つまるところ、愛は万物に打ち勝つってわけですよ 作:佐佐佐佐佐
「これからどうしようか…。」
ぼーっと、海と『彼女』を見つめながら考える。
私はコチョウ。たった今退職した元OLだ。
さて、私は今かなり大きな問題に直面している。そう、それは今後の生活についてだ。
生憎使う暇があまりなかったから金はそれなりに持っているが、いずれ足りなくなる。だから早めに就職することが必要だが…。
「こんな場所じゃ、いい所も見つからないのが現実か…。」
私の住む地方、アローラは観光業をメインで稼いでることが多い。私の元職場は珍しく、観光にそこまで関わらない会社だった。
♪~♪~♪~!
「ぅおっ!」
唐突に着信音が鳴った。
「はい、もしもし。」
「久しぶりね、コチョウ!元気だったかしら?」
「シロナさん、お久しぶりです。急に電話してきて…もしかして、アローラの民間伝承の資料ですか?」
「よくわかったわね、報酬はいつものシンオウ地方のお菓子詰め合わせセットでどう?」
「…無茶ぶりしてみてもいいですか。」
「ええ、言ってみなさい。」
「いい感じの仕事、紹介してください。」
え、と電話越しで驚くシロナさんの声が聞こえた。流石に動揺するだろう。
「…あなた、仕事辞めたの?」
「はい。アローラにいい仕事がなかったら別の地方に引っ越すことも視野に入れてます。」
「…どこの地方のリーグ本部も人手不足だけど、どう?こっち来る?」
「流石に即決はまずいでしょ。周りの環境やら、手持ちポケモンやら、給料やら、色々相談して決めます。…ただ、ここだと詳しい情報が入ってこないんですよね。」
「じゃああれはどう?色々な場所を旅してみるのは!」
旅、か。案外いいのかもしれない。
「…旅、いいですね。資料送ったら旅の準備します。」
「最初はどこに行くか決めてる?」
「まだですね。」
「じゃあ、シンオウ地方に来なさい。久しぶりに会って話したいし。」
「了解です。じゃ、切りますね。」
「ええ、またね。」
電話を切り、『彼女』の方を向く。
「アシレーヌ。」
「あしゃま!」
『彼女』…アシレーヌを呼んだ。アシレーヌは勢いよく振り返った。とてもかわいい。
「久しぶりに、旅に出るよ。まずはシンオウ地方。家に帰ったら準備しよっか。」
旅。私の最初の旅は、島巡りだった。あのとき、アシマリや他の手持ちのみんなで島巡りをした。無事完遂して、親の転勤が理由で引っ越して、それがきっかけか変に顔が広くなり、今ではチャンピオンと連絡先を交換しているほどだ。
…でも、私の旅で完遂できたのは島巡りだけだった。色々な地方を渡ったが、大抵はジムチャレンジ中に親の転勤が決まり、中途半端な状態で旅が終わっていた。
「どうせなら、今度こそは旅の完遂を目標にしようかな。」
本当はアシレーヌ×コチョウとかコチョウ×アシレーヌ要素を入れたかった…。