宮田ゆま君(♂)な転生者(自覚無し)が少しずつ違うGXを舞台に頑張って行く話。

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プロローグ

その“男の子”、宮田ゆまは幼少から謎の既視感、デジャブを感じることがあった。特に世界中で流行っているカードゲーム、デュエルモンスターズで遊んでいると、そうしたデジャブを感じやすかった。

 

(なんだろうこれは……)

 

ゆまはその事を親に話したことがあるが、両親にも分からないらしく、日常生活に支障をきたしていないなら別にいいのではないかという話になった。そんなある日、ゆまが公園で遊んでいると、公園でくつろぐとある1人の青年を見つける。普通ならそれで後は気にも留めないが、

 

(んん……?このお兄さん何処かで見たような……?)

 

ゆまはその青年の顔に見覚えがある気がした。その時である、その青年の後ろから、

 

『マスクリクリ~』

 

デュエルモンスターズのモンスターが現れた。

 

「あれ?モンスター?」

 

ゆまは困惑した。デュエル中にソリッドビジョンによってモンスターのリアルな立体映像を出すことが出来るが、今は近くで誰もデュエルをやっていない。

 

『マスクリ?』

 

ゆまがそのモンスターを睨めっこをしていると、青年が、

 

「おや?君、彼が見えるのかい?」

 

と聞いてきた。

 

「え?彼って……このモンスターのことですか?」

 

『マスクリ?』

 

そのモンスターが青年の言葉に反応して、ゆまの方を見る。

 

『マスクリクリ!』

 

そしてゆまに挨拶(?)をする。

 

「え?はい……?」

 

「はは、どうやら見えているようだね」

 

青年は笑いながらそう言った。ゆまは、

 

「このモンスターは……、ソリッドビジョンじゃないんですか?」

 

「ああ、そうだよ。彼、『マスクリボー』は立体映像じゃない。本物のデュエルモンスターの精霊なのさ」

 

「精霊!?」

 

「そうだよ。まあ、あんまり深く考えずに仲良くしてあげてよ」

 

「は、はい!」

 

ゆまはそう言いながら返事をした。青年とマスクリボーの話し合いはそこで終わったらしく、マスクリボーが『マスクリクリ』と鳴いて青年の方へ戻って行く。そして青年が取り出したカードの中へ消えていった。

 

「消えた……」

 

「精霊達にとってカードの中は家みたいなものでね、普段はそこにいるんだ」

 

「そうなんですか……」

 

「さて、俺はそろそろ行くよ。またね」

 

そう言って青年は公園から去っていった。

 

ゆまは青年の後ろ姿を眺めながら思った。

 

(あの人は一体……?)

 

この時はまだ、ゆまは知らなかった。この出会いがこれから起こる様々な出来事の始まりに過ぎなかった事を……

 

宮田ゆま小学5年生の春。ゆまは再びあの公園で件の青年に出会った。青年は自然体でくつろいでいる。ゆまは青年を見つけると、

 

「こんにちは!響紅葉さん!」

 

と青年、紅葉に挨拶する。紅葉は、

 

「おや?俺の名前を知っていたのかい?」

 

そうゆまに尋ねる。ゆまは、

 

「この間テレビで見ましたよ。プロデュエリストだったんですね」

 

と答えた。そう、紅葉は有名なプロデュエリストだった。主にE・HEROというモンスター達を操り、日本でもトップクラスの腕前と人気を誇っていた。紅葉は、

 

「あまり大きな声で俺の正体は言わないで欲しいな。今は休暇中なんだ」

 

そうゆまに言う。すると、ゆまは、

 

「じゃあ、残念ですね……。折角お父さんにデュエルディスクを買って貰って紅葉さんとデュエルしようと思ってたんですけど……」

 

と、とても残念そうに言う。紅葉は、

 

「そうか……。なら、1戦だけ付き合うよ。デュエリストとして挑戦は無下にはできないしね」

 

と、荷物の中からデッキとデュエルディスクを取り出す。ゆまは、

 

「割とダメもとだったんですけどいいんですか!?」

 

と、驚いたように聞く。

 

「ああ、暇潰しにはなるしね」

 

と紅葉。

 

「ありがとうございます!じゃあ……」

 

ゆまも荷物からデッキを取り出す。そして2人は距離を置いてディスクを起動させる。すると、ディスクが淡く光を発し始める。そして……

 

ゆま・紅葉「デュエル!」

 

2人の声が重なる。同時に両者の腕に装着されたデュエルディスクにライフポイントの表示が出ると同時に、先行は紅葉のターンから始まる!

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

ゆま「僕はブルブレーダーに装備魔法、ミスト・ボディを装備します!」

 

その宣言と共にゆまのフィールドの牛の様な頭部の剣士の身体が、半分霧状になる。

 

紅葉(戦闘後に戦闘した相手を破壊できるブルブレーダーに戦闘破壊耐性を与えたか……、悪くない戦術だ)

 

ゆま「更に手札から魔法カード、ナイト・ショットを発動!そちらの伏せカード1枚を発動させずに破壊します!」

 

ゆまのカードの効果により紅葉のフィールドにセットされていた罠カード、ヒーローバリアが破壊された。

 

ゆま(よし!今破壊されたのはヒーローバリア。これで紅葉さんの伏せカードが無くなって安全に攻撃を通せる!)

 

ゆま「バトルです!ブルブレーダーで、E・HERO フレイム・ブラストを攻撃!この際にブルブレーダーの効果発動!」

 

ブルブレーダー ATK1600

 

E・HERO フレイム・ブラスト ATK2300

 

フレイム・ブラストが火炎による攻撃を放つがブルブレーダーはそれをものともせず切りかかる。そして、

 

ゆま「ブルブレーダーの効果!戦闘時にお互いの戦闘ダメージを0にしてダメージ計算後に相手モンスターを破壊します!」

 

ブルブレーダーの剣技によってフレイム・ブラストは一刀両断された。

 

ゆま「続いて、BOXサーでダイレクトアタック!」

 

BOXサー ATK1800

 

段ボール箱で構成されたボクサーが、紅葉にダイレクトアタックをする。

 

紅葉「くっ」 響紅葉 LP4000→2200

 

ゆま「僕はこれでターンエンドです!」

 

紅葉「俺のターン!ドロー」

 

紅葉「やるなゆま君。その歳で中々の腕前だ」

 

ゆま「ありがとうございます!このまま押し切っちゃいますよ!」

 

紅葉「それはどうかな?俺は先ずはミラクル・フュージョンを発動。これにより墓地のE・HERO オーシャンとE・HERO フォレストマンを融合素材として除外し、E・HERO ジ・アースを融合召喚するよ」

 

E・HERO ジ・アース ATK2500

 

紅葉のフィールドの頑健な肉体のヒーローが降り立つ。

 

ゆま「それって紅葉さんのエースモンスターの1体でしたっけ……!?でも確かそのモンスターじゃあミスト・ボディを装備したブルブレーダーは……」

 

紅葉「ああ、突破できない。そこで次はこれさ。俺はライフポイントを半分支払って、HEROアッセンブル・フュージョンを発動!」

 

HEROアッセンブル・フュージョン(オリカ)

通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1度しか使用できない。

①LPを半分支払って発動できる。自分の手札・フィールド・墓地・除外状態の「HERO」融合モンスターカードによって決められた自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

響紅葉 LP2200→1100

 

紅葉「俺は除外されているオーシャンと墓地のフレイム・ブラストを融合素材としてデッキに戻し、E・HERO アブソルートZeroを融合召喚!」

 

E・HERO アブソルートZero ATK2500

 

紅葉のフィールドに冷気を身に纏うヒーローが出現する。

 

ゆま「これも、紅葉さんの主力の1体……。も、もしかしてっ!」

 

紅葉「そのもしかしてだ!俺はE・HERO ジ・アースの効果を発動!自分のE・HERO1体をリリースして、その攻撃力分攻撃力をアップさせる!俺はE・HERO アブソルートZeroをリリースする。ジ・アース マグマ!」

 

ゆま「やっぱり……、これってプロの試合でも使用するコンボ!」

 

紅葉「そうさ!リリースされたアブソルートZeroの効果!このモンスターがフィールドを離れたことで、相手モンスターを全て破壊する!」

 

アブソルートZeroがジ・アースに吸収されたかと思うと、猛烈な吹雪がゆまのフィールドを襲った。それによりブルブレーダーとBOXサーは凍り付き、そのまま粉々に砕け散った。

 

E・HERO ジ・アース ATK2500→5000

 

紅葉「バトル!E・HERO ジ・アースでダイレクトアタック!アース・マグナ・スラッシュ!」

 

ジ・アースの一撃がゆまに直撃した。

 

ゆま「うわああっ!?」

 

宮田ゆま LP3500→0

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

決着はついた。初めてのソリッドビジョンの迫力にゆまは尻もちをついていた。

 

「いたた……。ソリッドビジョンって凄いんですね」

 

尻もちをついたゆまに紅葉が駆け寄り、その身体を起こす。

 

「大丈夫か?」

 

「はい。でもびっくりしましたよ。まさか紅葉さんの主力モンスターまで使われるなんて。もっと程々のモンスターが来ると思いましたよ」

 

「俺も最初はそのつもりだったんだけどね、ゆま君の実力が予想以上だったからつい少し本気を出させてもらったよ」

 

「そ、そんな……。僕なんてまだまだです!」

 

「そうか……。その謙虚な姿勢は君の美徳だね」

 

紅葉がゆまに言う。そして、

 

「さてと、俺はもう行くよ。またね」

 

そう言って公園から去って行く。ゆまは紅葉の背中を見送りながら思った。

 

(またねって言ってくれた!)

 

ゆまにとってそれはとても嬉しいことだった。そうして、ゆまと紅葉は偶に公園でデュエルをする仲になっていった。そして、ゆまが中学校に上がったくらいの頃。

 

「へえ、ゆま君はデュエルアカデミアに入学したいんだね」

 

「はい!そうなんですよ!中等部には入れなかったんですけど、高校に上がる頃にデュエルアカデミアの本校を受験してみたいんですよ!」

 

そう、ゆまはデュエリストのエリートコースとも目されるデュエルアカデミアへの受験がしたかった。彼はデュエルアカデミアに入学すれば何かが待っていると確信めいたものがあった。それはゆまの無意識下のことで、ゆま自身の自覚としてはもっと色んな人とデュエルしたい等の思いからの希望だったが。それに対し紅葉は、

 

「そうか。デュエルアカデミアか……。俺が子供の頃はそんなものは無かったしデュエルモンスターズも今ほど有名じゃなかったけど、本当にデュエルモンスターズも変わったな……」

 

と、感慨深そうに言う。そして……

 

「ゆま君。君はデュエルアカデミアに行ったら何を得たい?」

 

そう紅葉が聞く。ゆまは迷わず答えた。

 

「デュエリストとして強くなりたいです!そして、色んな人とデュエルしたいです!」

 

「……そうか」

 

紅葉はその答えに満足そうに頷きながら、

 

(この子の未来には無限の可能性が待っている。なら俺はそれを応援するだけだ)

 

と、思ったのだった。そして、その日から2人のデュエルで紅葉は本気のデッキで挑むようになった。勿論ゆまはデュエルでボコボコにされまくり、紅葉に1ポイントのダメージすら与えられずに負けることも珍しくなくなったが、

 

「すごい……!これがプロの本気……!!」

 

それでもゆまはめげず、むしろプロデュエリストのデッキを経験出来たことに喜んでいた。そして、ゆまが中学3年になり受験シーズンを迎える頃……

 

「紅葉さん!」

 

そうゆまは公園のベンチにいる紅葉に声をかける。すると紅葉は振り返り、

 

「やあ、ゆま君」

 

と、軽く挨拶する。

 

「いよいよ明日です」

 

「そうだね……」

 

そう、明日はデュエルアカデミアの本校の一般入試筆記が行われる日だ。デュエルアカデミアの入試は筆記試験と実技試験に別れており、先ずは筆記試験に合格しなければならない。筆記試験をパスできれば、その後には試験官とデュエルを行う実技試験が待っている。

 

「いやあ、まだ前日だと言うのに緊張しますね……」

 

「ははは……、一応言っておくけどゆま君は勉強は大丈夫かい?まあ、君の事だからちゃんとスケジュールはあると思うけど」

 

その問にゆまは、

 

「はい。十分後には帰宅してないといけないですね。一夜漬けとは言いませんがせめて試験に出そうな範囲は再チェックしないといけないですし……」

 

と、返す。すると紅葉は、

 

「なら、問題は無さそうだね」

 

と、安心したように言った。ゆまも、

 

「はい!」

 

と力強く返した。そして……

 

「そうだね……。まだ、合格も決まった訳じゃないけど、これを君にプレゼントしよう。実際にデッキに入れるもよし、お守りにするもよしだ」

 

そう紅葉は1枚のカードを手渡す。そのカードは……、

 

『マスクリクリ!』

 

「マスクリボー!?」

 

精霊の宿るマスクリボーのカードだった。

 

「貰っていいんですか!?」

 

ゆまはそう驚きながら聞く。すると紅葉は、

 

「ああ、俺の“弟子”にせめてもの餞別だ。俺もいつも通りプロリーグの次のシーズンが始まるし忙しくなるから実技試験の方は見に行けそうにない。それにマスクリボーもゆま君の所なら安心できる」

 

「ありがとうございます!」

 

ゆまは紅葉に礼を言った。そして、

 

「じゃあね。頑張ってくるんだよ」

 

そう言い残し、紅葉は公園から去って行った……。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

こうして、筆記試験をパスしたゆまは実技試験の日を迎え、試験会場に到着した。試験会場にはゆまと同じ年代の男女が多数おり、その中にはゆまの見知った顔も何人かいる。

 

「へえ~……」

 

「宮田さん」

 

ゆまが辺りを見渡す中、1人の人物が声を掛けて来た。その人物は緑がかった黒髪で褐色の肌をした男性だ。

 

「あっ、貴方は確か……」

 

「響紅葉のマネージャーをしております。光津です」

 

そう、彼の名は光津。ゆまも彼と直接話はしたことが無かったが、紅葉のマネージャーであり何度か顔を見かけている。光津は、

 

「宮田さん、紅葉氏からの言伝を預かっております」

 

「言伝……ですか?」

 

ゆまがそう聞き返す。すると光津は、

 

「はい」

 

と頷く。そして……

 

「“筆記試験合格おめでとう。実技も油断せず頑張れよ”だそうです」

 

と告げたのだった。その一言にゆまは胸が熱くなるのを感じた。

 

(紅葉さん……)

 

「紅葉氏からの伝言は以上です。私も紅葉氏の信用する貴方のご活躍を期待しております」

 

そう言って光津は試験会場を出ていった。ゆまは内心で、

 

(よし!頑張ろう!)

 

と、意気込んだ。そして……

 

『それではこれより、実技試験を開始します!』

 

そうアナウンスが流れる。いよいよ実技試験が始まったのだ。筆記試験の順位の番号順に試験官と受験生がデュエルしていく形式だ。最初に番号1番の三沢大地が呼ばれ、三沢のデュエルが始まったのを皮切りに、次々と受験生が呼ばれる。そして、

 

「受験番号62番!宮田ゆまです!よろしくお願いします!」

 

「全力でかかってきなさい!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

試験官「私はジェネティック・ワーウルフを召喚!」

 

ジェネティック・ワーウルフ ATK2000

 

試験官「更にカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

ゆま「僕のターン!ドロー!」

 

ゆま「僕は手札のマスク・チェンジを見せて手札のマスクリボーを特殊召喚します!」

 

ゆまのフィールドに覆面を被ったようなデザインのクリボーが現れる。

 

マスクリボー(オリカ)

効果

星1/闇属性/悪魔族/攻300/守200

ルール上このカードは「M・HERO」カードとして扱う。

①手札の「チェンジ」速攻魔法カード1枚を相手に見せて発動できる。手札のこのカードを特殊召喚する。このカード名のこの効果による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。

②このカードの属性は「風」「水」「炎」「地」「光」としても扱う。

 

マスクリボー DEF200

 

ゆま「そして僕のフィールドのマスクリボーを対象として速攻魔法、マスク・チェンジを発動します!」

 

ゆま「マスク・チェンジの効果により炎属性のマスクリボーを墓地に送って、変身召喚を行います!来い!M・HERO 剛火!」

 

マスクリボーにマスクが装着され、ゆまのフィールドに炎のヒーローが降り立ったのだった。

 

To be continued…?

 




駄文閲覧ありがとうございました。ご感想お待ちしております。

本作の宮田ゆま君は容姿はTF5以降のゆまちゃん。話が続いたら信じるものは救われるネタもやってみたい。続きは下級M・HEROが全部OCG化してからになりそうかな……お願いコナ●!!

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