荒んだ人生で心が壊れたうつ病男性がキヴォトスに転生 作:ダブクロチャンネル
「頼んだスーツはできてる?」
僕の名前は蛇尾リュウジ。ブラックマーケットで頼んだスーツの性能を確かめる転生者だ
僕が今いるのはブラックマーケットに存在するアパレルショップ「FUSE
そこではカジュアルな服からスーツまでと手広く売られていてちょっと高く金はかかるけどオーダーメイドで服を作ってくれる。
僕は百鬼夜行から戻ってきた後にある服の製作を依頼した。それは、防弾防刃防爆のスーツだ
フィクションでも防刃防弾のスーツはよく出ている。あのジョン・ウィックだってそうだ
少しの弾を受けても防弾性のスーツがあれば少しでも身を守ってくれると思い、このアパレルショップの店長に頼んだんだ。
オーダーメイドの特注品だから一着500万かかったけど…まぁ、安く済んで良かったよ*1
このアパレルショップの店長であり、服を採寸したり、素材を取り扱うのは元ワイルドハントの生徒だ。なんでも様々な服を作りたくて様々な素材を要請したけど、その素材が悉く検問で弾かれたため自主退学したそうだ。
名前は布施カナメ。元ワインドハント芸術学院の3年生だ
「できてるわよリュウジ。このスーツよ」
案内された試着室で見せられたのは黒いスーツに赤いワイシャツ、灰色のネクタイだ
「ケブラー繊維の数倍以上の強度を持つ繊維を使って作り上げた試作品よ」
「こういうの素人だから分からないけど結構カッコいいな!」
「でしょ?でもこれの凄いところはそこじゃないの」
カナメはいつの間にか持ってきたライフルをスーツに撃ち込む
「ライフル弾で撃たれてもスーツには傷一つつかないわ……まぁ、撃たれたら痛いんだけど」
「これで試作品?もう完成形に近いじゃないか」
「全然ダメよ!」
僕はカナメの大きな声にビクッと肩を震わせる
「素材や時間のせいにしたくないけど、重さを最大限まで減らすことと動きやすさを改善できなかった。突然やってきた敵襲に対して咄嗟に動けるような軽さじゃないとダメだわ。それに、色合いもそう、素材探しに時間をかけすぎて全然納得がいかないし、やっぱりワイシャツの色を白にするべきだったかしら……でも、リュウジがたくさん撃たれてくれば次の改善策が見つかるかも」
おい!今なんて言った!?
「これしばらく着てもいい?」
「いいわよ。着心地、防弾性、動きやすさの感想をまとめて聞かせてちょうだい」
「代金ね」
カナメに1000万円が入った封筒を手渡す
「別にいいのに。こっちもこっちで利益が出ているのだから」
「作ってくれた素材と時間をお金に変換してるだけだよ……投資だと思って受け取ってよ」
「ふふ……では、次来る日を待っているわ」
僕はスーツの着心地に驚きながらカナメのアパレルショップを出るのだった
ブラックマーケットの街を歩きながらワイルドハントの商談に向かった
結果だけ言うと商談は成功だ
ワイルドハントでもサンドアートはあるらしく、そのサンドアート用の砂を買ってくれた
1kg2000円だ。ワイルドハントは2000人いるから大体1カ月で400万の利益だ
これでアビドスの借金の利息分は超えたぞ!問題は借金を返せる額まで行くかだ
利子だけ返しても元の借金が返せないなんて本末転倒だからな
ゲヘナで防弾ガラス10枚で100万、トリニティで1つ300万するガラス細工、レッドウィンターで1㎡3万円でコンクリート、百鬼夜行でニヤにガラスや日用品を売りつけて、ワイルドハントで1kgのサンドアート用の砂を2000円で売った。
これで大体1月で最低でも800万で売れたってことだな
僕が2割の160万でアビドスが640万になるから利子が返せない!
どっかで大きな稼ぎを得る場所はないのか!
日常的に使えてかなり大きな額になる額は……
「おい、何してんだよリュウジ」
あっ!ネルだ!相変わらずの見た目だな
「ネル!なんでここに?」
「ちょっとお前に用があってな……」
「ネルが僕に何の用なのさ……ん?」
ミレニアムは科学技術が発達していてスマホのパーツとかを作ったり半導体の制作をしている場所があると聞いたな。その半導体は最低で1億から3億、最大で10億円で売られている場合があるんだ。……つまり、一気に借金を返せるチャンス!?
「ネルゥうううう!!!!」
「うわぁああ!?なにすんだテメェ!!」
ネルに抱きつくようにいくと、カウンター気味の膝蹴りを食らった
「酷いじゃないかネル。久々の再開だと言うのに」
「久々の再開で抱きついてこようとする奴に言われたくねぇ!?」
顔を赤くしながらネルは息を荒げ、僕の顔はギャグマンガみたいに陥没していた
「ま、前が見えねぇ……」
「ったく……お前に依頼したいことがあるから来たっていうのに」
「依頼?」
「あぁ、そうだよ。ここじゃ言いづらいからこっちにこい」
そう言われてミレニアムに連れられて僕はC&Cの皆に出会う
カリン、アスナ、アカネの面々がいた
……あまりの顔の良いな。時にアカネとカリン
「……実はな。あるヘルメット団の無力化を頼む」
どうやらミレニアムで活動するヘルメット団の対処するために僕に依頼をするらしいとのこと
「ヘルメット団ならネルたちC&Cで対処できるじゃん」
「それがよ……統率力が強すぎて苦戦してるんだよ。まるで軍隊みたいな感じだ」
「軍隊……SRTみたいな感じか」
軍隊並みに統率の取れたヘルメット団か……そりゃ、厄介だな
ヘルメット団は不良くずれの集団だけど、人数が多い
僕も相手にすることはあったけど少なくて20人。多くて50人はいたね
「いいよ。その依頼受けるよ」
「助かる。それで報酬の額だが――」
「金は良いからさ。半導体を買ってくれない?」
「ん?……どういうことだよ?」
「実はね……」
僕はこれまでの事を説明した
アビドスの借金のこと、アビドス砂漠の砂が10倍のケイ素を含んでいること、それを利用して借金を返済できないかキヴォトス中の学園にガラスなどを買い取ってくれるように交渉していること、このままだと利子が払えないからブラックマーケットの工場で半導体を作ってミレニアムで買ってほしいとのことを話す
「お前、色々なことに手を伸ばすよな。工場を買って武器のパーツを売るわ、アパートを用意するわ……手広くやってんのに失敗しねぇし」
「いや~、みんなが頑張ってくれてるからうまく言ってるだけだよ。僕一人の力じゃないしさ」
僕一人で工場とか回してるわけじゃないしね?
「ってか、やっぱりミレニアムでも噂になってるんだ?」
「そりゃあな。あんだけ派手に稼いでいたら噂になるさ」
「アビドスの事も?」
一応、聞いておくとしようか。噂によってはカイザーの事を警戒しないといけない
「確か……ブラックマーケットのトラックが出入りしているという話は聞くな」
ふむ、それだけならまだカイザーは調べに来るわけでもなさそうだな
アビドスの連中がブラックマーケットから借金してカイザーの借金を返そうとしているとしか考えないだろう
「ってか、ネクタイ曲がってるぞ……直してやるよ」
「直すもなにもこれ、ネルの膝蹴りで曲がったから――ぐえっ!?」
ネルが強くネクタイを締め上げてきた!?
「なんか言ったか?」
「な、なんでもありません……」
「……ふんっ」
ネルは頬を赤らめながらもネクタイを直してくれる
慣れた手つきでネクタイを直す様はまるで夫のネクタイを直す嫁さんのようだ
「リーダーったらまるでリュウジの奥さんみたいだね」
「ばっ!?だ、誰が奥さんだ!?」
「でも、なんかそう言う風に見えた」
「ち、ちげーし!そんなんじゃないから!」
顔を赤くして否定するネル。なんだろうツンデレの概念は知ってるけど
ネルってたまに乙女になるところあるよなと感じるところはある
「リュウジさんはどうなんです?」
「な、なにが?」
出た、清楚系の
2年生とは思えぬ色気で僕に質問してきた
「リーダーの事をどう思ってます?」
「どうってそうだな……理想かな?」
「まぁ…」
「はぁ!?」
?そんなに驚くことかな?
ネルは見た目は怖いし、粗暴なヤンキーに捉えられるけど、強いし、優しいし、人の良いところを見つけるのが上手いし、料理は上手いし、小さく蹲って止まっているところを背中を叩いて発破をかけてくれる、まさに理想的な生徒だ。ミレニアムにいなかったら僕の仲間にしたいくらいだ
「ほんと、側にいてほしいくらいだよ」
「まぁ……」
「……」
「よかったねリーダー!」
「はぁ!?こ、こいつとはそんなんじゃねぇし!!」
僕の言葉に口に手を当てて顔を赤くするアカネと同じく顔を赤らめるカリン、アスナがネルに笑いかけ、それを僕を指差して否定するネル
「テメェも変なこと言うな!」
「本当のことだよ?ネルがミレニアムじゃなかったら側にいてほしかったんだけどな」
「~~~~ッ!!」
顔をますます赤くし、声にもならない声を出して僕の背中を叩いてくる
痛い痛い!!背中が爆発したような衝撃を感じるー!
そんな僕たちの後ろでアカネとアスナ、カリンの3人はひそひそ話をしていた
「ねぇ、あれって」
「そういうことですよね」
「ネル先輩にも彼氏ができるのか」
すいませーん!こっちを止めてくれない!?
アスナがネルを止めてくれまで僕はネルに背中を叩かれ続けるのだった
しばらくして、作戦を聞く僕。
相手のヘルメット団はタクタクヘルメット団という名前で少規模ながら精鋭クラスの実力を持ち、精鋭の傭兵団として活動している。リーダーの名前は陣場ミオだそうだ
今回の標的である企業は他社のデータを盗み取り、自分たちの所有物にして利益を設けている悪徳企業だ。ミレニアムに依頼してきた依頼主は盗まれたデータを取り返してこの企業を潰してほしいと言っていたそうだ
相手の会社の規模は大きく、そこの5階建てのビルの最上階にある社長室に盗んだデータを管理しているらしい。タクタクヘルメット団はその社長に用心棒として雇われているみたい
「そのタクタクヘルメット団はそんなに強いの?ネルたちの実力を疑うわけじゃないんだけど」
「強い。セミナーの保安部が何度も向かったが返り討ちにされた。連中が言うには軍隊並みの統率力と連携が凄かったそうだ」
「それで、ネルたちに出番が回ってきたのか……いつ行く?」
「明日だ。巻き込んで悪いが、準備はしてくれよな」
ネルの言葉に頷き、僕は自分の自宅で準備をするのだった
さっそく、自宅に戻った僕はお茶を飲もうとリビングに寄ると
「おかえりー」
アヤメがソファーで寛ぎながらお菓子を食べていた
「ただいま」
「ん?珍しいね……スーツを着てるなんて」
「どう?似合ってる?」
「いつもよりちょっとカッコいいかな」
ちょっとだけかよ
アヤメが来ている服は百鬼夜行の制服ではなく、黒の短パンに白いシャツとシンプルな服
なのでその……白い生足が眩しくて直視しにくい
「あー、アヤメ……もうちょっと足を閉じてくれない?」
「えー、なーんで?」
そのニヤけた顔、分かっていてやってるな!
アヤメが脚を組み返すと綺麗な足に目を奪われそうになってしまう
だが、アヤメの思い通りにさせないために会えて無視をした
「明日さ。ミレニアムの依頼でヘルメット団の無力化を手伝わないといけないからさ……返ってくるのが遅くなるかもしれないんだ。アヤメの銃とかを作る時間が無くてさ……明後日になるけどいい?」
ちょうど明日はアヤメの銃を作る約束をしていた。なのに、ミレニアムの依頼を優先しなくてはいけなくなってしまったんだ。これは自分でも酷いと思うけどアビドスの借金問題を解決しなくちゃいけないし、期限の2週間後までタイムリミットは後7日しかない
「本当にごめんだけど、その分の埋め合わせはするつもりでいるんだ!なんならアヤメのしたいことに付き合ってもいいし……」
「ふーん……だったら」
アヤメは体を起こして僕の腰に抱き着いてくる
うわ、顔がいい!紫の目が綺麗に輝いている!
あの時見た淀んだ瞳と同じ人物だと思えない
後、腰に抱きつくの止めてくれない!?
ファールカップを入れてるけど…その……対応に困る
「今から、なんか食べに行こ?」
「どれがいい?」
「そうだね…ステーキは食べたし、お寿司も食った……食べ放題かな?」
食べ放題か……そう言えば、投資した料理学園の卒業生が食べ放題の店を開いたって聞いたことがあるな……そこに行ってみようか
「いいね行こう!ちょうど食べ放題の行きたい店があったんでそこに行く?」
「行く……リュウジとならどこでも行くよ」
そのまま見上げてくるアヤメに僕は言葉を発せず見惚れてしまうのだった
食べ放題の店に行き、和洋中と様々な料理をつまんでは他愛無い会話をして盛り上がって満足したところ、アヤメが眠たそうにしていたのでおんぶして運んであげたのだ
ふふ、あれから筋力をつけるために体を鍛えていて腹筋も六つに割れたんだ
男性の理想の腹筋シックスパックを手に入れたってわけさ
家に帰った後、僕はアヤメに歯を磨くように言って準備を始める
軍隊並みに統率の取れたヘルメット団が相手だ
こちらもそれ相応の準備をしないとね
まずはデスサイスとDMCとハイブリッド・プレシジョンを持っていく
ハイブリッド・プレシジョンは2倍倍率スコープを付ける
最後はこの、P.A.T. Mk. IIIだ
MarkⅡより強力でしかも同じようにマガジン最大の状態でタレットになる
あとは室内戦になりそうだからグレネードを持っていくか
すぐ爆発しやすいようにインパクトと激化とラージ20%の特性を組み合わせたグレネードを6個ほど作ってボディバッグに詰めて……後は寝るだけだな
歯を磨こうと洗面所に行くと如何にも床で眠そうなアヤメがいた
「ん~、リュウジ」
「あぁもう。ベッドに運ぶよ」
僕はアヤメをまたおんぶしてアヤメの部屋に連れていく
最初の頃は遠慮がちだった彼女もだんだん自分のしたいこと、やりたいことを言うようになってからは僕に甘えてくるようになった。なんだろう……ネコみたいな感じかな?
おんぶしてアヤメの部屋のベッドに置くとアヤメは僕に背を向けた状態で
「リュウジのおかげで…私、今が楽しいよ……みんなのアヤメじゃなくて自分自身のアヤメを出している気がする…体が軽くてリュウジのそばにいるだけで心地いい……」
あの限界社畜だった目は輝きを取り戻し、今のアヤメは百花繚乱紛争調停委員会の委員長としての姿よりも自然体で笑うことが多くなった
こうやってアヤメを救えたと思うと良かったなと思う
「僕も初めて会った頃のアヤメさんより、ここで自分のしたいことをして暮らしているアヤメさんの方が素敵ですよ」
僕はそう言ってアヤメさんの部屋を出て自室でスーツからパジャマに着替えて寝るのだった
「……ありがと」
部屋出た直後にアヤメさんが耳を赤くして言っていたらしいが僕には聞こえなかった
翌日。僕はスーツを着てC&Cの皆と共にタクタクヘルメット団を雇っている悪徳企業の元に向かう
車内の中でネルは僕のスーツを見てきた
「お前のそのスーツ。昨日触っていて思ったんだが防弾性か?」
「そうだよ。カッコいいでしょ?」
「カッコいいけどさ。お前が着る意味あるか?ナノマシンで傷は回復するし、銃弾も大して効かないだろ?」
分かってないなーネルは
「こういうのは形から入るもんだよ。僕はみんなから武器商人って言われてるからね。スーツは商売もしくは取引では基本中の基本さ」
ネクタイが曲がってないかを確認して身だしなみを整える
この先、銃撃戦が起ころうとも身だしなみは気を付けないとね
相手への威圧にもなるし、なにより自分の身が引き締まる
「ずいぶん気に入ってんだなそれ。確か試作品なんだろ」
「アヤメが気に入ってくれてるからね」
「あぁ?」
「ん?」
ネルの睨みが強くなり、緊迫した空気が車内に籠った
「アヤメって誰だよ?」
「言ってなかったけ?僕の家で一緒に暮らしてる生徒なんだけどさ」
「女子生徒か?」
「それ以外なにがあるのさ」
ネルの圧が1段階強くなった!?
え?なんで!?なんで怒ってるの!?
(修羅場だ…)
(修羅場ですね…)
アカネとカリンは冷や汗を流し、アスナは楽しそうに笑って見ている
「その女ってどんな奴だ?」
「プラチナブロンドの髪と紫色の瞳が綺麗で、エルフ耳の女子生徒」
「一緒に住んでるのか?」
「うん。なんか前の組織で依存されまくってて、それにうんざりして苦しんでいたところを助けて僕の家の空き部屋に住まわせてるんだ……それがどうかしたの?」
ネルの目が刀みたいに鋭くなる。幻痛MarkⅡが刺さってないのに刺されたような痛みを感じる
「付き合ってるのか?」
「え?付き合ってないよ?」
だって、ブルアカのほとんどの生徒は先生に恋心を抱くようなもんだろ?
僕がアヤメと付き合ってないと聞いたネルの表情が少し和らいだ
眉間のしわが消え、その表情は安堵を感じていた
「そっか…そっか……」
「え?どうかしたの?」
「別に!なんでもねぇよ!」
そっぽを向いて僕から顔を反らす
「ん?」
その行動の意味が分からず僕は首をかしげてしまうのだった
しばらくして、僕はタクタクヘルメット団がいる悪徳企業の道に繋がる港に着いた
「一応装備の共有はしておくね。僕が持ってきた銃は散弾を撃つリボルバーとフルオートのショットガンに2倍倍率スコープを付けたセミオートライフル。最後にこの投げるとマガジンが満タンの状態でタレットになるP.A.T. Mk. IIIだ」
「んだよその便利な銃はエンジニア部が喜びそうだな」
そういえば、エンジニア部を初めミレニアムの生徒はハイペリオン社製の銃を買ってくれてると聞いたな。おかげでミレニアム付近の治安が良くなってヘルメット団に襲われても返り討ちにできてると聞いたな
「でしょ?壁や天井にくっつくように改造したんだ」
その代わり、弾の消費が激しいけど
車から降りた僕とC&Cの皆は各自銃を抜いて歩いてく
僕はDMCを持ち、近くにいた敵に向かって撃つ
重低音の発砲音と共にタクタクヘルメット団の一人の意識を刈りとり、もう一人をネルが鎮める
「カッコいい銃じゃないか!?」
「だろ!」
ネルなら分かってくれると信じてたんだ
奥が騒がしくなってきて僕たちに向かってくる
「侵入者だ!倒せ!」
「……さーて、やるかぁ!!」
「行くぞC&C!掃除の時間だ!!」
僕たちも一斉に駆け出しながら銃を発砲する
蛇尾リュウジ視点 一時停止
タクタクヘルメット団リーダー視点開始
私は陣場ミオ。タクタクヘルメット団のリーダーをしている
「ミオ姐さん!また敵が来ました!」
「総員準備!いつも通りやるよ!」
部下の言葉を聞いて自分を助けてくれた愛銃と愛しいタレットを肩に担いで向かう
ミオの愛銃『レンジャー12』
ミオのタレット『バスティオン-01』
折りたたんだバスティオン-01
ヘルメット団のリーダーをしているが、これでも昔はSRTの戦術支援課にいたんだ
退学になった理由は命令に背いた独断行動だな
任務で相手をした標的がカイザー系列の企業だったんだが、そこが何ともキナ臭い悪徳企業でな。探りを入れてみれば連邦生徒会の防衛室の一部と繋がっている証拠が見つかったんだ。それをSRT上層部に届けた瞬間、「この件はここまでで打ち切りだ。これ以上深追いはするな」だとよ
そんなの繋がってますって自白しているようなものじゃないか!
私は独自に調査してクロノスを含めたマスメディアにリークした
しかし実際は防衛室の一部を切り捨て、カイザーは健在だ
このことが上層部にバレたとたん。私は除隊処分……つまりは退学だ
だが、己のしたことに悔いはない……少なくともSRTでは自分のやりたいことは貫けなかったからな。その後は偶然助けたヘルメット団に懐かれてそのままこいつらのリーダーをすることになった
私の敵の動きや地形を瞬時に分析し、最適な戦術を組み立てる戦術支援と、ヘルメット団の人数が入れば大概の相手なんてすぐに仕留められる。SRT仕立ての特訓とこのダール社シリーズの銃によってこのタクタクヘルメット団はちょっとした精鋭傭兵団として名を馳せるようになった
ちなみにタクタクヘルメット団の名はタクティカルの2文字からとった
総員300名。このキヴォトス中に名を知らしめたもんだ
そんな中、依頼主によって会社のデータを守ってくれと言われた
胡散臭い奴だったが一応は依頼だ。代金分の仕事はしてやるさ
「敵の人数は?」
「5人です。1人はスーツの男。残りの4人はメイド服を着た女子生徒です」
「なんだ?どこかの金持ちが殴りこんできたのか?」
メイド服の女子生徒は聞いたことがあるぞ
ミレニアムでトップクラスの戦闘力を誇るエージェント
名はCleaning&Clearing 通称C&C
「いえ、そのスーツの男はあの蛇尾リュウジです!」
「蛇尾リュウジだと!?」
あのブラックマーケットの武器商人で戦闘力が各学園のトップクラスに匹敵する実力を持つあの蛇尾リュウジか。噂ではゲヘナのヒナ委員長に勝ったとか聞くな
……C&C、蛇尾リュウジ。こいつらに狙われるなんて何やらかしたんだ依頼人はよ
「全員持ち場につけ!迎え撃つぞ!」
とりあえずは依頼人に聞くのは後回しだ
今は仕事を優先だ
状況をよく見ると紫色の髪をした男、蛇尾リュウジがフルオートのショットガンで私の部下たちを倒していた。他にはオレンジ髪のチビと私と同じアッシュグレーのメイドが先頭に立ち、メガネのメイドが牽制して爆発物を使用。褐色のメイドが対物ライフルを撃っている
あのアッシュグレーのメイド、ほぼ直感だけで私の部下の銃弾を避けながら撃ち返してきている
オレンジ髪のチビもそうだ。速いし、強いし、なんなんだ?
キヴォトスじゃロリ体型が最強じゃないといけない法則があるのか?
「A、B、C、D小隊は正面で撃ちあえ!E、F小隊は2階から援護しろ!G、H小隊は左を、IとJ小隊は右側に回りこんで撃て!いかに強くても囲まれて撃たれたら倒れるんだよ!」
『はい!』
部下たちは指示通りに動き、素早く移動する
陣場ミオ視点 終了
蛇尾リュウジ視点 開始
「奴ら、別れて動き出したよ」
「あたしは正面、アスナとアカネは左、カリンとリュウジが右で行くぞ」
「「「「了解」」」」
僕たちはそれぞれに分かれて動き出す
……その前に
「一応、援護に残しとくよ」
P.A.T Mk.Ⅲを床と天井に3つくらい投げてタレットにする
「サンキュー!」
そう言うネルに軽く手を振ってカリンと共に右から来るタクタクヘルメット団を無力化しに行く
その人数は60人と多く、分断してこの人数なら全体で数の多さが安易に想像できる
「行くよカリン!援護する」
「任せた」
ハイブリッド・プレシジョンを抜き、タクタクヘルメット団の足を撃って転倒させたり腕を撃って銃を落とさせたりしてカリンの援護をする。カリンは僕が撃ったヘルメット団にホークアイで撃つ
ってか、見ていて思ったけど対戦車ライフルを立ったまま撃つのすげぇ!
僕にもできるかな?今度試してみよ
それに対して、タクタクヘルメット団の銃はダール社製の銃だけだな
AR、HG、SMG、と多くどれも発射速度、威力、精度を取りそろえた改造を施している
「今、何人かな?」
「15人は倒した残り45人だ」
「見たところそんなに武装はないみたいだ。このまま突入するよ」
「援護する!」
カリンが銃を撃ち、DMCに持ち替えた僕が突撃する
循環性・無限性・完全性を同時に使用して身体能力を強化し、弾丸を避けながら奴らにSGを食らわせる。15人ほど倒した時に
「いっけぇーー!!タレットー!!」
上空から声がすると同時に僕とカリンの間に一つのカバンが飛んできた
直線状の投擲……ロングボウのグレネードMODか!
それにタレットだと!?……まさか、コマンド―モチーフの生徒か!
コマンド―。それはボーダーランズ2で選べるプレイアブルキャラ『アクストン』の名称だ
安定した性能を発揮する汎用性の高いキャラでボダラン2初プレイの時はアクストンを使っていた。その中でサーベルタレットというタレットがそのキャラの技でもあったんだ
スキル構成もどれもタレットを強化する物が多く、壁や天井に張り付いたり、シールドを展開したり、マルチロケットポッドを付けれたり、今みたいに遠くから飛ばすことができたりする
そんなアクストンの相棒であるタレットが今、僕とカリンの間に出た
タレットは展開し、カリンに狙いを向けた
「カリンッ!」
咄嗟に僕はカリンを抱き寄せてタレットの弾幕を受けて彼女の身を守る
タレットの弾幕とタクタクヘルメット団の弾幕を背中に浴びながら僕はDMCをタレットに向けて撃つ。神秘を込めて10発撃ったくらいでタレットは破壊された
やっぱり、神秘を込めて撃つのと込めないで撃つのは段違いに違うな
「カリン、平気?」
「あぁ…おかげで無事だ……ありがとう」
僕の胸板に押し付ける形で抱き寄せたから弾幕から身を守れていたのか心配していたよ
「残り30人倒してネルに合流しよう!」
「あ、あぁ……そうだな……すごく逞しかった」
DMCを収めてデスサイスを2丁持ち、僕はタクタクヘルメット団に向かう
2階にいた奴らはカリンが無力化に成功していた
ネルの元に行くとアスナとアカネも合流しており、3人も僕たちと同じようにタクタクヘルメット団を無力化していたそうだ。
残るはリーダーの陣場ミオだけだ
そう思って、そいつがいる部屋の扉を開けると
アッシュブラウンのショートヘアの生徒がARを連射してきた
フルオートの弾幕に身を隠すと
「よくも私のタレットを壊してくれたな!」
と怒りの声を上げていた。あれが陣場ミオ
タクタクヘルメット団のリーダー
側にはさっき壊したタレットと同じ見た目のタレットが2機あった
そのタレットの弾幕に僕たちは移動することができない
……仕方ない!カナメの防弾スーツの性能を活かすチャンスだ!
「ネル!今からあの弾幕に突っ込むよ!」
「バカ言ってんじゃねぇ!やられに行くようなもんだろ!」
「このスーツは防弾性が高いスーツなんだ。盾にはなれるさ!」
僕は頭部を守るよう腕を顔の前に持ってきて、弾幕の前に出る
そのまま弾幕を受け続けながら、デスサイスでタレットを撃ち続ける
ネルたちは僕が盾となっている間に通り、タレットを撃ち続ける
その中で僕はミオに対して飛び掛かり柔道の要領で掴みかかるも逆に投げられ、そのまま銃撃戦に持ち込む。僕はデスサイスを、ミオはダール社製のARで移動しながら撃ちあう
「お前があの蛇尾リュウジか!こうやって会うとはな!」
「いい銃じゃないか!どれもダール社の長所を消すことなく完璧に仕上げている!君みたいな生徒に大切にされてるなんて嬉しいよ!」
「ガンスミスに褒められるなんて最高な日だなぁ!」
こうした楽しい撃ちあいも長くは続かなかった。ネルたちがミオのタレットを破壊したからだ
「ちっ……ここまでか」
ミオはARを下げ、両手を上げる
「降参だ。だが、その前に雇い主の所に行かせてくれ」
「僕たちも同行していいかな?」
「好きにしろ」
そう言ってミオと僕、ネルたちは雇い主がいる5階に行くのだった
「おい!なんでC&Cがここにいるんだ!?」
「なんでミレニアムのトップクラスのエージェントがここに来るんだよ……あんた」
ミオは一歩踏み出して雇い主に鋭い眼光で詰め寄る
その視線を受けて冷や汗を流す雇い主
「なにか悪いことをして私たちに隠しているだろう」
「っ!?」
「言ったよな?隠し事無しってよ?……私らはこの仕事を降りるからな」
雇い主に背を向けたミオは僕たちを通り過ぎる
「悪いけどこっちも仕事なんでね謝らねぇよ?……でもまぁ」
こっちに体を振り向いて
「雇ってくれるのなら金額に応じて仕事をきっちりとするから、よろしくな!」
ミオはそう言って去っていった
さて、ここからはC&Cの仕事の時間だ
「盗んだデータを取り返させてもらうぞ」
「ひぃいい!?」
その後、悪徳企業の社長はヴァルキューレに突き出し、盗まれたデータは取り返し、会社は爆発して綺麗に掃除されたのであった
その帰りにカナメに防弾スーツを渡した。実はあのタレットの弾幕を受けている時にスーツに穴が開いちゃったんだよね。それを見たカナメは
「もっと強靭な防弾スーツを作れるチャンスよ!今度はMGでも穴が開かないのを作って見せるわ!」
と興奮気味に言ってスーツを作りに行った
ちなみに、僕の工場でアビドスの砂を加工して作った半導体はミレニアム学園で1つ1億円の値段で買われることになった。すげぇ!?8割でも8000万の利益だ!!
こ、これは!アビドスに報告しに行くのがすごい楽しみだ!
僕は冷めやらぬ興奮を鎮めるために銃をひたすら作り、気を静めるのだった
今回の話はいかがでしたでしょうか?
感想と評価を楽しみにしています