現政奉還記 武将達との会合編   作:セイントドラゴン・レジェンド

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現政奉還記 アジア巡行編 妖艶なる美女

[アラブの夜に]

 

 修司教からの使いで中東に拠点を置くマリアなる人物の元を訪ねる事になった山中鹿之助に、聖龍隊も同行する事となった。

 全ては、そのマリアなる女性の真意を確かめ、また聖龍隊に協力してくれるかどうかを見定める為のメタルバードの策だった。

 

「……なあ、鹿之助。そのマリアって女とは何度か対面した事はあるのか?」

「はい! 思わずバーンズさん達もうっとりしてしまいますよ、マリアさんは」

 マリアとは初対面ではない間柄の鹿之助にメタルバードが訊ねると、続いて鹿之助の返事にキング・エンディミオンが言う。

「まあ、どんな女性であろうと俺たち聖龍隊は面と向かってご対面しないとな」

 相手が如何なる人物であっても、対等なる立場で向き合う意志を示すエンディミオン。

 すると鹿之助は更にマリアなる人物の現状についても語り始めた。

「マリアさんは居住にしている宮殿で、多くの財政界の重鎮を始めとする人たちから沢山の献上品を納めているみたいです。今でも献上品の品定めをしているみたいっすよ」

「多くの男どもから貢物を献上してもらい、さらにその献上品を品定めしているのか……そのマリアって女は」

 鹿之助からマリアなる女性が、今でも多くの献上品を納めさせているという現状を聞き、メタルバードは表情を一層険しくさせる。

 乱世に乗じて多くの金銀財宝を貢がせる魔性の美貌を持つ女性マリア。

 そのマリアに聖龍隊はこれから会いに行くわけだ。

 

 するとその時、先頭を行くメタルバードに総部隊長ミラールが声をかけてきた。

「総長! 先ほどウチの者に伝達して、先陣としてそのマリアなる女性の元へ向かわせました!」

「よし、了解! マリアは魔性の美貌を持っているみたいだが、連中は大丈夫かね?」

「大丈夫、だと思いますが……女性隊士も一緒に向かっていますし」

「まあ、オレらもすぐに向かうし、心配することねえか……」

 ミラールよりスター・ルーキーズの精鋭たちを先陣としてマリアの元へ向かわせたと伝え聞いたメタルバードは、マリアの魔性の美貌に男性隊士たちが虜になってしまわないか懸念するが、自分達も即急にマリアの元を訪ねる為に慌てる必要はないかと信じ込む。

 そして彼らは一路、マリアが拠点にしているという中東アジアのアラブ砂漠へと足を進ませた。

 

 

 進行していく聖龍隊本隊が砂漠に踏み込んだとき、既に砂漠は夕暮れで極寒の気温に徹しているという厳しい環境へと変化していた。

 寒さに打ちひしがれる一般の二次元人達に聖龍隊は毛布を提供する中、当の聖龍隊隊士たちは寒さにも負けず普段と変わらぬ身なりで砂漠を横断する。

 そんな彼らが砂漠を進行していくと、目の前に黄金色に輝く巨大な宮殿が聳え立っているのが目に飛び込んだ。

 まさしくアラビアンナイトの世界から飛び出してきたかのような巨大な宮殿に、聖龍隊は圧巻される。

 そんな聖龍隊同様、突如としてアラブ砂漠に聳え立つ宮殿を見上げて絶句してしまう二次元人達。

 すると、その宮殿前に先陣として向かわせてたスター・ルーキーズの精鋭部隊その女性隊士のみが佇んでいた。

「お、お前らどうした!?」「総長!」

 宮殿前で立ち往生している様子の女性隊士たちに声をかけるメタルバードに、女性隊士の一人である鏑木楓が応答する。

 すると楓に続いてその場に駆け付けてきたメタルバードたち本隊にルーキーズの女性隊士たちが訳を話し始めた。

「あ、バーンズ! それがさ、聞いてよ……何だか、ここの人つまりマリアって人が、まずは男だけ入って来いって自分の兵士に命令してたみたいで……」

「男だけで……?」

 エンゲキブの言葉にメタルバードが首を傾げると、他の女性隊士たちも口を酸っぱくして言う。

「男を品定めするからって……ホント、何が何だか」

「ワタシは一応、中性的だから遠慮してるんだけど……ここのマリアって人、何を考えているのか。それとも単に男を見定めたいのか解ったもんじゃないわ」

 ルーシィにファイヤーエンブレムの話を聞いて、どうやらマリアが男のみを宮殿に入らせてその価値を見定めている現状をメタルバードは悟る。

 と、その時。「うわあっ!!」と、宮殿内から悲鳴が聞こえてきた。

「こ、この声!」「間違いない、先に行った連中の声だ!」

 悲鳴を聞いて、ミラーガールにメタルバードはその悲鳴が先に宮殿内に進入したルーキーズの精鋭男性隊士の悲鳴だと認識する。

 この悲鳴を聞いて、思わず居ても立ってもいられなかった面々は颯爽と宮殿内に進入した。

 聖龍隊の咄嗟の行動に、どうすればいいのか立ち往生してしまうシバ・カァチェン。すると彼が護衛している筈の二次元人達が先に駆け出してしまう。

「あ、皆様……どうなさるおつもりで……?」

 カァチェンは何の命もないまま飛び出して行ってしまう二次元人達に声をかけると、新世代型の一人である瀬名アラタがカァチェンに言った。

「だって、どうせ後から動くなとか黙って見てろとか指示されるぐらいなら、自分の意志で動いた方が得じゃないか!」

「! 自分の意志で動く方が、得……!」アラタの台詞に衝撃が走るカァチェン。

 そして多くの二次元人達が聖龍隊を追って宮殿へと入っていくのを視認したカァチェンは、やむを得ない心中で彼ら二次元人と共に宮殿へと踏み込むのだった。

 

 何事もなく、宮殿最深部へと到達したメタルバードたちが其処で目撃したのは、煌びやかな内装だった。

 煌びやかな内装に唖然としていると、少し上の方で「フゴ、フゴ」という口に布を押し当てたような曇った声が聞こえてきた。

 誰もが上方へ目を見上げてみると、そこには緑色の布でほぼ全身を包まれていた男性隊士たちの姿が。

「み、みんな!」

 天井から吊るされるルーキーズの精鋭男性諸君を見て、ミラーガールが一声を上げる。

「フゴ、フゴッ」

 煌びやかな宮殿の屋根に、緑色の帯でぐるぐるに全身を縛り付けられ、喋る事すら侭ならないルーキーズの男性隊士が宙づりにされている現状を目の当たりにし、メタルバードが一声を口に出す。

「お前ら……なにモビールごっこしてる訳?」「フゴ~~っ!!」

 この状景を前にメタルバードは、宙づりにされている彼らにモビールの様だと呆れていた。

 

 すると宮殿内部へと進行した聖龍HEADの前に、天井から先陣のルーキーズを縛り付けた帯状の布と同色の衣装を身に纏う女性が布を使って降りてきた。

「また騒がしいわね……品定めも満足に出来ないじゃない。あら、また新しい客人?」

 天井から舞い降りたその女性は、緑色の踊り子のような姿をした実に妖艶な美貌の女性であり、女性は目前の一同を前にして悠然と立ち振る舞ってた。

「貴方もまた……妾が欲してくて手を伸ばすのね♪」「お前は……」

 その妖艶な美貌の女性を前にメタルバードが険しい表情で名を訊ねると、女性は地に降りて片手で布を靡かせながら答えた。

「でも、どうかしら……? 貴方は妾を奪うのに相応しいかしら……?」

「………………」

 妖艶な美貌を靡かせる女性を前に睨みを利かせるメタルバードに、ようやく女性は名乗った。

「妾の名は、マリア……この宮殿の主よ♪ よく来てくれたわね、聖龍隊の総長さん」

「オレの事を知ってるようなら話は早い。ウチの若いのを解放してもらおうか」

 天井から舞い降りた女性がこの宮殿の主マリアだと知ったメタルバードは彼女に仲間であるルーキーズの男性隊士の解放を求める。するとマリアは「ふふっ、いいわよ」と妖艶な笑みで受け答えると、天井から伸びる紐を緩めてルーキーズの男性隊士たちを解放する。

「うわっ」

 突然自分達を巻き付けていた布が緩んだことで地面に落下してしまうルーキーズの男性隊士たち。

「りんねくん、みんな! 大丈夫?」「アリババさん、しっかり……」

 解放された男性隊士に駆け寄り、声をかけていく間宮桜にモルジアナ。

 すると仲間である聖龍隊士を拘束され、黙ってはいられないメタルバードがマリアに戦意を向ける。

 だが戦意を向けられたマリアは全く動じることなく、悠然と目の前のメタルバードの隣に佇む山中鹿之助に声をかけた。

「ふふっ、鹿之助……修司教からの贈り物、ありがたくいただくわね。それと、聖龍隊というちょっとは価値ある部品(もの)まで献上してくれるなんて妾は嬉しいわ♪」

「はぁ~~、それはどうも。マリアさん……」鹿之助はすっかりマリアに骨抜きにされていた。

 そんな鹿之助は放っておいて、メタルバードは改めてマリアと対話し出す。

「お前さんがマリアか。現政奉還に乗じて、多くの権力者から貢物を献上させているのは」

「あら、人聞きの悪いこと言わないで。献上させているんじゃなく、みんなが挙って妾を求めて献上品を差し出しているの。誰も無理やりに献上させている訳じゃないわ」

 メタルバードの睨みに、マリアは微笑みながら周囲の権力者の方から自分に対して献上品を差し出している訳で、強要させてはいないと答える。

 するとマリアは物欲しげな口ぶりでメタルバードに提案を持ちかけてきた。

「っ、丁度良かったわ! 妾、献上品の山に埋もれてばっかで退屈してたの。あなた達、妾の相手をしてくれるわよね?」

「な、何を勝手なことを!」

 マリアの身勝手な物言いにセーラーマーズもその他の一同も唖然と反論するが、マリアはその美しい身を包む布を靡かせて臨戦態勢に入ってしまう。

「あのマリアって女、見た目に反して相当の手慣れかもしれねえ……ルーキーズの精鋭と言える男どもを手玉にしたぐらいだ。本気でかからねえと逆手に取られる……!」

 メタルバードは臨戦態勢に入るマリアを目の当たりにし、自らも両腕を刃に変形させて態勢を整える。

 更にメタルバードは、成長の糧となる事を望んでシバ・カァチェンに命じた。

「カァチェン! オレの背後は任せた……この女に一泡吹かせてやろうぜ!」

「! しょ、承知仕りました……」

 一般二次元人達と共にマリアの元へと駆け付けたカァチェンは、突然の命に驚きながらも対応する。

 

 そしてやむを得ず、マリアとの一戦が開始された。

 

 

[見定めるマリア]

 

「良いわ、丁度物足りなかった処だもの……貴方という名の献上品、妾が受け取ってあげる♪」

 

愛染艶花 マリア 品定

 

 妖艶な笑みを常に浮かべて、緊迫した状況でも余裕を垣間見せるマリアを前にメタルバードとカァチェンの緊張は高まる。

 するとそんな緊張する二人に、マリアは衣から零れ落とす様に布をヒラヒラと操り、二人目掛けて飛ばしてきた。

「避けろ、カァチェン! この布はトリコの様な屈強の男すらぐるぐる巻きにしちまうほどの強度だ!」

「ぎょ、御意!」

 屈強な聖龍隊士ですら雁字搦めに巻き付き、動きを封じさせてしまう布での戦法にメタルバードは注意を促す。

 メタルバードは布を避けつつも、飛ばされてくる布を一枚一枚斬りおとしていく。

 攻撃され、メタルバードもここぞとマリアに攻撃を仕掛ける。が、マリアは軽く跳びはねながら華麗に攻撃を回避し、メタルバードたちを挑発する。

「ふふっ、求められるのは女の性……良いわ、いらっしゃい」

 健気に、妖艶に挑発してくるマリアにメタルバードは腕を振るう。そんな彼に仲間達が呼びかける。

「メタルバード! 俺たちも手を貸すぞ……」

 しかしメタルバードは「大丈夫だ! こんな女、オレとカァチェンで軽くひねってやらぁ!」と仲間に言い返す。

 このメタルバードの発言に、マリアは少し不機嫌そうな物言いで反論した。

「貴方、妾をこんななどと……よくも言ってくれたわね? でも良いわ、その失言も尖った口ごと縛り付けちゃえば何も言えないもの」

 すると次の瞬間、マリアは自身が操る布をメタルバードに飛ばして、メタルバードの尖った口を布で縛った。

「ッ、ムググッ……!」「ば、バーンズ氏……」

 口を縛られ、喋る事がままならないメタルバードを横目にカァチェンは激しく動揺してしまう。

 しかしマリアの攻撃はとどまる事を知らず、マリアは袖から布を飛ばして、二人を縛り付けようと企む。

 と、このマリアが飛ばしてくる布をカァチェンが逆刃薙(さかばなぎ)を回転させて、全ての布を細切れにしてみせた。

「あら? 貴方、意外にやるわね。そうこなくっちゃ♪」

 意外にも自らが発射した布を全て返り討ちにしたカァチェンの腕に、マリアは彼の腕前を再認識する。

 マリアは宮殿内部を蝶のように優雅に舞うかの如く移動しながら、再度メタルバードとカァチェンに攻撃を仕掛ける。

「ふふっ、妾と一戦交えられるなんて……至極の褒美とは思わない?」

「私にとっての玉藻前は、貴方ではない……!」

 メタルバードの口が布で封じられている中、カァチェンとマリアの一騎打ちに戦闘が発展した。

「そぉれっ♪」

 マリアは袖口から布を飛び出させ、鞭の様に振り出させるとそれをカァチェン目掛けて一直線に飛ばして攻撃。その攻撃に巻き込まれ、カァチェンは布での連撃を受けながら引き寄せられてしまう。

「楽しませてぇ♪ ほぉら♪」

 艶っぽい声で戦いを楽しみながら攻撃を展開するマリア。

 新体操のリボンの様な遠距離攻撃や、巻き付かせて身動きを封じる攻撃など、多彩な技でこちらを翻弄してくる。

「何の苦労もなく生活する、その低堕落……看過すべき理など那辺にもあるものか……!」

「貴方にそれを言われるとは、思ってもみなかったわ」

 多くの男から貢物を献上されて贅沢三昧な生活を送るマリアに反感を抱くカァチェンに対し、マリアは聖龍隊の過保護に降っているカァチェンにだけは言われたくないと説き返す。

 するとマリアが放つ布は、口を封じられ思うように喋る事ができなくなってしまったメタルバードへと布が飛来してきた。

「お仕置きよ♪」

 色っぽい声でマリアが呟くと、メタルバードの全身に緑色の布が巻き付き、雁字搦めに動きを封じてしまった。

 主戦力のメタルバードの動きを封じたマリアは、ここで更なる趣向を拵える。

「お色直しの時間ね♪」

 そういうと天井から筒状のヴェールが複数舞い降りてきて、そのうちの一枚のヴェールにマリアは身を隠す。

 と、ここでメタルバードは何とか自力で布をはぎ取り、戦前に復帰するとカァチェンと共にヴェールに隠れたマリアを必死に探す。

 そして二人は各々、これと決めたヴェールを見定めて斬り付けてみる。が、そこにマリアの姿は無かった。

「あ~~ら残念♪ そこに妾はいなくてよ」

 二人が声に気付いて背後を振り返ると、いつの間にか移動していたマリアが優雅に立ち振る舞っているのが目に飛び込んできた。

 そして再びマリアは二人に目掛けて布を飛ばして、二人の行動を制限しようと迫る。

「妾の舞で、夢見心地にさせてあげる♪」

 まるで舞うかのように布を飛ばして攻撃してくるマリアに、戦いを観戦していた二次元人達の男の中にはすっかりマリアに魅了されてしまう男性もいた。

「う、美しい……まるで天女のようだ」

 何処からともなく聞こえてくる二次元人男性の声に、女性陣は反感を抱く。

 幾度となく布を乱れ飛ばしてくるマリアの攻撃に、カァチェンはもちろん百戦錬磨のメタルバードも迂闊に近寄り辛かった。

 と、その時。二人が眼前に迫る布に気を取られている最中に、後方の頭上より迫る布切れにメタルバードもカァチェンも気付くことができなかった。

「っ! 二人とも後ろ!」

 頭上より斜め上から迫る布をミラーガールが伝えようと叫ぶ。が、二人が気付いた時には、布は二人の体を包んでしまってた。

「し、しまった……」「ッ、またかよ……ッ!」

 死角より飛んできた布に気付かず拘束されてしまったカァチェンとメタルバードは険しい面持ちを浮かべる。

 そんな二人は縛られたまま天井に吊るされてしまって、もはや相手の成すがままになってしまってた。

「ふふっ、つ~~かまえた♪」

 二人を捕まえたマリアは嬉し気に、そして気まぐれに投げキッスを二人に向けて飛ばしてくると、自らが放った布に縛り付けられて苦しむ二人をスマホで撮影し、ブログにアップし出す。

「ふふっ、また面白い顔が撮れたわ♪ 今の時代、ただの人間じゃ物足りないもの。やっぱ人外の驚異的な力というか、魅力にも関心が行くわ♪」

 撮影を終えたマリアは得意げに語ると、二人を拘束する布を更に締め付け、圧力をかける。

「ッ……!」「こ、コイツ……!」

「あらぁ、いい感じ♪」

 苦痛に表情を歪ませるカァチェンとメタルバードを目前に、マリアは満足気な笑顔で二人の苦しむ様を眺め続ける。

 しかし過激なマリアの攻撃に圧倒され、戦いを観戦していた聖龍隊も立ち往生してしまってた。が、このままマリアの自分勝手な立ち振る舞いも見逃す訳にはいかない。

 が、次の瞬間「このヤロッ!」と、メタルバードは自分の全身を縛り付けていた布を自力で粉砕してみせ、地面に降り立つ。それを目前にした一同は愕然とした。

 自身の強力でマリアの布からの呪縛を解いたメタルバードは、続いて横で縛り付けられ天井から吊るされるカァチェンを解放してやる。

「あらあら♪ 妾のラッピングは気に入らなかった? ふふっ、でも焦る必要はないわ……何度でも包んでア・ゲ・ル♪」

 するとこのマリアの台詞にカァチェンを解放したメタルバードは啖呵を切って言い返した。

「ふふ、オレ様を包める高価なラッピングはそうそうねえぜ? アンタが身に纏った布であろうともな……!」

「あら残念♪ せっかく妾だけの部品(もの)にしてあげようと思ったのに……」

「お生憎様、アンタはかなりの上玉だがオレ様の好みとは違うんでね」

「ふぅ、審美眼のない男ね。それとも、まさか超獣族そのものに審美眼が無い訳じゃないわよね?」

 メタルバードの好みではないという発言に対し、マリアは超獣族そのものの審美眼を疑問視する。

 

 特殊な布を使った衣を身に纏い、それを用いて戦うマリアと睨みを利かせるメタルバードとシバ・カァチェン。

 三人の合戦をメタルバードに言われるがままに傍観するしかない聖龍隊と赤塚組一行。そして彼らの傍らで同じく観戦するしかない一般の二次元人達。

 場の空気も硬直し始めたその時だった。現場の宮殿内に以前にも聞いた覚えがある声が響いた。

「待ーーて待て待て待て! 何事だ、この騒ぎだ!?」

 その声は一行が駆け込んできた、正面口と宮殿内とを直通している通路から聞こえて来た。

「! この声……」

 聞き覚えのあるその声に、能美クドリャフカら二次元人達も響き渡る声が聞こえてくる通路へと顔を向ける。

 すると通路の奥から一人の人物が、三人が合戦している宮殿内へと駆け込んできた。

「正義! 三昌! 悪と無駄口、削除なり! 韓国が国将軍、サイ・チョウセイ参上!」

 宮殿内に駆け込んで来ては格好良く決めポーズを取るのは、韓国が国将軍の正義の使者を自負するサイ・チョウセイだった。

「さ、サイ・チョウセイ!?」「どうして韓国の国将軍がここに?」

 韓国軍を総指揮する国将軍が何ゆえアラブの砂漠に聳え立つ宮殿へと赴いているのか理解に苦しむ二次元人達。

 すると駆け付けてきたサイ・チョウセイも聖龍隊ら一行の存在に気付き、声をかける。

「な……! バーンズ殿に姉者たち、何ゆえこの場に……!?」

 メタルバードやミラーガールたちを見て、愕然とするチョウセイ。

 するとメタルバードとカァチェンと対峙していたマリアも、チョウセイの存在に気付きその妖艶な面差しを彼に向ける。

「あ、姉上……! いったい何の騒ぎなんですか! これは……!」

「あ、アッコさん。チョウセイさん、何だかアッコさんに訊いているみたいですけど……」

「ううん、私じゃないわ。チョウセイの場合、私の事は姉者って呼んでいるし……」

 姉上と呼称して力強く歩んでいくチョウセイの言動に新世代型の猪熊陽子が問い掛けるが、チョウセイが自分の事を呼称してくる場合は義理の姉という意味で姉者と呼ぶんだとミラーガールは返す。

 すると姉者と呼称して前へと歩むチョウセイが向かったのは、マリアの前であった。

「姉上! 一体全体これはどういう事ですか?」「あらチョウセイ、遅かったじゃない」

 マリアを姉上と呼ぶチョウセイの言動に、メタルバード達その場の一同は愕然とした。

「ええぇっ!?」一驚する一同。

 そして皆が驚く中、メタルバードがマリアとの一戦を休止してチョウセイに恐る恐る訊ねる。

「ちょ、チョウセイ……姉、って……」

 メタルバードが訊ねると、チョウセイは畏まりながら頭を下げて申した。

「は、はぁ……また姉上が我儘を申したみたいで、ホントに申し訳ありません。はい、このマリアなる女性は恥ずかしながら我が実の姉でございまして……」

「お前……! 姉貴がいたのか!?」

 なんと驚いたことに、妖艶で我儘な女性マリアは韓国が国将軍サイ・チョウセイの実姉であった。この事実にその場の一同は驚嘆してしまう。

「チョウセイ、丁度いいところに来たわね♪ 退屈してるの、今直ぐ妾を楽しませて?」

「うぐっ!? 姉上……また、そのような無茶を……!」

 何とも姉マリアには頭が上がらない様子のチョウセイを前にして、一行が唖然としたのは言うまでもない。

 

 

[討伐! 山賊退治]

 

 するとその時、外に待機させていた聖龍隊士の一人が現場に駆け込んできた。

「も、申し上げます! 先ほどOS支部より連絡が! 現在、此方に向かって東南アジアを中心に活動している盗賊が雪崩れ込んできているとの事」

「なにっ? 盗賊が?」

 隊士からの知らせを聞いてメタルバードが表情を一変させる。

 さらに同じくサイ・チョウセイからの指示で外に待機させていた韓国軍兵士が続いて駆け込んできた。

「申し上げます! 盗賊共は、真っ直ぐこのマリア様が居住にしている宮殿へと向かっている模様!」

「なに! 寄りにも寄って姉上の居住としている、この宮殿へ? しかし何故……!」

 兵士からの伝言を聞いて疑問に思うサイ・チョウセイ。

 すると隊士と兵士の言伝を耳に入れたマリアは涼し気な顔色で述べる。

「あら、もしかすると……もしかしてね?」

「! な、何か心当たりでもあるのか、姉上?」

 弟のチョウセイが訊ねると、マリアは表情を微塵も変えずに訳を語った。

「ふふっ、焦らない焦らない。きっと各国のお偉いさん達と同様の手紙を、あの山賊の頭領たちにも送ったからみんな血気盛んになっちゃっているのよ♪」

「て、手紙!? その手紙か……ええい、私によこせ!」

 各国の首領と同等の手紙を山賊の頭領にも届けたというマリアの言葉を聞いて、チョウセイは姉マリアから強引に手紙を奪い取り、手紙の内容を読み始めた。

「……えーー、何々……? 「乱世を勝ち残り、妾を手に入れようとする、いやしいお前達へ……! 今すぐ金銀財宝を持って妾の下へ降りなさい。断るなら、妾の弟が黙ってはいないわよ」だとぉッ!」

 衝撃的な手紙の内容を読み終えて、チョウセイは顔色を一変させた。

「……な、な……何だこれはァーー!?」

 なんという事か。事もあろうにマリアは勝手にチョウセイの名を借りて、各地に貢物を差し出すよう指示をしていたのだ。

 その間も、山賊たちは現政奉還の混乱で入手した武器を手に取り、マリアが拠点としている宮殿へと迫っていた。

「居たぞ! 乱世に乗じて私利私欲を貪る、サイ・チョウセイだ! マリアと共に討ち果たせーー!」

 マリアの手紙の内容から、サイ・チョウセイも共犯と思われてしまってた。

「お、おい! マリア、お前さん今さっき自分から貢物を強要させてないって言ったばかりじゃないか!」

 チョウセイが拝読した手紙の内容を聞き、メタルバードがマリアに物申すが「あら、そんなこと言ったかしら? ふふっ」とマリアは微笑するばかり。

「ちょ、チョウセイ? どうする気?」

 マリアが混乱する状況を楽しんでいる中、ミラーガールが顔色を一変させるチョウセイを気にして声をかけるが、チョウセイは怒り心頭の御様子。

「うぉおおッ!? う、恨むぞ姉上ぇーーーーッ!!」

「ふふ……♪」

 だが、そんな興奮するチョウセイを前にマリアは気品溢れる微笑みで状況を楽しんでいた。

 

 このマリアの手紙から始まった一戦を前に、メタルバードは呆然としながらも考えを講じた。

「ううむ、チョウセイの野郎もまさかあんな姉貴を持っては苦労してるだろうに……ここは韓国軍に手を貸してやるとするか」

 マリアの文から始まった一戦に、メタルバードは自分たち聖龍隊も加勢しようと決める。

「聖龍隊! チョウセイたち韓国軍を援護するぞ!」

「あ、ありがとうございます……! 賊共の狙いはマリア様が各地より取り寄せた至極の宝! これらを死守しつつ、賊共を退かせれば我らが勝利です!」

 メタルバードの援護を聞き入れ、韓国兵士は大いに感謝しながら盗賊の狙いがマリアが取り寄せた宝であり、これを死守しながら敵を退かせれば勝利できると公言。

 すると同じくこの情報を耳にしたマリアから思わぬ提案が出された。

「あら、どうせなら男たちだけで戦って来なさいな♪」

「な、何を申されるのだ姉上!」

「だって、聖龍隊って女性の力だけで働いている感じだし……ここは一つ、二次元人の男たちの実力を妾に見定めさせて。オ・ネ・ガ・イ♪」

「うぅむ……! せ、聖龍隊の方々、そして新世代型の諸君……ここは一つ、本当に申し訳ないが姉上の指示に従ってくれ」

 毎度の如く自分勝手な要望を突き付けてくる姉マリアの我儘には頭が上がらないチョウセイは、自ら聖龍隊と新世代型たちに頭を下げて嘆願する。

 これにはメタルバードも渋々了解した。

「あ~~あ、チョウセイも姉貴の前では形無し、か……しょうがない、この場はオレたち男の実力のみで戦い抜こうじゃないか」

「か、かたじけない……」

 姉の自分勝手な要望に応えてくれるメタルバードたち聖龍隊に心から申し訳ない心境を募らせるチョウセイだった。

 

 早速メタルバードとサイ・チョウセイを筆頭とした男性メンバーだけによる戦闘が勃発した。

「姉上! また見境もなく各地の宝を取り寄せたのか? このままではいずれ、我が家の家計も火の車に……!」

「あら、妾の美しさ以上に大事なものがあって? 何か言ってないで、早く受け取って来なさいな」

「姉上……うぅ……」

 家計が火の車になると申しているにも拘らず、自分の美貌の方を優先させるマリアの言い分にチョウセイは従うしかできなかった。

「本当にチョウセイの奴は姉貴に頭が上がらない様だな……」

 二人の会話を耳にし、メタルバードはチョウセイの気苦労を察する。

 そして盗賊がいつ狙っても可笑しくないよう、メタルバードとチョウセイの合同先陣部隊はマリアの

 

「まったく、姉上は人遣いが荒い……!」

 チョウセイが文句を愚痴っていると、案の定盗賊たちが襲撃してきた。

「来たぞ! 応戦開始!」

 盗賊たちの姿を目視したメタルバードは、聖龍隊に攻撃の令を発した。

「ッ! 貴様たちか、姉上の宝を狙う賊は!?」

 同じく迫ってくる盗賊たちを目視したチョウセイは、即座に己が身に着けている武具に備わる能力を発動させる。

「理力・装光!」

 すると戦場の宅配兵全てに薄紅色の光が纏われ、物理系の攻撃では簡単に撃ち砕けない頑丈な光の装甲に覆われた。

「私はサイ・チョウセイ! この世の守護者だ!」

 信義不倒 サイ・チョウセイだが、只今姉のマリアのおつかい中。

 そんなチョウセイは、自身の武装能力で貢物を運搬する宅配兵に薄紅色の装甲を纏わせ、襲撃から護送する。

 サイ・チョウセイの武装能力で守られている宅配兵には多くの宝物が。敵の襲撃から宅配兵を守りつつ、撃退していこう。

 

「姉上、敵襲だッ! このような事をしている場合は……」

「そんなのどうでもいいから早くなさい。全部受け取り終わるまで、帰る事は許さないわよ」

 敵襲の最中にも献上されてきた貢物の品定めをするマリアに弟のチョウセイが訴えるものの、マリアは耳を貸さない。

 

 聖龍隊と赤塚組は韓国軍に加勢し、襲撃してくる盗賊たちからマリアの献上品を護送する手助けをする。

「マリア様ーー! 京都名産、千歳飴の献上です!」

「む、少し色がくすんでいるな……姉上なら捨てかねん……」

 一方の指揮官であるメタルバードとサイ・チョウセイは宮殿前で運ばれてきた貢物を見定めていくが、チョウセイは少しばかり色や形が崩れているだけで実姉は捨ててしまうかもと懸念していた。

 

 この状況に、敵方である盗賊たちは好機と睨んで攻めの一手に回り続ける。

「どうやら続々、各地の宝が運び込まれている様子! かくなる上は奪って儲け……敵の士気を下げましょうぞ!」

 聖龍隊と赤塚組と韓国軍の連合軍を相手に、盗賊たちは彼らの士気を下げる為にもマリアへの貢物を略奪しようと企てる。

 

 

[耐える英雄?]

 

 盗賊たちの攻め手に対し、聖龍隊側は防衛の構えでしっかり反撃を仕掛けていた。

 しかし聖龍隊に混じって戦闘をしていた山中鹿之助は盗賊たちに返り討ちに遭い、必死に逃げてしまってた。

「うわ~~! アラジンくん、アリババさん、モルジアナちゃん助けてぇ!」

「待て、このガキ!」

 盗賊たちに追われて涙目で助けを求める鹿之助を、【マギ】の三人組は助けてあげる。

「よ、良かったぁ……ほんとに怖かったっすよ」

 涙目で窮地を乗り切った鹿之助に、三人だけでなくお目付け役のおやっさんまでも呆れてしまう。

 

 一方、宮殿入り口前では。

「あら、いい櫛ね……あと三つほど揃えましょうか」

「あ、姉上!? せ、せめて有沙に一つぐらいは……」

 ブランド物の高級な職人作りの櫛を贅沢に三つも揃えようと言い出す姉マリアに、弟のサイ・チョウセイは妻である有沙にもと訴えるがマリアは相変わらず耳を貸さない。

 

「これ、ブランド物の香水だって……チョウセイ、私も使っちゃダメかな?」

「す、少し位なら……いや駄目だ、耐えるのだ有沙!」

 遠路遥々、夫のチョウセイと共に馳せ参じてきた小田原修司の妹、有沙の要望にすらチョウセイは姉マリアの圧力に屈し耐え忍ぶことしかできずにいた。

 すると、少し離れたところでマリアに対してただただ何も反論できず言われっぱなしのチョウセイの意気地なしさを前にした女性陣が、チョウセイに反感を抱き始めていた。

「全くこれだから……あそこは「今度一緒に同じ物を買いに行こう」だろうが! 以外にも意気地のない男だったのだな、あのチョウセイとかいう韓国人は!」

「おやおや、鬼龍院ったら意外にも乙女心が分かってるんじゃねえか。普通の女だったら惚れちまうかもな、ププッ」

「なッ!? 纏流子! そういう事を軽々しく言うもんじゃ……」

 実姉に頭の上がらないチョウセイに反感を抱く鬼龍院皐月の言論に、好敵手の纏流子がちょっかいを掛ける。

「私だったら……そうですね「一緒にお願いしに行きましょう」って言ってあげます」

「私も一緒にお願いしに行くかな……ミラールはどう?」

 栗山未来とルーシィ・ハートフィリアが会話していると、ルーシィは自分たちの総部隊長ミラールに話を振った。

「そうね……私なら……「入手してみるから、報酬を」と言ってあんな事やそんな事を要求しちゃう……かも」

(さすが!!)

 ミラールの男勝りながらも茶目っ気のある発言に、女性一同は胸を射抜かれる。

 

 その間、聖龍隊と赤塚組の共闘により韓国軍の戦況は有利に働いていた。

「案ずるな、英雄の道に窮地は付き物なのだ!」

 味方兵士の士気を上げていこうとするチョウセイ。

 しかし多くの韓国軍兵士はチョウセイではなく、妖艶な美貌のマリアの魅力ですっかり動いていた。

 

「ふふ、カステラね……妾はこちらの方が好みよ」

「チョウセイ、カステラだって……」

「済まぬ……姉上から譲り受けられる気がしないのだ……」

 一方のマリア本人は、宝石などの品だけでなく高価なスイーツまでも取り寄せてた。これに有沙が物欲しそうにチョウセイを見詰めるが、チョウセイは平謝りするばかり。

「本当に意気地のない男ね、あのチョウセイは!」

「あれじゃ怖い姑に頭が上がらない男と同じじゃないか!」

「……あれが俗にいうシスコンって奴なのね」

 実姉マリアにすっかり丸め込まれてしまってるチョウセイを見て、新世代型の薙切えりな/篠目アカネ/花園まりえが口を揃えてチョウセイへの文句を言う。

 

 そんな我がまま言い放題の姉に振り回されるチョウセイは最早てんてこ舞い。

 そんな実姉には気弱な夫チョウセイを目の前に妻の有沙は呆れながらも悲観してしまう。

「チョウセイ、またお義姉さんの事ばかり……」

 嫁いでからも、幾度となく我儘し放題の姉に付き従うチョウセイの態度に有沙は若干の寂しさを感じていた。

 

 しかしマリア/チョウセイ/有沙の想いが交錯している最中も、兵士たちは必死にマリアへの献上品を護送する。

「どんどん~~運ぶぞ~~♪ マリア様ーーーーッ! の為に~~♪」

 遂には陽気に歌い出しながら美女マリアの為に献上品などの土産物を護送する始末。

 そんな韓国軍兵士とは対照的に、聖龍隊と赤塚組は護送する韓国兵に襲い掛かろうとする敵方の盗賊たちの撃退を続ける。

「まさか、俺たち義賊が略奪者から略奪を防ぐ真似事をしちまうとはな……」

「そういうな。これも国交の一環だと思え」

 自分たち略奪を承認されたセブンズガードの端くれが、略奪者から略奪行為を妨害する羽目になるとは予想外だと告げる大将に、赤塚組幹部のテツが愛想笑いを浮かべながら言う。

 そんな赤塚組とは反して、聖龍隊の隊士は今の戦況に満足していた。

「敵は悔しゅうて歯噛みしておるでしょうな」

 

 聖龍隊と赤塚組の攻防により、続々とマリアの宮殿に運び込まれてくる。

「マリア様ーー! 九州より、良質の反物が届きましたッ!」

「ああ、これで家屋一つが姉上の布置き場に……!」

 配達兵が輸送してくる反物の山に、チョウセイは家屋一つがまたしても布置き場に成り代わる現状に嘆いた。

 

 しかしここで聖龍隊と赤塚組は、宮殿前での警備に不手際があった事を痛感させられる。

「マリア様ーーッ!! 最後の品をお持ちしました、今すぐお運び致します!」

「いけない部下ね、妾をこんなに待たせるなんて……」

 最後の品が運び込まれていくのを視認するマリアが甘い言葉で兵士に投げかけるが、その宮殿前での警備が手薄である事を敵方は気付いてしまった。

「よし、今が勝機! これを逃すまいぞ!」

 敵軍は一気に宮殿前へと進攻を仕掛ける。

「そうはさせるかッ! 聖龍隊、宮殿前へ集結! 一気に片を付けるぞッ!」

「俺たちも加勢だ! 全軍、盗賊共を追い払ってやれ!」

 メタルバードと大将の指揮の元、聖龍隊と赤塚組は一気に宮殿前へと集結し、逆に盗賊たちを取り囲んでしまう。

「うわっ!」「か、囲まれた……!」

 すっかり聖龍隊と赤塚組の両軍に取り囲まれた現状に蒼褪めてしまう盗賊たち。

 そして「かかれーーっ!」聖龍隊上官兵の合図を引き金に、聖龍隊と赤塚組は盗賊団を蹴散らしていく。

「て、撤退! 撤退しろーーッ」

 盗賊団首領は、この取り囲まれての攻撃に堪らず部下達に撤退を命じ、急ぎ退散していった。

「よし、盗賊共は追い払った。もう大丈夫だ」

「あら、ようやく終わったの? 遅かったじゃない」

 韓国軍が貢物の護送を中心に担っている間、盗賊の撃退を中心に行動していた聖龍隊と赤塚組。その指揮官であるメタルバードにマリアは不満げに呟く始末。

 

 この時、誰よりも胸を安堵させたのは他でもないサイ・チョウセイだった。

 彼は実姉マリアのご機嫌を損なわせて、また何か言われるのを心底恐れていた。

 韓国が英雄にして国将軍である彼にとって、今回の戦はまさしく耐え忍ぶ戦であった。

 

 

[価値ある部品]

 

 苦戦の末、どうにか盗賊たちからマリアの献上品を守った聖龍隊一行。

 しかし、そんな苦戦を耐え忍んだ聖龍隊や韓国軍にマリアは冷たかった。

「何をこんなに時間を無駄にしていたの? チョウセイたちはともかく、武勇に秀でた聖龍隊までも、こうまでも時間を浪費するとは……情けない」

 マリアは自分の貢物を護送し、さらにはそれを略奪しようとしていた盗賊を追い払った聖龍隊に労いの言葉すら掛けず、ただ難癖を付けるばかりだった。

「あ、姉上! 我が韓国の勇士だけでなく、聖龍隊の者にまで、何もそこまで冷たくいう事はないだろう!」

「あら、貴方が妾に反抗するなんて……ちょっとは成長したみたいね」

 自分に反論する様になったチョウセイを前に、マリアは冷ややかな視線を向ける。

 するとマリアは運び込まれた貢物の一部を手に取り、眺めると口を酸っぱくして言った。

「ふふっ、まったく……どこの国の男も、妾を欲しくて堪らず宝を献上するだなんて♪ いやしいったらありゃしない♪」

 絶世の美貌を持つ自分を欲するあまり献上品を差し出す男たちの現状を思い描きながら、マリアは現況を楽しむ様子を微笑みに浮かべる。

 そんなマリアに、メタルバードが口を尖らせて申し開いた。

「マリアさんよ。お前さんが一体この乱世で何をしようが、オレ達が口を出す道理はねえが……あまりチョウセイを困らせるんじゃねえぞ」

「ば、バーンズ殿……!」

 メタルバードの気遣いの言葉に、チョウセイは感銘を受けるのだが……

「あら、姉である妾の幸せが弟のチョウセイの幸せに繋がるのは道理でしょ? それに、妾が満足なら世界が満足なのも道理でしょ?」

「やれやれ、自分中心にしか考えられないのか……困った姉ちゃんだ」

 何事も自分中心にしか考えていないマリアの思考に、流石のメタルバードも呆れ果ててしまう。

 そんな冷ややかな目をするマリアは、メタルバードたち聖龍隊が保護している新世代型を見据えて語り始める。

「この世はね……価値ある部品(もの)とそうでない部品(もの)の二種類しか存在してないのよ、メタルバード♪ 貴方達が守っている新世代型は……義輝の様に価値があるのかどうか分からない部品(もの)ね」

「義輝、だと……? お前さん、この乱世を起こした足正義輝を知っていやがるのか!?」

 マリアの発言にメタルバードが顔を険しくさせて問い質すが、この際実弟のサイ・チョウセイの顔色が曇ったのを新世代型たちは見逃さなかった。

「ふふっ、知ってるも何も……あの義輝は妾にとって最もこの世で相応しいと思える男ですもの♪ 最も価値のある妾に、最も優れた人物……それが足正義輝という男♪ 妾はもちろん、チョウセイが従える韓国軍も今や足正の傘下に入っているのよ?」

 このマリアの話にメタルバードも話を聞いていた一同が、全員そろってチョウセイに顔を向けると、チョウセイは申し訳なさそうに顔を見下ろす。

 更にマリアは意味深な話を語り始めた。

「この世は全て、価値ある部品(もの)と価値なき部品(もの)の二色で塗り固められているわ♪ 妾の様に価値のある逸材は、そうそうないけど…‥義輝は、そんな逸材を発起させるために現政奉還なんて滑稽な真似をしたみたいよ♪」

 この話を聞いて、メタルバードたち聖龍HEADがマリアに迫った。

「お前さんが裏で帝と手を組み、世を乱した……違うか!」

「ふふ、面白い推測ね? でも違うわ、あれは妾で動かせる男じゃないもの♪」

 メタルバードの問い掛けに答えたマリアは、帝である足正義輝の神髄について語り出す。

「あの義輝は文武両道に通じた、この世で完璧に近い男……でも、完璧すぎてしまったが故に乱世を引き起こしちゃったみたいなのよね♪」

「それってどういう事?」ミラーガールがマリアに問い詰めると、マリアは答えた。

「完璧すぎるという事は、それだけ孤高……すなわち孤独になりがちって事。義輝はすべてを兼ね備えた完璧な人だけど、この怠慢な世の中に嫌気がさして現政奉還だなんて争いの火種を撒いてしまったみたいよ♪」

 マリアの話した内容を聞いて、プロト世代のギュービッドが足正義輝への不満を口から出す。

「なんだよそれは! 要するに独りが嫌だから、こんな戦争だらけの世の中に変えちまったってのか将軍は! 何を考えているんだか、ホント……」

「ぎ、ギュービッド様、それ以上は言わない方が……」

 義輝への不満を言い放つギュービッドに同じプロト世代のチョコが申し渡す。

「なんでだよ?」

 チョコにすら不満そうな面差しを向けるギュービッドに、桃花・ブロッサムが訳を話す。

「ほ、ほら。琴浦さん達が……」「あ……」

 桃花に言われてギュービッドが目を向けた先には、その乱世を引き起こし争いばかりの世の中に変えてしまった足正義輝と同じ新世代型の姿があった。彼らは自分たちと同じ新世代型の足正義輝が起こした乱世に複雑な心境を抱いていたのだ。

 すると、そんな悲観する新世代型たちにマリアが声をかけてくる。

「あらあら、そんなに悲しむ必要はないわ♪ だってあなた達もまた、義輝と同じく特別な存在なんだから♪」

「特別、って……」

 下げていた頭を上げて、新世代型の小野田坂道たちがマリアに答えを求めると、マリアは答えてくれた。

「あなた達、新世代型はその名の通り……新しい世の中を創生する為に生み出された今までにない全く新しい種♪ 義輝の様に何かを動かすきっかけを自ら創り出すのもよし、己の野心のために生き続けるもよし……色んな生き様を残しても良いのよ?」

「………………………………………………………………」

 マリアの話を聞いて、新世代型たちは唖然とする一方でメタルバードがマリアに物申した。

「新世代型をプレミアムと考えているの、か……それがアンタの出した答えなら、何も言わねえさ」

「悟るだけ悟って、満たそうともしてくれないの? ふふ……そう、随分と意地が悪いのね♪」

 新世代型二次元人を特別視しているマリアの思考に反対の意見を向けないメタルバードに対し、マリアは微笑みながら言葉を返す。

 すると此処までマリアの話を立ち聞きしていたチョウセイは、実姉マリアに対して意見を述べ、そのまま会話に入った。

「あ、姉上! まるでこの世を乱した足正義輝に対して好意を抱いているかのように聞こえましたが……」

「あら、そう? まあ、あの義輝なら妾の相手でも十分だと思うけれど……」

「な、何を申されますか姉上! この世を乱した悪政、現政奉還を引き起こした足正義輝に好意を抱くなどもってのほか! そもそも姉上は私同様、三次元人では……」

「あら、何を言ってるの? そこの加賀美あつこだって妾の義理姉弟の小田原修司と婚約したんじゃない。妾だって二次元人であろうと、見合った男と結婚を添い遂げたいわ」

「ま、まさか姉上が本気で結婚……!? い、いやいや! そんな交際、私は認めんぞ!」

 乱世を引き起こした足正義輝と本気で交際するかのような発言をした姉マリアに、反論を唱えるチョウセイ。

 だが、そんなチョウセイに姉マリアは言った。

「妾もね、いつまでもチョウセイのお守りばかりはしてられないの……妾も幸せになったっていいでしょう?」

「お、お守りだと……? 姉上が私にそれを言うか……!」

「ま、まあまあ、チョウセイ……」

 毎度毎度、我儘言い放題の姉マリアの言う事を聞いているチョウセイにとって、マリアのお守り発言は忌々しき言葉であった。そんな猛るチョウセイを、ミラーガールは宥め止める。

「そ、そもそも姉上は本当に将軍と夫婦になる気はあるのか!?」

 チョウセイが強い気迫で問い掛けると、マリアは微笑みながら言った。

「そうね♪ 見た目が良くて、強そうで、妾に口答えしない……まあ、最悪でもそんな男なら、我慢するわ♪」

「さ……最低限の基準が、既に天ほど高いではないか……!」

 実姉マリアの願望を満たしてくれる男の基準の高さに嘆くチョウセイの言葉を聞き、マリアは平然とチョウセイに語った。

「あら、何を言ってるのチョウセイ。この世は既に天をも超えた荒々しくも新しい息吹が吹き込んでくる時代に到来したのよ♪ 新しい時代に備える為にも、少しぐらいレベルの高い男を見繕っても文句はないでしょ?」

「そ、そういう問題なの、か……?」

 マリアの要望を聞き、唖然とするチョウセイにマリアは続けて語る。

「……まあ、あの義輝の場合、時には妾ですら予想にもしていない行動を起こすのが少し厄介な点だけど、それでも十分なぐらい欠けた所のない完璧な男だわ♪」

「欠けたところのない完璧な男、か……」

 足正義輝を欠点のない完璧な男と捉えるマリアの言葉を聞き、メタルバードは表情を険しくさせる。

 そんなメタルバードを始めとする、乱世を引き起こした足正義輝に若干の不満や反感を抱く聖龍隊の面々に気付いたマリアは彼らに問い掛けた。

「あの義輝に張り合おうだなんて本気で考えているの……? ふふっ、存外可愛らしいところがあるのね♪」

「マリアさん、お前さんこそちょっと出しゃばりすぎじゃねえか?」

 乱世の元凶、足正義輝に対して行動を起こそうとする聖龍隊を可愛く捉えるマリアに、メタルバードは彼女の出しゃばり具合を非難する。

 すると言いたい事を全て言い終えたのか、マリアは皆に背を向けて宮殿内へと立ち戻る。

「有沙、チョウセイ? 妾はしばらく献上品を愛でるわ。お客様たちの相手、宜しく頼むわね」

「な、姉上、突然何を!? 待たれよ姉上!? 姉上ーーーーッ!!」

 弟夫妻にその場を任せ、自分だけ宮殿内へと戻っていく姉マリアを見てチョウセイは叫ぶものの、マリアは悠然とその場から立ち去ろうとしていた。

 が、マリアは徐に新世代型二次元人達の前で立ち止まると、彼らに不思議な言伝をした。

「ふふっ、あなた達はどんな魅力を兼ね備えてこの世に生を受けたのかしら?」

「?」マリアの唐突な発言に新世代型は誰もが茫然としていると、マリアは艶っぽい声で語り続けた。

「義輝も言ってたわ。自分たち新世代型は今生に新たな風を……息吹を吹き込むために生まれて来たのだと♪ 色んな御伽噺が一つとなった激変し続ける時代に新たな旋風を巻き起こす火種であると……あなた達は一体、どんな火種を撒いて、どんな旋風を巻き起こしてくれるのか♪ 義輝も妾も期待しているわよ♪ ふふっ」

 そう最後に微笑を浮かべたマリアは、宮殿内へと帰って行ってしまった。

 

 全てにおいて自己中心的に人の価値を見定める女性マリア。

 彼女から自分たちの価値を問われた新世代型二次元人たち。

 今生をよく理解し切れてない自分たちの価値を問われ、彼らは考えさせられた。

 

 

[チョウセイとの関係]

 

 マリアが一人、宮殿内へと戻っていった直後、実弟のサイ・チョウセイは自己中心的な思考の実姉マリアの物言いに立腹していた。

「全く、姉上め……何処まで恥を晒せば気が済むのだ!? 許せ、有沙……嫁入り先がこのような……」

「チョウセイは悪くないわ。だから、そんなに気を病まないで」

 妻である有沙に謝罪するチョウセイだが、有沙はチョウセイ自身に罪はないと逆に夫を励ますのだった。

 

 そんな仲の良い夫婦の所に、メタルバードが口を挟んできた。

「お熱いところ悪いが……チョウセイ、一体どういうことだ?」

「ど、どういう事とは……?」

「乱世を引き起こした元凶、足正義輝とお前さんの姉貴が繋がっていた事だ! どういう事だ?」

 メタルバードたち聖龍隊一行に問い詰められたチョウセイは、渋々ながら事情を語ってくれた。

「も、申し訳ない。実は以前、韓国でも話したように、身内での事情で話が煮詰まっていると申しましたが……それは我が姉マリアと将軍の関係なのです。前々から姉上と将軍は親交があり、それ故に我が韓国軍も国連総長に付き従うかどうか検討していた次第でありまして……」

「そうか……お前さんにとって頭の上がらない姉貴と、将軍が手を組んでいたんじゃそうなっちまうのも分かる気がする。……で、お前さん自身はどうしたいんだ、チョウセイ」

「はッ、わ、私としましては……親睦を深めた聖龍隊の方々と対峙するのは我が義に反しますし、しかし実の姉を裏切るのもまた義に反する行為でありまして、その……」

 メタルバードとチョウセイの会話を聞いて、ジュピターキッドが呆れた様子でチョウセイに言った。

「要するに、どっちに転んでも自分の意に反する行為という事で板挟み状態って訳なのか」

「は、はぁ……誠に申し訳ありません……!」

 聖龍隊側か将軍側か、どちらについても義に反する行為だと自負するチョウセイの言動にジュピターキッドは呆れてしまう。

 するとこの一連の話を聞いたメタルバードは、やれやれといった様子でチョウセイに申した。

「まあ、お前さんたち韓国軍とはオレ達も戦いたくないのが本音だが……どうなるのか、今後の展開に注目しておくよ。お互い、戦場で敵同士にならない事を祈るばかりだな」

「か、かたじけない、バーンズ殿……」

 

 語り終えたメタルバードとチョウセイ。

 そしてチョウセイは有沙と共に本国韓国へと戻ろうと四輪駆動車に搭乗。

 搭乗するや否や、チョウセイは自軍である韓国軍兵士たちに号令をかける。

「如何に姉上とて、過ぎたる我儘は悪! 総員、刮目! 右に廻って韓国に帰還せよッ!」

 最後にチョウセイはそう叫ぶと、韓国軍を率いて颯爽と帰っていった。

 

「…………はぁ、まさかチョウセイにあんな姉貴がいたとは」

「ホントだね、何だか掠奪気質のある女性で、参っちゃうよ」

 友であるサイ・チョウセイの実姉がマリアの様な我儘放題の女性であった事実にメタルバードもジュピターキッドも困惑するばかり。

 何だかマリアとチョウセイ……我儘な人と、それを面倒見る人の様な姉弟に皆は感じられた。

 

 と、その時。

「総長! 至急、此方へ!」と、一人の聖龍隊士がメタルバードを呼び付けた。

 何事かとメタルバードが隊士の方へと向かうと、隊士はメタルバードに耳打ちする。

 すると「な……なんだと!?」メタルバードの表情が一変した。

「ば、バーンズさん、どうかしたんですか……?」

 只事ではない様子に一変したメタルバードに新世代型の波野リンコが訊ねると、メタルバードは表情を険しくさせたまま重い口を開いた。

「……ジュンからだ。オレたち聖龍隊に、早々ながら宣戦布告してきやがった!」

「え! それって一体、どういう事で……?」

 新世代型の細野サクヤが訊くと、メタルバードは続けて詳しい経緯を語り出す。

「ジュンの方も、オレたち聖龍隊同様に各地に同盟を定着させる動きをしていたみたいなのは前々から知っていたんだが……そのジュンが、同盟という繋がりを利用する前に今ある戦力で互いの実力を見計らおうと宣戦布告して来やがったんだ!」

「そ、それってつまり……!」

 メタルバードの話を聞いて、黒鳥千代子たち二次元人達は事態の深刻さを察する。

 そんな二次元人達に、メタルバードは言い切った。

「ああ……遂に恐れていた事が。オレたち聖龍隊とジュン達スター・コマンドーの戦が始まる!」

「そ、そんな!」

 誰よりも他人を気遣う村田順一と、聖龍隊が遂に戦い合い始める展開に二次元人達は悲愴な想いに襲われる。

「そ、それでバーンズ! ……ジュン達は一体どこで僕たちと合戦しようとしているんだい?」

 参謀総長のジュピターキッドが問い詰めると、メタルバードは固い決意が現れたかのような面差しで告げた。

「戦いの地は………………チェルノブイリ被爆跡地!」

 なんと戦いの地に村田順一が指定したのは、今や二次元界の科学技術で放射能が完全に除去され、一部のみが自然公園に指定されているチェルノブイリ被爆跡地であった。

 かつて聖龍隊が先の時代にて暗躍していた革命軍士の総元帥ブラッディ・ドラゴンが眠る地での戦いに、村田順一は如何なる心情で戦いを挑もうとしているのだろうか。

 

 

 

 

 その頃、宮殿最深部の自室に戻ったマリアは豪華なソファーで寛ごうと腰を下ろそうとしていた。

 が、その時。マリアは自室に自分以外の存在の気配に気づく。

「! あら、貴方は……」

 マリアが気付いたその存在は、マリアに対して直立したまま一通の文を彼女に手渡す。

 文を受け取ったマリアは、その文の内容を詳細に黙読した。

「………………ふぅん、そう。義輝が遂に大いなる宴への準備に取り掛かっているみたいなのね♪」

 文を読んだマリアは、目前の存在に言い伝える。

「分かったわ、妾もチョウセイに参戦するよう伝えておくから、貴方も貴方なりに頑張るのよ…………黒武士♪」

 なんとマリアに義輝からの文を届けたのは、あの謎の武人黒武士であった。

 

 黒武士は何故マリアに文を?

 その前に、将軍の手紙をなぜ黒武士が?

 全ての謎は、まだ明かされていない。

 

 

[アレンジ武将]

 

マリア

 出身:三次元界 韓国

 武器:布

 肩書:愛染艶花(あいぜんえんか)

 登場時の書き文字:品定

一人称:妾

 属性:風

 サイ・チョウセイの姉であり、自らを天下人への褒美と称する妖艶でわがままな女性。あの修司の義姉にもあたる。自分がこの世で最も価値ある存在だと思っており、その美貌と妖艶な衣装で相手を翻弄しつつ迫る。攻撃方法は、身に纏った布を巧みに操る特殊な戦法。

 

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