現政奉還記 武将達との会合編 作:セイントドラゴン・レジェンド
一言も発しない黒武士との猛攻に、完全に圧倒される一行だったが大将の機転でどうにかその場を凌ぐ事に成功する。
だが安心したのも束の間、今度はウイルスに侵されたタイ都市部をミサイルで滅菌せんと国連が決定してしまう。
急ぎ、軍用車に乗り込み都市から離れていく一行だったが、そんな彼らに生き残っていた新世代型クローンが猛襲してきた。
どうにか全ての新世代型クローンを撃破する事ができたが、その直後に都市にはミサイルが撃ち込まれ、都市は跡形も無く消滅してしまった。
その後ジェイク・ミューラーと別れを告げた新世代型達は、聖龍隊と赤塚組の警護の下、アニメタウンまで護送される事と相成った。
現政奉還記 アジア紀行編 穴倉の男
[ストーリー&世界観&組織構成及び各キャラクター紹介]
<ストーリー>
時は2013年、世界は現実の世界である三次元界と理想の世界である二次元界が融合した世界として発展していた。
多くの物語が一つの世界観として一体化しており、二次元人と三次元人が共生している世界観。
この世界では二次元人、つまり創作のキャラクターは全て三次元人の思想概念を元に意図的に作り出され、生み出された二次元生命体と呼ばれる創作物で一種の擬似生命体として分別されている。
しかし危険な可能性をも秘めている二次元人を三次元人は危険視する一面も有り、その中でも敵役や陰湿なキャラクターなどは悪役(ヒール)と分類され容赦なく処罰/処分の名目で刑務所に投獄されたり、惨殺されて行く。
(三次元人も二次元人ほど数が多くはないが悪役として処分されている。例:2次元人・8割ほど/3次元人・2割ほど)
そして「将軍制度」なるものが有り、地方や国にその治安や防衛軍事力を決定する権限を持つ軍人職が有る。地方将軍・国将軍・州将軍の順に位が高くなっていくが、ロシアのみアジアやヨーロッパ等にも領土が有る為、国将軍と州将軍が兼用されている身上である。
だが変わり続ける世界観に適応できず、理性を失っては時として異形の怪物として変貌してしまう二次元人、通称
そんな中、二次元人の創造元である三次元政府は今までとは全く異なる二次元人を生み出した。それが変わり続ける時代と世界観と環境に逸早く適応する事で
後に三次元政府はより強力なプロテクトを布いた状態で新世代型二次元人の生誕を再開する。それと同時にその際生まれてきた新世代型二次元人を全て監視する役目を聖龍隊に請け負わせた。
こうして世界は創作上の存在であった二次元人と、その二次元人を生み出した三次元人との共生が実現した世界として何事もなく進展してきた。
だが、その年の9月。第二期に生み出された新世代型二次元人にして、全ての国家及び異世界を統治する役職である国連総長として生み出され抜擢された足正義輝が発起した。それは己を始めとする全ての権威者の地位と権限を無に還し、更には一部の権威者達を蒸発させてしまう信じ難い行為である。足正義輝はこれを【現政奉還】と称して平和に至っていた世界を再び激動の乱世に引き戻してしまった。
<聖龍隊>
かの鬼神 小田原修司が創設した、今や世界の三大勢力の一つと云われるほどにまで成長した軍事組織。
所属している者は一般人から版権キャラなど多種多様で、聖龍隊の組織内では隊士と総称されている。
聖龍隊最高幹部 通称HEAD
HEADつまり聖龍隊の頭とも呼ぶべき幹部集であり、総長のバーンズ 副長のアッコ、そして参謀長のジュニアを筆頭に機能している。HEADメンバーの中には王族や神として君臨している者までも居るが、基本的に聖龍隊内での彼等HEADとしての立場は同調されている。かつては聖龍隊総長にしてアニメタウン市長を両立していた小田原修司と共に、アニメタウン内の政治を切り盛りしていた。現在は聖龍隊総長は副長であったバーンズに、アニメタウン市長は小田原修司の秘書でありジュニアの実父でもあるウッズに受け継がれている。
バーンズ・ウィングダムズ・キングズ(メタルバード)
2013年になって聖龍隊総長の座を前総長である小田原修司により受け継いだ超獣族という種族の元王家継承者。つまり元王子。
基本的に明るく、そして温厚な性格である。だが戦闘時には多大な戦果を挙げ、かつての鬼神 小田原修司と並ぶ風神と称されている。
メタルバードに変身すると、自身を精密なレベルの機械などに変化させる事ができ、一種のサイボークになる。様々な高テクノロジー的な武器に身体を変形させて、射撃や砲撃さらには刃などの直接攻撃など多彩な攻撃手段を持つ。
加賀美あつこ(ミラーガール)
小田原修司が抜けた事により、総長の座に就いたバーンズに代わって副長の座に転じた女性。
全ての二次元人の始祖と呼ばれるキャラクターであり、変身ヒロインの元祖でもある彼女は、聖龍隊古参として多くの能力者たちと向き合いつつ、彼らの苦悩や葛藤を見てきた。
他人からの愛情を全く感じられない小田原修司を昔から直向に想い続け、遂に修司がアニメタウンを去る際に本人からサファイアの婚約指輪を受け取った。
【ひみつのアッコちゃん】
ジュニア・J・プラント(ジュピターキッド)
聖龍隊の古参として、昔から情報保持や機密事項を取り扱っている重要な役職を与えられている参謀総長。穏やかで如何なる状況にも冷静に対応する聖龍隊屈指の頭脳ブレインでもあり、戦火では彼を始め活躍する小田原修司とバーンズと同等に戦況を塗り替える程の影響力を持っている。周囲からは修司/バーンズに相並ぶ地神と称されている。前総長の修司とは、兄弟の契りを交わして義兄弟として今なお修司の事を理解した上で信頼している。
彼の能力は草木などの植物を操作し戦う他に、武器である茨の鞭で周囲の敵を攻撃するスタイル。その能力の根源は<地の理>と呼ばれる自然の力で、相性的に分が悪いセーラー戦士達を過去に叩きのめした経緯がある。
アプリコット(ウォーターフェアリー)
聖龍隊古参の一人であり、参謀総長のジュニアの婚約者フィアンセでもある。
昔と比べ、体型が発育しており、やや細い腰周りに巨とは言えないが膨らみのある胸を持っている。その為、聖龍隊を代表するバーンズと修司の婚約者である瀬川おんぷと加賀美あつこからは、かつて同じ貧乳であったのにも関わらず一人だけ胸の発育が良くなったアプリに対して「裏切り者」「解せぬ」等と言われてしまってる。
【ボスコワールド】
ネオ・クイーン・セレニティ 本名:月野うさぎ
夫であるキング・エンディミオン(地場衛)と共にアニメタウン内に存在している都市ネオ・トーキョーを統治している。そして配下であれば同時に古くからの付き合いであるマーキュリー/マーズ/ジュピター/ヴィーナスの内部系戦士に、ウラヌス/ネプチューン/プルート/サターンのセーラー戦士達を引き連れたセーラー隊という隊の隊長も聖龍隊では務めている。
【美少女戦士セーラームーン】
キューティーハニー 本名:早見ハニー
長き聖龍隊での戦いの中、現在では両目とも失明してしまった夫の早見青児を支えながら一緒に暮らしている。旧姓如月。
【キューティーハニーF】
ナースエンジェル 本名:森谷りりか
現在は幼馴染にして聖龍隊士の1人かつ婚約者である宇崎星夜が医院長を務める小さな病院に勤めている看護師でもあり、聖龍隊内では主に怪我をした隊士の治療を行っている。仲間はもちろん傷ついた者全てを治療し癒す役目を負っている彼女の様な隊士は、他者を治すために『決して死んではならない』という医療に携わる者の責任を背負っている故に、身のこなし等の回避能力は随一である。
【ナースエンジェルりりかSOS】
カードキャプター 本名:木之本桜
多種多様な魔法のカードを自在に扱える通称カードキャプター。現在、意中の関係であった香港出身の李・小狼とは婚約している。当の小狼本人は聖龍隊の香港支部に滞在。様々な属性の魔法を駆使して臨機応変に広く活躍できる特色を秘めたHEAD。だが平和を愛する心は今なお健在である。
【カードキャプターさくら】
コレクターズ
電脳世界つまりコンピューター等のバーチャルワールドで起きる様々な事件や問題を解決する三人組から成る隊。コレクターユイこと春日結、コレクターハルナこと如月春菜、コレクターアイこと篠崎愛。今ではコンピューター空間などの電脳世界やバーチャルワールドにも精通しており、後進の育成にも現在は力を注いでいる。また三人とも現在はコンピューターに精通している事から、ハッキングなどの高度な技術も身に着けている。現在では同じ様にバーチャルワールドに侵入でき、その中で戦闘も行える《SAO》組と《AW》組の教官としても務めている。
【コレクターユイ】
魔法騎士マジックナイト
異世界セフィーロで魔法を授かって以降、聖龍隊と共に様々な試練を乗り越え、セフィーロにも滞在を許可されている獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の三人一組の隊。光の炎、海の水、風の疾風の力を組み合わせれば、如何なる難局をも打破できる。
【魔法騎士レイアース】
ちせ
現在は北海道の聖龍隊支部の支部長を勤めながら、同時に北海道全域を守衛する役目を負う県将軍を遣わされている、元最終兵器。元最終兵器なだけあって、聖龍隊でも彼女ほど平和を望み愛する隊士はいないとまで言われている。兵器だったからこそ平和の大切さと命の重さを誰よりも把握している。
【最終兵器彼女】
上記のメンバーは主に古参と呼ばれ、聖龍隊初期から滞在している古株である。また小田原修司と共に聖龍隊の組織基盤を構成した、いわゆる創始者としても有名である。
下からは2011年に、度重なる世界の激動に対抗するため新たに聖龍隊最高幹部に任命され昇進したメンバーである。
ミュウミュウズ
ミュウイチゴこと桃宮いちご。そしてその婚約者である蒼の騎士、別名ディープ・ブルーとも呼ばれる青山雅也。二人と同じ隊のミュウミントこと藍沢みんと、ミュウレタスこと碧川れたす、ミュウプリンこと黄歩鈴、ミュウザクロこと藤原ざくろで結成された隊。
【東京ミュウミュウ】
マーメイドメロディズ
全ての海を護り統治する海の女神アクア・レジーナの七海るちあ、彼女と婚約を果たしている堂本海斗。そしてるちあと海斗を筆頭にした面々で、七海るちあがアクア・レジーナとなる前から彼女と親しい間柄の宝生波音/洞院リナ/かれん/ノエル/ココ/そして新たにオレンジ真珠を司る人魚の後任となった星羅のマーメイド達から連なる隊。主に人魚ならではの歌の魔力で邪気ある者を打倒するのが戦法だが、それ以外は水を操り様々な戦法を行う戦い方を仕掛ける。
【マーメイドメロディーぴちぴちピッチ】
ローゼンメイデン
名のある人形造形師ローゼン氏より造り出された魂を持つ人形赤い衣の真紅、双子の蒼星石と彗星石、緑の髪に黄色い衣の金糸雀、そしてピンクのロール髪の雛苺。個性情緒溢れる五体の人形から連なる隊である。
【ローゼンメイデン】
総勢39名の通称 聖龍HEADの面々である。
※因みに、上記のメンバーは全員原作より年齢が進んでおり、基本的に全員が成人している状態である。
(星羅のみ未成年、ローゼンメイデンは人形なので省く)
<赤塚組>
世界三大勢力の一つ、セブンズガードの一角を占める非合法組合。
略奪など1部の犯罪が許されている、いわゆる暴力団や盗賊に近い組織だが、赤塚組は全員が人情味溢れている良心的な組織である。
赤塚大作 通称 大将
赤塚組の総大将。修司やアッコとは小学五年生からの付き合いであり、実はアッコに恋焦がれてた経緯の持ち主。
情に厚く、困った者や弱者には義理堅く手を差し伸べる人情派の荒くれ者。
ギョロ・ゴマ・チカ子(修司やアッコそして大将の親友)
大阪なる・海野ぐりお
セーラームーンこと月野うさぎ等の親友
水原花林
ナースエンジェルこと森谷りりかの親友
秋夏子
キューティーハニーこと如月ハニーの親友
カメラマンとしての生業として、常に首にカメラをぶら下げている。
山崎貴史/千春夫妻
カードキャプターことさくらと小狼の親友。千春の方は旧姓三原である。
コレクターズである春日結、如月春奈、篠崎愛の親友である。レイコの旧姓は観音崎。
テツ/ふゆみ夫妻
夫婦とも咥えタバコが特徴。テツの本名は尾崎哲
アケミ/アツシ夫妻
シュウジとちせの幼馴染
ミズキ
最終兵器の試作品で有った元軍人。ちせとその恋人であるシュウジにテツとふゆみ夫妻、アケミ/アツシ夫妻、更には秋夏子同様、修司の二次元界介入により運命の変わった二次元人である。
(本来、ミズキを含む上記の名が上がっている二次元人たち全員が物語の中で死んでしまっているのだが、修司の介入により大きく運命が変わったのである)
<聖龍隊総合部隊>
聖龍隊でも特別的に複数の部隊を引き連れて行動できる特権を得た隊士が率いる複数の部隊を呼ぶ。
聖龍隊では主に三つの総合部隊が存在している。
フロート
聖龍隊総合部隊ニュースターズの総部隊長。
全身をロボットのように改造した元バウンティハンターの
情に厚く、義理堅く、時には涙もろい一面を持つアニキ肌の聖龍隊士
ニュー・スターズメンバー
アンリエッタ・ド・トリステイン、
アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン
エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール
カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ(メンバーでは最もキャラが変わってしまってる)
ティファニア・ウエストウッド
【ゼロの使い魔】
マカ=アルバーン/ソウル=イーター
ブラック☆スター/
デス・ザ・キッド/(姉)エリザベス・トンプソン、(妹)パトリシア・トンプソン
【ソウルイーター】
梅枝ナオミ
【絶対可憐チルドレン】
高町なのは/フェイト・T・ハラオウン/八神はやて/シグナム/ヴィータ/シャマル/ザフィーラ/スバル・ナカジマ/ティアナ・ランスター/エリオ・モンディアル/キャロ・ル・ルシエ
【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【金剛番長】
シャナ
【灼眼のシャナ】
アレン・ウォーカー/リナリー・リー/神田ユウ/ラビ/アレイスター・クロウリー三世
【D.Gray-man】
<聖龍隊総合部隊 スター・ルーキーズ>
(構成メンバー全員がプロト世代の二次元人である※ただし葉月いずなのみ旧世代)
ミラール ルーキーズの総部隊長。
鏡の国の出身で、ミラーガールこと加賀美あつこにコンパクトを託した女王の娘つまりは王女。王宮での窮屈な生活に耐えられず単身鏡の国を飛び出し、後に聖龍隊に加盟。前総長の修司やバーンズ、アッコら聖龍隊古参の面々とは顔見知りの鏡の国の王子キーオは実兄である。ミラーガール同様、鏡魔法で様々な変身が可能であるが、基本はミラージュ・ガンという変幻自在の銃火器で相手と応戦する手法。
アラジン・アリババ・モルジアナ
【マギ】
沢田綱吉、リボーン、獄寺隼人、山本武、雲雀恭弥、クローム髑髏
【家庭教師ヒットマンREBORN!】
奴良リクオ、
【ぬらりひょんの孫】
鹿島リン、使い人形アリス
【傀儡師リン】
ナツ・ドラグニル、ルーシィ・ハートフィリア、グレイ・フルバスター、エルザ・スカーレット、ハッピー
【FAIRYTAIL】
岩崎月光、ハチカヅキ、エンゲキブ
【月光条例】
ジョーイ(本名ジョセフ・カーター・ジョーンズ)、サイ(本名サイモン・カイナ)、リナ(本名リナ・ディヴィス)、ヒーローマン
【HEROMAN】
工藤タイキ、蒼沼キリハ、天野ネネ、陽ノ本アカリ、剣ゼンジロウ、天野ユウ、明石タギル、最上リョウマ、戸張レン、州崎アイル、真下ヒデアキ
【デジモンクロスウォーズ】
日ノ原革、コトハ、門脇将人、ミヤビ
【アラタカンガタリ〜革神語〜】
葉月いずな
【地獄先生ぬ~べ~/霊媒師いずな】
ワイルドタイガー(鏑木・T・虎徹)、バーナビ―・ブルックスjr、ブルーローズ(カリーナ・ライル)、ロックバイソン(アントニオ・ロペス)、ドラゴンキッド(ホァン・パオリン)、スカイハイ(キース・グッドマン)、折紙サイクロン(イワン・カレリン)、ファイヤーエンブレム(ネイサン・シーモア)、鏑木楓
【TIGER&BUNNY】
トリコ、ココ、サニー、ゼブラ、小松
【トリコ】
六道りんね/真宮桜/六文
【境界のRINNE】
シンク・イズミ、高槻七海、レベッカ・アンダーソン、ミルヒオーレ・F・ビスコッティ、エクレール・マルティノッジ、リコッタ・エルマール、ロラン・マルティノッジ
【DOG DAYS】
キリト/桐ヶ谷和人、アスナ/結城明日奈、シリカ/綾野珪子、リズベット/篠崎里香、クライン/壺井遼太郎、エギル/アンドリュー・ギルバード・ミルズ、リーファ/桐ヶ谷直葉
【ソードアート・オンライン】
シルバー・クロウ/有田春雪、ブラック・ロータス/黒雪姫、ライム・ベル/倉島千百合、シアン・パイル/黛拓夢、スカーレット・レイン/上月由仁子
【アクセル・ワールド】
鹿目まどか、暁美ほむら、佐倉杏子、美樹さやか、巴マミ、百江なぎさ
【魔法少女まどか☆マギカ】
<聖龍隊特殊精鋭部隊 マン・ヒールズ>
時に聖龍隊や二次元人の権限を保持するため、聖龍隊は元より政府の汚れ仕事なども請け負う、聖龍隊でも指折りの特殊部隊である。余談であるが、ニュー・スターズの卑怯番長、そしてスタールーキーズの門脇将人/ミヤビ/ゼブラもマン・ヒールズのメンバー。その他にも様々な事情や、過去に悪事を働いてしまったキャラが中には不本意ながらもマン・ヒールズに加盟している。前総長、小田原修司は聖龍隊という組織の維持と二次元人の尊厳を護るための手段として秘密裏に彼らを動かした事も多々あり、最悪の場合二次元人の権威を護る為なら彼らマン・ヒールズを見捨てようとした事も少なくない。いうなれば聖龍隊版スーサイド・スクワットである。
リーダー:ミスティーハニー(本名:葉月聖羅)
聖龍HEADキューティーハニーの妹
デューイ【ナースエンジェル りりかSOS】
芹沢ルリ子(昔の鎧天狗)【飛べ!イサミ】
ブラック・ラヴァーズ部隊 HEADの堂本海人の双子の兄ガイトが指揮する部隊
隊長:ガイト
配下:沙羅、イズール、エリル、ユーリ、マリア、姉妹のシェシェとミミ、レディー・バット、蘭花、あらら
【マーメイドメロディぴちぴちピッチ】
森あい【うえきの法則】
プラス【うえきの法則+】
月詠イクト【しゅごキャラ!】
本郷唯【ふしぎ遊戯】
穴戸レナ【真・女神転生Dチルドレン ライト&ダーク】
ハルカ・ヘップバーン【レジェンズ-甦る竜王伝説-】
ジェラール・フェルナンデス【FAIRYTAIL】
ウッズ・J・プラント
ジュピターキッドことジュニアの実父。前聖龍隊総長にしてアニメタウン市長だった小田原修司の執事であった冷静沈着な人物。昔から市長であった修司や聖龍隊のサポートを中心に働いている。修司がアニメタウンを去る際に彼から市長の座を就任された。市長就任後も聖龍隊のサポート支部を統括したりと、聖龍隊には無くてはならない人物である。
ウェルズ・J・プラント
ウッズの双子の弟にしてジュピターキッドの叔父。聖龍隊結成より現場で熱く働く熱血漢であり、性格は兄のウッズと正反対。特攻決死隊という、命を投げ捨ててまでも敵に突撃する部隊の隊長を担っており、現場では誰よりも働いている節が見られる。
以下、新世代型二次元人及び一般二次元人
※新世代型二次元人とは。
変革し続ける時代と世界と環境に適応するべく生み出された新世代の二次元人の事を指している。彼等の特徴としては、ウィルスや著しい環境変化で
【琴浦さん】
【リトルバスターズ!】
【斉木楠雄のΨ難】
瀬名アラタ/出雲ハルキ/星原ヒカル/細野サクヤ/
【ダンボール戦機ウォーズ】
【キルラキル】
【食戟のソーマ】
【ゆゆ式】
イオリ・セイ/イオリ・リン子/イオリ・タケシ/アイラ・ユルキアイネン/アリーア・フォン・レイジ・アスナ/コウサカ・チナ/ユウキ・タツヤ/ゴンダ・モンタ/リカルド・フェリーニ/ミホシ=キララ/ラル
【ガンダムビルドファイターズ】
【ジュエルペットハッピネス】
彩瀬なる/福原あん/涼野いと/りんね/蓮城寺べる/小鳥遊おとは/森園わかな/神浜コウジ/速水ヒロ/仁科カヅキ/
【プリティーリズム・レインボーライブ】
【境界の彼方】
【のんのんびより】
【弱虫ペダル】
大宮忍/アリス・カータレット/小路綾/猪熊陽子/九条カレン/烏丸さくら/
【きんいろモザイク】
黒鳥千代子 通称チョコ/ギュービッド/桃花・ブロッサム
※友人である琴浦春香たちを救出するべく、三人だけで研究施設に先入した。彼女達は三人ともプロト世代と呼ばれる二次元人である。
【黒魔女さんが通る!!】
[陥没した大地]
ジェイク・ミューラーとの別れから数十分後。
どうにか大所帯の新世代型二次元人を初めとする面々の血液検査が終了し、一行は晴れて移動できる状態へと達した。
「う~~ん……ッ。やっと終わったよ、長かったねぇ、まったく」
「でも、別に検査には異常が無かったって本部の人から連絡が入ってる事だし、これで無事に済んだって事じゃないですか!」
「そうですよ先輩! これで私達、ようやくみんな揃ってアニメタウンに帰れるんですよ!」
「まあ、それもそうだねえ……いやぁ、最初チョコが琴浦たちを助けに行きたいって言った時はどうなるかと思ったけど。まっ、無事で何よりだね」
長々と時間を喰ってしまった検査が終わり、ようやく解放された心地で思わず背伸びするギュービッドにチョコと桃花の二人が二次元人の国アニメタウンへの帰還が叶う事実を実に嬉しそうに言う。これにはギュービッドも最初は前途多難な親友の救出劇が、ようやく終わりを迎えられると踏んで安堵の表情を顔に浮かべた。
そんなギュービッドたちプロト世代を含んだ新世代型二次元人の大所帯、すなわち一般の二次元人がウイルスに感染してない健康体であると判明し、同じく身体に影響が見られなかった聖龍隊の隊士達が彼らを先導する。
「はいはいっ、検査は全員済みましたよねっ? まだ検査をしていない方がいたら名乗り出てください」
「後でウイルスに感染してたなんて事になったら、一大事だからっ」
一般の二次元人たちに、ゾンビ化してしまうなどの変異が起きてしまうウイルス感染の検査を済ませてない人がいないか確認していく聖龍隊隊士の浜崎雅弘と白井渚。
「はい! こっちは全員終わってますっ」
元教師であった経緯から、神威大門統合学園の関係者達の検査は終えている事実を伝言する美都玲奈。彼女の言葉を聞いて、雅弘と渚の両名は顔を総長であるメタルバードに向けて無言の了解を伝える。
「よし! 今後、お前達の身柄は俺ら聖龍隊が預かる事となる! 現在、世界各地が現政奉還の煽りを受けて治まってた戦火が再び吹き上がってしまっている。無論、このアジアも等しく同じだ」
メタルバードから改めて現政奉還の影響が世界各地で混乱を引き起こしている現況を聞いて、多くの二次元人たちが顔色を変える。何しろ現政奉還を起こした国連総長 足正義輝は新世代型二次元人であるからだ。
「俺たち聖龍隊はアニメタウンまでお前達を送るつもり……と、言いたい所だが、それが無理となった! アジア各地で起きてしまった戦火を俺らで鎮火しなければならなくなったからだ」
「まあ、それが御勤めというものだ……致し方ない」
アジア各地で勃発してしまった戦火を鎮めるためにアニメタウン本土まで移送できなくなった経緯を聞いて、新世代型の
「故に、俺たちが送ってやれるのは韓国までだ! 其処まではアジア本土を渡って、お前達みんなを護送してやるから安心してくれ! 既に韓国にはアニメタウン本土まで送ってくれる移送船が手配されてる」
この話を聞いて、今の今まで危険な目にしか遭っていない新世代型の真鍋義久が文句混じりの言い分をメタルバードにぶつけてきた。
「おいっ、バーンズ! 俺たち新世代型をいっつも監視しているくせに、護送の時だけ手を抜くんじゃねぇよ!」
2013年の2月に初期の新世代型達が反乱を起こして以来、常に監視状態である自分たち新世代型二次元人の護送に対して文句を言う真鍋。彼にメタルバードが申し訳なさそうに返答する。
「済まない、そこは本当に済まないっ。だけどオレたちも忙しいんだ、本当に。此処から親交の厚い国々で所々休みながら、まずは韓国まで前進する。そこまでは面倒見てやるからよ」
長い帰路になる事を見越して、メタルバードは行く先々の親交のある国々で足を休ませながら新世代型二次元人たちを護送していく事を伝える。
そして一行は帰路に着こうと前進しようと移動し始めた。
「よし! 悪いけど、さっきの走りで車は全部オジャンになっちまったから行進で進んでいくぞ!」
「ここに車を手配してくれよ」
前回の都市脱出の走行で軍用車のエンジン全てが故障して使用不能となってしまった故に、前進が徒歩しかないと話すメタルバードに真鍋が軽くツッコミ気味で言う。
そして常日頃から身体を鍛えている聖龍隊とは反対に、徒歩での移動に不満を感じる新世代型を含む一般の二次元人たちが足を進めた。
その矢先の事であった。
「……っ、なんだ?」
足を一歩手前に踏み出した矢先に、地面が揺れたような感覚に襲われるメタルバード。
しかし地面が揺れたように感じたのは彼だけでなく、他の面々も地面が微弱ながら震えている感覚が足の裏から全身に伝わってくるのを感じ取っていた。
「な、なにっ? また何かの怪物じゃないでしょうね!?」
突然、小刻みに揺れ出す地面にタイの都市で遭遇した怪物の様な驚異ではないかと警戒してしまう新世代型の薙切えりな。
皆が地面の揺れに微かな不安を覚えていた、その時。
「うわあッ!!」
突如として皆の足下の地面が沈み、全員が真下へと落下してしまった。
「わあぁ!」「うわぁ!」
地面が消えたと思いきや、その真下が光の無い暗闇であり、その闇の中へ成す術も無く落下していく新世代型達の悲鳴が辺りに響き渡る。
「だ……大丈夫かッ!?」
運よく落下を免れた聖龍隊隊士の白井渚が、同じ隊士である木之元桃矢と共に消滅した足元の地面を覗いてみると……
HEADを始めとする主力メンバーや赤塚組だけでなく新世代型を含む一般の二次元人たちまでも呑み込んでしまう程の陥没した大地が広がっていた。
「す、スグに救助に向かうぞ!」「は、はいっ」
先輩隊士である木之元桃矢に言われ、ハッと気が付く白井渚。二人を始めとする、沈下した地底へ呑み込まれなかった聖龍隊の隊士達は、地の底へ消えてしまった人々を救うため奔走し始めた。
一方、その頃地底へと落下した者たちは……
「……ん? こいつ等……間違いねぇ、例の新世代型だ」
地底に落下した二次元人を見て、新世代型二次元人だと認識できる男の言葉が微かに耳に聞こえる。
「こいつ等どうする? 下手したら、俺たちを殺すかもしれねぇ」
「何してかすか解らねぇ連中だもんな」
しかも一人だけでなく、複数の男の声が自分たち新世代型を危険視する発言を口に出しているのが聞こえていた。
そして「よしっ、こうなったら劉席さんのところに連れて行くか! あの人にコイツらのこと任せておけば良いだろ」との言葉を皮切りに、男達は目の前に倒れている一般の二次元人たちを何処かへ連れ去ってしまったのだった。
[地底を進む者ら]
しかし一方で新世代型を含む一般の二次元人と共に地底へと落下した聖龍隊と赤塚組は、そのまま手を差し伸べられる事も無く置き捨てられていた。
その中で、ようやく目を覚ました者が第一声を発する。
「………………ね、ねぇ。みんな、起きて……」
最初に目を覚ましたミラーガールの一声でその他の面々も続々と目を覚ます。
「こ、此処は……」「何だか、坑道みたいね」
落下の際に軽く頭を打ってしまったのか頭を擦りながら起き上がるミュウプリンに続いて、周囲を見渡して自分達がいるのが何らかの坑道だと認識するセーラーサターン。
すると聖龍隊同様、目を覚ました赤塚組も自分達の周囲を見渡して現状を確認する。
「チッ、イってーー……此処は何なんだ?」
「それよりも大将、他の子たちが見当たらないわ。一緒に落下した筈なのに……」
打った腰を擦りながら周辺をウロウロする大将に同じ赤塚組のミズキが、一緒に地底へと落ちた一般の二次元人たちの姿が見当たらないと言い伝える。
聖龍隊と赤塚組、双方が辺りを見回して一般の二次元人たちの姿を探していると。
「あ! 奴さんたち、目が覚めたみたいだ」「!」
男の声に聖龍隊も赤塚組も一驚した。声の方を振り向いてみると、其処には上半身がほぼ裸体の簡易的な作業着姿のむさ苦しい男が立っていた。
「あ、おいテメェ! 確か……」
男の作業着にも見て取れる軍服と紋章に見覚えのあるメタルバードが声をかけようとするが、それより早く男が逃げていってしまう。
「た、大変だーー! よりにもよって、あの聖龍隊と赤塚組まで地上から振ってきやがったーーーー!」
聖龍隊と赤塚組の覚醒を前にした男は大声で坑道の奥に走り去ってしまう。
「あいつ、どうも他の二次元人の事を知っているようだな。追うぞッ」
男の言動から、一緒に落ちてきた筈の一般の二次元人たちに行方を知っていると察したキング・エンディミオンの一声で、全員が男を追って走り出した。
追いかけ始めた矢先、電源が入ったままの坑道内のスピーカーから聖龍隊と赤塚組にとって聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「アジアを結んだこの小生の穴道。いいか! この穴道はな……南はシンガポールから北はロシアの最北端まで……」
「劉席さんが語り出した……こりゃ、長くなるぞ!」
聞き覚えのある声に対し、傍らの兵士らしき声が呆れながら答えているのが聞こえて来た。
そんな中、男を追って坑道を駆け抜けていくと、広い作業場らしき広場へと出た。
其処へ駆け付けた聖龍隊士に対して待機していた作業着姿の兵士が襲い掛かってきた。
「作業開始だ、元気よく行くとするかね」
戦闘を作業と言い換えて行動し出す、作業着姿の兵士達。
「やっちまえ!」
一人の男の掛け声と共に、一斉に跳びかかる集団にキリトら聖龍隊の隊士達は素早く回避し、すぐさま反撃して叩きのめす。
「うわぁ!」
強烈な攻撃に吹き飛ばされる兵士達。すると戦前で奮闘する聖龍隊隊士の一人シルバー・ロウが広場の奥出に視認できる一人の男に気付く。
「っ! 彼らは……」
「おっ、お!? 敵か!? 仕方ねぇ、こいつらを連れて先に奥に行ってろっ! お前さん達は連中を閉め出しておくんだぞ!」
「合点承知の助!」
大将格の男の言伝に、傍らにいた配下の兵士が威勢よく返答すると、その兵士は拘束している新世代型を連れて坑道の奥へと消えていってしまった。
「あ! テメェっ」「此処で何してやがる!?」
一方で眼前に迫る兵士達を薙ぎ倒し、俄然と進攻する大将とメタルバードたちは男に言い寄る。どうやら彼らはリーダー格の男に見覚えがあるようだ。
「げッ! せ、聖龍隊……それに赤塚組まで! なんでお前さんたちが揃っていやがるんだ!?」
「その言葉、そっくりそのままお返ししますわ!」
「なんで貴方がこんな所にいるのか、聞かせて欲しいわね!」
一方で男の方も聖龍隊と赤塚組が揃って目の前に現れた現状に激しく困惑。そんな男に聖龍隊のミュウレタスと赤塚組のミズキが問い詰める。
追い詰められた男は両手に携えていた巨大鉄球を振り上げて、激しく叩き付けようと仕掛けてきた。
「おおっと」
頭上から振り下ろされる鉄球に、メタルバードを始めとする面々は容易に回避してみせる。
「せ、せっかく手に入れた小生の幸運……手放してなるもんか!」
男は黒い長髪を靡かせて、眼前の聖龍隊や赤塚組に果敢に鉄球を振り回して抗い始める。しかし両勢力はこれに怯まず、交戦を開始する。
「うわあ!」「ひぃっ!」
しかしリーダー格の男同様、周辺で臨戦態勢で戦いに挑んでいる兵士達も激しい聖龍隊の苛烈な攻撃に苦戦を強いられる。
「このヤロッ!」「うわっ」
大将も今まで用いていた銃火器ではない、私用の破槍を振り回して周囲の兵士達を悉く薙ぎ倒していった。
「劉席さん、先に退いとくぞ!」
未だ抗戦するリーダー格の男に敗れ去った兵士が先の撤退を告げて、そそくさと現場から去っていく。
「あんたら、落とし穴には気をつけろよ?」
敗れ去った兵士の中には、捨て台詞に近い言葉を告げて立ち去っていく兵士の姿も確認された。
「な、なんで……ねぇ、なんであの子達を連れて行ったの!? 貴方には関わりない子供達よ!」
「うるさい聖女! あいつらはこの小生の手の中に落ちてきた、幸運の星なんじゃ!」
振り回される鉄球をミラーシールドで懸命に防ぎ切りながら男に問い詰めるミラーガールだが、男は容赦なく抗戦の姿勢を崩さない。
だが抵抗もむなしく、男はついに追い詰められてしまう。だが
「も、もう構ってくれるな! 小生は……自由だっ!」
追い詰められた男は愛用の鉄球を引き摺りながら、すたこらとその場から逃げ去ってしまった。
「逃がすな! 追うぞっ」
新世代型を含む一般の二次元人たちを連れ去った男を追って、メタルバードは皆に進軍を言い渡す。
男を追って再び坑道を進んでいくと、進軍する聖龍隊と赤塚組の前に何やらレールらしきものが視認され、更にレールに沿って視線を移すとその先に何やら乗り物が確認できた。
「あっ!? しまった、アレが置きっ放しだ!」
逃げ続ける男が、後方に気を取られながら自分を追跡してくる聖龍隊と赤塚組の前に大事な乗り物を置いたままだと焦り出す。
「こいつは…………トロッコ? いや、ガトリング砲!?」
レールの上に置き捨てられていたのは、資材などを運搬するだけでなく何故か戦闘用で用いられる強力な火力を誇るガトリング砲が設置された穴道車であった。
聖龍隊と赤塚組は、穴道車の周辺にいた兵士を薙ぎ払い、置かれていた数台の穴道車に近付いてみる。
「……よし、あの劉席が造った代物で、やや不安だが仕方が無い。これに乗って追うとするか」
搭乗に心配が過ぎるものの、追跡のためにやむを得ず搭乗して利用しようとメタルバードが提案する。
他の皆々も同様に心配であったが、既に行動の奥深くまで逃げていってしまった男に追いつく為には穴道車を利用するしか手立てが無かった。
こうして一行は各車両の穴道車に搭乗し、各々のグループで先へと逃げた武将である男を追い詰める。
「おい!? ソイツは小生専用の穴道車だぞ!? 勝手に乗るんじゃ、なーーーーーーい!」
主に自分専用である穴道車を使われて立腹の様子の男。すると二列に並ぶレールを滑走する、左右の二台の穴道車から搭乗しているスター・ルーキーズの面々が逃げようとしているリーダー格の男目掛けてガトリング砲を連射した。
「どわっ、どわわわっ」
男は自身に浴びせられる銃弾の雨を必死に両手に携える鉄球で防ぎ切ろうと構え続ける。
しかし遂に弾幕の衝撃に押し切られ、男は勢い余ってそのまま坂道の坑道を転がり出してしまった。
「どわあああぁぁあああああああああああああ!!」
大声を上げながら坂道を転げ回り、ついには姿が見えなくなってしまう男。そして案の定、穴道車も坂道に入って速度を急激に速めてしまう。
「ぶ、ブレーキ……って、ブレーキない!」
速度を落とそうとブレーキを探し出す赤塚組のアツシ。だが彼らが搭乗する穴道車にはブレーキが備え付けられてなかった。
「わあああっ!!」
車輪から激しく火花が散るほど速度を上げていく穴道車に一行は慄き、絶叫するばかり。
すると此処でレールが設置された坑道が幾重にも分岐されていた為に、各穴道車はそれぞれ別の坑道を突き進み出してしまった。
「み、みんな……うわっ」
離れ離れになってしまう仲間たちを気に留めながらも、依然として高速で滑走する穴道車にしがみ付くしかできないミラーガールたち。
[軌条の迫撃]
分岐点によって幾つにも地下に張り巡らされた坑道をそれぞれ進んでいってしまう穴道車によって、分断されてしまう戦士たち。
「乗ったのは良いけど……このレールが途切れていたら、そこで一貫の終わりだよ……」
男を追うのに利用した穴道車であったが、鉄の軌条が途中で途切れていれば自分達も危ういと悟るジュピターキッド。
各隊士が分断された状況に戸惑いを覚える中、スター・ルーキーズのベテラン組の方で動きがあった。
下り坂だった坑道が突如として平道になった矢先に、レールの脇に設けられた敵方の陣が見受けられたのだ。しかもその陣には追っている男の姿も確認できた。
「此処にいたのね、悪いけど容赦なくぶっ放す!」
男の姿を確認したルーキーズ総部隊長ミラールは、陣にて現在地を見失っていた男に容赦なくガトリング砲の弾丸を浴びせる。
「なぜじゃああああああああああああぁぁあああぁぁ!!」
ガトリング砲で狙撃された男は叫びながら陣を転げ回り、完全に暴走状態に。しかも同時に陣に置かれてる赤い火薬樽に直撃していき、御丁寧に自陣を自らの手で一掃してくれた。
更にミラールは攻撃の手を緩めず、残っている残党兵もガトリング砲を連射して迫撃および火薬樽を狙撃して一掃していく。
一方で少し離れた所の坑道では、ベテラン組と離れ離れになったルーキーズの新参者【AW】【SAO】【マギカ】の三組のみが穴道車に乗って坑道を移動中。
その道中、穴道車は滝の裏手から出たために搭乗していた者たちは全員ずぶ濡れになってしまう。
「わっ、ぷっ」「ひぃ~~、まさか地下水の滝に打たれるとはな……」
全身水浸しになったSAOのクラインとエギルの両名が唖然としていると、滑走し続ける穴道車の先に例の男の姿が確認できた。
「ふぅ~~ここらで休憩、休憩……お前さん達、ちょっくら見張っていてくれ!」
男は部下達に命じて、一休みしようと腰を据えていた。が、そこに戦闘意欲満々の暁美ほむらがガトリング砲を構えて一服している男とその周辺にいる兵士に向けて迫撃を仕掛ける。
「りゅ、劉席さん!? 敵さん、追いかけてきたぞ!?」
後方から自分達を狙撃してきたほむら達を見て、兵士が叫ぶと男は驚愕してしまう。
「何ぃーーっ! アイツを乗りこなしているだとーーっ!?」
男は聖龍隊の面々が穴道車を乗りこなしている事実に驚愕。その驚きの叫び声は坑道内を反響して全体を通して認識できた。
「小生はな……ソイツを乗りこなした事がないんだ! 正直、怖くて……速いし、危ないし」
あろう事か、自らが造った穴道車に怖くて乗れないと自称する男の言葉に、坑道内をその穴道車に搭乗して移動している各隊士に赤塚組は愕然と開いた口が閉まらなかった。
その頃、たまたま分かれてた坑道が再び一本道になった事で互いに並んで進撃できていた聖龍HEADと赤塚組の眼前に上り坂が見えてきた。
すると、その上り坂から慌てた様子で坑道を掘り進めている兵士が逃げるように出てきた。
なんと上り坂である坑道の奥から巨大岩石が勢いよく転がってきたのだ。
「!!」
目の前の坂道から巨大な岩石が転がってくるのが目に飛び込んできて言葉も発せられないほど一驚する面々。
「おぉっと、大岩が転がり出したぁ! こいつも工事にゃツキモンだぁ!」
その反面、兵士達は毎度の事ながらと焦りながらも慣れた様子で大岩から退避していく。
しかし穴道車に搭乗しているHEADと赤塚組はそうもいかない。このままでは衝突の危険がただただ迫るだけであった。
「押し潰されるっ!」「これで破壊してやるんだ!」
目前まで迫る巨大岩石に圧倒されかけるセーラームーンの慌て声を横で聞いた大将は、自分達が搭乗している穴道車に装備されてるガトリング砲をフルに二基可動させて巨大岩石を破壊しようと突っ撥ねる。
そして赤塚組の連射を皮切りにHEADも自分達の方のガトリング砲を発射して迫る巨大岩石に弾丸の雨を直撃させていく。すると無数の弾丸を浴び続けた巨大岩石に亀裂が生じ、それが一気に肥大、巨大岩石は砕け散った。
「す、すげぇ~~……劉席さんがいつもツブされる、あの天敵の大岩までブッ壊しやがったぜ……!」
巨大岩石の破壊に成功した聖龍HEADと赤塚組の突破に、それを傍観してた敵兵士達は唖然とするばかり。
するとHEADと赤塚組が坑道を抜け、開け切った空間へと抜け出てみると其処は幾重にもレールが仕掛けられた、一種の坑道内の交差点であった。
「な、なんだ此処は!?」
「レールが幾層にも重なって……下手したら他のトロッコと激突しちゃうよ」
広々とした交差点と思われる坑内を見て愕然とするメタルバードとは反面、レールが幾層にも重なった現状から他の穴道車との衝突を懸念するジュピターキッド。
すると案の定、他の坑道から離れ離れになっていた同じ聖龍隊の面子が各々出て来てしまったのだ。
「よ、避けろッ」
前方から迫る別の穴道車に向かって回避を呼びかけるメタルバードは、急いで穴道車の片側に搭乗者全員で体重をかけて傾け、分岐しているレールの横へとそれぞれ曲がって衝突を回避する。
が、他の穴道車ともまだ衝突の危険が迫っていた。
「チッ、このままじゃ衝突か……あそこで切り替えるぜ!」
前方から迫るマン・ヒールズが搭乗する穴道車との衝突を回避するため、自分たちニュー・スターズが搭乗する穴道車と相手の穴道車の間に設けられたレールの切り替えスイッチをフロートが自らの銃撃で狙撃して強引に切替。自分達ニュー・スターズの搭乗した穴道車は迂回し、前方からやって来ていたマン・ヒールズが搭乗する穴道車との衝突から命辛々回避できた。
「ちょ、ちょっと! このままじゃぶつかるわ……!」
「誰か止めて~~っ」
いづれは他の穴道車との衝突も時間の問題だと慌て始めるブラック・ロータスの傍ら、半ば泣き喚いて混乱してしまうシルバー・クロウは穴道車の停止を求める。だがブレーキの無い穴道車の停止は容易な事ではなく、搭乗している【AW】【SAO】【マギカ】の三組が焦燥している最中、彼らの目の前に先輩隊士であるルーキーズのベテラン組が搭乗した穴道車が迫っていた。
「うわーーーーーーっ! 退いてくれ~~っ」
「虎徹さん、口で言うだけじゃトロッコは止まってくれませんって!」
徐々に目前まで迫ってくる後輩達が搭乗してる穴道車に呼び掛けるワイルドタイガーにバーナビーが言い付ける。
ルーキーズの先輩・後輩がまさに激突してしまう、誰もがそう思っていたその矢先「このッ」先輩組の方に搭乗してたミラールが足元より愛用の武器であるミラージュ・ガンでレールの切替スイッチを狙撃して、これもまた両者が激突する寸前に先輩組の方が迂回する形で危機を免れた。
「ほっ」「ほっ……」
後輩達も先輩達の双方とも、互いの衝突を免れた事で大いに安堵して胸を撫で下ろした。
「やれやれ、どうなるかと思ったぞ」
「う、うん……でも、みんな大事無くて良かったじゃない」
後輩組と離れていくのを視認して、一時はどうなるかと不安に耽っていた六道りんねの隣で自分達はもちろん全員が無事で何よりと真宮桜は安どの表情を浮かべた。
だがその後も、坑道内で互い違いに衝突したり横スレスレを猛スピードで横切ったりと危険は続いた。
「まただっ」「アッチだ!」「危ないッ」
色んな各聖龍隊士の声が坑道内に響き続けた。
そんな危機的状況の中で、両隣のレールで一緒に並んで走行している聖龍HEADと赤塚組の方はというと。
「っ~~~~…………そ、そっちは大丈夫……?」
涙目になりながらも必死に穴道車にしがみ付くジュピターキッドが隣で走行している赤塚組の方に声をかけると、それに大将が威勢のいい面構えで返答した。
「へっ、なにさ、こんぐれえ! ……俺達は昔っから、普通でない日常ばかり過ごしてきたんだ。それに比べたら、こんぐらいの絶叫マシン慣れっこだぜ!」
「へ、へぇ~~、そう……ミラーガールの方は……」
非日常ばかり過ごしてきた為に絶叫マシンぐらいは乗りこなせると豪語する大将ら赤塚組の様子に呆然となるジュピターキッドが、今度はミラーガールの方に目を向けてみると。
「わははははっ、楽しい~~~~!」
笑顔爛漫で絶叫マシン並みの穴道車で風を切る感覚の走行にはしゃいでいた。彼女の様子を見たメタルバードとジュピターキッドは唖然としながら思った。
(……そういや、修司もそうだったがアッコも絶叫マシンが好きだったな。どっちも風を浴びる爽快感が気持ちよくて楽しんでたっけ)
(昔はボクやうさぎさんが嫌々になっていたにも関わらず、二人はよく何度もジェットコースターに乗っていたっけかな……)
ミラーガールこと加賀美あつこも、その恋人である小田原修司も互いに絶叫マシンで風を浴びる爽快感が好きで、周囲がどんなだろうと何度も搭乗していた過去を思い出すメタルバードとジュピターキッド。
そして全員は今まで以上に広い大広間へと抜け出ると、其処には自陣で寛いでいる男と彼の陣を警護する兵士達の姿が見受けられた。
「今までの分だ、たっぷりお見舞いしてやろうぜ!」
今まで穴道車でそれはそれは怖い思いを体感させられた腹いせに、自分達が搭乗している穴道車のガトリング砲で休憩している男に向かったガトリング砲を連射していくキリト達。
キリトの意思を汲み、新人の中では特に銃火器の扱いに定評がある暁美ほむらが円形の陣で腰を下ろしている男にガトリング砲をお見舞いしてやった。
「なぜじゃああああああああああああぁぁあああぁぁ!!」
ガトリング砲を浴びた男は絶叫し、そのまま自陣の中を勢い余って転げ周り始めてしまった。
「ここは穴掘り用の火薬置き場だ、危ないから触るな…………って、劉席さん!? 近寄りすぎだって!」
「そんな事言ったってなぁ! 小生、ちょっと迷子なんだよ……」
連射を浴びて転倒した拍子に、暴走状態と相成って手当たり次第に周囲の兵士や火薬樽に衝突して自ら自陣を一掃していく男の始末に、男は迷子という言葉を用いて暴走状態から抜け出せないと言伝する。
そして自陣は綺麗さっぱり、男の暴走とガトリングの連射によって兵士は一掃され、陣を守る陣大将も撃破。陣は綺麗なまでに吹き飛んだ。
「お前ら、絶対仇を討ってやる! ……劉席さんがね」
跡形もないぐらい綺麗に倒された自陣を目の当たりにし、兵士は自分達ではないが仇を討ってやると敗北した仲間の兵士に呼び掛ける。
そして急なカーブを曲がり、直進すると今度はルーレットの様な自陣が現れ、其処でもまた男が腰を据えていた。
猛進する穴道車に乗る各聖龍隊士は、迷う事無く男に向けてガトリング砲を連射していった。銃弾は男に直撃し、男は勢いよく自陣内で転がり始める。
暴走する鉄球の男は衝突を繰り返しながら悉く自らの自陣を綺麗にしていく始末。
「あら~~!? ま~~わる、回る! 小生、回~~る!」
「劉席さん、今は道を均してる場合じゃないって!」
一人、二人、三人と、壱・陣大将に弐・陣大将、そして最後に参・陣大将までも撃破してしまう鉄球の男に部下である兵士が呼び掛ける。
その後も残党である兵士を聖龍隊士は容赦なく狙撃していく。
「ほらほら走れ走れ、お前さん達!」
銃撃から逃れようと仲間達に呼び掛けながら自らも必死に走り続ける兵士。
この様な清清しいほど綺麗に自陣を一掃された光景を前にして、兵士達は唖然としていた。
「清々しいくらい、きれいさっぱりやられたな」
「予想通りの展開だよ……いや本当に」
「どってことはねえ、慣れっことくら!」
彼らにとって、戦に破れるのは敗北は日常茶飯事らしい。
こうして敵兵が掘り進めた坑道内の陣を全て撃破し占領した末に、標的である男に向かって追い続ける一行。
「この先を越えると、どうなるんだが……」
急な下り坂からの上り坂に差し上ったSAOとAWとマギカの三組が、山を越えてレールを上がりきった先で捉えたのは…………なんと先が途切れたレールであった。
「ま、前!」
佐倉杏子が叫ぶのも空しく、三組が搭乗する穴道車は途切れたレールの上から飛び出してしまい、下方目前の三人の兵士が防衛している門に向かって真っ逆様に落下していってしまった。
「うわっ!」
門に激突し、激しく転倒した三組は穴道車が大破したものの命の別状は無かった。
「やった! 奴さん、のびてやがるぜ! 今だ、かかれーーっ!」
だが門に激突し意識が朦朧としている三組に目をつけた敵兵士が、容赦なく三組に襲い掛かってきた。
「ま、まだやれるぞ……っ」
目が回りながらも周辺から向かってくる兵士に対して果敢に反撃していくキリト。
すると其処に遅れて聖龍隊の一般隊士も続々と駆け付けて加勢に加わった。
「遅ればながら! 某たちも加勢いたしますぞ!」
一般隊士からの激励を受けて益々力量を上げて周辺の敵を薙ぎ倒していく3組の部隊。そんな彼らの活躍を見ていた隊士がぽつりと零す。
「この分じゃ、手柄の取りようがないですなぁ」
自分達の手柄よりも早々に敵を倒していく聖龍隊の隊士の奮闘振りを見て、呆気に取られる隊士達。
だが相手の兵士もやられっぱなしではいられなかった。
「それ、お返しだ! 散々な目に遭いやがれ!」
一斉に工事に用いるダイナマイトやツルハシを武器に激しい反撃に打って出る兵士達。その激しい烈火に流石の聖龍隊もタジタジであった
「疲れたかい? 泥水くらいは出してやるぞ」
泥塗れの生傷だらけにしてやった相手の聖龍隊士に対して兵士は冷やかし混じりの捨て台詞を吐く。
しかし苦戦の末、泥塗れになりながらも眼前に立ち向かう兵士達の撃退に成功した三組は進軍を再開させる。
向かうは、謎のむさ苦しいボサボサ髪の男に連れ去られてしまった新世代型を含む一般の二次元人達の救出である。
[不運を抱く武将]
一方で、むさ苦しい小汚い男に連れ去られた新世代型二次元人たちは、男に意味不明な要求を求められていた。
「おい、新世代型の二次元人! 悪い話じゃないだろ? お前さん達が持つ未知の特殊能力と小生の知性が加われば鬼に金棒! 怖いもんなんか無いってもんよ」
「い、いや、だからですね。私達は……」
男の言い分に戸惑いを隠せない新世代型達の様子にも関わらず淡々と語り続ける男に猿田学が必死に説き伏せようとする。が、男は彼ら新世代型の言い分に全く聞く耳を持たず、絶えず自分の主張を押し続けるばかり。
「分からないとても思っていたのか? お前さん達は過去に、俺たち三次元人に反旗を翻した危険極まりない新世代型二次元人だ。まあ、その点では小生たちにとっても危険には変わらないが……」
「………………………………」
「……だが! 小生は違うぞ! お前さん達の得意稀なる能力の数々を、小生たちの軍に貸してくれたら決死てお前さん達を粗末に扱わない」
「よ、要するに……自分の軍隊に入れと。そう言っているんですか?」
「おおっ、流石は新世代! 察しが良いな!」
自分たち新世代型を自らの軍に加勢させようとする男の意思を逸早く察した新世代型の星原ヒカルが問い返すと、男は意気揚々とした雰囲気で答え返した。
すると此処で、自分たち新世代型二次元人に戦局を左右させるほどの力は無いと、新世代型の琴浦春香が男に離し掛ける。
「だ、だけど小父さん……私達、特に戦闘に特化した能力なんか持っていませんよ。私の能力だって、一種のテレパス程度ですし……」
だが琴浦春香の言葉を聞いても尚、男は信じ切ってしまっている新世代型二次元人の潜在能力の高さを豪語し始めた。
「何を言う! お前さんたち新世代型がその気になれば、天地をひっくり返し、天候を操り、大地を裂け、世界そのものを変革させられるほどの能力を秘めているってのは、この小生全てお見通しだ」
「は、はぁ……」
「このおっさん、俺たち新世代型をまるで神が破壊兵器みたいに見ていやがるな」
新世代型の能力をずば抜けて高評価する男の言い分に思わず呆然としてしまう琴浦春香に反し、
すると琴浦春香たちに続いて、一緒に連れて来られたプロト世代のギュービッドやチョコが男にいちゃもんをぶつけてきた。
「ちょっとオッサン! 急にアタイ達を連れてきたと思ったら自分の軍隊に入れだって? そんな話にアタイらが乗るとでも思っているのか!?」
「悪いですけど、私達は一刻も早くアニメタウンに帰りたいんです。すいませんが、私達は貴方達に協力する事はできません!」
いつも強気なギュービッドだけでなく気の優しいチョコまでも男に意志の強い面魂で協力を頑なに拒んだ。
だが野心に溢れた男は、三人を見てある事に気づく。
「っ、ありゃ? お前さん達は……新世代型じゃねぇな。プロト世代だな。ま、いいだろ! プロト世代だろうと、二次元人は何かと使えるし、小生の軍に雇ってやるから安心しろ! ガハハハッ」
自軍に加勢しない姿勢を示す二次元人たち、それに対してどうしても彼らの力量を我が物にしたいと野心を抑え切れない鉄球の男は笑い飛ばして二次元人達の意見に耳を貸そうとはしなかった。
するとその時。眼前を阻んでいた兵士達を薙ぎ倒して、ようやく聖龍隊のSAOとAWとマギカ組の3組が駆け付けて、今にも強引に新世代型達を仲間に引き入れようとする男を取り囲む。
「もうそこまでよ!」「これ以上、貴方の好きにはさせないわ!」
ブラック・ロータスとアスナの迫力に押されかかる男だったが、男は髪の毛で隠れてる目の色を変えて両手に掴んでいる鉄球を思いっきり振り回し始めた。
「野望を抱いて、何が悪い!?」「わっ、わ!」
男が振り回した鉄球はキリトとシルバー・クロウの目前に振り落とされ、危うく潰されるところであった。男は自前の巨大鉄球を両手で鎖を掴んで武器として扱いながら啖呵を切るように周辺の面々に言い切った。
「小生だって! 群雄割拠の端くれだぞ!?」
ボロボロで黄土色の袖無し陣羽織を着ており、その下に防具を身につけている。黒い長髪を後ろで一つ結びにしており、額や目が見えない髪型にデザイン。顎には無精ひげが生えている。
普段は前髪で見えないが、目と眉は髪の毛と同じ黒色をしており、更に二股眉になっている。ちなみに目つきが悪いため、素顔は悪人面に見えなくもない。
そして両手に巨大な鉄球が繋がった鎖を携えて自在に扱うパワータイプの武将、それがこの男。
機略重鈍
巨大な鉄球を豪快に振り回し、周囲の敵を牽制する劉席。キリトやクラインは振り回される鉄球を素早く回避して強烈な一撃を避ける。
「お前さん達、何処から入った!? 出て行け! ここは小生達が汗水垂らして掘った穴道だぞ!?」
劉席は自分達が苦労して掘り進めた地下道に進入してきた聖龍隊の各隊士に鉄球を振り回して牽制しながら問い詰める。
「そりゃっ」
更に鉄球を真上に蹴り上げて、上方より鉄球を相手に当ててダウンを奪う「厄玉蹴り」でシリカにライム・ベルを直撃させようとするが、二人は寸前で回避。
そして再び周囲に鉄球を振り回す「本厄回り」で牽制していく。
「この穴倉はなぁ! 小生の命と同じくらい大事なんだよ!」
劉席は自分達が掘り進めた穴倉は命と同じぐらい大事だと豪語しながら、鉄球を両手で叩きつけて衝撃波を周囲に発生させる「厄当たり」で周辺のキリトやアスナ、そして暁美ほむらや鹿目まどか達は激しく衝撃波で回転して目を回してしまう。
「そぉりゃっ!」そして最後に劉席は鉄球を思いっきり叩き付けて、衝撃波を受けて回転してた面々を勢いよく真上に叩き上げさせて地面に真っ逆さまに落下させて見せる。
この劉席の行動に歯止めをかけようと、シアン・パイルが御得意の剣術で劉席に斬りかかろうとするが、劉席は両手に携える鉄球でその斬撃を防ぎ、更には鉄球で前方を殴り続ける「滅多矢玉」でシアンの剣劇と対等に渡り合い始めた。
「鉄球相手に戦ったのは初めてだって? そりゃそうだ」
刃と刃でなら経験が豊富なシアン・パイルも、巨大な鉄球での連打には悪戦苦闘し、その姿を目前にする劉席はシアンに容赦なく鉄球で殴り続ける。
そして「うわっ」遂にシアン・パイルは強烈な劉席の鉄球での殴打に耐えられず後方に吹き飛ばされてしまった。
シアン・パイルを吹き飛ばした劉席が一瞬一息つくために動きを止めた瞬間、その瞬間を狙って先ほど厄当たりで激しく体を回転させられたアスナが後ろから劉席に攻撃しようと近づいた。
だが「おっと、小生そこまで気を抜いちゃいないぜ」と後ろから忍び寄っていたアスナに気づいた劉席は素早く彼女の背後に回り、アスナの背中から彼女を掴んでジャーマンスープレックスの要領で後ろ後ろへと投げ続け出した。
「アスナ!」
何度も脳天を地面に叩きつけられるアスナを目撃して絶叫するキリト。だが悲劇はこれで終わりではなかった。劉席は何とアスナを掴んだまま真上に飛び上がり、今度は回転パイルドライバーの要領でアスナの上半身を地面に埋めたのだ。
か弱い女性であるアスナに強烈なプロレス技の連続を浴びせた劉席の攻撃に誰もが言葉を失くしてしまう。
一方、ルーキーズの新人勢と同じくレールから飛び出して門前まで一直線に落下していくHEADと赤塚組が。
「う、うわああぁ!」
門に直撃して、新人たちと同じように激しく悶絶してしまう未来が見えてしまった、その瞬間。ミラーガールは素早くガトリング砲の引き金を引き、門前の兵士を撃退させた上で固く閉ざされていた門扉を強引に突破して無事にレールに着地した上に転倒を阻止したのだった。
「た、助かった……」
「少しでもレールから外れたら、大事故だよ」
ミラーガールの咄嗟の連撃に大事故を免れた事実に心から安堵するキング・エンディミオンとジュピターキッド。
と、HEADと赤塚組が無事にレールへと着地して安堵していた、その時「うわっ」突如として後方から凄まじい衝撃が走り、安堵していた面々を一驚させた。何事かと振り向いてみると、後ろから他の聖龍隊士たちが出遅れてレールに着地した事で穴道車同士が軽く衝突し、その衝撃に襲われたのだった。
そんな無事にレールに着地した一行を目撃した劉席軍の兵士は愕然としていた。
「ここまで穴道車を乗りこなせるなんて……! あ、あいつ……伝説の超穴道車乗りだと言うのか……!」
そんな一驚している兵士たちを尻目に、一行は穴道車から降りて急ぎ穴倉の奥へと向かっていった。
[不運対希望]
その頃、黒劉席によって捕らわれてしまった新世代型を含む一般の二次元人を助け出さんとしていたSAO/AW/マギカの三組は慣れない巨大鉄球からの攻撃に悪戦苦闘してしまい、窮地に立たされてしまっていた。
「く、くそぉ……何なんだ、あの鉄球は……」
「何だか知らないけど、風属性の効果が見られるし……信じられないけど、あの鉄球は風属性の力が備わってるみたい」
厄当たりでとことん目を回されて朦朧とするキリト同様、朦朧しながらも劉席が扱う鉄球は異世界で作られた風属性の効果が与えられてる代物だと暁美ほむらは推測する、
窮地に立たされる聖龍隊の新人たちを前にして、同様と心配で心中を激しく搔き乱される一般の二次元人達。
「ちょ、ちょっとどうするのよ!? あのオジサン、見た目に反して強すぎない? このままじゃ私達、強引に軍隊に入れられちゃうわ……新世代型ってだけで」
自分達が新世代型二次元人という理由だけで無理やり軍隊に入隊させられそうになる境地に、新世代型のキャサリン・ルースは血相を変えていた。
一方で、一人だけで新人とはいえ聖龍隊の屈強な隊士を叩きのめした黒劉席を目の当たりにした彼の部下たちは大いに活気盛んでいた。
「地底で鍛えた結果、熊が土竜に進化したぜっ!」
黒劉席。かつては重量級の鉄球を自在に振り回す豪快な戦術から穴熊と呼ばれていたのだが、それが今では地底を這い進む
そして劉席が自分の邪魔をしてきた聖龍隊の新人達にとどめを刺そうと迫ろうとした、その時だった。
「待て、劉席!」「げっ! め、メタルバード!」
そこにメタルバード率いる聖龍隊本体が駆け付け、それを直視した劉席は焦燥する。
「劉席さん、部下の人たちから聞いたけど新世代型の子たちを自軍に勧誘して利用しているみたいだけど、それは意味はないわよ。彼らは至って普通の二次元人なんだから」
ここに来る道中、劉席軍の兵士から問い詰めて劉席の目論見を知り得たセーラーネプチューンが問い詰めるが、劉席は開き直った感じで言い返す。
「へっ、何を言ってやがる! そもそも二次元人ってだけで普通じゃないだろ。小生は、この新たな時代に生み出された新世代型共を利用して再びアジアを制覇してみせる!!」
遂に本音をぶちまけた黒劉席の真意に聖龍隊と赤塚組は周囲に展開し、劉席との一戦を開始した。
「一度でいいから思い切り伸びをしたいんだよ!」
「もう手枷は無くなっているんだから、それで十分じゃないか」
思い切り伸びをしたいと豪語する劉席に、鞭で牽制しながら距離を置くジュピターキッドは既に手枷が外れた現状で十分だと説き伏せる。
しかし劉席の猛攻は留まることを知らず、鉄球を蹴り上げて真上から鉄球で叩き潰そうと仕掛け続ける。
「鉄球で叩き潰した姿は見れたもんじゃないんだがなね」
「へっ、これぐらいの攻撃……遅すぎて目をつぶっていても避けられるぜ!」
重量級の鉄球で叩き潰した死体は見るに堪えられないと豪語する劉席に対し、華麗に攻撃を避ける堂本海人は重い鉄球での攻撃は動きが鈍く容易に回避できると豪語し返す。
と、ここで鉄球攻撃がなかなか当たらず忍耐が絶えた劉席は思いっきり鉄球を振り回し始め、豪快な竜巻を発生させて自身の周囲に展開する聖龍隊と赤塚組を吹き飛ばしてしまう。
「うわあっ」
巨大竜巻に巻き込まれ、坑道の壁際にまで吹き飛ばされ激突してしまう面々は目を回してしまう。
「小生を舐めると痛い目にあうぞっ!? 本当だぞっ!?」
自身が振り回す鉄球で発生させた巨大竜巻で取り囲んでいた面子を吹き飛ばした劉席は更に追撃をHEADに仕掛けようとした。
するとHEADの危機に先ほどの戦闘で疲労困憊気味のソードアート・オンライン組とアクセルワールド組の面々が再び劉席を取り囲み再度対峙する。
「おうおうっ、お前さん達は聖龍隊の新人だったな! 悪いことは言わねぇ、小生とお前さん達じゃ力量の差がありすぎる。とっとと失せな」
戦歴と力量の差がありすぎると警告する劉席の発言に、二つの版権組は癪に触ってしまった。
「言ってくれるな、おっさん!」「ボク達を甘く見てもらわないでほしいですね」
キリトとシルバー・クロウが戦前に立ち、その傍らにはアスナとブラック・ロータスが。そして他の面々が劉席に敵意を向けて対峙する。
この状況に劉席は若干の危機感を覚えたのか、最後の手段とばかりに懐から何かを取り出した。
「ち、近づいてみろ! この爆弾をお見舞いしてやるぞ!」
なんと劉席の懐から取り出されたのは爆弾だった。
「お、お前ら逃げろ! 下手したら巻き込まれるぞ」
取り出された爆弾を見たメタルバードが慌てた様子で新人達に呼びかける。が、それでも新人達は退かず、劉席も追い詰められて遂に右手に取り出した爆弾を前方に向けて投げ付けた。
多くの者たちが新人達に向かって爆弾が投げ飛ばされたと思った瞬間、ふと見てみると投げ飛ばされた爆弾は劉席の頭上でクルクルと回り、そのまま頭に落下。足元に落っこちてしまったのだ。
周囲の皆々の只ならぬ視線と空気に気になった劉席がふと足元に目を向けてみる。
「? …………! ま、待った」と劉席が叫ぼうとした瞬間、足元の爆弾が爆発。劉席を巻き込んで爆風が前方に向かって飛来してきた。投げ飛ばした爆弾が手を滑り、足元に落下したのを目の当たりにした為に恐慌状態に陥っていたSAO組とAW組に吹き飛んできた劉席が直撃。全員が烈火の爆発に巻き込まれ大打撃を受けてしまう。
しかしそれでも頑丈な劉席は立ちあがり、爆発で朦朧としている二組の新人達に追い打ちとばかしに厄当たりで周囲に衝撃波を発生させ、朦朧としている隊士たちを回転させた後に上方へ吹き飛ばし脳天から真っ逆さまに地面へと突き刺してしまう。
「ああ、もう……だから逃げろって言ったんだよっ!」
黒劉席特有の不運からなる「厄は道連れ」を受けて黒焦げになったところに、今度は厄当たりで脳天から地面に突き刺されてしまう新人達を目の当たりにして唖然としてしまうメタルバード。
新人達の仇とばかしに、ベテラン組の聖龍隊隊士とHEADそして赤塚組が総動員で黒劉席を取り囲む。
不幸の星の下に生まれたとはいえ、類稀なる知略と鉄球を意図も簡単に振り回す剛腕は侮れないからである。
「お前さん達と出くわした事が、今日一番の不運だな……」
自分を取り囲む精鋭の戦士たちを前にした劉席は、聖龍隊と赤塚組に出会った事が今日一番の不運だと懸念する。
そして先ずは劉席が御得意の巨大鉄球で先制を討った。しかし既に見切っている鉄球の動きに簡単に回避して見せる一同。
そこに攻撃を回避した蒼の騎士が武器での攻撃を躊躇い、拳で直接殴り掛かろうとするが、鉄球付きの鎖を手放した右手で劉席は蒼の騎士の一打を容易く跳ね返してしまう。
「うわっ」
拳と拳が直撃し、その衝撃で激しく吹き飛ばされてしまう蒼の騎士。これを見た劉席軍の兵士が一言。
「解き放たれた劉席の両手……ま、ものは言いようだな」
2年前では手枷を嵌められ自由を奪われていた黒劉席も、今では自由に両手を使える様になった為に、鉄球を引きずっていた経緯から剛腕へと鍛えられた腕力で相手を張り倒すほどの実力を秘めている事実を皮肉交じりで口に出す。
その後も劉席は、自然系の能力を使う聖龍隊に対して風属性が付け加えられている鉄球を巧みに使い、一進一退の攻防を続ける。
「やっぱりフツーーに強いな、劉席さんは!」
劉席軍の兵士も、極々普通に強い実力を秘めた劉席の戦力に感心する次第。
すると兵士達の言葉を聞いたのか、表情に微かな慢心の心情が見て取れる劉席にジュピターキッドが皆に指示を飛ばした。
「黒劉席は慢心している! 彼の多少怒りっぽいところも利用して、確実に攻撃を当て続けて討伐するんだ!」
弱点である慢心や少々怒りっぽい難点を利用して攻め続けるよう指示を飛ばすジュピターキッド。
すると格闘術に秀でたミュウプリンが劉席の前に飛び出て、猛烈な打撃を劉席に浴びせようとする。が、劉席も両手に鉄球の付け根を持ち替えて殴り続ける滅多矢玉で応戦する。
「新世代型を利用してアジアを制覇するなんて、調子が良すぎるみゃ! 運がないのに無理しない事だみゃ」
「運も実力のうちだなんて、信じてたまるかってんだ」
激しい攻撃の連続に衝撃波が坑道内に振動する中、お互いに根負けしたのか双方ともに後ろへと退いてしまった。
「はあ、はあ……相変わらず体術には秀でているな、お嬢ちゃん」
ミュウプリンの激しい体術に困憊する劉席は素直に彼女を評価する。
そこに今度は困憊する劉席に一斉攻撃とばかしに、格闘系を得意とする者たちが跳び蹴りを劉席に浴びせようと跳びかかってきた。だが劉席はこれを易々と回避して態勢を立て直してしまう。
「ま、あれだ……あんたらにこそ枷が必要ってこった」
危険な能力、危険な体術を持つ聖龍隊にこそ枷が必要だと陰口を叩き始める劉席軍兵士。
しかし聖龍隊はそんな陰口を気にも留めず、果敢に劉席へと攻撃を仕掛け続ける。
聖龍隊と攻防を仕掛け合う中、劉席と彼らは会話も重ねていた。
「聖女よ、お前さん遂にあの鬼神と婚約しちまったみたいだな。怖くないのか? あの冷酷鬼畜な小田原修司が」
「ふふ、全然。意外に思うかもしれないけど、修司って甘えたがりで寂しがりやなところがあるのよ」
ミラーガールと小田原修司の婚約を話に出す劉席に、ミラーガールは微笑んで返答する。
「おい! 月の皇女様よ! 小生の不幸の星を、お前さん達の力でどうにかしてくれないかね? そうすりゃ新世代型は返してやっても構わないがな」
「無理だから! あなたの不幸なんて、いくら私達でもどうにもできないよ!」
月の皇女というだけで自分の不運の星を何とかしてほしいと嘆願する劉席の言葉に、セーラームーン達は首を激しく横に振って無理だと伝え返す。
「愛の戦士さんよ。お前さんも前々から好いていた男とようやく結ばれたらしいな。その幸運、小生にも分けちゃくれないか」
「お生憎様。分けてあげられるほど私の幸せは私達夫婦だけのものなのよ」
晴れて結ばれたキューティーハニーに幸せを分けてほしいと頼む劉席だったが、素っ気なく断られてしまった。
すると此処で劉席が武器である鉄球に跳び蹴りを入れて前方一直線に吹き飛ばす「厄玉突進」を繰り出した。標的はなんとミュウレタスであった。レタスは駆け足で急いで離れようとするが、運悪く足元の石に躓いてしまい転倒してしまった。誰もが巨大鉄球がミュウレタスに直撃してしまうと思われた、その瞬間。怪力自慢のセーラージュピターがメタルバードの両足を掴んで持ち上げると有無も言わさずメタルバードで放たれた鉄球を打ち返して見せた。
「う、うわっ!」
打ち返された鉄球に押し返されてしまった劉席は地面に転倒してしまい怯んでしまう。
一方で無断で自分を使って鉄球を打ち返したセーラージュピターにメタルバードは頭を真っ赤にして睨み付けていた。
「まこと、貴様……!」
「い、いやぁ……反射的に掴んじゃったっていうか……」
自分を棍棒代わりに振り回して飛んできた鉄球を打ち返したセーラージュピターに立腹するメタルバードだが、彼女は条件反射で思わず行動に移ってしまったのだと弁論する。
その一方で鉄球を打ち返された劉席は再び態勢を立て直し、眼前の聖龍隊に挑んでいく。
「お前さんの治癒能力でも、小生の不幸は治せないだろうな」
「確かに……それはごめんなさい」
聖龍隊でも屈指の治癒能力を持つナースエンジェルですら自身の不運を癒すことはできないと拗ねる劉席。これにナースエンジェルは率直に謝罪する。
「前々から言おうと思ってたんだがね……仮想世界と現実の世界は違うんだよ! 小田原修司は現実世界も物語みたいにハッピーエンドにしようとしてたが結局は無理だったじゃないか!」
「それでも私たちは信じているわ。修司君の理想……いえ、夢がいつか必ず叶う事をね!」
仮想世界で戦うコレクターユイ達に、現実の世界と仮想世界は違うために小田原修司の悲願も無理だと主張する黒劉席。だがこれにコレクターユイはいつか必ず叶うと反発する。
「頼む……お嬢の事もあるんだ。お前さん達とは戦いたくはないんだ!」
「それじゃ新世代型達を解放してあげてください!」
「あの子たちは至って普通の二次元人なのよ!」
「そりゃ、多少は戦闘能力のある子もいるけど、特別秀でた訳じゃないんだから!」
「あなたは本当は正直者で噓のつけない御方……どうか争いをやめてください」
自らがお嬢と慕うCLAMPキャラの九軒ひまわりと同様のCLAMPキャラである木之元桜/獅堂光/龍咲海/鳳凰寺風の四人と戦いたくないと本音をこぼす劉席。だがそれには新世代型を含む一般の二次元人達を解放してと告げる4人。
「くっ、お前さんは相も変わらず卑怯だな! レーザーで狙い撃ちしてくるとは……!」
「誘拐した貴方に言われたくないわ!」
上空から飛来してレーザーで狙撃してくるちせの射撃を鉄球で防ぐ劉席は、飛行しながら射撃してくる彼女を卑怯呼ばわりするが逆に誘拐した劉席の方が狡いと反論するちせ。
更に其処へミュウミュウズが連携攻撃で劉席を叩きのめそうとするが、戦い慣れた劉席はこれもまた容易く回避してミュウミュウズに一言。
「そんなに調子が良いと逆に不安にならんかね、倍返しじゃ済まないんだぞ……」
そして遂に劉席の方からHEADに攻撃の手を仕掛け出す。彼が最初に目を付けたのは力勝負慣れしていないマーメイドメロディズの七海るちあだった。
劉席はるちあに急接近し、彼女が武器として用いる人魚のマイクと自身の鉄球を激しく連打させて周囲に衝撃波を発生させる。
「お前さん達の唄じゃ、小生の不幸までは拭い切れないだろうよな! お前さん達自慢の唄声でもな!」
「そ、それは…………ほんとにごめんなさい」
互いの武器を激しくぶつけながら対話する劉席とるちあ。劉席はるちあたちマーメイドプリンセスの唄でもっても己の不運までは消せやしないと立腹するのに対し、るちあは多少の罪悪感を覚えてしまうのである。
そして互いの武器を激しくぶつけ合っていた劉席とるちあの衝突は早々に終わった。元々るちあ達の持つマイクは打撃武器などではないので、簡単に剛力タイプの劉席の鉄球に弾かれてるちあは吹き飛ばされてしまう。
「きゃあっ」
後方に吹き飛ばされるるちあ。そんな彼女に容赦なく劉席は追討ちをかけ、まずは吹き飛んだるちあの背後に回り彼女の背中を掴みかかる。するとジャーマンスープレックスを何度も何度も回転する様にるちあの脳天に叩き付け、最後には御得意の回転パイルドライバーでるちあを地面に埋めてしまったのだ。
「相も変わらず……! 女相手にも容赦ないな!」
「へっ、これもまた……小生の知略って奴さ」
女性隊士にも容赦のない凶悪な技を仕掛け続ける劉席にメタルバードが怒鳴ると、女相手にも手を抜かない戦法も知略だと抜かす劉席。
ここで後方で待機していた別部隊が動き、猛威をふるい続ける劉席をどうにか取り押さえようと囲み出した。
「おうおう、なんだなんだ。お前さん達も昔みたいに、小生の鉄球の餌食になりたいのか?」
自分を取り囲む面子を見て鉄球で痛め付けられたいのかと問い詰める劉席。しかし聖龍隊は劉席の言葉に怯む事無くかかっていった。
「アウッ、そんな鉄球、おれのスーパ~~なパンチで粉々にしてやるぜ!」
「お前さんの機械仕掛けの剛腕で壊れていたら、2年前は苦労してなかったよ」
劉席が武器に用いる鉄球を機械改造している剛腕で破壊しようと宣言するフロートであるが、劉席は2年前から改造している彼の腕で鉄球が壊されていれば早々に自由になれていたとぼやく。
「ようっ、お前さん達は相も変わらず影が薄いな。まあ、妹の部隊に見せ場全部持っていかれちまっているから仕方ないか。ある意味、小生と同じで不運だよ、お前さん方は」
「一緒にしないで! 私達とあの子たちは別とは言え、頑張っているのは変わりないのよ」
主役級ではない立ち位置のキャラ故に目立った活躍が見受けられない現状を突き付けられ立腹するエレオノールら「ゼロの使い魔」の面子は、目立ってない自分達の現況と劉席の不運を一緒にされて少しばかし腹を立てた。
「そっちも変わらず仲の良さそうなチームだな! どうだ? 小生の軍に入隊しないか?」
「ごめん被る!」
息の合った連携を見せる【ソウルイーター】の面々に自軍への入隊を勧めるも、全員一緒になって一括されてしまう。
「お前さんも同じだぜ! 美味しいところは全部スター・コマンドーに持っていかれて、自分らの活躍には誰も見向きもしてくれない。不満の一つもないのかね?」
「不満なんて感じた事は一度もないわ。薫ちゃんも葵ちゃんも、紫穂ちゃんだって自分のやれる事を懸命に頑張っている! そんな仲間に不満なんて感じた事なんて一回もないわ」
目立った活躍など、全て人気を総取りしているスター・コマンドーに取られている事実を述べる劉席。これに梅枝ナオミは彼女達は彼女達で悩み、頑張っている事を述べ返し、劉席が繰り出す鉄球をサイコキネシスで押し返す。
「射撃なら小生、得意じゃないか、殴り合いなら自信があるぞ! その武器を置いて素手でやり合おうじゃないか!」
「そんな手には乗らないわ!」
射撃は不得意と称する劉席に武器を置いて素手で戦い合おうと告げられる高町なのは達。だが彼女たちは劉席の挑発に乗らず、遠距離から牽制射撃を続ける。
「小生の剛腕とお前さんらの剛力……どっちが上か今決めようじゃないか」
「筋は通す……と、言いたいがアンタと俺らじゃ勝負にならないと思うぞ」
どちらの剛力が上か決着をつけようと言い出す劉席に金剛番長は勝負にならないと言う始末。
「この世にはAKUMAよりもおっかないものがあるのを知ってるか……小生の不幸の星だ!」
アレン・ウォーカー達には、彼らが日ごろから死闘を繰り広げているAKUMAよりも恐ろしいのは不幸の星の下に生まれた自身の不運であると告げる劉席。
そんな鉄球を縦横無尽に自由自在に振り回す劉席を止めようと、遠距離からミラールが巴マミと暁美ほむらと共に劉席に向けて一斉射撃。だがこの射撃に劉席は敏感に反応し、鉄球を両手に持ち替えると鉄球で自分に向けられる銃弾を全て防いで見せた。
「はっ、お前さん達の遠くからの射撃なんて、もう小生は慣れっこなんだよ!」
「ッ……!」
射撃は既に全て見切った発言を述べる劉席に口元を歪ませるミラール。
だが全ての銃撃を見切った劉席に、今度はアラジン/アリババ/モルジアナの三名が一斉に襲い掛かり、劉席を止めに入る。
「おっと」
だが劉席は三人の一斉攻撃をかわし、かわした直後に厄玉突進でアリババを狙った。しかしこの攻撃をモルジアナが繰り出された鉄球に一蹴り入れて跳ね返してしまう。
「うおっと、相変わらずの力だなお嬢ちゃん。今の小生のように手枷を外されて自由になった反動かい?」
モルジアナが元奴隷であった事実を知っている劉席の言動に、モルジアナは表情を微塵も変えず劉席と対峙する。
「本来ならお前さん達にこそ手枷ってのは必要なんじゃないのか? なんせマフィアのゴロツキといわゆる暴力団みたいな組織なんだしよ」
互いに距離を置いて接戦する【家庭教師ヒットマンREBORN!】と【ぬらりひょんの孫】の面々に、手枷が必要なのはお前達だと挑発する劉席。
「お前さんの傀儡使いでも、小生の自由までは奪えはしないぞ! 作者は死んで、悪役共はみんな強制収容所に投獄されたみたいだがな!」
自身の人形を操る術では相手の自由までは奪えず、更に原作者が死んだ事で曖昧になった環境を打破するために敵対してた悪役は全て強制収容所に投獄されて光無き人生を歩んでいる事を指摘される鹿島リン。
「バーニング・アロー!」「アイス・キャノン!」
「おっと。お前さん達の技も全部見切ってるぜ。たまには別の能力でも使ってみたらどうだ? って、そりゃ無理か」
炎の矢と氷の砲撃で劉席を攻撃しようとするナツ・ドラニグルとグレイ・フルバスター。だが二人の攻撃も頑丈な鉄球で防がれてしまい、しかも劉席にいつも同じ技ばかりではなく別の能力も使えたら使ってみろと挑発される始末。
「この、このっ!」
「おお、おお! こんな殴り合いなら、小生大得意だぞ」
ハチカヅキで殴りにかかる月光相手に劉席も鉄球で応戦。凄まじい力と力のぶつかり合いは鬼気迫るものであった。
「ヒーローマン! 月光くんを援護するんだ!」
ハチカヅキで応戦する岩崎月光を援護するため、パートナーのヒーローマンに向かうよう指示を飛ばすジョーイ。だがヒーローマンが劉席が構える鉄球に稲妻の拳を直撃させるが、劉席は多少後ろへと押し返されただけでビクともしなかった。
「劉席さん、体だけはとにかく頑丈だからな~~」
「おいおい、そんなに褒めんなよ!」
戦況を傍観している劉席軍の兵士から呆れられるが、劉席本人は思わず照れてしまう。
更に劉席は自身に向かってくるデジモン、そしてくだ狐達までも鉄球を振り回すことで発生させた竜巻で意図も簡単に吹き飛ばしてしまう。
「へっ、そんな小物程度じゃ小生は止められやしないぞ!」
デジモンやくだ狐を小物扱いする劉席の発言に、パートナーの工藤タイキ達や葉月いずなは表情を強張らせる。
そこに今度は日ノ原革と門脇将人が二人がかりで劉席に斬りかかるが、これもまた防がれてしまう。
「へっ、相変わらず極悪人面してるな将人の坊主。どうだ? 小生と一緒に、この天下を掌握してみないか……」
「フザケルナ!」
半ば冗談で言ったにも拘らず激怒してしまう門脇将人の様子に、流石の劉席も一驚してしまう。
「な、なあ、劉席の旦那。同じオッサン同士、ここは話し合いで解決しないか?」
「その手には乗らないぞワイルドタイガー! そうやって小生が油断した瞬間にテメェらの能力で小生を倒そうって魂胆だろ」
争い事を好まず、話し合いで解決したい姿勢を示すワイルドタイガーだが、疑心暗鬼に囚われている劉席には通じなかった。
「釘パンチ!」「っ!」
トリコが繰り出す強烈な釘パンチを鉄球で辛うじて防ぐ劉席。すると今度は劉席の死角から六道りんねが巨大鎌を振りかざして接近、攻撃してきた。
「あぶなっ!」
危うく首が切断されかねないと判断した劉席は素早くりんねの攻撃を回避し、体制を立て直す。
その後も聖龍隊からの斬撃/射撃/砲撃/打撃などの攻撃を全て頑丈な体力と的確な判断力で回避していく黒劉席。聖龍隊と劉席の戦いに目を見張る新世代型たち。
だが、彼らの戦いを険しい顔つきで傍観する赤塚組に誰も気づいてはいなかった。
[過去の因縁と穴蔵計画]
劉席との戦いは、本来表立った戦いには参戦しないマン・ヒールズも加勢に加わり、劉席を追い詰めようと試みる。
「マン・ヒールズ。元は同じ囚人同士、ここはいっちょ仲良く小生と手を組まないか?」
「私達と一緒にするって事は……それ相応の覚悟はできていると思って良い訳ね」
常日頃より世間から蔑視されてるマン・ヒールズ。そんな自分たちと一緒にした時点で地に堕ちていると警告に似た発言を劉席に述べるミスティーハニー。
すると黒劉席とマン・ヒールズが激闘を繰り広げていた、まさにその時。
「やいっ、劉席!」
静かな怒りにも捉えられる表情で戦いを傍観していた大将が、ついにその重い口を開いて劉席を呼びつけた。
「おっ、その声は……赤塚組か」
「さっきから黙って見てりゃ、好き放題にやりやがって……まだ性懲りもなく悪巧みか!」
「性懲りもなくは余計じゃ! 小生は今度こそ、幸運の星を掴んでやるんだ! もうお前さん達とも関わらねえよ」
この時の赤塚組大将と黒劉席の会話の最中、二組の心理が新世代型たちの脳裏に流出してきた。それは二組の過去に関する記憶だった。劉席は囚われの身であった経緯から、ある軍によって利用され、事もあろうに赤塚組の集落に進攻したのであった。その中にはまだ幼い子供やか弱い老人も居り、最終的には仕掛けた張本人を聖龍隊に見せかける為に彼らの軍旗を置き捨てて去っていったのであった。この過去の経緯は既に2年前に決着はついているものの、赤塚組は自分の家族や仲間たちを強制されたとはいえ虐殺した黒劉席に未だ反感を抱いていたのだ。
この様な経緯から赤塚組頭領、赤塚大作は未だ猛威を振るい続ける黒劉席に向かって歩き出した。
「おうおうっ、変わらなねえ野望を抱くのはまだ良いとして……幼気なガキ共を搔っ攫って利用しようとするとは見過ごせねえぜ! この赤塚大作、鉄球振り回す知略家を、あ、成敗してくれようぞっ」
勝気溢れる歌舞伎口調交じりの啖呵を切った大将は、以前より常に背中に背負っていた武器、破槍を右手に持ち出すと一気に劉席へと迫っていった。この大将の攻撃態勢に、劉席も合戦する。
「カラクリなら、穴ぐらい一瞬で掘れるってもんよ!」
「ふん、汗水流して真心込めて掘るのが劉席流なんだよっ!」
穴掘りぐらいカラクリなどの機械を使えば早々に済むと啖呵を切る大将に対し、劉席は真心込めて掘り進めるのが自己流だと突っぱねる。
「あんた、相変わらずそのまま碇に使えそうだな……どうだ、俺の船に来ねぇか?」
「しょ、小生を海に沈めるつもりかーーっ!?」
破槍を振り回す大将に応戦する劉席は、大将が言った冗談混じりの台詞に本気で抵抗する。
と、ここで先ほどより聖龍隊との戦いから見てきた新世代型たちが劉席が扱う鉄球について衝撃の事実に気づいた。
「あの鉄球……どんな攻撃を受けても何ともない」
そう、鉄球は炎や氷・電撃などを受けてもビクともせず、頑丈さを保っていたのだ。
「あれだけ暴れてもビクともしねえ……昔から、何て頑丈な手枷、いや鉄球だ……」
この頑丈さには同じく戦いを見守っていた劉席軍の兵士も2年前の手枷から今の鉄球に続いて頑丈だなとほどほど感心してしまう。
すると此処で劉席の様子に変化が。先ほどからの聖龍隊との攻防から連続で戦ってきたために体力が底をつき始め、足元がふらつき始めたのである。
「今よ!」
足元がふらついた劉席を目の当たりにした大将は、今かとばかりに燃え盛る破槍を振り回して一歩一歩と前へと歩き出す。
「大将! 大将! 大将! ……」
何処からともなく聞こえてくる大将への声援に応えるよう、大将は足元がふらつく劉席の前まで歩み寄ると一気に振り回していた破槍を劉席に向けて振り下ろした。
「なぜじゃああああああああああああぁぁあああぁぁ!!」
頭上から振り下ろされると同時に着地した途端、苛烈な爆炎が劉席を飲み込み、劉席は断末魔を上げて遂に倒れたのだった。
「やっぱりツイてなかったか……」
倒された劉席は尻餅をついて、その場に座り込んで今日も不運だったとしょげ返ってしまう。
「畜生! 容赦ないな、お前さん達は!」
腰を下ろして自分を寄って集って叩きのめした聖龍隊と赤塚組に文句を述べる黒劉席。だがそんな彼にミラーガールが当然の如く文句を言い返す。
「貴方こそ! 新世代型たちを利用して、また性懲りもなく何か企んで……」
すると新世代型たちでテレパスを持つ琴浦春香と斉木楠雄が話し出した。
「この人、どうも私達が何かとてつもない凄いことができる二次元人だって思い込んでいたらしくて……」
「それで誘拐して、強引にでも自軍に取り入れようとしていたみたいですよ」
この発言を聞いて劉席は驚いた。
「な、なんと! お前さん達、小生の考えが分かるのか?」
「ああ、それなんだが……」
驚く劉席にジュピターキッドが訳を話した。彼ら新世代型たちが共有感知という能力が発動し、互いの思考を共有してしまう事。そしてテレパスのある新世代型たちから伝わった思考を、新世代型二次元人達が知ってしまう経緯を劉席は伝え聞いた。
「ふ~~ん、なるほどな。要するにお前さん達は小生のような知略家の策謀までも見通しちまうって訳か。そりゃおっかない事だな」
自身の企みを見通す能力を持つ新世代型二次元人を末恐ろしく言う劉席に対し、新世代型でテレパスの斉木楠雄は平然とした面構えで劉席に言い返した。
「いえ、あなたの場合、僕らのテレパスとかが無くても簡単に策謀とか他人に分かってしまいますよ」
「な、何だって!?」
斉木の発言に飛び上がるほど一驚する劉席に、続けて同じテレパスの琴浦春香も劉席に物申した。
「と、というか……劉席さん、でしたっけ? 何だか、その…………企みとか悪知恵がモロに顔に出てて、別に心読まなくても謀略とか分かっちゃいますよ」
「ガっーーーーーーン………………」
自身の謀略が全て表に出てしまっていると改めて言われた劉席は、ショックの余り固まってしまう。
「……まっ、別の意味でいえば嘘のつけない人って事さ」
ショックで固まってしまう劉席を目の当たりにして呆然としている新世代型たちにジュピターキッドが、要するに黒劉席は嘘がつけない正直な人間だという事を付け足す。
しかし心の頑丈さも桁違いの黒劉席はスグに元気を取り戻し、今仕方の戦いで自分を負かした聖龍隊総長メタルバードに申し開いた。
「銀の
「生憎、こっちにはジュニアが健在なんだよ、軍師は間に合ってる。それに……修司がいなくなったからってオレらが弱くなった訳じゃない」
事もあろうに劉席は、前総長小田原修司がいなくなった事で戦力が半減してしまった聖龍隊に軍師として自分と手を組もうと言い出してきたのだ。だがこれにメタルバードは軍師としてジュピターキッドが間に合っている事と、修司がいなくても自分たち聖龍隊は決して弱くなった訳ではないと
すると劉席は自慢げに己の策謀をメタルバードたちに語り始めた。
「まあ、そういうなって。小生には小生の考えがあるんだ」
「考え?」
「その通り! この小生の……黒劉席の明るいアジア、穴蔵計画じゃ!」
劉席は愛用の鉄球を素手で優しく磨きながら熱く語り始めた。
黒劉席が発した『アジア 穴蔵計画』と時を同じくして行われた、将軍・足正義輝の『現政奉還』
劉席はアジア全土に自身がの軍隊が進軍できる為の穴蔵を掘り進め、進攻に有利な状況を密かに作り出していたらしいのだ。
「策略? どういう事だ、劉席さん」
「今は小生を信じて……掘って掘って、掘りまくれィ!」
自軍の兵士たちから時には困惑の目を向けられながらも、劉席は兵士たちと共に地下をひたすら掘り進み、巨大な坑道を形成したのであった。
そんな熱い話を語っている劉席に、再び戸惑う兵士が訊ねると劉席は堂々と言い放った。
「なあ、劉席さん。まだ掘り続けるのか、俺たち?」
「ああ! まだまだ掘るぞっ! 掘り進む先に、小生達の未来があるんだよ!」
「俺たちの、未来……? 劉席さん! ひょっとしてあんた、まだ天下を……!?」
兵士たちは驚いた。黒劉席、今の今まで散々な悪運によって活路を絶たれ続けていた男は未だアジア統一の野望を夢見ていたのであった。
そして黒劉席は、自分達が掘り進めた地下道の凄さを淡々と聖龍隊たちに熱弁していき、自分らと組めばアジアの混乱をも早々に沈下できると説き伏せる。
しかし聖龍隊もバカではない。劉席は隙をついてアジア統一を企んでいるのは目に見えていた。しかしこのまま放置しておくのも、返って危うい事態に至り兼ねないと踏んだHEADは決断した。
「ふぅ、分かった。お前達の地下道は確かに凄い。ここはひとつ、アジアを横断するのに少しばかし地下道を貸してくれや」
「おうっ、そう来なくっちゃな! そんじゃ、同盟同盟って事で一つ」
そういうと劉席は右手を前に突き出し握手を求めた。メタルバードも監視の意味合いも込めた形だけとはいえ、劉席とは握手を交えて互いの同盟を称え合った。
聖龍隊と黒劉席軍の同盟。これには新世代型二次元人達は驚き何も言えなかった。
そして過去に劉席軍によって集落の仲間達を殺された赤塚組は、今ではすっかり反省している劉席の真情を察して同盟に関しては何も言わなかった。
[穴蔵から出てみたら]
過去からの不思議な因縁で、どこか憎めない性分の武将 黒劉席と同盟を結んだ聖龍隊。
今、彼らは劉席軍の道案内で広い坑道を突き進み、安全な地帯へと導かれていた。
しかし本当に坑道というか地下道は脈々と張り巡らされて、本当にアジア全土にまで地下道が掘り進められているのかと思ってしまう程の広大な代物であった。
「しっかしなあ! 昔は色々とあったお前さん方と同盟を結んじまったとは……これもある意味、小生に運が付いてきたって事なのかね」
「は、ははは……(お前をそのままにしていたら、余計に戦況が混乱しちまうから仕方なく同盟してやってるだけだ!)」
昔は敵対してた事もあった聖龍隊と再び同盟を結べた経緯から自分に運が回ってきたと思い込む黒劉席であったが、メタルバードたち聖龍隊は謀略が顔に出やすく不運で更なる混乱をも招かねない黒劉席を放っておく事ができず、監視の意味も込めて同盟を結んだまでであったのだ。
すると此処で黒劉席は、同盟を結んだ聖龍隊の面々に軽々しく話しかけてきた。
「なあ、CLAMPのHEAD! お嬢は元気でいるか? あれから2年は経つが、お嬢の事を気にしなかった日々は無かったぜ」
「ああ、それなら朗報です。ひまわりさんは今では立派な彼氏さんができて、結婚の約束もしているんですよ」
「彼女の場合、自分じゃなく周囲の人間に不幸を撒き散らしちゃう厄介ない体質だったけど、それでも幸せにはなれたのよね」
「だから劉席さんも大丈夫だって! こうして私達と同盟も組めたんだし、きっといつか花開くことがあるって!」
「希望を捨てず、諦めないでください」
「うう……身に沁みる言葉だぜ。ありがとよ……っ」
2年前に乱世で、一般人からの救難部隊の要因として派遣されたCLAMPキャラの九軒ひまわり。彼女は自身ではなく周囲の人間を不幸に導いてしまう悲しい体質を持ってしまったが為に、同じ不運の星の下に生まれた黒劉席とは理解し合えた過去があった。そんな彼女にも将来を誓い合った相手ができた事を風/海/光/桜のCLAMPキャラから知らされ、更には激励された劉席は思わず感極まって涙ぐんでしまう。
「がっはっはっはっは! それにしても、元同じ囚人とは思えないほど、お前さん達も名が挙がったな。小生以上の悪人どもだったって言うのによ」
「それを言わない。過去は変えられないもの……だからこそ未来を、どう生きるかで人の一生は決まるものなのよ」
「はっはっは! それも鬼神の受け売りか? 相変わらず鬼神の畏怖には恐れられてると見たな!」
同じ囚人であったにも関わらず、今では知名も上がりつつあるマン・ヒールズに自分以上の悪党だったと豪語する劉席の言葉に、リーダーのミスティーハニーは冷静な態度で過去は受け入れ未来を生きる事を伝え返す。が、劉席はそれも前総長にして鬼神と恐れられた小田原修司の受け売りであり、マン・ヒールズが未だに小田原修司を恐れ戦いていると摘発する。
聖龍隊と和気藹々とした会話を重ねていた黒劉席の話の矛先は、先ほどまで自分が利用しようと捕えてしまっていた新世代型たちに向いた。
「お前さん達も済まなかったな。小生は常日頃より、どうにかツキを掴もうと必死だったんだよ」
「も、もう良いですって……」
深々と頭を下げる劉席の謝罪に、新世代型の真鍋義久はそれ以上の謝罪を鬱陶しく感じ拒んだ。
するとその時、真鍋の横にいた琴浦春香が黒劉席の両手首にある違和感に気づいた。先ほどまで戦闘用で使ってた巨大鉄球は、穴道車で移送しているため彼の今の両手は自由なのだが、その手首には深々と痛々しい傷跡がハッキリと見られたのだ。
「りゅ、劉席さん、その手……」
思わず訊いてしまった琴浦。彼女の質問に劉席は痛々しい傷跡をマジマジと眺めて一言発した。
「ああ、これな……ちょいと昔に、な」
この思い詰めた劉席の顔つきに只ならぬ事情を察する琴浦春香。だが時既に遅く、彼女を始めとする新世代型たちの脳裏に黒劉席の過去が詳細に描写されてしまった。
2年前の中国、その頃から劉席は政権の言いなりで汚い仕事にも平然と手を出すほどの落ちぶれた高官だった。それが2年前のアジア大革命によって、多くの国々の政権が崩壊する中、最も被害を被ったのは長きに渡って市民を弾圧してきた中国政権であった。その政権の中核に関わっていただけで劉席は反旗を起こした民衆に捕らえられてしまい、巨大鉄球付きの手枷を両手に嵌められて幽閉されてしまった。だがその後も連続で勃発する混乱に乗じて自力で幽閉から脱出。自らが指揮する自軍を構成し、黒劉席軍という独立軍を結成。だがその後も持ち前の不運から他の武将の良いように扱われたり謀略に利用されたりと、散々な目に遭ってきたのだ。だが最後は鬼神 小田原修司の一刀が軽く手枷を叩いた瞬間、今までどんな手段を講じても外せなかった手枷が見事大破。こうして劉席は自由の身と相成ったのである。
この様な薄暗い過去を背負う黒劉席に、彼の前向きな性格からは微塵も感じられないシビアな過去に新世代型たちは愕然とし、中には蒼然と蒼褪めた表情で立眩みをする者までも現れた。
「だ、大丈夫!? 琴浦さん」
「おい、急にどうしたんだよ真鍋!」
突然蒼褪めた表情に一変した琴浦春香や真鍋義久ら新世代型たちを認識して、親友であるチョコやギュービッドは慌てて駆け寄る。
すると、その様子を見ていた黒劉席が新世代型たちの急変に気付いた。
「っ……お前さん達、どうしたんだ? ははぁ、さては悪いもんでも食ったな。駄目だぜ、拾い食いはよ」
「って! 他の人たちならまだしも、私が拾い食いするとでも思っているんですか!? 失礼ですわ」
拾い食いしたと冗談交じりで言った劉席の言葉に、新世代型の薙切えりなは腹を立ててしまう。だが彼女の「他の人ならまだしも」という発言に、他の面々は彼女に怒りの矛先を向ける。その感情を新世代型の共有感知で感じ取ったえりなは自分に反感を向ける皆々に鋭い目を向けて強く言い返す。
「何よ!」
反省の顔色一つ浮かべないえりなに、同じ新世代型の真田幸介がえりなに文句を言ってきた。
「おい、そこの姉ちゃん! なに自分が悪いこと言ったくせに謝りもせず逆ギレしやがるんだ」
「まあ、生意気な子供ですこと!」
「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ!」
と、険悪な空気が漂い二人は一触即発の状態に陥り掛けていた。そこに聖龍隊のマン・ヒールズの森あいが間に入って二人を仲裁する。
すると未だ立腹するえりなは、今度は仲裁に入った森あいに向かっても暴言を吐き散らした。
「触らないでくれない! 元凶悪犯罪者の片棒を担いでいたあなたたちマン・ヒールズとなんか関わりたくもないわ!」
このえりなの言葉に、マン・ヒールズの面々は心に深い傷を負った。過去の罪は消えない、ゆえに贖罪として今の人生を歩んでいる。むしろ、その生き方に賛同してくれる理解者は多くはない。
より一層、険悪な空気で満たされる坑道内でメタルバードは変える事の出来ない過去と直面する故に苦悩に苛まれる現実を改めて思い知らされる。
するとしばらく突き進んでいた一行の下に、朗報が舞い込んできた。
「お前さん達、ようやく出口だぞ」
黒劉席の言葉に皆が前を向くと、そこには一筋の光が差し込んでいた。
「や、やった! 出口だ」
「これで息苦しい地下道とはおさらばね」
地上からの光が差し込む出口を見て、大いに喜ぶ新世代型の瀬名アラタに坑道内の土臭く息苦しい環境から脱する事ができると喜々とする同じ新世代型の花園まりえ。
全員が喜びの余り思わず駆け出し、一直線に地上へと出ていくと既に大地は紅い夕日に照らされ見事なまでに染め上げられていた。
「う、うわあ……」「き、綺麗……」
久々に地上から出てきた面々にとっては、薄茶色の大地を染め上げる夕日の綺麗な情景に思わず感動してしまう。
と、みんなが地上の綺麗な夕日景色に見惚れていた、まさにその時。
チュイーーンという発砲音が聞こえ、同時に目の前を銃弾が飛んでいったのが地上に出てきた新世代型たちの目に飛び込んできた。
「な、なんだ?」
みんなが何事かと辺りを見渡してみると、そこはなんと戦場の真っただ中であった。
「おいぃっ! どういう事だ!? 安全どころか戦場の真っただ中じゃないか」
安全な地帯まで導いてやると豪語していた黒劉席に問い詰めるメタルバード。すると劉席は頭を掻きながら渋々口に出した。
「相も変わらず小生はツイてない! 掘り進んで顔を出した先が、戦場のど真ん中とはな……!」
「って!! 言ってる場合か!」
安全地帯ではなく戦場のど真ん中に出てしまうのも自分のツキの無さだと豪語する劉席の発言にメタルバードは程ほど呆れ果ててしまう。
すると此処で戦場で戦っていた野武士やテロリスト達は聖龍隊や赤塚組の存在に気付いてしまう。
「あ! あそこにいるのは聖龍隊じゃないか」「その隣には赤塚組もいるぞ!」
「イカン! バレちまった……こうなったら仕方がない。聖龍隊、新世代型たちに危険が及ばないよう細心の注意をかけながら応戦せよ!」
「了解!」
聖龍隊と赤塚組に気付いたテロリストにメタルバードは致し方なく、成敗を聖龍隊に命ずる。それに聖龍隊士も威勢よく返答する。
まず第一線の戦前に出たジュピターキッドは武器である鞭を振り翳しながら配下の聖龍隊士に指示を飛ばしていく。
「各個撃破に拘らず、一体ずつ確実に倒していけ! 冷静に対処すれば必ず勝機は我らに訪れる! 懸かれっ」
「わあああぁぁ……っ!」
ジュピターキッドの指示で一斉に戦前に飛び出していく聖龍隊隊士。その最後方ではキッドの実父であるウッズと新世代型たちが戦火に巻き込まれないようにひっそりと待機していた。
様々な重火器を用いるテロリストを相手に奮闘する聖龍隊と赤塚組の活躍を見て圧巻される新世代型たち。
だが彼らはこのとき気づいてはいなかった。
自分達を戦場の端から密かに眺めている、垂れ気味で濁った狂気に満ちた目つきをしている陰気な顔つきの男が、まるで獲物を探し求めているような眼で戦場を駆け抜けるHEADに視線を向けていた。
「見・い・つ・け・た……アハッ」
[アレンジ武将紹介]
属性:風
武器:鉄球
肩書:
登場時の書き文字
行動
一人称:小生(しょうせい)
理想CV小山力也
黒劉席軍の総大将。
元はかの中国政権の中心核、劉一族の一員だったが日ごろから不運から出世に恵まれず、2年前のアジア大戦時の革命で捕らわれて両手に鉄球付きの手枷を嵌められてしまった。
アジア大戦時は手枷を嵌められたままでも、今一度日の目を見ようと奔走を続ける最中、当時聖龍隊のアジア復興で派遣されたCLAMPキャラの九軒ひまわりと同じ不幸体質という事で意気投合。それ以来、彼女を「お嬢」と慕い「お嬢の身内は小生の身内! 何が何でも守ってやる!」と勝手にCLAMPキャラに手助けしているのだが、持ち前の不幸体質で余計な事案にまで発展してしまう事も多々ある。
現在は未だけた外れの不運にもめげずアジア全体へ地下通路を張り巡らせ、再び乱世に野望を抱いている。
劉席は鉄球をひきずるその見た目のとおり、豪快で破壊力十分の技が揃っている。ただし、移動速度と技の動作が遅い傾向にあるのが玉にキズ。
容姿
ボロボロで黄土色の袖無し陣羽織を着ており、その下に防具を身につけている。
黒い長髪を後ろで一つ結びにしており、額や目が見えない髪型にデザインされている。
顎には無精ひげが生えている。
普段は前髪で見えないが、目と眉は髪の毛と同じ黒色をしており、更に二股眉になっている。
ちなみに目つきが悪いため、素顔は悪人面に見えなくもない。
あらゆる時事を見通す優れた慧眼(真理を見通す観察・洞察力)をもっている知略家であるものの、人並みはずれた凶運の持ち主であり、チャンスが必ず逃げていく星巡りの下に生まれてしまっている。
その不運のせいで「自分にも不運がうつる」といわれてしまい、実力と人望が伴わない人物でもある。
その一方で部下たちには「劉席さん」と呼ばれるなど親しまれている節もある。劉席の方もかつて中国政権の中心人物とは思えないほど彼らには気さくに接しており、兵士たちが斜口を聞いても怒らない。
自らを穴蔵王と称し、なんとアジア全土に地下通路を巡らし天下統一を目論んでいる。
本人曰く(嘘か真かは不明だが)「南はシンガポールから北はロシアの最北端まで」繋げたアジアを縦断する大地下道らしく、その為土木技術に関してはかなりの技量を備えている。
間抜けさや詰めの甘さが目立って「脳筋」のイメージが強いが、概要でも記した通り土木・建設技術に優れていたり、極稀にだが知略を巡らせたりすることもあり、兵士の「劉席さんは文武両道」という台詞からも多少は頭が良いことは伺える。(実際に角土竜を設計したり、ガトリング付きの穴道車を作っていたりする)
そのため、ボロを出さなければ策略家としての腕もあり『必ずしも嘘とは言い切れない嘘(全くのでたらめではない嘘)』を用いることもある。
これらの力の使い処を間違っていたり、多くの人から、特に順一曰く「才能の無駄遣い」との事。
【性格】
慎重かつ大胆不敵、「アジア一の知略家」と自称するほどの自信家で、たとえどれほどの逆境や挫折が訪れようとも決して膝を屈しない不屈の闘志の持ち主。
ただ少々慢心しやすく、当人の思っている以上に感情が表に出やすい部分があり、策士としてはいかがなものかという性格をしている。
琴浦春香、斉木楠雄ら新世代型たちのテレパスからしてみれば野心を隠すのが下手→顔に出やすい→正直者とのこと
不運のせいで負けが込んでいることから少々怒りっぽく、我慢強い一方で感情の沸点はそんなに高くはない模様。
しかし、その我慢強さとポジティブシンキングさは目を見張るものがあり、恐らく相当な鋼メンタル&ギャグ要員の一人でもある。
それでもずば抜けた慧眼を駆使した知略で相手を出し抜くことには長けており、その天才軍師ぶりをいかんなく発揮している。
だがかなりのうっかり屋でもあり、彼の失敗の原因は不運だけではなく本人のうっかりも原因の一つである。
その例として、一度視野が狭くなると普通は気づくことも気づかなくなってしまうことが多いため、後で後悔することが多い。
また、余計なことを話す&口が悪さが祟って失敗したり相手を怒らせることもある。
これらの経緯から口癖が
「なぜじゃああああああああああああぁぁあああぁぁ!!」
【バトルスタイル】
知将を自負しているが、完全に力技のごり押し一辺倒のパワータイプ。
鉄球を振り回す、鉄球にしがみつき転げまわる、凶悪なプロレス技(見た目がまんまザンギのアルティメットアトミックバスターのバックブリーカーを除いた技<ジャーマン・スープレックス⇒スクリューパイルドライバー>)で敵を地面にめり込ませる、自分の技に巻き込まれて吹き飛ぶ、など、やはり知将の片鱗はうかがえない。