配信中に悪酔いで女装を仄めかしたらバズって逃げられなくなった 作:誘惑弱者
『今、決めました。もう僕はお酒は辞めます。卒業です』
毎回飲む度にこんな事になってたら洒落にならない。まだ人様には迷惑掛けてないから良いけど、掛ける前に自制するべきだと思う。
《コメント》
・はいはい
・そうだね
・無理だと思うが頑張れ
・卒業って聞いて少しビビったから辞めろ
『迷惑系配信者になりたい訳じゃないんですよ僕は……。元々配信者を始めたのも、なんか楽しそうって言うのとお金稼ぎたいって言う強い気持ちですし』
《コメント》
・ちょっとクズが漏れて来たな
・顔の良い酒カス配信切り忘れ告白女装系配信者
・これマ?一人で属性過多過ぎるだろ
・女装はまだしてないから
・通常が女装定期
『いや、女装はして無いですけど。する未来がほんの微かにあるだけで』
おかしな事を言い始める皆はいつも通りだし、置いておこう。そう言うのに構っているとキリが無いから。
『このままじゃ進まないですし、記憶の整理がてら現実見ますか』
深呼吸をした後、深い溜息を吐いてやる気を出すと、第二の黒歴史候補を再生した。はぁ、また言われるの嫌だなぁ。海外にでも逃げようか。
『どーもー』
《コメント》
・よっす
・なんか疲れ切った顔してんな
・大丈夫お酒呑む?いや、呑め
・↑通報しました
ガシャンと、テーブルに音を立ててビニール袋が置かれる。そして息つく暇も無く、缶ビールのフタを片手で開けると。
『ングッグッグッ……ぷはぁ』
喉が渇いていたのか、帰宅してすぐに酒で喉を潤した。
『いや、これに関してはね。ちょっと弁解したい。違うんだよ、違う。まず前提としてね?お酒はさ、控えようかなとは思ってたんだよ。本当に、ほら地雷だか墓穴だか誘導されたとか。まぁ、結局自分の判断であんな事になった訳だから、ちょっと控えなきゃとは思った。でも、なんか色々起きすぎてそれで、パーッと楽になりたくてお酒の力を借りたんだ』
《コメント》
・色々言ってるけど呑んだんでしょ?
『呑んだんだと思います。正直、記憶に残って無いのが本当に不味いなって思うので冗談抜きに控えようかな』
《コメント》
・これは酒カス
・理由をつけて酒を呑むのを正当化させようとするのがもう終わってる
・記憶無くすまで呑むのは流石に不味いって
『続き見てみますか。なんか、自分の記憶を追体験してるみたいな感じで不思議な感覚ですね。自分な筈なのに、知らない事をして。なのに見るとそんな事があった様な気にもなって……』
今の僕の事はどうでも良いや、大事なのは過去だ。過去の僕が何かしでかしてないか心配。それだけだ。
『知らない人と何かするって言うのだけでも緊張するのに、癖が強い人達と今日は集まったんでストレスが溜まって体がお酒を求めちゃって』
《コメント》
・呑め
・かんぱーい
『かんぱーい。あ、そうだ。なんかーネットで見たんですけど、皆さん知ってます?お酒だけ飲むと身体に悪いらしくてだから、コンビニでおつまみを選んで買って来ました〜!!パチパチ〜』
手叩いてる。うわぁ、恥ずっ何この拷問。まずこれがネットに流された時点でデジタルタトゥーなのに、それをシラフのこの状況で見る事で一回で二度苦しいんだけど。
『僕が選んだおつまみ達を紹介しようかな〜どうしようかな〜。皆は知りたいですか〜??』
酔ってるわ、その一言に尽きる。そして、これを忘れる為にまたお酒を呑みたくなると言う最悪な永久機関が完成した。誰か殺して。