荒んだ人生で心が壊れたうつ病男性がキヴォトスに転生   作:ダブクロチャンネル

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ボダラン4発売!!これはこの小説の投稿をしなければいけないという謎の使命感が出ました!
前回のあらすじ!アランチーノと本格的に敵対し、5億の懸賞金をかけられたリュウジ。
無事、ブラックマーケットを出た彼はどこに向かうのだろうか?
※現在の蛇尾リュウジは15歳。身長:160cm
現段階の生徒…ネルやホシノは現在16歳の2年生です


第9話 功夫は一日にしてならず

僕の名は蛇尾リュウジ

アランチーノ、カイザーと銃撃戦を乗り越え、ブラックマーケットを出た僕は今

 

「もっと速く打ち込んで!肩に力が入ってますよ!」

 

カンフーを習っている。そう、僕が来たのは山海経だ

なんで僕がカンフーを習っているかを時を遡って説明しよう

 

ブラックマーケットを出た僕はキャンピングカーにガソリンを入れる途中でどこに行くかを考えていた。その中でアランチーノの使いの斧を使った剣術に苦戦したことを思い出し格闘技を学ぶことにした。そこで思いついたのが鹿山レイジョのことだ

 

確か山海経には武術研究部という武術で鍛える部活動がある

そこなら僕も鍛えることはできるだろうと思いつき、僕を狙いに来るヘルメット団とかの連中を倒しながら、山海経にキャンピングカーを走らせる

 

「しもべよ!着きましたヨ!」

 

キャンピングカーの運転をしているのはクラップトラップだ

こいつはブラックマーケットでスケバンに蹴られているところを流れで助けた

その後は僕をしもべと呼んで僕に同行している

 

「おぉ……ここが」

 

ブルアカのアプリのスケジュールとイベントストーリーでしか見たけど

言葉が出てこないほどカッコいいな

山海経の建物や景色に見惚れているとクラップトラップが話しかけてきた

 

「しもべよ。山海経に来たのですがどうしマスか?」

「ここで武術研究部があるからそこで武術を学ぶ。」

「この山海経は長く閉鎖的な歴史を持つ為に保守的な傾向にあり、外部の人間に対し強い警戒心を持ってるんですヨ?そうそう簡単にいきますカネ?」

 

「そこは大丈夫だよ。玄龍門ならともかく玄武商会は違うから行けると思う」

「ワタシはなんか嫌な予感がするから行きません!しもべ一人で行ってきてください」

「そう。じゃあ、留守を頼んだよ。何かあったら連絡してね」

 

僕はクラップトラップを車内に置いて山海経の街を歩いていく。

しかし……僕はこの時知らなかった。

自分を見ている第三者の姿があったことに

 

ちなみに今日はナイト・フライヤーを持ってきている

街を歩けば人の視線を多く感じる、その数の多くが警戒、興味を含んでいた。

やっぱりヘイローを持つ男子が珍しいのか、それとも山海経の外から来た者だからか

 

そんなことを考えつつ玄武商会を目指していくが後ろから強い敵意を2つ感じる

感じ覚えのある敵意に僕は小さく息を吐き路地裏に入る

 

僕が路地裏に入るとその敵意も続いて路地裏に入ってくる

見た目はチャイナドレス風の制服を着ている生徒だ

手には中国モチーフな国のためか中国軍が使っている銃だ

 

「あの男どこいった!」

「あいつを捕まえれば懸賞金が貰えるわ!」

 

僕の懸賞金目当てか。ここまでカイザーがかけた懸賞金の話が広がっているのか

※リュウジはアランチーノが自身に掛けた懸賞金の額を知りません

印鑑の数は1つだから一年生だな

 

「あの男を突き出した懸賞金で部費をゲットよ!」

「それができるといいね」

 

山海経の生徒たちの

息を殺して壁に張り付いていた僕は後ろから彼女たちにHGを撃つ

サイレンサー付きのHGは最小の音で最大のダメージを与える

 

「うっ!!」

「ぎゃっ!?このっ!」

 

撃たれて怯んだ彼女たちだがすぐに銃を向けて発砲しようと狙いを定める

だが狙いが分かりやす過ぎる。僕は左手で生徒の銃身を上に押し上げながら狙いをずらしながら前に進んでいき、もう片方にHGを撃ち込んで銃を弾き飛ばす

 

今、僕が使っているHGはナイト・フライヤー*1

空中でのみフルオートが可能で敵の命を殺めることが無い優しい銃だと言える

装弾数18発。後ろから2つずつ撃って銃を弾き飛ばすの3発撃ったから残り11発か

 

「こ、この!」

 

銃身を上に押し上げられ、上空に銃を撃ち続けている生徒は僕を蹴り飛ばして再び銃を撃ってくるが僕は銃を弾き飛ばした生徒を盾にして弾丸を受け止めながらHGで撃ち返す

放った弾丸は彼女の頭部に精確に当たり、ふらつかせることに成功した

 

そのまま地面に投げ倒し、足を彼女の首に置き、銃を向け、引き金を引こうとした僕に一人の女子生徒の声が聞こえた

 

「そこまでです!」

 

僕にそう言ってきたのはスカート丈の短い真っ赤なチャイナドレスに、ジャージを羽織っている赤い髪の女子生徒……鹿山レイジョだ

 

「銃を引っ込めって?この子らが僕を狙いに来たんだけど?」

「とりあえず事情を聞かせてくれませんか?」

 

その後、僕はレイジョに彼女たちが僕の懸賞金目当てで襲ってきて身を守るために抵抗したと

話すと銃を向けていたレイジョは銃を下ろし、警戒心を弱めた

 

「そうでしたか。誤解してすいません」

「いいさ。自分と同じ学校の生徒とブラックマーケットの悪名高い傭兵なら生徒の方を選ぶからね僕もそうしてたと思うよ。それはそうと、お腹減ったから美味しいご飯屋さん知らない?」

 

その言葉にレイジョはふふっと笑い

 

「それならいい店がありますよ。玄武商会って言うんですけど」

 

こうして、僕はレイジョの案内で玄武商会に行くことができた。

僕を襲ってきた2人の生徒たちは同じ山海経の者達に捕まって事情を聴いた後に罰を受けるらしい

だが、僕は忘れていたことがあった……それはルミが作る食べきれないほどの量の料理だ!!

 

山盛りのパラパラの炒飯!ザクザクの羽が付いた餃子!できたてだと察する小龍包!

これまた山盛りの蝦餃*2が目の前に映る

ゲームの描写で見たことはあるけどまさかここまであると思わなかったぞ!

 

しかも綺麗な笑顔でルミは僕を見てくる。ここは彼女の笑顔を曇らせてはいけない!

僕は蓮華を持ち、目の前の馳走の山に食らいつく

 

「いただきまーす!!」

 

僕は滅茶苦茶うまいルミの料理を食べながら料理の山を食べ終えるまで30分かかった

満腹感と多幸感を感じながら、目の前には一粒のご飯粒が無い空の皿が見える

 

「ご、ごちそうさまです」

「良い食いっぷりだったね。デザートはなにがいい?」

「……杏仁豆腐でお願いします」

 

こうして、僕は大きな戦い(ルミの歓迎料理)を終えるのだった

勝者のトロフィー(杏仁豆腐)を平らげた僕はルミとレイジョに武術を学びたいんだけどいい場所ないかなと聞いて武術研究部を紹介し、そこで体を鍛えるのだった

 

ここからが冒頭までの話

あの日から1週間後、僕はレイジョと組み手をしている

互いに技を繰り出すも最後の最後でレイジョの発勁を受けて僕はダウンする

 

「今日も負けた~!」

 

レイジョとはそこそこいい勝負はできてるけど、経験が向こうが上だから最後で負けてしまう

 

「なかなか筋はいいですよ。私も本気を出さないと勝てるかどうか分かりませんから」

「達人にそう言われると嬉しいな」

「そんな達人だなんて……私はまだまだですよ」

 

髪と同じように頬を赤くしながら照れるレイジョの姿を目の保養にしながら僕は立ち上がる

 

「さてと、次は」

「それにしてもカンフーだけではなく様々な武術を習っているそうですね?」

 

カンフー以外で僕が習っているのは柔術・合気道・銃剣道・剣術・杖術・空手道だ

剣術にいたっては居合術も習っている。理由?カッコいいでしょ?

剣術を習うにおいて居合抜刀はロマンだな

基本的な方を習い、素振りから稽古を行い一日を終える日を過ごしている

 

「よくもまぁ、今日の稽古があるのに疲れないんですか?」

「ここ最近、体力がついてね。戦いの幅が増やせて嬉しいくらいだよ」

 

主にヘルメット団やマフィアの連中とカイザーとの戦いのおかげで体力が上がってね

今じゃ、素振りだけで1万回は触れるくらいだ

 

「そうですか。……ですが、この前みたいに朝まで体を鍛え続けることはしないでください。噂になってたんですから」

 

僕はいち早く強くなるために夜中から朝まで習っている武道や武術の自主稽古をしていたんだ

そのせいでこのような噂が起きてしまったんだ

『夜中の駐車場に武術家との戦いを希望する亡霊がいる』って

 

その噂を聞きつけ、僕に腕試しに戦いを挑んできた山海経の生徒がいたけど噂の出所が自分自身だと知らなかった僕はそのまま習った武道武術の腕を上げているとレイジョがやってきて倒されて説教を食らったのだ。僕の自主練を聞いたレイジョのチベスナ顔は忘れることが無いだろう

 

「分かってるよ。またあんなに怒られたんじゃたまったもんじゃないからもうしないよ!」

「当然ですよ!あんな体を壊すような鍛錬なんて「グゥー」えっ?」

 

レイジョがそう言いかけた瞬間に、僕の腹の虫が鳴った

 

「そう言えばもうすぐお昼か。どこで食べよっかなぁ」

 

肉まん食べ歩いてもいいし、羊肉串*3を食べてもいいな。

 

「それなんですが……作ってきました」

 

レイジョは僕に二段に重なった重箱を渡してきた。

 

「作ってきたって……レイジョが?僕に!?」

「嫌なら下げますけど「嫌じゃないよ!ありがとう!!」……そう喜んでくれるとは」

 

マンガでしたか見たことが無い女子生徒から渡される手作りのお弁当!!

早速、重箱の蓋を開けてみると油条*4と紅焼肉*5二段目の蓋を開けると脆皮雞*6と彩が多い野菜料理の数々があった。すごく美味しそうだ

 

僕は彼女が作った料理を食べていく

紅焼肉を油条に挟んで食べて、脆皮雞と野菜料理を同時に食べる

箸が進み、あっという間に重箱に入っていた中華料理は空になった

 

「ごちそうさま!美味しかったありがとう。また食べたいよ」

「そ、そうですか…よかったです」

 

レイジョが嬉しそうに微笑む。彼女のキャラデザも好みだし

はっきり言って推しの一人だ。……手に入れたことはないけど

食べ終えた僕は空になった重箱を顔を赤く染めているレイジョに渡す

 

「ありがとうレイジョ。これで午後も頑張れるよ!」

 

そう言って僕は次の武術を習いに行く

柔術で締め落としにかかる相手から抜けて逆に締め落とし、合気道で投げたり、投げられたり、

銃剣道で鳩尾を突かれて悶絶したり、剣術で鍛えた技を門下生と競い合い、杖術で頭や肩を叩かれ、空手道で数々の攻撃を受けて捌いたりして僕の今日の一日は終わった

 

「いてて……でも、なんだか強くなった感じはするな」

 

僕の改造キャンピングカーの風呂で汗を流しながら自分が強くなってる実感を感じつつ、自身の体を見る。一年前の体と比べると腹筋が薄っすらと割れ、筋肉も付いてきた

このまま鍛えれば腹筋が目に見えるほど割れてくるころだろうが無理をしすぎると身長が伸びなくなると言われているからな。これ以上の筋トレは控えよう

 

武術と武道の技もある程度、身に付いたことだし山海経を出ようと考えているが……一つだけやり残したことがある。それはレイジョがしていた発勁を習得してないことだ

なんでも相手の体内にダメージを与えて無力化する技術だそうで実際に食らった僕はライフルを至近距離で撃たれたような痛みを感じた

 

仮にHGでしか持っていけない場所でも発勁ができれば戦いの幅が広がると感じた僕はレイジョの発勁を試してみるが思うようにいかない。サンドバックでやってみても縦に揺れるだけ

レイジョがやった相手を吹っ飛ばすような衝撃を与えることはできなかったんだ

 

この山海経から出る前にこの発勁だけは完全にものにしたい

とりあえず、明日は発勁の練習を多めでやるか

 

 

翌日

僕は発勁の練習をしようと武術研究部に向かう道中、玄武商会が騒がしかった

 

「なにがあったの?」

「リュウジ……実は」

 

レイジョに聞いてみたところ、この前のヘルメット団を鎮圧の際、爆破したグレネードにより大きな岩が落ちてきてしまい、山海経の川の流れをせき止めてしまったそうだ

 

「爆破で岩を壊すのはダメなの?」

「そうしたら付近の畑が壊れますから手作業で壊すしかないんですけど……」

「けど?」

「そのピッケルも爆破したグレネードで壊れてしまって、このままでは作物が育たずスパイスも米に野菜、家畜のエサもできませんよ」

「そうなんだ……ん?」

 

爆破物を使わなきゃいいんだよね?

 

「どうしましたか?」

「いい考えを思いついたんだ」

「いい考え?」

 

上手くいけば大岩も割れるかもしれない

 

 

「発勁で大岩を割る!?」

「そうだよ……にしてもいい大きいな~僕3人分の大きさじゃない?」

 

ちょうど川の水もせき止められているから足場があるし、ちょうどいいな

 

「無茶です!この大岩を拳で割るだなんて!しかも発勁はまだ習得できてませんよね」

「うん。だからこの岩を割って完成させたい」

「骨が砕けますよ!?」

「これでも頑丈だよ。骨が折れてもすぐに治るさ」

 

僕は震脚で踏み鳴らし、大岩に指を当て、発勁を打つ

ゴンッ!という鈍い音が鳴ると同時に僕の手に熱い痛みが走る

 

「いっだぁあああ!!?」

「当たり前じゃないですか!?馬鹿なんですか!!」

「いや、流れは良かったんだよ!このまま行く!絶対に完成させて見せる!!」

「えぇー まぁ、ほどほどにしてくださいよ」

 

呆れながらレイジョはどっかに行った。恐らく、ピッケルの再発注しに行ったのだろう

僕はそのまま発勁を打ち込んでいく。硬く大きいな岩に僕の拳がぶつかり嫌な音を立てる

どの発勁もレイジョが見せてくれた発勁みたいにいい音が出ない!

 

あれから何時間経ったんだろう

……朝8時からして、今は太陽が真上に来ているから12時くらいか?

拳の中手骨から皮膚が裂け、血が出てきて痛みも感じる

けど、そんなことよりも僕は発勁が完成できないことに対する焦りが痛みよりも上回っていた

 

(どうしたらできるんだ!?疲れてきたぞ)

 

僕は20から数えていない発勁を打ち込む

すると、今までと比べると音が違った

ドン!

 

ッ!?今のは良い音がしたぞ!レイジョの発勁に近いものを感じた!!

この感覚を忘れちゃダメだ!覚えるまで打ち込み続けるんだ!

あれから僕は食べるの忘れて大岩に発勁を打ち込み続ける

 

夕日が沈み始めた時も、夜の時間帯になっても、月明かりが地面を照らす時も発勁を完成させるために何度も何度も大岩に拳を打ち続ける

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

拳の肉が裂け、血が流れ、骨が見えそうになるも、ナノマシンのおかげで血が止まり、肉が再生される

それから、朝日が昇るが大岩にはヒビ一つ無かった

 

あれから一夜掛けて拳を打ち込んだのにだ……いいよ

サイコロステーキみたいになるまで打ち込んでやる

 


鹿山レイジョ視点開始

 

私の名前は鹿山レイジョ。山海経の玄武商会に所属する2年生です*7

今、私は山海経全体の作物を育てる川をせき止めている大岩の元に向かっています

その理由は1週間前に山海経に来たブラックマーケットの傭兵、蛇尾リュウジが発勁を完成させるために大岩に拳を打ち込んでいるそうなので様子を見に来たのです

 

あの大岩を発勁で壊すと言って3日も経ちましたが……流石に諦めていることでしょう

そう思い、あの大岩の元に行くとまだ蛇尾リュウジが大岩に拳を打ち込んでいたのです

 

「まったく。まーだああやって拳を打ち込んで…仕方のないしもべデスネ」

 

近くにいる四角いロボット。クラップトラップでしたっけ?彼?に聞いてみたのです

 

「ちょっといいですか?彼は今日もやっているのですか?」

「おや、玄武商会の方じゃありませんか。えぇ、そうです。しもべは丸三日もああやって拳を打ち込んで大岩を壊そうとしているのデス」

「み、三日も!?」

 

驚きました。まさか三日間も食事も睡眠もとらず打ち込み続けているなんて

 

「なんで止めないんです!?」

「ワタシも止めましたよ。そうしたらなんて言ったと思います?もう少しで物にできそうだから邪魔をしないでくれとね……まぁ、ワタシにはしもべを強引に連れ戻せるほど力もありませんからネ。見守ることしかできまセン……おーい、しもべよ!カンフーガールが来ましたよ!」

 

クラップトラップの言葉にリュウジがこちらに振り向きました。

その表情に私は息を呑みました。

目に黒い隈ができてて顔は疲れ切っているのか今にも倒れそうで、止めるべきだと思ったのですが

 

「……あぁ、レイジョか。見ててくれよ……もうすぐ完成するんだ」

 

彼は震脚で地面を踏み鳴らした後、中指を大岩に突き立て拳を打ち込みます

その瞬間、大岩に大きなひびが入ると同時に大きな爆発音が響きました!

 

ズドンッ!!

 

まるでミサイルが直撃したような衝撃に大岩が砕け散り、崩れ落ちます

それは私の発勁を大きく超えていました

 

「す、すごい……はっ!」

 

思わずそんな感想を言う私ですが、倒れたリュウジを見て回収に動きます

川の流れをせき止めていた大岩が壊れたとなれば、これまでせき止められた川の水が流れるという事……つまり、リュウジは川に流されてしまったのです

 

その後、私は川に流されたリュウジを回収し、クラップトラップが持っていたロープを使い川から上がり、彼を玄武商会の部屋に持ち運ぶのでした


鹿山レイジョ視点終了 リュウジ視点に戻る

あの時の感覚を今でも打ち込んだ後にでも感じている

すでに何回も打ち込み続けて感覚が薄れた拳、極限まで疲れ切った身体、三日三晩も続けて行われたことですり減らした精神、その三つのおかげで僕は自分の体の中にある力を感じた

 

それは神秘の力だ。

ブルアカの生徒が神秘に由来する何かしらの特質を持っていることが仄めかされているあの神秘だ

未だに詳しく解明されていない曖昧な物を僕は疲弊し切った身体から感じ取ることができた

どうせ、後1回しか拳を打ち込めないんだ……やってやろうじゃないか

 

僕はライフルをイメージして身体の中に渦巻く自分の神秘の力を弾丸に強くイメージする

震脚で構え、大岩に突き立てる中指に神秘の力を流し込んで、それらを一気に放つ

あの時の音は爽快だった。大岩が崩れ落ちるのを見て完成を確信したね

僕はそのまま気を失ってしまって目を覚ました時は、ベッドの上だった

 

「ようやく起きましたネ!しもべよ!」

「クラップトラップ……ここは」

「ここは玄武商会の生徒たちの部屋の一つ。あなたは見事に大岩を破壊した後、糸が切れた人形のように気を失っていたのですよ。一日ほど」

「一日も!? ……あれ?レイジョは?」

 

確か、声をかけられたと思ったんだけど

 

「彼女ならそこにいますよ。ほら、そこに」

 

クラップトラップが指差した先にレイジョが椅子に座ったままベッドに眠っていた

 

「あなたが起きるまでに看病してくれたんですよ」

「そうか…お礼言わないとね」

 

僕は彼女の赤い髪を撫でそうになったが手に痛みが走ったのでやめた

 

「そうそう、あなたが発勁をするのに使った左手。どうやらあの大岩を壊した時の発勁の威力が高すぎて手の皮膚の大半が千切れたそうですよ。まぁ、ミレニアム製のナノマシンを打ち込んでいるあなたならその程度の傷は1日で回復すると思いますがね」

 

そうクラップトラップが言うとレイジョの瞼が開き、僕を見ると驚きで目を見開いた

 

「お、おはようレイジョ」

「起きたんですね!よかったです!」

「おかげさまで……」

「本当によかったです……それはそうと」

 

僕の安否を着にしたレイジョの様子が変わる。

彼女の周囲に赤いオーラが込みあがり、徐々に髪が揺れる錯覚が目に映る

 

「あれほど、無茶な鍛錬は止めるように言ったのに繰り返すなんて反省しなかったんですね」

 

げっ!?やっぱりそのことで怒ってるんだ!?

 

「で、でもレイジョ!発勁を物にするにはあの大岩がちょうどよかったんだ!それに結果的にあの大岩も壊すことができてよかったでしょ?」

「あそこで私がいなかったらあなたが川で溺れ死ぬところだったんですよ!!」

 

レイジョは感情的になる事はないけど冷静に追い詰めるイメージが強いから逆に怖い

コユキに淡々と問い詰めるノアみたいだ

その後、僕はレイジョに長々と説教を1時間くらい受けた

 

ちなみに僕が怒られている姿をクラップトラップは録画していたそうだ

横で笑いながらその様子を録画しているのは知ってるからね!

レイジョに助けられたのもあって僕はただ、彼女の言葉を受け止め続けるのだった

 

「まったく……次はあんな無茶をしないでくださいよ」

「……善処します」

「そこは絶対にと言ってほしいですが」

 

そりゃ無理だよ!アランチーノファミリーを含めたマフィア、カイザーの刺客、賞金目当てのヘルメット団とスケバンに襲われてるのに無茶するなは無理だよ!

キヴォトスに銃を持たずに素手でヒナ、ホシノ、ツルギ、ネルを戦えって言ってるようなもんだよ

 

レイジョの説教から解放された瞬間、僕は猛烈な空腹感に襲われた

そりゃ三日間も食べてないのならすごい腹が減るはずだよ

 

「お腹すいた」

「そう思って作ってきました」

 

レイジョは自分が作ってきた料理を机の上に置く

置かれたのはお粥だ

 

「お粥?」

「三日三晩も食べてない人にいきなり多くの食事は無理だと思いまして」

「ありがとう。いただきます」

 

けど、利き腕じゃない方で食べるのは苦戦した

 

「食べづらそうですね」

「いや、利き腕が左腕だからさ……少しね」

「……なら」

 

レイジョはレンゲを持って僕にお粥を差し出す

 

「私が食べさせてあげましょうか?」

「えっ!?いや、そんなことしなくても」

「無茶な鍛錬をして倒れたあなたに断る権利があると思ってるんです?」

「うっ……はい」

 

こうして、僕はレイジョに食べさせてもらうことになった

初めての女の子にあーんされて恥ずかしさと嬉しさが交じり合った複雑な感情と共にお粥を食べていく僕。あっという間にお粥は無くなり、レイジョはお粥に入ってる椀を片付けに行くのだった

 

そうしているとクラップトラップが近づいてきた

ロボットの体でも分かるほどニヤついているのがよく分かる

 

「やりましたネしもべよ!あのような美少女にあーんをされるなんて……羨ましい限りデス!」

「うるさいよクラップトラップ!それより、さっきレイジョに怒られた動画を消してよ!」

「無理ですね。私が録画したのを消せばカイザーの証拠も消されますからね……それで?」

 

なにさ?

 

「どうでしたか?あんな美少女にあーんされた感想は?」

「……嬉しかったです」

 

僕は顔を背けながらそう言うしかなかった。耳が赤くなっているのがよく分かる

クラップトラップの笑い声が部屋の中に響くのだった

明日になり、僕の左手の皮膚が元通りに治り山海経を出ることにした僕

武術研究部、現代武道部の人たちにお礼を言い、最後に玄武商会に来ていた

 

「今までお世話になりました」

「良いよ別に。また食べに来てねたくさん作ってあげるから」

「こ、今度は一人前の量でお願いします」

 

流石にまたあの量を食べるのは遠慮したい

 

「レイジョも武術を習っている間に弁当を作ってくれてありがとう!」

「……ふーん?」

「わ、私は別に弁当を作るのは嫌じゃないのですのでいいんです」

「でも、あのお弁当のおかげで頑張れたのもあるから」

「こちらこそ料理の練習になりましたし気にしてません」

「じゃあ、また会おうね!」

 

そんな会話をしつつ僕は玄武商会を後にするのだった


三人称視点 開始

リュウジが出ていった玄武商会の出入り口を見つめるレイジョ

彼女はリュウジと鍛錬を行った日々を振り返っていた

どれもこれも退屈しないもので彼とそれができないことに寂しさを感じていると

 

「レイジョって年下の子が好みだったんだねー」

「ぶっ!?」

 

ルミからそんなことを言われてしまう

むせてしまい、驚いて振り向くとルミを中心に玄武商会の生徒たちが微笑ましそうに見つめていた

 

「ち、違います!リュウジをそういう目で見てません!あくまでカンフーの鍛錬で一緒なだけで」

「お弁当も作っていたのに?口に合うかなとか考えているのは見て分かったよ」

「そ、それは数多くの武術の鍛錬に勤しむ彼の力になろうとして」

「川で流れかけたリュウジを助けて看病もして? いやー仲がいいね~」

 

ルミの言葉に黄色い悲鳴を上げる玄武商会の生徒たちに赤い髪よりも顔を赤くするレイジョ

否定の言葉を言うも、それがますます誤解が広まり続け、次第にこのような噂が広まった

『鹿山レイジョは蛇尾リュウジにお熱』だと


三人称視点 終了

 

山海経を出た僕はD.U.シラトリ区の第3業務地区で銃を売っている

どれもこれも(レア)(アンコモン)の銃だけどそれなりに強い

獣人やら、スケバン、ヘルメット団が買いに来るも無事に一日を終えることができた

 

「ひーふーみー、今日の売り上げは20万か」

 

結構売れたな。青武器に弾薬とスコープをセットで売ったのがよかったな

春葉原にKinds!というステーキ屋さんがあるから今日はこっちで食べようかな

そう思って準備をしていると

 

「クックックッ……精が出ますねスロートスカー」

 

背後から話しかけられた存在に向かって銃を向ける

そいつはこのキヴォトスにおいて生徒たちを研究材料と見ているゲマトリアの一人

『黒服』だ

 

「悪いけど閉店時間だ。銃のご購入ならまた明日に来てよ」

「そう言わずに…あなたにとって悪い話ではありませんよ」

「いいだろう。話しだけは聞かせてもらう。妙な動きをしたらすぐに撃つ」

 

こうして僕は招かれざる客をもてなすのだった。

 

*1
空中でのみフルオート射撃が可能で敵を倒さない銃。元ネタはこの銃をドロップする敵がバットマンのイースターエッグであるから敵を倒せないのだ

*2
透明でつるんとした皮の中にエビの餡が詰まった広東風の蒸し餃子。皮が薄く、エビのぷりぷりした食感が特徴

*3
羊肉を串に刺し、クミンや唐辛子を使った香辛料で焼き上げた北京のストリートフード。外は香ばしく、中はジューシーな肉の旨味が特徴

*4
油で揚げた中華風の揚げパン。外はサクサクで中はふわふわ、甘くないためお粥や豆乳と一緒に食べるのが一般的

*5
豚バラ肉を醤油や砂糖で煮込んだ甘辛い料理。とろけるように柔らかい食感と、濃厚なタレがご飯との相性抜群の一品

*6
外側がカリカリに焼かれた広東風のローストチキン。皮はパリッと、肉はジューシーで、特製のタレをかけて食べる料理

*7
原作1年前の話なのでレイジョは2年生です




今回の話はいかがでしたか?
久々の投稿で1万文字を超えてしまいました。
皆様はボダラン4を遊んでらっしゃるのでしょうか?
私は全てのDLCが出て安売りされるまでは買わない予定です

なんでも認可パーツと強化パーツたるものが実装されたとか
攻略Wikiで確認したところかなり強力そうで今後の話に出そうかと悩んでいます
ぜひ、アンケートに書くので投票してほしいです。
次回の話も楽しみに待っててくれると嬉しいです

ボダラン4の認可パーツと強化パーツの要素も加える?

  • やっちゃえ!
  • 出さなくていいです
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