Beyond Dust 復興文明、幻想異界との衝突――「世界」が異なれば、やり方の違いで過ちは繰り返す   作:えぴっくにごつ

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チャプター30:「苛烈」

 V-4Lの戦闘機隊各機が。狭く際どい「塔城」の周り低空へ、しかし掠めるまでの進入から攻撃離脱の行動を反復し。

 魔帝軍の飛竜騎を墜とし、塔城を占拠する魔帝兵を吹き飛ばし。

 敵の戦力を苛烈に削っていく光景を繰り広げている。

 

 そしてその際どい内へ、しかしサミュエル始め急襲降下隊の各員を乗せた各CF機は。

 またそれぞれのこれよりの作戦行動のため、進入接近する。

 

《CF29、接近中》

《32も同進路、間もなく》

《33は左へ》

 

 通信上にCF各機は、それぞれの行動を上げて伝え合いながら。

 直進進入、あるいは散会から別方へ移動するなどの。各個の行動を見せ始める。

 

《CF40、ホヴ4-1を狙撃位置に降下》

 

 その各機の行動を、その最中の一機の機上からサミュエルは見つつ。

 またさらには、塔城のおよそ正面対岸にあるより高い断崖の頂上に、一機のCFが接近からホバリング。

 その頂上に機上から、コマンドーの重狙撃チームが降下から足を着く様子が見えた。

 

 その間にもサミュエルの乗るCF機は、僚機と併せて。塔城の内を、眼下足元の向こうに目視できる距離位置に接近。

 

《城壁上、まだワラワラ居る》

 

 そして誰かが通信に上げて伝える。

 その言葉通り、眼下に見える塔城の城壁上には。まだ多数の魔帝兵が、困惑狼狽の様子をあからさまに見せながらも、そこを占拠して蠢く様子が見えた。

 

「29。所定通り、一度中空で静止滞空してくれ。狙撃でいくらかを退ける」

《了解》

 

 光景もサミュエルもまた眼下に見つつ。サミュエルは自身の登場する機の機長に告げ。

 その了解の回答を聞きながら、手元に控えていた半自動狙撃銃を持ち上げ準備する。

 

 同時進行で、サミュエルの乗るCF機はまた塔城を眼下に見る形で。

 サミュエル等の乗る側の機側面を塔城に向けて、要請通りに宙空で静止滞空に入る。

 

「始めろッ」

 

 そしてその時にはすでに、半自動狙撃銃を構えてそのスコープを覗いてたサミュエルは。

 自身の隣に座る、及び後方で同じく滞空した別CF機上で。狙撃準備を完了していた指揮下の各員に向けて、通信越しに端的に告げ。

 

 そして、発すると同時に。

 半自動狙撃銃のトリガに掛ける指に力を込め――鈍くも響き上がる銃声を唸らせた。

 

「入った」

 

 直後瞬間には。サミュエルはスコープ越しの向こう、眼下の塔城城壁の上で。慌て怒鳴り上げていた様子の、魔帝軍の指揮官クラスらしい重装鎧兵が。

 最初の「標的」たるそれが。

 兜の弱い部分を叩くに射貫かれ、見事に吹っ飛びそして沈む姿様子を。サミュエル自身が成した、狙撃行動の結果を見た。

 

 サミュエルのそれを皮切りとするように、各CF機上の各員は任意に狙撃行動を始め。

 ランダムに、しかし苛烈な色で。複数の狙撃の銃声が周囲で上がり始め。

 

 そしてそれに合わせるように。眼下の城壁上で蠢いていた魔帝兵達が、次に次にと弾き吹き飛び、沈められる光景が繰り広がり始めた。

 

「ダウンッ、さらに移る」

 

 それが始まりしかし、まだ直後の間だというのに。サミュエルは恐るべきまでに手早く、そして精密な狙撃行動で。

 三体目、四体目と。魔帝兵をすでに立て続けに屠り沈めている。

 

《城塞から応射ッ!》

「ッ」

 

 だが、その手早い狙撃行動に割り入れるように。通信に張り上げられた、「警告」の言葉が届く。

 そして聞き留めたほぼ同時の直後。

 サミュエルは、側方下方の向こう。城壁に一定間隔で設けられる、張り出た側防塔の一つから。

 何か、「闇色の一閃」が飛ばし放たれたのを視認認識。

 

 遠目にも数メートル長はある、「闇の杭撃」とでも表現すべきそれは。側防塔から「射ち出されて」向こうの別方向に飛び。

 そこにまた滞空していた一機のCF機に、危うく直撃するスレスレの所を、掠め明後日に飛び上がって行った。

 

 サミュエルがそれを目で追ったのも一瞬。次に、彼が視線を戻し降ろして、城壁の側防城の上を見れば。

 その上に据え置かれて見えたのは、車輪付きの土台に構えられた物々しい「重弩」の類と見える兵器。

 しかし今の光景現象を見るに。それがこの異世界に存在する「魔法現象」を用いる、特殊な兵器類であることは推察に容易かった。

 

 それが、城壁に等間隔にある側防城に。すべてにでは無いが、点在して配備されている様子が、視線を回せばまた確認できた。

 

《マジックの対空火器か?》

 

 それを見ての感想か、通信上に誰かがそんな皮肉交じりの表現を上げる。

 

「優先して潰せ」

 

 それに、しかし指示で答えるようにサミュエルは発し。

 そして同時か早いか。半自動狙撃銃を向こうに突き出し構え、発砲。

 近くの側防塔の上の、その「闇の杭の重弩」の周りで慌て動く、要員と思しき魔帝兵の一人に。

 銃弾を叩き込んで弾いて沈め、無力化を成す。

 

 他、いくつか見える「闇の杭の重弩」に向けて。各機の各員からの狙撃銃火は優先して叩き込まれ始める。

 見るに、即時に放てる態勢では無く、敵側が遅れを取ったらしいことが幸いし。

 サミュエル等から近い側防城の「闇の杭の重弩」は、その準備を完了できる前に。群がっていた扱い手の魔帝兵たちを、しかし狙撃の集中にて撃ち退けられて失い。

 闇の杭激を放つことなく、無力化に至った。

 

「右側向こうにもある。無力化する、近づけてくれ」

《了解、右にシフトするぞ》

 

 サミュエルは次には、右側方の少し離れた側防塔にも同様の重弩を見止め。

 それの排除のために搭乗CF機の機長に移動接近を要請。

 機長はそれに了解し、CF機はホバリングから少しスライドする形で移動する。

 

「ッォ!?」

 

 しかし、そこへ後ろ側方の上空から。けたたましい音に風圧を巻き起こして、飛行物体――味方のV-4L戦闘機が進入飛来。

 

 危険距離であった戦闘機のすれすれの通過から、その風圧の影響を受け。

 サミュエル等のCF機は少なからず機体維持を損じ。一瞬であったが期待姿勢を崩して危うく揺れる。

 

 機長の素早い反応が功を奏し、CF機は危うい動きながらも次には機体姿勢をなんとか復元。

 

 そして。

 そんなサミュエル等にCF機にはまるで構わぬ、何なら「そこ邪魔だ」とでも伝えてくるような様相で。

 今に飛び抜け進入降下していったV-4Lは、備えるロケット弾の多数発を、サミュエル等が無力化に向かうはずであった側防塔に叩き込み。

 いささか過剰な様相で。その上の重弩もろとも側防塔を吹っ飛ばして崩壊させ。

 そしてまた際どい飛行で、反転上昇から向こう上空へ離脱して行った。

 

「チィッ――コントロールッ!飛行隊にもう少し慎重にやるよう言えッ」

 

 その飛び去る危ういV-4L機を。隠さぬ、ドスを利かせるまでの舌打ちを打ちながらサミュエルは視線で追い。

 同時に、今作戦を取りまとめる後方コントロールに向けて。また叩きつけるまでに張り上げる声で、注文要請の言葉を飛ばす。

 

《ホヴ2-1、飛行隊には強く忠告して置く――が、参加の飛行隊はヒューヴ航空方面隊の面子だ》

 

 コントロールの長の担う将校からは、そんな一応の了解と。しかし併せての添える言葉が寄越される。

 

《ナイスシーズの親類縁者が被害に遭って、躍起になっている者もいる。飛行隊の面子が効く耳を持つかは、期待するな》

 

 そして続けられる、そんな説明回答。

 

 寄越され述べられた通り。参加の飛行隊はザ・ヒューヴ州の出身で、魔帝軍の襲撃に遭ったナイスシーズに縁がある者もおり。

 そして、それに限らず。

 魔帝軍の襲撃から、ナイスシーズで生活していた親類縁者を失った者は少なくなく。それが故に、復讐心に駆られなりふり構わなくなっている傾向にある者が。

 VACにはAF、民間を問わず少なからず存在するのが現状であった。

 

「ッ――分からないでは無いが。ったくッ」

 

 そのコントロールからの説明から、その境遇の者らの思い考えに理解はしつつも。

 しかしだとしても苦言に思う所は止まず。サミュエルは、吐かずにいられぬ悪態を零した。




シチュエーションは色んなゲームの丸パクリ。
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