変えつつ、指導者の居なくなった北の国は国連管轄の特別国家として安定した情勢を維持し続けられる事を約束された。

 

 同時期、聖龍隊内では北の国侵攻に多大な功績を挙げたアニメタウン在住の村田順一を始めとする複数の部隊を称賛すると同時に、複数の部隊を総隊長である小田原修司の命の下、従えた村田順一にその複数の部隊を従える権限を与えると総長を始めとするHEADから告げられる。

 この事に当初、複数の部隊を自分だけで従えるのは烏滸がましいとして拒否していた村田順一であったが、既に彼と共に極寒の北の国の地を駆け抜けた同士といえる聖龍隊士らは自ずと順一に頭を下げ、忠誠の意思を示すのだった。

 己に忠誠を示してくれる同胞の意思を汲み、村田順一は小田原修司を始めとする聖龍HEADから複数の部隊を率いる権限を持つ《総部隊長》の位を賜り、総長小田原修司より彼が所持する聖龍剣の兄弟刀《純心》を貰い受け、総合部隊《スター・コマンドー》通称:流星の総合部隊を率いていく決心を固める。

 これが聖龍隊史上初の総合部隊の結成と相成った。

 

 その後、小田原修司の名声と権威も飛躍的に上昇し、小田原修司は世界に向けて「未だ世界に蔓延る凶悪なテロや犯罪を断固として処罰しなければならない!」と公言し、その際の小田原修司の熱弁に世間の人々は心酔していった。

 北の国での功績を収めた聖龍隊を指揮していた小田原修司はその後、陰湿な犯罪を隠ぺいしてきた事もある国政や警察機関などの法律関係の機関は元より、医療ミスが多発していた医療機関までも掌握し、人命や罪を裁かなければならない地位を得ているのに関わらず、その人命を奪ったり犯罪を犯した警察や法律機関に医療機関の人間も重役問わず逮捕されて投獄され、または異常者(ヒール)として人権や所有財産の大半を没収する武力行使を用いた強制的な悪人の排除にも力を注ぐ。

 また、世界各地で頻繁に起こる爆破テロや凶悪犯罪に対抗する政策として小田原修司が考案したのが《将軍制度》なる法案であった。これは県や州などの地域及び国ごとに法務機関や武力の権限を纏め上げる将軍と呼ばれる地位を与えた人物を据え置く政策であった。この小田原修司が発案した政策を国際連合は高く評価しては早速世界中の国家や軍関係者に、この法案を取り入れるよう指示を告げる。この時の国際連合は、兼ねてより強化された傭兵小田原修司の存在と彼が指揮する聖龍隊の北の国解放の戦果によって、どの国よりも高い権威を持ち合わさっていた。

 この将軍制度で日本では国の武力や政界を束ねる国将軍や、県の治安維持に全身誠意を持って尽くす県将軍を据え置いた。この際、北の国での多大な戦果を称えて北海道の県将軍には聖龍HEADのちせを。沖縄の県将軍にはスター・コマンドーの音無小夜が職務を請け負った。

 一方で世界でも国ごとに将軍を据え置き、武力の統治や治安維持に全力を注ぐ国将軍や、アジアやヨーロッパなど州そのものを指揮する州将軍も健在させた。一部の例外として、アジアやヨーロッパにも領土があるロシアは国将軍と州将軍が合致した地位を与えられ、またアメリカの方では南北に跨るアメリカ大陸の広さからそれぞれカナダ・アメリカを拠点とする北アメリカ将軍と、南アメリカの将軍2名を据え置いた。そして広大な領土と多くの州が点在しているアメリカ本土は、アメリカ内の州将軍は日本でいう所の県将軍と同じ地位である。

 また過去の功績や実力で、州将軍と国将軍を兼任する軍人も世界では少なくなかった。

 県将軍→国将軍→州将軍の順で地位の高さが変わる訳だが、日本と独立したアニメタウンの国将軍は表向きは小田原修司が請け負う事と相成った。だが当初より国連に身柄を預けてた事情も重なって、殆どの職務を腹心であるバーンズとウッズにそれぞれ武力の維持とアニメタウンの政策を任せっきりにしていたという。

 

2004年4月

 聖龍隊の三次元界での「北の国」解放の功績の影響で、日本のシステムや企業が大々的な変革を遂げていく。

1日

 日本航空と日本エアシステムが完全に経営統合。

 特殊法人の帝都高速度交通営団(営団地下鉄)が民営化され、東京地下鉄株式会社。通称《東京メトロ》になる。

 新東京国際空港公団も民営化。成田国際空港株式会社になる。

 度重なる医療ミス問題の見直しから、医師の卒後研修が義務化された。

 消費税の内税(総額)表示の義務化。

 市町村合併化現象で7府県で11市が新たに誕生。

7日

 イラク日本人人質事件発生。

 以前よりイラクによる過激派テロリストの誘拐が横行している中で起こった、この事件。

 後に日本人を含む全ての人質となっていたイラク入国者が無事に帰還。

 生存者の話だと、顔をガスマスクで覆った兵士らしき人物がたった1人で自分達を誘拐し監禁したテロリストを銃殺した上で、自分達を安全な場所まで誘導。救済してくれたという。

 この人物についての詳細は以後も謎のままである。

某日

 政治家たちの年金未納問題が相次いで発覚。

 この裏にも例のダークヒーロー《ジャッジ・ザ・デーモン》が暗躍し、マスコミに情報を流出させた疑いがあり。

 

2004年5月1日

 北の国の情勢崩壊に伴い、欧州連合は新たに10ヶ国の国々が加盟。合計で25ヵ国が加盟するようになる。

2004年5月5日

 チェチェン共和国のアフマド・カディロフ大統領が暗殺される。

 遠距離からの狙撃によって暗殺された大統領1人の暗殺に、何者かが裏で暗躍していたかは不明のままである。

2004年5月6日

 三菱リコール隠しによる横浜市の母子3人の死傷事故を受けて、三菱ふそうトラック・バスの宇佐美隆前会長ら5人を道路運送車両法違反(虚偽報告)容疑で逮捕、品質保証部門の元担当部長ら2名を業務上過失致死傷容疑で逮捕。

 この組織ぐるみの犯罪が露見した背後にはジャッジ・ザ・デーモンが関与していると報道機関は伝えた。

 

 上海総領事館員自殺事件が発生。この自殺事件の背景には当時の中国当局からの脅迫があると指摘されてる。

 この自殺事件を皮切りに、聖龍隊およびアジア連合は中華人民共和国を危惧し始める。

2004年5月10日

 皇太子徳仁親王の雅子様への人格否定発言が問題視される。

 この世界中で拡散した問題発言は、それまでの皇室のあり方について議論が重ねられた。

 皇軍に収まって、まだ間もない聖龍隊はこの問題を組織全体で解決していく姿勢を露にする。

 この皇室のあり方への疑問に、小田原修司は多忙である聖龍隊としての現状から、かつて天皇家より委ねられた皇軍としての権限を己の愛弟子である村田順一率いるスター・コマンドーに譲り渡す事を決意し「これからの皇室のあり方を、未来を思考して導いていくのは若い世代である」と公式に発表する。

2004年5月17日

 イラク統治評議会のイッズッディーン・サリーム議長が自爆テロにより暗殺。

 イスラム系過激派テロリストの犯行と見られる。

2004年5月18日

 千葉県松戸市と栃木県宇都宮市で立て続けに2件の立てこもり事件が発生。

 松戸の事件は午前11時半頃に発生、約12時間後の同日11時30分頃に犯人の男が何者かに襲撃され気絶。その間、人質となっていた流山市在住の男性は解放され、犯人は気絶したまま人質強要処罰法違反で現行犯逮捕された。

 一方の宇都宮の立てこもり事件は約44時間後の5月20午前5時40分頃に犯人の暴力団組員の男と人質であった女性が拳銃自殺を図ろうとした所に漆黒の紅く大きな目玉の怪人が現れ、二人を一撃で気絶させる。後に警察に拘束された二人の話では「お互いに拳銃自殺を図ろうとしてた所に、全身が黒い上に毛細血管の様な網目が目立つ不気味な風貌の紅くて大きな目玉が特徴的な怪人が現れ、一撃で気絶させられた」という。

 これらの聴取から、2件ともジャッジ・ザ・デーモンが遠距離を跨いで事件を解決させた事が推測される。

 事件当時、自衛隊および航空管制塔では松戸市と宇都宮市の間を高速で移動する謎の飛行物体が確認されている。おそらくはジャッジ・ザ・デーモンの自機であると思われる。

2004年5月28日

 元オウム真理教幹部で、地下鉄サリン事件など10事件で殺人罪に問われていた井上嘉浩に東京高等裁判所は死刑を判決。

 この死刑判決が切っ掛けで、日本中に異質な宗教団体への不信感が募り、国内での宗教団体の取り締まりが一層激しくなる。

 

2004年6月

 小田原修司が国連と共同で、日付変更線から見てアメリカ寄りの太平洋沖に人工島の建造を開始する。

 この計画は、小田原修司が長年夢見てきたという二次元人と三次元人の共存を図る人工都市の建造であり、同時に異世界からの運航の拠点と成り得る地点の建造が目的であった。

 人工島の建造には二次元界の技術が多く採用され、島の都市の居住者は世界中から国や人種問わず声を掛けたり、または難民や貧困に相次ぐ自国から抜け出し亡命してきた人々の拠所としても建造計画が練られていた。

 この太平洋沖での人工島建造に当たり、三次元界では二次元界の特殊な物質や発達した科学技術が多く採用される様になり、世界各地の科学技術の発展は加速の一途を辿った。

2004年6月4日

 三郷市逮捕監禁致傷事件で犯人逮捕。犯人はかの女子高生コンクリート詰め殺人事件の準主犯格だった男だった。

 出所後に行った暴行・監禁で再逮捕され、情状不安定のまま警察署の留置所に拘束。

 だがその深夜、只ならぬ悲鳴を聞いて駆け付けた刑務官が犯人を収容している留置室を見てみると、そこには壁に血塗れの両腕・両足が突き刺さり、断面が爆発したかのような損傷を受けた腕と足、更には切り取られた性器の断面からも夥しい出血をしてもがき苦しんでいる犯人を発見。

 その後、治療を受けた犯人は手当が早かったため命に別状はなかったものの、腕と足を左右共に損失し性器も失った挙句、顔にはJDの英字が深く焼き付けられた状態に陥る。

 犯人の口述によれば、深夜就寝している所に突如として紅い目玉が目立つ怪人が現れ、自分の両肘と両膝に何かの部品がついた鋭利な3本爪を突き刺され、壁に固定された所に今度は右手の3本の鋭利な鈎爪で性器を切断された挙句、両肘と両膝に突き刺され壁に固定された部品のランプが点滅すると同時に怪人は姿を消したという。その後、数秒も経たない内に両膝両肘に突き刺された部品が爆発し、両腕と両足が肘と膝から爆破され分断されてしまったという。

 口述の内容から、男性犯人の性器を切断し、両腕両足を爆破して分断した人物は、犯人の頬に深く焼き付けられたJDの文字からもジャッジ・ザ・デーモンの仕業であると判断。

 犯人はその後、実刑判決を受けた後に収容施設で性器だけでなく両腕両足の無い四つん這いで床を移動する生活を余儀なくされている。

2004年6月8日

 G8シーアイランド・サミットが米国ジョージア州で開催。

 二次元界アニメタウン代表として小田原修司もサミットに特別参加し、互いに意見の交換をし合った。

2004年6月10日~13日

 欧州連合加盟国で欧州議会議員選挙の投票が行われる。

 これにも小田原修司がアニメタウン代表として参加。選挙の成り行きを見守る。

 

2004年7月1日

 中国の「高句麗前期の都城と古墳」、国連管轄化の北の国の「高句麗古墳群」、日本の「紀伊山地の霊場と参詣道」などがユネスコの世界遺産に登録。

 中国、日本は元より独裁国家から解放された北の国でのユネスコ世界遺産登録が可能になった事実から、更に独裁政権打破の快挙を成し遂げた聖龍隊の評価が世情で高まる。

2004年7月7日

 警視庁が1995年に起きた警察庁長官狙撃事件の容疑者としてオウム真理教信者であった元警視庁巡査長と元オウム幹部2名を殺人未遂容疑で逮捕。

 その後、警視庁と検察庁が入手した数々の証拠から逮捕された容疑者全員が懲役80年の実刑を受ける。

 但し、警視庁と検察庁は入手した証拠の入手ルートを明らかにしていない。

2004年7月13日

 新潟・福島豪雨発生。三条市や中之島町を中心に甚大な被害。

 この災害時に小田原修司は例の如くSRMを出動させ、豪雨の被害に相次ぐ市民の救出活動と、市民の一時避難所の設立を指示した。

2004年7月16日

 性同一性障害特例法が施行。

 この法案の施行に聖龍HEADで同じ性同一性障害者の天王はるかが、特例法施行に己の心情を公言する。

2004年7月18日

 韓国ソウル市にて、ソウル警察庁の前に血塗れの重傷の男性が倒れているのを警察官が発見し保護。

 その後、男はソウル生まれの男ユ・ヨンチョルという男性で、自分は合計で26人の人間を殺害したと供述。

 韓国検察庁が裁判を起こす前に、獄中で血塗れの状態で惨殺されているのが発見される。

 惨たらしい程の無数の切り傷に、頬にJDの英字からジャッジ・ザ・デーモンの凶行であるとソウル当局は発表した。

 

2004年9月1日

 ロシア北オセチア共和国でベスラン学校占拠事件起こる。

 この占拠事件を起こしたのはチェチェン独立派の幹部を始めとするテロリスト集団であり、イスラム原理主義過激派ジャマートのメンバーであると報じられてる。

 後に多くの民族や人種がテログループに居た事が判明しており、警察や軍の必死の説得も効力を示さなかった。

 双方ともに硬直状態が続いている最中、占拠された学校内の体育館近場にて次々とテロリストのメンバーが密かに暗殺されていく事態が発生。

 首謀者のチェチェン人、シャミル・バサエフは拘束している学校関係者を銃で脅しつつ、自分達を暗殺していく者や包囲している治安部隊に警告を促していくが、次第に30名以上もいた武装集団は徐々に数を減らしていき、恐れを成した一部のメンバーは武器を捨ててその場から逃亡。だが外で待ち受けていた一般人の群衆に取り囲まれ、四肢や首などの部位を切断され虐殺される結末に至った。

 その後、最後まで抵抗していた首謀者を含むメンバーも暗闇からの奇襲を受けて、シャミル・バサエフを含む残党も全員が一瞬の内にして殺害された。

 結果として拘束されてた人質約1000人はほぼ無傷で保護され、武装集団は首謀者のシャミルを含む全員が死亡という結末に至った。

 だが、外で銃器などの武器を持って待ち構えていた人質になった子供らの親達に虐殺された武装集団のメンバー以外の死体は全て一撃で心臓などの臓器を鋭利な刃物で一突きにされて殺されていた中で、首謀者であったシャミル・バサエフの死体の頬にはJDの焼き印が印されていたという。

 この事件後、多くの国々で様々な波紋が広がったり問題が山積みとなる事態に陥ったが、異常者(ヒール)排除法に乗っ取って今後もテロへの強固な姿勢を取り続ける事が世界中で肯定されていく。

 この世界中のテロへの対応意見には小田原修司も賛同し、絶対的なテロとの対決を断言した。

2004年9月9日

 愛知豊明母子4人殺人放火事件発生。

 証拠も少なく、犯人と思われていた一家の父親も無実と判明し、迷宮入りとなると思われた殺人事件。

 しかし事件発生から数ヶ月後、警察庁に母子4人を殺し家に火を放った人間の証拠に関する情報が入出。

 その後、警察が犯人の行方を追っていた所、愛知県内で殺人放火を行った犯人が全身を切り刻まれた惨殺死体で発見される。

 惨殺された犯人の頬にはJDの焼き印が押されていた。

2004年9月11日

 栃木兄弟誘拐事件が発生。当時4歳と3歳の兄弟が誘拐され後日、遺体で発見された事件。

 後日、栃木県警に匿名の電話があり、思川で兄弟の遺体が発見されたと通告があった。警察当局が駆け付けると、川底から引き揚げられた兄弟の無残な遺体が川辺に残されており、既に何者かに引き揚げられたと同時に遺体を鑑定された痕跡が見受けられたという。

 その2日後の13日、殺害された兄弟の家族と同居していた当時40歳の家主の男が犯人である物的証拠と、男の自身の犯行を認める音声と映像が栃木県警に送り付けられる。

 翌日の14日。自身の犯行であると自供した犯人の男の死体が栃木県警の目の前に屋根の上から吊るされた状態で公共の場に晒された。この時の男の死体には、顔にJDの焼き印があった。

2004年9月17日

 長野愛知4連続強盗殺人事件の犯人Nが顔を酷く殴打された状態で、かつて勤務していた同僚宅の前で重傷で発見される。

 話によると、同僚宅へ空き巣に入ろうとしていた所を全身が黒く顔には紅い大きな目の怪人が目の前に現れ、暴行を加えられた上に頬に焼き印を押されたという。

 焼き印のJDから、暴行を加えた怪人はジャッジ・ザ・デーモンであると県警は発表した。

 それと同時に県警にはNが4月26日に長野県飯田市大王路の独居高齢女性を絞殺し、8月14日と9月7日には隣接する高森町内在住の独居の高齢男性と高齢女性を刺殺し、いずれも殺害後に金品を奪ったという。

 その後、裁判で4件の強盗殺人から犯人Nに死刑判決が言い渡された。

2004年9月29日

 台風21号が上陸、三重県宮川村で大規模な斜面崩落が発生し土砂災害で死者行方不明者合わせて7人など、日本全国で合計20人もの人が死亡。

 この大災害では皇軍でもある村田順一率いるスター・コマンドーの聖龍隊士が活躍し、多くの人命を救済したという。

 

2004年10月23日

 新潟県中越地震発生。新潟県で震度7の地震が発生し、断続的に震度6級の余震が襲う。

 この時も皇軍に属していたスター・コマンドーはB.A.B.E.Lの予知能力部より、前もって地震の発生を伝え聞いていたため迅速な救助活動が行われた。

 結果、死者は38名に留まった。

 

2004年11月1日

 兼ねてより、小田原修司も強く奨励していた改正道路交通法が施行。

 事故防止も兼ねて運転中の携帯電話使用などが処罰対象に。

 

2004年12月22日

 国内で鳥インフルエンザの感染が公式に確認される。

 この件で小田原修司は即座にWHOに応援を要請。

 国内の鳥インフルエンザの徹底した除去をWHOと協力して聖龍隊が総力を挙げて取り掛かる。

2004年12月26日

 スマトラ沖地震が発生。M9.3.津波などで14ヵ国以上で22万人以上が死亡。邦人40名以上が死亡。

 このスマトラ沖地震を切っ掛けに、小田原修司は自軍である聖龍隊をアジア全域に支部を置いて災害は元よりテロの鎮圧に力を入れていく姿勢を示す。

 アジア連合も聖龍隊の特殊能力を買って、アジア諸国に聖龍隊の支部を設立し、災害やテロなどの緊急事態の際には協力を仰いでいく姿勢を見せた。

 この件には台湾の李登輝前総統が日本に来日した際に、聖龍隊の一総合部隊を皇軍に持つ日本政府に、聖龍隊の災害時やテロの事案の際の行動力を高く称賛したという。

 

2005年2月

 世界中で残忍な犯罪が多発し、その犯罪を行い裏で暗躍していた人物はいつも現場に残されたカードの英字から《F》と俗称され、世界を震撼させた。

 その残忍でかつ巧妙な犯罪と計画に世界中の捜査機関の目を掻い潜り、犯罪を行い続ける《F》の所業には聖龍隊ですら難色を示した。

 だが、その《F》の悪行を食い止めようと例の如くジャッジ・ザ・デーモンが《F》の捜査に踏み切る。

 《F》は犯罪経歴を持つ者から、精神に異常を来した異常犯罪者も巧みに裏で操り、中々その素性を表に出す事はなかった。愛知県安城市のスーパー・イトーヨーカドー安城店で刑務所を出所したばかりの男が乳幼児を殺害する事件の裏にも《F》が暗躍していたという。

 一方で若干16歳でアメリカの国将軍にして近い内に北アメリカの州将軍にも任命される予定のジャクソン・グレイシス将軍が日本を始め世界の警察機関や軍事機関、更には国家機関に最終的にはICPOなどに自ら率先して訪問しては世界中で横行する《F》の悪行や度重なる陰湿な犯罪を食い止めようと、それぞれの機関の上層部と面会しつつ互いに協力関係を布いていく姿勢を奨励していく。

 だがジャクソン将軍の全面的な協力も相成って、日本では権威が完全に消失していた警察や検察組織が己の威厳を取り戻しつつある現状の中、当の《F》はコンピューターなどにも巧みにハッキングしては全くの痕跡を残さないで世界中の捜査機関や政府機関さらには軍関係の機密事項まで盗み出し、半ばサイバーテロの如く世界中の情報網を混乱させた。

 他者を巧みに操り、そしてインターネットへの侵入も難なく熟す《F》について、聖龍隊は《F》が高度な知能を持った知能犯である事を突き止める。

 しかし捜査の網を掻い潜り、時には己の替え玉も用いて捜査に携わる者らを偽り欺き続ける《F》を捕える事は困難に至った。

 一方で三次元政府側はある話を小耳にする。それは《F》の正体は、三次元側の政府や当局の崩壊を望んでいる二次元人ではないかと。

 《F》=二次元人説は、瞬く間に世界中に伝心し人々の二次元人への信頼感は徐々に欠落していく情勢が目立つ様になる。

 その最中、アメリカ政府が厳重に保管・管理していた核ミサイルの部品がアメリカ各地から盗み出される事件が発生した。この事件の後に《F》と名乗る人物から謎の音声メッセージが世界中にネットを通して拡散され、アメリカに点在していた核ミサイルの部品を盗み出したのは自分であると犯罪声明を流した。

 アメリカ各地に点在する形で管理されてた核ミサイルの部品を盗み出した《F》の所業に、《F》が二次元人であると思い込んでいた三次元人たちは二次元人への不信感を募らせる一方だった。この現状に二次元人の人権の尊厳を主張している姿勢の小田原修司は悩まされていたという。

 更に次元人への不信感から、彼らの技術で建造されてる真っ只中の太平洋沖の人工島の建造も一時停止してしまうまでに追い詰められる。

 

2005年3月

 前々より兼ねての《F》の巧みな情報戦術によって、二次元人への疑心暗鬼が募っていった三次元人との摩擦が遂に限界を来した。《F》は島根県議会で可決された「竹島の日」条例が成立し、日本と韓国の摩擦が激しさを募っている混乱に乗じて大規模な情報戦略を開始し、日本や韓国などの三次元界の国々を巻き込んだ、全ての三次元政府が行動を発起してしまう。

 三次元政府は二次元人すべてを異常者(ヒール)と認定してしまい、遂に三次元人と二次元人の全面戦争が勃発してしまう。

 この戦争を一刻も早く終結させようよ、聖龍隊は戦場を駆け巡り事の発端である《F》の素性を探りつつ、《F》を必死になって捜索する。

 この時、三次元政府よりの国連に身を預けていた小田原修司は、平等な国連上層部の判断から双方ともに加担しない事を言い告げられ、アニメタウンより動けずにいたという。

 戦争が激化する中、聖龍HEADは遂に《F》が盗み出した核ミサイルの部品を発見。しかも、その部品はすべて組み立てられ一発の核ミサイルへと仕上がっている状態で発見された。

 しかも核ミサイルの発射システムは戦場の中央に発射されるようプログラムされており、HEADは急いで核ミサイル発射を止めようとするものの《F》の謀略によってHEAD全員が捕まってしまう。

 捕らえられ、身動きができないHEADの前に《F》と思われし人物が暗闇の中から現れ、淡々と自分の犯罪を自慢げに語っている最中、そこにジャッジ・ザ・デーモンが登場。《F》と対峙する。

 しかしジャッジ・ザ・デーモンと対峙した《F》は暗闇の中から己の全身を現し、遂にその正体を晒した。《F》の正体を目の当たりにしたジャッジ・ザ・デーモンに聖龍HEADは驚愕した。

 《F》の正体は、なんと当時アメリカ将軍に抜擢されたジャクソン・グレイシス将軍であった。更に正体を現したジャクソン将軍は、自らを《Mr.フェイク》と名乗り、顔半分に額にFの字が施された仮面を装着してジャッジ・ザ・デーモンと対決する。

 《F》改め《Mr.フェイク》はジャッジ・ザ・デーモンと闘い合っている最中に「将軍の名目で各地の捜査機関を訪れては、その国の政府機関や捜査機関のコンピューターにハッキングして情報を得たり、協力関係を布いていくと述べた背後では《F》の正体が危険思想を持っている二次元人であると情報を流した」と告発し、ジャッジ・ザ・デーモンと一層激しく闘い抜く。

 その闘いの後半、Mr.フェイクは遠隔操作で核ミサイルの発射システムを作動させ、同時に聖龍HEADを閉じ込めている特殊な監獄をタイマー式爆弾で吹き飛ばすとジャッジ・ザ・デーモンに言い寄り、彼を二者択一の選択に追い詰める。だがこの時、ジャッジ・ザ・デーモンは迷う事無く核ミサイルの発射システムの停止の方を最優先して、間一髪のところでミサイル発射を食い止める。

 一方でジャッジ・ザ・デーモンに見捨てられた聖龍HEADは自機の《ディープ・アクア・マリーン》でMr.フェイクが戦争発起の拠点としてた工場内に突入した《マーメイドメロディーズ》部隊と、その後方支援に回っていた《ブラック・ラヴァーズ》の部隊によって時限爆弾を解除され、HEADは危うい所を救われると同時に檻から出る事に成功する。

 多種多様で様々な英雄たちに取り囲まれながらも、Mr.フェイクはその情景に降伏する所か逆に狂気染みた笑いを高々と上げては狂喜の如く喜び上がった。

 そしてジャッジ・ザ・デーモンと聖龍隊の、水と油の如き2つの勢力と板挟みになりながらも双方ともに接戦を繰り広げ続けるMr.フェイク。

 長い死闘の末、戦いは意外な形で幕を下ろした。乱戦の最中、Mr.フェイクが顔に装着していた仮面が剥がれ、戦闘に嫌気が差していた聖龍隊士ガイトがその仮面に機関銃を乱射し粉々に破壊したと同時にMr.フェイクは乱心。遂には涙をボロボロと流して泣き崩れてしまった。聖龍隊は戦意を完全に喪失したMr.フェイクことジャクソン・グレイシスを拘束。

 Mr.フェイクを拘束したと同時に、真実を知って戦闘を終結した二次元/三次元、両次元の人々の前に無残な泣き顔を晒した状態で拘束されたジャクソン・グレイシス氏が補導された。

 この顛末にジャクソン将軍に厚い信頼と期待を覚えていた政府機関や警察機関の関係者は悉く失望し落胆したという。

 しかも皮肉な事に、ジャクソン将軍を捕えるのに一役買ったジャッジ・ザ・デーモンは直接的に戦争を終結させた功労者として世間的な信頼と期待を民衆に認められ、非公認ながらも世情では列記とした英雄として認められてしまった事で世界中の警察機関も酷く嘆いたという。

 一方で拘束されたMr.フェイクことジャクソン・グレイシス氏には不正ハッキングや詐欺・殺人。更には戦争を勃発させた戦争大罪人として処罰を受けられると思われていたが、ジャクソン氏は幼少の頃から名門軍人の家系で育てられ、その際の陰湿なまでの軍事的教育と体罰から《多重人格障害》を患い、その人格がMr.フェイクの人格を構成させてしまったと診断を受けた事で、死刑や終身刑といった重罪には課せられず、精神患者専門の収容所に入れられる形で、二次元人と三次元人の戦争勃発事件は幕を下ろした。

 この三次元人のジャクソン・グレイシスが起こした大々的な事件に二次元人も三次元人も衝撃を受け、当時に多重人格障害に至るまでのジャクソンの幼少期を知った大衆は彼に悲しいほどの同情をしたという。

 

 だが、精神疾患収容者の隔離施設で治療にかかっていたジャクソン・グレイシス元将軍はその後何度も収容所を脱走。

 以降、世界中を股にかけて猛威を振るう異常犯罪者Mr.フェイクとして名を挙げていく。

 

2005年3月20日

 福岡県西方沖地震が発生。

 それまで大地震が少ないと考えられてた九州北部での地震を受け、日本政府は二次元界との蟠りを解消する意味も込めて、聖龍隊に災害時の特別出動要請を発令させた。

2005年3月25日

 日本で2度目の国際博覧会、通称(愛知万博)「愛・地球博」が開催。

 二次元界との関係復興に因んで、小田原修司は万博で大いに二次元界の科学技術を公開する。

 その絶大な科学力に、それまで否定的であった二次元人の科学力と知識に日本を含めた世界中の人々が絶賛した。

 愛知万博の開催時には、時おり小田原修司を始めとする聖龍隊のメンバーも公式訪問しては、二次元界と三次元界の両次元界の平和を唱えた。

2005年3月29日

 スマトラ沖地震が再び発生。M8.7を観測し、死者は1,000人を超えた。

 この時の災害時にも三次元政府との蟠りを解消したばかりの二次元人である聖龍隊が災害地域に駆け付けては、多くの人命を救い上げた。

 

2005年4月

 2日にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が死去。6日にはモナコ公国大公、レーニエ3世が死去。

 そして9日には北京で1万人規模の反日デモが発生し、デモ隊は街を荒らし、日本大使館を襲撃。以後も上海等の都市で同様の反日デモが相次ぎ、日本ではデモへの抗議行動も発生してしまい、反日と反中の2つの過激な思想感情があらわになってきた。

 これらの著名な人々の死去や浮き彫りになってしまってる反日と反中の過激な思想感情に加え、先のジャクソン・グレイシス元将軍ことMr.フェイクが起こした数々の大犯罪に衝撃を受けた国際連合は、再び二次元人と三次元人の全面戦争は元より凶悪な犯罪やテロに対抗するため大規模な国連軍の変革を行う。

 その際、戦力の強化を最優先に挙げられたため、多くの特殊能力を持つ二次元人が国連軍の重役に収まる。

 その中でも国連軍の軍事体制を維持し指揮する最重要ポストには《元帥》の称号を与えられた《ゼンギ元帥》が抜擢され、その一つ下の通称《最高戦力》といわれる3人の軍人を《三大将》と位置づけする。

 アメリカ:ハワイ州出身の日系アメリカ人「マグマード・岩田」が《赤イヌ》。

 イタリア系人種で元科学者という異形の経歴を持つ「モンキーノ・ピカノリッチ」を《黄ザル》

 反日感情に犇めく中国の感情を少しでも和ませる為にも加入された中国出身の特殊能力を持つ軍人である冷苦を《青キジ》。

 計3人の能力者が三大将の名目と、各々の呼び名の称号を命名され、国連軍のトップとして元帥と共に世界中のテロや凶悪犯罪の抑制に取り掛かる。

 その際、賞金稼ぎに与えられる報酬の呼び名として《デッド》と《デス》の単価が使い分けられ、デッドの方は生死問わずに対しデスは完全に息の根を止めた状態で政府に亡骸を提供しなければ報酬金は貰えない仕組みにした。

2005年4月30日

 ベトナム戦争終結30周年記念。ベトナムに小田原修司が訪問。

 戦争被害者の慰霊碑に、聖龍隊を代表して日本形式で花を供え線香を焚いてベトナム戦争の死者達を弔った。

 この訪問に対し、小田原修司は「ベトナムだけに限らず、世界中で悲惨な戦争が繰り返し行われる所業を今の世代の我々が抑制しなければならない」と己の決意を公の場で断言し、その理由を聞かれると質問に対し小田原修司は「それは、自身が歴史上で唯一原爆を投下された国を母国に持つ人間だからである」と答えたという。

 

2005年5月

 Mr.フェイクが引き起こした二次元界と三次元界の戦争が原因で長らく停止せざるを得なかった太平洋沖での人工島建造作業が再開された。

 予定より大幅に遅れた工事の再開に、小田原修司は大々的な工事再開作業に事もあろうか自分が指揮する聖龍隊の管轄下に置かれてるSRMのメンバーはもちろん彼らが所持する大型ロボットまでも人工島建造に利用。だがこれにより工事の進み具合は大幅に進展していく結果と相成った。

 更に小田原修司は人工島建造と同時に、勢力を拡大していく国連に変革を提案する。それは国連加盟の国々なら、どの国でも使用できる通貨の発行であった。

 国連としては自分達の権威を大々的に世情に問いかける為にも、国連管轄内での通貨の発行に大賛成。この時の国連が発行した世界共通通貨は通称《クロ》と総称。

 主にクロの通貨や紙幣のデザインに採用されたのは、小田原修司の提案で歴史上で平和に貢献した人物たちの絵柄が採用された。(インドの独立運動を推奨し非武力を唱えたマハトマ・ガンディー。貧困に喘ぐ人々の心身を支えてノーベル平和賞も受賞されたマザー・テレサなど様々な人物が紙幣のデザインに採用される)

 同時に小田原修司は当時の刑務所内の構成も国連を通して変革した。

 囚人が脱獄しないよう警備を更に厳重にするのはもちろん、囚人が不満を抱かないように定期的に囚人が好みそうな食事を振舞ったり(ハンバーガーや薄く小さいがステーキなど)獄中だけで使用できる通貨を発行して刑務所内でも限定されているとはいえ買い物が行えるシステムを導入。この時の発行された通貨は通称《ブラック・マネー》と呼ばれる黒い紙幣で、そのデザインには実在の名が知れ渡った歴史上の犯罪者などを採用した。(大海賊で有名なエドワード・ニューゲートこと黒ひげなど)

 世界中の法案だけに留まらず、国連認可の通貨の発行や刑務所内のシステムまでも変革を起こした小田原修司の行動力に世界中の人々は高く小田原修司を称賛し奉った。

 その最中、5月6日の日本韓国両国の歴史研究の合同会議で互いの歴史認識の違いが明らかになる。同月の22日、中国の国家主席と日本の自民党・公民党の幹事長らが会談し、靖国神社参拝と歴史教科書や台湾問題など、日中関係について話し合うなど。日本の外国情勢が多大に揺らいだ。

2005年5月7日

 自衛隊が第六次イラク派遣。14日には第六次第二波を派遣。

 激動する中東の情勢に聖龍隊総長、小田原修司は強い懸念を抱かずにはいられなかった。

2005年5月21日

 日本政府が聖龍隊による二次元人ファンの増大や日本製品購入で増加した中国団体観光客のビザ配給を、中国全土に拡大する方針を固める。

 

2005年6月1日

 対馬沖の日本海で、日本の排他的経済水域内で違法操業をしていたと思われる韓国の漁船を海上保安庁の巡視船が拿捕。

 乗組員の身柄や船内の立ち入り検査を巡って韓国側と対立。

 この二ヵ国の対立に、小田原修司が国連に要請を出し中立の立場での検査や審問を行う審査官が、国連より派遣され両国の対立を中和させる。

2005年6月9日

 日韓間の歴史共同研究で、歴史教科書を研究対象に加える方向で調整が入る。

 この日韓の対立に小田原修司は非常に難色を示していたという。

2005年6月11日

 主要国首脳会議(サミット)の財務相会合がロンドンにて二日の日程で開催。

 異常者(ヒール)排除法で収入を得た凶悪犯の財産によって安定した財政を、今後どう継続させるか会合した。

2005年6月17日

 インドネシア南スラウェン州ソペン県で鳥インフルエンザ(H5N1型)に三十代男性が感染。

 WHO職員が、D-ワクチンを基に精製した抗生物質で男性を回復に導く。

2005年6月20日

 「アジア・中東対話」の創設会議が小田原修司の主催の下、20-22日にかけてシンガポールで開催。

 日韓首脳会談。歴史認識に合意せず。これに対して小田原修司は後日「隣国同士の国と国の関係が緩和されなかったのは、余りにも遺憾である」と報道関係者に述べた。

2005年6月27日-28日

 今上天皇と皇后が太平洋仙蔵戦没者の慰霊の為に、小田原修司および皇軍スター・コマンドーを引き連れてサイパンに訪問。

 

2005年7月6日

 8日までかけて主要国首脳会議がイギリス(スコットランド)・グレンイーグルズにて開催。アニメタウン市長である小田原修司も会議に参加し、これからの時代設計について熱く語り合ったという。

 シンガポールで開かれていたIOC総会で2012年の夏季オリンピックの開催地にロンドンが決定。

2005年7月7日

 ロンドン同時爆破事件が発生。地下鉄3ヵ所とバス1台が被害に遭うテロが発生。死者は55人、負傷者は1,000人以上。

 このアメリカ同時多発テロ同様の、凶悪かつ残忍なテロリズムに正論のテロリスト及び異常者(ヒール)の排除を促す意見が一層強まる。

2005年7月17日

 アメリカ合衆国カリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドが開園50周年。

 この記念式典に小田原修司がゲストとして呼ばれる。

2005年7月23日

 エジプト同時爆破テロが発生。これにより国際連合はアフリカ州に置いてのテロ鎮圧に全力を入れるよう国連軍の元帥ゼンギを始めとする国連軍に命じる。

 千葉県北西部地震発生。東京都区部で震度5を観測。この際も聖龍隊の隊士の活躍により、被害は最小限に抑えられ死者は一人も出なかった。

 

2005年8月22日

 パレスチナ問題:アリエルシャロンの推進するガザ地区等撤退において、ガザ地区からのユダヤ人入植者全ての退去が完了。

 この時のユダヤ人難民の後方支援には、小田原修司も徹底的に活動し、彼らの様な居住区を追われた人々の救済の為にも太平洋沖に建造中の人工島の建設を進めていく事を公言した。

2005年8月24日

 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)が開業。

 関東出身の著名人として、開業式典に小田原修司が御呼ばれする。

2005年8月26日

 ハリケーン「カトリーナ」が米国フロリダ州に上陸。

 合衆国大統領の省令でアメリカのヒーローチーム「アベンジャーズ」「ジャスティス・リーグ」の英雄達が天災での被害に相次ぐアメリカの各地を飛び回る。

 29日にはカテゴリ4の強さでルイジアナ州ニューオーリンズに再上陸。

 政府が即座に二つのヒーローチームへ救助要請を出した甲斐もあって死者は数百人に留まり、ニューオーリンズでの取り残された市民による略奪などの犯罪もヒーロー達によって制圧。

 その後も避難先で発生してた感染症や衰弱死寸前の患者にヒーローチーム管轄の英雄達が適度な応急処置を施し、多くの人命が救われた。

 更に性犯罪などの犯罪も避難先で生じていたが、これもヒーローチームの鎮圧がモノを言った。

 この「カトリーナ」襲来で原油の価格は高騰したものの、即座にヒーローチームを省令した政権の支持率は少しばかり上昇。

 だが同時に政府は何もしていなかったという意見も飛び交った。

 

2005年9月2日

 アフガニスタンのカンダール近郊で、当地を旅行していた広島県尾道市の中学校教諭2人の銃殺体が発見。

 中東を軸に活動している過激派テログループの凶行と見られる。

2005年9月8日-11日

 世界柔道選手権がエジプト・カイロで開催。

 柔道を始めて習った武術として戦闘に応用していた小田原修司が選手権の視察にエジプト・カイロに訪問。

2005年9月24日

 最盛期の強さが「カトリーナ」を上回るハリケーン「リタ」が米国南部に上陸(上陸時の強さはカテゴリ3で、カテゴリ4で上陸した「カトリーナ」の方が強かった)。

 このハリケーン「リタ」の来襲にもアメリカのヒーロー達が活躍し、大いに人々の感心を引き寄せた。だが石油生産施設などに多大な被害が出る。

2005年9月25日

 国際博覧会、通称「愛知万博」または「愛・地球博」が閉幕。

 二次元人の科学技術公開も多大に影響してか、185日間続いた万博での累計来場者は約3,358万人に上った。

 

2005年10月1日

 インドネシア・バリ島で同時多発テロ発生。

 日米の社会保障協定発効。

 韓国の釜山開成中学校で暴行致死罪が発生。

2005年10月4日

 米ハーバード大学の中谷喜洋教授ら研究チームが、ほとんど全てのがん細胞の自殺(アポトーシス)に関与しているとみられるタンパク質を特定。

 がん治療の革命的な進歩につながる発見。

 その後、WHOが中谷氏を始めとする研究チームに協同でがん治療の最先端新薬の開発を持ちかける。

 この際、WHO側が開発の研究に用いたのがD-ワクチンであると言われる。

2005年10月12日

 小田原修司が公式にバチカン市国に訪問。

 同じ市国のアニメタウンの市長である小田原修司はバチカンを観光した後、世界情勢の安定と平和に尽力してきた彼にローマ法王が祝福の言葉を掛ける。

2005年10月26日

 沖縄県宜野湾市にある米軍普天間飛行場の移設問題で、日本政府側は自国の完全防衛に小田原修司率いる聖龍隊を今後は採用し、アメリカ側には日本国内の米軍基地の撤廃を申請する。

 これに日米両国が基本合意し、日本国内の米軍基地は撤廃されていった。

 後にアメリカ政府は日本国内からの米軍退去に合意したものの、日本に近い太平洋沖に空母キティホークの後継艦として2008年にニミッツ級原子力空母を滞在させて中国などの強大な大国の脅威に対抗する姿勢を示す。

2005年10月29日

 インド・ニューデリーで同時爆破テロ発生。国連軍が駆け付け、騒動の鎮圧に取り掛かる。

 

2005年11月23日

 小田原修司、再びバチカン市国に入国。

2005年11月25日

 歌舞伎がユネスコの無形文化遺産に、聖龍隊が管轄する「世界名作劇場」の世界の街並みが世界遺産に登録される事が決まる。

 

2005年12月14日

 第1回東アジアサミットがマレーシアのクアラルンプールで開催。

 アニメタウン市長として小田原修司も出席。

 

2006年1月27日

 モーツァルト生誕250周年を記念し、ウィーンのシュテファン大聖堂でウィーン少年合唱団および異世界の「世界名作劇場」から招いたトラップ一家による記念公演が行われる。

 トラップ一家の招待を聞き付け、小田原修司など聖龍隊の幹部らも大聖堂での公演を見に来たが、同時に反二次元人勢力によるテロが心配された事から、聖龍隊の隊士たちの厳重な警備の元、記念公演は無事に幕を下ろせた。

 

2006年2月18日

 ナイジェリアでムハマンドの風刺画が発端で抗議運動が暴動化、キリスト教徒16人が死亡。

 同日、ソウル特別市龍山区竜門洞に住む女子小学生が、首のあたりを凶器で突かれ全身火傷を負った惨殺死体が発見。後に龍山小学生暴行殺人事件と呼ばれる。犯人は少女の近所に住む靴屋(当時53歳)で過去に4歳児に対して強制わいせつで捕まった事のある性犯罪の常習犯であった。犯人は少女をレイプした後殺害し、その後自分の息子(当時26歳)と共に発見現場まで死体を移動し遺棄した。ソウル警察が逮捕に踏み切ろうとした前に、親子共々全身を血塗れの惨殺死体でソウル警視庁の前に上空から放り棄てられた。親子の頬からはJDの焼き印があった事からジャッジ・ザ・デーモンの行為であると判別。

2006年2月22日

 イギリス・ケント州でイングランド銀行の保管施設から少なくとも2,500万ポンドが強奪される。

 その数日後、イギリス政府は強奪された2,500万ポンドの回収と強奪に関わった犯人の死亡を発表。それ以上の詳細な事実は未発表である。

2006年2月24日

 フィリピンのグロリア・アロヨが、軍将校によるクーデター計画を理由に、同国全土に非常事態宣言。

 サウジアラビアにある世界最大規模の石油関連施設に対し、アルカーイダによるとみられる初の自爆テロが発生。

 これ等の軍の問題や自爆テロの発生で、国連軍の世界中の軍事体制やテロリストの絶対的な監視を布く。

 

2006年3月

 莫大な費用と労力を費やして建造した太平洋沖の人工島および近未来都市が遂に完成。

 人工島そのものを一つの都市と認可した上で、都市の名を《ジャッジ・ザ・シティ》と小田原修司は命名し、別名《平等の町》と公言した。

 このジャッジ・ザ・シティに国際連合は新たな拠点として支部を設立。国連軍の本部もジャッジ・ザ・シティの近場に別の人工島を建造して据え置いた。

 同時にジャッジ・ザ・シティの都市としての機能が充実した上で、小田原修司はまず世界中の難民や亡命者たちをジャッジ・ザ・シティに移住させ、それぞれに似合った職務をジャッジ・ザ・シティに設立した就職支援所を通して、移民者の新たな生活を支えていくという都市としての機能発展を主軸に行動していく。

 その小田原修司の行動に、亡命者を引き入れる行為に快く思ってない政府関係者から反発の声も上がっていたが、小田原修司の後ろ盾である国連や世界中の国家機関の存在で微塵も聞き入れられなかったという。

 更に異世界との交流地点としても、ジャッジ・ザ・シティを拠点に異世界との貿易の中心にまで小田原修司は推し進めていった。

 こうして徐々にジャッジ・ザ・シティの人口は増加していき、都市としての機能が完全に整いつつあった。

 だが、それと同時にジャッジ・ザ・シティでの犯罪傾向も増加していき、その際には都市の名にも挙がっていたジャッジ・ザ・デーモンが都市に出現し、多くの犯罪者たちの摘発に身を乗り出した。

 これにより「平等の町ジャッジ・ザ・シティに平等な裁きを与えるジャッジ・ザ・デーモンあり」とまで都市に住んでいる人々から挙って称賛される。

 

2006年4月18日

 防衛医大教授痴漢冤罪事件。

 この冤罪事件を発端に、遊び感覚や賠償金目的で痴漢を演じる女子学生たちの摘発が加速し、1ヵ月だけで日本国内で300人余りの女子学生が逮捕。

 異常者(ヒール)排除法に乗っ取り、彼女達の親族から多額の罰則金を政府は押収し、徹底した女子学生たちの厳罰が施された。その間に死亡する女子学生も少なくなかったという。

 

2006年5月1日

 アメリカ合衆国各地で、ヒスパニック系住民らが不法移民規制法案に抗議するデモが発生。約100万人が参加、サービス業全体に影響が及ぶ。

 この事態に大統領は3月に建造されたジャッジ・ザ・シティへの移民を促す省令を発令。

 ジャッジ・ザ・シティ建立の立役者、小田原修司も不満を募らせていたヒスパニック系アメリカ人のジャッジ・ザ・シティへの移住に快く受け入れた。

 この発令により、ヒスパニック系人民の40万人ほどがジャッジ・ザ・シティへの移住を受託。ジャッジ・ザ・シティの人口は更に増加した。

2006年5月4日

 インドのハイデラバードで開かれた、ASEAN/日本/中国/韓国による財務相会議で地域通貨単位創設検討で一致。

 更には国連が発行している世界共通通貨「クロ」のアジアでの使用体制の整備も総員一致で可決。

2006年5月8日

 アメリカ合衆国政府が南米からの亡命受け入れを確認。

 但し移住先としてアメリカ沖に近いジャッジ・ザ・シティの移住を奨励した。

2006年5月9日

 日本が国連人権理事会の理事国入りが決定。

 この背景には、日本人である小田原修司が北の国を解放に導き、そこの貧民への只ならぬ生活援助の活動や、韓国/中国との隣国との人々との共生の活動がモノを言ったのだと思われる。

2006年5月13日

 聖龍HEADが遠出をしている間に、聖龍隊の支部が3人の格闘家に襲撃され、たまたま支部を護衛していたスター・コマンドーが多大な損害を被った。

 3人の格闘家は革命軍士からの刺客であり、総長である小田原修司の命をレスリングによる試合方法で奪えと命じられて来襲したのだという。

 これ以上、聖龍隊の隊士に被害を出す訳にはいかないと認識した小田原修司が1人で3人の格闘家と連戦する事を決めた。

 これに聖龍隊と関係を築いた異世界の王族や重鎮達が試合を見守る中、試合が開始された。

 1人目は聖龍隊が過去に独裁政権を打倒した北の国の出身で、更にその戦乱で自分の父親を小田原修司に殺された事を恨んでいる《ノースマン》という北の国出身の軍人であった。

 祖国だけでなく父親までも侵攻で殺されたノースマンは、北の国侵攻で最も敵兵を虐殺していった、いや唯一敵兵を斬り殺していった小田原修司を憎み、革命軍士に入り武力ではなく人体のみの暗殺つまり格闘技で小田原修司を葬り去ろうとアニメタウン支部の奇襲を仕掛けてきた。

 最初は祖国のみに非ず父親までも死に追いやった事に罪悪感を抱いていた小田原修司は、自らの意思でレスリングの試合内でノースマンに殺される覚悟で一方的に痛め付けられた。

 だが肝心のノースマンの格闘技が余りにも未熟である事を感じ取った小田原修司は、ノースマンの「キャメル・クラッチ」を喰らっている最中に彼の足に人差し指を突き刺し激痛を与える「血管潰し」をしてみせ、ノースマンをのた打ち回らせる。その後、ノースマンをコンクリート・リングに沈めた小田原修司は、力尽き横たわるノースマンに「親父の事は忘れろ、今は自分の実力を高めるだけを考えろ。そうすれば、お前は今より更に強くなれる」と復讐に駆り立てられてたノースマンを激励するのだった。

 

 だが小田原修司がノースマンを激励した直後、小田原修司に向かって3人の刺客の1人が鋭く鋭利な3本の長い爪を剥き出しにして、小田原修司に飛び掛かった。

 それを目の当たりにしたノースマンは、自身を激励してくれた小田原修司を護ろうと庇い、代わりに鋭利な長い爪で胸を縦に切り裂かれた。

 この凶行を行った2人目の刺客の正体、それは当時の革命軍士に洗脳プログラムをダウンロードされ、操られてた正義超人のウォーズマンであった。

 小田原修司は洗脳されたウォーズマンを救う為にも、第2戦目でウォーズマンと激突。だが試合中、ウォーズマンの仮面が外れかかった瞬間、小田原修司は取っ組み合っていた腕を瞬間的に放して外れそうになるウォーズマンの仮面を両手で押さえ込んでしまった。その隙を就いて洗脳されたウォーズマンは小田原修司の胸部にベアー・クローを突き刺して切り裂き、大量の血でマットを紅く染めた。

 そして試合終了後、洗脳が解けたウォーズマンは試合中に自分のマスクが剥がれ落ちそうになった際の小田原修司の行為に感謝を述べた。すると小田原修司は、自身も幼少の頃は何を考えているか解らない不気味な奴だと周囲から石を投げ付けられた経験があるからしたまでの事、と。ウォーズマンの素顔に対するコンプレックスと苦境を心から理解した上での小田原修司の行為だった。

 

 しかし洗脳も解け、一時は敗北した事で自ら醜い素顔を晒したウォーズマンに小田原修司が再びマスクを装着してあげようとした瞬間、最後の刺客がウォーズマンのマスクを奪い取ってしまった。

 自身のマスクを取り返すために3人目の刺客にバロウ・スペシャルをかけるウォーズマン。だが3人目の刺客は意図も簡単に高度な技術でバロウ・スペシャルを外して見せた上でウォーズマンを返り討ちにしてしまう。

 その3人目の刺客について、遥々ニューヨークから包帯姿で駆け付けてきたデイリー・ビューグル新聞社主および編集長のJ・ジョナ・ジェイムソンが、かつてその刺客に自身が最も忌み嫌っているスパイダーマンの正体を暴いでくれと頼んだところ「自分がヒーローと対決しているのは正体を暴くというちっぽけな目的の為ではなく、マスクマンのマスクは真の強者の証であり、自分と闘って敗北したヒーローから強者の証であるマスクを奪い取っているだけだ」と自身の信条を公言し、スパイダーマンの正体を暴いてくれと頼んだデイリー・ビューグルを彼の仕事机に叩き付けて重傷を負わせていた。

 実はその刺客、本場ヒーローの地であるアメリカでスパイダーマンだけでなく多くのマスクを被って素顔を隠しているヒーローと肉弾戦で勝負を挑み、相手のヒーローを負かした証として強者のシンボルであるマスクを剥奪し続けていた男だった。

 3人目の刺客の名は「グリズリー」すなわちカナダなどの北アメリカで猛威を振るう巨大熊に匹敵するパワーを秘めた男であった。

 実際、彼の羽織っているグリズリーの毛皮のマント裏には、スパイダーマンだけでなくキャプテン・アメリカやアイアンマン、そしてバットマンやフラッシュといった有名なヒーロー達から奪い取ったマスクのコレクションが堂々と飾られていた。

 そしてマスクは素顔を隠すための道具でなく強さの証であると信条してるグリズリーは公共の場で己の実情を、素性を語り明かした。

 グリズリーの本名はグリーズ。かつてアメリカの特殊外人部隊に所属していた軍人で、なんと小田原修司が所属していた部隊と同じ隊員で修司とは顔馴染みであった。だが演習中に砲撃で地面に空いた穴に左足を落としてしまい、更に運悪く前方から走ってきたジープの左前の前輪も穴に突っ込んでしまい左足の膝を酷く損傷。駆け付けた当時の小田原修司を始めとする同じ部隊の仲間によって救出されたが、左膝の損傷により軍を辞退。

 だがその後、祖国であるカナダに戻った際にグリーズは自然溢れるカナダの地で自らを極限まで鍛え抜き、完璧な精神と完璧な肉体を得る事に成功する。

 しかし完璧な武人となったグリーズにある朗報が伝わった。それは自身が辞退した外人部隊が、自分が軍を出た直後に部隊そのものが人体実験を受けて、その実験の過程で唯一生存できたのが小田原修司である事を。この実験でDの力を得て肉体を極限まで高めた小田原修司に、グリーズはいつか自分の方が優れている事を証明したいと思い立った。

 その後、そんなグリーズの許に革命軍士からの使者がやって来てはアニメタウンに奇襲を仕掛ける刺客として誘ってきた。これにグリーズは同意し、まず手始めにアメリカで人々の注目を集めているヒーロー達を叩きのめした上でマスクを強奪し、己の実力を再認識したグリーズは「史上最強のマスクマン」のグリズリーとしてアニメタウンに来襲したのである。

 死闘の末、小田原修司は遂にグリズリーを倒す事に成功。敗れたグリズリーは今まで押収してきた世界各国のヒーローマスクのコレクションを修司に返し、元のヒーロー達へ返還してくれと頼む。

 そしてグリズリーやノースマンは、聖龍隊総長にてアニメタウン市長の小田原修司の計らいで処罰を免れ、グリズリーことグリーズは祖国のカナダへ帰っていったという。

 

 この一件以降、小田原修司は更に洗練された格闘技の習得に身を入れるのだった。

2006年5月20日

 イラクでフセイン政権崩壊後、約3年ぶりに正式政府が発足。

2006年5月25日

 ヨーロッパ、アメリカ合衆国とカメルーンの研究チームが「エイズウィルスがカメルーンのチンパンジーから人間に感染した可能性が高い」と研究成果を発表。

 その後、WHOはエイズウィルスへの効果薬の開発に着手する。(この時にも使用されたのがD-ワクチンだという)

2006年5月27日

 インドネシアはジャワ島のジョグジャカルタ周辺を震央とするマグニチュード6.3の地震が発生し、同国で5782人が死亡。

 この地震災害で小田原修司は急遽、SRMを始めとする聖龍隊に指令を発令し、インドネシアに救助隊を出させる。

2006年5月31日

 イラク南部のサマーワで、日本の陸上自衛隊の車列を狙った爆弾が爆発。イスラム系過激派のテロであると判明。自衛隊員に怪我はなし。

 武力での鎮圧を殆どしてない自衛隊への逆恨みともいえる爆破テロに、小田原修司はイスラムなどのテロ組織に遺憾を示した。

 

2006年6月3日

 モンテネグロ、セルビア・モンテネグロから独立宣言。

 小田原修司の口添えもあって、5日にはセルビアも独立を承認。

2006年6月8日

 イラク政府が、テロリスト容疑者アブー=ムスアブ・アッ=ザルカーウィーが駐留アメリカ軍の空爆の最中に何者かに体を長い刃物の様な武器で斬り付けられ死亡したと発表。

2006年6月9日

 今上天皇と皇后美智子が、東南アジア3カ国をスター・コマンドーと共に歴訪。シンガポール/マレーシア/タイをまわり15日に帰国。

2006年6月19日

 バグダード及び国連の高等法廷で、サッダーム・フセイン元大統領らに対し死刑が求刑。

 同時に逃亡中のフセインを捜索する為、ゼンギ元帥を筆頭とした国連軍がフセインを捜索。

2006年6月25日

 日本の小泉純一郎内閣総理大臣がカナダ、アメリカ合衆国にスター・コマンドーの一部隊士を引き連れて歴訪に出発。日加、日米首脳会談が行われる。

2006年6月28日

 小田原修司の奨励で、セルビアより独立を果たしたモンテネグロが国際連合に加盟。

 国連の勢力はより一層と増強されていく。

 

2006年7月5日

 革命軍士が国連に新しく加盟したモンテネグロに無差別テロを起こす。

 この革命軍士の凶行に国連安全保障理事会は緊急協議を開く。

2006年7月9日

 インド・ムンバイで鉄道駅や走行中の列車あわせて7ヵ所で爆弾による同時テロが発生。

 この同時テロの背後にも革命軍士が活動していたと国連の調査で判明する。

2006年7月14日

 国連安全保障理事会は、日本とアメリカなどの国々が共同提案した革命軍士によるモンテネグロとインド・ムンバイでの爆破テロに対する決議案を全会一致で採決。

2006年7月15日

 第32回主要国首脳会議がサンクトペテルブルクで開幕。ロシアが初の議長国に。

 この会議で東南アジアを拠点に活動している過激派テロや革命軍士による破壊工作が議題に上がった。

2006年7月17日

 インドネシア・ジャワ島南西沖のインド洋を震央とするマグニチュード7.7の地震が発生。津波も発生し、500人以上が死亡、2万3000人以上が避難。一時的な避難場所として日付変更線を超えた先の人工島ジャッジ・ザ・シティが応える。

 アメリカ合衆国・ニューヨーク・クイーンズ区などで数日にわたり原因不明の停電。この発電の裏には何者かの破壊工作が関与していると政府は発表している。

2006年7月22日

 イスラエル軍、イスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘の為、地上部隊がレバノン領南部に侵攻。

 この侵攻に乗じて国連軍も中東に在住している過激派テロリストの一掃に奔走する。

2006年7月25日

 イラクで人道支援活動を行っていた陸上自衛隊員が、国連軍の過激なまでのテロリスト鎮圧に巻き込まれ只ならぬ被害を被る。故に最後の自衛隊員280名が日本に帰国。

2006年7月31日

 イスラエル政府、ヒズボラへの対抗策として行っているレバノンへの空爆を48時間停止する事でアメリカ合衆国と合意。

 国連安全保障理事会、イランに対し1ヶ月以内にウラン濃縮中止を義務付け、従わない場合は経済制裁発動を警告する決議を14対1で可決。この可決で国連は経済制裁と同時に内密にイランへの傭兵を送る。

 カナダのサスカチュワン州とマニトバ州にある約100軒の牧場で家畜が炭疽菌に感染し、約500頭が死亡。革命軍士によるバイオテロではないかと言われている。

 

2006年8月2日

 イスラエル軍、レバノン南部にて、空爆再開。

2006年8月5日

 アメリカ合衆国、フランス両政府がイスラエル軍とヒズボラの戦闘全面停止を求め、レバノン南部へ国連憲章7条に基づく決議案を、国連安全保障理事会に提出。これを受けて国連は秘密裏に諜報員を派遣したと言われる。

2006年8月6日

 イギリス石油メジャー、ブリティッシュ・ペトロリアム、アメリカ合衆国最大の産油量を誇るアラスカ州のプルドーベイ油田のパイプライン16箇所に腐食、同油田の操業を停止。同時期、小田原修司がイギリスやアメリカの石油企業の株を買い占めていく。

2006年8月10日

 ロンドン警視庁は、ロンドンからアメリカ合衆国へ向かう複数の旅客機をアメリカ合衆国の主要都市上空で爆破させる大規模なテロ計画をイギリス支部の聖龍隊と共に未然に阻止。容疑者24人を拘束。

 ロンドンで旅客機のテロ計画が発覚したことを受けて、液体物などの持ち込みが禁止される。

 

2006年9月16日

 タイ・ソンクラー県ハートヤイで、同時多発爆弾テロ事件が発生。外国人を含む5人が死亡、68人が負傷。

 このタイでの同時爆破テロを受けて小田原修司は、もはや中東に留まらずアジア各地でテロは続出するという広言から、聖龍隊のアジア各国の配置をアジア連合を通じて可決させる。

2006年9月19日

 タイ軍事クーデターが勃発 :米国ニューヨークを訪れていたタイ王国首相タクシンが非常事態宣言を発表するも、軍部はこれを無効とし、タイ全土に戒厳令を発布。

 これには小田原修司が聖龍隊をクーデターでの鎮圧に向かわせようとするものの、タイの軍から拒絶された事でタイ国内への聖龍隊進行が不可となってしまった。

2006年9月22日

 ドイツの磁気浮上式高速鉄道(トランスラピッド)のエムスランド実験線で、試運転中のトランスラピッドが、200km/h前後と推定される速度で工事用車両と衝突。

 作業員2人と、リニアに乗車していた見学者ら29名の計31名が巻き込まれ、21人が死亡。リニアモーターカーで、初めて死者が出た大事故。

 この事故を受けてドイツ政府は小田原修司を通して二次元界の科学技術の応用を求めた。

2006年9月28日

 タイでスワンナプーム国際空港が開港 :規模はアジア最大。

 当初は開港の式典に小田原修司ら聖龍HEADが招待される予定であったが、タイの軍事政権に入国を拒否される。

 

2006年10月8日

 日本の安倍晋三首相が中国を訪問。胡錦涛国家主席と首脳会談。翌日の9日には韓国を訪問。盧武鉉大統領と首脳会談。

 これらの訪問と会談には小田原修司も同席し、反日感情が残っている両国へ互いの繋がりを強めていき共により良い政策を行い、国内情勢を潤わせていこうと進言する。

2006年10月17日

 アメリカ合衆国の人口が3億人を突破。

 アメリカ合衆国国務省、ビザ免除プログラム適用希望の外国人入国者にICパスポートの保持を義務付け。

 同時にアメリカ政府は増加した人口の問題を解消する為、一部のアメリカ人を合意した上で人工島ジャッジ・ザ・シティに移住させ、都市としての更なる発展を促す法案を施行。

 

2006年11月5日

 イラク高等法廷がサッダーム・フセイン元イラク大統領に、ようやく死刑判決を言い渡す。

 この死刑判決を受けて、国連軍はフセインを発見次第射殺する命令を下す。

2006年11月23日

 イラクのバグダードで連続爆弾テロ事件が発生 :160人が死亡。イラク新政権発足後、最悪のテロ事件となった。

 この連続爆弾テロの背後にはフセイン派の過激派テロリストや、それらに協力した革命軍士が暗躍していたと国連は発表。

 

2006年12月2日

 在特会が結成される。

 この反韓・反中への意識の高まりに小田原修司は呆れ果て「互いに違う人種同士の抗争は時間と労力の無駄である」と人権推奨意見に日本中が反感を抱き、市民やマスコミから発言の撤回を求められたが小田原修司は断固として発言の撤回をしなかった。

2006年12月10日

 アジアの独裁国家「北の国」の解放はもちろん、己が発案した異常者(ヒール)排除法で世界中の犯罪やテロ対策だけに留まらず異常者(ヒール)から押収した財源で国々の経済情勢を立て直し、最終的には太平洋沖に人工島「ジャッジ・ザ・シティ」を建造し人種問わず難民や亡命者を受け入れた小田原修司の数々の功績が称えられ、小田原修司に《ノーベル平和賞》と《ノーベル経済賞》の二つが授与された。

2006年12月26日

 サッダーム・フセイン元イラク大統領の死刑が確定。

2006年12月30日

 サッダーム・フセイン元イラク大統領の死刑執行。

 このフセイン元大統領の死刑を皮切りに、国際連合軍は過激派テロリストの残党処分を更に武力で鎮圧していった。

 

2007年1月9日

 ペルシャ湾のホルムズ海峡付近で、アメリカ合衆国海軍の原子力潜水艦「ニューポート・ニューズ」と、日本の川崎汽船所属のタンカー「最上川」が衝突。けが人などはなし。

 この衝突事故を受けて、国連軍は世界中の軍事関係者に互いの所有搭乗機体の徹底した管理を布くよう厳戒令を指摘。

2007年1月10日

 アメリカ合衆国財務省、イラン国営セパ銀行がイラン政府によるミサイル開発に資金供与したとして、同行に対し資産凍結、取引停止などの金融制裁発動。

 アメリカ大統領がイラクへのアメリカ軍2万2千人の増派を発表。過激テロへの反感から市民の推薦の声は上がってた。

2007年1月12日

 ギリシャはアテネにある在ギリシャ・アメリカ合衆国大使館にロケット弾が打ち込まれ、爆発。居合わせた人に被害などはなし。

 この砲撃も革命軍士の破壊工作員によるものと政府は発表。

2007年1月14日

 安倍晋三首相がフィリピン・セブ島のホテルで日中韓3カ国首脳会談に出席。アジア各地で勃発する過激テロへの対抗処置について語り合う。

2007年1月15日

 フィリピン・セブ島で、第2回東アジアサミット開催。アジア及び世界中で勃発し続けるテロ行為への強硬姿勢を互いに示す方向性で議論が交わされた。

2007年1月17日

 ネパールの毛派が国際連合監督下で武装解除を開始。

 過激テロへの懸念から、ネパール国内の治安維持は国連軍が受け持つ形に移った。

2007年1月18日

 ブラジル・サンパウロ州検察庁、1999年7月に静岡県浜松市で当時16歳の女子高生をひき逃げし死亡させ、そのままブラジルに帰国していた31歳の日系ブラジル人容疑者をジャッジ・ザ・デーモンが拘束しサンパウロ州警視庁に受け渡し、逮捕、起訴。

 日本で犯罪を犯したブラジル人が代理処罰の形で起訴されるのは初めて。

2007年1月25日

 国連開発計画(UNDP)が本格的に世界中で新規事業計画を発動。

 世界情勢の上昇に勢いを加えていく。

 

2007年2月2日

 フランス・パリで開かれた国際連合気候変動に関する政府間パネル (IPCC) 、地球温暖化の影響で、100年後の地球の平均気温が、20世紀末に比べ1.1 - 6.4℃上昇、悪天候等の影響で約2億人が難民となるという予測を発表。この事態に国連気候調査委員は、二次元界の科学技術による温暖化抑制を全面的に検討する。

 アメリカ合衆国フロリダ州オーランド近郊で大規模な竜巻発生、19人が死亡。被害地域4郡に非常事態宣言発令を布き、同時にアメリカのヒーローチームに応援を要請。

2007年2月3日

 イラク・バグダードでイラク戦争後最大規模の自爆テロ発生。130人以上が死亡、300人以上が負傷。

2007年2月4日

 インドネシア・ジャカルタで2月1日からの豪雨による洪水が発生、少なくとも20人死亡、20万人以上が避難。急遽、聖龍隊管轄のSRMが救助に向かう。

2007年2月5日

 中国の海洋調査船が尖閣諸島・魚釣島付近で無断海洋調査。日本政府の抗議に対し、中国政府は同諸島の領有権主張。両国の領有権主張の衝突は激化していく。

2007年2月12日

 アメリカ合衆国・ユタ州ソルトレイクシティのショッピングモールで男がライフルを乱射、5人が死亡。犯人の男は駆け付けたデッド・プールにより射殺。

2007年2月16日

 韓国統一省、この日、北の国から韓国に入国した難民の総数が1万人を越えたことを発表。

 全ての難民を受け入れる体制が整ってなかった韓国政府は、難民の一部を太平洋沖のジャッジ・ザ・シティに移住させてもらえるよう小田原修司に嘆願する。

 韓国政府からの要望を小田原修司は聞き入れ、難民の一部をジャッジ・ザ・シティに移住させる計画を発案する。

2007年2月28日

 日本政府・国家安全保障局局員シキ査察官を政府は異常者(ヒール)認定し失脚させる。

 同時にシキ元査察官の身柄は連邦刑務所へ投獄され、88年の実刑を言い渡される。

 

2007年3月

 ジャッジ・ザ・シティ及びアニメタウンに異空間短距離移送路が完成。

 これに伴い小田原修司は世界中の異常者(ヒール)排除法を推奨していく為にもジャッジ・ザ・シティの刑務所に投獄された極悪人および日本を始めとするアジアで捕らえた凶悪犯罪者達を、アニメタウンに連行しては、アニメタウン内での巨大ギロチンによる公開処刑を全面的に開始しては異常者(ヒール)排除法のPR活動として凶行しだす。この公開処刑には、ギロチンという時代錯誤な処刑法を一般公開して自分達の実権を絶対的なものにしようと施工する世界中の権力者達の思惑があったという。

 この時、聖龍隊は当時名を馳せていた悪役同盟《スコーピオン同盟》に新たに加わったばかりの【シュガシュガルーン】のピエール、【ゼロの使い魔】のジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドとその相棒で泥棒のフーケの3名も処刑対象者としてジャッジ・ザ・シティの独房から連行し、アニメタウンに連行される。(実は3人の逮捕及び処刑判決の裏では、魔界出身の彼らが持つ魔力を増大化させて放つ強力な魔力兵器の設計図を入手し、それを基に兵器を製造しては政府高官に自分達の権力の強さを示していくという小田原修司の企みがあった)

 だがその時、スコーピオン同盟首領である《ガイア・スコーピオン》が仲間を引き連れてジャッジ・ザ・シティで暴れ回り、都市内での被害は甚大なものとなった。

 最終的に聖龍隊総長小田原修司を始めとする聖龍HEADや当時スコーピオン同盟と対峙していたスター・コマンドーの面々と睨み合うと、首領のガイア・スコーピオンは小田原修司が指さした国際連合の旗と日本天皇軍の御旗、そしてアジア各地の治安維持に絶対的な権力を持っていた聖龍隊の魔鳥の旗印の3つの旗に向けて炎の球を発射。3つの旗を多くの聖龍隊士と国連軍兵士の目の前で堂々と燃やした。これによりスコーピオン同盟は聖龍隊だけでなく、日本政府はもちろん皇族さらには国際連合といった世界中の国々に宣戦布告したのだった。

 その後、小田原修司が単身ジャッジ・ザ・シティから3名の凶悪犯を引き摺りながら連行している間に、公開処刑までの時間稼ぎとして聖龍HEADとスター・コマンドーが総力を挙げてスコーピオン同盟と真っ向から対立、戦いに発展した。

 その頃、アニメタウンに先に連行された二次元人/三次元人の凶悪犯(二次元人は主に陰湿な行為から、三次元人は異常者(ヒール)排除法で摘発された痴漢冤罪者の女子高生や医療ミスを犯した元医者など数十人)既にアニメタウンの民衆の前にボロボロの薄い茶色に変色した囚人服で晒され、意地汚い顔をギロチンに固定されるまで覆い隠すという意味で麻製の袋を被せられて、手足に鋼鉄製の枷と鎖で結ばれて連れられてきていた。

 かつては悪行の数々で好き勝手にやっていた異常者(ヒール)の醜態を目の当たりにして、アニメタウン民衆は大いに爆笑したという。そんな民衆に逆上した異常者(ヒール)の中には、手足に枷が填められているにも関わらず民衆に飛び付こうとした哀れな者もいたという。

 そして最初に彼らがギロチン前に連れて行かれると、顔に被せられていた麻の袋は取り外され全員が素顔を晒される。この時の素顔から、連行されてきた異常者(ヒール)達は二次元人(創作)側で【桜蘭高校ホスト部】の須王静江とエクレール・トネール、【焼きたてジャパン】の梓川水乃と梓川雪乃、【きらりん☆レボリューション】から東山薫子とその秘書であった北川、韓国の【天国の階段】からハン・ユリ、【ウルトラマンメビウス】から悪徳ジャーナリスト蛭川光彦が。三次元側からは医療ミスを起こした斉藤石雄に練磨琢也元医師、痴漢冤罪人の鈴木マリナ/山田ミホ/伊藤サオリ、重犯罪に加わったイジメを行った田中クミ/大橋マヤの女子高生たちが選抜されて、ギロチン台での処刑が執行された。

 素顔を晒された異常者(ヒール)達は、前世紀のギロチンの処刑法とは異なり、仰向けの状態でギロチン台に寝かせられ、目前で巨大な刃が振り落とされる恐怖を体感させられた。

 その後、遅れて小田原修司が引き連れてきた3名を加えて、遂に大衆の面前でのギロチンによる公開処刑が開始されようとしていた。

 だが、正にギロチンの巨大な刃が大罪人たちの首に垂直落下したその瞬間。小田原修司が3人の大罪人を引き連れてアニメタウン国内に入ってきたジャッジ・ザ・シティとを繋ぐ巨大門が突如として大破し、その巨大な瓦礫の破片と暴風が横一列に並んでいたギロチン台を全て倒してしまい、寸での所で大罪人たちは命からがら助かった。

 そしてジャッジ・ザ・シティとを繋ぐ異空間通路を塞いでた巨大な扉を破壊したのは、他でもないガイア・スコーピオン率いるスコーピオン同盟の面々であった。彼らはなんと、当時聖龍隊でも最強と誇るHEADや最戦前で戦い続け皇軍の地位も小田原修司から任されたスター・コマンドーまでも全員を打ち負かしてアニメタウンに辿り着いてしまったのだという。

 更に状況は悪化してしまい、駆け付けたスコーピオン同盟の同士の手で手足に装着されていた拘束具を外された3人の大罪人ピエール/ワルド/フーケも加入して小田原修司と真っ向から対峙してしまう。

 当の小田原修司は軍で手に入れたDの力で巨大化できる肉体を生かした常人外れのパワーと、生まれ付き心に潜在していた闇の心(ダーク・ソウル)の能力も自在に操っては、大半が特殊能力者のスコーピオン同盟を圧倒していく。

 しかし首領のガイア・スコーピオンの発言で戦況は一変。ガイアはなんと小田原修司を前にして、彼が内密に秘蔵しているという《コレクション・シークレット》を公の場で暴露してしまう。

 このガイアの発言で明るみに出た《コレクション・シークレット》の言葉に、一度はスコーピオン同盟に倒されながらも重体で駆け付けた聖龍HEADやスター・コマンドーの面々にも聞かれてしまう。

 当初、小田原修司はガイアが発言した《コレクション・シークレット》が何の事かと紛らわし、必死に話を逸らそうとするもののガイアの留まらぬ発言で《コレクション・シークレット》が何なのか暴露されてしまう。

 それは世界中の政府や諜報機関から秘密裏に入手した、時には世界情勢をも引っ繰り返してしまう国家機密を小田原修司が隠し持ち、その機密を暴露しない条件として自分を始めとする聖龍隊の権限の強化と二次元人の人権確定を三次元政府に脅迫にも近いやり方で脅していたという衝撃的な暴露であった。(このコレクション・シークレットの中身や内容までは明るみになってはいないが、主にアメリカのJFK暗殺事件/ウォーターゲート事件/ロズウェル事件、更にはイギリスのダイアナ元英国王妃の交通事故死の真相に関する資料も入っていたという)

 思わぬガイア・スコーピオンの暴露に一瞬戸惑う小田原修司ではあったが、そんな暴露話を言い放つガイアの背後から国連からの視察隊がガイアの背面に狙撃銃で発砲。だが一時は驚いて地面に倒れたガイアだったが、外殻が鋼鉄並みに硬かったので全く致命傷にはならなかった。

 そしてガイアの暴露で己の政府への脅迫が公にされた事で、小田原修司は狂気に達してしまう。小田原修司はまるで開き直ったかのように「政府など臆病な連中の集まり、少しばかり脅せば幾らでも言う事を聞いてくれる」と堂々と言い放ち、微塵の悪気も感じさせない態度を目の当たりにしたHEADとスター・コマンドーの面々に、スコーピオン同盟の謀略でアニメタウンの地下核シェルターに避難していた一般市民にも、小田原修司自身の悪巧みともいえる謀略と政府への脅迫紛いの行動に愕然としていた。

 だが小田原修司は真実を知った聖龍隊の各隊士や仲間達に最初は激しく戸惑いを見せつつも、最後には聖龍隊の権限と二次元人の人権を護り抜く最大最適の方法はこれ以外なかったと広言。更にアニメタウン沖でスコーピオン同盟の来襲を聞き付けた国連軍率いる日本の海上自衛隊とアジア連合の艦隊に「スコーピオン同盟の連中が手当たり次第に一般市民を殺傷し、既に何十人の犠牲者が出た」と嘘の報告をした上で、自国でもあるアニメタウンに向けて爆撃を指示。真実を知ったスコーピオン同盟とその他の死刑者たちをアニメタウンごと消滅させようと図る。これに対し即座にミラーガールを始めとする聖龍隊の同胞たちが小田原修司に制止を求めるが、小田原修司は「市民は既に地下のシェルターに逃げ込んでいるから大丈夫。町など破壊しても、ただ直せばいいだけの事」と猛々しく言い返す。そして小田原修司の同意を受けた国連軍はアニメタウンに向けて無数の爆撃を開始。アニメタウンは火の海に包まれ、町は瓦礫の山と化してしまう。

 だが、この小田原修司の言動にかつてアニメタウンで過ごしていたスコーピオン同盟の同士に首領であるガイア・スコーピオンは激しく怒り奮い、一斉に小田原修司への反撃を炎に包まれていくアニメタウン内で繰り広げた。

 やがて攻撃しても攻撃しても、幾度となく立ち上がるスコーピオン同盟の輩に圧倒されていく小田原修司は、遂に己の心中に抑え込んでいた感情を爆発させ、それと同時に体内のDが過剰反応を起こし、通常よりも筋肉を始めとする細胞が肥大化し、細胞そのものも変異しては、遂に全身が紅い傷だらけの全容に目から零れ出る涙が地上に落下すると否や瞬時に凍り巨大な氷柱を形成する3000mを優に超えた醜態な怪物へと変貌。

 その変わり果てた小田原修司を目の当たりにした聖龍HEADによると、全身の紅い傷は小田原修司が今まで感じ取った自身や周囲の人々の悲しみや悔しさに憎悪といった心の傷を表しており、目から零れ出る凍りの涙は心の底から感じている悲しみから生じた普通の氷よりも冷たい涙なのだという。

 しかも変異した小田原修司の口からは、それこそ怪獣映画のゴジラ並みの強烈な怪光線を放射し、その怪光線を浴びた町は一瞬で荒野の道と成り果て、更にスコーピオン同盟に助けられた3人を除いた他の異常者(ヒール)達にその怪光線が直撃してしまう。

 だが、その変わり果てた小田原修司を目撃したアニメタウン沖の国連軍を始めとする艦隊は、変異した小田原修司もスコーピオン同盟と関わりのある怪物と誤認。小田原修司に向けて遠距離爆撃を開始してしまう。だがその行為が常軌を逸した小田原修司の逆鱗に触れてしまい、変異した小田原修司の全身の紅い傷が天に昇り、空を血で染めたかのように赤くしては天に昇った全身の傷と同じ数の紅い閃光が艦隊の真上に浮上。そして一斉に紅い閃光こと小田原修司の受けた傷心はアニメタウン沖の艦隊全てを貫通しては駆逐してしまった。

 その後、小田原修司が今に至るまで聖龍隊や世界を欺きながら二次元人達を護り抜いてきた事。そして二次元人を本当に素晴らしい種族と信じてた小田原修司が、自分以外の三次元人が二次元人を認めないのは素晴らしく高等な二次元人像とは遠くかけ離れた異常者(ヒール)が原因であると捻じ曲がった思想を抱くようになってしまい、最終的には二次元人と三次元人の平等性を主張する為にも三次元人も同様に異常者(ヒール)として徹底的に殺し尽くさなければならないという自身への脅迫概念からの行為であると、他の一般人と同様に地下シェルターに逃げ延びたスコーピオン同盟は同じくシェルターに避難した聖龍HEADのバーンズや他の隊士たちからの涙ながらの訴えに心を揺さぶられる。

 そして拘束されてた3人の仲間達を取り戻したスコーピオン同盟は、愛する二次元人を護り抜く為に「一を切り捨て十を護る」という政治的処置を取り続けてきた小田原修司の狂気を止めるべく行動を起こす。

 全身を不気味なまでに変異した小田原修司の外皮は、触れたもの全てを腐敗させドロドロに溶かしてしまう外皮へと変異してしまった為に迂闊な攻撃もできない上に、魔法や超能力といった特殊能力も元から特殊能力を無力化してしまう能力体質な為に苦戦を強いられ続けていたが、遂にスコーピオン同盟は少しずつ変異した小田原修司の体力を削り、徐々に縮んでいく肉体が3mほどになった瞬間を見逃さずに小田原修司の全身に一斉攻撃を浴びせて打ち倒す事に成功。

 一斉攻撃を受けた小田原修司は変異した自身が破壊した町の瓦礫に吹き飛ばされ、瓦礫の山に埋もれてしまう。

 スコーピオン同盟が小田原修司を討伐した直後、聖龍HEADを始めとする聖龍隊士がガイアを始めとするスコーピオン同盟にお詫びとお礼の言葉を心の底から述べて謝罪する。

 だが、そんな朗らかな空気の中を切る様に、荒廃してしまった町の瓦礫の陰に隠れてた当時の国連諜報員が聖龍隊士の早見青児が取り押さえ、皆の前に引き摺り出されると諜報員は微塵の悪気も感じずにスコーピオン同盟に、世界中の権力の集合体国際連合に歯向かって只では済まないぞ、と脅し文句を掛け、スコーピオン同盟の面々に何れは全世界が敵に回り全員の命が抹消されると警告。周囲の反感を買い続ける国連の諜報員の言動に我慢が切れた早見青児やキング・エンディミオンら男性隊士らが諜報員の襟を掴み上げ、激しく動揺する国連の諜報員を幾度となく殴り付けボコボコにしてしまう。

 そして改めてスコーピオン同盟への謝罪の真情を、頭を下げて聖龍HEADにスター・コマンドー総出で土下座して詫びた。だが首領のガイアは何とも思ってなく、仲間を取り返せればそれで良いと全く聖龍隊や狂気に走った小田原修司を咎める言動は示さなかった。

 だが聖龍隊の各隊士らが謝罪を述べ終わり、ガイア・スコーピオンが助け出した仲間の3人に手を差し伸べた次の瞬間。瓦礫の山が突如として吹き飛び、瓦礫の中から小田原修司がそのボロボロに痛め付けられた全容を現した。

 この小田原修司の復活に、聖龍男性隊士たちから一方的に殴られ続けた国連軍の諜報員が狂喜していたが、その諜報員が自身の視界を塞ぐ形で前にしゃしゃり出てはベラベラと自慢げに国連のあり方について語っている最中、背後から小田原修司が手刀で国連軍の諜報員の体を一刀両断して殺めてしまう。

 この時の小田原修司はスコーピオン同盟に徹底的に痛め付けられた上に、自身が推奨してきた二次元人の美徳を保守してきた絶対的な手法を阻まれた精神的衝撃で全く意思を持っていない只の殺戮マシーンと同様の存在に成り果ててしまった。

 完全に無心という状態の狂気に駆られた小田原修司は、近くにいる者なら誰かれ構わず殺傷していく程の危険性に溢れてた。

 ジャッジ・ザ・シティから現状に至るまでの間、相当な数の戦闘と死闘を繰り広げてきたガイアは既に戦闘不能なまでの状態であり、同様にガイアと彼に従うスコーピオン同盟と対決した聖龍隊も同じであった。

 そんな追い詰められた現況の中で、今までガイアに助られ苦楽を共にしてきたスコーピオン同盟の面々が最後の死力を尽くして狂気の小田原修司に挑んでいく。そして結果、全員が叩きのめされ地に沈んだ。

 この仲間たちの惨状を目の当たりにした首領のガイア・スコーピオンは行き場のない怒りと悲しみに駆り立てられ、全身全霊を傾けた一撃を小田原修司の腹部に殴り付けた。この一撃で小田原修司はようやく正気を取り戻し、仲間である聖龍隊の面々から「最初から、やり直そう」と手厚い言葉を掛けて貰うのを最後に気を失う。それと同時に小田原修司を一撃で仕留めたガイア・スコーピオンも、腹部に見舞った右腕への激しい損傷によって自然に腕が抜け落ち、そして小田原修司同様に気を失う。

 この時の小田原修司の完全敗北を陰ながら監視していた国連諜報員の報告で、国連を通してスコーピオン同盟が小田原修司率いる聖龍隊を壊滅寸前にまで追い詰めた事態が世界中に報じられた。

 

 その後、正気を取り戻したものの肉体的に重傷を負った小田原修司と共に、ガイア・スコーピオンを始めとするスコーピオン同盟の面々も病院に担ぎ込まれ、集中治療を受ける。

 だが、小田原修司にスコーピオン同盟が病棟のベッドで横たわっている3日間の間に、世界中では世界最高戦力と称された小田原修司に彼が指揮する聖龍隊の敗北の情報が行き渡った事で、各地で大規模な爆破テロや混乱が生じ、世界情勢は一気に悪化してしまう。

 その報道を確認して愕然としている聖龍HEADの前に、誰よりも早く目を覚ましたガイア・スコーピオンがHEADの皆々に仲間達の生存を必死になって確認。ミラーガールからスコーピオン同盟の面々全員が重態ではあるが命は助かると言われた瞬間、ガイアは一気に体の力が抜けて再び眠りについてしまう。

 

 アニメタウン襲撃事件1週間後、既に他のスコーピオン同盟の面々が目を覚ましている最中でようやく首領のガイア・スコーピオンも目覚め、事件発生から10日も経っている事に凄く驚愕したという。

 だが世界情勢の悪化の一途は治まらず、未だ世界情勢は激しく動乱していた。しかも国連や小田原修司に味方している世界各国の政府機関の情報操作で、アニメタウン内でのスコーピオン同盟の悪行の酷さが豪く新聞などにも掲載されてしまっており、聖龍隊の打倒は一般市民を人質に取った卑劣な奇襲に不意打ちによる聖龍隊の敗北と報道。その他にもアニメタウンを火の海にし焼け野原にしたのも、国連軍や日本自衛隊の艦隊を撃沈させたのも全てがスコーピオン同盟の仕業と報道されてしまってた。

 自分達の悪行を捻じ曲げられて報道されてしまったスコーピオン同盟はそれから3日間、仲間であるスコーピオン同盟の一員、柊兄弟の豪邸で過ごしていた。

 だが3日後のアニメタウンに国連軍の管轄下である国連軍中将と同時にヨーロッパ全土の軍事体制を統治するガッツ将軍が突然の来訪。柊家豪邸を根城に身を休ませていたスコーピオン同盟に見事なまでの奇襲をかけ、柊家の壁を打ち破って寝ながら食事をしていたガイア・スコーピオンを殴打。鋼鉄並みの強度を持つ外殻に身を包まれたガイアがガッツ将軍の拳一発でもがいている最中、自宅の壁を打ち破りガイアに奇襲をかけたガッツ将軍に柊兄弟が飛び掛かろうとした瞬間、何故か自分を殴った相手がガッツ将軍であると認識したガイアに殴り飛ばされた挙句に床に何度も頭を打ち付けられるまで共にガッツ将軍に謝罪をさせられてしまう柊兄弟と、ガッツ将軍に只ならぬ恐怖心を抱くガイア。

 そしてヨーロッパの英雄と称されるガッツ将軍がガイアに声を掛けつつ、ガイア達の聖龍隊への傍若無人な行為を強面で睨み付けては叱り付けていると、ガイアの口から信じ難い言葉で飛び出た。それは「ゴメンよ……じいちゃん」だった。なんと蠍の怪人であるガイアにとっての祖父は人間であるガッツ将軍であった。

 実はガッツ将軍が軍人になる前、フランスのある名士にも並ぶマフィアの組織に加盟していたファミリーの一員で、幼少の頃のガイアもその頃から一緒に暮らしてたという。

 しかも幼いガイアや若い頃のガッツ将軍をファミリーに入れていたマフィアのボスは、当時より悪名高い4人の大悪党、通称《四皇》の1人であった《悪童ゴブリン》だった。このゴブリン、実はガイアにとっては憧れの大悪党でかつ命の恩人でもあった。幼少から厳し過ぎるガッツの鍛錬でドーバー海峡に100Kの重りをつけられて溺れてしまったトラウマのあるガイアが小悪党に捕まって川に放り捨てられ、しかも其処に巨大艦がやって来て危うくスクリューに巻き込まれてしまう寸前に全速力で平泳ぎで駆け付けてきた老体のゴブリンによって危機を脱した。だが、その見返りにガイアの代わりにゴブリンの右足がスクリューに巻き込まれ、ゴブリンは右足を失ってしまう。

 この時よりガイアは、いつかマフィアのファミリーから自立して自分だけの仲間を集めて、ゴブリンより教え込まれた《仁義ある悪党道》を貫いた大悪党になるという夢を言い放った。

 このガイアの過去の告白を聞いて唖然としてしまう聖龍隊にガイア以外のスコーピオン同盟であったが、部下に命じると同時に部下から貴方も一緒に直すように言われたガッツ将軍が自ら破壊した柊兄弟の実家の壁を修復しながらガイアの兄貴分について尋ねてきた。ガイアはどの兄貴なのかと聞き返すと、ガッツ将軍はガイアの兄貴分で今世界中で悪名を轟かせている男の名を口走った。

 そのガイアの兄貴分は、かつて雨が降る町の中を白い布で包んだ異形の生物の幼児をしっかりと抱き締めていた少年で、ゴブリンが二人共々拾ったのだという。その異形の生物の幼児こそ幼子のガイアであり、そして雨の中ガイアを手放さずに抱き締め続けていた少年こそ、後に世界に悪名を轟かせた張本人、あの革命軍士のブラッディ・ドラゴンであったというのだ。

 このガッツ将軍の告白に、悪名高い革命軍士の総元帥であるブラッディ・ドラゴンと若い頃のガッツ将軍が一緒に過ごしてきたという今まで誰も知らなかった情報を知った国連軍兵士に聖龍隊そしてスコーピオン同盟は驚愕した。だがガッツ将軍から、かつて同じ時を過ごしてきたドラゴンが革命家になっていると知ったガイアは当初高々しく笑い飛ばしたという。実はこの直後、全身を包帯で包まれた小田原修司が説明するまで、ガイアは自分の兄貴分であるドラゴン率いる革命軍士が世界中のあらゆる国家を滅ぼし、大勢の被害を出している現状を全く知らなかったのである(既に国連はもちろん聖龍隊、そしてガイア以外のスコーピオン同盟の面々は周知していたにも関わらず)

 この事実には寝耳に水の如く小田原修司も初めて知り、本来は自分が所有している機密事項の集合体《コレクション・シークレット》にも劣らない機密事項を淡々と平然に打ち明けるガッツ将軍の言動に針圧な面差しを浮かべていたが、当のガッツ将軍は「やっぱ、言ったらイカンかったかのう?」とかつて自分やガイアが革命軍士の総元帥ドラゴンと同居していた事を公言した事を撤回し、皆に忘れるよう言う展開には誰もが騒然となってしまう。

 その後、ガイア率いるスコーピオン同盟にガッツ将軍は「お前はワシの孫。だからアニメタウンで捕まえるのはやめる。また別の機会に捕らえてやる」と豪語してはアニメタウンを去って行った。(部下である国連軍兵士からは、逃げられたと上に報告するよう言われてしまう)

 更に数日後、ガイアは仲間を引き連れてアニメタウンを出国する寸前、ある程度の全身の包帯が取れた修司よりガイア達スコーピオン同盟に二つの凶報を伝えた。

 一つはアニメタウンを出国し、聖龍隊の手から逃れても今のスコーピオン同盟に世界中の国家機関が総力を挙げて摘発し、最終的には世界中の機関によって殺されるだろうという、世界を敵に回した事実。

 だがもう一つの凶報にガイア・スコーピオンは何故か大いに喜んだ。ガイアが喜んだ凶報とは……自分達スコーピオン同盟の団員に懸けられた多額の懸賞金であった。(この時のガイアは世界中でも類を見ない3億越えの懸賞金を懸けられた)

 そしてスコーピオン同盟以外の、変異した小田原修司の怪光線を浴びながらも生き延び、頭髪の全てが脱色し白髪に成り代わった死刑囚達にまで、世界中が報じたスコーピオン同盟と同様に罪もないアニメタウンの一般市民を大勢殺害した大量殺人鬼というレッテルによって、全員が多額の懸賞金それも国連が認可している単価のデス(賞金首を完全に殺して死体の状態で引き渡さなければ懸賞金は貰えない通貨)で発行されてた。これには世界中の政府機関の、小田原修司に自国の機密事項を握られては思うがままに言い成りに成っていた事実を知ったスコーピオン同盟以外の死刑囚の口封じとして懸けられた懸賞金であった。

 絶望に追いやられる死刑囚達に、ガイアは仕方ないよと他人事の様に励ましつつ、最終的には一緒に来いと勧誘されてしまい、死刑囚達は自分達の身柄の安全を最優先にする考えの元スコーピオン同盟に加わった。

 

 そしてスコーピオン同盟はアニメタウンを出国し、自由を求めて旅立っていった。

 

2007年3月14日

 アメリカ合衆国商務省がアニメタウンでの犯罪者組織の暴動による世界情勢の混乱と一部欠落の波を受けて、経常赤字が9566億USドルと初めて9000億ドルを越えた事を発表。

2007年3月19日

 米朝両国、マカオの金融機関「バンコ・デルタ・アジア」 (BDA) にて、アニメタウン情勢混乱の羽織を受けて約3000万USドルを早期に全額復興資金として使用する事を合意。

2007年3月22日

 世界情勢の混乱に乗じてアメリカソフトウェア大手オラクル、同社のコンピューターシステムに侵入し、特許などの機密情報を盗み出したとしてSAPを提訴。

2007年3月25日

 アニメタウンを出国したスコーピオン同盟が辿り着いたのは、かつて死刑囚と成り果てた須王静江とエクレール・トネールが滞在してた桜蘭高校を始めとするアニメタウン郊外の国家特別支援学園区内であった。この学園区内の学校には桜蘭高校以外にも「アリス学園」や「CLAMP学園」「探偵養成学校DDS」などの有名校も存在してた。

 だが学区内の地下で三次元政府が秘密裏に行っていたD-ワクチンの研究所が、スコーピオン同盟による世界情勢の激動によって急きょ閉鎖に追い込まれ施設内は全て封鎖する所に、学区内にたまたまやって来たスコーピオン同盟を一掃する為にも敢えて意図的にD-ワクチンの研究過程で巨大化したDを構成している微生物を解放、巨大なDの生物によるバイオハザードが特別支援学区内で引き起こされてしまった。

 捕まえた研究所員から、スコーピオン同盟や彼らと一緒に行動している死刑囚達の抹殺の為に意図的にバイオハザードが引き起こされた事を知ったスコーピオン同盟は、学区内の人間達を護りつつ安全な場所まで誘導するという人道的な活動を率先してやる。(この混乱に生じて、学区内の校内から金目の代物を盗品する行為もあったらしい)

 また、このバイオハザード事件の最中に「アリス学園」の久遠寺初等部校長が意図的にバイオハザードを起こした諜報機関の一員に倒され、重傷を負っていた所を学区内を徘徊するDの生体によって捕食され絶命する事案も起きた。

 そして特別支援学区内でのバイオハザードを聞き付けて馳せ参じた未だ体の傷が癒え切ってない小田原修司の登場で、次第に学区内の混乱は治まろうとしていた。

 だが事態が収拾しかけていた矢先に、研究施設の奥で秘密裏に飼育されていたDの完全生体D-Ωの解放で学区内は一層と激しく荒らされていった。

 その後、身重な小田原修司と協力してガイア達は完全体のΩを倒す事に成功する。

 事態が完全に収拾した直後、スコーピオン同盟は今の自分達がいる所には何かしらのトラブルが起きる、今の自分らは完全な疫病神であると断言しては一刻も早い学区内からの撤退を仲間に推し進める。

 そして学区内の学生や関係者達に「自分達の為に、こんな事が起きちまって済まない」と謝罪を述べた上で、早く学区内の学園が復旧する事を祈りつつその場を後に立ち去った。

 だが、そんなガイア・スコーピオンの男気溢れる態度と力強い言動、そして他者を労わる気構えに衝撃を受けた「アリス学園」の毛利玲生と「CLAMP学園」の雄大寺挑の2名がガイア・スコーピオンの言動に只ならぬ漢気を感じてしまい、遂には『裏切り御免!』と学区内の皆と共に学区内に居残った小田原修司に向かって言い残し、全速力で駆け出しては脇目も振らない勢いでスコーピオン同盟を追っては首領のガイアに対して、自分達も加盟させてほしいと叫びながら走り去ってしまった。

 この事態に小田原修司は「彼らを早く止めないとヤバい。スコーピオン同盟に加入したり少しでも加担した者も世界中の国家機関は容赦なく抹殺する」と2人の制止を同じ学園の仲間達に訴え掛けるものの、誰一人何の迷いもなく仁義に溢れたガイア・スコーピオンに仲間入りを嘆願する友の旅立ちを見送る始末だったのである。

2007年3月23日

 イラク・バグダードで、ゾバイ副首相を狙った爆弾テロ発生。アニメタウン襲撃事件での波紋を受けて活発化してきたテロ集団による爆弾テロであった。

 

2007年4月2日

 ソロモン諸島付近で、マグニチュード8.0の大地震が発生。聖龍隊本部が壊滅寸前の状況で、管轄下のSRM本部が独断で周辺海域で発生した津波による被害から人命を救助。

 死者はわずか10名足らずで済んだ。

2007年4月4日

 イランアフマディーネジャード大統領3月23日にペルシャ湾で拘束したイギリス軍兵士15人の釈放を発表。

 激動する世界情勢での混乱の中での衝突を避けたい考えでの行動であった。

2007年4月10日

 アメリカ合衆国政府、中国における知的財産権侵害についてWTOに提訴。だが情勢混乱の最中での提訴だったため、手続きが大幅に遅れてしまう。

 日中両政府、2003年以来4年ぶりとなる日本から中国への米輸出再開に合意。聖龍隊の組織としての機能一時停止で響く世界経済情勢の安定を目指しての合意であった。

2007年4月11日

 中国の温家宝首相が訪日。翌日安倍晋三首相と会談、日本衆議院本会議場で演説。聖龍隊の活動不能を受けての今後の情勢について語る。

2007年4月12日

 日中ハイレベル経済対話発足。経済バランスが不安定に成りつつある情勢からの脱出を図るため必死に模索する様子が伺えた。

2007年4月14日

 世界情勢混乱の動乱の煽りを受けてロシア・モスクワでプーチン政権に反対するデモが発生。参加者300名以上を当局が拘束。翌日も、サンクトペテルブルクでのデモ参加者約120名を拘束。

2007年4月15日

 イスラエル首相官邸で、エフード・オルメルトイスラエル首相とマフムード・アッバースパレスチナ自治政府大統領による第1回定期首脳会談開催。聖龍隊不在の中東の安全を保持する体制造りを急ぐ。

2007年4月26日

 ミャンマー、1983年10月のラングーン事件以来断交していた北の国の政権崩壊と世界情勢の激動に何とか歯止めをするため、北の国との国交を約24年ぶりに回復。

2007年4月30日

 新たに2名の仲間を加えたスコーピオン同盟が北海道に到着。其処で北海道の自衛隊と衝突。

 だが現場に馳せ参じた聖龍HEADのHEADのちせの姿を目にしたガイアは、目の色を変えてちせに言い寄る。

 前々より最終兵器のちせに好意を抱いてたガイアは、ジャッジ・ザ・シティからアニメタウンまでの道行の最中での衝突と戦闘そしてその際に負わせてしまった傷の事を心から謝罪すると同時に、ちせに愛の告白を淡々と語り綴ったという。

 その後、スコーピオン同盟は急いで北海道の地を後にした。

 

2007年5月2日

 韓国大統領直属機関「親日・反民族行為者財産調査委員会」、李完用など親日派9人の子孫から土地などの財産36億ウォンを没収することを発表。

 この背景には聖龍隊の組織活動の停止の煽りで世界情勢が激しく乱れ、国内の経済情勢の破綻を食い止める目測が見て取れる。

2007年5月11日

 韓国のカルト教団・摂理の教祖とみられる男が同月初め、中国の公安当局に身柄を確保されていた事が判明。韓国側は男が教祖と確認でき次第身柄引き渡しを中国側に要求する予定。これを機にアジア各地でカルト教団などの宗教法人団体への法案が見直されていく。

2007年5月12日

 アフガニスタン旧政権ターリバーンの軍事作戦最高司令官が、ヘルマンド州での国連軍との戦闘で死亡。聖龍隊不在でのテロ支援国家への大打撃は世界中から称賛された。

 中国・北京の天安門に掲げられている故毛沢東主席の肖像画を焦がす事件が発生。警察は35歳の男を現行犯逮捕。肖像画は翌日復元された。この男は現中国政権に反感を抱いている革命軍士の一員であったと言われる。

2007年5月17日

 朝鮮半島分断および北の国政権崩壊以来、初めて韓国・ムン山と北の国・開城を結ぶ列車が試験運行される。

 逆賊「スコーピオン同盟」に奇襲され、重傷を負った小田原修司自身も、この朝鮮半島が一つに生まれ変わった瞬間に赴きたい姿勢を線路工事着手の頃から呟いていたが「スコーピオン同盟」での聖龍隊敗北の責任と身体の重傷から、試験運行には立ち会えなかった。

2007年5月28日

 アメリカ・イラン公式協議。1979年のイランアメリカ大使館人質事件以来、公式協議は27年ぶり。

 イラク・バグダードの首相府にて開催され、聖龍隊の本格的な組織活動再開への先駆けに、今後の中東アジアの情勢に向けて協議。

 

2007年7月7日-27日

 ツール・ド・フランスの開催 :2005年7月7日に発生したロンドン同時爆破事件の犠牲者追悼として、イギリス・ロンドンからスタート、最初の2ステージをイングランドで行う。

 この爆破テロの犠牲者追悼イベントに、アニメタウン襲撃事件で大怪我を負った小田原修司が事件後初めて公の場に登場。イベントを温かく見守った。

 

2007年8月17日

 ロシア大統領ウラジミール・プーチンが、ロシアが遠隔地での戦略爆撃機による飛行を再開するつもりであることを発表した。

 これは1991年のソ連崩壊以降中断されていたが、聖龍隊敗北後に激動する世界情勢での国内の過激テロを抑制し、テロリスト活動拠点である地域への爆撃を計画しての再開。

 

2007年9月12日

 2007年スマトラ島沖地震。マグニチュードは、初期値M7.9、改定値M8.2、再改定値M8.4。2008年最終再改定値M8.5。死者17名。翌日の明朝にM7.8の余震が発生。

 この災害の発生を受けて、ようやく組織として機能を回復してきた聖龍隊が本格的に活動を再開させ、被災地に出動する。

2007年9月18日

 ミャンマーでの軍事政権への抗議行動に僧侶たちが加わり、2007年ミャンマー反政府デモへと発展。

 ミャンマー国内の軍事政権による非人道的な独裁政権に体の傷が全回復してない小田原修司は懸念を募らせていった。

2007年9月23日

 近畿地方に足を運んだスコーピオン同盟。

 その近畿地方でスコーピオン同盟を待ち受けていたのは、市民による異常者(ヒール)摘発及び処刑を政府から公式に請け負う自警団たちであった。

 逃げ遅れた死刑囚達が真っ先に血も涙もないと言われてる自警団によって拘束されたのだが、そこで死刑囚を待ち受けていた自警団員を見て囚人達は驚愕した。

 なぜなら自警団の多くが自分達が行ったイジメや痴漢の冤罪で人生を狂わせられ、大切な者の命を奪われた人々だったからである。

 他にも異常者(ヒール)の身内として周囲から白眼視され、辛い苦境に追い立てられた身内達までも平然と異常者(ヒール)認定された人を殺害していく自警団に、中にはその自警団の女幹部に成り果ててしまっている身内も存在していたのだった。

 かつて自分達が苦しめ、人生を狂わせてしまった者。自分らの身内という事で世間から冷遇された想いを味わったかつての家族らに銃を向けられ射殺されかけた瞬間、危機一髪の所をガイア達スコーピオン同盟に救われた死刑囚達。

 だが彼らの心的苦痛は想像を絶するもので、誰もが己の存在を許してくれ者には既に身内ですらいなくなっている現実に打ちのめされた。

 その最中、当時のセブンズ・ガードの1人であった有田和仁平(ありたわにへい)と死刑囚達が接触。

 国内の人脈はもちろん、自分のセブンズ・ガードの地位を利用して死刑囚達の人権を取り戻すよう図ると言われた死刑囚達は大いに喜んだ。だがその代わり、和仁平は死刑囚達に交換条件を持ちかけた。それはスコーピオン同盟の身柄を此方に引き渡すという、今まで自分達の命を庇ってくれたガイア達を売る行為を誘発してきたのだ。

 最初は戸惑う死刑囚達であったが、元の生活に戻りたいという願いから、自分達を除く全てのスコーピオン同盟を誘導して有田和仁平の管轄内であった最新のゴミ処理場へ全員を隔離した。それを確認した有田は自らボタンを押し、ガイア達スコーピオン同盟を奈落の底に落とし、彼らを他の廃棄物共々処分しようと謀る。

 当初は自分達を仲間と受けれてくれたガイア達を陥れる事に多少の戸惑いを感じてた死刑囚達であったが、スグに自分達が元の生活に戻れる事に歓喜しては即座にセブンズ・ガードの有田和仁平の元に向かった。

 しかし其処で彼等を待ち受けていたのは、有田のセブンズ・ガードの裏側で加担していたが邪魔になった政府高官を銃殺した有田の現状であった。しかも有田は計算高く、死刑囚達が自分の元に訪れるのを見計らって高官たちを銃殺し、同時に電話を用いて自分の所に殴り込みに来た死刑囚達によって高官たちが射殺され、そして他にも自分のオフィスビルで多くの従業員が殺傷されたと嘘の通告を警察機関に連絡。そう、死刑囚達は図られたのである。

 全ては有田和仁平の謀略で、スコーピオン同盟の抹殺を自分の手柄とし、それに協力した死刑囚達の罪をより一層重くした状態で己の手で捕らえるという計画であった。この有田の計画には、当時の警察機関や政府の高官さらには政治家や法律家といった、異常者(ヒール)の処分で自分の懐が潤う連中ばかりが裏で有田と手を組んでいたのだ。

 有田和仁平や彼の手下たちの手から逃れた死刑囚達は、再び逃げ惑う町中で自分達の身内も所属している自警団と遭遇。しかしこの時、自警団は既に有田の企みをしって彼の所有する高層ビルへと殴り込もうとしていたのだ。

 身内達を始めとする自警団たちは「自分達はかの鬼神 小田原修司の助けを得て今の現状を維持できている。故に彼と同様に陰湿で非人道的な輩を処罰する事を誇りに思っている。お前達の様な身勝手極まりない人間のクズとは一線を布いた立場で悪行を働く者たちをお前ら同様に処罰していく」と断言した上で、もはや地位も名誉も、そして人権さえも失ったかつての知人や身内などの死刑囚を尻目に有田のビルへと進撃していく。

 この自警団たちの発言を聞いて死刑囚達は、かつてアニメタウン内で小田原修司に言われた事を思い返していた。

「お前達は、存在そのものが罪であり穢れである」「お前達が死なない限り、人が幸せになる事はない」と。

 自分達は存在そのものが罪なのか、誰も自分達の生存を許してくれやしないのか……死なない限り、周囲の人間達も地獄を見、自分達も永遠の生き地獄を味わい続けなければならないのか。そう感じ入った死刑囚達は徐に自分達の右肩に彫られた刺青目を向けた。

 その刺青には英語で「デス・オア・デス」すなわち「死ぬしか価値のない奴」という地位も名誉も人権も、この世に生きていく為に必要なものを全て剥奪された異常者(ヒール)への戒めの烙印が彫られていた。

 この全ての生存権を、希望を奪われたこの世で唯一無価値な存在である異常者(ヒール)の烙印を目にした死刑囚達は行き場のない怒りと悲しみで狂気に駆り立てられ、ある者は所持していた刃物で刺青を彫られた右腕を何度も突き刺し、ある者は刺青の部分を強く爪で引っ掻いては肉ごと刺青を抉り出すという自傷行為に走った。

 そんな自らを自傷する死刑囚達の背後から、ゴミ焼却炉に落とされ絶命していたと思われていたガイアを始めとするスコーピオン同盟の面々が自傷していく死刑囚達の凶行を制止した。

 最初死刑囚達は自分達を加護してくれたスコーピオン同盟を欺き陥れた行為への罪悪感よりも、絶望そのものに苦境に追い立てられた心境からガイア達スコーピオン同盟を邪見にしていたのだが、心の中で耐えていた想いが切れたのか、自分達の追い込まれた現実に絶望視しては泣き崩れる死刑囚達は自傷する自分達を制止したガイアに涙ながらに訴えた。

「ガイア……助けて」

 死刑囚達の心の叫びを真に聞いたガイアは、彼らに己の親代わりである悪童ゴブリンより授けられた「宝石をあしらった銀製のロザリオの十字架の首飾り」を預けて、他の仲間と共に有田和仁平の拠点である巨大ビルへと向かっていった。

「当たり前だーーーーッ!!」

 自分達、世間から見放された人権無き者にも。裏切ってしまった自分達を救ってくれるのかと尋ねる死刑囚達の疑問の眼差しに、ガイア・スコーピオンは大声で答えた。

 

 そして既に有田のビル前で銃撃戦を展開してた自警団と彼らから有田の企みを聞き付けて駆け付けた聖龍隊の勢力を掻い潜り、ガイア達は自分の仲間達を悲しませ絶望に追い込んだ有田へ進攻を開始した。

 そしてビルの屋上では、既に自警団から有田の悪巧みを聞き付けた小田原修司が有田と一騎打ちしていた。だがアニメタウンでガイア達と死闘を繰り広げて修司の傷は癒え切っておらず、有田の前に完敗してしまう。

 小田原修司が有田に生傷だらけの血塗れにされた状態の所に駆け付けたガイアが、重傷を負った小田原修司に代わって自分が闘うと有田と一騎打ちの態勢を取る。

 だがガイアの目の前で有田和仁平は自身の体を変身させてアリゲーターの獣人へと姿を変える。実は有田和仁平はアリゲーター(ワニ)の獣人であり、人間に化けていただけだった。

 強力な顎に獲物を引き裂く牙を用いた必殺技「デス・ロール」で相手の肉を噛み契り、頑丈なワニの鱗で全身を覆った有田は完全に攻防完璧な能力者であった。

 闘いの最中に、有田は死刑囚と認定された連中を完全に世情から消し去るために様々な謀略を仕掛けていた事をガイアに打ち明け、その中には死刑囚達の身を案じたりしていた東山銀造やテ・ミラなど数少ない家族や身内を言葉巧みに誘導し、身内が異常者(ヒール)に認定された事への絶望感から自殺に追い込んでたり事故に見せかけて殺した事を暴露した。この事実に改めて死刑囚達は絶対的な絶望感に襲われたという。

 しかしガイアに「本来のワニ同様に腹面の皮膚が柔らかい」という弱点を突かれた有田は次第に追い詰められていく。

 最終的にガイアと有田の決着はビルの最上階に存在している屋内の有田和仁平が所有し管理している物の保管室に至った。その保管室には【きらりん☆レボリューション】関連のアイドルグッズや聖龍隊のファンが買い付ける聖龍隊公式グッズが大量に保管されていた。

 これに対して聖龍隊のちせの絶対的なファンであり、美女には目がないガイアは歓喜するのだが、有田にとっては自分の手中に収まっている連中の商品も同様に自らの目が届く範囲で管理しているだけの事だという。

 更に有田は「アイドルも聖龍隊という英雄も……そして異常者(ヒール)と認定された連中も自分にとっては只の金のなる木、商売道具である」と断言。更にアニメタウン内で使用されかけていた死刑囚やガイア達の仲間の3人を斬首しようと用いられた巨大ギロチンも己が製造・販売を手掛けていて、公式な公開処刑で使用された暁には世界中に向けて自身が造るギロチン台を輸出して大儲けする算段だったと告白。だが、その算段もスコーピオン同盟によって公開処刑が妨害された事で叶わず、以来スコーピオン同盟への激しい敵愾心を抱いていた。

 そして最終的にガイアはもちろん、地上で大声で淡々と己の真情を打ち明けていく有田の声を聞き入れていた死刑囚達にスコーピオン同盟、そして聖龍隊に自警団さらには有田が大悪人であると知らずに経営面で協力していた【きらりん☆レボリューション】の面々に有田が打ち明けた最後の言葉は

「ホントに異常者(ヒール)もアイドルも聖龍隊も……全員が俺に無限の金を運んでくれる、おめでたい程に使える奴らだよ!」

 この有田が放った「使う」という言葉にガイアは、有田が完全に他人を道具の様にしか酷使してない奴だと認識し怒りが頂点に達した。そして有田が所持し保管していた、有田にとっては金になるグッズを手当たり次第に蹴飛ばし殴り飛ばし、全てを最上階の100階から叩き落していった。

「お前の様な奴に使われるぐらいなら……お前なんかに利用されるぐらいなら。俺がみんな叩き壊してやる」

 そう他人を只の道具としてしか扱わない有田に怒鳴りながら、ガイアは周辺のグッズを全て叩き壊し、ビルの屋内の壁を破壊してそこからグッズを外に放り棄てていった。

 このガイアの強行に有田の怒りも頂点に達し、ガイアに向かって必殺技の「デス・ロール」を打ち込もうと突進するが意図も簡単にガイアにかわされ、かわしたガイアは上空に跳び上がった。

 そして「アイツらを苦しめるだけの場所なんて……俺がブッ壊す」と怒鳴りながら前方に向かって高速回転。ガイアの蠍の尾からは凄まじい炎が纏い付き、その炎がガイアの回転と共に空気中の酸素と結合して更に巨大な炎の尾を形成していった。

 そして自身の5倍以上の大きさまで膨れた炎の尾を、ガイアは有田に叩き付け、有田を100階から地下まで叩き付けると同時に彼が所有するビルを炎の尾で一刀両断してしまう。

 巨大な炎の尾で叩き切られたビルは、その激しい炎で階層ごとに尾から伝達される炎に包まれ、挙句の果てには戦闘で電源が止まってしまい有田と共に悪事を協同していた警察庁高官や政府機関の人間が閉じ込められてしまってるエレベーター内にもガイアの業火の如き炎が吹き抜け、エレベーター内に居た人間は全員黒焦げとなって死んでしまった。

 そして有田を地下まで叩き付け、有田の居城ともいえる高層ビルをも真っ二つにしたガイアは、ビルの裂け目に落下し、それと同時にビルも一気に崩壊。ビル付近で待機していた自警団に聖龍隊そして死刑囚や関係者らが逃避する中、ガイアだけは崩れるビルの瓦礫に消えた。

 だが100階相当のビル崩落直後、ガイアは戦闘で傷だらけの状態で大声で死刑囚達に言い放った。「お前達は……俺の仲間だ!」このガイアの言葉に、一度はガイアやスコーピオン同盟を裏切ってしまった死刑囚達は涙ながらに「うん」と答えたという。

 こうしてワニの獣人、有田和仁平の謀略を阻止したスコーピオン同盟と皮肉にも彼らと共闘する形で有田らの悪徳武装組織を壊滅できた一同は歓喜した。だが崩落したビルの瓦礫の山から、未だに生存してた有田和仁平が死刑囚の2人、梓川水乃と梓川雪乃を人質に拘束し最後の抵抗を見せる。

 しかし降伏どころか改心の欠片も見せない有田の強行に、その場にいた小田原修司の怒りが遂に爆発。小田原修司は自身をミサイルの如く一直線に有田に突っ込んでいった。結果、小田原修司が激突する寸前にスコーピオン同盟の一員でかつ超能力者犯罪組織P.A.N.D.R.Aのトップ兵部京介が自身の超能力で拘束されてた2人を瞬間移動させ、有田の腹部に突っ込んだ小田原修司はそのまま有田の腹に巨大な穴を貫通させてしまう。

 だが絶命する寸前、有田は死刑囚達に「何れお前達は、オレ以上に惨い死に方をするだろう……俺の手から逃れても世界中の政府機関は決して貴様らの存在を許さず、死ぬまで追い回し、そして存在そのものを抹消するだろう」と言い残し、遂に完全に死に絶えるのだった。

 

 こうして晴れてスコーピオン同盟の一員となった死刑囚たちは、心からガイアに忠誠と感謝を抱いて共に日本からの脱出に向けて進行していくのだった。

 

2007年10月2日-4日

 第2回南北首脳会談が、ピョンヤンで開催された :2000年の北の国の将軍と韓国の金大中が行った会談以来7年ぶりとなった。

 会談相手は当時、自由放置国家に認定した国連より北の国の管理を任せられてたスイス出身の管轄官であった。

2007年10月19日

 パキスタンでブット元首相(12月にテロにより死去)を狙った爆弾テロが起き、136人が死亡。

 このテロの鎮圧に、本格的に活動を再開した聖龍隊が乗り出した。

2007年10月23日

 スコーピオン同盟が日本から海外へ逃亡する為、自分達スコーピオン同盟の自機《ワールド・スコーピオン号》を改造して、世界への進出に挑もうとしていた。

 そして30日、ようやく沖縄の海にガッツ将軍率いる国連軍艦隊が猛攻する中、大海原へと旅立っていった。

 

2007年11月

 2年にも渡る研究と開発の結果、WHOはハーバード大学の中谷喜洋教授ら研究チームと共にがんの特効薬を開発。

 開発に用いられたD-ワクチンを提供した小田原修司の申し出で、特効薬は世界中に無償または格安での提供を開始する。

2007年11月24日

 ロシアのモスクワとサンクトペテルブルクで、ウラジミール・プーチン政権に反対する大規模デモ発生。

 当局が武力鎮圧をしていた所、デモが発生している傍らで住所不定の老人が高圧電線の鉄柱に上り大騒動が起きた。

 警官らが老人を止めようとした所に「スコーピオン同盟」の反政府思考を持つ異常者(ヒール)達が警官の制止を妨害。更に高圧電線の電力を完全に遮断してしまった為に付近は大停電に陥った。

 その後、鉄柱に上った老人や「スコーピオン同盟」が電源の入ってない全ての鉄柱に所々にダイナマイトの様な物体を結び付けているのを警官が視認。思い余った警官が老人に銃で狙撃しようとすると再び「スコーピオン同盟」が妨害。

 そして鉄柱に括り付けられた何本もの物体は、老人が所持していたスイッチで爆発と同時にピンク色の粉末を噴出。それと同時に「スコーピオン同盟」が電源が遮断された鉄柱全てにライトがアップされた。

 その際、鉄柱の上部に噴きかけられた粉末は鮮やかなピンク色を醸し出し、当時雪が降っていたのだが、この雪にもピンクの粉末が付着して見事なまでの鮮やかなピンク色の雪が降ったという。

 その光景を目撃したデモ集団とそれを鎮圧していた武装警官らは「まるで幾つもの鉄柱に二ホンのサクラが咲き誇った様な絶景であった」と述べ、デモ隊と警官隊の衝突は意外な形で幕を下ろした。

 そして鉄柱に上り、ピンク色の粉末を巻き散らした老人は鉄柱の傍らで死亡した状態で発見される。死因は持病の病からなる死だったという。

 

2007年12月12日~18日日

 アメリカ政府管轄のCIAが、スコーピオン同盟に加担した人物として模糊山剛を銃撃。その後、瀕死状態の模糊山剛は意識不明のままCIA管轄の病院に移送される。

 これにスコーピオン同盟は真っ向からCIAと対立し、遂にCIA本部と模糊山剛を収容した病院への同時襲撃テロを開始。

 この戦闘でCIA本部は壊滅寸前まで追い詰められるものの、スコーピオン同盟の真の狙いであった模糊山剛の奪還を許してしまう。

 以降、アメリカ政府はスコーピオン同盟の新参者として新たに模糊山剛被告を重要指名手配するのだった。

2007年12月19日

 韓国大統領選挙で、李明博が次期大統領に選出される。日本との外交政策に世界中から視線を浴びる。

2007年12月23日

 タイ王国で2006年のクーデター後初となる総選挙を実施、暫定政権から政権移譲。

2007年12月24日

 ネパール政府、240年続いた王制を廃止、共和制を導入することを発表。当時に国連への加盟を同意する。

2007年12月27日

 パキスタンのブット元首相が選挙集会に参加中、イスラム原理主義者と思われるテロリストの銃撃と自爆テロにより暗殺される。

2007年12月30日

 南極大陸で異世界への逃亡を図ろうと所有しているワールド・スコーピオン号を改良していた「スコーピオン同盟」に国連軍が総力を挙げて徹底抗戦。

 大将青キジの介入も空しく、スコーピオン同盟は辛くも異世界へ逃亡してしまう。

 

2008年1月23日

 異世界交流会談が異次元界のとある世界にある大聖堂で開催。多くの国家や異世界の国の王や重要人らが集まる会談では《原爆・水爆・地雷》の3つを世界三大使用禁止兵器に認定する会談が行われてた。

 だが偶然にも会談を行っていた大聖堂前に異世界を逃亡していた「スコーピオン同盟」が機体を墜落。

 その後、会談を警護していた異世界各地の兵団と戦いながらもスコーピオン同盟に加盟してた死刑囚達が本来は無かった特殊能力を使用し始めて、兵士や護衛に当たっていたSPの面々を大いに震え上がらせた。

 しかし最後にはアニメタウン襲撃事件で彼らに人生最初の痛手を負わせられた小田原修司が首領であるガイア・スコーピオンを一刀で斬り捨てる。その直後、首領の仇を討とうとする他の「スコーピオン同盟」の面々が小田原修司に襲い掛かるも、全員が一刀のみで斬り捨てられ、全員が戦闘不能となってしまう。

 だが更に運悪く、異世界交流会談で集結した世界中の政府重役や異世界の王族や重鎮らを一気に片付けようと革命軍士に加盟している特殊能力を持つ狼の獣人率いる軍隊が大聖堂に押し寄せる。

 この混乱の最中、小田原修司は今まで成りを潜めていた実力を大いに発揮し革命軍士の軍団を次々に撃破していく。

 そして狼の獣人を3等分に斬り付けて見せたのだが、その獣人は自在に自身の各体のパーツをばらして遠隔操作できる能力者であり、切り刻まれてでは死なない身体能力者であった。

 小田原修司はこの特殊能力を持つ狼の獣人に最初は苦戦を強いられていたものの、体中を粉々に切り刻んだ際に飛び出てきた心臓を右手で握りしめては獣人に多大な苦痛を与える事に成功する。(この狼の能力者は、身体の各所をバラバラにでき粉砕してもスグに元通りになる異常なまでの能力者であったが、体から離脱した各所への攻撃や痛みといった感覚も本人に伝達してしまう欠点があった)

 最初は泣いて小田原修司に命乞いをする獣人であったが、小田原修司がそんな獣人に心臓を返し、その心臓を体内に戻した途端に手のひらを返しては小田原修司に襲い掛かる。だが心臓を返す際に用心してた小田原修司は、返上した心臓に自身の闇のエネルギーを込めていた為、襲われる瞬間にそのエネルギーを爆発させて狼の獣人を心臓ごと爆破して粉砕してみせてしまう。

 

 その後、大聖堂への革命軍士からの攻撃から異世界中の国家の重鎮たちを衝動的とはいえ助けたスコーピオン同盟は、助けた重鎮たちや聖龍隊から「現在の全ての異世界に国家の政策を本当に操作しているのは、世界最高権力者である七聖賢人である」と教えられたスコーピオン同盟は、その七聖賢人が滞在している《通称:正聖界》へ向けて旅立とうと決意した。

 だが聖龍隊やスコーピオン同盟が革命軍士との戦闘で傷ついた体を癒していた一同の前にカゲン/ムイミー/ガンツキ/バブリシャス/キャノンの5人から連なる《BQZ》と呼ばれる諜報員たちが姿を見せる。

 この時判明した事だが、このBQZは聖龍隊総長小田原修司しか存在を知らない聖龍隊の裏で暗躍し続けてきた諜報員たちであり、現役の聖龍隊士ですら知り得なかった存在であるが列記とした聖龍隊の一員である《己の存在を完全に抹消し、聖龍隊という光を目立させる影の存在》であったのだ。

 このBQZこそ、スコーピオン同盟を影で抹殺する為にアリス学園やCLAMP学園でのバイオハザードに、大聖堂に辿り着く前にスコーピオン同盟が立ち寄ったSRMでの保管されてた小田原修司型巨大ロボットの暴走事件を引き起こし、更には世界中でのスコーピオン同盟や聖龍隊への正論操作も講じていた張本人たちであった。(例の特別学区内でのバイオハザードの最中に、久遠寺初等部校長の足を狙撃して身動きを封じたのはリーダーであるカゲン)

 BQZの5人は、スコーピオン同盟で最も重罪人である死刑囚達であった者たちの引き渡しを要求。これにガイアは真っ向から反発するものの、己の身体能力を極限まで高めたBQZからの攻撃に加え、そのBQZを指揮しているリーダーのカゲンの実体を影に変化させて攻撃に転用する戦術に苦戦を強いられ、連行されていく死刑囚達であった仲間達の奪還は誰もができなかった。

 しかも其処に狼の獣人との戦闘で床に就いていた小田原修司が、自身が直接指揮しているBQZの前に出てきては、共に聖正界へ向かうと言い出した事でその場は大混乱。

 皆の制止を聞かず、小田原修司は自分の配下であるBQZと死刑囚達と共に、七聖賢人が滞在している正聖界へと赴いてしまった。

 

 アニメタウンでの行為に続く修司の裏切り行為を受けて聖龍隊が失意に駆り立てられている中、残されたスコーピオン同盟は正聖界への進攻を宣言。

 これには世界中のどの機関よりも防衛戦力が控えている正聖界に向かうのは無茶だと言う聖龍隊を尻目に、スコーピオン同盟は仲間の奪還を懸けて黙々と正聖界へ向かった。

 正聖界へと向かうスコーピオン同盟の様子はこの時、聖龍隊によって遠隔操作式の小型偵察ロボットのカメラを通して世界中に報道された。

 

 仲間達を連行し、小田原修司と共に正聖界に向かったBQZを追って正聖界に辿り着いたスコーピオン同盟。

 其処には確かに世界中の政府機関をも超越した武力が絶対防壁を布いており、苦戦の中スコーピオン同盟はようやく正聖界の聖堂に突入し、其処で全身を硬化させ砲弾なども効かない上に掴んだ人間を砲弾の如く投げ飛ばすキャノンが立ちふさがる。

 このキャノンにスコーピオン同盟の【ボンバーマンジェッターズ】のムジョーと【デジモンアドベンジャーシリーズ】のエテモン/アルケニモン/マミーモンの3人のデジモンらが対峙し、その間にガイアたち他のスコーピオン同盟は連行されていった仲間の姿を探しに向かった。

 そして聖堂内でスコーピオン同盟はBQZの一員で、自身が制作した精密機械によって全ての特殊能力を封じてしまうムイミー、全身から擦ると泡状の体液が自然分泌しその泡で相手の摩擦や動きを封じて敵と戦うバブリシャス、体内に入るとその部分が異常なまでに腫れ上がり骨まで変形させてしまう毒物を拳に填めた武具で相手の顔を突きまくるガンツキらもスコーピオン同盟の前に立ちはだかる。

 だがその頃、聖堂内に入り込んだスコーピオン同盟を一気に抹殺しようと聖堂内に毒ガスを散布して一網打尽にしようと謀っていたカゲンの前に、その毒ガス排出の操作基盤を叩き壊して見せた小田原修司が立ちはだかった。

 小田原修司の真意、それは改心した死刑囚達の命の保護と今までの悪劣非道な己の所業を食い止めるために、自分が考案した異常者(ヒール)排除法を撤回する為に七聖賢人と法案を兼護するBQZを止める為に敢えて自ら死刑囚達と共に正聖界へとやって来たのだ。

 これに対し小田原修司に絶対の信頼を寄せていたカゲンは「失望しましたよ」と言うなり、小田原修司と戦闘に発展する。しかし、このカゲンとの戦闘の最中で小田原修司は自身の体内に宿るDの力を更に発展させ、自身の身体能力を向上させる事でカゲンとの闘いを制した。

 その後、小田原修司同様にBQZのメンバーを倒す事ができたスコーピオン同盟の面々は、倒すと同時に和解したBQZの面々と共に傷だらけで同じく和解した小田原修司とカゲンの前に姿を見せる。

 一方で1人で淡々と聖堂内で仲間を探し求めていたが誰一人見つけられずに泣き出していたガイアの前に皆が姿を現す。

 そして大切な仲間を見付けられず泣きじゃくるガイアの目の前で、小田原修司が壁に隠されていた基盤でパスコードとカードキーを挿入して七聖賢人しか開けない筈の隠し階段を天井より出現させた。その後、明らかになったが七聖賢人の1人は何と小田原修司本人であった。

 そして隠し階段で2階の階層に上がっていった先でスコーピオン同盟が目撃したのは、七聖賢人の6人である老人達に体中を痛め付けられ、己の罪を自覚されつつあった死刑囚達であった。

 七聖賢人は、死刑囚達をそのままにしておけば、世界中で発案されている異常者(ヒール)排除法案が成立せず、世界情勢は欠落し、ゆくゆくは世界のパワーバランスは崩壊してしまうと判断した上で死刑囚達を己が得意とする武術で痛め付けていたのだった。

 しかも死刑囚達を叩きのめしただけに飽き足らず、七聖賢人の6人は所持していた爆破ボタンを押して、遠隔操作で世界中の異常者(ヒール)を受けた後に特別に身柄を解放されていた人々の体内に外科手術で埋め込んだ半径5Kを吹き飛ばす爆弾のタイマーを作動させ、世界中に混乱を生じさせた。

 だが徹底的に痛め付けられ、常人なら既に動けなくなっている筈の死刑囚達は、駆け付けてきてくれた仲間のスコーピオン同盟に最初は自分達を心底毛嫌いしていた小田原修司の謝罪を聞いて立ち上がる。

 そして武術では完全に差が開いていた状況下で死刑囚達は死力を振り絞り七聖賢人の6人を打倒。

 最終的にスコーピオン同盟やBQZに小田原修司と、七聖賢人の6人と死刑囚達を隔ててた強化防弾ガラスをジャンプしたと同時に象に変身しては全体重をかけた体当たりでガラスを打ち破って見せた小田原修司の荒業で、どうにか防弾ガラスを破壊して内側の力尽きた死刑囚達の許に駆け寄るガイア達。同時に、必死になって七聖賢人が作動させた過去に異常者(ヒール)認定を受けながらも今を自由に過ごしている人々を救うべく爆破スイッチの解除に試みる。すると其処に七聖賢人の一人である小田原修司が、爆破スイッチが内蔵された他の七聖賢人の所持していた杖の中に装入されてた2本の単一電池を抜き取る事で容易に爆弾の時限を解除してしまう。

 そして小田原修司以外の七聖賢人も、物語の主人公や良心的なキャラクター同様に決して諦めずに自分達に挑んできた死刑囚達の心意気をようやく認め、死刑囚達の身柄をスコーピオン同盟に返還する事を合意する。

 しかしその時、激化した戦闘を繰り広げ続けていた為に正聖界を構成してた亜空間に歪が生じ、崩壊の一途を辿っていた。

 急ぎスコーピオン同盟は奪還した仲間の死刑囚達と、和解したBQZに七聖賢人と小田原修司を引き連れて此処までやって来たワールド・スコーピオンに全員が搭乗。素早く正聖界から抜け出し、崩壊していく亜空間からの脱出に挑む。

 しかし亜空間から脱出した先は宇宙空間であり、ワールド・スコーピオンはそのまま地球の大気圏に衝突。その後、搭乗者はもちろんワールド・スコーピオンもレーダーから消失してしまい行方不明となってしまう。

2008年1月30日

 必死の捜索の末、ワールド・スコーピオンが常夏の南海に墜落していたのを発見。

 搭乗者全員の生存が絶望視されてる中、ワールド・スコーピオン号のハッチを開けると、中からは墜落の際に衝撃で浸水した海水でズブ濡れとなったスコーピオン同盟を始めとする生存者たちであった。

 命辛々、生存できた一同が苦労の末にワールド・スコーピオン号から出終わった途端、ワールド・スコーピオン号は海上に引き上げられた際の空気との接触で精密機械内にも海水が浸水し、電気系統がショートし発火。遂には爆発炎上してしまった。

 小田原修司ら七聖賢人にBQZの面々は危機一髪と胸を撫で下ろしていたが、ガイア達スコーピオン同盟の面々は炎上するワールド・スコーピオン号を見て唖然としていた。

 掛け替えのない仲間同様に苦楽を共にしてきた母艦ともいうべき船の炎上に誰もが悲痛を抑え切れなかった。

 皮肉にも、母船ワールド・スコーピオン号の炎上を機にスコーピオン同盟の自由を求める旅路は一幕を下ろしたのである。

 

2008年2月11日

 沖縄県沖縄市で発生した元アメリカ海兵隊兵士による14歳の少女に対する強姦事件について、日本の外務省がアメリカ大使館に正式抗議。

 福田康夫内閣総理大臣もアメリカ軍の日本からの基地撤退をしていた元アメリカ兵の犯罪には遺憾の意を表明。

 当時に未だ国内に滞在しているアメリカ兵の日本滞在禁止を促す世情が激しく、日本政府および小田原修司は対策に追われたという。

2008年2月13日

 ケビン・ラッドオーストラリア首相、同国政府首相として初めて、先住民族アボリジニのいわゆる「盗まれた世代」に対して公式謝罪。

 マレーシア連邦のアブドゥラ・ビン・アフマッド・バダウィ首相は連邦議会の下院を解散し、総選挙を行うと発表した。選挙の投票は3月に行われる予定。

2008年2月14日

 アメリカ・イリノイ州の北イリノイ大学で銃乱射事件発生。6人死亡16人が負傷。犯人は犯行後自殺[56]。

2008年2月17日

 アフガニスタン・カンダハルで、約80人が死亡する自爆テロ発生。2001年のタリバン政権崩壊後最悪の被害

2008年2月19日

 世間的にも己の改心が認められたスコーピオン同盟に加盟していた死刑囚らは、世情からようやく自分達の生存権を認可されて、彼らの一端の罪を軽減または削除する議題が世界で可決され、死刑囚達を母国に帰還させる政情が垣間見られてた。

 

 同時に聖龍隊の各隊士や二次元人の人々とも打ち解けたBQZは、全面的に聖龍隊直下の諜報機関として成立。聖龍隊士や二次元人に認められた事で、小田原修司以外の三次元人らが聖龍隊に正式に加入を認可された瞬間でもあった。

 

 そして七聖賢人の方は小田原修司を省いて《六老星》と名を改めて、国連組織や聖龍隊など世界情勢を保持していく機関の後ろ盾、そして保佐役として陰ながら世界の人々を救済していく団体の支援をしていく方向性に変換した。

 

 その最中、小田原修司および彼の側近であるウッズ氏は国際連合を含む全世界に向けて異常者(ヒール)排除法案の撤廃を推奨していく。

 しかし現在もなお、凶悪なテロや犯罪が横行する現状での排除法案撤廃は、更なるテロや犯罪の増加に繋がり兼ねないとして、国際連合を始めとする多くの国家や政府機関からの多数決によって異常者(ヒール)排除法案の撤廃は可決されなかった。これには小田原修司やウッズ氏だけでなく、世界中で排除法案の撤廃を願ってた人々の願いも打ち砕かれる顛末となった。

 そして同時に、世界中に公にされてしまった《コレクション・シークレット》に関しても、政府は小田原修司を機密保持者と認可した上で世界中の機密事項の絶対管理を命じるのだった。

 

 一方で世論から国への帰還を許された死刑囚達とスコーピオン同盟は晴れて決別。の、予定だったのが母国への移送船の上で今までのスコーピオン同盟での思い出を振り返っていた死刑囚達の心には、どこかスコーピオン同盟への強い憧れを抱いていた。

 そして海上を運航中の船から、死刑囚達は飛び降りては全力でガイア達スコーピオン同盟の元へ泳いで戻ってしまった。この時、島に苦労して泳いでは上陸した死刑囚達とスコーピオン同盟らが涙ながらに抱き合っては互いの再会を喜び合う情景を双眼鏡で確認した国連軍の兵士は、思わず涙ぐんでしまったという。

 

 その2日後、再結成したスコーピオン同盟はアメリカの大銀行を襲っては誰一人の死傷者も出さずに3億ドルも奪って逃走した。

 これに伴い、国連軍を始めとする世界政府機関は新たに手配書を発行。首領のガイア・スコーピオンには相場を遥かに超える10億デッドを記録。

 そして新たに再結成したスコーピオン同盟の新参者である死刑囚達の手配書も再発行。その際の二つ名が、アニメタウン襲撃事件で変異した小田原修司の怪光線を浴びて白く変色してしまった頭髪から《ホワイト・ヘアーズ》通称:地獄の白髪団として世界的に指名手配される大悪党へと変貌したのである。

2008年2月20日

 インドネシア・スマトラ島西方のシムル島沖のインド洋で、マグニチュード7.5の地震発生。

 アメリカ合衆国海軍、ハワイ州西方の太平洋上に配備したミサイル巡洋艦レイク・エリーからミサイルを発射し、地球上に落ちた場合有害となる燃料を搭載した軍事衛星を宇宙空間で破壊することに成功。

 

2008年2月22日~30日

 アニメタウンでのスコーピオン同盟との戦いや正聖界でのカゲンとの闘いに葛藤、そして政府に推奨した異常者(ヒール)排除法案の撤廃を否決され、今まで築き上げてきた地位や名声の一部も損失した小田原修司は心身ともに疲労が蓄積されていた為か容態が急変。

 気分がだるく滅入り、気力が湧き上がらずに多少の運動でもスグに息を上げてしまうなどの症状が見られた。

 しばらく自宅での療養に務めていた小田原修司は、偶然にもテレビで取り上げられていた「うつ病」の特集を見て、今の自分の容態と全く同じであると驚愕する。

 後日、精神病院でうつ病特有の症状とその度合を確かめるペーパーテストを行った上で、担当医師は小田原修司が典型的なうつ病であると診断する。

 この時の小田原修司は夜になっても寝付けないなどの睡眠障害や何事に対してもやる気や行動力が発揮できないなどの症状が現れ、アニメタウン内の自宅での療養を余儀なくされた。

 更に小田原修司がうつ病と診断を受けた数日後、聖龍隊内での精密検査を行った所、小田原修司の特殊能力であった周囲の能力者の能力を無条件で無力化してしまう闇の心(ダーク・ソウル)の特殊能力が使用できなくなっていた事が判明。これはうつ病による精神的な欠落が原因と考えられるが詳細なメカニズムは未だに不明である。

 しかし、うつ病に罹った小田原修司が特殊能力を使用できなくなった事から、特殊能力者がうつ病により己の能力を使用できなくなるという事案が初めて世間に公表された。

 

2008年3月

 革命軍士が小田原修司のうつ病により自身の能力の使用不可を聞き付け、開発した自発的にうつ病に発症してしまう薬物《U・T・U》が世界中の革命軍士同胞に流出する。

 同時に革命軍士によって流出され売買された《U・T・U》は反能力者思想のテロリスト達にも乱用され、世界中で《U・T・U》の使用が確認される。

 しかし、この《U・T・U》によって自発的にうつ病を発症してしまうのは特殊能力者だけでなく、一般の人々にまで効力が現れてしまう事が大問題視された。

 大企業の重役たちに《U・T・U》を投薬すれば、その企業全体が会社としての組織力を発揮できなくなり、最悪の場合大衆の面々にまで《U・T・U》を乱用され拡散されてしまえば社会のシステムは一気に崩壊し、経済的にも多大な損害を被ると認識した政府は特別案を発令。

 革命軍士が開発した《U・T・U》の所持と使用を固く禁じ、一般社会の経済破綻を未然に防ぐ。

 しかしその後も、政府が発令した法案を無視して《U・T・U》を所持した人間に投薬された人間が頻繁に発生。

 遂に日本を中心に《U・T・U》でのうつ病発症が世界中で報告され、通常のうつ病患者に加えて《U・T・U》でうつを発症した人間も増大。

 世界規模でうつ病そのものが多大な社会問題として指摘される結末に至った。

 

2008年5月3日

 2006年末に国連総会で採択された『障害者の権利条約』が発効。今までに日本国を含む128ヶ国が署名し、そのうち25ヶ国が批准している。

 

2009年1月1日

 ウガンダ、オーストリア、トルコ、日本、メキシコが国際連合安全保障理事会の非常任理事国となる。

 小田原修司がうつ病を発症し、世界平和維持防衛力としての機能を失った最中での決議だった。

2009年1月17日

 イスラエルがガザ地区での紛争の停戦を一方的に宣言。

 この背景には小田原修司戦闘不能の状況下で戦果を挙げてきた国連軍への牽制とも取れる。

2009年1月20日

 バラク・オバマが、第44代アメリカ合衆国大統領に就任。黒人の大統領は、アメリカ合衆国史上初めて。

2009年1月22日

 バラク・オバマ米大統領、キューバのグァンタナモ米軍基地のテロ容疑者収容所に加え、中央情報局(CIA)の全秘密収容所も閉鎖するよう命令。

2009年1月26日

 国際刑事裁判所において2002年に同裁判所が設置されて以来初となる公判開始。15歳未満の少年を組織的に徴兵したコンゴ愛国同盟トマス・ルバンガ元代表の戦争犯罪訴追

2009年1月28日

 世界経済フォーラム(ダボス会議)開催。

 国際通貨基金(IMF)、2009年の世界全体の経済成長率が90%以上と、第二次世界大戦後最大となる見通しを発表

 

2009年3月

 スコーピオン同盟に加盟した特殊能力者と成り果てた「ホワイト・ヘアーズ」別名:地獄の白髪団が新たに能力を開花。アメリカを中心に大いに暴れまわった。

 業火に包まれたバイクに炎上する頭蓋骨が浮き彫りとなったヘルメット姿の彼らを見て、アメリカの小悪党たちはまるで地獄からの使者を見るかのように恐れを成した。

2009年3月15日

 イエメン共和国南東部シバームで爆発があり、韓国人観光客4人が死亡、他に4名の負傷者が出た。

 イエメン治安当局は『仕掛けられた爆弾が爆発した』と看ており、革命軍士によるテロの可能性を示唆している。

 

2009年4月5日

 バラク・オバマアメリカ合衆国大統領はプラハにおける演説で「アメリカ合衆国は、核兵器のない世界の平和と安全を追求する」と表明

2009年4月6日

 イタリア共和国中部のアブルッツォ州・ラクイラ近辺でマグニチュード(M)6.3の地震が発生。

 この震災で瓦礫などに埋もれて身動きが取れなくなった人々の前にジャッジ・ザ・デーモンと思われる異形の存在が現れ、人命救助を率先して行う。

 2007年3月以降、姿を現さなかったジャッジ・ザ・デーモンが再び人前に姿を現した。

2009年4月18日

 イランの裁判所、イラン系日系アメリカ人女性ジャーナリストのロクサナ・サベリに対し、スパイ容疑で逮捕していたが、突如として姿勢を急変。

 彼女を即刻釈放させた。この釈放の裏側には、関係者からの発言によるとジャッジ・ザ・デーモンからの忠告がイラン裁判当局を始めとする政府機関に充てられた事でやむを得ず釈放したとの事。

2009年4月24日

 世界保健機関(WHO)、アメリカ合衆国とメキシコ合衆国で豚を起源とする新型インフルエンザ感染症を確認され、人間同士によるインフルエンザ感染事例が報告されたと発表。

 この事態に《うつ》から回復に向かっていた小田原修司も金銭面からではあるが、かなりの額を援助した。

 

2009年6月11日

 世界保健機関(WHO)、新型インフルエンザの警戒水準を現行の「フェーズ5」から最高の「6」へと引き上げ、パンデミック(世界的大流行)を宣言。

 パンデミック宣言は、1968年の香港かぜ流行以来、41年ぶり。

 

2009年7月5日

 ウイグル騒乱。中華人民共和国・新疆ウイグル自治区・ウルムチ市において、ウイグル族と漢民族の民族対立を背景に暴動が発生。多数の死傷者を出す。

2009年7月19日-7月26日

 平成21年7月中国・九州北部豪雨。中国地方や九州北部で1953年(昭和28年)6月に発生した昭和28年西日本水害の降水量に匹敵する記録的な大雨を観測し、鳥取・広島・山口・福岡・佐賀・長崎の各県で合わせて死者31名・負傷者55名。

 この豪雨での救助活動にSRMはもちろん聖龍隊本部も総動員で取り組み、その中にはジャッジ・ザ・デーモンの姿も確認されている。

2009年7月23日

 東南アジア諸国連合地域フォーラム(ASEAN地域フォーラム)閣僚会議が、タイ王国のプーケットで開催。朝鮮半島の同一化、ミャンマーの民主化などについて議論する

 

2009年7月~8月

 アニメタウン内で国内情勢を統治していた聖龍HEADに反旗を翻した反乱軍による国内紛争が多発。反乱軍のリーダーは赤塚大作。仲間内からは大将と呼ばれてる男である。

 半年前から日本全土は天変地異に見舞われ、アニメタウン各地でも異常気象が勃発。その気象の制御つまりは操作を聖龍HEADに嘆願するものの「天候を無暗に操れば、更なる異変が生じ、ゆくゆくは人を滅ぼしかねない」

と豪語する、次第にうつから介抱されていった小田原修司市長に撤回される。

 これを機に兼ねてより聖龍隊の政治背景(スコーピオン同盟のアニメタウン襲撃事件を発端に明るみになっていったコレクション・シークレットに小田原修司の二次元人や聖龍隊を護っていくやり方)を不服に感じていた赤塚大作を始めとする一派は聖龍隊との決別を決める。

 そして遂に赤塚大作率いる反乱軍が郊外よりアニメタウンへ襲撃し、HEAD打倒を掲げて突撃。アニメタウンを守護する聖龍隊と反乱軍の全面対決が勃発してしまった。

 だが、その反乱の要因である異常気象を特殊な物質や機械を用いて発生させていたのは、当時セブンズ・ガードの任に就いていたサーズ・スナックが首謀者であった。

 サーズ・スナックは巧みに反乱軍を誘導し、聖龍隊と衝突させてはアニメタウンの防衛力が低下した所を突いて、アニメタウンを乗っ取っては世界最大の軍事国家にしてしまおうと謀略を巡らせていた。

 だが、秘密裏にサーズ・スナックの内情を調べていた鏡の国の王族キーオによって聖龍HEADにサーズ・スナックの真実が伝達。だがサーズ・スナックは真実を知った聖龍HEADに、それを伝えたキーオを抹殺しようと図り姿を見せる。

 サーズは密かに小田原修司を捕え、更には闇の心(ダーク・ソウル)の使用を防ぐ為に、うつから介抱に向かっていた小田原修司に普通の5倍も効力を高めた《U・T・U》を投与して、小田原修司を苦しめる。

 そしてサーズは姿を見せる直前に倒した聖龍HEADの水系能力者とその他のHEAD、そしてキーオを前に聖龍隊本部の外壁に両手を杭で打ち付けて拘束している小田原修司に訊ねた。

「お前が日本政府より略奪したコレクション・シークレットは、一体この国の何処に隠してやがる?」と。

 サーズ・スナックはまずアニメタウンを支配する前に、どうしても手に入れたかったのは小田原修司が日本政府より預かっている、聖龍隊の権限と二次元人の人権保持の為に隠し持っている国家機密コレクション・シークレットだった。サーズは日本政府の機密事項を盾に、日本政府を思うがままに操って自分の後ろ盾に据え置いた状態で、国連軍やアメリカをも凌ぐ強大な軍事国家をアニメタウンに建造しようと模索していたのだ。

 しかもサーズは戦闘が行われている町中に直径10キロを吹き飛ばす強力な砲弾を撃つ手筈を自慢げに聖龍HEADやキーオに言い放つ。

 

 サーズ・スナックが部下に命じて重態の小田原修司を引き連れて、コレクション・シークレットを収容している小田原修司しか知らない隠し地下空間に連れて行く中、それを制止しようとするミラーガールを己の強力で食い止め、更にアニメタウンの支配と滅亡さらには総長小田原修司への悪道に続いてミラーガールに触れたサーズ・スナックに怒り奮ったジュピターキッドが攻めるものの、サーズ・スナックは平然とその攻撃を回避し逆にジュピターキッドに深手を負わせる。

 だが此処でサーズ・スナックの計画になかった事が起きる。それは自身が聖龍HEADや小田原修司を傷付け、小田原修司をコレクション・シークレットの所まで連れて行かせる所を、内密に探索して見つけた獣道を通って聖龍隊本部に辿り着いた赤塚大作を始めとする反乱軍の中心グループに目撃されてしまったのだ。

 サーズ・スナックは現場を目撃した反乱軍目がけて攻撃し、その攻撃に赤塚大作が胸部から腹部にかけて上半身に大きな傷を負ってしまう。

 そして地に沈む赤塚大作に駆け寄る反乱軍の中心グループに、彼とは旧友であるキーオやミラーガールが駆け寄って集まった所にサーズ・スナックは歩み寄り、平然と今までのアニメタウンでの異常気象に世情の激変など。反乱軍が反旗を翻す全ての要因は自身の仕業だと、反乱軍に聖龍隊の活動を密かに裏で操っては巧みに衝突させたのは自分だと告白。そして聖龍隊総長の小田原修司も、反乱軍のリーダー赤塚大作に中心グループの戦場での不在にサーズ・スナックはサーズ・スナックは高々と「もはや首をもがれたトカゲの殺し合いだ」と戦況の状況を嘲笑う。

 

 だがその後、サーズ・スナックが町中に放とうとしていた砲弾は聖龍隊副長のバーンズによって上空に持ち運ばれ、空の彼方で砲弾は爆発しアニメタウンに被害は出なかった。

 そしてサーズ・スナックの方も無事に小田原修司によって返り討ちに遭い、騒乱を聞き付けて駆け付けた国連軍によって身柄を拘束される。(これには小田原修司が既にうつへの投薬と治療で回復に向かい、多少ながらも「うつ」への免疫が精神的にも肉体的にも生じていた為、サーズに投薬された《U・T・U》の効果が薄くなっていたと示唆される)

 そして多くの犠牲者を出した内戦が終結し、多大な罪悪感に押し潰されそうになる反乱軍の面々を前にサーズ・スナックを倒した小田原修司が公然と争いの発端と終結を荒んだ現状の双方の軍に言い表し、戦争という悲劇の上に立ち共に生きろうと力強く言い放ち、戦争で心身ともに傷ついた両軍を激励した。

 その後、小田原修司は聖龍HEADの面々と旧友である赤塚大作ら反乱軍の中心グループのメンバーに「俺の事は許さなくてもいい、憎んでもいい。だが、昔から互いを労わった間柄の友までは憎まないでほしい。これからも彼らの友として共存してほしい」と、反乱の中心グループの面々に友であるHEADとの蟠りを無くして今後も友としていてほしいと嘆願。

 だがこれに反乱軍のリーダーである赤塚大作は、小田原修司自身も掛け替えのない友だと涙ながらに告げ、聖龍HEADと反乱軍の対立は完全に幕を下ろした。

 

 その後《U・T・U》を投薬され、再びうつの症状で気分のバランスが情状不安定になってしまう小田原修司を献身的に介抱していくと同時に、聖龍隊や反乱軍は内戦や天災で荒れたアニメタウンの復興に尽力を注いだ。

 

2009年8月30日

 アニメタウンの復旧活動を一通り済ませた反乱軍は名を改め《赤塚組》と改名。

 サーズ・スナックに利用されたとはいえ祖国であるアニメタウンを傷付け、友である聖龍HEADを疑ってしまった赤塚組は贖罪の意味も込めて、激動し続ける世界を見て一からやり直す決心を固めてアニメタウンより出航していく。

 この時、反乱軍の中心グループだった1人で赤塚組では幹部に収まっていた大阪なるの恋人、海野ぐりおも赤塚組に加盟しては共に旅路に出る決意を固める。

 そして赤塚組は聖龍HEADの面々に見送られながら、大海原に船出していった。

 

2009年10月7日

 インド・カルナータカ州とアーンドラ・プラデーシュ州において「数十年に一度」といわれる1週間続いた集中豪雨による河川の洪水に見舞われ、聖龍隊の各隊が救助に駆け付けたものの、この日までに約160名以上が死亡、250万名以上が家屋を失う大損害が生じた。

2009年10月10日

 中華人民共和国・北京市において日中韓首脳会談が開催。

 トルコとアルメニアが国交を樹立。

 パキスタンの首都イスラマバード近郊の軍司令部の施設に侵入しようとした武装勢力と兵士が検問所において銃撃戦。翌朝、武装勢力4人が人質を取って立てこもっていた建物に国連から急きょ派遣された特殊部隊隊員が突入。武装勢力8名が死亡、人質は全員無事。

 

2010年1月20日-30日

 サーズ・スナックが自発的に引き起こした異常気象および内戦で荒廃したアニメタウンは、同じく異常気象に見舞われてた日本同様に、確実に二次元人達の活躍によって順調に復興を遂げていた。

 しかしアニメタウン復興の影で異常者(ヒール)による犯罪も激増しつつあった。

 異常者(ヒール)を取り締まる公式組織《聖龍隊》。其処で活躍し続けてきた村田順一率いるスター・コマンドーは、力で押さえ付けるやり方に疑問を感じ、平和的解決の道を求め総合部隊全員が第一線から退いてしまう。

 スター・コマンドーが戦前から抜けてしまい弱体化した聖龍隊に代わり、非合法に異常者(ヒール)を討伐する自警集団《ブラッディ・レンジャーズ》が活動を始める。リーダー・ブロッド率いる《ブラッディ・レンジャーズ》は一般二次元人からも一目置かれる集団に成り上がっていた。

 しかし、そのブラッディ・レンジャーズから、それまで組織の中心となって活躍していた一人の少女が自らの運命を変える為にレンジャーズから逃亡。

 彼女の名は《ミラール》様々な二次元生命体に変身できる、一部を除いて聖龍HEADのミラーガールと同様の卓越した変身能力を持つ少女だった。

 聖龍隊は彼女を追うブラッディ・レンジャーズの放った蠍型陸上歩行兵器を、そのミラールと共に倒すのだが、その直後ミラールを今までの自警活動によって逮捕・拘束した。

 アニメタウンだけでなく、異世界の様々な町や都市で自警活動を行っていたブラッディ・レンジャーズの中心人物の逮捕に異世界中の重役及び、一線を退いていたスター・コマンドーも容疑者ミラールの集会尋問を行う。だが其処で鏡の国の女王から、ミラールが数年前より行方不明になっていた娘であると聞かされる。

 集会尋問でミラールは、自分がレンジャーズから抜け出たのは彼らが自警団ではなく殺し屋集団にまで成り下がってしまった事と、自分が利用されていた事であると証言。

 これに対し集会に参加していた村田順一率いるスター・コマンドーは、ミラールを連れ戻そうとするブラッディ・レンジャーズとの無益な争いを避ける為にもミラールを拘束し続ける事を尋問に集まった異世界での政権の方々に強く推奨する。

 しかし会合の最中、突如としてアニメタウン全域に電波ジャックが流れ、その映像を通してブラッディ・レンジャーズリーダー、ブラッドがミラールの引き渡しを要求。この際、互いに真の異常者(ヒール)ハンターがどちらか決める為に命を懸けて戦い合う事を一方的に伝える。(しかもハンターの数は聖龍隊には劣っているという事で、今まで捕らえた異常者(ヒール)を補助要員として使う事まで言う始末)

 これを機に大規模な同時テロが世界各地で勃発。戦いを拒絶しているスター・コマンドーを除いたニュー・スターズに鬱病から回復していったばかりの小田原修司と、当時の彼が特別監督官を務めていた聖龍隊の新人勢が、世界各地で勃発した異常者(ヒール)による同時多発テロの鎮圧を開始。更に拘束されていたミラールも、自身の所為で世界的大規模なテロが当時に発生してしまった事態に罪悪感を覚えたと同時に罪を償う為として共にレンジャーズと戦う事を決意。そして自分も聖龍隊への加盟を認めてほしいと嘆願。

 このミラールの決意に小田原修司は彼女も特別に今の自分が監督官を務めている新人勢の1人として参戦させる事を認可。そして当初、彼女に対して反感的であったスター・コマンドーも納得のいく結果を示してほしいとの事で渋々ながらもミラールの参入を同意。

 この小田原修司を筆頭とした聖龍隊の新人勢による働きで次第に世界中で勃発したブラッディ・レンジャーズとの戦いは鎮まりつつあり、逃げ遅れた一般市民の救出も順調に進んでいた。だが被害は拡大していく一方であった。

 被害拡大の現状に、遂に村田順一らスター・コマンドーが立ち上がる。これにより一気にブラッディ・レンジャーズを叩く方向に戦況は激変する。

 その後、ブラッディ・レンジャーズが本拠地にしていた高度上空で発見される。一刻も早い争いの終結に、スター・コマンドーの村田順一は迷いなく進軍を決意。そんな順一とスター・コマンドー同様に小田原修司とミラールを含めた新人勢もレンジャーズの本拠地へと進軍。

 本拠地にて遂にリーダー・ブラッドと対決し、勝利を収めた聖龍隊。その後、ブラッドの敗北と共に上空のアジトは崩壊していく。

 だがブラッディ・レンジャーズを影で動かしていたのは革命軍士で、聖龍隊は最終的に革命軍士と激突。

 革命軍士と戦いを終えた聖龍隊がアジトを脱出した直後、アメリカ政府が所持する軍事衛星で強力な光線が砲撃。アジトは跡形もなく消滅させられた。

 この働きで名を挙げた新人勢に元ブラッディ・レンジャーズのミラールは評価され、その後ミラールを中心に新人勢が新たな総合部隊《スター・ルーキーズ》が結成される。

 

2010年3月12日-21日

 冬季バンクーバーパラリンピック開催。

 小田原修司もうつ病から完全に復帰して、パラリンピック参加者の健闘を称えた。

2010年3月26日

 黄海で韓国の哨戒艦「天安(Cheonan)」が沈没。乗組員104名の内46名死亡。韓国は革命軍士によるステルス製の潜水艦からの魚雷が原因であると発表。

2010年3月29日

 モスクワ中心部の地下鉄2駅で連続自爆事件が発生、39人が死亡。

 このテロも先日、韓国の潜水艦を沈没させたのと同じ革命軍士による犯行だと認識。

 

2010年4月2日

 タイの首都バンコクなど各都市の中心部をアピシット政権の退陣を求めるタクシン前首相支持派団体が占拠。

 同10日にはバンコクでタイ政府治安部隊と反政府派が衝突し、暴動の鎮圧に駆け付けた聖龍隊の隊士らが抑制するも、現地で取材をしていたロイター通信所属の日本人ジャーナリストを含む20人の重軽傷者が確認された。

2010年4月27日

 日本で殺人罪・強盗殺人罪などの重罪の多くが法定上限が死刑に相当する罪に対して公訴時効を廃止する改正刑事訴訟法が成立、即日施行された(施行時点で公訴時効が成立していない過去の事件にも遡って適用される)。

 この時点で日本政府が完全に異常者(ヒール)排除法による重犯罪の鎮圧と、それに対しての犯罪者からの没収財産による経済情勢の安定を維持し続ける姿勢を公的に示した。

 

2010年5月19日

 タイで反政府派のデモ隊に治安部隊が突入し一部鎮圧、反政府派の幹部がデモ終了を宣言。

 

2010年6月13日

 小惑星探査機はやぶさ、地球に帰還、大気圏再突入に燃え尽きた。翌日、カプセルが回収された。

 

2010年8月18日

 イラク駐留アメリカ軍の戦闘部隊が全て撤退完了。後続に国連軍が名乗り出る。

 

2010年9月7日

 尖閣諸島中国漁船衝突事件。

2010年9月12日-28日

 小田原修司主催で二次元人と三次元人の交流を祝っての世界的スポーツ大会が開催。多次元ワールドオリンピックの第1回開催である。

 この大会で主催者の小田原修司は、二次元界で名を馳せていたスポーツマン達を招待して三次元人達に彼らの勇姿を目に焼き付けさせようとしてた。

 世界中の王族や皇族、大統領や著名人を招いて二次元人達の勇姿を見てもらうと同時に、二次元人と三次元人の距離を縮めようと大会を開いたのであった。

 更に大会の開会式では、二次元界はもちろん三次元界でも名が知れ渡った【島耕作シリーズ】の取締役社長にまで出世した島耕作氏、そしてソフトバンクの元野球選手にして二軍の助監督を務めている現役時代では通算3000試合に出場した実歴を持つ景浦安武こと【あぶさん】の2名が特別ゲストとして小田原修司に招待される。

 ゲストとして会場に姿を現した両名は、二次元人/三次元人、両次元の人々から歓喜され多大な称賛と歓声を浴びつつ一気に開会式を華やかな雰囲気に色付かせた。この2人の二次元人に称賛と敬意を向ける両次元の人々を目の当たりにした小田原修司は、三次元人と二次元人から祝福されて迎え入れられる2人の著名な二次元人の情景に、両次元の人々の距離が縮まった様な清々しい気分になったという。

 そして多次元ワールドオリンピックでは、二次元界のスポーツマンによる様々な競技が開催され、多くの人々の注目を集めた。

 同時にこの大会では【キン肉マンⅡ世】のキン肉万太郎などの超人たちによる試合も行われ、会場の人々を迫力ある超人格闘技で湧き上がらせた。

 しかも大会開催中に、小田原修司は本来は体内のD-ワクチンが通常の闘技大会ではドーピングに当たるという事で出場できなかったのだが、人間を超えた超人たちとの格闘試合では特別に参加を認められた。

 強者と戦い己の力をより強めたいと心から願ってる小田原修司は超人との試合で、レジェンド超人として今名を馳せているロビン・マスクやバッファローマンなど名立たる超人たちと熱戦を繰り広げた。

 後に小田原修司は「凄腕の超人たちとのレスリングは極めて良い経験となった。実に爽快な気分である」と、超人たちとの試合を心から嬉しく思った。

 だが小田原修司の格闘技への興奮と、己を極限まで追い詰めての死闘を超えて得られる達成感と更なる成長への願望は満たされる事無く、遂にはエベレストの頂上付近に特設リングを設置し、其処で名立たる格闘家と極寒の吹雪と低酸素の環境下でのデス=マッチ開催を呼びかけた。(この際、対戦相手となる格闘家には勝敗関係なく自分と戦えば高額の賞金。もし勝てれば倍の額の賞金を提供すると小田原修司は広言した)

 そしてエベレスト頂上の低酸素極寒デス=マッチを繰り広げた修司と対戦相手。だが極寒の風が肌に突き刺さり、酸素が極めて薄い環境でのレスリングはもはや地獄であり、低酸素の中での激しい運動によって小田原修司も対戦相手も幾度となく嘔吐しては苦しんだという。更に白い雪の結晶に乱反射された太陽光が直に眼球に入り、余りの眩しさにお互い共に失明寸前にまで至ったという。

 

 そんな過酷なレスリングも体感した小田原修司は満足で試合を終えて、仲間である聖龍HEADや聖龍隊に見守られながら数々の試合戦歴を称えられ特別賞を天皇家直々に授与された。

 だが事件はその授与式が行われていた真っ只中の閉会式の最中に起こった。副長のバーンズだけが修司に歩み寄り友の健闘を称えている最中、聖龍HEAD用の特別席に座っていた修司とバーンズ以外の聖龍HEADが突如として倒れてしまった。彼らの魂は既に抜き取られており、全員が一種の仮死状態に陥ってしまう。

 その時、人々の前に姿を現したのは全身を黒い衣で纏った集団を引き連れた、革命軍士の参謀長でブラッディ・ドラゴンの片腕であったマサ、通称:ジャンプのマサと呼ばれる跳躍力を秘めたアフロの男であった。

 ジャンプのマサは【タイガーマスク】のマネージャーx氏の衣装で現れ、聖龍HEADの魂は自分達が預かっていると公言した上で、革命軍士に就いた通称:革命超人たちと連戦連勝しなければ修司とバーンズ以外の聖龍HEADの魂は返さないと修司を脅迫。これに小田原修司は仲間であるHEADの命を救う為にもマサの要求を聞き入れる苦渋の決断をした。

 そして革命軍士の下で新たに力を得て生まれ変わった超人たち。スクリュー・キッド&ケンダマン/ステカセキング/ブラック・ホール/ミスター・カーメン/ザ・魔雲天/プラネットマン/ザ・ニンジャ/サンシャイン/悪魔将軍&ビッグ・ザ・武道らと対戦する事となる。

 タッグ・マッチの場合はHEADで唯一助かっているバーンズと組んで、初戦のスクリュー・キッド&ケンダマンとの闘いを乗り越える。その後、最終戦までを1人で闘い抜かねばならない小田原修司は苦境の末に最終戦まで持ち込む。

 だが最後の対戦相手、悪魔将軍&ビッグ・ザ・武道という悪魔超人と完璧超人のトップに君臨する二人相手には、格闘経験の少ないバーンズはスグに敗退してしまい、小田原修司1人が追い込まれる。

と、そこにザ・虚無僧というフリーの超人が出現し「格闘経験の少ない弱輩者のバーンズが超人レスリングをするなど以ての外。そんなバーンズを退くのは良しとして1人身になった小田原修司相手に2人がかりで試合を進めるのは更に以ての外、遵ってこのフリーの超人ザ・虚無僧が小田原修司の共を引き受ける」と半ば乱入に近い形で小田原修司とタッグを組んで試合を続行。

 だが試合の最中、悪魔将軍の「地獄のメリー・ゴーランド」を受けそうになる修司を庇ったザ・虚無僧の天蓋と呼ばれる深編笠が縦に3つに切り裂かれて、素顔が白日の下に晒された。その正体は何と以前にアニメタウンで同様のレスリングルールの下で闘い合った相手グリズリーであった。

 正体が明るみになった後もグリズリーは小田原修司とタッグを組んで悪魔将軍とビッグ・ザ・武道のタッグと死闘を繰り広げた。

 最終的に頭部のマスクだけに成り果てた悪魔将軍は、逆に頭部の剣道ヘルメットを破損したビッグ・ザ・武道ことネプチューンキングの頭に自身のマスクを装着させて、悪魔将軍とネプチューンキングが一体化しか「完璧悪魔将軍」と変貌しては小田原修司とグリズリーに襲い掛かる。

 だが2人は共闘して最強にして残忍なツー・プラトンすなわち共闘技「タワー・オブ・タワー」で完璧悪魔将軍を打ち倒した。

 全ての刺客超人を倒した事でHEAD全員が助かる結果となった。だが過去に革命軍士に加担していたとして、小田原修司と共闘したグリズリーが国連軍に逮捕されそうになる。

 しかしグリズリーが逮捕されそうになった瞬間、突如としてスコーピオン同盟の一団がグリズリーを「悪党の裏切り者」として、小田原修司と共闘したグリズリーを集団リンチした上に、グリズリーを逮捕しようと集まっていた国連軍兵士に対しても暴力を振るってきた。其処にグリズリーが自分や国連軍兵士に無益な暴力を振るい続けるスコーピオン同盟を返り討ちにし、堪らずスコーピオン同盟はその場から逃げ去っていった。

 その後、暴力を振るわれた国連軍兵士を助け、世界的な悪党集団スコーピオン同盟を返り討ちにしたグリズリーは国連軍の恩赦を受けて逮捕は取り消しとなった。

 逮捕される事のなくなったグリズリーに小田原修司を始めとする聖龍HEADから聖龍隊への加入を誘われるものの、グリズリーはこれを拒否。再び己の実力を極める旅路へと去っていった。

 

2010年10月2日

 2010年尖閣諸島抗議デモ :数千人規模の反政府・反中国デモが行われ、日本を除く中国など世界中の主要メディアで報じられた。

 

2010年11月13日

 ミャンマーの民主化指導者アウンサンスーチーが解放され、自宅軟禁が7年半ぶりに解除される。

 

2010年12月17日

 取手駅通り魔事件でロータリーバス内で刃物を振り回していた男を駆け付けたジャッジ・ザ・デーモンが制圧。

 加害者男性に全治4か月の怪我を負わせた後、遅れて駆け付けてきた警察官に犯人の身柄を預ける。

 

2011年1月22日

 【金色のガッシュ!!】での魔界で異世界会合が開かれた。

 世界各地に留まらず、既に200以上の異世界の国々も加わった会合を護衛する為、国連軍と聖龍隊による絶対防壁が布かれた。

 この会合と同時に、小田原修司は新たな聖龍HEADのメンバーとして「東京ミュウミュウ」「マーメイドメロディ」「ローゼンメイデン」の三部隊を加える事を公言する。

 しかし、この会合で更なる異常者(ヒール)の鎮圧と理不尽な現状に追い込まれると思い立った四皇「白モジャ」率いる大艦隊が会合場所である魔界を襲撃。聖龍隊と国連軍に真っ向から殴り込んできた。

 この戦闘の最中、報道関係者によって世界中に戦況が伝えられていく中、白モジャ側についていた能力者の中で見受けられた動物変身系能力者の中に、幻獣にも変身できる能力者がいる事を、小田原修司を始めとする多くの者が知るのだった。

 だが、その白モジャの一派による戦闘も裏で暗躍していた革命軍士の企てであり、革命軍士は白モジャと国連軍及び聖龍隊が衝突している最中に乱入してきては多くの死傷者を出す。

 更に戦乱による混乱を聞き付けて、自分達も名を高めようとスコーピオン同盟も飛び入りしては、同じ悪党王を狙ってる白モジャに一喝した後、白モジャと共闘戦前を結ぶ。これにより聖龍隊/国連軍対スコーピオン同盟/白モジャ一派対革命軍士による三つ巴の戦闘が開始されてしまう。

 戦乱の中、巨大化した小田原修司の右腕に対戦車ライフルの砲弾を撃ち込まれて摘出したり、はたまた魔界の核兵器級の人造魔物であるファウードまでも戦場に投下されていく。

 だが白モジャの衝撃を放つ能力により、半壊していく国連軍本部に元帥ゼンギは白モジャを「世界を滅ぼす事が可能な男」として地震を発生させる白モジャの討伐を両軍に命じる。無論、その戦況の中で聖龍隊や国連軍は革命軍士と対決し続けていた。

 その戦闘の最中、元帥ゼンギは公の場で初めて小田原修司が国連に身を売った、異常者(ヒール)同様に人権がないものの異常者(ヒール)と違い完全に政府の為に存在し続けなければならない人間兵器であると公言した。これには同じ人権のない戦場の異常者(ヒール)達も、修司が人権の無い兵器であった事を初めて知った聖龍隊も愕然とした。

 しかし最終的に戦争の終盤で現れた革命軍士所属の「マーシャル・ティーチ」こと元白モジャ配下の悪党「黒ひげ」が白モジャの前に立ちはだかる。それも国連軍本部に来る直前に、国連軍管轄の海底監獄「インペルダウン」より脱獄させ、己の配下に加えた多くの重罪人たちを引き連れて現れた。

 当初はティーチも小田原修司同様に闇の能力を得ていた為、白モジャの地震の能力を無力化させて攻撃していく。しかし黒ひげの過信・軽率な面での弱点をついた白モジャの巨大な薙刀によって斬り付けられた黒ひげは、部下である面々に言い付けて白モジャに一斉攻撃を加えて、最初の一対一の対決から急転して多勢に無勢の残忍な手段で白モジャを殺害する。だが絶命した白モジャは立ったまま死ぬという偉大な死に様を世に見せつけ、死に絶えた。

 だが白モジャを倒した黒ひげは絶える事のない力への欲求で、己の闇の能力で白モジャの能力を引き寄せた上に吸収して我が物としてしまった。これにより黒ひげは新たに地震の能力を手に入れ、手に入れたばかりの能力で半壊してた国連軍本部を完全に破壊。更には人工島の基盤や周囲の海までも震動でむやみやたらに引っ掻き回す荒業を見せつける。

 この黒ひげの横暴を止めるべく、小田原修司が同じ闇の能力者として黒ひげと対峙。そして互いの能力をぶつけ合って死闘を繰り広げていた。

 しかし黒ひげは一瞬の隙を突いて小田原修司の顔面に白モジャから奪った地震の能力を直撃させては、小田原修司を一撃で倒してしまう。

 これに古くから聖龍HEADの面々だった古参は怒り狂い黒ひげの一味に向かって全力の能力を解放して攻撃を展開。更に国連軍は白モジャの残党を殲滅させる為に更なる戦火を繰り広げる。

 そんな殺伐と狂気が入り混じる戦況を目の当たりにしたスター・コマンドーの村田順一は、こんな戦争は馬鹿げていると言い放つ。だがこの言葉を聞いた大将赤イヌが順一を「正しくない兵」として、己の溶岩の能力で抹殺しようと歩み寄った瞬間、順一と赤イヌの間に絶命した白モジャと同じ四皇の悪童ゴブリンが止めに入り、これ以上の戦争をしたければ自分達と戦えと、ゴブリン一派の面々との全面対決を理由に戦争を止めに入った。

 このゴブリンの言葉に、白モジャを殺害し彼の能力を奪い取った黒ひげは、戦うには時期が早いとして誰よりも先に戦場を後にした。

 そして静まり返る戦場の中央に立つゴブリンとその一派が、戦況の収拾を確認するとゴブリンは同期の悪人にして同じ四皇の白モジャの亡骸を渡してほしいと要望。だがこれに多くの国連軍兵士が、悪人の死を世間に晒す事が国連軍の絶対的正義の証であり象徴であると猛反発。だが1人、元帥であるゼンギはこのゴブリンの要求を承諾し、全軍隊に戦争の終結を言い渡す。

 戦場から白モジャの亡骸を持ち去ろうとするゴブリンに、顔面に強烈な衝撃を直撃させられ頭蓋骨が完全に粉々になっていたにも関わらず小田原修司がゴブリンに白モジャを自身の方でも弔いたい故に彼の亡骸の一部を提供してほしいと嘆願。この小田原修司の必死の嘆願にゴブリンは、白モジャの白い髭を少しばかり差し出す。これには小田原修司は心から感謝したとの事。

 その後、小田原修司は気絶してしまい緊急を要する事態に陥り集中治療室に運ばれる。診査の結果、小田原修司の頭部は頭蓋骨そのものが完全に粉砕され、脳へのダメージは全くない故に命に別状はないと診断。

 更にその後、多くの異常者(ヒール)を収容していたインペルダウンの体制も見直され、激戦のすえ異世界会合は幕を下ろしたのである。

 

 しかし総長であり友である小田原修司に重傷を負わせてしまった聖龍HEADは深い挫折感と後悔に襲われ、新人勢である「東京ミュウミュウ」「マーメイドメロディ」「ローゼンメイデン」の面々と共に新たな戦術の開拓を得る事を決意する。

 

2011年2月3日~

 聖龍HEADは新戦術を得る為、頭部の傷が完治してない小田原修司と共に修行。

 その結果、HEADは超人的体術「六式」を完全体得し、それを応用した様々な体術も独自に体得。更に「武装色の覇気」「見聞色の覇気」そして一部のHEADが身に着けた最大の覇気「覇王色の覇気」を習得する事に成功。

 小田原修司自身も、自身の頭蓋の完治の最中に3つの覇気を習得し、特に覇王色の覇気は凄まじい威力を見せつけ、本来は相手を気絶させるだけの覇気なのだが同時に周囲の物体をも破壊してしまう程の絶大な威力の覇気であった。

 

2011年3月11日

 日本の東北地方太平洋岸沖を震源とする、マグニチュード9.0の地震が発生。東北地方太平洋沖地震である。

 M9.0という規模は世界で1900年以降4番目で日本国内観測史上最大。また、この地震によって東日本大震災が引き起こされた。

 この地震で福島第一原子力発電所が被害を受け、それによって大規模な原子力事故が発生した。

 これ以外にも太平洋沿岸の原子力発電所・火力発電所が津波によって被害を受けて操業を停止した影響により、東京電力管内では3月14日から28日まで計画停電が実施された。

 

 聖龍隊は一刻を争う緊急事態に、素早く被災地の東北の地に赴いた。

 だが復興作業の最中、前代未聞の災害に見舞われた日本の一大事を聞き付け、黒ひげが来襲。日本政府に囚われていたものの、大震災の混乱に乗じて脱獄した同じ革命軍士の《リベンジャーズ》と共に日本政府を攻撃。

 この事態に被災地の救済に追われてた小田原修司が急きょ国会議事堂前で暴れていた黒ひげを筆頭とした革命軍士と対峙。

 かつて瀕死にまで追い込んだ黒ひげに対し小田原修司は、多少のトラウマを抱えながらも寸での所で黒ひげの地震の能力を回避し続ける。

 次第に追い詰められていく小田原修司であったが、此処でようやく黒ひげが白モジャの地震の能力を無力化していたのに気付き、同じ闇の能力者である自分も同じ様に地震の能力を無力化できる点に気付いて黒ひげを返り討ちにする。

 黒ひげを気絶まで追い込んだ小田原修司に、彼に強い恨みを抱いているリベンジャーズが襲い掛かるものの、小田原修司は何なく回避。

 その後、無能力者で差ほど危険性もないだろうと踏んだ小田原修司は日本自衛隊の面々に国会周辺の騒動の鎮静化を頼んだ直後、ヘリに搭乗し急いで被災地に戻ろうとする。

 そんな小田原修司に自分達の憎しみや恨みは消えてないと豪語するリベンジャーズ。だが小田原修司はリベンジャーズに「テメェらと関わっているほど、俺は暇じゃないんだよ」と吐き捨て、そのままヘリで被災地に戻って行ってしまう。

 自分達への仕打ちに逆上してたリベンジャーズは、小田原修司の自分らへの関心の無さに多大な怒りを込み上げ、遂にはその怒りを自分達を捕えようとする自衛隊員にぶつけては惨殺していってしまう。

 そして完全な小田原修司への報復を決意したリベンジャーズは、遂に小田原修司がその長い歴史を積み重ねてきた故に絶対の忠誠を誓っている天皇家が居住する皇居殿を占拠。日本国内で異常者(ヒール)認定を受けた同胞の革命軍士の面々と共に皇居殿に籠城する。更には皇居殿の警備に当たっていた職員ら全員を皇居殿周囲の塀の外側に首を吊るして殺害し、死体を晒すという凶行まで仕出かした。

 これに激しく怒り狂った小田原修司は、単身革命軍士の無法者どもが占拠する皇居殿に突入し、占拠していた無法者たち全員を斬り捨て討伐してしまう。

 皇居内を敵の血で染めた小田原修司は主犯格であるリベンジャーズに、皇居殿を穢した大罪人として斬りかかりに行く。リベンジャーズは刑務所から脱獄してからずっと填められていた鉄球付きの鎖を巧みに使いこなし、小田原修司を撲殺しようと集団で襲い掛かる。

 だが神聖な皇居殿を穢した行為を仕出かしたリベンジャーズへの怒りで半ば理性を失ってた小田原修司は、意図も容易くリベンジャーズのリーダー【エリア88】の神埼悟の鉄球を掴んでは振り回し、鎖で互いの足が繋がれているリベンジャーズの一同を遠心力で空の彼方へ投げ飛ばした。

 その直後、無事に皇居殿を奪還した小田原修司の前に、兼ねてより精神的に滅入っていたとして小田原修司が献身的に触れ合い話を聞いてあげた雅子様が、皇居殿を奪還してくれた小田原修司に礼の言葉を述べる。

 だが小田原修司は、いま日本が大変な事態だというのに未だに身勝手すぎる異常者(ヒール)や悪人達の横暴に酷く嘆いたという。リベンジャーズに対しても韓国人で【女帝 由奈】の悪女ソンヒならいざ知らず、その他の日本人であるリベンジャーズの面々までも身勝手で自分の事しか頭にない輩ばかりな所に、小田原修司は今の日本人の実情に酷く失望してた。

 雅子様は、そんな心から日本を愛してる小田原修司に労いの言葉と、必ず日本人全てがいつか一致団結してより良い未来を築いてくれると、優しい言葉の数々を掛けてくれたという。

 雅子様の有難い御言葉を頂いた小田原修司は、一時日本人の身勝手で理不尽な現状が災害時の時にも変わらない事に絶望視し刀で自害しかけたのを停止。雅子様の激励を受けて再び被災地である東北の地に戻っていった。

 しかしこの時、小田原修司は健全な国を一から創りたいと思い願い、更なる力への渇望を抱く様になってしまった。

 

 そして震災から数週間後、小田原修司によって投げ飛ばされたリベンジャーズを助け出しては導いてた謎の高齢の僧侶が行動を起こさせる。

 まずは天皇家の末裔である愛子様をリベンジャーズを通じて革命軍士に誘拐させ、同時にプロフィギュアスケーターの織田信成選手までも誘拐させ、多くの人命が失われ負の感情が犇めく東北の地で不思議な儀式を始める。

 この一大事に、仲間である聖龍隊に復興活動を任せて小田原修司が単身で誘拐された2人を救い出す為に儀式の場に乱入。だが僧侶の狙いは小田原修司でもあった。

 僧侶は小田原修司が儀式に用いてた不思議な陣図を使用して、誘拐してきた愛子様と織田信成選手の血を生贄に、そして小田原修司の肉体を器として常闇の世界より愛子様と織田信成氏の末裔を蘇らせる。

 愛子様と信成氏の末裔。それは戦国の世を恐怖で支配していた魔王と呼ばれる織田信長であった。その信長の魂が入る器すなわち肉体として、信長と同じ闇の能力者である小田原修司の肉体が用いられたのだ。

 こうして愛子様と信成氏の末裔、織田信長は小田原修司の肉体を得て再臨してしまった。

 この時の小田原修司は、自身に憑依した信長の魂に関して何故か抵抗しなかった。その理由として考えられるのは、1つに小田原修司も心から織田信長を崇拝していた事、2つ目は織田信長も小田原修司と同じ闇の心(ダーク・ソウル)の能力者であった事、3つ目は以前小田原修司がリベンジャーズとの戦いで思い描いた「健全な国創りをするための力」に対して激しい渇望を抱いてしまった事で同じ力に執着する信長公と精神状態が一致してしまったが故の事態だったと考えられる。

 その後、小田原修司の肉体を得た信長公はリベンジャーズなど無法者はもちろん己を崇拝する者らに加えて、己の信力で自分同様に蘇らせた側近である濃姫と森蘭丸を従えて現在の日ノ本を掌握しようと行動を起こす。

 まず手始めに小田原修司ことアニメタウン市長が管轄下に置いていたアニメタウン郊外の特別学区内を攻め落とし、其処で己に心酔する者を新たな戦力として加えた後、続いて アニメタウン本土に侵攻。

 聖龍隊が殆ど東北の地に赴いて出払っていたアニメタウンを難なく掌握し、満足していた所に突如として紅蓮の烈火を纏う船の碇に乗った男が織田信長に突撃してきた。

 その男こそ、以前に聖龍隊と衝突してしまいアニメタウンを旅立っていった赤塚組の頭領 赤塚大作であった。当初、赤塚大作はアニメタウンで無意味に暴れているのを小田原修司本人だと勘違いしたまま、小田原修司に憑依している織田信長と激突。だが惜しくも敗れ去ってしまう。

 赤塚組をも敗退させた信長は、異世界で自身と同じく魔王を名乗ってる異世界の王政や国に進軍するため、関東では最も魔力の多いと言われてる鎌倉に向かって東京湾沿いに進軍していった。

 そして鎌倉を掌握した信長はその後、鎌倉に蓄積されてた魔力を応用し異世界との扉を開く。その扉を潜り、魔王信長とその従者たちは別世界へと進軍していく。

 まず信長一行が辿り着いたのは、世界名作劇場の世界で信長はその地を己が武力で支配しては完全に鎮圧してしまう。世界名作劇場の世界を皮切りに信長はその後、その世界で知り得た、全ての世界と通じている鏡の国の存在を知る。鏡の国を掌握すれば、自由に全ての異世界に進軍できると認知した信長は自軍を率いて鏡の国へと進軍していく。

 鏡の国に到着した信長は、己の闇の力と憑依している小田原修司の肉体を駆使して瞬く間に鏡の国を制圧。その後、数々の魔界と呼ばれる世界や魔法が存在する世界を掌握していき、自分以外の魔王や魔の王女を殲滅できたと思ってた信長であったが、そのとき一部の王族は以前に戦争で大破した【金色のガッシュ!!】の魔界の城の修復作業を見合っていたので無事であった。

 これを知った魔王信長は激情し、己以外の魔王や魔の王女の殲滅に全力を注ぐ覚悟を決めては修復作業中の魔城へと攻め入った。

 この修復作業を監査していたアンリエッタ王女と防衛騎士アニエス、更には天皇家の遠縁にあたる皇族 時乃宮家と魔王信長が衝突。魔界防衛軍隊長ブラゴや魔王ガッシュの良き親友ティオなどの魔界の精鋭たちも参入し、信長に心身ともに憑依された小田原修司を制止する為に奔走する。しかし努力空しく、小田原修司に憑依した織田信長は己に反抗してきたもの全員を撃退しては、修復中であった魔城も己の力で粉砕してしまった。

 

 その後、魔界などの異世界の仲間達と合流を果たした聖龍隊は、アニメタウンで市民を守ろうと信長に憑依された小田原修司と決闘した赤塚大作率いる赤塚組とも結託し、打倒信長と小田原修司救出に協力する姿勢を示す。

 その際、生きた人間である小田原修司に憑依している死者の織田信長の、小田原修司をも超越している闇の能力を少しでも抑制する為に当時、日本の恐山山中で修行している高僧 南部晴政に協力を依頼する為、恐山への使節軍としてバーンズや一部の聖龍隊士が任命される。しかしバーンズを始めとする多くの隊士は亡者の魂で溢れ返っている恐山へ赴くのを躊躇うが、どうにか進軍に説得できた。

 だがバーンズや聖龍隊士らが恐れていた事が、現実の恐山で生じていた。バーンズ達が大よそ想定していたが、恐山には東関東大震災で死亡した多くの人々の亡霊が彷徨っており、時おり津波に飲み込まれるなどの亡者が死ぬ直前に体感した恐怖が幻となってバーンズ率いる聖龍隊士に襲い掛かった。

 更に恐山に溜まっていた多くの亡骸までも、不思議な御香によって目覚めては聖龍隊を襲う。

 そんな苦戦の末、バーンズたち聖龍隊は山頂で修行してた南部晴政の協力を得られた。

 

 そして突如として日本に出現した魔城・安土城に座していた織田信長に、聖龍隊は総力を挙げて対決。

 信長に心酔してしまった兵士や洗脳されたリベンジャーズなどの織田軍を相手に苦戦を強いられる聖龍隊。

 更には魔城 安土城の内部には至る所に罠が設置されており、その中には鳥兜などを主成分にした毒を用いたものまで見受けられたという。

 信長の側近である森蘭丸と濃姫を撃破した聖龍隊一行最上階の天守閣にして、総長小田原修司に憑依して待ち続けていた織田信長と遂に決着をつける。

 数多の死闘の末に、ようやく聖龍隊総長小田原修司の肉体から織田信長の魂を伐出する事に成功。その直後、地上に出現した安土城は瞬く間に崩壊し、完全にその全貌を消滅した。

 そして仲間達の手によって無事に自我を取り戻せた小田原修司は、衰弱しながらも仲間達に礼を述べた。

 だが、そこに例の織田信長の魂を現世に蘇らせた謎の僧侶が再び姿を現す。僧侶は自身を《天海》と名乗り、信長公による戦火を再び間近で眺めたかったのだという。

 そして最後に、織田信長の魂は小田原修司の肉体を得て様々な戦火を起こした事で未だ現世に残っており、次の発起で完全に心身ともに蘇るという。

 僧侶は信長が蘇る地を手にしていた錫で、その地を指しながら同時にその名を大声で言い放った。

「敵は……本能寺にあり!」

 信長公が蘇る地を叫んだ直後、僧侶は高笑いを上げながら濃霧の中を消えていった。

 その直後、僧侶が申した通り、京都府京都市中京区に突如として大きな地響きが発生したと同時に地の底から這い上がるかのように、巨大な区画で構成された本能寺が出現した。その中央の漆黒の黒渦からは刻を待つかの如く、厳つい形相の織田信長公が不気味な静寂を醸し出しながら時を待ち続けていた。

 この事態に、今まで信長に憑依を許してしまってた小田原修司が先陣を切り、完全復活した織田信長と対峙。だが小田原修司は当初、憑依された時と同様に織田信長に絶対の尊敬の意を変わらず持ち続けており、一時は織田信長公に頭を垂れた。

 だが小田原修司はスグに頭を上げては織田信長と向き合い、自身の憧れでかつ尊敬を抱けてる数少ない人物な上に自分と同じ闇の心を抱いている織田信長と死力を尽くして一対一で闘う事を断言する。これに信長も同じ様であり、是非もなしの一言で同じ強大な闇の心に魂を持って生まれた異端者同時の激戦が始まった。

 そして血の滲む激闘の末、小田原修司は他者へ恐怖を与え周囲から恐れられる孤高の武士 織田信長を討伐。そして同時に信長を「戦国一、人との繋がりを持った武将」と称え、それまで他人から恐れられているだけの自分にも様々な形で戦国の世を生きた武将やその周囲の人々と確固たる繋がりがあると悟り、厳つい風貌を穏やかにさせながら再び眠りについた。

 

 この信長との死闘を超えて、小田原修司の闇の心(ダーク・ソウル)の能力はまた一段と向上したという。

 

2011年5月2日

 国際テロ組織アル・カーイダの最高指導者:ウサマ・ビンラディン容疑者がアメリカ合衆国関係の諜報員により、パキスタンのアボッターバードにて銃撃戦の末に殺害されたとCNNテレビが報道した

2011年5月28日

 アジア同時多発テロ勃発。中国/韓国を中心に引き起こされたテロが原因で、中国共産党は崩壊、当時の韓国大統領がテロの中心人物である破邪王に喰い殺される惨殺が発生。その後、動乱の波はアジア全土にまで拡散してしまう。

 その後、滅亡した北の国の残党軍の首領として残忍で冷酷極まりないと言われる剣術の達人ヤン・ミィチェンと聖龍隊傘下スター・ルーキーズが激突。ルーキーズの大半が斬滅させられてしまう。

 同時に中国や韓国を中心に同時テロを引き起こした主犯格の人物達として《黒衣衆》と名乗る革命軍士と関与している者らが、アジア全土に争いの火種を残すためにも各地に特殊な武器や技術が伝わっていく。これにより以降、アジア各地で猛威を振るう武人達はそれぞれの性格や心理状態に似合っている属性を備えている武器で戦闘を続けていく。アジア全域の戦況は激化の一途を辿る。

 小田原修司率いる聖龍隊は、多大な震災による被害の傷跡が未だ癒えてない日本国土への紛争の火の粉が降り掛かるのを防ぐ為に、聖龍隊は総力を挙げてアジア本土に進軍し日本への戦禍を未然に防ぐ大役を買って出た。

 そして聖龍隊は最終的にアジア各地で活躍していた特殊属性武器を扱える三次元人の武人による自軍の協力も得ていき、アジア全土に勢力を広げ、己が野望の為に働いていた武将たち。

 力こそ絶対的な存在と信念を掲げた破邪王こと韓国のキム・ジュンス、台湾の完全独立を狙う台湾将軍モウ・チェイファン、そして過去に聖龍隊によって滅ぼされた北の国の残党ヤン・ミィチェンからなる連合軍を聖龍隊は苦楽の末に打倒する事に成功する。

 

 だが後に、戦禍で荒廃したアジア全域から略奪行為を繰り返してきた中国人 永皇輪(えいこうりん)の日本壊滅計画を未然に塞ぎ、聖龍隊の乱世と化したアジアでの活動に一幕の終焉を告げ、戦禍で荒廃したアジア本土の方は、その土地の武将や武人達に任せ、その監視官として中国支部の聖龍隊隊士が任命された。

 

 このアジア大戦と呼ばれる戦いの後、乱世のアジアで名を馳せた武将達は各々の国や地域を守護し掌る将軍などに任命されたりと乱世での功績を称えられた。

 更に長年、中国を統治してきた共産党の崩壊に基づき新たな政権が発足。これに伴い長年中国に統治されてきた台湾が一国家として認可されるまで至った。

 

2011年10月11日

 大津市中2いじめ自殺事件、本事件で再びいじめが社会問題になる。

 この未だに残るいじめ問題解決の為に、日本政府は教育委員会や各学校の公務員達も摘発の対象として異常者(ヒール)排除法を基盤とした徹底的な厳罰を下す法令を強化した。

 これにより日本中のいじめに関与した生徒や、いじめ隠ぺいに加担した職員や教育委員の面々も次々に異常者(ヒール)として殺処分されていった。

 

2011年11月11日

 11月11日11時11分11秒、革命軍士が考案した「イレブンズ・プロジェクト」という世界同時テロが勃発。世界中が激動の戦禍に見舞われた。

 しかも同時刻に、聖龍隊管轄の異世界で建造されてた「平等の女神像」が爆発すると同時に、二次元人の多くを異常者(ヒール)化してしまう特殊な精神浸透ウィルスが世界中に散布されてしまう。

 これにより大規模な異常者(ヒール)増加による暴動が世界各地で頻発する。

 更に同時に国連が手掛けていた、隕石にも耐えうる強度を持つ国際宇宙ステーション「希望」が革命軍士に乗っ取られ、その軌道は地球に向けられ墜落し始めた。地球消滅の惨劇が起きようとしていた。

 

 聖龍隊は国際宇宙ステーションを地球に衝突する前に破壊し、地球への被害を最小限にする作戦を開始する。

 任務難易度《特Aクラス》の任務に、普通の聖龍隊士を負わせる訳にはいかず、小田原修司を筆頭とした聖龍HEADが作戦を進めていく。

 そして最終的に聖龍HEADはNASA(航空宇宙局)の協力の元、宇宙ステーションに大量の火薬を積んだスペースシャトルを衝突させ一気に爆破させて片付ける正真正銘の最終作戦に移行する。

 聖龍隊副長バーンズ・ウィングダムズ・キングズ。彼は地球の存亡を背負い1人の二次元人として、単身スペースシャトルに搭乗し荒れ狂う宇宙ステーションに真っ向からぶつかった。

 結果、宇宙ステーションの破壊に成功。地球消滅は免れたものの、爆発した宇宙ステーションの破片が世界中に降り注いだ被害は大きく、地上は焼け野原へと一変する。

 そして迎えた革命軍士との死闘。

 

 聖龍HEADは命からがら革命軍士を倒す事に成功するが……戦いから生還したのは無数の光……小田原修司を除いた聖龍HEADだけだった。

 この時、ミラーガールが持ち帰ったのは 誰もが見覚えのある一本の日本刀だけであった。

 

2011年12月16日~

 革命軍士の策略による「宇宙ステーション落下事件」そしてその後の革命軍士との戦いから1ヵ月ほど経ったある日。

 宇宙ステーションの破片が降り注ぎ、その以前から地上で猛威を振るった異常者(ヒール)が地球に及ぼした影響は大きく、地球全土は荒れ果てた姿へと変わり果ててた。

 そんな荒れ果てた地上は辛うじて特殊能力を身に着けた二次元人だけが、どうにかして活動できるまでにウィルスや放射能の汚染が鎮まりつつあった。

 

 聖龍隊総長小田原修司が不在の中、聖龍隊副長バーンズやミラーガールら聖龍隊の大勢の隊士らも、復旧作業に努めていた。

 だがある日、再び異常者(ヒール)関連の問題が発生したと報告を受けた聖龍HEADは総長不在で心身ともに自分を追いつめていたミラーガールと共に、荒廃した大地を駆け抜けていった。

 その問題から生じた新たな事件を解決する為に奔走していくHEAD。

 時に迷走しながらも事件を少しずつ解決していく聖龍HEADや聖龍隊の各隊士らの目の前に、イレブンズ・プロジェクトからの事件で生死不明になっていた小田原修司が帰還。同期でもあるHEADと共に事件解決に挑んでいく。

 

 全ての事件や敵を片付けた後、小田原修司は過去に自分が受けた催眠暗示「殺戮誘発プログラム」を取り除くため、最も信頼を寄せているウッズの協力の元、凍結睡眠すなわちコールド・スリープに自らを投じて己の脳裏に刻まれた催眠暗示の解除に挑む。

 

2012年1月6日

 二次元界と三次元界の協同のもと、赤道上に合計で4本の軌道エレベーターを建設させる工事が着手。

 高度な科学技術のもと、来年度までには4本とも開通させると国連は発表。

2012年1月28日

 前年12月より、己の中の「殺戮誘発プログラム」を削除するために凍結睡眠に至っていた小田原修司が解眠。

 その頃、革命軍士による「2013年内の世界破滅計画」に乗り出した一派を打倒するため活躍してた聖龍HEADと再び戦火に身を投じた。

 

 そして同時に事件解決後に小田原修司が眠っていた間の出来事も知らされる。

 それは昨年の異世界会合の時から第一線を退き引退すると表明してた国連軍元帥ゼンギが遂に印籠を置き、国連軍大目付の役に立ち回る。

 この際、ゼンギは自身の後継者を性格に多少の問題があるが基本的に大らかで冷静沈着な性分の大将青雉に任命すると嘆願。だが国連は、絶対的に上層部の命令を聞き入れる上に強力な能力を持った赤犬を推薦。

 この食い違いの意見から、最終的に赤犬と青雉がとある小さな島での一騎打ちにて元帥を決めるまでに事は勃発した。

 結果、青キジは敗れ、赤犬が勝利を収めて新たな国連軍元帥となる。これを機に青雉は軍を脱退。結局、国連軍は貴重な戦力を欠いてしまう結末に至った。

 その後、新たに国連軍元帥に収まった赤犬は「異世界徴兵」と呼ばれる制度を施行し、異世界の様々な武術や剣術の達人を国連軍に加盟させて、更なる国連軍の戦力強化に当たる。

 

2012年3月21日

 【マリ共和国】 軍事クーデターが発生。この鎮圧に国連軍から傭兵が送られた。

 

2012年4月1日

 【ミャンマー】 議会補欠選挙が実施され、国民民主連盟(NLD)はアウンサンスーチーを含む44人の候補者を擁立、同氏含む40人が当選した。

 

2012年7月4日

 欧州合同原子核研究機構(CERN)は新たな粒子を発見したと発表。

 今回のデータからはヒッグス粒子とは確定されていないが、更なる実験の続行により同粒子の存在が高い精度で確認できるのではないかと期待されている。

 

2012年8月10日

 【韓国】 大韓民国の李明博大統領が日韓両国が領有権を主張する竹島に上陸した。

2012年8月15日

 中国政府が「東海和平倡議」を発表し尖閣諸島領有権を主張する。

 これら韓国及び中国から日本への所有権を巡る対立を制止するため、小田原修司は国連に承諾し、まず手始めに竹島を国連管轄の島として正式に登録し、日/中/韓の3カ国に「今後もし所有権に対する無益な争いを続けるなら、争いの元である各諸島を竹島の様に国連管轄の、国連の所有する島として行動を起こす」と警鐘を鳴らす。

 これにより日/中/韓の3カ国は島々の所有権に対し、何も発言ができなくなった。

 

2012年9月3日

 アメリカおよび国連軍が協同でイラン、イスラム国に残っているテロリストの殲滅に取り掛かる。

 その際、標的とされたのが非人道的な振る舞いで国民すら暗示をかけて戦争を起こし続けるイスラム国の完全排除であった。

2012年9月20日

 日本の戦場カメラマン、渡部陽一がアメリカの諜報員に追われている所を聖龍隊が救出。

 彼のイラクやイスラム国で撮った写真には、茶色の大地が深紅の血で塗れ、大勢の兵士が惨殺されている惨状が収められていた。

 しかも彼の写真に写っていた、惨劇を引き起こした国連軍の兵士らしき人物がなんと小田原修司本人であった。

 この事に国連やアメリカ政府は、彼が未だ国連に身を置いている人間兵器でかつ戦争抑制力である事から、イスラム国とその周辺国に滞在しているテロリストの殲滅を任務として負わせただけとの事。

 一方でアメリカの諜報員に渡部陽一氏が追われていたのは、アメリカの諜報機関が独断で戦場でテロリスト殲滅活動をしている小田原修司とその活動状景を写真に収めてしまった渡部氏を追い回していただけだと国連側は発言した。

2012年9月30日

 アメリカおよび国連機関が、中東でのイラン、イスラム国内のテロリストの殲滅完了を宣言。

 同時にテロ組織によって支配されていた非認可国家イスラムの完全消滅も宣言した。

 世界地図より完全にイスラム国家は消滅した瞬間であった。

 

2012年12月12日-20日

 革命軍士の殲滅と、彼らが行おうとしている全世界の人々を巻き込む一大計画を阻止するため、聖龍隊と国連軍の連合軍と革命軍士が激突した。

 革命軍士総元帥ブラッディ・ドラゴンが起こそうとしていた《世界再出発計画》と呼ばれる世界同時テロは、なんと世界中に仕掛けた放射能爆弾を連動で爆発させて、世界を放射能の海で覆い尽くす最悪の計画であった。

 この世界のあらゆる生きとし生けるものが死滅しかねない計画を阻止する為、普段は犬猿の仲の聖龍隊と国連軍が手を組み、ドラゴンの行き過ぎた行為を制止しようと立ちはだかる。

 多種多様な能力者に種族の集いでもある革命軍士と死力を尽くして戦い続ける中、元帥赤犬は不本意ながら聖龍隊に革命軍士のドラゴンを含む中心グループの打倒を容認する。

 聖龍隊は革命軍士の大軍勢を裂く様にして一気に進軍しては、ドラゴンを中心核に据えた革命軍士の中心グループを一気に目指す。

 

 遂に総長小田原修司と革命軍士総元帥のブラッディ・ドラゴンとの一騎打ちにまで展開が生じる。

 一方、他の聖龍隊も革命軍士の中心グループである大幹部達を退けて急ぎ小田原修司の許に駆け付けるが、そこでHEADや他の隊士が目撃したのは血塗れに成り果てた小田原修司を片手で掴み上げていた雲にまで匹敵する高さと巨大さを誇る黒い竜であった。この小田原修司を痛め付けた竜こそ、ブラッディ・ドラゴンの今まで隠してきたもう一つの姿なのである。

 実はブラッディ・ドラゴンは、かの有名なチェルノブイリでの原発事故の最高責任者である国の政府機関に属していた高官の息子であるロシア人で、彼もまたチェルノブイリ原発事故で巻き散らされた放射能によって竜に変身したり等の特殊能力を得てしまった、小田原修司と同じた三次元人であったのだ。

 ドラゴンは父や身内、更には母国と信じ切っていた国が自らの失態で引き起こしてしまった原発事故を世界から隠蔽するなどの禍々しい行為に幻滅し、身内や国への愛情を完全に消失してしまった事故当時青年であった人物だった。

 故郷が国の失態で滅び、全ての生きとし生けるものが失われていく現状を目の当たりにしたドラゴンは、自らの失態を力で強引に隠蔽する国家の傲慢さを討ち滅ぼすべく革命軍士を結成したのだという。

 

 更に、世界中を自身の故郷と同じく放射能の死の灰で覆い尽くすのも、彼が次第に自然の美しさを得ていく故郷を目撃した故である。

 人間という自然を破壊するしか殆どの才がない種族が完全に根絶された故郷には、青々しい草木が生い茂り、シカやイノシシといった最初は放射能で死滅していた動物たちも次第に数を増やしては清々しい自然の美景が故郷に表れる様になった。この事によりドラゴンは「人間の居ない世界こそ、真に美しい世界に生まれ変われる」として、故郷と同じく世界を放射能で溢れ返そうと目論んでた。

 だが、その企ても聖龍隊によって静止。ドラゴンは故郷の地であるチェルノブイリで、その生涯を終えた。

 

 この一件以降、世界はチェルノブイリへの見方を改め、聖龍隊の技術で完全に放射能が除去できたチェルノブイリは特別保護区に認定されて、自然公園として定められた。

 聖龍隊は母国に裏切られ、故郷を失ったドラゴンを、皮肉にも母国の失態で一時は命が死滅したため麗しい程に美しい自然が芽生えたチェルノブイリにドラゴンの墓標を立てた。

2012年12月23日

 聖龍隊総長小田原修司が国連に「己の戦争抑制兵器としての権限と絶対的地位」を返上し、代わりに国連からは彼の人権が返還された。

 同時に小田原修司はアニメタウン市長と聖龍隊総長の座からも退き、市長には側近で秘書であったウッズ氏に、聖龍隊総長には腹心の側近であるバーンズに譲り受けた。

2012年12月29日

 小田原修司、アニメタウンより海外に向けて旅立つ。

 その際、空港内で加賀美あつこに婚約指輪を贈呈。今までの感謝と共に己の心情を告白した。

 

2013年1月

 ホークスの2012年シーズン終了を受けて、王会長の要請を受けた景浦安武ことあぶさんが、2013年シーズンより一軍の助監督に就任。

 

2013年2月12日

 前年より建造してた起動エレベーターが4基とも完成し稼働する。

 同時にエレベーター関連の事業を効率的に進めるために、三次元政府は今までとは全く異なる新しいタイプの二次元人「新世代型二次元人」の生誕プロットを開始。

 起動エレベーター「ヤコブ」の管理官であるルミネを中心に事業は展開されていく。

2013年2月14日

 起動エレベーター「ヤコブ」で交通事故が発生。

 その後、新世代型たちによる異常者(ヒール)化現象が続出。

 世界規模で様々な場所での異常者(ヒール)鎮圧に聖龍隊が総力を挙げて取り組む。

2013年2月20日

 新世代型二次元人ルミネやその一派の異常者(ヒール)化を受けて三次元政府は新世代型二次元人の生誕プロットを全て破棄。

 だが新たな時代に適応する二次元人の要望は絶えず、三次元政府は事件発生から数週間も経たない内に、より厳密なプロテクトを施した新世代型二次元人の生誕を再開し始める。

2013年2月25日

 前聖龍隊総長小田原修司が兼ねてより執筆した自伝小説「聖龍伝説」の三部作が同時に発刊され一般に発売。

 聖龍隊古参のメンバーの経緯はもちろんであったが、何より読者に衝撃的だったのが小田原修司本人が、自身が発達障害者であると公表していた事であった。

 

2013年3月

 厳重なプロテクトを施した新世代型たちが新たに生み出されていった。

 

2013年4月

 国連軍、シュテルンビルトの司法局ヒーロー管理官兼裁判官のユーリ・ペトロフ氏を逮捕。

 同局のシュテルンビルト在住のヒーロー達の制止を振り切り、国連軍はペトロフ氏をそのまま連行。

 

2013年5月

 ユーリ・ペトロフ氏、国連軍元帥マグマード・岩田の抜擢で保釈。

 「異世界徴兵」制度により、国連軍元帥補佐官として国連軍に現職する。

 二つ名は「煉獄の執行人ルナティック」

 

2013年8月12日

 社長の座から退任し会長となった島耕作氏が、小田原修司が不在となった現世情を財界人としての視点で見据えて、新聖龍隊総長バーンズと環境問題や食糧問題さらには国家間の民族問題や人種問題などに協力して世情と経済情勢を俯瞰していく事を示す。

 

 

 

 

[小田原修司と聖龍隊が辿った時代]

 

『……………………………………』

 余りにも衝撃的すぎる小田原修司の出生から現在に至るまでの歴史の流れ。

 その年表を全て読み終えた瀬名アラタを始めとするハルキ/ヒカル/サクヤの4名。そしてその4人の思考から共有感知で互いに情報を共有してしまう他の新世代型たちも、小田原修司や聖龍隊が歩んできた激動の時代を知って驚愕しては蒼褪めてしまう。

 すると自分たち新世代型が生み出される以前の歴史を一通り知って驚きの余り自然と後退りしてしまう吹野タダシが壁にぶつかってしまい、その際タダシ少年は背後の壁面に掛けられた顔に気付いては衝撃を受ける。

「み、みんな! ……あれ」

 衝撃を受け震える指で壁に吊り下げられたソレを指差す吹野タダシ。

 皆がタダシの只ならぬ様子に、そっと視線をタダシが指さす方に向けると、その先には見慣れた顔が暗闇の中で鋭い目付きに力強い顔立ちで表情を変えずに存在してた。

『きゃあああっ!!』

 それを見た女子達は恐怖の余り絶叫してしまい、男子達の中には思わず腰を抜かしてしまう者までも続出した。

「ど、どうした!?」

 突然の新世代型の女子達の悲鳴に、腰を抜かす新世代型の男子達を目の当たりにしてメタルバードや大将たち聖龍隊や赤塚組が新世代型の許へと駆け付けた。

 そして駆け付けたメタルバードが新世代型で最初にソレに気付いた吹野タダシに訊ねた。

「どうしたんだ」

 メタルバードからの問い掛けにタダシは震える口と指で、壁にあったソレを指差した。

「あ、アレ……お、小田原修司のクローンが……!」

「なにッ?」

 先ほど自分達に脅威を示してきた小田原修司のクローンがいると言い出すタダシの恐怖に引き攣る言動に、メタルバードが懐中電灯に変形させている右手をタダシが指さし新世代型たちが恐怖を示す方へ向けてみると其処には……

「……なんだ、驚かすな。修司のクローンじゃなく、写真じゃないか」

「へっ?」

 光を照らして壁面の上の方を照らしてみたメタルバードの目に映り込んだのは小田原修司のクローンではなく、小田原修司の写真であった。これにはタダシを含む全ての新世代型たちが唖然としてしまう。

 メタルバードに指摘されて、落ち着いて改めて目を向けてみると確かに壁に居たと思われた小田原修司の姿は実在しているものではなく、黄金色の額縁に填められた小田原修司の上半身を収めた顔写真であった。

 黒い短髪にシワのよった眉間、常人よりも若干大きい耳たぶに太い眉、鋭い目付きに力強い顔立ち。更には自身のイメージカラーでもある黒をベースとした黒い布地に赤いラインが施された軍服に身を包み、白いワイシャツには目には優しい緑のネクタイ。そして襟元には聖龍隊の結束と隊士の運命を護るとして象徴されてる五芒星の飾り、右胸にはかつて聖龍隊を救ってくれた希望を象徴する魔鳥をあしらった蒼い飾りが一際目に着いた。

『…………………………………………』

 クローンと思っていたのが、実は額縁に収められている写真であったと気付いた新世代型たちは一気に拍子抜けしてしまった。

「な、なによ。ただの写真じゃないの……もう、タダシったら」

「お、驚かさないでくれよ……てっきり、また小田原修司のクローン兵器が出現したのかとばっか……」

「ご、ごめん。みんな……」

 タダシの驚愕した様子に、再び小田原修司のクローンが出現したとばかり思い込んでしまった笹川ノゾミと嵐山ブンタはタダシに荒い息遣いで言った、二人の言葉を受けて吹野タダシは二人を含んだ新世代型の皆に謝罪した。

 そして皆が落ち着きを取り戻していく中、写真だと認知した上で改めて小田原修司の顔を拝見する真鍋義久は、写真の中の小田原修司の顔に対して異様な心持ちで心境を口に出した。

「確かにクローンと違って凶暴染みてはいないけど……それでも不愛想で怖い顔だな」

「仕方ねェよ。アイツは四六始終、不愛想で笑う事なんか滅多にない男だったからな」

 先ほど自分達を襲ってきたクローンと違い凶暴性が表れてないとはいえ愛想のない強面であると発言する真鍋に対して、メタルバードが小田原修司の日頃の表情について語り返した。

 

 すると瀬名アラタや星原ヒカル達が目を通していった年表の内容を共有感知で知り得た新世代型たちは、未だ小田原修司の写真に驚いた拍子の興奮が納まらないままメタルバードたち聖龍HEADに、年表に綴られていた歴史について思い感じた事を正直に質問していった。

「あ、あの……この本に記載されていたんですけど、聖龍隊が異常者(ヒール)を処分の名目で現場で殺害したり矯正させたりしていた背景には、この通りの出来事がアニメタウン当時の二次元界で起こったからなんですか?」

 まず最初に本に綴られていた歴史が本当の事実なのかを確かめる為に、星原ヒカルは読み耽ってた歴史の本をHEADのメタルバードに差し出して確認してもらった。彼ら若い世代の二次元人は普段の教育で二次元界や三次元界の歴史も当然ながら学んではいたが、本に赤裸々に綴られてた歴史の年表の様に詳細なまでの事実までは教えて貰う所か教師ですら知らなかった事実も多かったのだ。

 ヒカルから本を手渡され、中身を一通り確認したメタルバードは本をヒカルに返すと同時に綴られてた歴史について答えた。

「ああ、本の中に表記されてる歴史は殆ど内容は間違っちゃいない。それにしても此処まで詳細に記された歴史の本があるとは……益々ここは修司に関しての研究が盛んに行われていたんだろうな」

 本に綴られてる歴史が殆ど事実である事と、此処の研究施設が本に綴られた歴史の中心人物 小田原修司についての研究を盛んに行っていた事を改めて実感するメタルバードの言動に、ヒカルたち新世代型は衝撃を受けた。

 時には血生臭くキナ臭い事件の多くにも、小田原修司という人間が関与していた事実に衝撃を隠せなかった。

「む……昔から、私たち二次元人の中から精神が異常になったり身体まで変異してしまう異常者(ヒール)が発生していたんですか?」

 激しく動揺しながらチョコが不安げに訊ねると、ジュピターキッドが当時の事を詳細に語ってくれた。

「ああ、悲しいけど事実さ。それも義兄さんの……小田原修司が産まれた三次元界と結合してから、一般の極々普通で平凡な二次元人が発狂したりして周囲を殺傷していく様な事例の異常者(ヒール)発生が目立っていたから遺憾だったよ」

 極普通で危険性も無かった筈の二次元人の精神が前触れもなく発狂し、周囲の物を破壊したり人を殺傷したりといった異常行動が見受けられ、更には異形の怪物へと変貌してしまう現状を昔から目にしてきたジュピターキッドの言葉は実に重みがあった。

 だが此処で、新世代の少年イオリ・セイの母親であるリン子が共有感知で知った異常者(ヒール)排除法案の内容について問い詰めてきた。

「で、ですけど……! あなた達の前の総長、小田原修司くんは精神が異常になって普通では無くなってしまった二次元人だけじゃなく、陰湿な子供や大人までも異常者(ヒール)として処罰して来たって記されてますけど、いくらイジメや犯罪に加担していたとはいえ子供まで殺処分していくのは、あんまりだと思うんですが!」

 大人だけでなく子供までもイジメや犯罪を行っていれば処分していく小田原修司の考案した排除法案は酷すぎると訴えるリン子。だが彼女の切実な訴えにメタルバードが、その事情の背景を語り明かした。

「それは、修司自身が余りにも二次元人の存在そのものを美化しすぎちまっていたからな。だからイジメを始めとする陰湿な行為を平然と行える少年少女も処分していく法案を施行していっちゃったんだろうぜ」

「美化し過ぎた?」

「ああ……修司はオレたち二次元人こそ、三次元人が見本とすべき素晴らしい種であると固く信じてしまってた。だからこそオレたち二次元人の人権保身も必死に取り組んではいたが、その反面で陰湿な行為を平然と行う二次元人の存在は許せず、時には激しい軽蔑も抱いてしまってた。二次元人は間違いを犯さない素晴らしい種であり、全ての人々の見本として提示し続けなければならない尊い存在だと。だから修司は、そんな尊い二次元人のイメージを護る為に悪質非道な二次元人の存在を許さずに、徹底した法案で処罰していっちまったって事。まぁ、俗にいう……オレたち二次元人が全て正しい存在であり、非人道的な行為をする二次元人こそ手違いで生まれてしまった異常な存在、悪性の腫瘍だと信条しちまってたんだな。修司は」

「そんな……!」

 メタルバードから小田原修司が二次元人の存在を美化しすぎた為に、その素晴らしい種のイメージを保つ為にこそ非人道的な行いに走った二次元人も異常者(ヒール)として認定し殺処分する法案を執ったと聞かされたリン子に新世代型たちは衝撃を受ける。

 すると今度はプロト世代の海道ジンが冷静な面持ちでメタルバードに質問をした。

「それではメタルバード。なぜ三次元政府も小田原修司が考案した異常者(ヒール)排除法案を可決し、施行したんだ? いくら、あの9・11の惨劇があったとはいえ異常者(ヒール)認定された人物を無条件で容赦なく殺処分してしまう様な、それこそ人権侵害の様な法案が可決されるなんて……それも、当時の世情まで認可しただなんて信じられない」

 認定を受けた者を強制的に連行したり処分の名目で時にはその場で殺害されてしまう人権無視の法案が、いくら世情が2001年の9・11で乱れ混乱していたとはいえ三次元人が受け入れたのか理解し切れない海道ジンの質問にも、メタルバードは苦渋の思いの中で答えた。

「やっぱ時期的にマズかったからかな。9・11が起こる前からすでに二次元人と三次元人が共存してた世界だったから、その中での異常者(ヒール)発生は三次元人に多大な恐怖心を植え付けてしまった。それ以降、三次元人は二次元人の存在そのものを疎く感じたり煙たがったり、時にはそれこそ二次元人そのものを化け物扱いして迫害しようとする運動まで起こっちまっていたからな。三次元人は異常者(ヒール)になってしまった、いやなってしまう可能性を持った二次元人を恐れる様になってしまった。その最中であの9・11だ。三次元政府は更に徹底した異常者(ヒール)化した二次元人の摘発と、世界中で勃発するテロの鎮圧から凶悪犯罪の一掃まで全てを排除法案で片付けようという方向性に変化しちまった。三次元界でも厄介である権力者の汚職や犯罪行為、更には教育現場での教師の暴行や体罰に生徒間でのイジメ等の問題を……言い方は悪いけど面倒だったから一気に片付けて綺麗さっぱりさせようと、修司が考案した排除法案を施行して問題のある政治家や警察の上層部の人間、更には教育現場でイジメをした生徒の摘発やそれを隠ぺいしようとした教育者までも武力で跡形もなく消した方が得策だと思ったんだろうな。余計な手続きもいらないで処分の名目で殺して問題を解決できる異常者(ヒール)排除法案は、まさに三次元人達にとって実に都合のいい有難味のある法案だった訳さ」

「し、しかし……武力で全てを丸く収めるやり方はどうも……」

 メタルバードの話を聞いてもなお武力による問題の鎮圧化に難局を示すジン。するとメタルバードの話してくれた事情に納得し切れないジンに、ジュピターキッドが話をした。

「テロリストに然り、犯罪者に然り、イジメ問題に然り、法律家の勃発した法を武力にしての好き放題に然りと……三次元界では何かと問題が発生した。そんな凶悪な行為を抑制できなければ、それこそ政府の存在理由までも危うくされかねない。しかし費用も人材も足りない故に、それまでの法律の下での裁きや解決までには時間も費用も掛かり過ぎて政府の財政は圧迫されていく一方だった。そんな所に兄さんが異常を来した二次元人を取り締まる異常者(ヒール)排除法案を拵えてしまったから、三次元人もこれを合法的に可決して施行しては問題ある人間を老若男女問わず処分していった訳さ。それが同じ政府側の人間でもね。……これまた言い方は悪いけど、要するにトカゲの尻尾切り。腐敗した勢力や存在を尻尾と捉えると、他の体の部位に当たる組織部分までも腐敗してしまい、遂にはトカゲそのもの組織そのものが死滅してしまう。だから共倒れの形で死滅するよりは、腐ってしまった尻尾を断ち切るかの勢いで腐敗した組織部分を徹底的に排除していった方針だったのさ」

「要するに……組織そのものにまで悪影響が出る前に、問題を起こした役員までも徹底して処分して切り捨てていたって訳ですか」

「……まぁ、そうなるね。学校や市の教育委員でも、その法案で続々とイジメをした生徒が殺されていき、同様にイジメを隠ぺいした教師や教育委員会の人間も合法的に抹殺されていってしまったしね。こういった教育現場での問題は教育庁が、法律家の犯罪は法務庁にまで火の粉が飛ぶ可能性も示唆されていたから。火の粉が国会の組織まで飛び火する前に、予め処分していったってのが政府の本音だよ」

「酷い……まさか何人もの子供や教師までも虐殺されてしまっていたとは……!」

 このジンの発言を聞いて、メタルバードが即行で口を挟んだ。

「虐殺じゃない、処分だ。異常者(ヒール)と認定された人間の処分を殺人や虐殺なんて言ってみろ。排除法案を施行している国々はもちろんそれを認可している国連までも非難する事になる。つまりは異常者(ヒール)の処分を犯罪であると公言してしまえば世界中を敵に回す事になるし、何より今の時代ほとんどの人々が排除法案に賛同している中で法案を反対する者は、それこそ異常者(ヒール)以外はいないってのが世間の認知だから、排除法案に反対する意見の持ち主は裏で凶悪な犯罪や非人道的な行為をしてるから怖がって反対してると世間から思われて迫害されたり下手すればそれこそ異常者(ヒール)として認定されちまう。本にだって載っていただろ。2004年の9月1日に、ロシアの学校を占拠したテロリストが逃亡しようとしていた所を、外で待ち受けていた一般人に取り囲まれて足や腕を切断されて虐殺されたって。テロリストに対して世間は完全に9・11で多大な嫌悪感を示しちまっているのに、そんなテロリストと同様の存在として見られてる異常者(ヒール)だと世間から睨まれたら生きていられねェぞ」

「……………………」

 異常者(ヒール)排除法案に反対しただけでもテロリスト同様の立場である異常者(ヒール)と世間から後ろ指を指され、最終的には生存も難しくなっていく現実をメタルバードに指摘された海道ジンは黙り込んでしまった。

 すると先ほどから海道ジンやメタルバードにジュピターキッドの話を真剣に聞いていた、ジンと同じ教師の猿田学が難しそうな顔で考え始めた。

「確かにジン先生の仰る事も納得できる。武力による問題解決は、結局は新たな憎しみを生んで更なる悲劇にも繋がってしまう……だが一方で排除法案が設立されるまで解決できずに放置されていた問題を速急で解決でき多くの人命を救う事ができる異常者(ヒール)排除法案の在り方にも同意してしまう……」

 この深く考え込む猿田学を見て、ジュピターキッドが難しい表情で話した。

「皮肉なんだけど、異常者(ヒール)排除法案でただ単に異常者(ヒール)を殺処分したり投獄したりしているだけじゃなく、異常者(ヒール)と認定を受けた人間の所有財産の9割を押収する政策で、排除法案を施行している国は何処も財政難に陥っていないのも現実だからね。日本も東関東大震災で多大な被害が被り、巨額の被害額も生じてしまったとはいえ、それまで貯蓄していた異常者(ヒール)からの欧州財産を使って、東北の地は徐々に復興できるまでに至り、多大な損害金を被ったのに日本政府の財政は安定し未だに消費税が5%までに抑えられているからね。政府の財政に詳しい人は、異常者(ヒール)排除法案が無ければ日本の財政は破綻し、消費税も今ごろは8%にまで上昇されていたかもしれないって。確かに多くの血が流れてしまう法案だけど、その分政府の懐が潤って財政が常に安定するのも異常者(ヒール)排除法案の長所なんだよ」

「お、お金の問題なのかな……?」

 排除法案のお陰で、法案を施行している国の財政は全く動じず安定している現状を言うジュピターキッド。だが彼の話を聞いて琴浦春香は金銭的な、財政の問題だけかと疑問を抱く。

 そこにメタルバードは異常者(ヒール)排除法案で緩和された人々の恐怖について語り明かしてくれた。

「それに異常者(ヒール)と認定される輩には、自爆や無差別テロを起こすテロリストも当然ながら含まれている。人々は9・11を発端にテロへの恐怖心で心を支配されちまっているんだ。そんな人々に安らぎを戻させる為にも、徹底したテロリストの排除も兼ねて異常者(ヒール)排除法が世界中で施行されている訳なんだよ。あの9・11で、世界はテロと凶悪犯罪への恐怖で染まっちまったからな」

『……………………』

「それに、テロリストや凶悪犯罪者だけでなく異常者(ヒール)化して狂気的になったり怪物に変異してしまう二次元人への恐怖心を三次元人達が抱いてもいるから、その恐怖心を緩和させる為にも排除法案が世情でも常に施行していこうと認識されてるしな」

「そうだな。三次元人の異常者(ヒール)への恐怖心も、9・11のテロの影響で未だに消えてないのが現状だからな。二次元人は本来、平和的で優しい種族である事を伝道していた修司にとっては、異常者(ヒール)化した二次元人の存在こそ間違いであり抹消しなければならない存在であると、結局は異常者(ヒール)も無差別テロを行うテロリストと同等にしちまう発言を述べていったから今でも排除法案は強く推奨されているんだ」

 メタルバードの話してくれた三次元人が異常者(ヒール)化した二次元人への恐怖心を拭う為にも排除法案は必要であると述べた直後に、同じHEADのキング・エンディミオンキング・エンディミオンも9・11以降の世情がテロへの恐怖心と重なって異常者(ヒール)化した二次元人も同等に恐れているからこそ未だ排除法案が撤廃される気配がない事を述べ、二人のHEADから話を聞いた新世代型たちは物凄く遺憾に感じた。

 するとメタルバード達の話を聞いて薙切えりなが高飛車な態度で淡々と語り出した。

「ほっほっほっほ、別に異常者(ヒール)認定を受けた人の事を考えていたって何の得にも成らないわ。むしろ異常者(ヒール)が摘発されて、私たち平和的な極普通の二次元人の立場が護られるのであれば、もっと処分してくれた方が好都合だわ。私達、健全な二次元人には全く関係のない事ですしね」

「ま、待ってよ! それはあんまりじゃないですか。確かに過ちを犯したのは間違いだったとしても、何も殺す事はないんじゃ……」

 えりなの意見に琴浦春香が反論すると、えりなは態度を変えずに毒気のある言葉を延々と述べていく。

「けれども、そうでもしなければ三次元界の人々は私の様な健全な二次元人も異常者(ヒール)という化け物と見てしまうんですのよ。それを防ぐ為にも小田原修司は異常者(ヒール)排除法案を考案し、施行していったのではないのかしら」

「だ、だけど……」

「それに、確かあなた琴浦春香って言ったわよね。貴女の父親って自分の利益の事しか考えない身勝手な人間で、最終的には貴方の御祖父様である企業の会長から絶縁されて、それを腹いせに貴女の腹違いの幼気な妹さんに暴力を振るって、それで異常者(ヒール)として投獄されているんでしょ? 可哀そうね、身内がテロリスト同様の人権を剥奪された人でなしだなんて」

「……………………」

「あとそれから、貴女と一緒にいるその森谷ヒヨリは実家が怪しい宗教団体で、そこの信者に命じて真鍋って人を殺させようとした殺人教唆の罪で異常者(ヒール)になる可能性のある二次元人を記載するブラック・リストに名前が挙がってる危険人物なんでしょ? それに貴女の母親も、貴女への冷遇し切った扱いで同じくブラック・リストに載っているし……ハッ、ほんとに散々ね貴女。身内には二人も凶悪で残忍な両親がいる上に、すぐ側には平気で人殺しを依頼する典型的な悪女がいるなんて。私だったら恥ずかしくて自決してしまいますわ」

「……………………………………」

 薙切えりなからの容赦のない毒のある台詞の数々に心をズタボロにされてしまう琴浦春香。そして琴浦春香の近場で、同じくえりなにブラック・リスト入りの凶悪な二次元人として言われて心を激しく痛める森谷ヒヨリ。

 そんな淡々と二人の傷心を抉る発言をする薙切えりなに、遂に真鍋義久の堪忍袋がキレてしまった。

「おい! 巨乳女! 今の発言、撤回しやがれ! 琴浦は自分の両親が周囲から白眼視されてるのを辛く思っているんだぞ! 琴浦自身も自分の能力故に周囲のクソッタレな身内どもから迫害されてきたからな。それに森谷にもだ! 確かに森谷は昔、俺を信者を使って襲わせた上に、その前からも琴浦に陰湿な行為を繰り返してきた今でも許せねェ女だけどな!! テメェの様にズケズケと人の傷を抉る様なクソ女とは違うんだよ!!」

「な、何ですって……!」

「貴方! よくもえりな様に其処までの暴言を……!」

 真鍋の怒りの発言に逆上するえりなに、そのえりなに浴びせた暴言に怒りをあらわにするえりなの秘書、新戸緋沙子(あらとひさこ)

 そんな危うく一触即発になる状況を鎮圧しようと、咄嗟に聖龍隊士のトリコと金剛番長が二人を制止しに掛かる。

「おい、お前ら」「無意味なケンカはやめろ」

 トリコはえりなを、金剛番長は真鍋の首を後ろから掴み、まるで猫の子の首を掴む様に二人を片手で軽々と持ち上げてしまう。

「ちょ、ちょっと貴方! いくら聖龍隊の方だからって失礼ですよ! て、イタタ……首を掴まないで、痛い」

「い、痛い! ちょっと握力強すぎないっすか? 猫じゃないんだし、下ろしてください。イタタ……」

「それなら……!」

「もう無益な争いはやめるんだ。良いな」

 首の後ろを強靭な握力で掴まれ痛がるえりなと真鍋に対し、トリコと金剛番長は喧嘩をしない事を条件に二人を解放した。

「ふぅ、イテテ……何も首根っこを掴む事はないでしょ」

 首の後ろを摩りながら涙目になる真鍋。

「イタタ……」

「えりな様、大丈夫ですか? あんな無礼で常に悶々としている浅ましい男の言う事など気にする事はありません。此処は堪えて、一刻も早く学園に帰りさっさとあんな野蛮な連中の事など忘れましょう」

 首を痛がるえりなに寄り添う新戸緋沙子(あらとひさこ)は、真鍋や琴浦たちの様な無礼で野蛮な輩とは関わらず、一刻も早く帰還して忘れてしまおうと、えりなに話し掛ける。

 

 そんな揉めそうになる真鍋義久と薙切えりなの両名を落ち着かせた所で、新世代型たちは改めて異常者(ヒール)排除法案について聖龍隊に訊ねた。

「そ、それにしても……あなた達は当時の総長さん、小田原修司くんが発案した異常者(ヒール)排除法案に反対しなかったんですか?」

 新世代型のイオリ・リン子が聖龍HEADに問い掛けると、現総長のメタルバードがリン子の質問に答え返した。

「そりゃ、オレ達だって最初は戸惑ったさ。しかし異常者(ヒール)に変異しちまう二次元の多発で、同じ二次元人はもちろん別次元の三次元人までにも被害が及んだから見過ごす訳にもいかなかった。何より排除法案に盛り込んだ法案の中には、二次元人の人権を保持する名目やオレたち聖龍隊を始めとするヒーロー達の権限保護も入れていたから渋々ながら俺達も承諾しちまったのよ」

「二次元人の、人権保持……? それにヒーロー達の権限って……」

 メタルバードが答えた排除法案に盛り込まれた二次元人の人権保持と英雄達の権限について疑問視するリン子に、メタルバードは詳細に述べた。

「まず二次元人の人権保持、これは排除法案を施行する国家内での二次元人への無暗な差別や迫害を無くす為に修司が提案した法律だ。当時から三次元人の中には《反・二次元人思想》を持つ輩が多くて、無差別に二次元人を殺傷したり危害を加える事例が多発していたんだ。それを防ぐ為にも、修司はアニメタウン内での二次元人同士の迫害や差別行為を異常者(ヒール)の行為と認知する法案に仕込んだ上で、排除法案を施行した日本などの国々でも二次元人への差別や迫害を犯罪として徹底的に異常者(ヒール)として排除していく方向に誘導したんだよ。未だにオレたち二次元人を「絵から出てきたバケモノ」として差別視したり迫害したり……または二次元人は元より、漫画そのものを汚らわしい書物や羞恥極まりない低俗な読み物としか見てない三次元人の一派も多いけどな」

「……俺達は低俗な種だって事かよ」

 メタルバードの話した理由に普段は見せないしかめっ面で不服を言い返す幸平創真に、ジュピターキッドが二次元人は元より漫画の歴史について新世代型たちに語り明かす。

「僕たち二次元人は元より漫画というものは、昔は低俗で品の無い読み物としか見られなかったからね。日本でも昔の漫画の事を赤っ恥な本の俗称で「赤本」と呼び捨て低俗な読み物の部類に入れていた時期があった程だからね。戦後の日本では、少しは漫画という文化が受け入れ始められたけど、それでも未だに漫画への偏見は色濃く残ってしまってるんだ。その偏見の偏りが、僕たち二次元人そのものに向けられてしまってるのが現状であるんだよ」

「ッ……俺達は赤っ恥そのものの低俗な輩って見られてるのかよ」

 ジュピターキッドの三次元人が持つ二次元への偏見を聞いて激しく口元を歪ませて怒りを表す猿投山渦(さなげやまうず)。そんな彼にもジュピターキッドは渋々な面差しで現状を語ってく。

「まぁ、そういった偏見を少なくするのは難しかったよ。今ではようやく世界的にも日本の漫画文化は高く称賛されて、日本に多大な利益を貢献している文化として再認識されているし。ただ問題は、そういった今の現状でも異常者(ヒール)化してしまい二次元人/三次元人双方に被害を与えてしまう二次元人が続出しているからこそ、二次元人の立場を護る為に致し方なく異常者(ヒール)を排除の名目で処分していく法案が必要になって来てしまったんだ。異常者(ヒール)化した二次元人を放っておけば、それこそ三次元人の二次元人への反感や偏見は一層と強まってしまうからね」

「それが……異常者(ヒール)排除法案が施行され、未だに継続している理由なんですか」

 話を聞いて過去から現在に至るまで排除法案が継続されている理由を知る新世代型の茨千里。

 そして再び話し手はメタルバードに戻り、メタルバードは自分たち当時のHEAD組が何ゆえ異常者(ヒール)排除法案に反対しなかった二つ目の理由、英雄達の権限について語り明かした。

「そしてもう一つの理由である英雄達の権限についてだが……これは俺たち聖龍隊を結成したり加盟した特殊能力者を含む英雄達を護る為の法案なんだ」

「どういう事ですか?」

 メタルバードの話に何時になく真剣な顔立ちで問い詰めていく瀬名アラタに対して、メタルバードもそんな真剣に耳を傾けてくれるアラタに対し同じく真剣な表情で語り返す。

「今でもそうだが……特殊能力を持つ二次元人ってのは何かと迫害の対象にされちまうのが現状だ。そんな能力者の保護も活動目的に加えている聖龍隊の権限を強固なものにする為、修司は異常者(ヒール)排除法を俺たち聖龍隊が執行していく上で欠かせない特別な法律を組み込んだんだ」

「どんな法律なんですか……」

 真剣な語り口調にアラタも真剣な表情で訊き返すと、メタルバードはハッキリとその法について答えた。

「ふむ、それは……ヒーロー達の活動を公務として認定する法案だ。つまりヒーローを公務員にする法案さ」

「こ、公務員!?」

「公務員って事は、つまり市役所の役員や政治家と同じって事じゃないですか!」

 メタルバードが言い放った法案の内容に、アラタだけでなく細野サクヤまでも思わず驚愕してしまう。メタルバードは二人だけでなく話を共有感知でもしっかりと脳内に伝わって驚愕する新世代型たちに詳細な理由を述べていく。

「確かに役人と同じ立場にするって法案は、最初は俺も古参の聖龍隊メンバーは全員最初は戸惑ったよ。しかし修司が言うには、ヒーローを自警団と捉える警察当局や司法機関との摩擦を無くすには、ヒーローやヒロインといった存在を正式に公務員にして、自警活動と認識されない様にする必要があったんだよ」

「自警活動?」

 話に出た自警の言葉に違和感を感じる新世代型たちに、参謀総長のジュピターキッドが苦悩に満ちた顔で語り明かしていった。

「僕達だけでなくヒーローやヒロインの正義の行為を、警察や法務関係の人間は自警活動つまりは犯罪者や無法者の行為として捉えるケースも少なくはなかった。現にヒーローの活動を自警行為として捉えた警察がヒーローを捕まえ様とする事例は過去にも多数報告されている。ヒーローの本場アメリカでも、バットマンは元よりスーパーマンも最初は警察や市民から自警活動を行っている危険人物として見られてしまっていたのが事実だしね。兄さんは、そんなヒーロー達を保護していく為にも、ヒーローを国家の治安維持活動に奉仕する職務つまりは公務員に指定して彼らの活動を援護していく法案を排除法案に組み込んだんだよ。だから異常者(ヒール)排除法案が施行されてる現代では、正式なヒーロー組織に加盟しているヒーロー達は自警団員ではなく正式に国が認可している公務員の立場に身を置けたからこそ、警察にヒーロー活動を妨害される事はなくなり逆に警察から頼られる存在にも変化できたって訳」

「まぁ、確かに……見方によってはヒーロー達の活動は自警行為として捉えられてしまうのが悲しいですけど現状ですからね。でも、そのヒーロー達を公務員に認定して自警団では無い事を正式に世の中に認可させる考えは誠に素晴らしいですな!」

 ジュピターキッドが語ってくれたヒーロー達を自警団ではなく治安維持の活動をする公務員として認定させる法案の在り方に、新世代型の猿田学は多大な感心を募らせた。

 そんな猿田学の反応も見て、ジュピターキッドに続いてメタルバードが再び語り始めた。

「修司は異常者(ヒール)排除法案で、異常者(ヒール)認定された凶悪犯から所有財産を没収するやり方にする事で、凶悪犯が金で悪徳弁護士を雇って無理やり裁判で無罪を勝ち取ったり、保釈金で釈放されない様にするのと同時に、排除法を施行する国に多大な財源が入るのを見越していたんだよ。政府は安定した財源を収入する為に、排除法案を可決するのは修司には目に見えていた事で、政府が金目的で排除法案を可決するのと同時に、ヒーローやヒロイン達を自警団という犯罪者にするのではなく治安維持を目的とする公務員に認定させる事にも成功したんだ。皮肉だけど、政府が財源目当てで排除法案を施行したのと同時に俺やセーラー戦士達などのヒーローやヒロインは警察にも追われずに平然と公の場で英雄として活動できる様にもなった訳だ。そして英雄の活動内容としても、オレたち聖龍隊が異常者(ヒール)を処分・適正していく公務活動を加える事で聖龍隊の基盤を強められたんだ」

 押収した異常者(ヒール)や犯罪者の所有財産による安定した財源収入を国が欲した為に排除法案が施行された訳だが、それと同時にヒーロー/ヒロイン達も自警団では無く列記とした治安維持を保持する公務員に認定する法案も可決された事で、ヒーロー個人の権限は守られ同時に英雄集団である聖龍隊の立場も認可されたのだという。

 このメタルバードの話を聞いて、彼やジュピターキッドと同じく古参のメンバーであるミラーガールも複雑そうな表情で語ってくれた。

「そうよね。確かに修司が発案した排除法案は余りにも過激すぎて私も引いてしまったけど、同時に二次元人の軋轢や迫害を無くす為にも排除法は必要だった上に、能力者を始めとする二次元人の保護活動も活動目的にしている聖龍隊の各隊士であるヒーローやヒロインの立場を護る為にも排除法が必要だったのよね。昔から、ただ単に人を救いたいって思っているヒロインなんかも自警団として見られて警察が現場に駆け付けてくる事も珍しくなかったし。そういった意味では、修司は私たち二次元人やヒーロー/ヒロインを何が何でも守りたかったからこそ排除法案を施行した訳なんだけど……」

『……………………』

 ミラーガールの話に黙然と耳を傾ける新世代型たち。そしてミラーガールは心痛な面持ちで悲しげに語り続けた。

「修司は、本当に昔からよく口にしてたわ……「この世には英雄が少なすぎる。もっと大勢の正義を守るべき逸材が必要だ」って。修司はヒーローやヒロインが大勢いた二次元界にやって来ても、まだ正義を守らなければならない英雄の存在が不可欠だって。だからこそ権力を用いたり、9・11の様に世情が動乱している最中で巧みに異常者(ヒール)排除法案を奨励したりして、私たち二次元人を……英雄を護ってくれていたのよ。その分、修司にはかなりの負担を掛けさせちゃって、それで遂には異常者(ヒール)のギロチン処刑はもちろんコレクション・シークレットなんかも密かに所持したりして自分の権威を強く見せつけようと暴走してしまった事もあったわ。最終的には自分自身を追いつめ過ぎちゃって、うつに罹ってしまったし」

 悲しそうに語り明かしてくれるミラーガールの話を聞いて、小田原修司の自身の立場を保身していたのか疑問に思う新世代型たちは、躊躇う事無くミラーガールにその事を訊ねた。

「つ、つまりその……小田原修司さんが権力を欲したり、それを維持してきたのは、あくまでも自身の保身ではなく私たち二次元人の人権を保持する為だったんですか? 聖龍隊という英雄集団を政府から認可させる為にヒーローやヒロインを公務員にする法律を組み込んで、その法律が組み込まれた排除法案を維持してきたのも……全ては二次元人という存在を護り続ける為だったからなんですか?」

「……そういう事になるわね。ヒーローにヒロイン、そして二次元人の存在を逸早く守れる方法と言ったらそれしか無かったって修司は言ってたわ。私は他の方法もあるんじゃないかと言ったんだけど、他の方法だと時間がかかり過ぎてその間に多くの二次元人が迫害され時には傷付けられるかもしれない、だから修司は自分の権力を強めていくのと同時にその権力で二次元人を護っていこうと決意したのよ」

『…………………………』

 新世代型の野々原ゆずこからの質問に悲しそうに答えるミラーガールの話を聞いて、彼女の切実な言葉の重みと悲痛な面持ちを見て言葉を失う新世代型たち。

 

 だが小田原修司の出生から現在に至るまでの歴史を再認識した新世代型たちは、気を取り直して今度は別の疑問を聖龍HEADにぶつけた。

「と、ところで……この本には、僕ら一般の二次元人が実際の歴史の勉強で学んでいる以上に詳細な出来事と内容が綴られてはいるんですが……少し気になった事か。当時はまだHEADに昇格していなかった東京ミュウミュウとマーメイドメロディーズの皆さんが加盟した経緯ってのは? 今ではネットで簡単に二次元界でも一部の二次元人の情報を知れるんですが、それは殆どが正式な筋書き。つまりは小田原修司や聖龍隊が加担してない筋書きしか記されていないんです。バーンズさんはどういった経緯でミュウイチゴさんやるちあさん達を加盟させたんですか?」

「おっ、良い質問してくれちゃってるね。いやぁ、今思い返すと色々と懐かしいぜ。まぁ、解りやすく言うとオレがこいつ等と接触したのは丁度、ミュウミュウズが一通りの敵を倒し終わった後、要するにアニメ最終回後ってとこだな。マーメイドメロディーズの方は、まだ海斗の兄貴であるガイト率いるダーク・ラヴァーズが悪党だった頃に俺が勧誘したんだよ。ま、最初オレは人間のフリをして接触した訳なんだが…………」

 小野田坂道の質問に、バーンズことメタルバードは実に懐かしそうに当時の二組への接触と勧誘について嬉々と語り明かしていった。

 それは当時アメリカに渡米して本場の軍事国家の下で本格的な軍の組織構図と軍人としての規律や訓練法などを小田原修司が積極的に学んでいた頃の事。

 最初バーンズは人間の青年、褐色肌で赤い生地の長袖のシャツに茶髪のシャギーヘアーの青年の姿に変身した状態で彼なりの接し方でそれぞれの関係者達に近付いていった。

 バーンズは最初、最初の強敵を倒してディープ・ブルーつまり蒼の騎士こと青山雅也がミュウミュウの面々と和解した後、当時ミュウミュウメンバーが本拠地にしていたカフェミュウミュウに赴き、当時のミュウミュウ達を結束させていた白金稜とカフェミュウミュウのマスターをしながらメンバーを陰で支えていた赤坂圭一郎の二人と接触。最初バーンズは自身が聖龍隊の副長である事を隠し、表向きを聖龍隊からのスカウトマンとして接触し、ミュウミュウのメンバーに今後のチームとしての活動とその維持を約束させる代わりに聖龍隊に加盟するよう呼び掛けた。

 そして後日、アニメタウンの国政を担う聖龍隊と関係を持つ事に多少の戸惑いを感じながらもミュウミュウのメンバーは青山雅也を含めて全員が聖龍隊の一部隊として加盟するのであった。

 一方のマーメイドメロディーズは、ガイト率いるダーク・ラヴァーズと敵対していた時期に人間に変身したバーンズがるちあ達の保護者という名目で彼女達を支援していた七海にこらと、彼女が支配人を務めているプチホテル「パールピアリ」で接触を試みて、そこからマーメイドメロディーズの勧誘を少しずつ時間をかけて説得していった上で聖龍隊に加盟させたのである。

「……とまぁ、簡潔に話を纏めれば、こういった経緯でオレが修司が不在の時にミュウミュウズやメロディーズなんかの二次元人を聖龍隊に勧誘していったって訳さ」

 と。当時聖龍隊副長だったバーンズが不在の総長小田原修司に代わって、東京ミュウミュウにマーメイドメロディーズを始めとする多くの二次元人を最初は人間の青年の姿で接触し勧誘してきた経緯を簡潔に纏めた話を聞く新世代型たち。

「そ、それじゃ……その肝心の総長さんが帰ってきた時は、総長さん本人も認めてくれたんですよね」

 簡潔に纏めた話を聞いてキララがメタルバードを始めとするHEADに訊ねると、メタルバードは意気揚々と話をした。

「ああ、もちろん! 何より修司が渡米する前に、オレに聖龍隊の隊士を増やして置くようにと言われていたから、オレは色んなキャラクターを勧誘していった訳なの。無論、俺が選抜して勧誘した二次元人の能力や三次元人からの知名度など、アニメタウンに帰って来た修司本人が厳しく審査したけどな。オレの眼識が正しかったのか確認する為にも。で、オレの観察眼が高かったのを修司は再認識した上で正式にいちごやるちあ達を聖龍隊の一員したって訳さ」

 更にメタルバードは当時の総長小田原修司によって認定された面々を前々から支援している人々や本拠地などが今はどうなっているのかも話し続けた。

「そして正式に認可された後は、ミュウミュウズが本拠地にしていたカフェミュウミュウやるちあ達の保護者である七海にこらが支配人をしているパールピアリも当初は聖龍隊の管轄下に納めて、当時からメンバーを支えていた白金稜に赤坂圭一郎そしてにこらの姉ちゃんも当時から聖龍隊の支援部に就いている身の上よ」

 このメタルバードの話にジュピターキッドは話を付け足した。

「当時の聖龍隊は、今と違って全ての隊士が素性を隠して活動していたからね。今の様に僕らHEADを始めとする一部の隊士だけが素性を公開する様になったのも最近の事だし、それまではカフェミュウミュウもパールピアリも聖龍隊管轄の企業や店舗とは公にはなっていなかったけどね」

 現在、聖龍HEADを始めとする一部の隊士のみが素性を公開して活動している現状だが、少し昔まではHEADを始めとする全ての聖龍隊関係者は素性を明かす事は無かったのだ。それ故にカフェミュウミュウもパールピアリも聖龍隊管轄下に納まっている素性を当初は公にしていなかった。

 するとメタルバードとジュピターキッドから経緯などを聞いた新世代型たちは、次に別の質問をぶつけてみた。

「そ、それじゃ……例のブラック・ラヴァーズ。当時はダーク・ラヴァーズだったガイトさん達は、失礼ですけど何故いまでも生存しているんですか? 確か物語の筋書きでは、ダーク・ラヴァーズの人達は全員死んでしまっているんじゃ……」

 新世代型の鹿島ユノの質問に、そのガイトの弟の堂本海斗が真顔で答えた。

「それは…………直接、兄貴から聞いた方が良いと思うぜ。君達を護送する時に少しばかしは顔を見合わせるかもしれないし。なんせあの時は俺でもパニくったからな」

「?」

 弟である海斗の言葉に疑問が更に募るユノや他の新世代型たち。

 すると海斗の話に付け足す様に、大将も新世代型たちに話していった。

「まぁ、今の御時世、三次元人の修司が二次元界に参入した事で色んな二次元人の運命が変わっちまっているからな。死ぬ筈だったキャラクターが未だ生存していたり、または生きている筈のキャラが逆に死んじまったりと……修司の影響で二次元人の運命ってのが大幅に激変してるからな」

「そ、そうなんすか……」

 大将の話に燃堂力が言葉を呟き返すと、大将は新世代型たちに話し返す。

「まぁな。HEADでも本来はりりかにプルートの姉ちゃん、それにちせが。俺のとこでは同作品の出身でミズキにテツとふゆみ、アケミとアツシにそれと夏子も本来なら死んでいてこの世にはいなかった筈の二次元人なんだ。だから、こいつ等が今でも生存できているのはある意味修司の影響って事になるな」

 ダーク・ラヴァーズの面々だけでなく、聖龍HEADではナースエンジェルにセーラープルート、ちせ。赤塚組ではミズキにテツとふゆみ夫妻、そしてアケミとアツシ夫妻に秋夏子らも本来なら死んでいる筈なのだが、小田原修司の二次元界介入で多くの二次元人の運命などが大幅に激変した事を大将は包み隠さず話した。

「……で、ですけど。本来の二次元人の運命や物語の筋書きを変えてしまったってのは、ある意味問題なのでは……」

 新世代型の星原ヒカルが大将の話を聞いて、二次元界の本来の運命や筋書きを変えてしまっているのは問題なのではないかと不安げに指摘すると、ヒカルの指摘に大将が頭をかきながら答えた。

「確かに……本来の物語の流れを変動させちまった事については今でも賛否両論あるがな。だが……」

 大将は続けて、賛否両論ある修司の変動させた二次元界について自分の意見を率直に言った。

「……だけどな。修司が二次元界に来て、多くの二次元人の命を護ってくれた。お陰で俺はアッコだけじゃねェ……聖龍隊のバーンズやジュニアはもちろん、今では俺の大事な仲間であるミズキや夏子達と会う事が出来た。修司が命がけで運命を変えて、存命させてくれた多くの親友(ダチ)と出会えた事に……大勢の二次元人たちと会えた事に俺は感謝してる!」

『…………………………』

 多くの人々と出会えた成り行きに導いてくれた修司の功績に感謝する大将の熱い話に思わず黙然と耳を傾ける新世代型たち。そんな彼らに大将は更に熱く語り続けた。

「真鍋! それにえりなの嬢ちゃん! お前さん達は、さっきからやたらと口喧嘩していやがるが……それもまだ、一つの縁ってもんなんだぜ」

『!?』

 突然の大将の名指しに戸惑ってしまう真鍋義久と薙切えりなの、先ほど激しく口論し合ってた二人に大将は語っていった。

「喧嘩ってのは、確かに度を過ぎれば流血沙汰になっちまうほど深刻な事だ。だけどな……逆に言えば、出会えたからこそ喧嘩できるって考えもできるんだぜ。お前さん達が新世代型って理由だけで此処に連れて来られたのは悪運だったが、逆に今まで顔も合わせてなかった新世代型同士がこうして顔を合わせられた訳なんだ。そういう意味じゃ、出会いの仕方は最悪だったが同じ新世代型として出会えたのは一種の幸運だったんじゃないかと俺は思ってる! ……まぁ、俺たち赤塚組や聖龍隊の場合は昔から色々とあって今では腐れ縁みたいな間柄なんだがな」

 最後に苦笑しながら人と人との出会いとそれで生じる縁について、思わず唖然と聞き入ってしまう新世代型達だった、

 人は決して、一人だけでは幸せにはなれない。そう大将の話で改めて人と人との出会いの素晴らしさを再認識されたプロト世代のチョコがある事を思い出して、話をしてくれた大将や聖龍隊の人々に言い放った。

「そういえば……! 修司さんが執筆した自伝本にも記載されていました。人との出会いは、昔の言葉で表すと《仕合せ》つまりは幸せ、幸福だと。誰かと出会う事こそが人としての幸せの原点なんじゃないかって……私は小説を読んで、そう思いました」

「そうか。修司の奴、聖龍伝説シリーズに、そんな事まで書いてやがったのか……」

 チョコから小田原修司の自伝小説にして聖龍隊の結成に関する裏話が克明に記されている《聖龍伝説三部章》のシリーズに、人との出会いの素晴らしさも記されている事を知った大将は旧友である修司も同じ様に人との出会いを心から喜んでいた事を再認識した。

 更に大将の話を聞いたチョコは、大将の意見に穏やかな表情で賛同する心情も述べた。

「私も……もし二次元界に修司さんが来てくれなかったら、聖龍隊という素晴らしい人達と出会える事もなかったですし、何より琴浦さんを始めとする多くの自分の作品以外の二次元人と友達になれたもの! そう考えたら、やっぱり修司さんが二次元界に来てくれた事は間違いなかったって思えます!」

「ちょ、チョコちゃん……!」

 チョコの自分が出演している作品以外のキャラクターと出会い、そして交友を持てた事を非常に嬉しく思ってる本音を述べていった。そんなチョコの言葉に琴浦春香は心から感銘を受けた。

 そんな一人の少女チョコの言葉を聞き受けて、聖龍HEADのメタルバード達もチョコの話に自身の思いを語り始めた。

「確かに、チョコや大将の言う通りかもな。俺たち聖龍隊も、ある意味一種の腐れ縁で繋がってる組合みたいだしな。それでも違う漫画家、違うアニメ制作会社……そういった垣根を越えて俺たち今の二次元人達が出会えたのは紛れもなく修司の尽力の賜物だった。人との巡り合わせ、その運命の螺旋が折り重なった時に生じる出会いという奇跡の元、今の二次元界はもちろん時代をも築き上げて来られたとオレはそう思ってる」

「そうだな……修司が巡り合わせてくれなかったら、俺も青児やりりか達とも出会えてなかった。そして次世代を担う多くの二次元人とも出会う事はなかっただろう」

「そうね。修司くんが私達を巡り合わせてくれたから、私たちは修司くんと共に多くの二次元人を救って来られたんだもの。そして……同じ時代を生きる友としても」

 小田原修司が引き合わせてくれた巡り合わせで出会えた事を心の底から懐かしみながら同時に至福に感じ入るメタルバードにエンディミオンにセーラームーン。

「……何より、私はともかくプルートさんやちせさんの様な心優しい多くの死ぬ筋書きだった二次元人が今でも存命できているのは、紛れもなく修司さんのお陰ね」

「そうですね。彼が居なかったら、私もナースエンジェルも、そしてちせちゃんも本来の物語通りに死んでしまってた。その運命を変えてくれたのは、修司くんに他ならないのは確かね」

「私も。兵器としてではなく、人の命を護る強い二次元人の一人として運命を導いてくれた修司くんには大変感謝しているわ」

 本来の物語では死んでいる筋書きであったナースエンジェルにセーラープルート、そして最終兵器であったちせは自分達の運命を変え、更には共に道を切り拓いてくれた修司の恩恵に多大な感謝を言い表した。

「それなら私だっておんなじ気持ち。聖龍隊で多くのヒロイン達と知り合っては友達になれた事も嬉しいし、今この場にいるみんなと出会えた事にも凄く嬉しく思ってるわ。でもそれ以上に……私は、修司という一人の強い信念を持つ人と出会えた事が何よりも嬉しくって仕方ないわ!」

「さ、さすがはアッコさん……長年思い続けて、ようやく去年に結婚を約束してくれた人だけには並々ならない思い入れがあるみたい」

 凛々とした面立ちで大勢の二次元人と出会えた事はもちろん三次元界からやって来た修司との出会いにも只ならぬ喜びを抱いてるミラーガールの発言を聞いて、その熱い感情に圧迫されつつも苦笑の顔でミラーガールの本心を聞き受けるギュービッド。

 だがしかし、ミラーガールは今や自分の婚約者になった小田原修司との出会いだけではない、多くの人々の出会いという素晴らしさを新世代型たちと目を合わせて穏やかな表情で話していった。

「もちろん、修司だけじゃないわ。自分の作品、自分の世界だけでなく、他にも多くの物語の人々と知り合い、そして親睦を深めてこられた。これは単に聖龍隊内や赤塚組の様な私達と親しい間柄の二次元人だけじゃない。修司以外の多くの三次元人の人達とも少しずつ交友を深めていけたし、それで今まで知らなった世界を知る事だってできた。私もバーンズや大将、他のみんなと同じ。修司の影響で多くの二次元人と出会えた事を……心から嬉しく思ってるわ」

 自分達と目を合わせて穏やかな表情で凛々と話していくミラーガールの一言一句を、新世代型たちは心に深く受け止めるのだった。

 

 すると大将や聖龍HEADの話を聞いた新世代型の棗鈴が、先ほど本の内容に記されていた異色の存在について聖龍隊に訊ねてきた。

「ま、まぁ。確かに小田原修司が二次元界にやって来た事で多くの二次元人が救われたり、はたまた世界情勢が良い傾向になって来たのは間違いないとは思うんですが……だけど2000年ごろに現れた、ジャッジ・ザ・デーモンはどうなんですか? 二次元人か三次元人かは今もって謎みたいですけど、残忍残虐な殺し方をする輩までも出現してくる様になったのは、やっぱり二次元界と三次元界が交流したからじゃないですか?」

「まぁ、そうだな……ジャッジ・ザ・デーモンが姿を現す様になったのは、ちょうど二次元界と三次元界の交流が始まった頃だし、何らかの因果関係があると思っちまうな」

 棗鈴の話を聞いて、確かにジャッジ・ザ・デーモンの出現時期が二次元界/三次元界の交流が始まった時期から少し経ってからで余りにも奇遇であるのを、同じ新世代型の磯貝ゲンドウが零す。

 と。そんなジャッジ・ザ・デーモンの話を耳にしたギュービッドたち三人のプロト世代が、話をしている新世代型たちに話し掛けてきた。

「だけどさ、そもそもジャッジ・ザ・デーモンって本当にいるのかも実際は怪しいもんなんだぜ。アタイ達プロト世代の二次元人が出世した時期からなんだけど、余りジャッジ・ザ・デーモンの事に関する報道は耳にしてないね。何よりジャッジ・ザ・デーモンは一種の都市伝説に近い架空の存在だっていう噂もチラホラ聞いてるぜ」

 男口調で語るギュービッドの話を聞いた新世代型たちは、聖龍隊にジャッジ・ザ・デーモンと最初に共闘したと言われてる2005年3月の二次元界と三次元界の全面戦争勃発事件について問い掛けた。

「メタルバードさん。メタルバードさん達HEADは実際、あの2005年の戦争でジャッジ・ザ・デーモンと共闘していたって聞いてますけど、ジャッジ・ザ・デーモンはちゃんと実在しているんですか?」

 新世代型の月影ちありからの問い掛けに、メタルバードは正直に答えた。

「ああ、アイツはちゃんと実在しているぜ。Mr.フェイクが引き起こした戦争の時は俺らと協力し合って、一刻も早い戦争の収拾に追われたもんだぜ」

「確か、その戦争を引き起こしたMr.フェイク。本名をジャクソン・グレイシスという当時のアメリカ将軍が引き起こした数々の謀略が積み重なって引き起こされた戦争だったんですよね」

 出雲ハルキの質問にメタルバードが再び答える。

「そうだ。戦争が起こる前から、奴は様々な犯罪を引き起こし二次元人と三次元人が衝突するまで謀を企ててきた知能犯にして愉快犯だった。ただ、戦いが終わってから知った事だがMr.フェイクは多重人格で出現してしまった人格が原因だったと判明。その後は戦争大罪人などの重罪には課せられず、精神患者収容所に収容された。まぁ、今でも奴は懲りずに犯罪を重ねてはいるけどな」

「精神疾患が理由で重罪には課せられないのは分かっていますが、それでも未だにMr.フェイクの犯罪は耳に新しいですよね。いつも新聞のトップを飾るほどの大犯罪を繰り返していますし……」

 東郷リクヤの言葉に、ジュピターキッドが返した。

「まぁね。Mr.フェイクは常に人々に注目されたがっている三次元人で、自称《犯罪コーディネーター》などの呼び名を自分で名乗ってる始末だし。他の犯罪者や異常者(ヒール)を言葉巧みに誘導して、時には協力し合ったり、または裏でその犯罪者達の悪事を操っている事も多いから、実に手のかかる異常者(ヒール)なんだよ」

 ジュピターキッドの芯にMr.フェイクへの気苦労が伝わる言葉を聞いて、新世代型たちは聖龍隊がMr.フェイクに対して未だに悩まされている現状を察知する。

「……そういえば。2005年3月の戦争にはアクア・レジーナである、るちあさん達も参戦してると本には記載されていましたけど。皆さんから見てMr.フェイクって、どんな人間だったんですか?」

 2005年は既に聖龍隊の一員として戦争に参戦していたマーメイドメロディーズの面々に新世代型の毛利十四郎が訊ねると、マーメイドメロディーズを戦場では実質束ねている隊長の堂本海斗が毛利十四郎の問い掛けに答えた。

「ああ、あの時は確か俺やミュウミュウズも聖龍隊の一隊士として参戦し、兄貴が従えるブラック・ラヴァーズも当時はそれほど有名ではなかった元凶悪犯や元悪役で構成されたマン・ヒールズの一員として参戦していた……あの戦争は、さすがにショッキングだった」

 海斗は当時の二次元界と三次元界の全面戦争への参戦を、こう振り返った。

 Mr.フェイクの謀略により勃発してしまった二次元界と三次元界の全面戦争。これには当時、まだHEADに昇格してなかったマーメイドメロディーズにミュウミュウズ、そして当時はまだ無名に近かったマン・ヒールズに加盟したばかりのブラック・ラヴァーズの面々は懸命に戦争で争い合う二次元人と三次元人の収拾に取り掛かっていた。

 だが戦争収拾に駆けずり回っていたマーメイドメロディーズは、戦場と化した地域の廃工場内に密かに建設されていた核ミサイル発射装置の存在を工場内で閉じ込められてしまったHEADの通信機から傍受して知った。

 そして堂本海斗は兄であるガイト達と共に、自分らの専用機であるディープ・アクア・マリーンの兄弟機、白銀のシルバー・マリーン号とブラック・マリーン号で急ぎ廃工場に駆け付けたのである。

 マーメイドメロディーズとブラック・ラヴァーズが専用機で工場に突入した時、ちょうどジャッジ・ザ・デーモンとMr.フェイクが一騎打ちしていると同時にジャッジ・ザ・デーモンが核ミサイルの発射システムを必死に停止しようとしていた真っ只中であった。しかもその間、聖龍HEADの面々は発射システムと連動してた時限爆弾が設置された特殊な牢獄に閉じ込められており、マーメイドメロディーズは発射システムはジャッジ・ザ・デーモンに任せて自分達は急ぎHEADメンバーの救出に挑む。

 そしてジャッジ・ザ・デーモンと戦闘に加わったブラック・ラヴァーズ、そして解放された聖龍HEADの軍勢でMr.フェイクと乱闘を始めたのだが、誰もが予想だにしなかった形でMr.フェイクと決着がついた。

 乱闘の最中、Mr.フェイクが顔に装着していたマスクが外れ、それに半ばMr.フェイクの狂言誑しな台詞に癇癪を起してたガイトが、Mr.フェイクのマスクに機関銃を乱射してしまった。だがマスクが粉々に全壊したと同時にMr.フェイクは泣きじゃくり完全に戦意を喪失。

 こうしてMr.フェイクは世界中を巻き込んだ大犯罪を犯しながらも前代未聞の形で幕を下ろした。

 更にこの時、Mr.フェイクが仕掛けた発射システムと連動してた時限爆弾にジャッジ・ザ・デーモンは爆弾の解除よりも戦場に投下されそうになってた核ミサイルの発射システムの停止に取り掛かっていた為、もしマーメイドメロディーズが駆け付けて爆弾を解除していなかったら文字通りHEADは全員爆弾で死亡していたかもしれなかったという。

『…………………………』

 堂本海斗の話に黙然と聞き入る新世代型は当時の戦況下でのMr.フェイクの核ミサイルまでも使用してまでの謀略に、HEADの牢獄に仕掛けられた爆弾よりも戦場で無意味に争い合わせられている二次元人と三次元人に投下される核ミサイルの発射システムの解除を優先したジャッジ・ザ・デーモンの行為に絶句してしまう。

 そんな新世代型たちに、海斗は最後にMr.フェイクの内情と戦争時のジャッジ・ザ・デーモンの行動について述べた。

「Mr.フェイク……いやジャクソン・グレイシスは幼少の頃からの厳しい軍事的教育で精神を病んでしまい、それで最初はフェイクスというもう一つの人格が生まれてしまった。そのフェイクスこそ後のMr.フェイクという人格者に成り果ててしまったんだよ。そして戦争終了後、Mr.フェイクは自身の一番の強敵を戦争時に自分と対峙したジャッジ・ザ・デーモンであると認識し未だに犯罪を繰り返している。そして反対にジャッジ・ザ・デーモンは人命の数の多さを優先して、複数の聖龍HEADよりも何百万人って数の争ってる二次元人と三次元人の人命を優先して時限爆弾の解除よりも発射システムの停止に取り掛かった訳なんだが……皮肉にも、そういった多くの人命を優先しながらのデーモンの行為が世間では大々的に認められた訳なんだけどな」

「た、確かに……命の数じゃ、HEADよりも戦争に投下されてる二次元人や三次元人の方が圧倒的に多かったのは分かるけど、それでもやっぱHEADを尻目にMr.フェイクと戦いながら核ミサイルの発射を食い止めてたジャッジ・ザ・デーモンには何だかな……」

 海斗の話を聞いて、HEADよりも戦場で戦う多くの人命を優先したジャッジ・ザ・デーモンの判断に難色を示す新世代型のレイジ。だが難色を示すレイジにメタルバードが複雑な面差しで話し聞かせた。

「まぁ、確かにあん時は俺らよりもミサイルの発射の停止を優先させたのは少し複雑ではあるが……だが今考えてみたらジャッジ・ザ・デーモンの判断は正しかったと俺は思ってるぜ。オレ達HEADよりもMr.フェイクの謀略で無意味な戦争を繰り返してしまってた多くの二次元人と三次元人の人命の方を優先したのは、正しい判断だったと俺も他のHEADも今では受け入れている」

 更にメタルバードは新世代型たちに顔を向けては真剣な表情で話を語り始めた。

「みんなも思ってはいる事だろうが、ジャッジ・ザ・デーモンは確かに凶悪犯罪者に対しては冷酷非情に惨殺している由々しき存在なのは否定できない。しかし奴の的確な判断力は間違いないとオレ達HEADは確信している。冷酷な殺人鬼と思われているが、奴はそれこそ平等な裁きを罪人に与え、同時に救うべき命も救っている事だけは心に留めといてほしい」

「……何だが、ヤケにジャッジ・ザ・デーモンの肩、持ちますね」

 まるでジャッジ・ザ・デーモンを弁護しているかのような話を述べてくメタルバードの話を聞いて、新世代型の四宮小次郎が疑問に満ちた目を向けてきた。

 これにメタルバードは半ば慌てた様子で弁論していくのだった。

「い、いやな……確かにアイツのやり方は途轍もなく血生臭い残忍な手法なんだが、同時にオレ達も何度か助けられている事が多いんだよ。それに何より、別に奴の肩を持とうって気は微塵もないぜホントに」

「ふぅ~~ん……ところで。ジャッジ・ザ・デーモンって結局は一体何者なのさ。怪人とかある時は宇宙人だって諸説色々あるけど」

 半ば慌てながら話し返すメタルバードの様子に疑心の眼差しを向けながらも、ギュービッドがジャッジ・ザ・デーモンの正体についてメタルバードに問い質す。するとメタルバードは真顔で答えた。

「それは…………簡単な事だ。アイツはどう転んでも、ただの罪人に捌きを与える鬼に変わりはないさ」

 正体は結局、罪人達を独自の解釈で裁き続ける鬼に変わりないと述べるメタルバードの言葉に、ギュービッドはもちろんチョコや桃花に新世代型達は納得できなかった。

 すると此処で新世代型の鬼龍院皐月が聖龍隊の面々の話を聞いて、一つの疑問を思い浮かべてはその疑問を問い掛けてきた。

「そういえば……聖龍隊の方々。その戦争には小田原修司氏は参入しなかったのですか? 一応、歴史で学んで知ってはいるのですが、その戦争に小田原修司が参戦してたという報告や記事はどの教材や資料にも載っていなかったんですが」

 鬼龍院皐月からの質問にメタルバードは焦りつつも的確に答え返した。

「あ、ああ……あの時の修司は本部のアニメタウン基地で待機してたんだ。やっぱあの時は戦争にまで発展しちまった非常事態で、修司も戦争に加わるのを躊躇っちまったんだよ。何せアイツは三次元人だけど同時に俺ら二次元人の味方をしていた訳だし、修司の奴も戦場に参戦したらどっちの味方すれば良いか悩んでいたんだろうよ。まっ、そんな修司の事情を知ってオレら修司以外の聖龍隊が戦争の収拾に尽力したって訳だ。うん」

「そ、そうですか……」

 若干の焦りを見せながら答え返すメタルバードの話を聞いて、鬼龍院皐月はその様子に少しばかしの違和感を覚えながらも納得する素振りを見せ返した。

「へぇ~~。小田原修司って、やたらと好戦的な性格だって聞いていたけど、案外そうでもなかったんだな」

 鬼龍院皐月の質問に答えるメタルバードの話を聞いて、小田原修司が好戦的な性格だと周知していたギュービッドや新世代型たちは意外そうな表情を浮かべる。するとメタルバード同様、何やら慌てながらミラーガールがその小田原修司について皆に説いていく。

「し、修司だって時には争いとかに身を投じない事だってあるのよ。よく誤解されやすいけど、修司はあくまでも平和を愛していたのは私たちHEADや他の聖龍隊のみんなと変わらなかったのよ。確かに修司は昔から武術とか武芸に磨きを入れたがるほど好戦的な人だったのは間違いないけど、それは自分を鍛える為であって決して無益な争いを好んでいた訳じゃないのよ。其処だけは分かって」

「は、はい……」

 慌てながらも必死に小田原修司の実情を訴えてくるミラーガールの話を聞いて、チョコを始めとする聖龍隊以外の面子は目を丸くしながら同意する。

 

 一方でMr.フェイクが引き起こした戦争の戦況と、それに対応したジャッジ・ザ・デーモンの話を聞いた直後【ガンダムビルドファイターズ】の面々はルーキーズの鹿目まどかやキリトそれにシルバー・ロウ達、スタールーキーズの面々に本に記されていた年号の出来事について問い質していた。

「あ、あの! この2009年の7月の豪雨には聖龍隊管轄のSRM、正式名称:聖龍ロボットメンバーズを含んだ聖龍隊が総出で災害救助に駆け付けたと書かれていましたが、皆さんも多くのガンダムキャラ達と共に救助活動に勤しんだのですか!?」

「い、いえ……私たちは……」

 目の色を変えて半ば興奮しながら問い質してくるラルを始めとする【ガンダムビルドファイターズ】の面々から質問に追われて困り果ててしまう鹿目まどか達ルーキーズの面々。

 すると其処にルーキーズの総部隊長であるミラールが問い質す面々に言葉を掛けて、彼らの鬩ぎ合いを制止した。

「ああ、みんな。悪いけど、彼らに聞いても何も知らないわよ。まどか達はつい最近、聖龍隊に加盟したばかりで当時の豪雨での救助活動には参加もしてなければ聖龍隊にも加わってなかったんだから」

『えっ?』

 ミラールの発言に質問をしてた一同は全員、静まり返ると同時に動きすら止めた。

 そしてミラールから近年、聖龍隊に加盟した事を知らされた面々は改めて新人である聖龍隊士に落ち着いた様子で問い掛けた。

「あ、あなた達……最近、聖龍隊に入ったばかりなの?」

 キララが問い掛けると、ルーキーズの新人である鹿目まどかにキリトそしてシルバー・クロウが答えていった。

「え、ええ……私たち、去年聖龍隊に加盟したばかりで」

「そんで、最近までは訓練生として実戦には出ずに訓練して貰ってて……」

「実戦に投下されたのは、ホントにごく最近なんです。しかも本格的に実戦での戦闘を経験したのも、現世奉還が施行された後からなんですよ!」

 まどか/キリト/シルバークロウの言葉で、彼らが先日施行された現世奉還で初めて実戦を経験した本当に真新しい聖龍隊の隊士である事を一同は周知した。

 すると近年に聖龍隊に加盟したばかりの面々に代わってニュー・スターズの総部隊長フロートが漢気溢れる口調で話し掛けてきた。

「アウッ、あの頃はおれたちニュースターズが名を聞かせていた時期だったから代わりに話してやらァ! そもそも、あん時はまだルーキーズは結成されても居なかった訳だしな。ハハッ」

 フロートはそのまま当時の豪雨での災害時の救助活動について熱く語り明かしてくれた。

「あん時はまだ、総長修司がウツから全回復してなかった時期でもあったから、総長じゃなく副長のバーンズが救助の指揮を執っていたぜ。おれやカトレアを始めとするニュー・スターズはもちろん、日本国内の大災害という事でジュン達スター・コマンドーも参入しては共に洪水に浚われる連中を救助していったもんだぜ。HEADの先輩達も、例のスコーピオン同盟とのゴタゴタや総長が隠し持っていたコレクション・シークレットで多少ながら世間からの信頼を失っていたから、総動員で必死に救助に勤しんだものよ」

「そ、その救助で活躍したのが……SRMなんですよね」

 フロートの話を聞いて興奮した様子で訊き返すイオリ・タケシに、フロートは面と向かって正直に答えた。

「オウっ、アンタらが好んでいるガンダムキャラ達もあん時は来てくれたぜ。ま、最も災害救助が主な活動内容のMRR《マシンロボレスキュー》の補佐として、他のロボットたちと共に駆け付けに来たんだがな」

「なんだ、マシンロボレスキューチームの補助として一緒に出動したって訳なんですね……まぁ、救助活動ならMRRの方が専売特許ですし些か仕方ないかもしれませんけど」

 ガンダムを始めとする多くの巨大ロボットが【マシンロボレスキュー】の補佐として駆け付けた事に少し幻滅するコウサカ・チナを始めとする一同だが、同時に災害救助ではMRRの方が上手である事も理解してた。

 するとフロートの話を耳に入れたギュービッドが、再び思い浮かべた疑問をフロートにぶつけた。

「……そういやさ。この年号にも小田原修司が参入しているとかは記されていないし、それどころか犯罪者を虐殺するジャッジ・ザ・デーモンが確認されてるって記されているけど、一体全体どうなってる訳? 総長がいない隙に虐殺の鬼が救助に勤しんでいたって」

 星原ヒカル達が目を通した本を覗いて中身に記されている年号や内容を知ったギュービッドからの質問に、フロートは真顔で答え返した。

「そりゃ、さっきも言った通り総長はうつ病の治療に専念してたから現場とかには出られなかったんだ。それと引き換えにだが、ジャッジ・ザ・デーモンが豪雨で流される家々を次々に飛び移りながら中に取り残された一般人の救助に勤しんでくれてたんだ。お前らは勘違いしているみたいだが、ジャッジ・ザ・デーモンは何も犯罪者を殺傷しているだけじゃねェんだ。実際にこの豪雨の前にもジャッジ・ザ・シティでアパートが火事に見舞われた際に、取り残された赤ん坊を体を張って救出した事もあるんだ。あの裁きの鬼さんだって、たまには命を救うって事をするのよ」

「でもな……結局は大勢の犯罪者を虐殺してるのには変わりないし、いっくら災害の時に人命救助に勤しんだって人殺しには変わらないしな」

 フロートの話を聞いてもなお、ジャッジ・ザ・デーモンが大勢の人命を奪い尽している存在には変わりないと口にするレイジや【ガンダムビルドファイターズ】の面々に、その他の新世代型たちの一同。そんな難色を色濃く顔に出す新世代型たちを横目で観察しながら、聖龍隊は複雑な心境に駆り立てられていた。

 

 すると瀬名アラタや星原ヒカル達が目を通した歴史の年号を、共有感知で己の知識として吸収した新世代型たち。その一人が徐に年号に記されていた記事について訊ねてきた。

「そういえば……その豪雨の時期と重なって、アニメタウン内では反政権派の反乱軍が横行していたって本には記されているけど……」

「は、反乱軍リーダー、赤塚大作……それに内乱の後の反乱軍は名を改めて……って、まさか……」

 新世代型の神浜コウジと彩瀬なるが顔を向けていくと同時に、二人の思想を共有感知で同じく通じ合った他の新世代型たちも同じ方向に顔を向けた。

 新世代型たちの視線の先、其処には大将に赤塚組の面々がいた。大将の本名は赤塚大作、そして本に記されてあった反乱軍の改名した名は赤塚組。つまり……

「…………そ、そうだよ。俺達が当時、アニメタウンで内乱起こしちまった反乱軍だよ」

 皆の視線を浴びた大将は、意を決して自分たち赤塚組が当時の反乱軍である事を複雑な心持ちで告白した。

 すると大将以外にも、皆の視線を浴びる赤塚組のアツシも複雑な面持ちで答え始めた。

「まぁ、あの時は俺達もトンデモない事やっちまったなって凄く後悔はしてる。いくら騙されていたとはいえ、昔からの友人である聖龍隊と戦う羽目になっちまったからな……」

 アツシに続き、赤塚組の秋夏子も罪悪感に苛まれる面差しで語り始めた。

「ええ、あの時の私達は意図も簡単に欺かれ、そしてまんまと利用されてしまった。年月が過ぎた今になっても、あのとき自分達が仕出かした過ちには胸が痛むわ」

 困窮の面持ちを顔に浮かべる赤塚組の面々を見て、新世代型たちは赤塚組の幹部達が皆揃って途轍もない罪悪感に今なお心を痛めている事を痛感した。

 

 話は打って変わって、新世代型たちは次に内乱後のアニメタウンなど世界各地で活動し、挙句の果てには聖龍隊と全面対決まで持ち出した当時の非合法組織《ブラッディ・レンジャーズ》について、当初そのブラッディ・レンジャーズに加盟していたとされる現在の総部隊長ミラールに尋ねた。

「ミラール総部隊長さん。貴女は聖龍隊に加盟する前は、例の非合法に異常者(ヒール)を排除していく組織ブラッディ・レンジャーズの一員として活躍してたみたいですが……」

 新世代型の神原秋人から問い掛けられたミラールは、真顔の表情を変えずに淡々と当時の自分の現状とレンジャーズを抜け出すまでを話した。

「ええ、あの頃の私はブラッディ・レンジャーズに加わる数年前から故郷である鏡の国を抜け出して放浪状態……つまりは家出していた時にレンジャーズのリーダーだったブラッドの誘いでメンバーに加わったのよ。私って物心ついた頃から王宮での生活が窮屈で、それで家出していた矢先でレンジャーズに勧誘されて、其処で色々と戦闘のスキルや銃火器の扱いなんかを教えて貰ったのよ。でもレンジャーズはその後、次第に異常者(ヒール)を狩るやり方が手荒くなっていき、遂には一般市民も巻き込んでまで過激になっていった。オマケにそれと同時期にレンジャーズのメンバーの

身体能力なんかも上がっていて……後で分かった事なんだけど、レンジャーズの背後には革命軍士が絡んでいて、そいつ等が私の変身能力で保存できる二次元人のDNAデータを用いてレンジャーズのメンバーの身体能力を違法に向上させていたのよ。私は最初、革命軍士ではなくレンジャーズに利用されたと思って、単身レンジャーズを抜け出したのよ……本当の異常者(ヒール)ハンター、そうヒーローになる為に」

 更にミラールは続けて、その後の自分が辿った経緯である聖龍隊加盟に関する過程も話していった。

「レンジャーズを抜け出た後は、追手としてレンジャーズが放った蠍型の巨大戦闘マシーンに追われながらアニメタウン内を逃げ回ったわ。まぁ、お陰でアニメタウンの至る所が瓦礫と化しちゃったけどね。その戦闘マシンを破壊する際は、駆け付けてきた当時の小田原総長が率いる聖龍隊の新人勢と協力して何とか破壊できたのは助かったけど……その直後に御縄に成っちゃったわ。しかも連行された先の集会尋問には鏡の国の女王である母さんもいたから、困っちゃったわよ」

「っ? ミラール、確か君は自分のお母さんの事をママって呼んでいたんじゃ……」

「わあ! 今それ言わない!」

 話している最中に割って入って来た沢田綱吉の問い掛けにミラールは焦りながら大慌てでツナの発言を制止する。

 そしてツナの発言を制止したミラールは、気を改めて再び自分が聖龍隊に加盟するまでの過程を話し出した。

「ま、まぁ……色々あって、私はどうにか当初は私に反感を抱いていたジュンも最後は納得してくれて、それでレンジャーズが仕掛けてきた世界同時テロの抑制力として参戦できたの。それからは当時の聖龍隊の新人組や総隊長と一緒になってテロの鎮圧や異常者(ヒール)になったレンジャーズの排除に全力を注いで対処したわ。……最初は、仲間だったメンバーを処分していくのは何かと複雑だったけど、中には完全に精神が異常化してしまって手の付けられない異常者(ヒール)にもなってしまってた輩もいたから致し方なかったわ。それからリーダーであるブラッドも倒したし、裏で暗躍してた革命軍士の総司令官も倒せて。それから晴れて私は聖龍隊の一員として認められたし、何より長年レンジャーズで培ってきた戦術の高さで一緒にレンジャーズ討伐に乗り出してた新人達も引き連れて《スター・ルーキーズ》を結成したって訳。まぁ私の教育の仕方が良いのか、今では新人養成部隊としても着任されちゃっているんだけどね」

 最後は自画自賛な言葉で話しを締め括ったミラールの話を聞いて、新世代型たちは唖然としてしまうばかりだった。

 するとミラールの話を聞いて、新世代型は去年に入隊し最近の現世奉還まで訓練生として特訓されていたマギカ組とAW組にSAO組以外のルーキーズの面々に問い掛けた。

「つまりブラッディ・レンジャーズとの戦いに参加した当時の聖龍隊の新人だった人達でルーキーズが結成されたって事は、ワイルドタイガーやいずなさん、トリコさんや門脇さんもレンジャーズと戦い抜いたって事ですか?」

「いや。あの時は確か、ワイルドタイガーを始めとするNEXTもトリコ達も、そして当時はまだ単独で霊媒師家業をしていた葉月いずなは聖龍隊に加盟してなかったと俺は聞いたが。同然、俺もその時はまだ聖龍隊に加盟してなかったから詳しい事は知らないが……」

 手早く金銭を収入できる事から聖龍隊に加盟した六道りんねの話を聞いて、問い掛けてきた直枝理樹は質問の矛先を当時はまだ聖龍隊に加盟してなかったと聞いたワイルドタイガーやいずな達に向けた。

「そうなんですか?」

 理樹の問い掛けにタイガー達は答えていった。

「ああ、俺達はルーキーズ結成後にシュテルンビルトでミラールから勧誘を受けて聖龍隊の一員になったんだ」

「私は聖龍隊に入る前は、町中で霊媒師家業をやりながら金を稼いでいたんだけど、ミラールと出会って聖龍隊に入隊した方が稼ぎが良いって言われて、それで入隊したの」

「オレ達はグルメ界で負傷しては迷ったミラール達を見付けて助けたんだが……その後、オレの戦闘スキルと小松の料理の才を見入ったミラールが半ば強引にルーキーズに入隊させられた訳だ。しかもミラールの奴、オレだけじゃ飽き足らずココやサニーまで強引に入隊させてな……」

 ワイルドタイガー/葉月いずな/トリコらの話を受けて、トリコの話に出てきたココとサニーがその時の状況を語った。

「まぁ、僕らも最初は戸惑ったけど……でもトリコや小松くん同様、世界中の食糧難で飢えている子供達の救済活動にも繋がる事だからって理由で聖龍隊に加盟したんだ」

「フッ、そうだな……何も食えなくて飢える気持ちは、俺たちも深く分かるんでね」

 微笑みながら語るココに反してサニーは己の美貌を全開で解放しながら語り尽くす。

 更に三人に続いてシンク・イズミら【DOG DAYS】組も口を開いて話し始めた。

「ぼ、僕たちは一昨年の11年に入隊して、そこから普通に実戦でも一緒になって戦っていたけど……」

「ええ……」

 シンク・イズミに続いて小さく頷くミルヒオーレ。

 そんな昔の話を語ってくルーキーズメンバーの中で唯一不満そうな面立ちを浮かべる門脇将人に気付いた新世代型たちは、将人に問い詰めた。

「将人さんは……その、ルーキーズに入ったってのは……」

 問い詰められた将人は、不満に満ちた面差しで新世代型たちに言い放った。

「ッ……俺の場合は、その……ああッ! 俺は最初は革命軍士側に立っていた異常者(ヒール)だったんだ! それでレンジャーズを背後で操っていた時は、そん時の総長の修司さんにボッコボコに殴り付けられ、挙句の果てには闇の心(ダーク・ソウル)で創り上げた闇の竜巻で吹き飛ばされて極寒の海に上空から落下するわ、最終的にはレンジャーズの空中要塞をアメリカ政府が所持していたレーザー衛星で撃墜させた時の衝撃波で危うく死にかけるわ大変だったわッ! それからしばらく経ってから小田原修司が手引きしていた仲間の裏切りでとっ捕まっちまうし最悪だったわ!! しかも牢獄での生活が嫌なら条件として聖龍隊に無理やり入れられて、修司の奴に特訓と称されて目いっぱい痛め付けられては顔面の骨に歯茎と何もかもが滅茶苦茶になっちまって……思い出しただけでも泣けてくるわァ!」

 敵側だった門脇将人は、最初の小田原修司との戦闘で徹底的に痛め付けられた過去だけでなく、その後の仲間の裏切りで聖龍隊に捕縛され、人権を失いかけている切羽詰まった状況下で小田原修司に聖龍隊への加盟を条件とした釈放を引き換えに半ば強引に聖龍隊に加えられ、挙句の果てには特訓と称され小田原修司との一対一の組み合いでは顔を中心に何度も殴打され歯茎などの骨が幾度となく粉砕されていった経緯を涙ながらに吐き散らす。

 そんな最後は涙目で聖龍隊との最初の接触から、聖龍隊加盟後に小田原修司に特訓で痛め付けられた過去を洗い浚い吐き散らす将人を見兼ねて、彼の従者であるミヤビが声を掛けてきた。

「ま、将人様……確かに私達が敵であった頃は、修司様は容赦なく敵である私達を痛め付けて、それこそ地獄の針の山に突き落とされる以上の苦痛を与えられましたよ。ですけど聖龍隊に捕縛されて危うく異常者(ヒール)として処分されかけた所に修司様が御情けしてくれて聖龍隊への加盟を条件に助けてくれたんじゃないですか。それに特訓で将人様を痛め付けていたのは、将人様や私の犯した罪を体を張って償わせる他にも、将人様自身を強靭な御仲間に育てようという修司様の手厚い御厚意だったのは将人様だって重々承知しておりますでしょ」

「だ、だからって……だからって……! あそこまでボコボコに殴らなくたって良いじゃないか……! 俺、滅茶苦茶痛かったんだからね。もう、顔は原形留めないほど腫れ上がるし、骨にひびが入って其処から雑菌が入って感染症になるわ。挙句の果てに歯茎までも砕かれて、今じゃ鼻の骨に5本もボルトが捻じ込まれている始末だしよ……!!」

 従者であるミヤビの問い掛けに対し、将人は泣きながらミヤビに体を預けてその場にしゃがみ込む。

 そんな昔は敵側であった為に出会った当初は小田原修司によって徹底的に痛め付けられ今ではトラウマにもなってしまっている将人の心境を察して新世代型たちは何も言わなかった。

 するとそんな泣きじゃくってしまう将人を見て【トリコ】組のゼブラが高笑いしながら語り始めた。

「ガハハッ、それぐらいで泣く様じゃまだまだだな将人のガキか! 俺なんか全総長の計らいでムショから娑婆に出してもらって、それで聖龍隊に加えて貰ったんだぜ」

 このゼブラの言葉を聞いて同じルーキーズのエルザ・スカーレットが笑顔で言った。

「そうだな。修司総長の計らいで、かつては牢獄に閉じ込められてたゼブラもジェラールも今では聖龍隊で活動できているからな」

 エルザは前総長の小田原修司が、聖龍隊総長としての権威と協力関係である財団からの財力でモノを言わせゼブラだけでなくエルザの意中の人であるジェラール・フェルナンデスも獄中から釈放され聖龍隊に加盟する形で自由を与えてくれた事を、エルザは今もって感謝していた。

 

 ルーキーズ結成に関する話を本人達から直接聞いた後、新世代型たちは今度は2010年度の年号で二次元界も三次元界も大いに盛り上がった事柄を聖龍隊に訊ねていった。

「あ、あの……例の多次元ワールドオリンピックには、二次元界の有名なスポーツマン達が一堂に参加してたんですよね!」

 目を輝かせながら問い詰めてくる小野田坂道を始めとした【弱虫ペダル】の面々に、メタルバードが大手を振って語り聞かせた。

「ああ! あの時の興奮は未だに忘れねェぜ。修司が開催した多次元ワールドオリンピックは、二次元人と三次元人の関係を発展させようと修司が仕掛けた大イベントでな、名を馳せてたスポーツマンはもちろん著名な二次元人も招待して、イベントを観に来た大勢の各国の首脳たちに二次元人の素晴らしさを披露しようと修司は思っていたのよ。実際に今でも有名な島耕作にあぶさんと、三次元界でも有名な二次元人が特別招待されて会場に出てきた時の大歓声は今でも耳に残ってる。誰もが島耕作とあぶさんを迎え入れてて、三次元人が二次元人に反感や差別を抱いているのを少しばかしは忘れられたぜ。あのイベントで少しは二次元界と三次元界の溝が狭まったと俺は思いたいね」

「なぁなぁ! あんさんの前の相棒、小田原修司ってマジであのキン肉万太郎なんかの超人たちとレスリングで闘ったんかいな!? そもそも小田原修司って極普通の人間やろ? どないして人間以上にタフな超人達とのレスリングが認められたんや?」

 Dの能力と闇の心(ダーク・ソウル)の二つ以外は他の人間と変わりない小田原修司が超人達とのレスリングが行われたのか、小野田坂道に続いて半ば興奮しながら関西弁で問い掛けてくる鳴子章吉にメタルバードは面と向かって答えた。

「うん、修司の体に投与されたD-ワクチンが一種のドーピングと判断されちまって、修司は一般のスポーツイベントには参加できなかったんだ。だが人間以上に肉体強度が遥かに発達している超人とだったら平等に闘い合えるんじゃないかって評議されて、それで修司はオリンピックでの競技で超人レスリングも取り入れて、自分も特別参加したって訳」

「なるほど。常人として見れば、小田原修司の身体能力はD-ワクチンという視点ではドーピングと判断されてしまっていた故に普通の競技には参加を許されなかったのか。だが常人以上に肉体の強度と戦闘力を予め秘めている超人とのレスリングでは対等に闘えるという事で参加を許されたと言う訳か」

 メタルバードの話を聞いて、D-ワクチンがドーピングと判断された為に一般の競技には参加を許されなかった小田原修司も、常人以上の戦闘力を持つ超人となら対等に試合が行われるという理由で超人レスリングへの参加を認められた経緯を金城真護は冷静に判断する。

 すると【弱虫ペダル】の面々で唯一の紅一点である寒咲幹が小田原修司の超人レスリングでの奮闘振りに関心を抱きメタルバードに訊いてみた。

「あ、あの……小田原修司さんって実際は超人レスリングでどんな活躍をなさったんですか」

 この寒咲幹の質問に、メタルバードは女子からの問い掛けであった為に凛々とした口調で明るく話し始めたのだが、話していく内に何か後ろめたい感情に押されていった。

「アイツの戦闘能力は実際、超人相手でも十分に通じたぜ。伝説超人の一人であるロビン・マスクともパワータイプの修司とテクニシャンのロビンの攻防で試合は大いに盛り上がったよ。まぁ、だがな……修司はその分、過去に活躍した悪魔超人や残虐超人以上の残虐ファイトも存分に発揮して、会場を蒼然とさせた事も多々あった。当時、凶悪なテロリストであった革命軍士在中のリベンジャーズの面々にも、修司は迫力あるパワーで圧倒し相手の頭蓋骨は粉々に砕くわ、肩の骨は脱臼させるわ、目玉に指を突っ込んではそのまま振り回したりして白いマットを紅く染め上げたもんだよ。俺以外のHEADのみんなが革命軍士の参謀であるマサの策略で魂を奪われ、革命軍士によって蘇らせられた超人達との闘いでも……第一戦のスクリュー・キッドは自身の血を浴びせる事でキッドの体を錆び付かせ脆くさせた所で関節技の《地獄の死刑》でバラバラに粉砕しちまったし、その後のステカセキングは体内のカセットを入れる部分に強引に手を突っ込んで中身の機械の部分を引き摺り出し、ステカセキングをスクラップにしちまった。最も残忍だったのは、ミスター・カーメンに何度も牙地獄で噛み付かれたりミイラ=パッケージからの吸血攻撃などで堪忍袋の緒が切れた修司が、カーメンの口に手を突っ込んで力尽くで顎を外し、更にはそのまま引き裂いた通称:地獄の顎外しで修司もマットも血で染まり、おまけに修司は勝ち誇るかのように引き裂いたミスター・カーメンの頭部を頭に被って勝ち名乗りを挙げたもんだから、アレにはさすがのオレも引いたぜ」

『……………………………………』

 超人レスリングで闘った小田原修司の数多の超人達と引けを取らない実力の高さと同時に、その残忍極まりない試合運びもメタルバードの口から聞いた【弱虫ペダル】の面々、そして彼等から共有感知で同じく小田原修司の残忍ファイトの片鱗を知った新世代型たちは一同に蒼然と顔から血の気を引かせていった。

 

 それと同じ時頃、星原ヒカル達が見つけた小田原修司が出生してから現在に至るまでの年号を記されていた本を、ヒカル達から借り取って中身を拝見していたチョコやギュービッドそして桃花達がごく最近の事項を読んでいた。

「これは……つい最近の事だよね、ギュービッド様。ほら、修司さんがアニメタウンを旅立った後、国連軍が修司さんが表舞台から消えた後の国際情勢の乱れを取り締まっていた時期……」

「ああ、確かにな。今年の4月、国連軍が異世界の都市シュテルンビルトの司法局ヒーロー管理官兼裁判官のユーリ・ペトロフを逮捕。だけど僅か翌月には国連軍元帥のマグマード・岩田……例の赤犬だね。赤犬の計らいで保釈してもらってスグに国連軍に元帥補佐官として着任した訳か」

「赤犬や黄猿みたいな二つ名に《煉獄の執行人ルナティック》の名前を貰って保釈されたんでしたっけ。確かアニメタウンは元より、この世界と交流を持っている異世界全てにペトロフ着任の報道会見が放映されましたよね」

 本に記載されている年号の記事を読んだチョコやギュービッドに桃花たち三人は、国連軍に逮捕されながらも翌月には元帥補佐官という重役を《異世界徴兵》という制度の下で任されたユーリ・ペトロフについて関心を持ち始めてた。だが、そんなチョコ達の語り声を背や視線を背けながらも耳にしてしまうワイルドタイガー達ルーキーズの【TIGER&BUNNY】の面々は人知れず顔を険しくさせていた。

 そんな人知れず顔を険しくさせているワイルドタイガーに何も知らないギュービッドがペトロフについて、彼と同じ異世界かつ都市シュテルンビルトのヒーロー達でもあるワイルドタイガーらにペトロフの事を訊ねてしまう。

「なぁ、虎徹さんよっ。このユーリ・ペトロフって元々はアンタらの同僚だったんだろ? 一体このペトロフってのは……」

「ああ! 確かにペトロフは俺達の元同僚さ! でもそれは昔の話だ、今はアイツが何をしていようが知ったこっちゃねェ!!」

『!!』

 ギュービッドがワイルドタイガーこと虎徹にペトロフの事を訊ねようとした矢先、今まで温厚に振舞っていた虎徹ことワイルドタイガーが突然血相を変えて激しく怒鳴り返した。このタイガーの怒りに満ちた剣幕にギュービッドたち三人はもちろん新世代型たちまでも驚愕してしまった。

『…………………』

 ワイルドタイガーの突然の剣幕に現場は一時空気が重くなり一気に静まり返ってしまった。そんな空気にようやく気付いたワイルドタイガーは、表情を緩めて怒鳴ってしまったギュービッド達に申し訳なさそうに謝り出した。

「す、済まない。つい、カッとなっちまって……怒鳴ったりして、ホントにゴメン……」

『…………』

 落ち着いて平謝りするワイルドタイガーの素直な謝罪を受けるが、ギュービッド達に新世代型たちはタイガーの剣幕の迫力に押されてしまい絶句してしまってた。

 そんな突然剣幕を立てて怒鳴り返した虎徹に驚いて言葉を失うギュービッドに、ミラールが肩を叩いて彼女たちを落ち着かせようと虎徹が怒鳴ってしまった事を謝罪していった。

「ごめんなさい、虎徹も悪気はなかったのよ。ちょっと前の裁判官だったペトロフとは付き合いが長かった分、彼が国連軍に連行されてから元帥補佐官に就任するまでタイガーだけでなくこの場のNEXTヒーローたち全員が色々と思い悩んでいたの。だから虎徹たちにペトロフの事は余り聞かないで上げて。彼等も彼等で色々と相当ショックだったのよ」

 ミラールの説得を受けて少しばかり落ち着く一般のプロト世代と新世代型の二次元人達。

 

 と。此処で大将が長居し続ける皆を呼び掛ける様にメタルバードに言った。

「おいバーンズ。そろそろ此処とも、おさらばしようぜ。もう部屋の隅々まで調べたが何もなかった。早くみんなを連れて先へ急ごう」

「ああ、そうだな。みんな、そろそろ出発しよう。少しばかり此処の部屋に長居し過ぎちまった様だ。急いで地上のお天道さんを拝みに進もうぜ」

 大将とメタルバードの意見を受けて、聖龍隊と赤塚組は書斎を抜け出て先へと進行する準備に取り掛かった。

 一般のプロト世代も新世代型も同じ様に先へ進む決心を固めて、いざ聖龍隊と赤塚組に従って進行する足取りに入る。

 だが、そんな中。チョコやギュービッド達が先ほどまで手に取っていた本を書斎に置いたまま立ち去ろうとしてたのを、最初に本を発見した星原ヒカルが目にした。そしてチョコ達が一通り読み終えて机の上に置いた、小田原修司出生から現在に至るまでの年号と事項が記された本を再び手に取った。

「……どうした、ヒカル」

 徐に机の上に再び置かれた本に手を伸ばして取るヒカルに出雲ハルキが声を掛ける。するとヒカルは本を手にしたままハルキの方に振り向いては対話した。

「いや、ただ……どうも、この本が気になってしまってしょうがないんだよ。まるで自分自身も、この本に記されている様な。そんな不思議な気分に……」

「?」

「……それに、僕たち新世代型はつい最近三次元政府によって生み出された比較的新しい二次元人だ。正直言って、今年以前の出来事なんか殆ど知らない。だから何となくなんだけど、この本を手放さず今後も僕達が出生する前の歴史を知る故で必要な様に感じてしまって……」

 ヒカルの論弁を聞いて、ハルキは渋々ながらもヒカルの思想に同意した。

「ふぅ、そんなに言うなら持って行っても別に問題はないだろう。どうせ此処の研究施設は既に荒んでて誰も当に使ってない現状だしな。本の一冊ぐらい持って行っても誰も文句は言わないさ」

「ありがとう、ハルキ」

 最後には笑みを浮かべて本の持ち出しを同意してくれたハルキに、ヒカルは礼を返すと歴史書を手持ちに加えた。

 

 すると歴史書を手持ちに加えてたヒカルとハルキに大将が呼び掛けてきた。

「おぉい、二人とも! もう行くぜ、早く来い」

『あ、はい』

 大将の呼び掛けにハルキとヒカルは返事すると、即座に皆の列に混ざって書斎を後にした。

 

 

 まさか歴史書に事細かく記されていた小田原修司。彼と新世代型達には切っても切れない関係がある事を、この時は誰も予知してはいなかった。

 

 

 

 

[激突! 氷と炎の鋼鉄獣]

 

 新世代型たちが改めて知った、小田原修司の生誕から現在に至るまでの史上に、メタルバードたち聖龍HEADから聞かされたその際の小田原修司の真情など、様々な事を知り得た一行は胸の高まりが納まらないまま地下施設を上へと突き進む。

 そんな進行中にも、未だに関心が尽きない過去の出来事が記された歴史書を開いて読みながら歩を進める星原ヒカル。

 すると、そんな未だに過去の出来事に関心を抱き持ち出した本を読み耽ってるヒカルの思考を共有感知で察してしまう薙切えりなが、過去の出来事に関心を抱き続けてるヒカルに呆れながら言葉を掛ける。

「あなた、そんな本なんか持ち出してどうする気なの? 過去の出来事とか、小田原修司がどうとか気にしてる場合じゃないでしょ。何より昔の事を知ったからって何になるのよ」

 えりなはヒカルに過去の出来事などに関心を持つこと事態、無意味に近いと唱える。だがえりなの言葉を受けたヒカルは真顔で彼女に反論する。

「過去の出来事を、歴史を知る事も大事な教養の一つですよ。お嬢さん」

 真顔で冷静に言い返してきたヒカルに、えりなは反感を覚えるが所詮は年下の言う事と何も反論はしなかった。

 

 ヒカルが夢中になって歴史書を読み耽っているのを共有感知で嫌が応にも本の内容が新世代型達の頭に流れ込んでくる中で、新世代型である琴浦春香たちとプロト世代であるチョコたち親しい間柄の二組はお喋りしながら足を進ませていた。

「ところで、チョコちゃん達は例の小田原修司さんとは会った事はあるの? 私達は直接、顔とか見た事なくて」

「そういえば琴浦さん達は今年の3月に生み出された新世代型だから、アニメタウンを旅立った修司さんとは一度も会った事がなかったですね。私達も直接はお会いした事は無いんですけど、テレビや演説での公の場に良く姿を現していたので実物を拝んだ事は何度かあるよ。尽力を注いでアニメタウンを誰もが住みやすい環境に整えていってくれた素晴らしい人でした」

 琴浦春香に語り掛けるチョコに続いて、桃花・ブロッサムも小田原修司のアニメタウン内での政策や活動について語り出していく。

「そうだね。体の不自由な人でも行動しやすいバリアフリーな環境を整えたり、種族や人種を問わず誰でも住みやすい街造りを目指して活動していったアニメタウンの統治者にして聖龍隊の初代総長はホントに文句なしの人格者だったよね」

 だが明るく小田原修司の事を語る黒鳥千代子や桃花・ブロッサムに反して、ギュービッドは少しばかし不満げな面差しで語り出した。

「まぁ、確かにアニメタウンをよりよくしようとしていたのは間違いなかったけどさ。その分、色々と驚かされる事も多かったよ。町の住民でも、異常者(ヒール)と断定された市民を容赦なく公の場でショットガンなんかの高威力の銃火器で頭を吹き飛ばして、アニメタウンは元より世界中を恐怖で支配しようとも取れた奴だったしね。しかも犯罪を撲滅する為にアニメタウンの至る所に監視カメラを設置して市民そのものを監視し続けている様な政策も行っていたし。その監視カメラもアニメタウンだけじゃなく、世界中に施行させたって聞いているよ。言っちゃぁ何だけど、小田原修司って英雄ってよりも完全な権力者そのものの様な気もしてならないよ」

「ぎ、ギュービッド様……」

「先輩、そこまで言わなくても良いじゃないですか……」

 ギュービッドの小田原修司への不満を吐き散らす言動に、弟子であるチョコも後輩である桃花も気まずい様子で言葉を掛けていく。

 だがギュービッドの口は納まる事無く、淡々と小田原修司に関する話を口から出していく。

「まぁ一番驚いたのが……まさか、そんな小田原修司自身が発達障害者だったとはねぇ。確かに発達障害というかコミュ障らしく殆ど笑わず不愛想な面構えしていたから、普通の人間とは思えなかったけど」

「ギュービッド様、それはいくら何でも言い過ぎですよ」

「そうですよ先輩。それは完全に偏見です」

 小田原修司が発達障害者であった事に最も驚いた事実を語るギュービッドに、チョコと桃花は偏見であると注意する。

 

 琴浦春香とチョコ達が会話している頃。

 小田原修司の巨大クローンに脚を噛まれ深く損傷したセーラーウラヌスを協力して担いでいる猿田学と黒川冷、同じく巨大クローンとの戦闘でウラヌスと共に脚を損傷し立てなくなったセーラーネプチューンを一緒に担ぐリカルド・フェリーニと燃堂力。

 二人一組で深手を負ったセーラー戦士二名の肩を担いで移送する四人は、そんな自分達を警護してくれる聖龍隊の新人部隊である【AW】【SAO】【マギカ組】の面々に自分達が思い浮かべてた疑問を問い掛けてみた。

「なぁ、君らはあの小田原修司と会った事はあんのかい? 俺たちゃホントに最近になって生み出されたから素性とか全く知らないんだわ。君たち三組は去年、聖龍隊の訓練生として入隊したんだろ。その頃はまだ小田原修司ってのが聖龍隊の総長勤めていたんだし、顔ぐらいは合わせた事あるんじゃないか」

 リカルドの問い掛けに、キリトとアスナが周囲を常に警戒しながら答えた。

「まあ、少しばかりは顔とか合わせた事はありますよ。だけどあの人、いっつも多忙って理由で俺らの前に姿を見せる事は少なかったけど」

「詳しい事情は聞いてませんが、やはり当時は革命軍士との対応などで聖龍隊だけでなく世界中の国家機関が多忙だったとは聞いていましたし、小田原修司さんもやはりお忙しかったと考えられますね」

 するとキリトとアスナに続いて、美樹さやかと佐倉杏子が落ち着いた面差しで安堵の言葉を呟いた。

「けれど……チラホラ話には聞いているけど、前総長の特訓って本気で危なかったって言うから、私達は時期的にちょうど良かったのかも」

「そうかもな。アタイも話には聞いているけど小田原修司の特訓で、特に組手が一番命がけだったって先輩の隊士達は頻繁に愚痴っていたしな。去年が多忙だったから良かったものの、下手したら訓練でアタイ達の様なか弱い女子でも平然とボコボコの生傷だらけにしてくれちゃってたかもしれないしな」

 美樹さやかと佐倉杏子の意見に、シルバー・クロウとブラック・ロータスも初見で感じた小田原修司の第一印象について語り出した。

「まぁ、みんなの言う通り、あの人は普段から強面で近寄りにくかったのは事実だしね」

「何より、その強面の不愛想な表情からは何を考えているのか全く把握できない一種の完璧なポーカー・フェイスでもあったけど。それでも常に周囲に警戒の念を張り巡らせていて、同じ聖龍隊の仲間内でも完全に信頼している人は居なかったって言う程の不信感に満ちた人間であったと耳にしているわ」

 聖龍隊ルーキーズに所属したばかりの新人組の面々から聞いた小田原修司の第一印象などを聞いた二組は、ウラヌスとネプチューンを担ぎながら唖然としていた。

 

 そんな感じで書斎から抜け出た一行の前に広がったのは、壁も天井も鉄で補強された細長い通路であった。その通路を一行はL字の曲がり角を右に曲がり、そして更に同じL字の角を左に曲がって直進していく。

 すると彼らが出たのは、やけに広い円形の間であった。円形の広間が視界に広がる中、一行はその間の中央に設置されている巨大な筒状のガラス容器に目が移った。

 そのガラス容器の中には何と、狭いガラスの空間に押し込められて窮屈そうにしている全長6mは有に超えてる、サイに近い二足で直立した人型の生物であった。

 ガラスの管の中で巨体を動かし、窮屈そうにしていたサイの人型生体兵器は眼前のメタルバードや大将といった面々に気づくと、その攻撃性を表し自分を閉じ込めているガラスの容器を自力で打ち破って外に飛び出してきた。

「うわっ!」

 ガラス容器から飛び出してきたサイの人型生体兵器に驚愕する一同。

 だがサイの人型生体兵器はそのまま飛び出して即座に眼前の一行に襲い掛かって来た。

「来たぞッ、応戦開始!」

 メタルバードの合図を受けて、聖龍隊と赤塚組はサイの人型生体兵器に対して攻撃を開始した。

 だが、サイの獣人の皮膚は想像以上に硬く、銃弾を意図も容易く弾き返してしまう。

「だ、ダメだ大将!」「皮膚が鋼鉄みたいに硬くて銃弾が殆ど効いてない!」

 海野ぐりおとなる夫妻から指摘を受けた大将は、並みの銃火器ではサイの人型生体兵器に損傷を与える事は困難であると悟る。

 すると銃弾が全く効かないサイの人型生体兵器相手にニュー・スターズの剛力番長が先陣を切って飛び出した。

「私がお相手いたしますわ!」

 剛力番長、本名を白雪宮 拳は特異体質のヒュペリオン体質で、その肉体の強度は超合金の針をもへし折り、小柄で細身の体からは想像もつかない程の凄まじい筋力による怪力を発揮する。その怪力で巨大な2つの鉄球棍《しおチャンコ・みそチャンコ》を巧みに操っての猛攻は、大軍勢や巨大戦闘マシーンをも意図も容易く押し退け大破させるほどの戦闘力を秘めている。

 そんな剛力番長がしおチャンコとみそチャンコを振り翳してサイの人型生体兵器に強烈な打撃を2つ同時に浴びせた。

「はぁーーっ!」

 だが力一杯しおチャンコとみそチャンコを叩き付けた剛力番長であったが、サイの人型生体兵器は二つの鉄球棍を叩き付けられる瞬間、全身を鋼鉄の様に更に頑丈に変異させては剛力番長の攻撃を防いでしまった。

「そ、そんな……!」

 自身が繰り出した2つの鉄球棍による攻撃を容易く防がれてしまい困惑する剛力番長。

 するとお次は剛力番長と同じ、金剛番長を筆頭とした部隊に属している卑怯番長が剛力番長に声を投げ掛けた。

「剛力! 離れるんだッ」

 そう叫んだ瞬間、卑怯番長は左手の義手を外して中に仕込んでいた戦車をも破壊できるグレネードランチャーをサイの獣人に向けた。

 卑怯番長、本名は秋山 優。ありとあらゆる卑怯な手段を「正々堂々と」駆使して戦いを有利に進める策士。

 素顔は黒髪の美青年だが、番長として行動し、今なお聖龍隊士として活躍する場合のみ赤いハンチング帽に腹が剥き出しになった短ラン、黒い覆面という一見すると怪盗の様な格好で戦う。

 戦闘スタイルは卑怯であるが、それ以外でも素手でも十分に強く、武器としては左腕に仕込んだグレネードランチャー以外にも、短ランの下に隠し巻いているチタンスパイクが仕込まれた特殊ワイヤー製の太く長い拷問鞭を愛用している。その他にも様々な武器や道具そして改造した乗り物を使用しており、現在では自分達の部隊を統括しているフロートの下で更に強力に改造した兵器やオリジナルの武器も使用して戦闘を行うプロである。

 そんな卑怯番長が左手のグレネードランチャーをサイの人型生体兵器に直撃させるのだが、戦車をも破壊できてしまう卑怯番長のグレネードランチャーですらサイの人型生体兵器の頑丈な皮膚には効力が表れず、これには卑怯番長自身も驚愕してしまう。

「おいおい、ウソだろ……グレネードランチャーも効かないとなると、どう対処すれば……」

 相手が人間などの知性などを持った輩なら御得意の卑怯戦法で苦境を乗り越えられるものの、相手が生物兵器や凶暴な獣だとその卑怯戦法は使えない。

 剛力番長の鉄球棍、そして卑怯番長のグレネードランチャー。二つの超火力の攻撃にも耐えてしまうサイの人型生体兵器相手に、一行は早速苦戦を強いられてしまう。

 

 そんな苦戦に追い詰められる仲間達を見兼ねて、メタルバードが打って変わって第一線に出て行っては後方の仲間たちに告げた。

「ここは俺が一戦交えて、あのサイ野郎がどんな能力でどんな体質かを見極めてくる! それまで皆は待機、ミラーガールはいつもの如く新世代型たちを警護してろッ」

 こうしてメタルバードは仲間達に指示を告げては、単身で巨体を素早く動作できるサイの人型生体兵器へと突っ込んでいった。

 まずメタルバードは最初に剛力番長が仕掛けた打撃での攻撃を、自身でも仕掛けてみようと鋼鉄化した腕で殴り付けていった。

 だがサイの人型生体兵器は攻撃を受けると即座に腕を組んで防御の態勢を構えると同時に全身を鋼鉄の様に硬く変異させて打撃による攻撃を防いでしまう。

「みんなっ、こいつはどうやら打撃を受けると瞬時に防御の態勢に入っては鋼みたくカッチカチに体を硬くしちまう奴だ! 打撃技は殆ど効果がない」

 メタルバードは自身の殴打を防いでしまうサイの人型生体兵器について後方の仲間達に説明しながら応戦を続けてく。

 すると人型のサイの生体兵器は一時だけ自身の腕を組んで防御の態勢を取っていたが、その態勢から立ち上がると即座に眼前のメタルバードに反撃と言わんばかりに殴りかかって来た。

「ぐッ」

 メタルバードは咄嗟にサイの人型生体兵器と同じ様に腕を前に組んで殴打を防ごうとする。

 だがサイの人型生体兵器の強靭な腕力に耐え切れず、腕で攻撃を防いだもののメタルバードは殴られた途端、弾き飛ばされてしまう。

「うわッ」「バーンズ!」

 サイの人型生体兵器に殴り飛ばされ、眼前まで飛んできたメタルバードに声を掛けるエンディミオン。メタルバードは殴り飛ばされ床に倒れこむもののスグに立ち上がり、自分を殴り付けたサイの人型生体兵器を睨み付けながら言った。

「あ、あのサイ野郎……鋼並みの肉体だけでなく、腕力も相当あるぞ」

 痛みで苦渋の表情を浮かべつつもメタルバードは再びサイの人型生体兵器と対峙しつつ仲間達に告げた。

「み、みんな。あのサイ野郎には打撃という打撃は全く効かねェ。此処は特殊系の……炎や電撃といった不定形の攻撃でダメージを与え続けるしか手立ては無さそうだ」

 攻撃を受けた瞬間、肉体を鋼鉄の様に硬く変異させて攻撃を防いでしまうサイの人型生体兵器に対して、メタルバードは電撃や炎といった不定形の攻撃で損傷を与え続ける戦法を提示する。

 そして皆に不定形の攻撃での攻撃を提示したメタルバードは、右手を電磁砲に変形させては強烈な電撃をサイの人型生体兵器に向けて発射した。

 電撃砲を受けたサイの人型生体兵器は、ようやく痛みを感じたのか軽く後方に退いてしまう。

「よし! 電撃は流石に効くらしいな。他の連中も炎や雷系で攻撃していけッ!」

 メタルバードからの指示を受けて聖龍隊はサイの人型生体兵器に灼熱の業火や強烈な電撃の攻撃を放っていった。

 狙い通り、サイの獣人の強固な肉体は傷つき、確実に損傷していくのが見て取れた。

 だが、此処でサイの人型生体兵器は体から白い靄を吹き出し始め、足元にその白い靄が沈んでいくのが見受けられた。

「あの靄は……」

 サイの人型生体兵器の足元を中心に床に広がる白い靄に気付いたメタルバードが、即座にレーダーと化している自身の眼球で白い靄を捕捉し調査してみた。

 すると白い靄の正体は、-0℃以下の冷気であった。

「冷気だと……!?」

 体から冷気を放ち始めたサイの人型生体兵器の状態に一驚するメタルバード。すると次の瞬間。

 サイの人型生体兵器の周辺に氷の結晶の様なモノが出現し、それが忽ち氷の塊、先端が鋭い氷柱と変化しては一斉に自分達の方へと飛んできた。

『わぁっ!』

 自分達に向かって飛んでくる巨大な氷柱に怯む新世代型たち。氷柱から彼らを護らんと、メタルバードは金属化した自身の肉体を薄い膜状に変形させて、その変形した体を盾にして新世代型たちを始めとする後方の仲間達を巨大な氷柱から護り抜いた。

「くそっ……あのサイ。体から発せられる冷気を操って巨大な氷柱を生み出しては、それを発射できるみたいだな」

 どうもサイの人型生体兵器は自身の肉体から発せられる冷気を自在に操作して巨大な氷柱を形成させては、それをミサイルの様に発射できるみたいだとメタルバードが解釈したその時。

 再びサイの人型生体兵器は自身の周囲に氷柱を発生させては、それが追尾ミサイルの如く時には曲線を描きながらメタルバードやその後方の皆々に向けられて発射された。

「全部、溶けやがれッ」

 自分らの方に飛来してくる巨大氷柱にルーキーズのナツ・ドラニグルが自慢の火炎放射を口から吹き出しては飛び掛かってくる氷柱を跡形もなく溶かしてみせる。

 一方、メタルバードの方も全身を金属化してる為に氷柱での攻撃は微塵も効かず、退く事無くサイの人型生体兵器へ電撃砲を発射し続けた。

 電撃を浴びせ続けるメタルバードに続いて、後方から総長の支援をしていく聖龍隊士たち。

 だが攻撃を浴び続けたサイの人型生体兵器は、全身を冷気で纏いながらメタルバードにその重量級の巨体に跳びかかって来た。

「う、うわッ」

 巨体で跳躍してきたサイの人型生体兵器に動揺してしまうメタルバード。そんな彼にサイの人型生体兵器は冷気を纏った状態で強烈なボディ・プレスを仕掛けてきた。

「うわッ!」

 サイの人型生体兵器が仕掛けてきた冷気を放ちながらのボディ・プレスをまともに受けてしまったメタルバードは、その細身な体を容易く吹き飛ばされてしまう。

 しかもサイの人型生体兵器の冷気プレスが床に着地すると同時に、床に沿って強烈な冷気の波が辺り一帯に押し寄せて来た。

「ひえッ」

 強烈な冷気の波が押し寄せた事で、寒波を浴びて思わず両肩を抱き締めたくなる程に身を凍えさせる大将や赤塚組に聖龍隊そして新世代型の面々。

 一方で激しい冷気でのボディ・プレスを仕掛けたサイの人型生体兵器は再び自身の周囲に氷の結晶を発生させ、そこから巨大な氷柱を形成させて発射してきた。

「この、このッ」

 メタルバードは降り掛かる氷柱を次々に鋼の手で叩き砕いていき、一発残らず粉砕してみせる。

 全ての氷柱を粉砕したメタルバードは、再び仲間達と共に強力な電撃や炎をサイの獣人に浴びせていく。サイの人型生体兵器は防衛本能で自然と腕を組んで体を鋼鉄化しての防御態勢を構えるが、電撃や炎といった物理系ではない攻撃だけは防ぎ切れずに肉体に損傷を来してしまう。

 そんなメタルバードを始めとする聖龍隊士の電撃系統や火炎系統の攻撃を浴び続けたサイの人型生体兵器は、肉体表面上に明らかな多大な損傷が目立つ様になってきた。だが、そんなサイの人型生体兵器に突如として変化が現れた。

 なんとサイの人型生体兵器の体から冷気以外の高温の蒸気が発散していき全身が赤くなっていった。

 そして次の瞬間、サイの人型生体兵器は全身を炎で纏っては攻撃してくるメタルバードに突進してきた。

「こ、氷系統だけでなく炎まで!?」

 氷の能力だけでなく、本来なら氷とは対なる能力の炎までも使用できるサイの人型生体兵器の突進攻撃に驚愕するメタルバード。

 だがサイの人型生体兵器の突進は、元から巨体で重量級であった為に鈍足で遅く、容易く回避できた。

 横へと回避行動を取ったメタルバードは、がら空きであるサイの人型生体兵器の背後から電撃を浴びせていき、更に痛め付けていく。

 だが、これにサイの人型生体兵器は怒り狂ったのか電撃を浴びせてくるメタルバードの方に振り返ると、両腕を前に突き出して炎の球をメタルバードに放った。

「うおおッ」「バーンズっ?」

 火達磨になったと同時に変な叫びを上げるメタルバードの奇声にミラーガールが理解できずに名を呼んだ。

 すると火達磨になったメタルバードは体に纏わり付いた炎を手で払い除けながら返事をする。

「ふぅ~~……いや驚いた。メタル化してるから、これぐらいの炎は熱くねェけど吃驚したぜ、オイ」

 そう言いながら全身の炎を手で払い除け終わったメタルバードは、再びサイの人型生体兵器と対峙する。

 一方のサイの人型生体兵器は再び全身を炎で纏っては鋭利な顔の先端の角をメタルバードに向けて突進してきた。メタルバードは今度は回避せず、突進してくる火達磨のサイの角を鋼の腕で受け止めては、突進攻撃を防いで見せる。

 そして角を受け止めると、そのまま角を掴んでいる手の平から強力な電流をサイの獣人に放流しては電撃で攻撃していく。

「……それにしても。サイの角から電流を流すとは」

「そもそも、サイの角って電気通すもんなんですね」

 メタルバードのサイの人型生体兵器の角から強力な電流を放流する攻撃の様を見て、サイの角からでも電撃が通じるものだと口々にする幸平創真と瀬名アラタ。そんな二人の会話を小耳にしたジュピターキッドが、創真やアラタ達に話し説いていく。

「余り知られてない事かもしれないけどね……サイの、あの頑丈な角って元々は普通の柔らかい毛が進化の過程で硬く鋭い形状に変化していったものなんだよ。だから角の中には毛細血管も巡っているし水分もあるから容易に電気は流れるんだよ」

「け、毛!?」

「サイの角って毛だったんですか? それも今でも毛細血管が巡ってるって……」

「お二人とも。殆ど常識的な知識ですよ」「うん……」

 サイの角が血管も巡っていれば水分も含まれている毛が変異したものだとジュピターキッドの説明で初めて知った創真とアラタは驚愕してしまい、そんな常識知識すら持っていなかった二人に呆れながら言う鹿島ユノと、同じく呆れて頷くしかない田所恵。

 しかし、そんなやり取りが行われてる最中もメタルバードは炎を纏って突進してきたり剛腕で何度も勢いよく殴りかかって来るサイの人型生体兵器に、もはや単身で応戦していた。

「いい加減、倒れろ……ッ!」

 幾度となく電撃を浴びせて攻撃しては肉体的にも多大な損傷を与えているにも関わらず、一向に倒れないサイの人型生体兵器に口元を歪ませるメタルバード。

 だがサイの人型兵器は肉体に多大な損傷を与えられても未だ倒れる様子も感じさせずに、果敢にメタルバードや聖龍隊の隊士たちに屈強な腕を振り付けたり突進したり、はたまた鋭利な角で突き刺そうと仕掛けてきた。

 そしてサイの生体兵器が再び冷気を発するボディ・プレスを仕掛けようとメタルバードに跳びかかった瞬間、メタルバードは両手の拳を構えて一気に上方のサイへと振り付け直撃させた。

 メタルバードの渾身の一撃を受けて、サイの生体兵器は派手に宙へと舞ってしまい背中から床に落下してしまう。

 

 中々倒せないサイをベースにした人型兵器に、遂にメタルバードは性根がキレて最後の手段に打って出た。

「そりゃッ」

 メタルバードは自身の手足を細くした上で、同時に体からも同じ様に細い触足を生やしては、その無数の触足でサイの生物兵器を取り囲み動きを完全に封じた。

「って、なんだありゃーー!!?」

 見事なまでに全貌を変形させて、余りにも珍妙な容姿へと変わり果てたメタルバードを目の当たりにして仰天する真鍋義久や新世代型たち。だが仰天する新世代型達を尻目にメタルバードは仲間の聖龍隊士に大声で呼びかけた。

「お前らーーッ! 俺がこのサイ野郎の動きを封じておく! 今の内に電撃なり火炎なり好きなように一斉攻撃仕掛けろやッ!!」

 メタルバードの大声での指令を受けて一時ばかし戸惑う聖龍隊の面々であったが、メタルバードの指示通りにメタルバードの細い触足で動きを封じられてるサイの人型兵器を取り囲む様に接近しては一斉攻撃の構えを取る聖龍隊の各隊士たち。

 だがメタルバードの細い無数の手足に取り囲まれ身動きができないサイの人型生物は激しくもがき、メタルバードの細い手足を振り解こうと躍起になる。

 一方で、手足だけでなく体からも細い触足を伸ばしては、その針金の様に細い触足だけで胴体をサイの頭上で立ち上がらせているメタルバードの容姿を目の当たりにして、新世代型たちが冷やかな細い目で口々に呟いた。

「……何だか、メタルバードのあの姿。余りにも異様過ぎるよな」

「何だか、あの姿……そう、確か深海魚にも同じ様な容姿で海底に立ち上がる魚がいたっけ」

「深海魚と同じ容姿って……言われてみると確かに不気味な姿ですわ」

 余りにも異様なメタルバードの現状の姿に唖然と冷やかな目をしてしまう真鍋義久に星原ヒカルそして薙切えりな達、新世代型たちの反応に気付いたメタルバードは即座に反論する。

「仕方ねェだろ! こんな姿に体を変形させなきゃ、このサイの動きが封じられないんだしよッ!」

 メタルバードは、泣く泣く自身の姿を異様な形に変形させなければサイの人型兵器の動きが止められないと訴え返す。

 その一方で、メタルバードが自身の体を奇怪な形に変えて動きを封じたサイの人型兵器に聖龍隊士たちは電撃と炎の二重攻撃を一斉に繰り出し、一気にサイの人型生物兵器に大打撃を与えていく。

 

「グオオオオオオォォォ……」

 とどめの攻撃を浴びたサイの生物兵器は体中に無数の生々しい傷跡を遺し、断末魔の雄叫びを上げながら片膝を着き、拳も床に着けてはピクリとも動かなくなった。

 サイの生物兵器はそのまま、死後硬直の成り行きで全身を鋼鉄化した状態で絶命した。

 聖龍隊総出での火炎と電撃の二重攻撃を猛烈に浴びて絶命し、体を鋼鉄化したまま死に絶えたサイの人型生物をメタルバードは元の姿形に戻っては、その亡骸を軽く叩いてサイの生物兵器の絶命を確認する。

「ふむふむ、よし。完全に昇天しちまってるな。タク、手間のかかる奴だったぜ」

 自分達を手古摺らせたサイの生物兵器の絶命を確認したメタルバードは、仲間の聖龍隊と共にミラーガールに護って貰えてた新世代型たちの方に歩み、今度は彼らの無事を確認しに行く。

「お前たち。大丈夫だったか?」

「め、メタルバードさん……」

「ああ、俺達はミラーガールのお陰で無傷でいられたけど……」

 メタルバードに安否を確認され、返事をする出雲ハルキに幸平創真。

「で、ですけど……! サイから発生した冷気で死ぬほど凍える思いはしましたわよっ。打撃とかだけじゃなく、あの様な冷気とかも防いで欲しかったですわ!」

 しかし高飛車なお嬢様気質の花園まりえだけは、ミラーガールのバリアーでは防ぎ切れなかったサイの生物兵器が放ったボディ・プレスからの冷気を浴びて寒がり、身を震わせながら文句を言う。

「おいおい、そう言わないでくれよ、お嬢様。でも俺達ヒーローだって万能じゃない。サイの怪物から攻撃を俺の方に向けさせただけでも良しとしてくれや」

 文句を言う花園まりえに対してメタルバードはウィンクをしながら言葉を返す。このメタルバードの言動に花園まりえは呆れながらも、しかめっ面で口を閉ざした。

 

「ふぅ……に、しても色んな生物兵器が飼われてるな。此処はホントに」

「そうだな。まさか氷と炎の、対である筈の能力を同時に扱える生物兵器も開発されているとは……恐ろしい限りだ」

 苦戦の末、やっと倒れた氷と炎の能力を併せ持つサイの生物兵器まで開発されていた事実に改めて恐怖を覚える大将とテツ。

 と、その時。

「ッ、なんだ?」

 何かの激しい物音にメタルバードを始めとする一同が全員気付いた。

 物音が聞こえてきたのは、皆が広い円形の間に入って来た通路とは反対の通路からであった。

「向こうにも何かいるのか」

「……行って確かめるしか無さそうだ。元より、俺達が進まなきゃならない道も向こうの通路の先だしな」

 通路の奥から響いてきた謎の物音に警戒を強める大将だが、メタルバードは何方にしろ自分達の進行方向先故に確認しに行かなければならないと言うのであった。

 

 激戦の末、氷と炎を操るサイの生物兵器を倒した一行だったが、先行きも見えない道を進んでの脱出劇は未だに終わってはいなかった。

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