荒んだ人生で心が壊れたうつ病男性がキヴォトスに転生 作:ダブクロチャンネル
「ありがてぇ!本当にこんな生活を送れていいのか!」
僕の名前は蛇尾リュウジ。目の前で跪くヘルメット団に困惑している転生者だ
前回の件でヘルメット団を武器のパーツを作る工場の労働力にしようと彼女たちを勧誘しに行ったんだ。快く承諾してくれたり、
そこで労働力になってくれるヘルメット団に買い取ったアパートを紹介したところ、なぜか感涙して僕に跪いてるんだ……なんで!?
ただの部屋の広さが8畳、家賃は2万(支払いは現金のみ)、防弾防爆の壁と窓ガラス、壊れてもすぐに業者が修理に来る保険付き、鍵付き、洗濯機など最低限の家具、毛布がセットで置いてあるだけの2階建てアパートなのに!
「これ、本当に住んでいいのか!?」
「もちろん。家賃は2万。防音防弾防爆だから騒いでも別にいいけど近隣住民に迷惑をかけない程度にしてね。別にどんな手段で働いてもいいけど、あまりあくどい依頼や仕事はダメだよ」
「分かりました!ありがとうございます!」
立ち上がったと思いきや、一斉に頭を下げられて少しだけビックリする
周りの目線も集まって、居心地が悪い
「家賃は月に大家として雇った人に払ってね」
「分かりました!今から荷物を置きに行くぞ!!」
すごい勢いでアパートの方に走っていった彼女たちの背中を見て僕は隣にいたクラップトラップに話しかける
「ねぇ、クラップトラップ?もしかして僕の基準っておかしいのかな?」
「そうですね。ワタシの目から見てもこのブラックマーケットでいかに品質が良くて家賃が安い、そんなアパートなんて滅多に無いデスよ。大体の人が裏路地の奥とか空き家を住んでますからね」
そうだったら、あんな風に驚かれるのも納得だな
「そう言えばしもべよ。ミレニアムのエンジニア部のウタハからメッセージが届きましたヨ。『例の砂の調査結果が出た』と」
「おぉ!もう出たのか!」
僕は以前、アビドス砂漠で採取したビナーが巻き起こした砂をミレニアムのエンジニア部に調べてもらったのだ。これであれがタダの砂かそうでないのかを判断できる
もし、人口の砂ならビナーを倒せば砂漠化の進行は終わる。そうでなかったら、それまでだ
「僕はミレニアムに行くけどクラップトラップも来る?」
「い・や・デ・ス!あの連中に追いかけまわされるくらいならここにいます!」
クラップトラップは以前、ウタハたちエンジニア部に追いかけまわされ解剖されかけたことがあった。それ以来、ウタハたちには強い苦手意識が芽生えてるのだ
「じゃあ、僕の店の店員をしててね?ボディーガードにヘルメット団を雇っているけどあまりお客さんに失礼が無いようにね」
「いいでしょう!今日もワタシの接客テクで今日一番の売り上げを叩き出してやりますヨ!」
こうして、僕はミレニアムに向かうのだった
ホバーバイクをエンジニア部に直結しているガレージに停め、エンジニア部に向かうとウタハがいた。彼女は雷ちゃんを整備しており、僕に気が付くと作業の手を止めた
「あぁ、リュウジ。待っていたよ……ところでクラップトラップはいないのかい?」
「ウタハたちに解剖されると困るからって僕の店番をしてるさ」
「そうか……あの魅力的なボディに宿る性能を見て見たかったのだけど」
そうされるとカイザーの弱みも消えるからやめてくんない?
好奇心いっぱいの目を向けるウタハをジト目で見る僕に気づいて頬を赤らめ咳払いをした
「それはそうとリュウジ。君が調べてほしいと持ってきたアビドスの砂漠の砂なんだが……あれは人口の砂だ」
やっぱりか……これでビナーを倒せば砂漠化も解決だな!
「ただ、人口の砂にしてもケイ素が多かった」
「ケイ素?なにそれ?」
「説明しましょう!」
うわっ!?どっから現れた!!
低身長・谷間どころかネクタイを挟んで下まで通してしまっている巨乳、吊りスカートのホックが外れっぱなしで丸見えのお腹、メガネの左のアンダーリムが涙型に屈曲しているデザインの女子生徒。豊見コトリが現れ
「ケイ素とは地球の地殻で2番目に多い元素で、主に
えーと、つまり?
「アビドス砂漠の砂はそういった材料になりやすいって事?」
「その通りです!……えっ!?」
「なんで説明した自分が驚いてるのさ!」
「いや~その……私の説明を最後まで聞いてくれた人があまりいなくてですね」
あぁーそう言う事か。絆ストーリーでも逃げられていたな
まぁ、コトリが長々しく説明するから嫌になったんだろうけど……ん?
待てよ?ビナーの砂がガラスやコンクリートに使えるのなら
これ、お金にできるチャンスじゃないの?
このキヴォトスだとグレネードや流れ弾でガラスが毎日のように割れるって聞いたし、歯磨き粉や洗顔料は日用品だから毎日売れし、ガラス細工は最低でも1万円すると聞いた。
これを上手い事利用していけば……アビドスの借金は減る?
「ウタハ……この砂はケイ素が非常に多いの?」
「平均的な砂の10倍は多いよ……こんな砂は初めて見た。アビドスにこのような物があったなんて」
僕はアビドス砂漠の砂が入った容器を受け取り、そのままホバーバイクのシートの中に入れる。
この中も開発した4次元バックパックと同じようにいろんな道具などを積むことができて最低50個は質量を無視して入れることができるんだ。バイクに積み終えてバイクにまたがる
「そのバイクも改造してみたいものだな……リクエストはあるかい?」
「そうだな……空を飛んでみたいな。この推力を下から横に移動すればできるでしょ?」
「もちろん可能さ。君がそうしてほしかったらいつでも改造するさ」
「じゃあ、その時が来たらしてほしいな!ありがとね!」
そんなやり取りをして僕はブラックマーケットに戻るのだった
戻った直後、僕はアビドスに行く準備をしていた
あそこ、暑くて治安が悪いからね。水分補給を多めにするための水と十分な武器と弾薬を持って…あっ、そうだ。デスサイスも持っていこう。ヘルメット団相手に試し撃ちしたいしね
「リュウジさん。帰ってきたのにお出かけですか?」
「シズメ。ちょっとエンジニア部に調べてもらった砂の事でアビドスに行くんだ」
「……そうですか」
エンジニア部の名前を出した瞬間、表情が陰るシズメ
やっぱり、まだエンジニア部で作った発明を称賛されないことを気にしてるのか
「まだ自分の発明が称賛されないことが気になる?」
「まぁ……気にしてないと言えば嘘になりますね」
「僕は賞与とかされたことないからよく分かんないけどさ……」
僕は頭を掻きながら慎重に答える
「確かにさ……賞与されて凄い発明だって世間の皆に伝わるのはいいと思うよ。それが知名度になってシズメのキャリアにも繋がるし、依頼だって増えるかもしれない。……でもさ、偉い人が褒めるよりもシズメの発明品をこのブラックマーケットの人たちは喜んで使ってくれてるよ?」
「そ、それは……」
現にシズメの発明品はブラックマーケットの住民たちに利用されており、誰もが感謝している
僕だってシズメの発明には感謝してるさ
「知名度や自分の凄さを証明するのもいいけど…少数の審査員より実際に使ってくれてる客の人数が君の凄さを理解してくれると思うよ?」
「ッ!!それでも私は!……称賛されたかった」
(失敗したかな……)
悲しげに目を伏せながら去っていく彼女の背中を見ているとシズメの弟子の一人が話しかけてきた
「あ~あの……」
「ん?シズメの弟子の一人じゃないか。……ごめんね気まずい空気作って」
「いや!いいんですけど……シズメさんも大体分かってると思いますよリュウジさんの言葉の意味も……けど、自分の発明品が称賛されなかったことが、まだ頭の中で引っかかって抜けてないんですよ……夢でたまにうなされてるし」
後悔か。僕は発明家でもエンジニアでもないから分かんないけど、自分が丹精込めて発明した者を否定されるのは自分自身の人格を否定されるに等しいのだろう
シズメにもなにかしらのその取っ掛かりを壊すチャンスがあれば……
「それで?君は僕に何の用なの?」
「そうでした!リュウジさんの幻痛の修理ができました」
「できたの!?ヒナに粉々にされたから無理だと思ってたのに!」
「まぁ、修理じゃなくて改造になってしまいましたが……こちらです」
渡されたのはより鋭く、より日本刀に近い姿に生まれ変わった幻痛
僕はそれを鞘から抜いて刀身を確かめる
青色の刀身は芸術的と称されるほど綺麗で刀身には青い稲妻の紋様が書かれていた
「すごく…綺麗だ…」
「リュウジさんが持ってきたビナー?ってロボットの装甲を材料にしたんですけど切れ味が凄くて、試しに50口径の対物ライフルで試したんですけど、弾丸が真っ二つに両断されました」
おい!試作品でそんな無茶をしたの!?ビナーの装甲は10個ぐらい回収したから別にいいけどさ
「理論上、戦車の砲弾や装甲も両断する切れ味になってます……あの、そのビナーって何者なんですか?ロボットにしてもハイテクすぎますし……」
「そうだな~ ……神様を作ろうとしてできた人工知能のAIかな?」
僕は新しく生まれ変わった幻痛を手にアビドスに向かうのだった
アビドスに向かう道中、僕は久々にキャンピングカーを運転していた
クラップトラップに運転を任せっきりだったけど、自分の手で運転してみたかったんだ!
……にしても
「やっぱり砂漠化が去年より進んでいるな」
目に見えるほど砂漠化は進んでいた。一年前はここまで進んでいなかったはずだ
去年利用していたガソリンスタンドも、今では大量の砂のせいで潰れていた
(これもビナーが活動しているせいか…そのビナーを僕が怒らせたか…)
両方だろうな。僕はそう思いつつアビドス学園に向かっていると銃声音と争う声が聞こえてきた
「あーもう!こいつらしつこいわね!」
「どうしましょう?弾薬も少ないです」
誰だが知らないがピンチだな!助けに行くか!
僕はハンドルを切って声がした方に向かって突っ走る
リュウジ視点から切り替わって???視点開始
私の名前は黒見セリカ。アビドス高等学校に通う1年生よ
今日はアヤネちゃんと一緒に買い物をしているところをヘルメット団に襲われたの!
なんとか応戦したけど弾は少ないわ、あいつらが多いわで散々よ!
遮蔽物に隠れているけど、もう限界ね。弾を受けて壊れかけているもの
「こうなったら一か八か、あいつらの銃を奪って……」
「そんな!危険ですよ!」
アヤネちゃんが引き止めてくるけどそうも言ってられないわよ!
私が遮蔽物から出ようとしたその時よ
「あぶなーーい!!!!」
そんな大声が出たと同時にキャンピングカーがヘルメット団を撥ね飛ばしたの
「「えぇええ!?」」
驚いて声を上げる私とアヤネちゃん
撥ね飛ばされたヘルメット団はきりもみ状に回転しながら砂山に突っ込んでいった
「2人とも!大丈夫か!」
運転手が下りてきて私たちの方に近づいてくるけど……えっ?男の人!?
それに見たところ、私達と似たような年齢に見えるけど……
紫色の髪に深い青色の瞳をしていて、ややカッコいい系の顔立ち
黒のジーパンに灰色のパーカー、赤色のシャツを着ている
この付近で見たことはないわね
「大丈夫だけど、あっちの方が大丈夫じゃないわよ!」
「え?……あっ」
運転手の男はヘルメット団に近づいて
「大丈夫だ。これを打てば治るぞ!」
赤い液体が入っている注射器を刺した
「ンアーっ!!!!」
「ちょ、大丈夫なのそれ!?」
「体のダメージを一気に回復させるから痛みを強く感じやすいだけさ……試作品だけど」
なんか言葉の最後に不安になる事を言った!?
運転手の男は私とアヤネの方に振り替える
「君たちが無事でよかったよ。怪我をしてたらホシノに悪いしね」
「ホシノ先輩の知り合いですか?」
「……まぁね。とりあえず、乗ってく?アビドス高校まで乗せてってあげるよ」
キャンピングカーを指差されて私とアヤネちゃんは互いに顔を見合わせる
いきなり現れてヘルメット団から助けてくれたはいいけど…あいつらの味方かもしれないし、だけど私たちも弾薬があまりないから戻る途中で襲われたらなにも抵抗できない
「分かったわ……乗せてもらうけど、変なことをしたら承知しないんだから!」
「そんなことしないよ。さっ、中で寛いでね」
運転手の男はそう言ってキャンピングカーのドアを開けて私たちを手招く
中に入った私とアヤネちゃんは驚いた
(うわっ!?なにこの車内。まるでホテル並みの設備じゃないの!)
(このソファーひじ掛けを開けるとドリンクホルダーになってます!?)
(しかも、このベッド。柔らかすぎて沈んでしまいそう……)
ホテル顔負けの設備、座り心地の良いソファー、柔らかすぎるベッド、それに目を奪われたのは多くの銃。まるで特殊部隊かって思うほど銃が多いの
見たところ私でも分かるほど質が良い銃だった
(……あいつはいったい何者よ?)
そう思いながら乗り心地がいいキャンピングカーでアビドス高校までたどり着いた
リュウジ視点へと戻る
まさかあそこでアヤネとセリカに会うとはな
僕はキャンピングカーを駐車場に停めてセリカたちを下ろすとホシノが出迎えてくれた
「うへ~、セリカちゃんとアヤネちゃん。リュウジ君の車で戻ってきたんだね~」
「ホシノ先輩。この男の事を知っているの!?」
「まぁ、ちょっとねぇ~ヘルメット団を倒した仲なんだよ~」
ホシノは相変わらずか……身長も性格も変わっていないな
変わったとすればポニーテールから散々ゲームで見た姿になったな
「ホシノも変わらないな。変わったのは髪型だけか?」
「そういうリュウジ君は身長が伸びたんじゃない~」
「分かる?去年は165cmだったけど、この一年で170cmになったんだよ」
にしてもこのホシノを見ていると徐々に原作に近づいてきたなと感じる
「あ、あの…ホシノ先輩?そのリュウジ君って……もしかして?」
「そうだよ。あの噂の蛇尾リュウジ君」
「「えぇええ~~!?!?」」
噂?一応聞いてみるか
「ねぇ、あの噂のってどういうこと?」
「自分の事なのに知らないのあんた!?去年にキヴォトス中のブラックマーケットを壊滅させて、マフィアやカイザーに5億の懸賞金をかけられて、ゲヘナ最強の生徒に勝ったって噂よ!!」
うわっ!?ヒナとの戦いがもう噂になってる!
セリカに続きアヤネも僕の噂を話し始める
「しかもD.U.のブラックマーケットの一部を支配下としていて、おまけに4次元バックを開発し、キヴォトスの企業から多額の特許料を貰い、それを元手に工場を買い取って自身が売る銃のパーツを売りさばき、退学した生徒やヘルメット団に居場所や安定した仕事先を紹介するためにアパートを提供して結果的に治安改善に繋がったとか色々言われてますよ!」
物凄い勢いで首を縦に振るセリカ。あ~もしかして?
「僕って結構有名人になってるやつ?」
「そうだよ~このアビドスでもリュウジ君のことは噂になってるからね~」
おぉ……そんなになってるなんて
あれ?ってことは……連邦生徒会やトリニティでも噂になってるってことだよね?
うわー!やだー!絶対に僕を疑って変な勘繰りをしてくるやつじゃん!
「ってか!そんな有名人がアビドスになにしに来たのよ!ここにはなにもないわよ!あるのは膨大に膨らんだ借金だけよ!」
「9億だっけ?」
「まだ7億よ!!」
もうそこまで上がったか……だとしても好都合だ
「僕がここに来た理由はね……その借金の対策になるかもしれない話しなんだ」
僕のこの案を受け入れてくれるか不安だがやるだけやるしかない
特にホシノが僕の案を信じてくれるかどうかにかかってる!
今回の話はいかがでしたでしょうか?
感想と評価を楽しみに待ってます!
交渉とか頭のいい話は難しい話は苦手だけど無い頭捻って考えます!
リュウジのサンデヴィスタンもどきの技名はどれがいいですか?
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零の静域
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無窮なる環界
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太極の瞳
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刻の蛇