荒んだ人生で心が壊れたうつ病男性がキヴォトスに転生   作:ダブクロチャンネル

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第32話 生きていれば嫌な奴に会うこともある

「ここか……()()()が来る場所は」

 

僕の名前は蛇尾リュウジ

現在、トリニティの美術館を見上げる転生者だ

だけど、ここに来る3時間30分前に時を遡らせよう

 

僕がこのトリニティに来たのはアビドス砂漠の砂を加工して作ったガラス細工の搬入だ

最低でも300万するガラス細工を喜んで買ってくれるパトロンがいるのは非常に嬉しい

 

金持ち連中はマウンティングで他の富裕層より差を付けたい連中が多いからこの時ばかりは助かるよ。この売り上げでアビドスの借金をどんどん減らしてほしいな

 

そう思いながら搬入作業を見届けていると

 

「あれ?リュウジじゃん」

「カズサ!?」

 

最後に会ったのは2年前

トリニティの路地裏でレイサとスケバンたちに追い込まれたときだったな

 

「久しぶり。どう?元気してた?」

「元気もなにも相も変わらずかな……それにしても」

 

カズサは僕を頭のつま先から足元まで見る

 

「まさか、男の人だったなんてね」

「まぁ……あの時は誰にもバレたくなかったからね」

 

当所の僕は性別がバレて拉致られたり、人身売買にかけられるかもしれないと思い、喉に傷シールを貼って喋れないふりをして性別を隠してきた

 

15歳になると僕が男だという情報が出回り、性別を隠す必要が無くなってきたため、その後は普通にブラックマーケットを壊滅させたりした

 

「しかも数々のブラックマーケットを壊滅させた有名人だなんて」

「あの頃は懐かしかったな。カズサとレイサが僕にスイーツを食べさせ「その話はやめて」分かったよ。そんなに圧をかけないでよ」

 

頬を赤らめ、圧をかけてくるカズサに両手を前に出して降参のハンドサインをする

 

「あの時は男だと知らなかったから……」

「まぁ、僕もその……嫌じゃなかったよ?」

 

正直に言うとカズサみたいな女の子にあーんされるのは嬉しい

前世じゃ、そんな機会が一度も無かったから

ジト目で僕を見つめてくるカズサ

 

「そう言えば、聞いたよ……ティーパーティーの場でゲヘナの弁当を食べたって?」

「え?ダメだった?」

「ダメじゃないけど……挑発と思われるんじゃない?」

 

その言葉を受けて冷静になって考えてみる

トリニティのトップが集まるティーパーティー

そこで僕はフウカが作ってくれた弁当を食べた

そう、ゲヘナのお弁当を食べたんだ……あれ?

 

これナギサじゃなかったらガラス細工を売り込むのが上手くいかなかった可能性がある?

 

「大丈夫?冷や汗をかいているけど」

「だ、大丈夫だよ。ちょっと自分のしでかしたことに驚いているだけさ」

 

ヤバい!今更ながら自分のしでかしたことがパンク精神がすぎる!

そんなことを考えていると走ってくる生徒がいた

それを見て、カズサは嫌そうな顔をする

 

「ハーハッハ!見つけましたよ蛇尾リュウジ!」

「……げっ」

 

その生徒の名は宇沢レイサ。パステルカラーの髪をした少女だ

行動力と正義感は人一倍、親しい友人がいないことを自嘲気味に呟くなど繊細で傷つきやすい内面を持ち、自己肯定感が低いところだけはコユキと同じだな

 

「かのキャスパリーグと密会で、何を企んでいようともこの私!自警団のエース宇沢レイサ参上です!覚悟してください!」

「おっ、レイサじゃん。久しぶり」

「お久しぶりです!最後に会ったのは2年前ですね!」

 

うわっ!結構大きな声!

隣でカズサの目のハイライトが消えてる!?

 

「杏山カズサと密会をして何を企んでいるんです!」

「いや、久々に会ったから話していただけだよ」

 

にしても、カズサとレイサを並べるとそんなに身長差ないな

レイサが153cm。カズサが155cm。2センチの差か

 

「そ、そんなはずありません!あのブラックマーケットのガンスミス、錬金王、五億の怪物と呼ばれているあなたが「待て待て待て!」な、なんですか?」

「そのガンスミス以外の二つ名はなに?」

 

レイサの口上を遮って申し訳ないけど……

 

「僕、そんな二つ名を付けられているの!?」

「はい!主にブラックマーケットからでもトリニティでも噂になってます!」

 

それ、たぶんよくない方の噂だよね!

派閥を作ってる生徒たちが疑わしそうにしていたりする奴だよね!

 

「なしてそんな噂が立てられて……」

 

ガンスミスは分かるんだよ。色んな銃を作ってキヴォトスに販売しているから

 

「なんでも入る4次元バッグや、どこから用いたか分からないケイ素が多い砂を用いての販売、しかもブラックマーケットのギャング連合のボス。ドン・アランチーノに重傷を負わせて5億の賞金を懸けられてもなお、ヘルメット団やスケバン、数々のマフィアを返り討ちにしたことからそういった噂が出ていましたね!」

 

どうしよう、否定できない

 

「言っておくけど、スケバン界隈でも有名だよ。あの蛇尾リュウジがブラックマーケットの地主になったとか、住む場所を提供してくれて助かったとか」

「あのなんでも入るバッグもそうでしたしね。あのおかげで弾薬も色々持ち運びができます!」

 

私も助かってます!と元気に言うレイサ

僕はそこまで噂になっているのかと思っているとレイサは懐から紙を出す

 

「蛇尾リュウジ!私からの挑戦状を……受け取ってください!!」

 

差し出された挑戦状。僕はそれを受け取る

 

「いいよ。やろっか」

 

僕は赤色のトレンチコートの右半分を見せてそこに仕込んだ銃を見せる

そこにはデスサイス、ファルコン・ライジング、DMCが隠しこまれていた

 

【挿絵表示】

 

「どれで勝負しよっか?」

 

その銃たちを見て驚いたレイサは悩みながら

 

「これにします!」

「DMCの方ね……カズサ。合図を出してくれない?」

「いいけど合図はどうする?」

「よーいどんでお願い」

 

 

僕はレイサと距離を取り脱力した姿を取る

レイサのSGは戦闘エリアの半分は余裕で収めるほど射程が長い

この距離の僕では連続で当たる事だろう。それよりも速く撃って倒すしかない

 

「よーい……」

 

武器を持つ手に力が入る

銃に神秘を流し込んでレイサに的確に当てるイメージを持つ

レイサも銃を構えて撃つ準備に入る

 

いつもの活発な姿と違い、自警団としての顔になる

そんな表情ができたんだな……たまんねぇな

自然と口角が上がってくる

 

「どん!」

 

その言葉と共に構えてレイサに向かって撃つ

レイサは飛んでくる銃弾をかわしながら僕に銃を撃ってくる

 

ブルパップ型だから、一度のポンプアクションで2連射が可能となっているそれから放たれる銃弾は僕の肩を掠めるが、それを避けてレイサを狙う

 

それよりも前にレイサがSGを撃ってきたのをスライディングでかわしながらレイサの腹部に向かってDMCを撃つ。放たれた逆五芒星の散弾は命中した

 

「うぎゃ!?」

 

撃たれるレイサはそのまま倒れるのだった

 

「僕の勝ちってことでいいかな?」

「ま、参りました!さすがはブラックマーケットのガンスミス!強いですね!」

「レイサもね。さすがはスーパースターと自分で言うだけはあるよ」

 

僕の手を借りて起き上がってきたレイサと互いの実力を称え合い

 

「次は負けませんからね!」

「あぁ、挑戦状を楽しみにしてるよ」

 

そう言って手を振るレイサに手を振り返し、見送ると

 

「よくレイサの相手をできるね」

「まぁ、一緒にいて楽しい子だしね」

「ふーん……」

 

カズサはレイサを忘れたい過去の一部だとまだ思っていたっけ

 

「カズサはレイサと関わりたくない?キャスパリーグ時代の自分を忘れて新しい生活を送りたいのにレイサがその時と同じように接してくるから?」

「……まぁね。私にとっては忘れたい過去を思い出させてくるからね」

 

レイサの背中を見ながら呟くカズサ。

カズサは確か、キャスパリーグ時代に栗村アイリを見てスケバンをやめたんだよね

 

過去はバラバラにしてやっても石の下からミミズのように這い出てくるってどっかのギャングのボスも言ってたっけ?

 

「カズサの気持ちも分かるよ。自分が嫌な思い出をぶり返す元凶が騒いでいたら嫌な気持ちになるし、避けたいよね……けどさ。そういう過去があったから今のカズサもあるわけだし難しいよね」

「そうなんだよ……どうすればいいんだろ?」

 

僕が言えるのはこれしかない

 

「いっそのことレイサに全部ぶちまける。スケバンをやめた経緯や、今の自分を全部知ってもらうために腹を割って話し合うんだよ。ほら、河原で殴り合って解決するみたいな」

「それ、不良マンガのあれじゃん!……でもまぁ、それもいいかもしれないね」

 

立ち上がったカズサは僕の口にマカロンを入れてきた。イチゴ味だ

 

「色々話せてよかったよ」

 

そういうカズサは微笑んでいた

その顔に思わず見惚れそうになる

 

「こっちもね。顔が見れてよかった。今度トリニティに来た時はスイーツでも食べる?」

「今度は食べさせっこはなしだよ」

「いいよ。いくらでも奢るよ」

 

そう軽口を叩き合いながら僕はカズサと別れるのだった

 

 

 

搬入作業を見届け、トリニティ学園を観光がてら歩いているとミカに出くわした

 

「げっ!蛇尾リュウジじゃん」

「……ミカ」

 

前回のトリニティでミカのゲヘナ嫌悪を薄っぺらいと評価し、彼女とミネを相手に戦闘を行った事がある。あれからはミカに会ってないけどここで会うとはな

 

今回はパテル派の生徒はいないらしい。一人だけのようだ

 

「なにしに来たのかな☆」

「ここにガラス細工を搬入しに来たんだよ」

 

良いお客様にはいいサービスは基本だろ?と言うとミカは疑わしそうに見てくる

 

「ほんとかな~?トリニティで暴れたりしないよね?」

「流石にそんなことしないよ。してもこっちに良い事が無い」

「それと聞いたよ?ハスミちゃんのゲヘナ嫌いが和らいだって?」

 

以前、僕はフウカが作ってくれた弁当をハスミに捨てられ、その怒りで彼女の尻を叩いたことがある。それをきっかけに正義実現委員会やミカ、ミネと戦闘になった事がある

 

その後はナギサと交渉して、ハスミのゲヘナ嫌いを緩和させるために彼女をゲヘナに連れ出したんだ。その後はパフェを食べたり、ゲヘナでも良心的な生徒、ヒナとかフウカを説明して終わったんだけど……ミカの言葉だとハスミのゲヘナ嫌いも薄らいだようだ

 

「いったいどうやってハスミちゃんを説得したわけ?」

「なに、ゲヘナでもまともな生徒がいると教えただけだよ」

「ほんとにいるの?正直、信じられないんだけど?」

 

天文学的な確率でいるさ。ミカの隕石みたいにね

 

「いやいや、ほんとにいるんだって!ゲヘナの風紀委員長とか、給食部の部長とか」

 

ギャルとかね。あの子ら辺りが一番良識的で常識的だから

僕はゲヘナでもまともな生徒を紹介したり、ゲヘナでも良いところはあると教えた

でもなぁ~ミカのゲヘナ嫌いが簡単に消える訳でもないしある事だけは言った

 

それは……

良いゲヘナ生徒もいるし悪いゲヘナ生徒もいる

悪いゲヘナ生徒だけが嫌悪していいと教えた

特に温泉開発部。お前らの事だぞ?

 

「ふーん。その風紀委員長ちゃんとか、給食部の部長は良い子なの?」

「そうなんだよ。二人ともゲヘナの生徒にしては良心的でヒナに関してはめんどくさがり屋なんだけど責任感が強くていつもゲヘナの治安を守ってるんだ。フウカも優しすぎてゲヘナの生徒にするにはもったいないくらいだ」

「あぁー、あの場所でその子のお弁当を食べてたっけ?」

 

思い出したようにミカは言う

 

「やっぱあれってダメだった?」

「あの後、ティーパーティーのフィリウス分派に「あの場でゲヘナの弁当を食べるなんて」とか「あれは挑発行為なのでは?」なんて声もあったけど、ナギちゃんが収めていたよ」

 

おぉ……ナギサ。本当に申し訳ない

 

「その冷や汗だとそこまで考えていなかったみたいだね♪」

「まさか、そうなるなんて思いもしなかった……」

「まぁ、あんなことがあったからハスミちゃんもゲヘナ嫌いが薄まったしね」

「ミカはどうなんだよ?……やっぱり、ゲヘナは嫌いか?」

 

僕は良くてもミカがな……エデン条約でもセイア、ナギサを秘密裏に潰してトリニティの全権を握り、個人的に同盟関係を結んだアリウスをトリニティの武力として迎え入れ、ゲヘナを完全に滅ぼす全面戦争に打って出るという計画を目論んでいた

 

そんな彼女がまだ敵に回るなら……僕も徹底的にミカと戦わないといけない

 

「う~~ん、どうなんだろ?」

「というと?」

「なんだか分からなくなってきちゃってさ。あの後、リュウジが言ってたじゃん?私のゲヘナに対する嫌悪を薄っぺらいって」

 

本当にそうだからね

 

「特に何かされたわけでもなく、居場所を奪われたでも、大事な友人を傷つけられたでもない!それを深く考えず、ただなんとなくだなんて薄っぺらいにもほどがある。そう言われてね考えることがあったんだ……私のゲヘナ嫌悪がどうしてあぁなったのか」

 

考えるように目をつぶるミカ。

その背景にあったのは昔からの風習であり宗教染みた押し付け

 

「私個人がゲヘナ生徒に傷つけられたわけでもないのに周りに「ゲヘナは碌でもない」とか言われ続けて自分で探ったりせずにそう決めつけていた」

「トリニティは文化と宗教の国だからな。そういう考えが根強く残ってる」

 

だから、こういうところは嫌いなんだ。誰もがそうあるべきとか変化を受け入れずに古く、カビの生えた考えを根強く残して先を生きる生徒に悪影響を残している

 

「だからさ……ナギちゃんのエデン条約に賛成しようと思う」

「えっ?」

 

思わず、そんな声が出た。ミカがエデン条約に賛成だと!?

 

「なに?そんなに不思議」

「正直に言うと反対すると思った」

「まぁ、それもあったけどさ……本当にゲヘナでも良い子がいるならいいかなって」

 

僕は思わずミカの手を握る

 

「ミカ!」

「ひゃ!な、なに!いきなり手を握って」

「もし、エデン条約ができたら僕とゲヘナで美味しい物、食べに行かない?基本あそこは周りが言うように治安が悪いけど、それでもまともな生徒はいる。一緒にその生徒を見に行ってその古い価値観を変えよう!」

「……わーお」

 

ぎゅっと手に力が入る。ミカの瞳が揺らぎ、頬が赤くなっていく

 

「そうしたら、ミカを始めとしたトリニティの生徒も少しはゲヘナ嫌いが薄くなる生徒が出るかもしれない。僕と一緒にトリニティを改革しよう……なんて「見つけましたよ蛇尾リュウジ!」」

 

声がした方向を振り向くとそこにはSRを構えているハスミの姿があった

怒りで髪は揺らめき、赤色の瞳が更に赤く光っている

 

「よくも私のあのような写真を部室の壁に飾り付け、挙句の果てにミカ様を誑かそうと!」

「ち、違う!ミカを誑かしていない!どっちかというとミカの応援を「問答無用です!」」

 

慌ててミカの手を放し、ハスミから逃げる準備をする

 

「ごめんミカ!話はまた今度ね!ミカのやることを僕は応援してるよ!」

 

そう言ってハスミから逃げる。あの状態のハスミは僕の会話を聞く余地が無い!

 

「すみませんミカ様!失礼します!」

 

こうして、僕とハスミの追いかけっこが始まった

 

推奨BGM

コミカルに追いかけっこ

 

ハスミもSRを持ちながら僕めがけて走ってくる

自分で太ってるとか言い出すわりにけっこう速いじゃないか!

 

「よくもあのような写真を部室の壁に飾ってくれましたね!」

「金の額縁が部室の壁によく映えてたでしょ?」

 

我ながらあの額縁を作ったのは力作だと思うよ

 

「そんな事を言ってるんじゃありません!あんなに大きな写真を壁に貼って!」

「あんなに可愛く撮れていたのに。少なくとも部員たちからは好評でしょ?」

「えぇ!訓練帰りにスイーツショップに誘われたり、ファンの子たちから差し入れをされました!おかげで、体重が増えてより運動をする羽目になったのです!」

 

「断ればいいじゃないか?」

「そんなことをしたら、部員たちが可哀そうじゃないですか!!」

 

あー!もう!

 

「そんなんだから夜中にパフェ3つも食べるんだ」

「なっ!?なんでそのことを!」

 

げっ!?しまった。つい言ってしまった!?

 

「と、トップシークレット!」

「問いただす必要があるようですね」

 

ハスミの圧が増していく

けっしてこれはハスミの体重は関係していない……多分

 

「それはちゃんとした取り調べなんだよね!?」

「そうなるかどうかはあなた次第です!」

 

絶対に捕まるわけにはいかない!

後ろからハスミが僕の背中にSRの弾丸を撃ち込んでくる。

かなり痛いけど走る速度が緩まることはない

 

「くっ!なんて丈夫な!」

 

このトレンチコートも防弾性なんだよ!

カナメに頼んで作ってもらったんだ!

なんでトレンチコートなのかって?カッコいいからだ!!

 

昔から赤色のトレンチコートはカッコいいって決まってるんだよ!

けど、このままじゃ埒が明かない!

僕は窓に身を乗り出す

 

「なっ!ここは3階ですよ!?」

 

慌てて窓から飛び降りたであろう僕を探すもそこにはいない

なぜなら僕はパイプを伝って上に登っているからだ

 

「なっ!?上の階に移動なんて!」

 

慌ててハスミも追いかけてくるが、それはブラフだ

彼女が走り去るのを見てまたパイプを伝って滑り降り、今度は1階を移動する

僕が向かった場所は救護騎士団のミネ団長の元だ

 

「久しぶり、ミネ。元気でしたか?」

「リュウジさん。あの回復薬、かなり助かってます」

 

ミネにはあの回復薬が違法じゃないと証明したくて渡したんだった

もちろん、依存性も危険性もない薬だと証明したので逆にこの薬を欲しいと言ってくれたので試しに1000本を買ってもらった。すると、腕が折れたり、重傷を負った生徒が3日以内に回復したと聞いて救護騎士団ミネ団長お墨付きの回復薬ということが広まってたちまち人気になった

 

キヴォトス中に販売され、救護騎士団というブランドがより多くの回復薬を求めるようになった

これ、お高いんでしょうって?とんでもない!

一本…なんと100円よ!たった100円で折れた腕も酷い怪我も治るのさ

まぁ、使い捨てだからこの値段に設定したんだけどクラップトラップが

 

「しもべがまたキヴォトスを震撼させるようです」

 

と呟いてスレッドを上げていたんだ

たった使い捨てだから複数持っても嵩張るし、病気には効かないんだからそこまで売れることないだろうに

 

「前はあのような態度で申し訳ありません」

「いやいや、医学に携わる人ならあの薬の効果は怪しいと感じてもおかしくはないよ」

 

僕だって、効果を試したくて倒したヘルメット団に使っていたからね

 

「ここに来たのもあれだし、どうかな?まだ欲しいなら注文を受け付けているけど」

「そうですね……では、後500本ほど」

「まいどあり。これからもよろしくね」

 

そう言って救護騎士団の部室を出ると

 

「見つけましたよ蛇尾リュウジ!」

「うわっ!もう来たのかよ!」

 

ハスミと追いかけっこの再開だ

銃を撃たれながら30分経ち、ハスミの手を逃れ、屋上に逃げた僕

ここなら大丈夫だろと油断していた。……その時だ

 

「捕まえました!」

 

ハスミに組み付かれ、そのまま馬乗りにされてしまった

走ってきたせいなのかハスミの顔が赤く色っぽかった

 

「さぁ、捕まえましたよ!白状しなさい!あの写真は記録に取っているのですか!」

「そ、そりゃあんな可愛いな顔なら残すさ!スマホのカメラにも残ってる!」

「ッ~~!!消しなさい!今すぐそれを!」

「だが断る!降りろ!ちょっと重いんだよ!」

「私が太ってると言いたいんですか!?」

 

圧し掛かってくるハスミから逃れようと腰上げたり左右に振りほどこうと動く

そのたびにハスミの大きな胸が揺れ、髪が乱れ、吐息が聞こえそうになる

すると屋上の扉が開く。誰だと思いつつ見てみるとそこにはコハルがいた

꒰ঌ(⸝⸝ↀᯅↀ⸝⸝)໒꒱←ちょうどこんな顔だ

 

「は、ハスミ先輩がリュウジを襲ってるー!?」

「コハル!?こ、これは誤解なのです!!」

 

走り去ったコハルを慌てて追いかけるハスミ

それによって解放された僕はトレンチコートの埃を払い、一呼吸置く

 

「……コハルに助けられたか」

 

あのエ駄死大王に助けられたのは運が良かったな。あのまま続いていたら僕はハスミに銃を抜かざるを得なかった。トレンチコートの内側に仕込んだ銃を見て壊れてないかを整備する

すると、スマホから着信が鳴った

 

通話に出るとトリニティの情報屋だった。

 

「蛇尾さん。あなたが求めている相手が見つかりましたぜ」

「その場所は?」

 

「トリニティの街にある美術館。そこの3階で奴は会合のパーティを開きます」

「時間は?」

 

「今から3時間後。気を付けてくださいね。奴は大人数の部下を連れていますから用心を」

「報酬は振り込んでおく」

 

そう言って通知を切り情報屋に報酬を送金する

……さて、行くか

僕はトリニティ総合学園を出て、バイクで美術館に着いた

3時間かかるほどの距離を運転したこの場所に

 

「ここか……()()()が来る場所は」

 

あいつが来る……そう、ドン・アランチーノだ

僕はこれまでの間にも襲い掛かってきたマフィアを返り討ちにし、クラップトラップに組織のPCをハッキングさせても、奴がいたと思われる拠点を爆破しても、奴の居場所を聞き出したり探そうとしたが一向に見つからなかった。

 

確かイベントストーリーでも用心深く、何重にも保険を掛ける性格だと言われていたっけな。僕がアランチーノを探しているのはいい加減あいつらとの因縁に決着をつけたいからだ

 

年がら年中、マフィアに狙われ続けるのもうんざりだ

ここいらで決着をつけて、そろそろ原作に集中したいものだからな

美術館の向かいにあるビルの6階から美術館を見下ろす

 

僕はクラップトラップに連絡を入れて夕飯の時間には帰れないからアヤメとコユキに好きなものを食べてと伝え、3時間後に備えて銃の整備、食料を買いに行くのだった

 

3時間後。裏社会の住民たちの車が美術館の駐車場に着き、中に入っていく客が見えた

当然、その中にはあいつ…ドン・アランチーノの姿もあった

 

「見つけたぞ……」

 

双眼鏡から手を放した僕は武装を確認する。

屋内戦を想定して、持っていくのはHGとSGだな

デスサイス2丁、DMC2丁、ファルコン・ライジングに幻痛とアクセルシューターを持っていこう

 

僕はトレンチコートを着て、美術館の中に入る。

幸い、入り口には見張りもなく奴がいる3階のパーティー会場に入ることはできた。

 

そこにいたのは裏社会にどっぷり浸かった裏社会の住民たち

にこやかな笑顔の裏で腹の中は相手の弱みを握ったり、見下したりしている連中だ

 

基本的にトリニティとゲヘナの悪いところを煮詰めたような奴らだ

アランチーノは自身に媚を売る部下の対応をしている

キレやすくなったとは聞いていたけど以外に落ち着いているじゃないか

 

僕は人混みを通り、アランチーノの前に出る

近づいてきた僕に気が付いたのかアランチーノが僕に視線を向ける

 

それに釣られるようにアランチーノに媚を売っていた裏社会の住民も僕に視線を向けて何かを察したのか後ろに下がっていく

 

それにつられ、僕とアランチーノ、その部下を除いた他のパーティーの参加者たちも後ろに下がっていく。まるでこの後に起きる戦闘に備えて逃げる準備をしているようだ

 

「久しぶりだねドン・アランチーノ。前の鋭角的なボディより少し重みが増したね?」

「蛇尾…リュウジ……よくも顔を出せたものだな」

 

その言葉に僕への怒りが込められており、アランチーノの部下たちも奴の前に出ていつでも銃を抜けるようにする。人数は5人。手に持っているのはジェイコブとダールのHGか

 

「お前は私に後遺症を残すほどの重傷を与えた。本来なら死も温い報いを与えるべきだが最後のチャンスをやろう……毎月、この私に自分が稼いできた金の8割を寄越せば命だけは見逃してやる。懸賞金も取り下げてやる」

 

はっ!これは驚いた!僕が稼いできた30億以上の8割を寄越せ?

 

「かの有名なドン・アランチーノが目の前の仕留めきれないガキを相手に集り強請りか?はっ!情けないにもほどがあるぜ!そこはお前を始末し、貴様が管理していた者を奪ってやるだろ?」

 

その言葉に場の空気が凍てつき、鋭利な刃物のような殺気がアランチーノから向けられた

 

「後悔するぞ……あの時から私もボディを改造した。いかなお前でもタダでは済まないぞ?」

「……口じゃなくて銃を抜いたらどうだ?」

 

静寂の空気の中……パーティー会場の客の一人の汗でグラスが滑り床に落ちて割れた

それを引き金に僕とアランチーノの部下が同時に銃を抜く

 

僕のファルコン・ライジングがアランチーノの部下5人の額に2発ずつ当たり、意識を刈り取る

アランチーノは部下に連れられてこの場から去り、パーティー会場から悲鳴と銃声が響く

 

客の人混みをかき分けてアランチーノを追うと左方面から僕にHGを撃つ奴の部下の一人がいた

体を半歩ずらして弾丸を回避し、腕を取って地面に投げ倒した後、後ろのドアから来た増援2人を1発ずつ撃って倒し、空になったファルコン・ライジングをホルスターに収め、銃を奪う

 

ジェイコブ社製のHGマーシャルか。マフィアが保安官(マーシャル)とは皮肉だな

頭部に3発当てて気絶させて立ち上がり、ファルコン・ライジングをリロードして後を追う

 

追いかける道中、ダール社のHGを撃ちながら5人の部下が近づいてくる

近くの壁に隠れつつ、遮蔽物から姿を出し近くにいた部下の1人を撃ち、体勢を崩させて盾にして残りの4人の足や腕を撃った後に的確に顔を当てていき、盾にした奴を撃って対処する

 

その後、後ろから嫌な感じがしたのでしゃがむと自身の頭部があった場所から弾丸が通り美術館の作品を壊した。彫刻の影に隠れながらリロードをして後ろから撃ってきた奴撃った後、前後を確認して、進んでいく

 

一方、アランチーノは部下に護衛されながら電話で自身の部下に命令する

 

「リュウジが現れた。直ちに奴を無力化して始末させろ」

 

そんな奴の後ろからは鳴りやまない銃声が聞こえてくる

これは奴にとっては鎌を振り上げる死神の様なものだ

一歩一歩、僕が近づいてきているのだから

 

アランチーノは自身の部下に命令して僕から逃げていく

すれ違うように奴の部下が僕の元に集まっていく……その数40人

手に持つはHG。恐らく今日は裏社会との会合という事でガチガチな装備はしていない

 

今がチャンスだ!この手を逃すわけにはいかない!

 

正面から来る1人を2発撃って倒し、後ろに来た3人を振り向くことなくノールックで撃ち倒し、階段手前で撃ってきたため壁に隠れながら撃つ

 

ほんと、このファルコン・ライジングはデザートイーグルと同じ50口径を使っているから威力が半端じゃない。一発当てればすぐに相手は倒れるからな

 

その後は弾切れを起こしたのでマガジンをリロードして後ろから近づいてきた奴を撃ちながら階段を転げ落ちるように移動して階段付近に来た敵の足を撃つ

 

僕と同じように階段を転げ落ちてきた相手の背中を足で受け止めて頭部を撃って無力化した後、振り向いて近くにいた敵に向かって発砲。銃弾は見事に敵の顔に2発当たった

 

その後は遮蔽物に隠れながら近づいてきた敵の足を撃ち、銃を持つ手を掴んで床に投げ、一緒に来た2人をそれぞれ2発ずつ撃って倒し、床に投げた敵にも2発撃つ

 

それと同時に3人の増援が現れ、僕に向かった発砲してきたのでスライディングで滑りながら敵の頭部に向かって2発撃つ。1人ずつは倒せたが残り一人の弾丸を肩に受ける

 

痛みを堪えつつも相手が持っている銃を奪い、それを使って撃つ

ちょうどいい、弾の節約に使わせてもらおうか

 

奪った銃の弾数を確認する

見た目はダール社のHG

装弾数は12発のセミオート式か

 

倒した敵の懐からマガジンを奪い、リロードしてチャンバーチェックを行い、足を進める

 

歩きながらファルコン・ライジングもリロードをして進むとアランチーノの姿が見えた

 

「アランチーノッ!!」

 

僕の言葉が聞こえたのかアランチーノは止まってこちらを見てきた

しかし、奴は顔色や声色を変えずに部下に命令して自身が所有する車に歩き出す

 

「……殺れ」

 

その言葉を受け奴の部下たちは銃を撃ってくる

近くにいた奴を奪った銃で撃つ、4発ずつ撃って3人倒した後、空になった銃を別の奴に投げて怯ませ、デスサイスを抜き、腹部に3発、頭部に3発撃ち込んでリロードをする

 

その隙を狙ってきた敵が銃を撃ってくるも防弾性のトレンチコートが弾丸を防ぎ、リロードを完了した僕に撃たれて倒れた

 

もう片方の手でデスサイスを抜き、2発ずつ撃って奴の部下を倒した後、スピードローダーでリロードをしながら美術館を出るとアランチーノの車*1が出た後だった

 

(逃がすかよ)

 

僕は右手に付けている腕時計のボタンを押し、待機させたバイクを動かしてそれに飛び乗る

 

 

【挿絵表示】

 

飛び乗ってエンジンを動かしてアランチーノの後を追う

トリニティの夜の街を駆けるバイクはアランチーノの車へと簡単に追いつく

 

僕は片手で運転をしながらもう片方の手でファルコン・ライジングを抜き、引き金を引く

なんでそんなことできるのかって?キヴォトスウォーズで練習したんだよ!

 

銃口から大口径の弾丸がアランチーノの車の窓を破壊する

 

 

 

 

……はずだった。弾丸を受けても蜘蛛の巣状にヒビしか入らなかった

 

(薄々分かっていたけど防弾か!50口径の弾丸だぞ!?)

 

どんだけ硬いんだよ!DMCに持ち替えるか?

そう思っていると後方からアランチーノファミリーの車がやってきた

増援を更に呼んだのか!?

 

僕は後方から近づいてくるバイクの運転手を撃つ。散弾を直撃した敵はそのまま意識を失いそのまま別の車にぶつかりスリップする

 

他の敵も僕のバイクのタイヤに向かって撃ってくるが、防弾性なんだよ!簡単に壊すことはできないぞ!壊したかったらMGを持ってこい!

 

更にこのバイクには!デジタル生成技術で生成できるマシンガンを搭載しているんだ!

フロント部分からマシンガンが生成され、敵のバイクのタイヤを破壊したり、運転手を狙い撃つ

 

あぁ、やっぱりバイクにマシンガンを搭載したりするのはロマンあるな!

バイク集団を一掃して、再びアランチーノを追うと今度は左右から黒塗りの車が来た

 

その数2台。車の荷台が開き、そこから出てきたのはタレットだ!

僕のバイクに搭載されているマシンガンより強力そうな弾丸が射出される

 

「うおっ!?」

 

慌ててハンドルを切って歩道のガードレールを盾にしながら弾幕をやり過ごす

深夜の時間帯といえど人はいて、悲鳴を上げながら住民たちは避難していた

 

歩道から車道に再び移動した僕はバイクを自動運転にして幻痛MarkⅡに切り替える

タレットの弾幕をある程度弾いた後、刻の蛇50%を発動する

 

そのままタレットまで近づき、幻痛MarkⅡで両断する

ビナーの装甲で作ったこの刀の切れ味は戦車の装甲ですら真っ二つさ!

斜めにずり落ちながらタレットは爆発音を立てて破壊された

 

僕は次に幻痛MarkⅡからDMCに切り替え、バイクを自動運転にしてタレットを搭載した車の間を通り運転手に向かって神秘を込めて放った弾丸を放つ。神秘を込めた弾丸は防弾ガラスを突き破り、2人の運転手の意識を刈り取り、そのまま街路樹にぶつかって意識を落とした

 

そのままバイクを運転してアランチーノの車のルーフに飛び乗り、幻痛MarkⅡをルーフに突き刺してそのままDMCを撃ち込む

 

ガラスが防弾でもな車体が防弾な作りなわけないよね!

神秘の弾を受けてルーフはたちまち大きな穴が開くとそれを瞬時に十字に切り裂き、中にいたアランチーノに銃口を向ける。これで終わりだと思い、銃口を向けた瞬間

 

僕の体が吹き飛ばされた

 

(なんだ!?なにが起こった!!)

 

アランチーノの方を見ると

 

「言ったはずだ…ボディを改造したとな…」

 

奴の左手首から先がライフル銃の銃口になっており、そこから放たれた弾丸が僕を吹き飛ばしたのだ。口径からして大口径だ

 

「油断したな…勝利を確信した奴が絶望する時の顔は心地いいものだ」

 

ちぃ!?しかも連射できるタイプときた!

慌てて幻痛MarkⅡで弾きながらルーフからジャンプする

着地して振り向くと車は横転し、中からアランチーノが出てきた

 

「便利な物だろう……今まで改造なんて小細工だと思っていたが悪くない」

 

ライフルの銃口が手首の中に納まり、左手が現れる

 

「中々カッコいいじゃないか!前よりいいんじゃないか?」

「それはそうもいかないのだよ……なにせ、お前に脳を焼き切られたんだ」

 

瞬時にアランチーノが僕の首を掴んで持ち上げる

 

「がっ!!」

「如何せん怒りが抑えきれなくなることがあってな……お前にやられたあの屈辱の日を思い出す」

 

首を絞める奴の手に力が入る

振りほどこうとしても、振りほどけねぇ!

 

「このままお前をこの場で始末し、あの時の屈辱を消し去ってやる!」

 

首を絞められ、息苦しくなって意識を落としかける中……僕はDMCを手放した

 

(ついにリュウジを倒せる!ブラックマーケットのボスはこの私だ)

 

これは僕も知らなかったが、実はアランチーノは僕に負けたことで一部のマフィアからは軽んじられることがあったらしい。それを知ったときはアランチーノ本人が直々に制裁を下すことがあったそうだ。奴にとって、僕は自分自身の人生の汚点であり、耐えがたい屈辱だったのだろう

 

ギャング連合のボスである自分がまさか勧誘しようとした当時15歳の生徒に深手を負ったのだから。現にこうして、屈辱を消し去るために僕の首を絞めて命を奪おうとしている

 

万力の如く締め上げる奴に僕は左手で抵抗しながらも右手で腰にある物を取り出す

それを奴のスーツに付けてやった

 

「なんだ?」

 

視線を下げて見るアランチーノ

それはある粘着性グレネードだ

 

「……まさか!自分ごと爆発するつもりか!?」

 

慌てて引き剥がそうとするがそれは僕でも剥がせないんだ

その瞬間、僕とアランチーノの間で大きな爆発音が響き、それと同様の大きな衝撃で僕は締め付けてきた奴の手から解放される

 

「がはっ…げほっ!」

 

地面を転がりながら息を吸い立ち上がった僕は前方のアランチーノにファルコン・ライジングで撃つ。アランチーノは吹き飛ばされた衝撃で自身の車にぶつかり、車体を凹ませていた。弾丸が奴の体に当たるがボディには傷一つ付かなかった

 

「いい銃だが、私の装甲は特殊な絶縁コーティングと磁気遮蔽プレートを幾層にも重ねた複合装甲だ。至近距離のライフルでも簡単に貫くことはできないぞ!」

(かなりいい装甲を使っているな…DMCでも傷をつけるのは無理だな)

 

恐らく、神秘を込めて撃っても傷一つ付かないだろう

となれば幻痛MarkⅡを使って接近戦に持ち込むしかない

 

僕はファルコン・ライジングをしまい、幻痛MarkⅡに切り替えてアランチーノに走る

奴は銃を構えて撃つ隙も与えない!

瞬時に距離を詰めて刀を振り上げようとした

 

しかし、アランチーノは車に逃げることも、銃を構えようともせず僕に向かってきた

奴の右拳を振り上げて僕を殴りかかる。嫌な予感を感じたが、僕の方が速い!

幻痛MarkⅡの刀身を振り下ろし、奴に袈裟切りを当てる

 

……前にアランチーノのが踏み込む

そのせいで刀の根元が奴の肩に当たり、僕の腹に深々とアランチーノの拳がめり込んだ

次の瞬間!腹部から大きな衝撃と爆発が起き、僕の体は後方に大きく吹っ飛んだ

 

「がはっ!!」

 

僕は口から血を吐き出しながら身体全身に伝わる衝撃と痛みに戦慄する

なんだこのパンチ力は!まるで巨大な杭を打ち込まれたような衝撃だ!

 

「……まるでパイルバンカーだな」

「あぁ、それに近い性能をしている……自身の手で思い切り殴れるのがこんなにも気持ちいいとは思わなかったぞ」

 

流石はイベントのストーリーだけで出ただけだったがギャング連合のボスを張るだけはあるな

恐らくだが、強さで言えば総力戦級に匹敵する!

 

「その状態ならまともに動くこともできないだろう……止めを刺してやる!」

 

 

アランチーノの左腕がマシンガンに変形して僕に向かって弾丸を放つ

体に負担がかかるがやむを得ない……

刻の蛇……90%!!

 

時間が時が止まったかのように遅くなり、奴の弾丸が遅くなる

ゆっくりと回転しながら飛んでいくそれを幻痛MarkⅡで斬り落としながら奴と距離を詰める

遅い動きでアランチーノの目が見開かれる……今更驚いても無駄だ

 

動くたびに負荷がかかる!さすがに90%は今は無茶か!?

だが、もう少しだけ持ってくれよ僕の体!

弾丸を斬り落としながら奴に近づいて奴のARを切断する

 

それと同時に時の流れが正常に戻ると同時に口から血が溢れ出す

 

「な、なんだ今のは!?あの距離から一瞬で近づいて私のマシンガンを切断しただと!?蛇尾リュウジ!貴様!なにをした!?」

 

驚くアランチーノ。相手からしたら僕が超スピードで移動して自分の腕を斬り落としたんだから慌てるか……僕は痛みに耐え、不敵な笑みで返す

 

「さぁね…テメェで調べて見ろよ」

「き、貴様ぁああ!!!!」

 

右拳を振り上げて僕に殴りかかってくるアランチーノ

それに対し、僕は刀の刃を返し、斬り上げる!

 

「燕返しだぁああ!!!」

 

幻痛MarkⅡはアランチーノの右腕を両断し、奴の右腕が宙を舞う

どしゃりと音を立て、アランチーノは苦悶の表情で苦痛の声を上げた

 

「ぐぉおお~~!!!!」

 

振りぬいたことで2歩後ろに下がってしまう

もうすぐ止めを刺せそうなのに体が動かない

90%は無茶だったか!

 

だが、それはアランチーノも同じだ

奴は両手の武器を失い、攻撃する手段もない

 

「ボス!早くこちらへ!」

 

アランチーノの車を運転していた奴の部下がアランチーノを車に押し込んだ

その際に斬り落とした奴の腕も回収し、その場から去るのだった

 

遠くの方からヴァルキューレのパトカーの音が聞こえてくる

僕もこの場にいるのは非常にまずい。バイクを呼び出し、跨った僕は自動運転にしてその場を去るのだった。意識が落ちそうになるも僕は懐から回復薬を打ってアランチーノから受けたダメージを回復させる

 

「うっ…あぁ…いってぇ……」

 

奴から受けたダメージが回復していくのが分かるが痛みが引くわけでもない

気付け効果もあって意識は覚めたが、ハンドルを握る力が籠められない

家に着くまでは自動運転だな……

 

家に帰る頃には深夜の時間帯になっていた

僕はバイクをガレージに入れてドアをゆっくりと開け、自身の部屋に向かう

そのままパジャマに着替えてそのまま寝るのだった

*1
黒塗りの高級車メル〇〇スベ〇ツのような車




今回の話はいかがでしたでしょうか?
感想と評価を楽しみに待ってます!

【挿絵表示】
赤いトレンチコートを着た蛇尾リュウジ

正直、トリニティの話を書こうとしても文字数が少なかったからアランチーノとの戦いを足しました。美術館での戦闘はジョン・ウィックを参考にしました

それと、FOX小隊のニコ、オトギ、クルミが実装されたそうです!
おめでとうございます!後はユキノだけですね
正直に言うとカヤも実装してほしいです
今回のハフバに出てくる可能もあり?
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