機兵大戦スティルバース   作:四季永

1 / 2
 一人の少年が、宇宙へ上がっている。

 一人の男が、同志と共に宇宙を進んでいる。

 男は少年と出会う、道を示す為に。

 少年は機械の戦士と出会う、まるで運命に引き寄せられたかのように。


蒼星の巨兵

 あれは確か、7才の頃だ。

 

 その機会は、そう特別な事じゃない。ただの家族旅行だったかもしれない。

 

 初めて外から・・・宇宙の側から、地球を見た。とてもきれいだった。それこそ確実に汚染が進んでるのが、嘘だと思うぐらいに。

 

 

 

「今更戻りたくなったか?」

「そんな訳無いだろ。僕だってちゃんと覚悟して来たんだ、後悔するつもりなんか無い」

「おーおー勇ましいねえ。そんなに親父殿が心配で仕方ないか。オレぁあのキレイな地球を見れただけで満足するモンかと」

 

「・・変わらないと、いけないんだ。いつまでも周りに頼りきってる訳にはいかない」

 

 大きめの鞄を背負い、やたらうるさく話しかける球体を抱え歩く一人の少年。彼の名は空流星華。尚この名前は、容姿も含めて女性的と言われるのであまり好きではない。

 彼が一人で今月へ向かうシャトルに乗ろうとしている理由は、本人の感覚で言えば成長の為だ。きっかけは、一週間前に届いたメッセージが発端である。

 

 

 現時点の星華は、地球で母・空流地明と二人で暮らしている。父である空流宙輝は機械関連の仕事に就いており長期間家で過ごす事はあまり無い。とはいえ疎遠であったりすれ違ったりなどという事は無く、家族関係はむしろ良好で、星華も世の中の為・・・と言って働いている父は誇りに感じてもいる。

「言わせてもらうがな星華。今こうして宇宙に出れたのもこのライト様のナビゲートのお陰だぜ? 宙輝博士の素晴らし~い発明品だからなあ」

 このやたら自慢げに喋る球体のロボット、搭載されたAIはライトと名付けられているのだが、これは去年、15歳の誕生日の時にプレゼントとして贈られたものの一つだ。自己主張が激しいのが鼻につくが、サポートロボットと設計されたとあって家事はお手の物、その煩い位の喋り具合もむしろムードメーカーとなっており役に立っているのは事実である。

「にしてもこの形・・ハロのパクリじゃないのか? レトロ機種をわざわざ模すって」

「そこはリスペクトと言えっ」

「はいはい。・・・ところで、本当にこのルートで良いの? なんか人が少なくなってるんだけど・・・」

「そこは気にすんな。お前が向かうのは特等席だからな」

 

 

 

「どう見ても格納庫かなんかだよなここ。宇宙港ですら無いじゃないか! おまけに暗いし」

「言ったろーが特等席だって。それにこれは親父殿の意思でもある」

 

 やがて部屋は明るくなり、視界に飛び込んで来たそれは、

 

 

「これは巨大ロボット!? というか・・・モビルスーツ?」

「そういう訳だ。これがまあ・・・親父殿もとい、マスターがお前を呼んだ理由。まあ70%ってところだな」

 モビルスーツ(MS)、この宇宙時代で最も手広く普及している人型機動機械だ。それは時に作業機械として人々の生活を支え、またある時は戦争の兵器として運用もされる。

「そんなっ、じゃあ父さんが造ってる発明って・・・」

「直接言うのは酷と思ったんだろーが・・・そこはオレから見ても悪手だったな。まぁ察したろ? プレゼントとして乗り回せば良いさ」

「茶化すな! 何でこんな物を、明らかに兵器じゃないか! 父さんが僕に人殺しを命じたって言うのか!? どんな考えでこんな」

 

 星華の言葉を遮るように、突然、格納庫が大きく揺れる。

「来なすったな。乗れ。そうしないと死ぬぞ」

 

 どうしようもなく抗いようのない現実を、突きつけられている。

 

 

 結果として少年は選んでしまった、生き延びる事を。納得できなくとも、それが責めようの無い事と、言い聞かせながら。

*

「狙い通り来たようだな。・・展開部隊に告ぐ、統界軍の出現を確認した。至急合流しつつ該当機の殲滅にあたれ」

 

「隊長様の読み通りってワケか。いくら隠しててもバレるモンはバレるな」

 

「民間にも狙いをつけるなんて何て卑劣な・・・何機だろうと落としてやるっ」

 

 

 地球を周回する、一つの宇宙港に向かう、計三つの閃光があった。

 

 その宇宙港付近に突如現れた、複数の影があった。

*

「さぁて今更な確認ではあるが・・・このコクピットの構造、どっかで見覚えあると思わねーか?」

「お前とセットで、贈られてきた・・・シュミレーター。熱心に遊んどけって言ったのはそういう事か」

「ならもうやる事は解るな。この機体の名前は、今はコアガンダム」

「別に存在するアーマーと合体する事で、多戦局に対応できる」

「呑み込みが早いねえ。この親父にしてこの子ありか」

 これの操縦技術を、知らず知らずに叩き込まれていた。一体息子に何をさせたいのだろう。

 

「じゃあ発進するぜ。今はここを生き延びる事だけ考えろ。死んじまったら親父殿にも文句は言えない」

「わかってる・・・! コアガンダム及びアースアーマー、発進!!」

*

「格納庫がっ・・・!」

「紙一重に近い状態だったな。お前がもっとウジウジしてたら宇宙の塵だった」

 秘匿格納庫を文字通り吹っ飛ばした複数の機影は、次の標的としてそこを脱した機体・コアガンダムに攻撃の目を向ける。

 

「あれは確か・・・連邦軍のハイザック⁉ 本当に実戦投入されてたのか」

「地球連邦だって一枚岩じゃない、大方乗ってるのは過激派だろう。それより来るぞっ」

 ハイザックと名付けられるMSの群れは、躊躇う事無くコアガンダムに射撃を始める。

「おっ、初めてにしては上手くかわせるじゃねーか」

「感心してないで! この機体武装が貧弱じゃないか、早いところ戦えないのか!」

「おおやる気だなっ、じゃあ早い話、早速ドッキングと行くぞ!」

*

 一機の戦闘機と二機の人型機体が、戦闘を行いつつコアガンダムの元へと向かっていた。

「攻撃の手が強くなってきたな! 秘密兵器もろともここで消してやろうってか」

 一機の赤い戦闘機の動きは危なっかしい程に速く、その攻撃は無慈悲な程に的確だ。放たれる射撃は機体の急所を撃ち抜き、標的は動きを止め、運の悪い者は爆発して宇宙の塵となる。

 

「フリット! 頭を急かして戦うな、戦場での焦りは死に繋がる」

「レヴァ隊長っ、焦ってるつもりはありませんっ。だけどこの数では合流する前に『例の機体』が落とされてしまいます!」

 少年が駆るMS、白を基調とした機体色とどこか英雄的ともとれる外観からその機種は『ガンダムタイプ』と呼ばれる。それがビームライフルから放つビームは、一射とは思えない高い貫通力で複数の敵機を貫く。

 一方のリーダー格の男が駆るガンダムタイプは、大型の銃剣を筆頭に接近戦主体の武装が目を引く。高い機動力で銃撃をかわし、ほぼ一撃の下に敵機を斬り裂いていく。

(凄い・・・あれが隊長のアメイジングエクシア、正規の物のレプリカ機と言われてるけど、エース級に乗りこなしている、いや、それ以上のものを引き出しているんだっ)

「フリット!」

「・・はいっ」

「一機でも合流する必要がある、スパイクと協力して道を作ってくれ」

*

「コアチェンジ、ドッキング・ゴーッ!!」

 

 戦闘機アースアーマーの装甲が次々に分離され、コアガンダムの機体各部に連結されていく。それはまるで子供の様に小さく貧相なコアが戦士へと仕上がっていくかの流れだ。

 

 

「アースリィ・・・ガンダム。妄想なんかじゃ無かったんだ」

「そうさ。親父殿の願いの最初の一片。このアースリィガンダムはその体現だ。・・・さて、それを狙わんとした敵が来るぜ、どうする?」

「・・戦う事でしか生き残れない、だったらっ」

 

 

 その機体性能は、ハイザックの機体性能など、軽く凌駕していた。

「よく避けてよく落とせてるじゃねーか、大丈夫か?」

「ぶっちゃけ気を抜いたら吐きそう、なんだけどっ」

 ビームライフルとビームサーベルの出力は高く設計されている、それは量産機レベルの機体であれば軽く落とせる威力を出していた。

 だが、

「確かにな、ちょっと力み過ぎだ! リラックスしないと集中が保てないぜ」

「出来る訳ないだろ!? 気を抜くと落とされるんだよ、的になれってのか!?」

 準備や心構えも未熟なまま、戦場に叩き出された少年。生き延びる事に必死になり過ぎるそのメンタルは、逆に生存率を下げる状況になりつつあった。

 

 

「誰だか判らんがよく保った! 我々は友軍機だ、少しは無理の無いよう動け!」

「ああっ・・・?」

 眼前に突如別の機体が現れ、ハイザックを撃墜する。それは戦場に翻弄される星華の感覚では到底捉えられない動きだ。

「ありゃあかなりのエースパイロットだな。アースリィガンダムとオレの機能をもってしても捕捉に誤差があった」

「つまり・・・どういう事?」

「冷静になれば解るだろーが。機械で捕捉しきれないって事は、あれ性能以上の動きしてるって事だよ」

 確かに驚異的だ。時としてその機体の動きは、肉眼で捉えるのもやっとで、本当に機械が動いているのかと思う程の軽快さである。

「ありゃあ今のお前じゃ勝てねえな。機体のスペック差なんて軽々覆してやがる・・って、どうした星華?」

「・・・見た事の無いガンダムだ」

「あぁそうだな。あれはデータが正しければ『レガシー』と呼ばれる・・・都市伝説化している組織が製造したとされるMSだ。動揺するのも分かるぜ、オレもこうして動いてるのを見るのは初めてだ」

 

 

 

「どうやら撤退を始めたようだな。・・・さて、空流星華・・といったか」

「! ・・・何で僕の名前を」

「我々はその機体に用がある。開発者やその親族のデータを入手しておくのは・・念を押すとはいえ当然だろう。警戒するな、お前達に危害を加えるつもりは無い。我々と共に来れば・・・の話だが」

*

「お前が受け入れるとは思わなかったぜ。柔軟な対応も出来るじゃねぇか」

「からかうな。仕方ないじゃないか、断ればあの場で落とされてたかも」

「随分とお喋りなAIのようだな。この宇宙では良い話し相手になる、大事にしろ」

 格納庫に搭載され、機体から降りる。この戦艦は記憶が正しければ、

「アルビオン・・・ですか?」

「ああ、事情故廃艦寸前の所を奪取した物だ。設備に至らん点もあるがそこは容赦してくれ」

 任務に、失敗続きの。そういう風評を少なからず聞いた事がある。数年前に発生した大規模なテロ組織の鎮圧の為に動いていたようだが、実際に鎮圧に貢献したのは連邦主導のこの艦ではなく、様々な外的要因があった、というのが主流のようだが。

「意外と整ってるじゃないですか。もっとボロくて殺風景な感じかと」

「ははっ、そう見えるか? だとすれば何故処分しようとしたのか・・・大方ゲン担ぎの厄介払いが理由なんだろうが」

 重々しい声色だが、ちゃんと笑えるのか。背は高く、一般の感覚で見て美形であるのは疑いの無い容姿だが、着飾りの類はまるで無いし、放たれている雰囲気もとても暗い。イメージ的には・・・会った事は無いが、フィクションの凄腕の殺し屋のようだ。

*

「何だ、またガキじゃねえか。昨今のエースってえのは十代で花開くモンなのか?」

 案内されたブリーフィングルームで出会ったのは、もじゃもじゃの髪が特徴的な長身の男、

「君があのガンダムのパイロットだね? 託されたのなら同志だ、僕はフリット・アスノ。よろしく」

 理知的な雰囲気の緑髪の少年、

「界塚伊奈帆です。付き合いの期間は断定できませんが、生き延びましょう」

 年不相応とも言える程の冷静さを放つ眼帯の少年、の三人だ。

「名乗らなかったそこの男、名はスパイク・スピーゲル。俺がスカウトした凄腕の賞金稼ぎだ」

「凄腕? そいつぁちょっと盛り過ぎだぜ。男に評価されんのもどーも良い気分じゃねぇしな」

 彼らがどういう立ち位置かはまだ判らないが、最低限の礼節はある、荒くれ者の集団という訳では無さそうだ。

「・・俺がまだ名乗っていなかったな。俺はレヴァ・エクリス。武装共同組織『虚空剣』戦闘部隊隊長を務めている」

 

「えっ・・・戦闘部隊?」

「ああ。あの宇宙港での戦闘は密かに輸送それていた新型MS・・・それを狙う連邦軍と元々回収予定だった我々の衝突によって発したものだ。予めパイロットが登録されていたのは、こちらの情報不足だったが」

「なるほどなるほど。だがアースリィの設計者はこいつの親父殿だぜ? あの方は星華が操縦する事を見越して設計した、そっちにポン、っと引き渡すのは残念だが出来ねえ」

「ちょっとライト! 勝手に話を・・」

「おい星華。アースリィガンダムはお前が乗って、何かを成す事を信じて巡り会わせた機体だ。ここでそれを手放すようなら、お前は示された道から逃げる事になる」

「だから!! 話を進めるなっ!! ・・・これは僕の意思の問題だ。そうだろ、ライト」

 こんなに怒鳴るこいつを見るのは、凄い久々に見たぜ。

「その剣幕を見せたのなら、まとまった意思はあるんだろう。空流星華少年、聞かせろ」

 

 

「命を助けてくれた事には感謝しています。・・・僕は民間人だ、政治だとか軍の思想なんて事は疎いし嬉々として殺しをする人達の信念なんて理解したくもない」

「嬉々として!? ・・待ってくれ、僕達は救世主として」

「落ち着けフリット。・・・続けろ」

「・・・正義だとかそんな大層な考えや責任も、背負えるとは思えない。でも、アースリィが、父が僕に託そうとしている力が確かにあるなら、僕の意思でこの力の使い方を決める」

「至極若者らしい、純粋な考えだな。それで、この場における結論は?」

 緊張で冷や汗が浮かぶ。だが、安い覚悟のつもりは、無い。

「この決断が下せるのも、貴方達が助けてくれたこそです。だからまず借りを返す。・・・悪い人達じゃ無さそうだから、貴方達には気が済むまで協力します」

 

 

 張り詰めた空気が突然、和らいだのを感じた。

「決まりだな。じゃあ俺は戻るぜ、堅苦しいだけの問答はどうも苦手でな」

「僕はそろそろ時間なので、夕食作ってきます」

 

「スパイクと伊奈帆はああ言って戻ったが・・・まあそういう事だ。助力を感謝する」

 大きな溜息が出て、肩の力が抜ける。

「オイオイ大丈夫かぁ? 初対面の怪しい連中の信用をどうにか買ったんだ、胸張れ胸を」

「あまり軽口言うなよ・・・」

「企業の面接でも受けた気分か? だとしたら良い経験だな、糧にした方がいい」

「僕もスカウトされた時はこんな感じだった。聞かれた事は一つだったよ、本当に救世主になりたいか、って」

 先程険しい表情をしていたフリットも、いくらか温和な振舞いになっている。

「重要な話はここまでだ。しばらくは自由にしていい・・・といった所だが、何か聞きたい事はあるか? ・・まあ、余裕の無い現状では意見が通らないかもしれんが」

 勿論そんな事は山程あるのだが、無難な所から聞いていく。

「今この艦はどこに向かってるんですか?」

「まず我々がやるべき事はあの機体・アースリィガンダムとお前が呼ぶそれの解析とお前個人への尋問だろうな。その為に所謂『ラボ』に行く事になる」

「じ、尋問!?」

「ハハ・・そう重く考えるな。今のお前の態度からすれば力に訴える事は無いだろう」

 だが。

「オイ星華、良いのかそれで? 何度も言わせてもらうがアースリィはあくまで親父殿からの贈りモンだ、言い方悪いが赤の他人にホイホイいじらせる安い機体じゃねえ」

 指摘されればそうであるが、星華なりの決断は決まってる・・・つもりだ。

「曲がりなりにも命の恩人だよ、この人達は。ライトの言う事は解かるけど、どんな状況でも嫌がってばかりじゃ進める道も進めない・・・と思う」

*

「断ろうとは、思わなかったの?」

「・・・本当の事言うと、何されるか分かんないし」

 この判断は一時しのぎの物・・・だからこそ分かる物には見抜かれる。話を切り上げた後、案の定渋い顔をしていたフリットに呼び止められた。

「僕の操縦するMS・・・ガンダムAGEってコードネームで呼ばれてる。実を言うと僕のガンダムにも特殊なシステムがあるんだ、AGEシステムっていうね」

「えっ、それって機密情報じゃ何かじゃないの!? なんでそんな」

「この部隊に入る条件として、情報の一部の提供ってのがあった。救世主になる為の戦いを続けるには一人でいる事は出来ないから・・・迷ったけど受け入れたよ、正直今も」

 人に深入りする事は、どの状況でも悪い事なのだろうか。自分と近い年の少年が戦場に出て目的の為に戦っている、その事実を知ると逃げる事を念頭に置いていた自分の足が踏み止まる。

「怖いとか、そういう意識はなかったんだ?」

「全く無いとは言えなかったけど・・・それ以前に、生き延びる事に必死だった」

 それはそうだ。誰だって殺される形で死にたくなんか無い。

「でも、ガンダムに乗った時決めたから。みんなを守れる、救世主になるって」

 今の星華には、眩しくとも危ういとも取れる少年の目の中に宿る熱に、非難する言葉も、肯定する言葉も見つからなかった。

*

「先行した部隊による襲撃は失敗、か」

 既に戦闘が終了した宇宙港は、流言が飛び交い混乱一色の状況だ。

「そりゃあそうでしょうなぁ。ここいらは本来なら中立宙域で治安も安定、連邦の襲撃なんざ余程の事が無けりゃあ有り得ない場所。平和ボケ連中の心理からすれば天地が・・・ってヤツかねぇ」

「・・・その事態を起こしたのは我々の属隊です」

 二人の男と一人の女が、破壊された箇所を見て回っている。

「随分と気ぃ遣った戦い方じゃん? 秘密組織にしてはやり方が綺麗過ぎるっしょ」

「破損要因の殆どがマシンガンやグレネード、ここからは距離をとって戦ったのか・・」

「・・・あの男ならそういう戦法はありえます」

 

「ベル・フラウィン」

「はっ」

 緑色長髪の女性が、やや堅苦しい動きで敬礼する。

「ゼドス・八焔」

「あいよっ」

 逆立った銀髪の男が、気楽そうに挙手する。

「ヘルハウンド隊隊長、覇刃侍助が命ずる。我々はこれより、この港より持ち出された兵器及びここで戦闘を行った機動兵器部隊の追撃を行う」

 

「オイオイ大丈夫なんすかぁ? オレ達ぁ部隊階級からすれば下の方、勝手な行動は御法度だぜぇ?」

「階級が決められているとはいえ我々は『騎士団』とは違う。この行動も容認の範囲内だ。調停者からの許可を受けている」

「・・やはり彼を追うのですね」

「その通りだ。我々にはあの男を討たねばならん。レヴァ・エクリス・・・袂を分かった奴を、この手で・・・!」

 覇刃侍助、侍然とした装束の大男の眼には、まるで炎にもにた激しい何かが渦巻いているようだった。

*

 こうして、少年達の物語が始まる。それは今はまだ無い何かを見つける、冒険にも似た旅路の物語でもあり、戦争という世界を突き進む血塗られた戦いの物語でもある。

 だが彼等は行かねばならない、自分が何者になるか知る為に。この始まった道の果てに、待ち受けているモノを知る為に。

 

機兵大戦スティルバース

第1話

『蒼星の巨兵』

 

 

 

to be continued・・・・

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。