スマホで簡単エントリー、最短5分でデスゲーム   作:ぎむねま

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とにかくハードモード

「私、汚されちゃった」

 

 今度は木之瀬さんがそんな事を言い出した。

 目には光が無い。

 

 これがレイプ目って奴か。

 

「大丈夫、奈々は綺麗だったよ」

 

 で、汚した張本人がそんな事を言い出す。

 

 ミントちゃんだ。

 

 溜まりに溜まった性欲が凄い事になっていた。時間内に収まりそうになかったので巻きでお願いした。

 なのに、木之瀬さんは浮かない顔だ。

 

「だってぇ、酷いよぉ。私初めてだったのに、初めてが、女の子と、撮影されながらなんて、酷いよぉ」

「撮影、クズだよね」

 

 いや、襲った奴が言ってもね。

 後でキミにはお仕置きするよ? バンバン殺してた奴が一番得する展開とか許さねぇからな!

 

 で、そろそろ二層が始まる。あと残り5分ってタイミング。

 

 スマホにアナウンスが、あった。

 

≪ 二層挑戦者の合計Lvが6を越えています ≫

≪ 二層をハードモードで起動します ≫

≪ クリア報酬として、二つめの魔法が取得可能です ≫

※ ひとつも魔法を所持していない場合、二つ同時に取得可能です。

≪ 二つの魔法を取得した後は、チュートリアルには参加出来なくなります ≫

 

 ……でね。

 いきなり木之瀬さんが要らなくなっちゃった。

 

 ごめーん。

 

 いやー、二つめが貰えるのか。

 

 コイツは予想外。

 普通に考えて無制限に貰えるハズがないじゃん? 先着順だし全部取れたらゲームにならない。

 

 まさか、ハードモードなんてのが有るとはね。

 

 やっと腑に落ちた。チュートリアルってワリに二度目の参加が許される理由。

 ハードモードで二つ目の魔法を貰って本当の卒業なのだ。

 

 ……チュートリアルってのが気になるけどな。

 まだデスゲームの本戦やる? やりたくねぇよ。

 

 そして、気になるのは合計Lvが6を超えてるコト。

 

 つまり、俺ら以外にも参加者が、居る。

 

 そうだ、二層経験者のミントちゃんと、俺がLv2、木之瀬さんがLv1。

 合計で5だ。6にはならない。

 

「とにかく、ハードモードの攻略を練ろう」

 

 だって、あんだけ強かったレイスがより強くなる。

 他のモンスターだって出るかも知れない。

 

 無理ゲーが加速する。攻略を練らないと。

 すると、ミントちゃんが控え目に手を挙げた。最優先でやるべき事が有ると言う。

 

「他に参加者がいるなら、聖水の取り合いになるかも」 

「え? 聖水?」

 

 いきなりエロトークは困るよ。

 

「は? 聖水ナシでどうやってレイスを倒したの?」

「それは、殴ってだけど?」

 

 そう言うと、ミントちゃんはジッと俺のメイスを睨んだ。

 

「それ、強過ぎ! どこにあったの?」

「ピラミッドだけど?」

 

 むしろ、コレがないと無理ゲーじゃない?

 

「は? あんな敵のど真ん中に突っ込んだの? 馬鹿なの」

「いや、その前に、聖水って??」

 

 聞けば、なんと、三角錐のピラミッドの角の方角。マップの隅に近い場所に、それぞれ三つの祠があるのだと言う。

 

「初回に挑戦したときは、レイスにダメージが通らずに諦めて脱出した。二回目は攻略法を探して、聖水を見つけたけど、途中で聖水が足りなくなって諦めた。三回目は開幕から外周の聖水を三つ確保に動いた。やっと成功した」

 

 との事。

 え? 聖水で、どうするの?

 

「ピラミッドを開けると、レイスはコッチを追ってくる。たった一人で」

「あ、うん」

 

 ソレは知ってる。酷い目にあった。

 

「だから、釣り出して、一対一にしてから聖水を三本つかってハメ殺した」

「ずっる!」

 

 聖水を使うと物理攻撃が通るようになるし、動きも止まるらしい。

 

「ハメじゃん」

「正攻法。アリをおびき寄せて乱戦する方がイカれてる」

 

 おっしゃる通りです。

 

「じゃあ、開始と同時に三方に分かれて聖水を確保って事で」

「それ、奈々が危ない、装備も揃ってないし……」

「ううん、やるよ! 私!」

「じゃあ、DEFが高いアクセサリーは木之瀬さんが装備して」

「うん!」

 

 そうして二層攻略が始まった

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

「なんか、順調だね」

 

 木之瀬さんの言葉に、ミントちゃんと俺は肯く。

 

 聖水はあっさりと三本集まった。

 リザードマンはLv2になり強くなっていたが、逃げに徹しているので影響は少ない。

 ピラミッドの前の部屋で三人が落ち合う。

 

「じゃあ、開けるよ」

 

 このままレイスがLv2なだけならハメ殺して終わりだ。

 むしろ、他のモンスターに変わっている方が面倒。

 

 今回ばかりはレイスよ居てくれと祈る。

 大仰な鉄の扉を開け、中を窺う。

 

 果たして、ピラミッド大部屋のボスの正体は???

 

「コレは予想外」

 

 ピラミッド部屋にはレイスが居た。

 レイスが()()()()()()

 

 で、レイス達がピラミッドの頂上に何かを呼び出している。

 

≪ リッチ ≫

 Lv1

 

 死霊の神にして、万能なる存在。

 王の中の王は、不死を渇望し、全てを捧げ、放浪の果てに願いを叶えた。

 永遠の死の中にだけ、不死は存在する。

 終焉そのものになれば、終わりは来ない。

 

 弱点:聖

 耐性:物理

 

 

 いや、見た目からやばいのよ。

 外套を羽織った、骸骨。

 だが、そこらのスケルトンなんかとは存在の圧がまるで違う。

 

 なるほどね、太古のアーケードゲーム方式だ。

 前の面のボスが雑魚になって、ボスは更に強いのに置き換わる。

 

 何コレ?

 明らかに無理ゲーじゃない?

 

 シャララーン!

 しかもその時、スマホが、鳴った。

 

 はい、ボス登場ね。知ってるよ。

 ピラミッドを囲む、無数のレイスが、こちらを睨んだ。

 

 そうなのだ、そしてコイツらは壁を貫通し、襲ってくる!

 それも、全員が!

 

 逃げるしか、なくない?

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 結論からいうと、何とか持ちこたえている。

 無数のレイスってイメージよりは、戦えている。

 

 良く見るとレイスのフレーバーテキストも変わっていた。

 

≪ レイス(リザードマン) ≫

 Lv1

 

 死霊の神により、リザードマンが霊格を与えられた姿。

 地上に地獄が顕現してしまった。

 

 弱点:聖

 耐性:物理

 

 

 あっさりしたもんだ。

 同じに見えて、フレーバーテキストだけ違う別モンスターって居るよな。

 そんな感じでそこそこ弱体化している。

 

 いや、物理はほとんど効かないけどさ。

 

「固い! 強いよ!」

 

 特に木之瀬さんのクリスタルソードは聖水を掛けた上で通りが悪い。

 俺のメイスが頼り。

 

 で、ミントちゃんだけど。

 

 

 逃げた。

 

 逃げたんだ。

 

 

 アイツ! やりやがった!

 

 

 まぁ、良いけどさ。

 

「木之瀬さん! ミントちゃんが来るまで耐えよう!」

「ど、どういうこと?」

 

 いやさ、あのクレイジーサイコレズが、木之瀬さんを諦めるワケ無いのよ。

 俺?

 俺だけだったら一瞬で見捨てられてたと思うよ。

 

 むしろ、後ろから斬られるまであり得る。

 

 でも、今はそうならない。

 今の状況は最悪だけど最高なのだ。彼女にとって。

 

 だから、きっと来る。

 

 しかし、やばいぞ! 保つか?

 前後左右から突っ込んで来るレイス。

 噛み付きを躱し、殴る。

 地面から突き込まれる針で、もう足はズタズタだ。

 

 もう、保たない!

 その時だった。

 

 俺は死を運ぶ津波を見る。

 それが唯一の希望なのだ。

 

「始まった!」

 

 通路に溢れ出す、蟻の大群。

 その先頭を走るのは妙に巨大な蟻であった。

 

 しかも、なんか大きい卵を咥えている。

 

 ミントちゃんだ!

 変身している! その手があったか!

 

「行くぞ! ピラミッドに雪崩れ込め! リッチを倒すんだ!」

 

 足に回復薬をぶっかけて。走る。

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