Beyond Dust 復興文明、幻想異界との衝突――「世界」が異なれば、やり方の違いで過ちは繰り返す   作:えぴっくにごつ

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チャプター25:「効果」

「臆するな、兵ども!前に立ち戦えっ!」

 

 向こうに立って姿を見せ、張り上げるは魔帝軍将校の女。

 訴えると同時に、彼女はその腕先に生み出した闇属性の魔弾を放つ。魔弾は放たれると同時に、矢撃の如きの闇の閃光へと形態を変え。

 逃走を図ろうとした部下たちの近くを、まるで脅かすように掠め。それを得た後にジョンソン等の近くをまた掠めて飛び抜け、側方の家屋を叩き損壊させた。

 

 それは攻撃に、逃走を図ろうとした配下を脅かす意図を兼ねる、一種の督戦の動きだ。

 

 しかし、残っている魔帝兵の部下たちはそれでもなお。そんな女将校からの督戦と、しかし前方に待ち構える凶悪な敵に挟まれ。

 臆し、狼狽える様相に囚われている。

 

「使えない連中め……!」

 

 そんな部下たちを果てには忌々しく思い。女将校は己が配下を侮蔑する言葉すらを吐き漏らす。

 

「もういいっ!どこぞの軍勢か知らぬが、邪魔立てするなら私自ら屠ってくれる!」

 

 そして焦れる気持ちが限界となったか、次には配下に期待する事を止め。宣告から、またもその腕先に生み出した魔弾を撃ち放った。

 

「のォわッ!?」

 

 再度のそれは、こちら側にあった小さな物置小屋に直撃し。ほとんど消し飛ばす勢いでそこを吹っ飛ばし。

 物置小屋を利用して遮蔽していた軽機関銃チームを脅かし、そして遮蔽場所を剥がした。

 

「脅威接てェきッ!」

「カバーしろ!退避しろッ!」

 

 危うく物置小屋ごと吹っ飛ばされるところだった軽機関銃チームは、しかしかろうじて大事を逃れて後退退避。

 他、周りに展開していた各員も、慌てて近場の遮蔽物に飛び込みカバー。

 

「フザけてやがるッ!」

「ッ」

 

 コースやエドアンズも同じく。

 慌て吹っ飛ぶまでの様相で。背後近くの牧草の塊なり、馬車なりに飛び込み身を隠す。

 

「火力向けろッ!」

 

 そして各所に遮蔽した各員は直後には。向こうに確認された脅威対象――女将校に向けて銃撃を叩き込み始めた。

 だが、

 

 その女将校の周りに直後に現れたのは、何か漆黒のベールのような物。

 叩き込まれた各銃撃は、次にはなんとそのベールに、悉く弾き反らされたのだ。

 

 明かしてしまえばそれは、やはり闇属性の魔力を利用する、魔法防御の術だ。

 

「ッ、マジかッ!」

 

 向こうに観測されたその現象光景に、隊員の内から誰かが悪態を上げる。

 

「ジョーダンみてぇなのが、お出まししやがったッ!」

 

 さらに続けてコースが。20mm機関砲へ巨大な弾倉を叩き込み再装填を行いながらも、そんな皮肉を込めた声を張り上げる。

 

「厄介なものがッ……――えっ?」

 

 エドアンズもまた脅威の出現を、歓迎し難いと示す声を上げ掛けたが、しかし彼女にあっては直後、傍の「ある姿」に気付いて目を剥いた。

 

「少佐!?遮蔽を!」

 

 すぐそこに見えたのは、他ならぬジョンソンの。しかし一人、遮蔽物にカバーせずに堂々立ち構える姿だ。

 エドアンズの驚きはそれを見てのもの。そして彼女は慌て促す声を向ける。

 

「あんな芸当まで成すか――魔法とやら、本当に脅威だな」

 

 しかし当のジョンソンは。淡々と発しながらも、尖る眼で向こうを視認し続け。

 同時にその手元では、大口径リボルバーへの再装填行動を見せている。

 

「なら――〝抗生貫通弾〟を試すッ」

 

 ジョンソンは大口径リボルバーから空薬莢を落とし捨て、スピードローダーにて新しい弾薬クリップの再装填を完了。

 そしてそのリボルバーを再び突き出し構え――撃った。

 

「!……――つぁぅっ!?」

 

 直後瞬間、向こうに見えたのは――有効打の証明。

 若干軌道が反らされたが、しかし叩き込まれた銃撃は、漆黒の魔法のベールに「食い込み」通り。

 女将校を驚かし、そしてその姿勢を揺らがせた。

 

 ――抗生貫通弾。

 それが今に、再装填から大口径リボルバーにて叩き込まれたものの正体。

 本来は、電力にプラズマ他、さらには重力変動などを利用する。多種の特殊なエネルギー防御効果を貫通無力化することを目的に、開発されたもの。

 

 また明かせば、やはりインデュスティリアから押収された技術が多分に活用されており。

 生成過程が煩雑で、そして希少な原料を用いるため。流石のVACでも量産配備が限定されている代物。

 

 それが、どれ程までかは未知数だが。魔法による防御にも有効であることが、今証明された。

 

「有効なようだ。だが、距離を詰める必要があるか」

 

 その光景に事実を向こうの光景から見止め。しかし、より効果を望むには接近の必要がある事を判断し、それ等の旨をまた淡々と発するジョンソン。

 

「押し通すッ」

 

 そして次にはジョンソンは、愛用の大口径リボルバーを突き出し構えた姿勢で。

 堂々と、ズカズカと。押すべく歩き進め始めた。

 

「ッ!少佐、ちょっ!」

「ヨォヨォッ、マジかよッ!?」

 

 ズカズカ押し上げ、脅威に向かって行き始めたジョンソンの姿に。エドアンズやコースは驚き、いや少し呆れすら混じった声色を上げる。

 

「援護だッ!援護射撃ッ!」

 

 しかし次には、こうなっては今やるべきは一つと。

 隊員の内から誰かが急く色で張り上げ。そして各員は援護射撃行動を開始した。

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