イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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 遂に…!遂にイナズマイレブンHEROS!!!が100話を迎えました…!ここまで失踪せずに続けてこられたのも応援してくださる読者様のおかげです!ありがとうございます!これからもイナヒロの応援お願いします!


明かされる秘密

雷牙「はーい!みんなー!8時ダヨッ!全員集ー合ーッ!!!」

 

豪炎寺「今の時刻は午前10時だ雷牙。それになんだ後ろで待機させてるチア部は?これから大切な話をするんだから帰らせろ。」

 

雷牙「10時ダヨッ!チア部かいさーん!!!」

 

風丸「何だったんだ今の時間は…。」

 

 現在雷門イレブンは瞳子のある疑惑を問いただす為に雷門中グラウンドに停車させてあるキャラバンに集まっていた。

 本来なら2日前のレグルス戦後に問いただす予定であったが雷牙が気を失った事と瞳子の願いにより皆が集まった今日に日程をずらしたというわけだ。

 …その途中、最近シリアスが続いていた事にストレスを貯めていた雷牙が恒例の1から10まで意味の分からないイベントを計画していたが豪炎寺のツッコミにより未遂に終わる。

 

染岡「…! 来たぞ!」

 

瞳子「皆、集まってくれてありがとう。」

 

鬼道「では教えてください監督…。貴方は一体何者なのですか?」

 

瞳子「…私の名前は吉良瞳子…、吉良財閥の創始者にして現エイリア皇帝と名乗る男…吉良星次郎の娘よ。」

 

雷門イレブン『吉良…星次郎…?』

 

 その名に馴染みがなかったのか殆どメンバーは首を傾げ頭に『?』マークを浮かべている。

 唯一彼の事を知る鬼道は呆れ気味に溜め息をつくと彼の解説を始める。

 

鬼道「吉良星次郎…、一代で自身の会社を日本屈指の財閥へと成長させた凄腕の経営者だ。俺も何度か会った事ある。」

 

半田「…ん?待てよ…?宇宙人の親玉が地球人…?それっておかしくないか…?」

 

壁山「もしかして瞳子監督のお父さんも宇宙人だったって事っスか〜!?」

 

瞳子「違うわ。父も私も歴とした日本人よ。」

 

一ノ瀬「…てことは…?」

 

鬼道「そう、エイリア学園と名乗っていた彼らの正体は正真正銘の地球人…。つまり人間よ。」

 

円堂「そっかー人間かー…ってえ?」

 

雷門イレブン『ええ〜〜っ!!!!?』

 

 遂に明かされたエイリア学園の秘密に雷門イレブン一同は皆驚きを隠せない。

 

土門「いやいやいや!お、おかしいだろ!?あいつらの実力は人間なんてレベルじゃなかっただろ!?俺たちも特訓してなんとか追いついたけどあの強さは絶対普通じゃない!」

 

瞳子「それにもカラクリがあるわ。エイリア学園の強さの正体…、それは彼らが持つエイリア石よ。」

 

雷門イレブン『え、エイリア石?』

 

 瞳子は語る。エイリア石とは数年前に日本に落ちた隕石から発見された新種の鉱石であり、その石から放たれる特殊なエネルギーは一定の手順で人間が浴びると人の限界を大きく超えた力を得られると…。

 

染岡「それって要するにドーピングって事じゃねぇか…!」

 

瞳子「ええそうよ…。でも最初は父さんはエイリア石を世界の為に使おうとしてたの…。」

 

塔子「世界の為?」

 

瞳子「エイリア石はドーピング以外にも上手く使えば現代医療では治せない怪我や病気を治せる力があるの。私が染岡君や佐久間君に提供した最新医療もその応用よ。」

 

染岡「って事は俺も知らない間にエイリア石の世話になってたのかよ…!?」

 

風丸「…でもなんでそんな男がエイリア学園なんてテロリストになったんだ?」

 

瞳子「…忘れもしないわ…。数年前…、ある男が父の前に現れたの…。その男の名前は研崎。彼は父にあったある憎悪を増長させて世界を憎む復讐鬼に変貌させたの…。それからは…地獄のような日々だったわ…。」

 

鬼道「“ある憎悪”…それは一体…?」

 

瞳子「…ごめんなさい。それはまだ言えないわ…、でも近いうち必ず話す…だから今だけ触れないでちょうだい…。」

 

 この期に及んで隠そうとする瞳子に雷門は違和感を覚えるが、“ある憎悪”に触れる事を拒む瞳子の表情はあまりに苦しそうで話せないのではなく()()()()()()のであると理解する。

 

鬼道「…わかりました。…続けてください。」

 

瞳子「…父を止めなければならないと思った私は()()()()()と一緒に父を止める計画を立てたの。その結果、私は父を止められるのは雷門イレブン(貴方達)しかいないと確信して接触したの…。その後は全部貴方達が知っている通りよ。」

 

染岡「ところでその協力者って誰だよ?」

 

ライト「…ボクだよ。」

 

 突如キャラバンの影から聞き馴染みのない声が聞こえ雷門イレブンは1名を除いて警戒体制に入る。

 

染岡「お前は…!アケボシ…!行方不明になったんじゃねぇのか!?」

 

雷牙「おっすライト。よく寝れたみてーだなぁ。」

 

豪炎寺「…もしかしてお前が匿ったのか?」

 

雷牙「イェース!YES!」

 

ライト「…ボクはある事故で記憶を失って吉良星次郎…まだ狂う前の父さんに助け出された…。でもキミたちがFFで優勝した日に記憶を取り戻して…事の重大さに気づいたボクは瞳子姉さんに接触して内部の情報を送り続けたんだ…。」

 

円堂「そうだったのか…。」

 

ライト「仕方がなかったとはいえエイリア学園の凶行に手を貸していたことを謝るよ…。本当にごめん…!」

 

 ライトは雷門イレブンに今までの謝罪をする。

 

瞳子「私も謝罪させてもらうわ…。今まで皆を騙し続けてごめんなさい。貴方達が望むなら私は監督を辞任して最後の戦いの指揮は響木さんに任せるわ。」

 

 ライトに続き瞳子も頭を深々と下げ今までの事を謝罪する。

 

 雷門イレブンは悩む。確かに彼らは自分達を騙してきたがそれもエイリア学園から日本を守り、父親を間違いから気づかせるためだ。

 その手段はやや強引だった感は否めないが彼らの助力によって雷門イレブンはここまで戦ってこられたのだ。誰が今更彼らを責められようか。

 

円堂「…顔を上げてください瞳子監督…。確かに監督は俺たちを騙してきました…。でも…!俺たちがここまで強くなれたのは監督のおかげなんです…!だから…、監督を辞めるなんて言わないでください…!」

 

瞳子「円堂君…!」

 

雷牙「ライトも顔を上げろ。福岡で俺を攻撃した事はしばらく根に持つが、オメーの助けがなきゃ多分俺は今も病院のベッドの上で寝てたんだ。それにこの旅で色んなおもしれーヤツに会えたしな!それでチャラだ。…福岡の件以外は。」

 

ライト「雷牙…!」

 

風丸「いや騙されるなよ雷斗、こいつ相当福岡の件、根に持ってるぞ。」

 

円堂「アハハ…。」

 

雷牙「…んで?とりあえず大切そうな話は終わったしどうする?いっその事今からアイツらの本拠地に乗り込むか?俺は今からでも試合できるぜ?」

 

瞳子「その事なのだけど…」

 

 瞳子が何かを言いかける直前。突如、空から漆黒のボールが飛来する。

 ボールは宙に浮くと空にホログラムを映し出した。そこにいたのは逆立った赤髪が目立つ少年グランだった。

 

円堂「ヒロト…!」

 

グラン『我らの崇高な使命を邪魔する不届者、雷門イレブンよ。俺達は君達と試合を行う事にした。3日後の正午までに我らエイリア学園の本拠地に来い、そこで最後の決戦を行おう。』

 

円堂「最後の決戦だって…!?」

 

グラン『行うのは当然サッカーだ。君達が俺達に勝てば潔く侵略行為は諦めよう。だが…俺達が勝った時はどうなるか…もう分かっているな?』

 

 『お前らが負ければ我々は武力による制圧を始める。』そう無言で伝えるグランの目には光が一切籠っていない。

 その瞳はまさに意思を持たない冷たい兵器そのものだった。

 

円堂「…やってやるさ…!俺たちは逃げない!絶対にヒロトたちに勝ってお前らがやっていることは間違っているって証明してやる!」

 

グラン『…俺が言いたい事は以上だ。3日後の決戦を楽しみにしているよ…円堂君。』

 

 グランは円堂から目を逸らしその場を立ち去ると同時にホログラムは消失し、ボールも彼らの本拠地へ帰って行く。

 

雷牙「…3日後か。そこで俺たち…いや世界の未来が決まんのか…、しかもサッカーで。」

 

鬼道「なんだ?今更怖気付いたのか?」

 

雷牙「ハッ!なわけねーだろ!ここまで来てもサッカーに拘るアイツらの悪役魂に関心しただけだよ!」

 

瞳子「…今日は皆解散して英気を養ってちょうだい。明日の朝一番に出発するわ。」

 

 こうして雷門イレブンは解散し各々明日まで自由な時間を過ごす。ある者は家族の元に帰りこれまでの旅の出来事を話す者、ある者は愛する妹の元へ行きお土産を渡す者、またある者は後悔のないように好きなものをお腹いっぱい食べる者もいた。

 

 その夜…

 

雷牙「zzz…、むにゃ…なあ知ってるか守…米研ぎ汁は実は絵の具に使えるんだぜ…。」

 

 明日の長旅に備え雷牙は早くに眠りにつく。現在ライトは雷牙の部屋に泊まっており床に布団を引いている。

 

 

 だがライトの姿は布団にはなかった。

 

♢♢♢

 深夜0時を過ぎた時間帯、ライトは近所の公園である人物を待っていた。だが約束の時間を過ぎてもその人物がやって来る気配がない。

 それでもライトは待ち続けた。その瞳に静かな()()を抱きながら。

 

 そしてその瞬間は訪れた。

 

「いや〜待たせて悪いねぇ。こう見えても私は忙しくてねぇ、来てあげただけありがたいと思ってくれよ?」

 

 待たせた側にもかかわらず一切悪びれずに太々しい歩き方で現れたのは怪物のように鋭い目と茶髪が目立つ40代手前の男性だった。

 我々はその男を知っている。彼こそは“神のアクア”を作り出し世宇子イレブンを狂わせたと思えば先日の総力戦にも雷牙率いる3rd雷門の監督を務めた正体不明の科学者、通称“雷帝”だ。

 

「……。」

 

「おやおや、そんな可愛い顔で睨まれても何も怖くないよ?睨んでいる暇があったらさっさと本題に入ってほしいなぁ。」

 

 何故ライトが“雷帝”の連絡先を知っているのかは定かではない。ただ確実なのは“雷帝”はライトの連絡を受け彼の前に現れたという事だけだ。

 

「なんで見捨てたんですか…?」

 

「主語がないなぁ。主語なき質問に答えられるほど私は賢くないよ。」

 

「なんで…!なんであなたは…!

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()!!!明星帝牙!!!」

 

 雷牙すらも見た事がないほど激昂するライトだが“雷帝”は態度を崩さない。

 ただ“明星帝牙”という名は彼にとって不快な物であるらしくほんの少しだけ眉間に皺を寄せる。

 

「“明星帝牙”か…これまた懐かしい名だ。でも残念、人違いだ。私は名は“雷帝”、それ以上でもそれ以外でもない。」

 

「はぐらかさないでください…!ボクは覚えてます…!雷牙の昔の姓は“明星”…!明星雷牙…!そしてあなたは雷牙のお父さん…明星帝牙でしょう…!?」

 

「…ハァ、油断した。やっぱり情報化社会は怖いね、消し去ったと思っていた情報さえもどこかで生きてるもんだから。」

 

「…! 認めるんですね…!あなたが雷牙の本当の父親だと…!」

 

「認めるも何も事実だからねぇ、私が雷牙の父である事は。」

 

「くっ…!」

 

「…だけど問題はその情報をどこで知ったかだ。私は人生の大半を裏社会で生きていたから正規の手段では絶対に見つからない筈だがね。」

 

「…ボクがスパイとして活動している時、研崎博士が持っていたデータに貴方の名前がありました。明星という明星は全国にそう多くいるものじゃない…、そこでボクは確信したんです。あなたが消えた雷牙の父親なんだって。」

 

「ったく…、コレだから賢人に憧れるだけしかできない愚者は困る。愚者の軽率な行動が賢人にどんな影響を与えるかをまるで理解してないのだからねぇ。」

 

 “雷帝”は自身を雷牙の実の父だと認めた。それにも関わらず彼は雷牙を捨てた事に対して何の罪悪感を感じていない。

 

「あなたの心は痛まないんですか…!?雷牙はずっと本当の家族のことを想っていたんですよ…!?」

 

「試合中に弟の傷を抉って再起不能寸前にまで追い込んだお兄ちゃんに言われたくないねぇ。」

 

「ッ…! そ、それは…!」

 

「アハハハ!そんな顔しないでくれよライト君!分かってるって!アレは君なりの治療だったんだろ?稲魂クンのトラウマを呼び起こす事で精神崩壊ギリギリまで追い詰めた後はいい感じに仲間の想いを引き出す事で彼を過去から救い出した…そんなところかな?」

 

「……。」

 

「いやーアレは本当に焦ったよ。下手すりゃ私の生涯を掛けた()()がおじゃんになるところだったからねぇ。そーゆーのは初心者がやるもんじゃないよ?」

 

「なんなんですかさっきから…!雷牙のことを実験動物のように扱って…!」

 

「実験動物か…。」

 

 “実験動物”という言葉が何か引っかかったのだろうか。“雷帝”は何かを考えてこんだ様子でライトに問う。

 

「…ライト君。君は親にとって最大の不幸とは何だと思う?」

 

「…子供を残して死ぬことです。」

 

「ふーん…それもまた不幸だねぇ、だけど私はこう考えている。親にとっての最大の不幸とは“実の子を愛せない事”だと。」

 

 “実の子を愛せない親”と“実験動物”…その2つの言葉(ピース)が噛み合う事で“雷帝”が言わんとする言葉を嫌でも察してしまう。

 

「…! やめろ…!それ以上口にするな…!」

 

「やめないさ、私は実に不幸者なんだから。だって…

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()のだから。」

 

「“雷帝ェ”!!!」

 

 実の親とは思えない“雷帝”の言葉に我慢の限界を迎えたライトは弟の無念を晴らすべく“雷帝”に襲い掛かる。

 流石は元エイリア学園所属のライトだ、恐らく身体能力で彼に勝てる大人は数えるほどしかいないだろう。

 

 だがライトにとっての不幸はまさにその数人の中の1人が目の前に存在していた事だった。

 

「アグッ…!」

 

 “雷帝”はあっさりとライトの突進を避けると慣れた手つきで関節技(サブミッション)を決めるとライトは身動きが取れなくなってしまう。

 

「な、なんで…!?パワーはボクの方が上のはず…!」

 

「ああパワーは君の方が遥かに上だ。私なんかとは比較するのも烏滸がましいほどにね。でも君は1つ勘違いをしている、“怪物”になる条件はただ力が強いだけじゃない。圧倒的なパワーと他者を凌駕する知能を持って初めて“怪物”になれるんだ。要するにパワーしかない君はただの“獣”でしかないってわけ。」

 

 テコの原理を応用した“雷帝”の関節技によってライトは徐々に身体に力が入らなくなる。

 完全に身体に力が入らなくなったのを確認した“雷帝”は技を解き外に停めてある車に戻ろうとする。

 

「ま、待て…!」

 

「安心するといい30分もすれば動けるようになる。動けるようになったらさっさと布団に戻る事だね、明日は試合なんだから。アスリートは身体を大事にするべきだ。」

 

 ライトは力を封じられても弟を侮辱した“雷帝”に一矢報いる為、根性を持って彼を追う。

 それを見た“雷帝”は若干引いたような顔をし溜め息を吐くと再びライトに近寄る。

 

「凄いなぁ君は流石はステラの息子だ。短時間筋肉を緩めるツボを突いたのにここまで動けるなんてねぇ。だから敬意を持って…最後に君も知らない情報を教えよう。」

 

「うる…さい…!」

 

「“明星”の姓は雷牙を産んですぐに他界した()の苗字だ。私は婿養子なんでね。」

 

「何ッ…!?」

 

「私の旧姓は獅天王寺帝牙(してんのうじていが)。君の父・ステラの師、獅天王寺雷晴(してんのうじらいせい)1()()()()。つまり…ステラの義兄弟だね。」

 

「そん…な…!」

 

「ホント君とは運命ってやつを感じるよ。じゃあねライト君、縁があったらまた会おう。」

 

 “雷帝”のカミングアウトが余程ショックだったのだろう。遂にライトは動かなくなり“雷帝”を逃す。

 誰もいなくなった公園には少年の嗚咽が鳴り響いた。




 今更だけどエイリア編の黒幕を吉良星次郎から吉良ヒロト(本物)に変更しておけばよかったと思う今日この頃。
 なんでかっていうと、今作のエイリア編の裏テーマが『繋がり』だからラスボスを父を奪った世界の復讐に燃える吉良ヒロトにする事でそのテーマを更に深く踏み込めたような気がするんですよね。別に吉良星次郎のキャラが弱いわけじゃないけど。
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