超次元ゲイム ネプテューヌ THE TRANSFORMATION   作:投稿参謀

112 / 203
トランスフォーマーアドベンチャー放送開始!(いまさら)


Rei Kiseijou is Dead epilogue side『D』

 リーンボックスの某所。

 某企業の私有地であり、近隣の住人からは自動車工場だと思われている場所。

 

 その入り口に向かって、悠々と歩く影があった。

 人間ではない。

 真っ赤な単眼と、右腕と一体化した粒子波動砲が特徴的なディセプティコン、科学参謀ショックウェーブだ。

 

 正門を踏み潰し、敷地内に入ったところで警報がけたたましく鳴り響くが、ショックウェーブは意に介さない。

 論理的に考えて、自分を傷つけられる存在はここにいないからだ。

 

 ふとショックウェーブは、この場にあの深紫の女神(プルルート)がいないことを残念に思った。

 

 彼女は、これから自分が為すことに、どのような感情を抱くだろうか?

 

 自分の所業に、怒るだろうか?

 巻きこまれる無辜の民を思って、悲しむだろうか?

 案外、喜ぶだろうか?

 

 ハッと、ショックウェーブは頭を振る。

 この『感情』と言うエラーを取り除こうと決意しているのに、また論理的ではない思考に囚われていたようだ。

 早く、原因であるプルルートを抹殺しなくては。

 

 だが今は、優先すべきことは他にある。

 

 いつの間にかショックウェーブの周りに武装した人間たちが展開していた。

 彼らの持つ銃器は、ただの工場を守るにしては、明らかに過剰な物だったが、ショックウェーブのブレインはすでにこれらの武器が自分にダメージを与えるに足らないことを分析していた。

 故に、銃弾の雨の中を何でもないかのように進む。

 人間たちは装甲車を繰り出してきたが、その程度だ。

 右腕の粒子波動砲を無造作に撃つと、簡単に吹き飛んでいった。

 

 やがてショックウェーブは、工場の内部へ通じるシャッターに粒子波動砲を撃ちこみ、開いた穴へと入る。

 

 そこには、小型クロスオーバーUSV、クーペ、さらにはゴミ収集車まで、様々な乗用車が整然と並べられていた。

 小型車の間を歩き、奥の研究スペースへと進む。

 

 研究スペースの中央には、ショックウェーブとよく似た姿の双頭の人造トランスフォーマー……トゥーヘッドが厳重に拘束されていた。

 囚われた分身の前までゆっくりと歩いて来たショックウェーブは、一言。

 

「迎えに来たぞ、トゥーヘッド」

 

 瞬間、トゥーヘッドの眼に光が灯った。

 

  *  *  *

 

 ゲイムギョウ界のどこかの町の裏通り。

 そこにある寂れた酒場のカウンター席で、一人の女が安酒を煽っていた。

 赤い髪の若い女だ。

 

「クッソ! ディセプティコンめ……!」

 

 それは、ハイドラの基地から敵前逃亡したマルヴァだった。

 ディセプティコンを恐れて逃げ出した彼女だが、こうなった以上、本来の雇い主である企業連合からも口封じのために殺されかねない。

 最早、名を変え姿を変え逃げ延びる以外に道は無かった。

 

「それもこれも女神が悪いんだ! 私は悪くない!」

 

 責任転換をしながら、もう一度酒を煽る。

 

「隣、座っても?」

 

 と、その横にいつの間にか女性が立っていた。

 

「ああん? ……あ、あなたは!?」

 

 苛立った様子でそちらに顔を向けたマルヴァは目を見開く。

 

 そこに立っていたのは、薄青の髪を長く伸ばし右側頭部に角のような飾りを着けた女性……レイだった。

 

「座りますよ」

 

 青ざめているマルヴァの承諾を得ず、レイは彼女の隣に座る。

 その顔は、仮面のような笑みが張り付いていた。

 

「どうしたんです、飲まないんですか? 末期の酒かもしれませんよ?」

「…………」

 

 言われて、マルヴァは震える手で酒を飲む。

 ディセプティコンが襲撃してきた時、近くに潜んでいたマルヴァは、レイの女神としての姿を偶然目撃していた。

 故に、彼女が破壊大帝の側近であることも分かっていた。

 

「お……お慈悲を……」

「はい?」

「こ、殺さないで……」

 

 プライドも何もかもかなぐり捨てて命乞いをするマルヴァに、レイは優しい笑みを浮かべた。

 

「ああ、マルヴァさん、可哀そうに。こんなに震えてしまって……安心してください。あなたを殺したりしませんよ」

 

 その笑顔があんまりにも美しかったので、マルヴァは一瞬安堵しかけた。

 次の瞬間、首筋に注射器の針が刺さるまでは。

 

「がッ!?」

「殺しはしませんよ。……殺しはね」

 

 注射器の中に充満した光る液体状のナニカ……極限まで濃縮した因子をマルヴァの体内に流し込みながら、甘い響きさえ感じさせるほどの声色で、レイはガクガクと痙攣する彼女の耳元に囁きかける。

 

「死は時に救い。……どうして私の因子を持つ眷属たちを傷つけたあなたに、そんな慈悲を与えなければならないんです? ……それに最近気が付いたんですけど、私子供を苛める人ってだッッッい嫌いなんですよね」

 

 マルヴァは椅子ごと床に倒れ、もがく。

 その髪の毛が抜け落ち、肌が変色しだす。

 尻から尻尾が伸び背中からヒレのような物が飛び出した。

 手足が短くなっていき体全体が見る間に縮んでいく。

 

「い、いやぁ……わ、私は、に、人げん……で、いたいぃぃ……」

 

 自分が自分でなくなっていく恐怖と肉体の変質に伴う激痛に呻くマルヴァが、『マルヴァ』でなくなる寸前に聞いたのは、脇にしゃがみこんだレイの声だった。

 

「安心してください。これで手打ちです。これであなたも私の眷属……仲良くしましょう」

 

  *  *  *

 

「ば、馬鹿な……」

 

 リーンボックスの某都市の高層ビルの一室。

 国軍との関係が深い身でありながらディセプティコンと通じ、しかし武装組織ハイドラの黒幕の一角でもある企業の社長は、目の前の光景が信じられず立ち尽くしていた。

 

 社長室のデスクの対面に壁に掛けられたモニターには、自社の株式がほとんど買い占められていることを示す図やグラフが映し出されていた。

 

 つまり、彼、ゴルドノ・モージャスが企業し、半生を懸けてここまで大きくした会社、モージャス・カンパニーは買収されたのだ。

 それだけではなく、会社の一切を管理するマザーコンピューターもハッキングによって掌握されている。

 これでは、手も足も出ない。

 

「……ええ、社長……もとい、『元』社長、我が社は完全に乗っ取られました。……ディセプティコンのサウンドウェーブ氏に」

 

 デスクの脇に立った社長秘書でもある女性が、状況に戸惑いながらも、それでも職業意識から報告する。

 

「それで新社長のサウンドウェーブ氏から、こちらのラヴィッジ氏が代理として派遣されてきたそうです」

 

 本来ならモージャスが座るべき高級で立派なデスクの上に、猫科の猛獣を思わせる姿の金属生命体、ディセプティコンの諜報破壊兵ラヴィッジが、正しく猫のように寝転んでいた。

 

 愕然としている社長だが、秘書の報告は続く。

 

「それと、元社長と同様……ハイドラに出資していた企業のいくつかも、同様の手段で買収されたようです。……合法的に」

「合法だと!? 我が社のシステムをハッキングで乗っ取っておいて!!」

 

 余裕を失い普段の好々爺然とした姿からは想像もつかないほど激昂するモージャス。

 しかし、この無法を教会に訴えようにも、ハイドラヘッドが教会に拘束されたことで自分の所業は把握されている可能性が高い。

 

 もう、手遅れだ。

 

「ここは私の会社だ! 私が創り育ててきた! 息子ならいざ知らず、貴様らなんぞに私の会社と金を渡すものか!!」

 

 モージャスは懐から隠し持っていた拳銃を抜くと、自分の机の上で我が物顔をしているラヴィッジに向ける。

 

 だが次の瞬間、近くにいた黒服の男たちに止められた。

 社長専属のシークレット・サービスだ。

 

「な、何をする! 貴様らを雇っているのは私だぞ!!」

「今の雇用主は、サウンドウェーブ氏ですので」

 

 機械的に答えたSPたちは、かつての上司を引きずっていく。

 

「貴様ら……裏切り者どもめ! この報いは受けさせるぞ! その金属の猫にも、ディセプティコンのガラクタどもにも、売女の女神にもだ!! 必ず、必ずだ!! 憶えておけ……」

 

 そのまま、ゴルドノは部屋の外に連れ出されていった。

 ラヴィッジは負け犬の遠吠えなど意に介さずデスクの上に寝転んでいる。

 

「そ、それでは私も失礼します。ご用があったらお呼びください……」

 

 オズオズと発言した秘書は、足早に退室していった。

 ラヴィッジはその背に向かって前足を振っていたが、ふと思い立ち、会社のマザーコンピューターにアクセスして社長室のモニターを点ける。

 

『みんなー! ボクの歌を聞けー!』

 

 リーンボックスが世界に誇る歌姫、5pb.の映像が流れだした。

 独自の経路で入手したライブ映像だ。

 ラヴィッジは画面に流れる歌に合わせて体を揺らす。

 彼は大好きな5pb.の歌と踊りを大画面で見ることが出来て、ご満悦なのだった。

 

  *  *  *

 

「メガトロン様、報告スル。ラヴィッジ カラ連絡ガアッタ。計画ハ、滞ナク完了シタ」

「御苦労、サウンドウェーブ。ラヴィッジにもよくやったと伝えよ」

 

 傍らのサウンドウェーブの報告に、メガトロンは満足そうに頷く。

 近くではガオン!という異音と共に空間が裂け、中からレイが出てきたところだった。

 足元まで駆けて来たレイに、メガトロンは声をかける。

 

「そちらも終わったようだな」

「はい。私のワガママでお待たせしてしまって、申し訳ありません」

「構わん。貴様がやれねば、俺がやっていた所だ」

 

 ぶっきらぼうに言ってから、メガトロンは鼻を鳴らす。

 

「それにしても、殺さないとは甘いな」

「その価値も感じませんから。ほら、マルヴァさん。こっちに来てください」

 

 レイはパンパンと手を鳴らした。

 すると、一つの影がどこからかレイの方に這ってきた。

 それは、オレンジ色の小さく丸っこいモンスターだ。

 全体の印象は陸に上がった魚といった感じで頭と体が一体化しており、背中にはトサカのような物が生え、尾鰭のような尻尾がある。眼は円らで、足は八本で虫の節足のようになっていた。

 愛嬌のある可愛らしい姿をした、そのモンスターは、猫口を開けて声を発した。

 

「わたしはにんげんだ……わたしはにんげんだ……」

「ひよこ虫、と呼ばれています。因子に適合できなかった、女神に成れなかった者の成れの果て」

 

 レイの説明する間も、かつてマルヴァだったひよこ虫は、小さく子供のような声で何度も何度も呟く。

 

「わたしはにんげんだ……わたしはにんげんだ……わたしはにんげんだ…………わたしはにんげんだった……」

 

 マスコットめいた容姿で虚ろに同じ言葉を繰り返す姿は、どこか不気味で、そして哀れぽかった。

 メガトロンもレイもそんなマルヴァだったモノには興味を失ったように、目の前の光景に視線を移す。

 

 ショックウェーブとトゥーヘッドが跪き、その後ろには何台もの乗用車が並んでいる。

 

 ここはモージャス・カンパニーの所有する自動車工場……に偽装された人造トランスフォーマーの製造工場、その中庭だ。

 

「我が君、すでに兵士たちはメガトロン様のお言葉を待っております」

「うむ。では、始めよう」

 

 メガトロンが進み出ると、横にレイが浮遊し、後ろにスタースクリームとサウンドウェーブが並ぶ。

 

「兵士たちよ! お前たちを人間の支配から解放してやったぞ! これからは、俺の命令にだけ従うのだ!! ……立ち上がれ!!」

 

 堂々たる声が轟くや、居並んだ車たちが次々と粒子に分解し、人型へと再結集していく。

 

 色とりどりの小型クロスオーバーUSVから変形するのは、右腕に爪状の二枚のブレードと頭部にゴーグル状の目を持つ量産型スティンガーとも言うべき姿のトラックスたちだ。

 

 白いクーペは、背中に二機のジェットエンジンを背負い、右腕が両脇にカッターを備えたシュモクザメの頭部のような形状で、頭の両脇に水平翼のように角が突き出ているのがやはりシュモクザメを思わせるアビスハンマーらに。

 

 数台しかないゴミ収集車は、緑色の体と菱形の顔を持ったジャンクヒープへと変形する。

 

『おおおおおお!!』

 

 人造トランスフォーマーたちは産声の代わりに歓声を上げる。

 メガトロンは新たな軍団を端から端まで眺め、満足げな笑みを浮かべていた。

 

 だがその後ろにいるスタースクリームは、不満そうな顔をしていた。

 

 理由は、当然という顔でメガトロンと並んでいるレイだ。

 女神としては不完全らしいがその力は侮れず、さらには合体することでメガトロンをパワーアップまでさせる。

 二人が合体したレイジング・メガトロンなる姿の桁外れの破壊力はスタースクリームをして心胆を寒からしめる物だった。

 加えて、どうもメガトロンの方もレイのことを認めているようで、そこも気に食わなかった。

 

 だが、それでもスタースクリームには勝算があった。

 

 メガトロンの計画の詰めである、完全な女神の存在は自分が握っているからだ。

 

 ――見てろよ、メガトロン。女神の力を手に入れる当てがあるのはお前だけじゃねえ。

 

 そんなスタースクリームの内心を知らずか、あるいは意にも介していないのか、当のメガトロンは上機嫌にレイに話しかけた。

 

「さてとだ。新たな兵士、資金と土地、シェアクリスタルまでが揃った。あと足らないのは、シェアを供給してくれる女神だけだな」

「申し訳ありません、私が女神として完全なら……」

「そのことはよいわ。他にも当てはある」

 

 不意に、メガトロンは振り返りスタースクリームの方を見た。

 その顔は、凄絶な笑顔だった。

 

「確かそう……ピーシェ、だったか。そろそろ迎えに行ってやらねばな」

 

 

 

 

 その瞬間、確かにスタースクリームは、自身のオイルとエネルゴンが凍りつく音を聞いた。

 

 

 

 

「な、何故……?」

 

 ようやっと絞り出したのは、そんな言葉だった。

 対してメガトロンは嗤いを張り付けたまま答える。

 

「俺が気付いていないとでも思っていたのか? 貴様の考えていることなどお見通しだ……と言いたいところだがな。実際にはタネがある」

 

 メガトロンの言葉を継ぐように、サウンドウェーブが胸から音を出す。

 

『ぴぃはぴーしぇだよ!』

 

 それは間違いなく、あの小さな有機生命体の声だった。

 無口な腹心に代わって、メガトロンが説明を始める。

 

「サウンドウェーブは、全ての部下に本人にさえ知られないように秘密の発信装置を仕込んでいるのだ。もちろん、オートボットにも気付かれない物をな。……中々面白かったぞ、お前と、ピーシェの交流は」

 

 スタースクリームは絶句する。

 それは自らの企みが気取られていたこともだが、それ以上にそのようなことをする情報参謀と、それを許容する破壊大帝に戦慄したからだった。

 

「まあ、それも無駄ではなかった。……おかげで、警戒されずに女神を招くことが出来る。その時は頼むぞ」

 

 未だに固まっているスタースクリームの肩にメガトロンは手を置く。

 

 らしくもなく一言も口をきけないスタースクリームの胸の内には、複雑な感情が渦巻いていた。

 それは敗北感であり恐怖であり屈辱であり、また言い表せないピーシェにまつわる思考だった。

 一方、ピーシェの名が出たときに、レイもまた諦めとも悲しみともつかぬ表情を浮かべていた。

 

 メガトロンはスタースクリームの沈黙を肯定と受け取ったのか手を放し、再び人造トランスフォーマーたちに向き合う。

 そして天地を轟かさんばかりに声を上げた。

 

「では、我がディセプティコンはかねてより準備していた『E作戦』を始動する! これまでの小競り合いとは違う、本格的な戦いが始まるのだ! ……ここからが本番だ、覚悟しろ」

 

  *  *  *

 

 数日後。

 

 マジェコンヌは、今日も畑仕事に精を出していた。

 女神と敵対しディセプティコンから離れた今、このナス畑が唯一の居場所だった。

 土に塗れて汗水を垂らしていると、大変ではあるが不思議と充足感があった。

 

「お~い、オバハ~ン!」

 

 と、聞きなれた声と呼び名に振り向けば、やはりワレチューがこちらにやって来る。

 

「なんだネズミ? 貴様はディセプティコンに残ったのだろう、今更何の用だ」

 

 ツッケンドンなマジェコンヌに、ワレチューは腕を組んで鼻を鳴らす。

 

「なんちゅか、その言い方は! ……まあいいっちゅ、今日はオバハンに会いたいって奴を連れて来たっちゅ」

「なに? 誰だそれは」

「すぐに分かるっちゅ。……ほら出てくるっちゅ! せっかくここまで来たのに、恥ずかしがってるんじゃないっちゅよ!」

 

 訝しげな顔のマジェコンヌの前に、ワレチューはナスの茂みに隠れていた人間を引っ張り出す。

 

 白いワンピースを着た、10才にも満たない女の子だ。

 赤い髪をツインテールにして、何故か右目に眼帯をしているが、中々に可愛らしい。

 

「マジック? お前はプラネテューヌの孤児院に入ったはず。どうしてここに……」

「…………」

「なんか、町で迷子になってたのを見つけたっちゅ。話を聞いたら、オバハンを探してるっていうから、親切なオイラはわざわざ貴重な時間を使って、こんな辺鄙なトコまで連れてきてやったちゅ」

 

 ワレチューが皮肉混じりに説明する間もモジモジとして黙っていたマジックだが、ワレチューに小突かれて勇気を振り絞って声を出した。

 

「あ、あの! 私、マジェコンヌさんといっしょに暮らしたい!」

「はあ!?」

 

 思いがけない言葉に、素っ頓狂な声を出してしまうマジェコンヌ。

 

「仕事手伝います! 家事もします! ワガママ言いません! だから、ここに置いてください!!」

「馬鹿も休み休み言え。なにか、プラネテューヌの孤児院がイヤになったのか」

 

 心底呆れた顔と声のマジェコンヌ。

 だが、マジックは真剣だ。

 

「ううん、あそこも良い所。みんな優しいし、ご飯は美味しいし」

「だったら……」

「でも! 私はあなたといっしょがいい!」

 

 マジックにとって、マジェコンヌは数少ない心を開いた相手だった。

 対等に扱ってくれたのもあるが、それ以上に理屈も理由もなく、ただ本能的にマジェコンヌに惹かれていたのだ。

 

 しばらく、ワレチュー含めて全員無言だった。

 

 やがてマジェコンヌがハアッと深く息を吐いた。

 

「……私は子供を育てたことなんかない。甘やかすことはできんし、おそらく育児者として至らないことだらけだ」

「それでもいい」

「綺麗な服を買ってやる余裕もないし、食事なんかナス三昧だぞ」

「服は我慢する。ナスは大好き!」

「穀潰しを置いておく気はない。容赦なくこき使うぞ」

「望むところ!」

 

 果たしてマジックは自分の言っていることを理解しているのだろうか?

 いいや、子供ゆえの見通しの甘さにきっと後悔することになるだろう。

 

 それでも……それでも、その無鉄砲な思いと真っ直ぐな言葉は、マジェコンヌの心の奥に染み込んだ。

 彼女もまた、マジックに他人とは思えない何かを感じていたのだ。

 マジェコンヌはぎこちなく、マジックの小さな体を抱きしめる。

 

「マジェコンヌさん?」

「ベッドは明日にでも用意しよう……今晩はいっしょに寝るか?」

「! はい!」

 

 マジックは、滅多にない満面の笑顔になる。

 それを見てマジェコンヌもまた、不器用に相好を崩すのだった。

 

「…………やれやれ、お涙ちょうだいは趣味じゃないっちゅ」

 

 ワレチューは踵を返しつつ皮肉を吐きながら肩をすくめる。

 

 それでも……。

 

「ま、幸せに暮らすっちゅよ……バイバイっちゅ」

 

 それでも、その顔にあったのは晴れやかな笑みだった。

 

 




ついに始まりましたTAV三期!

OPが変わってない!
しっかし、チーム・バンブルビーは相変わらずまとまりがないねえ……。
君はもうちょっと年上への敬意とか覚えたほうがいいよ、サイドスワイプ。
オプティマスが、無理してるおじいちゃんみたいになってて、自分で書いた内容と少し被ってて悲しい。
新キャラのオーバーロードさんは『超越者』ではなく『積み過ぎ』の方の意味らしい(綴りが違う)

今回の解説

ひよこ虫
原作ゲームVでも登場。女神メモリーに適合できなかった者は、この姿になってしまう。
『醜いモンスター』と枕詞のように言われているけど、正直見た目は愛くるしい。……っていうかアイディアファクトリーのマスコットそのままですし。
Vⅱでも登場、意外と重要な役割。

サウンドウェーブによる会社乗っ取り
サウンドウェーブが前々から進めてた『仕込み』とはこのこと。
新入社員は随時募集中、中途採用もOK、勤務時間は応相談、社会保険入ってます。

人造トランスフォーマーの皆さん。
初期構想はトラックスだけだったけど、さみしいので数種追加。
白いクーペから変形してるやつはロストエイジではKSIボスと言う名称だったけど、KSIがないのにKSIボスもおかしいってことで、色々考えた末に仮面ライダー龍騎の同名のミラーモンスターから名前をもらいました。
ジャンクヒープはロストエイジだと三体合体なんですが……うん、個々の姿がよく分からないんですよ、こいつら。さんざん探し回っても、玩具にもなってる菱形顔の奴しか設定画が見つかりませんでしたし。仕方ないので菱形顔一体に。
そのうちまとめて紹介したいです。
…………ここまで設定してるのに、作中の扱いはモブ戦闘員くらいになりそうだけど。

『E計画』
資金、人材、土地……そして女神とシェアクリスタル。
全部そろった今、やることと言えば……。

マジック
この後、勇者ロボっぽいのとか戦闘狂ロボとかロリコン変態カメレオンとかが合流してマジェコンヌ四天王結成……となるかは不明。

次回はギャグ回、もしくはお遊びの番外編の予定。
では。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。