ナギサとミカの本気の喧嘩   作:あばなたらたやた

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 ナギサの拳が雨を切り裂き、ミカの肩を強く打つ。

 

「あれは嫌だ、これは嫌だ、挙句の果てには私を守るため? そんなの理由にならないんですよ!」

 

 

 彼女の声は怒りに震え、冷たい雨に負けないほど熱を帯びる。気品ある口調は崩れ、剥き出しの感情が言葉に溢れる。彼女の心は、ミカの裏切りと、その裏に隠された理由への苛立ちで燃えている。

 

 ミカは一瞬よろめくが、すぐに体勢を立て直し、ナギサの胸元に拳を叩きつける。

 

「それはこっちのセリフ!! どれもこれにも理由があるって、だったらその理由を教えてよ!! 全部一人でわかった気になってないで、ちゃんと私に教えてよ!!」

 

 ミカの声もまた、軽やかな仮面を脱ぎ捨て、ナギサへの苛立ちと愛情が混じり合った叫びとなる。彼女の桃色の髪は雨に濡れて張り付き、だがその瞳は燃えるように鋭い。

 

 二人は雨の中で殴り合う。ナギサの拳はミカの頬をかすめ、ミカの肘はナギサの腹に当たる。泥と水が跳ね、彼女たちのドレスはボロボロになるが、どちらも引かない。雨は冷たく、まるで二人の熱を冷まそうとするかのようだが、彼女たちの感情はそれに抗い続ける。

 

 ナギサの心は、ミカを許せないという怒りと、なおもミカを理解したいという願いで引き裂かれている。ミカもまた、ナギサを守りたかったという思いと、ナギサの閉じた世界への苛立ちで揺れている。

 

 ミカが息を荒げながら叫ぶ。

 

「おんぶに抱っこ? いい歳してさ。何でもかんでも与えちゃうから、それがアキレス腱になっちゃうんだよ!! ナギちゃん!!」

 

 彼女の言葉はナギサの優しさ、慎重さを突き刺す。ナギサは拳を握りしめ、声を張り上げる。

 

「なんで! 貴方はいつも!!」

「ナギちゃんが、行こうとしようとしないからでしょ!?」

 

 ミカが即座に返す。

 

「そんなに、そんなに大事ですか! こんなところに来たかったと!?」

「いつもいつももどかしいんだよ! 同じ日常を飽きもせず!」

 

 ナギサの心に、ミカの言葉が突き刺さる。彼女の慎重さ、ティータイムの穏やかな日常を愛する心——それがミカには足枷だったのか? ナギサは一瞬、動きを止める。雨が彼女の顔を流れ、視界をぼやけさせる。

 

「ミカ……私は……」

 

 彼女の声は小さく、まるで自分の信念が揺らぐのを恐れるように震える。だが、ミカは容赦なく続ける。

 

「ナギちゃんはいつもそこにいる。動かない。変わらない。だから、私が動くしかなかったんだよ!」

 

 ナギサの胸が締め付けられる。ミカの言う通りなのか?  彼女の優しさ、穏やかな日常を守りたいという願いが、ミカを追い詰めたのか?  だが、すぐに怒りが再燃する。

 

「それでも、貴女は私を置いていった!  信じなかった!」

 

ナギサは再び拳を振り上げるが、その動きはわずかに迷いを含む。ミカもまた、拳を構えながら、どこか悲しげな目でナギサを見つめる。

 

 雨は止まず、二人の間に降り続ける。殴り合いは、まるで互いの心の距離を測るかのように続く。ナギサの心は、ミカへの愛と憎しみ、理解と拒絶の間で揺れ動き、ミカの言葉は彼女の信念を揺さぶる。二人は、冷たい雨の下で、互いの本音をぶつけ合いながら、かつての親友としての絆を、壊すか取り戻すかの瀬戸際に立っている。

 

 

ナギサの声が雨を切り裂く。

 

「いつもいつも思っていました。なんでこんな破天荒キャラが、私の幼馴染なんだろうって!」

 

 彼女の言葉には、苛立ちと、どこか懐かしいミカへの愛情が混じる。拳を握りしめ、ミカを睨むその瞳は、怒りに燃えながらも、かつての親友との絆を完全に捨てきれていない。

 

ミカは一瞬目を丸くし、すぐに唇を吊り上げて反撃する。

 

「人の性格にケチつけないでよ! このトラブルメイカー!!」

 

 彼女の声は軽やかだが、鋭い刃のようにナギサを突く。桃色の髪が雨に濡れて揺れ、彼女の笑顔には挑発と本音が混在する。

 

「どの口で……!」

 

 ナギサが叫び返し、ミカの肩に拳を叩きつける。ミカはよろめきながらも、ナギサの胸元に拳を返す。

 

「毎回ぶっ壊すのは私。お膳立てして、一緒に楽しめるように趣向を凝らしてさ!! 尻が重たいんだよ! そんなに嫌ならどっか行けば良いのに、いつも待ってたでしょ!」

 

 ミカの言葉は、ナギサの慎重さ、穏やかな日常を愛する姿勢を突き刺す。ナギサの心が揺れる——ミカの言う通り、彼女はどこかでミカの破天荒さを待ち望んでいたのではないか?

 

「待ってなんか、ない!!」

 

 ナギサは叫び、ミカの頬を狙って拳を振り上げる。だが、彼女の声にはわずかな動揺が混じる。ミカはナギサの拳をかわし、逆に彼女の腹に軽く肘を当てる。

 

「満更でもない癖に!! 嫌なら耳塞いで目を塞げば良い!! どうするべきか分かっていながら目の前のことばかり!! 根本的なことから逃げてきた!!」

 

 ミカの声は、ナギサの心の奥底を抉る。彼女の慎重さ、優しさ、変化を恐れる心——それらがミカを遠ざけたのだと、ミカは訴える。

 

 二人は再び殴り合う。ナギサの拳がミカの肩を打ち、ミカの蹴りがナギサの脇腹をかすめる。雨が二人の動きを重くし、泥と水が跳ね上がる。だが、どちらも引かない。ナギサの心は、ミカの言葉に揺さぶられながらも、裏切られた痛みで燃えている。

 

「解決の代替案も出せないくせに、勝手に値踏みしないでよ!!  答えが出てるのを躊躇しないで!!」

 

ミカが叫び、ナギサの胸元に拳を叩き込む。その言葉は、ナギサの政治的才覚、慎重に盤面を読む姿勢を嘲るかのようだ。

 ナギサは息を荒げ、ミカを睨む。

 

「貴女こそ…! いつも勝手に突っ走って、私を置いていく! それが親友だっていうの!?」

 

 彼女の声は、怒りと悲しみで震える。ミカもまた、ナギサを見つめ、雨に濡れた顔で叫ぶ。

 

「ナギちゃんが動かないから、私が動くしかなかったんだよ! 守るために、壊すしかなかったんだ!!」

 

 雨は止まず、二人の間に降り続ける。拳と拳がぶつかり合い、互いの本音が剥き出しになる。ナギサの心は、ミカへの愛と憎しみ、過去の絆と現在の断絶の間で揺れ動く。

 

 ミカの言葉は、ナギサの信念を揺さぶり、彼女に変化を迫る。二人は、冷たい雨の下、殴り合いながらも、互いの心に触れようとしている。だが、その距離はまだ縮まらない。ナギサの拳が再びミカに向かい、ミカもまた、ナギサに応えるように拳を構える。

 

 

ナギサの声が雨の音を突き破る。

 

「これから、貴方がやることは分かっています。一人でアリウスに突撃して、殺す気でしょう。全部嫌になったからって!!」

 

彼女の瞳は怒りと決意に燃え、ミカを貫くように鋭い。冷たい雨に打たれながらも、彼女の心は熱く、ミカをこのまま行かせまいと強く願っている。

 

 ミカは一瞬言葉を失い、だがすぐにその目を細めて叫び返す。

 

「だったら何!?」

 

 彼女の声には、挑発と、どこか自棄になったような響きがある。桃色の髪が雨に濡れて顔に張り付き、彼女の笑顔は今や歪んでいる。

 

「だったら何!? ナギちゃん! 私がそうするって決めたんだから、関係ないでしょ!」

 

 ナギサは拳を握りしめ、ミカに一歩踏み込む。

 

「私は奪わせません!! 勝手に行こうとする貴方のことを止める!!」

 

 彼女の声は、気品ある口調を捨て、ただ純粋な想いで溢れている。ミカの破天荒さ、独りで突っ走る姿——それがナギサを何度も傷つけたが、それでも彼女はミカを失いたくない。拳を振り上げ、ミカの胸元を打つ。

 

「貴女を……こんなところで失うなんて、絶対に許さない!」

 

 ミカはナギサの拳を受け、よろめきながらも反撃する。彼女の拳がナギサの肩を強く打ち、叫ぶ。

 

「それが、寝ぼけているっていうんだよ!! この馬鹿!!」

 

 ミカの声には、ナギサへの苛立ちと、どこか彼女を守りたいという矛盾した感情が混じる。

 

「ナギちゃんには関係ない! 私が全部終わらせれば、ナギちゃんは安全なんだから!」

 

 ナギサはミカの言葉に激昂し、声を張り上げる。

 

「勝手に背負わないで! 命かけて、気張って、命張るところを間違えっぱなしなんですよ!! 頼んでもないのに人の理屈に突っかかってきてるのは貴方でしょう!! ミカ!! 頼りなさい!!」

 

 彼女の言葉は、ミカへの怒りと、親友としての切なる願いだ。彼女の優しさ、慎重さは、ミカを独りで突っ走らせないための力となる。ナギサはミカの腕を掴み、引き寄せる。

 

「私を……私たちを信じて! 一人で全部抱え込むなんて、許さない!」

 

ミカはナギサの手を振り払い、雨の中で叫ぶ。

 

「気合いで何でも解決できる。そんな世界なら宗教も法律も生まれてないよね。イエスもアラーもブッタもいらないでしょ! この甘ちゃん!!」

 

彼女の声は、ナギサの理想主義を突き刺す。ミカの瞳には、ナギサを守るための冷酷な決意と、彼女を遠ざけたいという矛盾が宿っている。彼女はナギサの胸元に拳を叩き込み、続ける。

 

「ナギちゃんにはわからない! この世界はそんな甘いもんじゃない!」

 

 二人は再び殴り合う。ナギサの拳がミカの頬をかすめ、ミカの蹴りがナギサの脇腹に当たる。雨は冷たく、彼女たちの体を重くするが、互いの熱は冷めない。ナギサの心は、ミカを止める決意と、彼女を理解したいという願いで揺れ動く。

 

 ミカもまた、ナギサを守るために突き放そうとする自分と、彼女の言葉に心揺さぶられる自分との間で葛藤している。

 

「ミカ、貴女はいつもそうやって…!」

 

ナギサが叫び、ミカの肩を強く打つ。

 

「ナギちゃんこそ、いつも待ってるだけ!」

 

 ミカが返す。二人の拳は、互いの心の壁を打ち砕こうとするかのようにぶつかり合う。雨の中、彼女たちの戦いは、愛と憎しみ、理解と拒絶の間で続く。ナギサはミカを止めようと、ミカはナギサを遠ざけようと、それぞれの信念をぶつけ合う。だが、その奥底には、かつての親友としての絆が、かすかに、しかし確かに息づいている。

 ミカの声が雨を切り裂く。

 

「人の案にケチつけて、あれは駄目、これは駄目。オウムに話しかけてるんじゃないんだよ!! 自分の言葉くらい、一つくらい吐いてみれば!?」

 

 彼女の言葉は鋭く、ナギサの慎重さや優しさを突き刺す。桃色の髪が雨に濡れて乱れ、彼女の瞳は怒りと苛立ちで燃えている。ミカはナギサの肩を強く突き、彼女を挑発するように睨む。

 

 ナギサは一瞬息を呑むが、すぐに目を燃やして叫び返す。

 

「だから、言ってるでしょう! 頼れと!! 一緒に傷つきましょう!! 大切なんですよ! 勝手に見限れません!!」

 

 彼女の声は、気品ある口調をかなぐり捨て、剥き出しの感情で溢れている。ナギサの拳がミカの胸元を打ち、雨に濡れた体が震える。

 

 彼女の心は、ミカを失うことへの恐怖と、親友として共に戦いたいという願いで張り裂けそうだ。

 

「ミカは……貴女は私にとって、かけがえのない存在なんです!」

 

 ミカはナギサの拳を受け、よろめきながらも反撃する。

 

「だから、それが手詰まりだってことでしょ!!」

 

 彼女の声には、ナギサの理想主義への苛立ちと、彼女を守りたいという矛盾した想いが混じる。ミカの拳がナギサの頬をかすめ、雨と泥が跳ね上がる。

 

「ナギちゃんのその綺麗事が、全部をダメにするんだよ! 現実を見なよ!」

 

 ナギサはミカの言葉に激昂し、声を張り上げる。

 

「うるさい、知らない、どうでも良い! そもそもこんな話はしてないんですよ!! 私は、一緒に戦おうって!! 言ってるだけなんですよ! 抱えて進んで何が悪いんです! 私とミカで出来ないことは何もない!!」

 

 彼女の言葉は、ミカへの絶対的な信頼と、共に未来を切り開きたいという決意に満ちている。ナギサはミカの腕を掴み、引き寄せる。

 

「貴女がどんなに突き放しても、私は貴女を諦めません! ミカ、私たちは親友でしょう!」

 

 二人は再び殴り合う。ナギサの拳がミカの肩を打ち、ミカの蹴りがナギサの脇腹に当たる。雨は冷たく、彼女たちの動きを重くするが、互いの熱は冷めない。ナギサの心は、ミカを止める決意と、彼女と共にある未来を信じる希望で揺れ動く。

 

 ミカもまた、ナギサの言葉に心を揺さぶられながら、彼女を守るために突き放そうとする自分との葛藤に苛まれている。

 

「ナギちゃん、いい加減に……!」

 

ミカが叫び、ナギサの胸元に拳を叩き込む。

 

「ミカ、貴女こそ……私を信じて!」

 

 ナギサが返す。二人の拳は、互いの心の壁を打ち砕こうとするかのようにぶつかり合う。雨の中、彼女たちの戦いは、愛と憎しみ、信頼と拒絶の間で続く。ナギサの言葉——「私とミカで出来ないことは何もない」——は、ミカの心に小さな波紋を広げる。ミカの瞳に、ほんの一瞬、迷いが宿るが、すぐに彼女は拳を構え直す。

 

 冷たい雨の下、二人の少女は互いの信念をぶつけ合う。ナギサはミカを信じ、共に戦う未来を求め、ミカはナギサを守るために独りで突き進もうとする。

 

 彼女たちの殴り合いは、まるで互いの心を確かめる儀式のようだ。だが、その奥底には、かつての親友としての絆が、壊れかけながらも確かに息づいている。ナギサの拳が再びミカに向かい、ミカもまた、ナギサに応えるように拳を振り上げる。

 

 ナギサとミカの拳が同時に相手を捉え、互いの頬にクリーンヒットする。雨に濡れた体が力尽き、二人はまるで糸が切れた人形のようによろめき、泥と水の地面に同時に倒れ込む。

 

 冷たい雨が彼女たちの顔を叩く中、沈黙が一瞬訪れる——そして、突然、二人の笑い声が響き合う。

 

 ナギサが息を切らしながら、泥だらけの顔で笑う。

 

「私の勝ち……ですね」

 

 彼女の声は疲れ果てているが、どこか晴れやかだ。ミカは横に倒れたまま、桃色の髪を地面に広げ、くすくすと笑いながら応える。

 

「負けか……でも、いいよ。ナギちゃんになら。良い喧嘩だったね」

 

 彼女の笑顔には、いつもの軽やかさと、ナギサへの深い信頼が混じっている。

 

「何が良い喧嘩だったと!? まぁでも、良かったです」

 

 ナギサはそう言いながら、雨に濡れた手をミカの方に伸ばす。彼女の心は、裏切りの痛みや嘲笑の幻聴から解放され、かつての親友との絆を確かに感じている。ミカは地面に寝転がったまま、空を見上げて笑う。

 

「けど、青臭いね。私達。馬鹿みたいに意地張って」

 

 ナギサもまた、ミカの隣で空を見上げる。

 

「本当に……でも楽しかった」

 

 彼女の声は柔らかく、ティータイムの穏やかな時間を思い出すような温もりを帯びている。雨は依然として降り続けるが、冷たさはもう彼女たちの心を凍らせることはない。

 

 二人は泥だらけで、傷だらけで、なのに笑い合っている。この瞬間、ヒフミの偽りやクーデターの重さは遠く、ただナギサとミカがそこにいる。

 

 ミカがふと笑いを抑え、ナギサをちらりと見る。

 

「ナギちゃん、ほんと馬鹿だよね。私のこと、こんなに信じてくれて」

 

 ナギサは微笑み、ミカの肩を軽く叩く。「貴女こそ、いつも突っ走って…でも、それでいいんです。ミカはミカですから」

 

 二人は再び笑い合い、雨の中でしばらく寝転がる。彼女たちの笑い声は、冷たい雨を温かく溶かすようだ。

 

 この喧嘩は、互いの心の壁を打ち砕き、壊れかけた絆を再び結びつけた。ナギサとミカは、泥と雨にまみれながらも、親友としての未来を確かに見つけたのだ。雨はまだ降り続けるが、二人の笑顔は、その冷たさを忘れさせるほど明るい。

 

 

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