GGOを楽しむ一般人です 平和なギャグ時空にて 作:eriza7170
001
いやぁ大型モンスタートレインは大祭りでしたね。
俺の体と共に大型モンスターの胃の中に入ってヌッチャヌチャになってしまいましたがね。
そのあと復讐は成し遂げた、方法?知らないほうがいいわ、絶対に参考にならないから。
「あー!あの時香辛料と爆弾抱えて一番デカいサンドワームに食われに行った有名人じゃーん!」
ほらね、参考にならない。
というか誰だ今俺の恥ずかしい時系列にして昨日という過去の思い出を言葉として発したのは。
「あ、昨日の祭りで一番最初にサンドワームに食われた配信者!」
「うげー!いたいとこついてくるじゃーん?あのあとなんか泣き叫んでたけどなんかあったーん?」
「これっすよこれ」
俺はインベントリに入っていた銃器を取り出す、それは特典でもらったスプリングフィールド、だがそれは木目調の美しい絵柄から毒々しい緑色になっていた。
「なにその色ウケ……くっさ!?え!?くっさ!?」
「何度洗ってもメンテナンスに出してもにおいが取れねぇんすよコレ」
そう、一度目に食われたときに一緒にロストしたと思った銃器は二度目の俺の自爆に巻き込まれたからなのかサンドワームのゲロと血液に浸されてしまっていた。
要するにめちゃくちゃ臭い、これじゃモンスター狩りも対人戦も行えない、だがこれを捨てることができない理由がある。
「そんなの捨てなって!アミュスフィア越しとはいえなんかビョーキになるよ!?」
「これ持ってるとモンスター寄ってこないから安心して拠点に帰れるんすよコレ、猛烈に臭いせいで、あと毒ダメージ入るんですよコレ」
そう、なかなかレアな副次効果が出たので捨てられないのである、なんだったら誰かに売ってもいいようにGGO公式が運営しているRMTフリーマーケットに登録している。
なんだったら何人か購入したいという人もいたのだが、全員においをかいでノックアウトログアウトしている。
あれ?この配信者匂い耐性強いな?
「このにおいをかいでログアウトしなかったのはあんたが初めてだよ配信者さん、買う?」
「いや、動画の企画でシュールストレミング買ってみたって動画だしたりして、いや買わないかな、それくらいくさいし」
「俺もこれいらねぇよ」
でもせっかく回収したから捨てれない、売る気はある、モンスター専門の退治スコードロンとかに売れるかなと思っている、これがあれば近寄ってこないから狩り放題ですよ、みたいな感じで。
「でもいいねそれ、動画の企画に使えそう、十秒耐えた人にはクレジットプレゼント!的な?」
「なんだったら一万クレジットくらいでいいっすよこれ」
「いらない、賃料は払うけど」
本当に売れないなコレ。
002
先ほどの配信者、MDRクロさんとフレンド登録をした、今いるのは、砂漠だ、砂に覆われた孤島と呼ばれているフィールドに俺はいる、そして遺跡を発見しようと歩き続けている。
「うーん、建物はあるけど古いレーションとか廃材くらいしかないな」
砂に覆われた孤島はSBCグロッケンから一番近い砂漠のフィールドだ、砂漠といった通りに無駄に砂しかない、これ全部マイ〇ラ的なかまどに突っ込んでガラスにできないだろうか。
そんなアイテム存在しないよな、と無駄な考えを考えさせるくらいには何もない。
ちなみにアイテムは全部拾っている、というかSBCグロッケンにおける商人や鑑定NPCに渡さないと値段がわからないのだ。
ベータテストを得て様々なアイデアやバグ、はたまた改善案が浮かんだらしく、ベータテストのころのデータはあまり参考にならない。
そして開始二日目なので情報が事実かどうかすらわからない。
要するに情報ウィキなどが発達していないのだ、あるのは怪しい金髪の情報屋の噂のみ。
赤い線が現れ、突如石にずっこけ体が右に転がる、すると横を通り過ぎる銃弾が頬をかすめ、HPを一パーセントほど減らされた。
「あっぶねぇ!?」
購入特典として一応貰っていたスモークグレネードをずっこけて寝ころんだまま目の前に投擲する
これで射線が遮られたと思いたい、一瞬砂漠のゆらめきの無効に見えた景色には軍艦の残骸が転がっていたのが見えた。
ここが元は海岸線だから船のガラクタがたくさん転がっている、とフレーバーテキストで読んだが、どうやらそこに隠れていたプレイヤーが俺を狙ってきたようだ。
煙を晴らすような大口径の銃弾が飛び、こちらを射止めんと殺意が飛んでくる。
数秒に一回のあたりボルトアクションか?と推測する、走れば逃げれるか?いや、大してAGIに振ってない初期レベルの速さではどうせ当たる。
このゲーム、銃を扱ったことがないゲームプレイヤーでもワンチャンスあるようなシステムがある。
バレットラインと心電図システム、赤い線にそって銃弾が飛んでくるようになっており、それは心電図の波形を読み取り円形の範囲を決める、その縁の中のどこかに飛ぶというシステムだ。
ちなみにベータテストのころ、このシステムはオフにできなかったが今はオンとオフが切り替えれる。
オフにすると重力やら風やら地球の自転やら考えないと当たらない為か、日本人はシステムオンが推奨されている。
「クッソ!さすがに遠出したからPKエリアに出たか!?」
このゲームPK推奨ゲーだからかなかなかと殺伐としている、それも幸いと買ったが、なかなか実体験してみると怖い。
無論、これはゲームなのだからそれも楽しさの一部なのだろう、じゃなければホラーゲームなんて流行はしない。
考えが逸れた、さて、このままでは俺はPKされてアイテムを奪われる、そんなのはまっぴらごめんだ。
スモークグレネードの煙が晴れるまで時間はない、俺は覚悟を決める、一か八かだし、なんだったらPKされるほうが安く済むかもしれないが。
どうせなら勝ちたい、そんな男心のほうが今は勝った。
003
「ヘーイ、ニュービープレイヤー、お前のアイテムをキャッチングミーしてやるぜ」
変な英語と日本語がまじりあう言葉を吐きながら、男は冷静に手に持ったスコープ付きM1ガーランドのリロードを完了していた、煙に一発ぶち込んで逃げた背中を狙おうとこのプレイヤーは狙っていたが、砂に隠れられたことを察知してからはむやみに撃たずにねらって撃つことにしたらしい。
突如として煙が晴れる、その視線の先には煙を突っ切ってこちらに走ってくる金髪迷彩服のプレイヤーがいた。
「パニックになったかボゥイ!」
ここから相手まではおよそ150mはある、その走ってくる胴体を狙えばいい、無理に頭に当たっても相手のVIT次第では即死にはならない。
射撃する、胴体に当たったが相手は早期購入特典の防弾チョッキをつけていたからかHP減少は5割程度だった。
「シット!安物の弱装弾じゃこのクラスか!」
相手が何か投擲している、地面に当たった瞬間に煙が現れ、視線を遮られた。
HPを減らせた故に焦って二発射撃をしてしまった、当たった様子はない。
ここにはインベントリに入りきらなかった狩りをして手に入れたアイテムがたくさんあるが、冷静になれ自分と言い聞かせる。
最後に大物が欲しいと欲張ったが、相手はこちらに走ってくるしかない、冷静になれ。
「スモークよ早くサンラーイズ……晴れてくれ……今!」
銃弾が頭に当たる、だが相手はHPを一割減らしただけで倒れす様子を見せない、さらにスモークグレネードを投擲される。
「一番高いエディションのヘルメットだと!成金野郎が!」
仕留めたと思ったゆえか思わず暴言が出てしまうが、ここはPKエリア、そんなのは日常茶判事である、一応あまりにひどいものはアカウントペナルティの弊害は出るが、今はそんな報告をする暇なんて相手にはないだろう。
残り50m、焦りが出たからかPKプレイヤーはM1ガーランドを連射する、あと二発当たれば相手を仕留めれる。
その余裕感がより連射という欲を晴らせてしまった。
残り30m、相手の胸についているスモークグレネードは先ほどのでゼロ、これで相手はこちらに走るかダメ元で避ける以外の選択肢はない。
「バッドエンドだプレイヤー!」
一発の弾丸が発射される寸前、相手が手に持ったのはただのグレネード、こんな距離で当たるはずがないと高をくくった。
弾丸が発射され、これで終わりだとPKプレイヤーは思ったのだろう。
だが事実は違った。
確かにバレットラインは相手の胸元に貫いていたはずだった、だがそれをグレネードの爆発が邪魔したのだ。
このゲームは確かに銃を扱うゲームにしては初心者救済措置が多い、だが瞬間的に弾丸が当たるはずではない。
弾丸は飛ぶ、その途中で障害物があった場合、それを貫通できなければそれに阻まれる。
「ボンバーの爆発を盾にしやがっただとォ!?」
なんという豪運だろうか、これを狙ってやったとはPKプレイヤーは思いたくないであろう、そんな弾道のタイミングを計算できる男がこの世にいるはずはないと。
0m、ついにPKプレイヤーが隠れていた半分だけのコンテナ船に入り込まれる。
「シットシットシット……まぁ落ち着けよアイム、相手は残りHP四割程度、胴体にあてりゃいいだけだ」
PKプレイヤーは移動を開始する、それは相手に向かって移動をし、撃ち取るという意味だ、相手がグレネードでも持って、自分がいる真下にでも投げられれば死ぬのは俺だ、という判断をしたためだ。
「ヘイ!グレネードボウィ!必ずお前の首をSBCグロッケンに飾ってやるネ!」
そんな茶化しをいれつつも頭は冷静であった。
PKプレイヤーはベータテストプレイヤーであった、さすがにベータテストで実装された砂に覆われた孤島と呼ばれたエリア以外にはいったことがないが、彼のプレイングは勤勉であり、このエリア周囲十キロのエリアならすべて頭の中に入っているだろうと自負しているくらいだ。
だから一番自信がある銃器を─サバゲーでコレのエアガンよく使ってたから─選んで、ここから見えるモンスターとプレイヤーを狙って狙撃していた。
だがサバゲーがそこそこ上手いという自負を持っているPKプレイヤーは慢心していたのだろう。
ガタン!という音と共に現れた影に向かって銃弾を浴びせる、だがそこにいたのは起動すれば徘徊するだけのロボットであった。
「シイイイット!!!!」
反対側からも音がしたが今のでリロードをしないと撃てない、だがそんな距離ではないのはわかっている。
ダメ元でM1ガーランドの銃剣を相手に刺しこむがド素人の槍術なんて当たるはずもなく、PKプレイヤーは銃を壁に押し当てられ。
そのまま相手が持っていた光線銃でヘッドショットされお陀仏となった。
004
「あー!勝てたぞー!!!!!!私はやったんだァー!!!!フヒャヒャヒャ!!!」
サトライザーたる俺は思わず叫んだ、見ていてよかったジョ〇ウィック!そんな見様見真似の格闘技は相手が格闘術や武術未経験であるために確定的な行動となった。
「あ、M1ガーランドドロップしてんじゃん……ってその前に回復しねぇと」
買うと結構な値段のする回復アイテム、それなのに時間経過回復なので時間がかかる代物だ、ためらいなく二本自分にぶっさす。
幸いなのはどこに刺そうが回復量は一定なのだ、わざわざ負傷個所に刺すという工程がないのはこれ幸いだろう。
だって注射ってこわいし。
未だに会社の健康診断はなかなか緊張するのだから。
「おーこいつ資材もため込んでやがったか、やっぱインベントリにしまわないのは危険だなこりゃ」
PKプレイヤーが狙撃していたであろう場所には多数のアイテムが転がっていた、購入者特典のスプリングフィールドが数丁とさらに黄金のAK47一丁、その他ロボットの廃材パーツであろうもの。
全部持とうとする。
膝が曲がって正座へと座り込んだ。
【重量オーバーです】
だろうね。
こーいうときのRMTトレード市場!指を下げる動作をし、俺はリアル世界のネットワークを見る
あ、ゴールデンAK47がかなり高いな、へー、これ撃てる弾の種類が多いのか、だけど今の市場じゃ弱装弾以外あんま買えないんだなコレ。
よし、埋めよう。
俺は重量制限ギリギリの状態で船の真下に行き、物資を砂の中に埋めた、船の中の小山となっていた砂の中に埋めたので目印を立てる必要もない。
コンシューマ版のポストアポカリプスゲームでよくやった手法をここでもやることとなるとは……
さて、帰ろ。
そんなことを思いつつ俺は荷物をできるだけ回収するために激辛麻婆豆腐をかきこんだ。
005
何度かの往復の最中にPKプレイヤーに襲われたが、往復中のレベルアップをすべてAGIとSTRに注ぎ込んだ俺はなかなかの素早さとなり、一度のキルされただけで済んだ。
その時持っていたのはただのロボットの鉄くずだけだったので損失はほとんどゼロだ。
やったぜ大金持ちだ!
「チッキショー!!!あのアメリカヤロー!!!」
あ、さっきのPKプレイヤーだ、合わんように俺は購入特典のバラクラバを被った、なんで最初から被ってなかったのかっていえば、まぁ存在を忘れていたのだ。
というか顔だけ見てアメリカヤローはひどくないか?キャラクリできるんだから誰だってアメリカヤローになれるだろうに。
横を通るとき、ちょっと愉悦気味に笑ってしまったが、相手には気づかれなかった。
そのあとくらいにおそらくヤツにPKされたであろう相手が銃を返せー!と叫んでいた。
残念ながら全部俺のもんだ!!!
アッハッハー!と脳内で爆笑していた俺は満足してプレイを中断し、フリーマーケットに銃器の登録をした。
売れるのが楽しみだ、そんなことを思いつつ、俺はゲームを中断し飯を食いに出かけることにした。
あのエギルさんが働いてる喫茶店マジで飯とコーヒーが美味いんだよな。
005
「すいませーん、カルボナーラとコーヒー一つずつ」
「あいよ!」
コーヒーが到着する、スマホを見ればGGOのニュースが数個目に入り込んでくる、一応スマホの通知に入れてあったがなんでこんな連続で通知があるんだ?と気になりサイトを開く。
【砂漠で謎の白煙!】
やら
【有名インフルエンサーが撮影した戦闘映像が話題!】
やら!
【SAOがアップデートで話題!ALOとコラボ!?】
あ、これは関係ないやつだ。
「ねぇキリトくん、このPK戦闘どう思う?」
「あぁこれか?すごいよな、グレネードで弾道を曲げるなんて、ALOでも魔法で弓矢って曲げれないか試してみようか」
「今度みんなでコンバートして行ってみない?こっちでも料理システムあるんだって!」
うわ、俺のこと話してんじゃん、というかキリトくんって言ったか今、視線動かして本物キリト見てぇー!
すげぇ名誉なことじゃん、この世界線でもSAOのトッププレイヤーに一瞬でも認知されるなんて。
「HEY!カルボナーラお待ち!」
「俟ってました!これよこれ!」
俺がカルボナーラと追加のデザートをゆっくり味わっている間にキリトたちはいなくなってしまったらしい。
ちょっと残念だ
そんなことを思いつつ、俺は休憩時間の終わりの時計を目に営業周りに行った。