イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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 書いてる途中に気づいたんですけど鬼道の存在を完全に忘れてたんで大至急書き直して或葉のポジションに鬼道を入れ直しました。なので或葉は控え選手になってます。
 あの鬼道が空気になりかけるなんて…。オリキャラのキャラが濃ゆいと言うべきか単純に作者が忘れっぽいというべきか…、マジで面目ないです…。


最強の矛

ピーッ!

 

『さあ!遂に始まりました我らが雷門中イレブン対エイリア学園最強チーム・ジェネシスの互いの未来を賭けた最終決戦!!!実況は毎度お馴染み角馬圭太が務めさせていただきます!!!』

 

 いつの間にか忍び込んでいた角馬の実況と共に地球の未来を賭けた最終決戦が幕を開ける。

 

 今回の雷門イレブンのスタメンは以下の通り。

 

FW:熱也、豪炎寺

MF:一ノ瀬、雷牙、アフロディ、鬼道

DF:風丸、吹雪、壁山、円堂

GK:ライト

 

 全国から集めた選りすぐりの精鋭達…、中にはかつて雷門と敵対していた者もいるが彼らの中に“憎しみ”といった感情はない。

 全てはエイリア学園を打倒し平和なサッカーを取り戻すという意志の元、心を1つにしてジェネシスに挑むのだ。

 

「行くぜ豪炎寺!先手必勝だ!」

 

「ああ!まずは先制点を確実にもぎ取る!」

 

 雷門はキックオフ早々FW陣の2人が先陣を切ってジェネシスが待ち構える敵陣へ攻め込む。

 

 だが…

 

『おおっとぉ!?これはどういう事だジェネシス!!!動きません!一歩たりとも動かないぞォォォォォォ!!!』

 

 ジェネシスが選択した行動は“沈黙”。これまで数々の強豪チームが同じ選択をしてきたが“沈黙”を貫くという事は相手を舐めているに他ならない。

 

 それだけ自信があるのだろう。幾度となく限界を超えてきた雷門を前にしても勝てるという絶対の自信が。

 

「チッ!デザームといいテメェらといいエイリアは舐めプしねぇと死ぬ病気なのかよ!!!」

 

「熱也!俺にボールをくれ!確実に点を取る!!」

 

 豪炎寺は熱也にパスを要求しボールを受け取る。そして全身に気を最大まで高め背後に“炎魔”を顕現させる。

 

「“炎魔 ガザード”!!!」

 

 化身を発動した豪炎寺は即座に空を縦横無尽に飛び回ると右脚が炎の刃と化す。それと同時に“炎魔”の両手からも炎の大剣が出現しボールに強烈なシュートを叩き込む。

 

「“マキシマムファイアァァァァァ”!!!」

 

 豪炎寺最強クラスのシュート技“マキシマムファイア”が炸裂し地面を焦がしながらゴールへ向かう。

 それでもジェネシスのメンバーは誰1人として動く事はない。

 

「“真 時空の壁”。」

 

 ジェネシス正GKであり、現エイリア学園最強のキーパーであるネロは表情1つ変える事なく必殺技を放つ。

 だが最大最強の炎は時空の隙間に阻まれただけでは止まらない。

 

「……!」

 

 そのパワーは一瞬にしてネロが作りだした異空間を崩壊させゴールネットを激しく揺らす。

 

 試合開始から僅か1分、豪炎寺修也先制点を獲得。

 

ピッピー!

 

『ゴーール!!!豪炎寺、試合開始早々化身を使いジェネシス相手に先制点を獲得ゥゥゥゥ!!!これは幸先のよい展開ですっ!!!このまま更に点差を突き放せるかァァァァァ!!!?』

 

 ご丁寧に用意された観客席で試合を見守る雷門メンバーは先制点の獲得に湧き上がるが戦場にいる選手達は豪炎寺の得点を素直に喜べないでいた。

 その理由はジェネシスを見れば分かる。彼らには表情がなかった、点を奪われた悔しさも。点を取り返さなければならない焦りも。誰1人として表情を崩さに静かに雷門イレブンを見つめるだけだったのだ。

 

 まるで先制点を()()()()()()と言わんばかりに…。

 

「…さて、()()()はこのくらいでいいかな。」

 

ピーッ!

 

 ジェネシスボールで試合が再開した瞬間に鬼道は皆に指示を飛ばす。

 

「気をつけろ!!奴らは必ず何かを仕掛けてくる筈だ!特にグラン(11番)ウルビダ(10番)には最大限注意するんだ!」

 

 福岡での一戦にてジェネシス…特にグランとウルビダの実力は別格であると理解している鬼道はチームに彼らを警戒するように促す。

 

 だが…

 

「んな…!」

 

「は、速い…!」

 

 熱也と豪炎寺は彼らの動きを見切れずに呆気なく突破を許してしまう。彼らの名誉の為に言っておくと彼らの動体視力は人類最高峰だ。特に熱也はスポーツカーに乗っていても容易に外の状況を理解できるほど優れている。

 では何故グラン達の動きを見切れなかったのか。答えは単純、彼らのスピードが速すぎるだけだ。

 

「行くよウルビダ。俺達の強さを日本中に見せつけるんだ。」

 

「…チッ、馴れ馴れしく私に話しかけるな。」

 

 FWを突破したグランはウルビダとの華麗なワンツーを駆使して一ノ瀬を、次はアフロディを、その次は鬼道を軽々と突破していく。

 次々と突破される中盤を守る選手達。最後に残されたのは金色のオーラと蒼色の稲妻を身に纏った“怪物”だった。

 

「へーい青髪ビューティちゃーん?shall we dance(俺と遊ばない)?」

 

「…稲魂雷牙!」

 

 雷牙を前にしたウルビダは福岡での屈辱を思い出す。眠りから覚めただけに飽き足らず驚異的なパワーアップを遂げて自分達を蹂躙した挙句、改めて自分とグランの力の差を思い知らされたあの忌まわしき屈辱を。

 

「貴様だけは私の手で潰す!」

 

「お〜怖いねぇ。でもその気の強さは俺ちゃんの好みだぜ!!!」

 

 雷牙は“獅風迅雷”の強化倍率を更に引き上げウルビダと対峙する。

 

「ハァ!!!」

 

「セイヤァァァァァ!!!」

 

 金色の“怪物”と蒼炎に燃える“戦士”の右脚が衝突し合う。2人のパワーは完全に拮抗しており一見すると互角に見えるが、ウルビダは顔に青筋を立てているのに対し雷牙は不敵な笑みを浮かべながら余裕のある表情で迎えうっている。

 

「その…不快な笑いを…止めろ…!」

 

「だったらオメーはその顰めっ面をやめな。見てるコッチまで嫌になる。」

 

「黙れェ!!!」

 

 雷牙の挑発が最後の引き金を引き、激昂したウルビダは限界を超えたパワーを発動し一時的に雷牙のパワーを超える。

 挟まれていたボールは宙へ舞いフリーになるが一瞬にして姿を消してしまった。

 

「おっと、しまった…。」

 

 ボールを確保したのは当然グランだ。グランはエイリア学園の共通の独特な走法を用いて加速していく。

 

「勝負だ!ヒロト!」

 

「ハハ!君に俺を止められるかな?」

 

 グランの前に立ち塞がった円堂はGK時代に培った反射神経と脚のバネを駆使してなんとかグランに喰らいつく。

 予想以上の円堂の防御力を前にグランはほんの少し意外そうな顔をしたがすぐに軽い笑みを浮かべるとヒールリフトでボールを上空に上げる。

 

「何ッ!?」

 

「ここは君に華を持たせてあげるよ。…ウルビダ。」

 

 空中でボールを受け取ったウルビダは両足でボールを軽く回転させると莫大なオーラがボールにチャージされる。

 

「“アストロゲート”!」

 

 レーゼが得意としていた“アストロブレイク”を思わせる技だがその威力は彼のものとは比較にならない。

 “アストロゲート”と名付けられたシュートはブロックに入ったDF達を吹き飛ばしてゴールへ向かう。

 

「ゴールはやらない!出番だよ!“ライガ”!“ライト”!」

 

 稲魂兄弟を模した二対のマジンを呼び出しライトは両手でシュートを受け止める。

 

「“雷・トーガ”!!!」

 

 ライトの動きに呼応したマジンは“ライガ”は左手“ライト”は右手を勢いよく突き出し容易くウルビダのシュートを受け止める。

 

「チッ…!裏切り者め…!」

 

『止めたァァァァァ!!!稲魂雷斗!ウルビダの新必殺技を“雷・トーガ”が防いだァァァァァ!!!流石はエイリア学園最強GKと謳われた選手ですっ!昨日の敵は今日の友!小生、彼が雷門の味方になってくれた事に心の底から感謝していまぁぁぁぁぁす!!!』

 

「……。」

 

 ウルビダのシュートを止めたライトだがその内心では彼女の成長に驚きを隠せないでいた。

 

(強くなってる…!福岡の時とは比較にならないほどに…!今のウルビダはあの時のヒロトと同等…下手するとそれ以上の強さだ…!とすると今のヒロトはどれだけの強さなんだ…!?)

 

 一般的なサッカーにおいてキャプテン=最も強い選手という公式は当てはまらない。

 キャプテンに必要なのは純粋な強さではなくチームをまとめ上げる統率力だからだ。

 だがエイリア学園は違う。彼らは帝王学を徹底的に叩き込まれマスターランクチームからセカンドランクチームの末端に至るまでの全ての選手に一定以上の統率力が刻まれている。

 故にエイリア学園所属のチームは強さ=キャプテンの公式が当てはまってしまうのだ。

 

「雷斗!俺にボールをくれ!」

 

「! 頼んだよ風丸君!」

 

 風丸のパス要求に我に帰ったライトは一旦思考を打ち切り目の前の試合に集中する。

 

 だがライトはまたすぐにこの問題と向き合う事となる。

 

「“フォトンフラッシュ”。」

 

「なっ…!目が…!」

 

 音もなく現れたグランの閃光によって風丸は目が眩んでしまいその隙を突いたグランにボールを奪われる。

 そしてグランはボールを天高く上げ自身も飛翔しシュートを叩き込む。

 

「“流星ブレードV2”!」

 

 流星の刃が天空(そら)から落ちる。

 

 “流星”の名を冠しながらも紅蓮の炎を帯びながらゴールに向かう姿は隕石と変わらなかった。

 

「クッ…!ハァァァァァ!!!」

 

 ライトは再び“ライガ”と“ライト”を出現させて“雷・トーガ”の体制に入る。

 だが彼は直感的に理解していた、自分ではこのシュートは絶対に止める事が出来ないと。

 

「だったら…!」

 

 ライトは右腕を大きく振ると“ライガ”も右腕を大きく振り上げ旋風を起こす事で“流星ブレード”のオーラの一部を右手で受け止める。そして“ライト”も左腕を大きく振り上げ旋風を起こしオーラの一部を左手で受け止める。

 残った本体に両手を突き出すとマジン達も残った手を重ね合わせる。

 

「“雷・トーガ”!!!」

 

 本来は“雷・トーガ”は“マジン・ザ・ハンド”の弱点である横方向からの攻撃に弱い点をカバーするために作られた技だがボールを纏うオーラを分散させる事で擬似的なシュートブロックを可能にしている。

 

「グギギギ…!」

 

「ライト、確かに君はエイリア最強の“盾”だ。君とのPKの勝敗は負けた数より勝った数を数える方が早い。でもね…

 

 

 

 

 

 

今の俺はエイリア最強の“矛”だ。」

 

「グァァァァァァァ!!!」

 

 威力を分散させたにも関わらず流星の刃は無慈悲にもマジン達の身体を切り裂きライトを破る。

 

『ご、ゴーール!!!な、なんという事でしょう…!あれだけの鉄壁を誇った“雷・トーガ”を単体で破る選手がこの世にいたとは…!これは本当に現実なのでしょうか…!!』

 

 雷牙でさえ体力の全てを使い果たしてようやく破れた“雷・トーガ”をいとも容易く破ったグランのパワーに皆驚きを隠せない。

 

「…チッ、流石に力を出し惜しみしてる場合じゃねぇか。」

 

 グランの実力を改めて実感した雷牙は本格的に危機感を募らせ“切り札”を解禁する覚悟を決める。

 

ピーッ!

 

「豪炎寺!俺にボールをくれ!」

 

「任せたぞ雷牙!」

 

 キックオフ早々前線に上がった雷牙は豪炎寺からボールを受け取ると気を最大まで高め豪炎寺と同様に金色の“覇王”を顕現させる。

 

「天まで轟けェ!!!“雷鳴の覇王 レグルス・マキシマム”!!!」

 

 “覇王”を顕現させた雷牙はボールを奪い来るジェネシスの選手を覇王の大斧で一喝しゴールへの道を開く。

 

 だが彼に前に立ち塞がったのは…

 

「俺と遊ぼうよ雷牙君。」

 

「来やがったな!グラン!」

 

 雷牙は不敵な笑みを浮かべると化身のパワーを最大まで高めパワータックルを仕掛ける。

 化身によって強化された雷牙の身体能力は正真正銘雷門最強。たとえジェネシス最強の矛であるグランでも荒れ狂う“怪物”を討つ事は出来ない。

 

 

 

 

 ()()()()()()…。

 

「…何を笑ってやがる!」

 

 グランは笑っていた。その笑みは試合前に見せた狂気を帯びた笑みではなく、何かを讃えるかのように穏やかな微笑を浮かべていた。

 

「本当に凄いよ君は、よく人間の身でここまでの領域(ステージ)に到達したものだ。もしも君がエイリア学園の一員になっていたらジェネシスのキャプテンは俺じゃなくて君だっただろうね。」

 

 グランは雷牙を称賛する。その言葉には皮肉や悪意は一切込められておらず、ただ純粋に雷牙を讃える言葉だ。

 

「だからこそ、俺は君に感謝しなくちゃいけない。君という強者が俺を更に上の次元に押し上げてくれたのだからね。」

 

「まさか…!」

 

 刹那グランの身体から夥しい量のオーラが放出される。オーラは次第に形を形成すると現れたのは“絶対神”とはまた違った神々しさと異星人の如き異質さを兼ね備えた“創世神”だった。

 

「“凱亜の創世神 ジェネシス”。」

 

「クッ…!上等だ!俺の“覇王()”とテメェの“創世神()”…、どちらが強ェか決めようぜ!!!」

 

 遂に化身を解禁したグラン率いるチーム・ジェネシス。その圧倒的な力を前に雷門イレブンはどう立ち向かうのか?

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