荒んだ人生で心が壊れたうつ病男性がキヴォトスに転生   作:ダブクロチャンネル

23 / 37
第21話 借金の返済は計画的に

「それで……その借金の対策になる話ってなんなのよ」

 

案内された教室でセリカが疑わしそうに僕を見てくる

僕の名前は蛇尾リュウジ。現在、アビドスの教室でホシノ、アヤメ、セリカ、シロコ、ノノミに囲まれている転生者だ。

 

僕はアビドス砂漠の砂に含まれているケイ素が一般的な砂の10倍だと知り、借金返済に役に立てるんじゃないかと考えてアビドス高校に来た。

ここに来る前に様々なプランや資料を作成し、アビドスの面々で発表をするのだ

 

「その対策って話しはね……今、君たちを苦しめているこの砂漠化の現象を逆手に取る事さ」

「どういう意味よ?」

「一年前このアビドスに寄った際にアビドス砂漠で砂を採取して調べたところ、一般的な砂に含居間れている10倍のケイ素が含まれているのが判明した」

 

持ってきたドローンのホログラム映像を見せて一般的な砂との比較をする

それを見た面々は半分疑わしそうに、半分驚き、もう一人は観察するように見ていた

 

「うへ~いつの間にそんなことをしてたの?」

「黙ってやったのはごめんだけど調べるのに必要な事だったんだ」

「その砂がどうして借金を返済するのに役に立つって言うのよ」

 

イライラし始めているセリカを宥めるように僕は話を進める

 

「ガラスや瓶って砂に含まれるケイ素で作られているのは知ってる?」

「まぁ……中学の授業で習ったけど」

「他にも砂に含まれるケイ素はコンクリートや洗顔料や歯磨きにも使われるんだ。特にキヴォトスだと銃撃戦でガラスが流れ弾で割れるし、建築業なんて花形にはコンクリートも必要になる」

「もしかして、その砂を加工して売るってこと?」

 

僕の言葉の意図を察したセリカは少し笑みを浮かべる

 

「正解だセリカ!無限に湧き出るアビドス砂漠の砂を加工して、キヴォトス中に売りつける!」

 

特にトリニティでは質の良いガラスを高値で買い、レッドウィンターの工務部はコンクリートを買ってくれるし、治安の悪いゲヘナでもガラスが割れることはしょっちゅうだから購入してくれるはずさ。D.U.にも歯磨き粉や洗顔料などの日用品を売れば多少は金になるだろう

 

ワイルドハントにもサンドアートってのもあるから売りつけることも可能なはずだ

僕がそう言うとアビドス面々の表情が明るくなる

だがそこでホシノが口を開いた……さぁ、どうやってくる?

 

「それはいいんだけどさ~どうやって砂を集めたり加工するのさ?」

「砂は僕が用意したドローンで砂を吸い上げて、それを僕が用意したトラックで運ぶ」

「加工してくれる工場に当てはあるの?」

「僕が買い取った工場でガラス、コンクリートなどに加工する。これでも金だけはたくさんあるんだ。複数の工場を買い取って生産ラインを増やしてキヴォトス中に売りつける」

 

5つぐらい買えばいいだろ。最低でも5000万は費用はかかるがたいした問題じゃない

 

「それはいいけどさ~、買い取ってくれる伝手とかあるの?」

「ない。それは今から作る。けど、絶対に売れるはずだ。10倍のケイ素を含んだ砂なら良質な品物に変わるはずさ。絶対に損はさせない!割合はそうだな…8:2でどう?そっち(アビドス)が8で僕が2だ」

 

その言葉にホシノの目が開く。太陽と空色のオッドアイが僕を見る

 

「本当にいいの~?そんな割合で?儲かるかどうか分かんないのに?」

「カイザーじゃないんだ。僕は金を持ってない相手から分捕るような真似はしない」

「あの……なんで私たちにそこまでしてくれるんです?」

 

アヤネがおずおずと聞いてきた。それもそうか。アビドスにとって僕は関係ないただの他人

おまけにブラックマーケットで一番有名な人物が自分たちにここまで協力的だとそう思ってしまうか……

 

「正直に言うよ……このままじゃ、君たちの借金は返済できない」

 

僕の正直な言葉にセリカが食って掛かる。声に出さないもシロコも怒っている

 

「なっ!そんなの!」

「返済まで300年かかる借金を次の世代の後輩たちにも押し付ける気?」

「うっ!」

「利子だけで700万円かかるそれを払い続けるのも一苦労しているのは知ってる……けど、今のままじゃ絶対に借金は返済できない!断言する!ホシノとノノミが卒業した後、シロコとセリカとアヤネだけで借金は返済できると思う?」

 

この言葉にホシノとノノミの眉が困ったように下がった。

ホシノもあんな雰囲気を出しているが内心でも借金は返せそうにないと思っているのだろう

詐欺に騙されやすいセリカとすぐ銀行強盗するシロコでは逆にアヤネの負担が増えるばかりだ

 

「僕は去年にここに観光に来た時にお土産で持って帰ってきた砂を興味半分で見たところ、ケイ素が10倍も含まれていることを知り、今君たちに借金を返済できるかもしれない手段を教えてるんだ!……なんで助けてくれるのかって言ったね?単純さ!僕が助けたいと感じたからだ!」

 

勢いのままに僕は喋り続ける

 

「だってそうだろ?お互いにやりたいこともしたいこともあるのに、誰もかれもがカイザーの借金で手一杯!別にそれが生き甲斐だっていうならいいけど……僕はそんなの嫌だね!学校生活を送る3年間。自分たちの友達や好きな先輩たちと一緒にしたいこと、やりたいこと、楽しいこともできずに学生生活を送るなんてまっぴらごめんだ!だから僕はアビドスを苦しめたこの砂で君たちを助けるんだ!」

 

感情的だが、これが僕の本音だ。ストーリーでもそうだ。アビドスの第3章をクリアしてもなお、借金の返済もオアシスも見つからなかった。言い終わり方じゃなかったのが不満でだったら借金だけでも返済できればいいのにと常々思っていた

だからこそ、今のこの状況は僕が求めていた流れだ

 

「……いいよ。リュウジ君の案に乗るよ」

「ホシノ先輩!?」

「リュウジ君の言う通り、このままだと借金を返せっこないからね~藁を掴む気持ちでやってみるさ~」

「ありがとうホシノ!」

 

ホシノを始めとしてノノミ、アヤネ、シロコも賛同する

……しかし、セリカだけは僕に食って掛かっていた

 

「みんな待ってよ!良いことを言ってるかもしれないけど、それで騙されたらどうするつもり?」

「セリカちゃん……」

「だって!リュウジに砂を加工した物を売る伝手はないのよ!」

 

彼女が疑ってかかる気持ち分からなくもない

 

「その気持ちは分からなくもないし、疑うのも無理はないさ」

 

今まで悪い大人ばかりがアビドスにいたもんな……

 

「だからさ……僕と契約しない?」

「契約?」

「そうだな…もし、次のカイザーローンの取り立ての前に僕が利子の700万を超える利益を出せなかった場合は……」

 

僕はある条件を出す……それは

 

「僕の身柄をカイザーに引き渡してほしい」

「なっ!?」

「「「「ッ!!」」」」

 

その言葉にセリカを始め、アビドスの面々は驚愕の表情をする

 

「今の僕の懸賞金は10億を超えているはず。それで得た金でカイザーの借金を返せばいい。残りの3億は学校を綺麗にしたりとか設備の維持費で済ませばいいさ」

「あ、あんた馬鹿じゃないの!?もし、700万を超える利益が出なかったら」

「必ずできるさ……約束する」

「なっ……もう」

 

その言葉にセリカは何も言わなくなった

 

「沈黙は肯定って決めてるんでね、契約成立さ……来てくれ」

 

僕の言葉を聞いてアビドスの校庭に5台のトラックが入ってくる

 

「な、なによあれ!?」

「僕が呼んだブラックマーケットのトラック。リアドアの中にはアビドス砂漠の砂を吸い取るドローンが20機載せられてある。5台のトラックだから100機だな」

 

トラックのリアドアが開けられると100機のドローンがアビドス砂漠に向かっていく

 

「あのドローンにはセンサーを搭載していてねもっともケイ素が多く含まれている砂を優先的に吸い上げて満タンになったら自動でトラックに戻ってくるんだ」

「でも、これだけ飛ばしてカイザーにバレるんじゃないの~?」

「そこは抜かりないカイザーの通信を妨害するジャマーを搭載していて奴らにバレることはない……それに、あいつらはアビドスのことなんてどうだっていいのさ」

 

あいつらはプレジデントの命令でウトナピシュティムの本船というお宝を探しているからね

 あっという間に砂を吸い終えたドローンは自動でトラックに戻っていき、荷台の中に入る

大きな音を立てずに5台のトラックはブラックマーケットに向かうのだった

 

「今から工場に向かってガラス、コンクリート、半導体、ガラス細工、コンクリートなどに加工してゲヘナ、トリニティ、レッドウィンター、ミレニアム、百鬼夜行、山海経、ワイルドハントに売り捌き、利益を出す!」

 

驚くホシノたちを前に僕は宣言する

 

「んじゃ……2週間後にまた会おう!」

 

そう言って僕はアビドスの教室を出てキャンピングカーに戻るのだった

最初に向かうのはゲヘナだ

 

 

 

 

「バカなんじゃないですかアナタは!!」

 

運転の途中クラップトラップにここ2週間は買えれないと報告し、理由を聞かれてアビドスでの出来事を詳しく説明したら怒鳴られてしまった

 

「なんで、よりにもよって利益が出なかったらカイザーに売り渡せと言っちゃったんデスか!」

「あぁでも言わないと信じてもらえなかったからだ。アビドスの面々は結束が強い分、みんなで同じ道に行きたがる。故に一人でも信じない方向に行くと結束にヒビが入る」

「それを無くすためにそんな契約を……売れるんでしょうネ?」

「……売って見せるさ」

 

すると、見覚えのある車が通り過ぎた

乗っていたのは赤い髪のツインテール、アホ毛が生えたふわふわの髪、銀髪と金髪の生徒に縄で縛られている女子生徒だった……ゲヘナの美食研究会じゃないか!?

乗っているのはフウカか!

 

今戻れば間に合うけど……ゲヘナに着くのが遅くなるし……あぁ~~!もう!

僕はUターンして美食研究会の車に追いついて前に止まった

 

「ちょ!?誰よ……って!?リュウジ!」

「久しぶりだな美食研究会!」

 

僕はこの美食研究会とはちょっとした因縁がある

あれは今みたいに天気がいい時だ

ゲヘナにあるスイーツショップでのことだ

 

その日、僕はドーナッツを食べに向かったんだ

向かうスイーツショップのドーナッツは生クリームを気に入って週に1度は通ってたんだ

特に苦みが強いコーヒーにも合って抜群に美味いんだ

 

だが、そんな店を美食研究会はあっという間に壊したんだ

なんでもコーヒーの苦みが強すぎるという理由でだ

あの店のコーヒーは甘いドーナッツでいっぱいになった口の中をさっぱりさせるためにあえて苦めのコーヒーにしてんだよーー!!!!

 

そこからは奴らに鉛玉を御馳走しパイナップル(グレネード)を倒れるまで振る舞ってやった

ヒナに引き渡しに来るまで僕は奴らにコーヒーの苦みとドーナッツの甘味の割合について議論していた。結果的にドーナッツが7でコーヒーが3という形に落ち着いたけどね

 

「ちょっと、私達は美味しい物を食べに行くんだからどいてほしいんだけどー!」

「だったら、フウカは置いて行ってもいいだろ?作ってもらうんじゃないだから」

 

僕は車から降りる。いつでも銃を抜けるように臨戦態勢だ

それに対する美食研究会も律儀に車から降りてくる

 

「あら?フウカさんの協力なしでは美食も堪能できませんし……」

「ん~~!!ん~~~~!!!!」

 

フウカの方を見ると首を必死に横に振って嫌がっていた

こうやって縛って拉致るのも拒否られるのを理解している証拠じゃないか

 

「……とてもそうは見えないけど」

「あらあら♪フウカさんも照れてしまって」

 

……はぁ~、こいつらは顔もいいし目的は良いけど手段がダメなんだよな

例えるなら料理に文句を言うだけの山岡士郎みたいな感じ

 

「よし分かった。この状態のお前らに話が通じないのは理解していた。僕からもお前らにデザートを振る舞ってやる」

「この前みたいなグレネードは嫌よ!?」

 

ジュンコは悲鳴を上げながらARを構える

残りの面々もAR、SR、MGを構える

いつ見てもカッコいい銃だ……こんな状況じゃなければじっくり見たいがこっちも急ぎのようでな

 

「今度はパイナップルじゃないよ……散弾(デラウェア)さ」

 

すかさず抜くデスサイスを抜き、ジュンコに対して発砲する

15発の散弾が胴体に直撃し、痛みに顔を歪めながらジュンコはアサルトライフルを撃ち返す

 

「ぐえっ!痛いんだけど!!」

 

撃ち返してきた弾丸をスライディングで避けた僕はジュンコの右に回り込んで5発撃ち込んだ

流石に至近距離で散弾を受けるのは辛かったのか、気絶したジュンコ

そこに僕に向かってイズミがMGを撃ってきた

 

ヒナもムツキもMGを簡単に持ちすぎじゃない?

僕も持とうかな……ブラドフとダールの特性を組み合わせればいけるか?

そんなことを考えながらリロードしていると上空から榴弾が飛んできた

 

「げっ!?」

 

あれはアカリのARのアンダーバレルのグレネードだ!

僕はサンデヴィスタンもどきを発動し、榴弾を回避する

今使っている効果は30%時間が緩くなる分、効果時間を15秒に引き上げたものだ

 

咄嗟の事だったので榴弾が爆発した瞬間になってしまったが、僕はグレネードの爆発を回避しながらもう片方のホルスターからデスサイスを抜きアカリに向かって撃つ

連射しても反動を感じるが腕が折れることはない、使い心地も良い!最高だ

腰に付けたスピードローダーで手早くリロードをしていると途中でサンデヴィスタンもどきが解除され、イズミのMGの弾丸が僕の体に当たる

 

痛みを感じながらリロードを終えた僕は右手のデスサイスをホルスターに収め、着ているパーカーを盾にしながらイズミを左手に持つデスサイスで撃ち込んでいく

 

「うわ~ん!デラウェアは好きだけどこっちのデラウェアは好きじゃないよ~!」

 

よく言うよ。僕のデスサイスの散弾を受けながらも銃を撃ち続けているくせに。僕は左手のデスサイスをホルスターに収め、イズミに近づきながら、僕は彼女のMGを左手で掴んで上に反らしながら右手のデスサイスを抜き、ゼロ距離で額を何度も撃つ

 

前のめりに倒れてきたので受け止め、そのままハルナのSRの盾にしながらハルナに向かって走る。

あと少しの距離でイズミを手放し、そのまま姿勢を低くしてハルナの背後に回り込んで腰に組み付く。

 

「なぁ、ハルナ。…美食研究会ならさぁ……」

 

そのまま手に力を込めて持ち上げ

 

「自分の手で料理を作りやがれぇぇぇぇ!!」

 

ジャーマンスープレックスをお見舞いした。ハルカの頭部がコンクリートに直撃し大きなたんこぶを作りながら意識を落としていた。カートゥーンアニメならヒヨコと星が見えそうだな

 

立ち上がった僕はフウカの体と口に巻かれている縄を解く

 

「大丈夫?怪我はない?」

「ありがとうございます……助かりました」

 

この子のことはブルアカをプレイしていたから知っているけど、名前を聞こう

 

「名前は?」

「愛清フウカです。ゲヘナ学園の給食部をしています」

 

さぁて、フウカをゲヘナ学園に戻していきましょうかね

僕はハルナ達を道路の脇に避けてゲヘナ学園に通報し、フウカを給食部の車両に乗せて彼女の車を運転しながらゲヘナ学園に向かうのだった




今回の話はいかがでしたか?
感想と評価を楽しみに待ってます
目指せ!調整平均 7!

今回登場したオリジナルレジェンダリー銃『デスサイス』の説明をします
名前:デスサイス 種別:HG 
【挿絵表示】

鮮血のバレル、黒色のシリンダー、バレルの横に付いている弾丸の弾頭は紫、薬莢は白色、雷管は黒。ピカティニー・レールは黄色、黒色のトリガー、白色の撃鉄、グリップには銀の死神のレリーフが彫られている
 散弾を撃つMaggie(マギー)を元に改造したリボルバー拳銃。マギーを作ったはいい物を独特の塗装に悩んだリュウジが作り出した。
 15発の散弾を撃ち、装弾数は6発。だが接近戦用のためスコープは取り外した。
ジェイコブ社の強化パーツ:マルチストライクを装備しているためかなり強力だ。
2丁持っており、たまに二丁拳銃で戦う時がある。
 名前の由来は死神の鎌『デスサイス』から

オリジナルレジェンダリー銃はこれまで登場したレジェンダリー武器に書かないでおきます
ボダラン3にあるのと混ざるとあれですからね

2026年4月3日-追記-
今日の話でサンデヴィスタンもどきの名称のアンケートを終わります
今までアンケートしてくれた方々ありがとうございました!
これからのリュウジのサンデヴィスタンもどきの名前は 刻の蛇 です
次回からそうなっていると思いますのでよろしくお願いします

リュウジのサンデヴィスタンもどきの技名はどれがいいですか?

  • 零の静域
  • 無窮なる環界
  • 太極の瞳
  • 刻の蛇
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。