角馬『ご覧ください!この大歓声を!それもその筈!40年前伝説のイナズマイレブンを排出したこの雷門中で彼らですらも成し遂げられなかった世界へ羽ばたくチームが誕生するのです!これまで幾度となく雷門の試合を実況してきたこの角馬圭太も興奮のボルテージが跳ね上がっております!!!』
気がつけば強化選手しか居なかった雷門中のグラウンドには日本が世界に羽ばたく為の最高のチームの完成をその目で見届けようと日本各地から訪れた人々で埋め尽くされていた。
その中にはFFにて雷門と鎬を削ったライバル校、エイリア学園との戦いで交流を深めた学園の生徒の姿もチラホラ見られる。
しかし彼らの目的はそれだけではない。いや新たな目的が出来てしまったと言うべきか。
“伝説のGK”円堂守と“雷撃のサッカーモンスター”稲魂雷牙。
無名だった雷門を日本一にまで導いただけでなく、エイリア学園の脅威からも日本を救ったまさに最強のコンビと名高いこの2人。
だが彼らはこの試合に限り味方ではなくライバルへとその関係性を変えてしまったのだ。
円堂がAチームのキャプテン。雷牙がBチームに所属している以上彼らの衝突は避けられない。
怪物の牙が伝説の盾を噛み砕くのか、それとも伝説の盾が怪物の牙を逆に粉砕するのか。
どちらの結果にせよベストバウトとなる事間違いないこの一戦に観客達は期待の眼差しを抑えられない様子だ。
雷牙「よっ!ほっ!はっ!」
注目の的の1つは今や雷門の名物の1つとなった“稲魂ステップ”を披露しモチベーションの熱量を更に上げる。
円堂「…よし!いくぞ!」
もう1つの注目の的は敬愛する亡き祖父から受け継いだキーパーグローブのストッパーをキツく締め直し気合いを入れ直す。
角馬『試合開始まで残り5秒!観客席の皆さん!小生と共にカウントダウンをお願いします!5!』
観客『4!』
観客『3!』
観客『2!』
観客『1!』
角馬&観客『0!!!』
ピーッ!!!
『0』のカウントと共に審判のホイッスルがグラウンド全域に響き渡り運命の選考試合が幕を開けた。
円堂が率いるAチームのメンバーは以下の通り。
FW:佐久間、染岡、ヒロト
MF:松野、或葉、吹雪
DF:雷電、飛鷹、綱海、壁山
GK:円堂(キャプテン)
円堂のみならず日本で三本指に入る実力者であるヒロトやDFではなくMFに入っている士郎の存在が目を引くも、その中で最も異彩を放っているのはDFの飛鷹だろう。
まったく無名の彼が一体どんなプレーを見せてくれるのか期待が高まる。
それに対して鬼道率いるBチームのメンバーは以下の通り。
FW:豪炎寺、虎丸、熱也
MF:闇野、鬼道(キャプテン)、雷牙、不動
DF:風丸、木暮、栗松
GK:立向居
こちらもAチームに引けを取らない豪華な選手陣で構成されており、単純な攻撃力の高さならばAチーム以上かもしれない。
それに加えてこちらのチームには日本屈指のゲームメイカーである鬼道と不動がいるのだ。両者の仲が悪く、戦略の傾向も異なる彼らがどのように噛み合うのかはまだ未知数だがそれでも観客達は期待せずにはいられない。
染岡「基山!」
最初に活躍を見せたのはヒロトだった。染岡からボールを受け取ったヒロトは凄まじいスピードで攻め上がる。その様はまさに“紅い彗星”そのものだ。
鬼道「稲魂!虎丸!プレスだ!」
だが彗星の侵入を黙って見ている鬼道ではない。即座に雷牙と虎丸にプラスを掛けるように指示を飛ばしヒロトの行手を塞ぐ。
虎丸はまだしも雷牙を1人で突破するのは難しいと判断したヒロトは後方に居る染岡にボールを渡しなんとかこの場を切り抜ける。
染岡「しゃあ!パワーアップした俺の力を見せてやる!」
不動「ハッ!その顔じゃあ怖すぎて代表には選ばれねェよ!!!」
染岡「お前も人の事言えないだろーが!」
人相が悪い者同士が衝突し合うがこの日の為に特訓に特訓を重ねた今の染岡は一味も二味も違った。
これまでのパワーに頼ったプレーだけでなくテクニックも磨いた染岡はその顔からは想像も付かない華麗なボール捌きで不動を突破してみせたのだ。
染岡「ヘッ!どうだ!」
不動「……。」
勝ち誇った笑みを浮かべながらゴールへ向かう染岡だがその裏で不動は明らかに悪意が込められた微笑を浮かべていた。
そして染岡はその笑みの意味をすぐ知る事になる。
風丸「そこだぁ!!!」
染岡「しまった…!」
伏兵として潜んでいた風丸は疾風の如きスライディングで染岡からボールを奪い返す。
そして間髪入れずに前方で待機していた鬼道にボールを回し攻撃と防御が逆転する。
鬼道「頼むぞ!豪炎寺!」
豪炎寺「任せろ!」
ボールを受け取った豪炎寺は立ち塞がった雷電を一瞬で突破し遂に円堂と対峙する。
豪炎寺「いくぞ!円堂ッ!!!」
円堂「こい!豪炎寺ッ!!!」
豪炎寺は炎の旋風を纏いながら天高く飛翔する。この体制は豪炎寺の代名詞たる必殺技の
豪炎寺「“超ファイアトルネード”!!!」
極限まで鍛え上げられた炎の旋風に対し円堂は歓喜に満ちた笑みを浮かべるとその右手を天に掲げ、神の右手を出現させる。
円堂「“絶ゴッドハンドッ”!!!」
これまた円堂の代名詞である必殺技が炸裂し、燃え盛る炎の旋風を神の右手が力強く受け止める。
角馬『挨拶代わりと言わんばかりに円堂と豪炎寺の代名詞が炸裂し、円堂が完璧に止めてみせたーーッ!!!まだ試合開始直後だというのになんとハイレベルな試合なんだーーッ!!!』
円堂「みんなーーッ!反撃だーーッ!!!」
円堂はその腕力でボールを遥か前方へ送りカウンターを開始する。マックス、ヒロトの順で次々とボールが繋がっていき最後にボールを持ったのは…
ヒロト「吹雪君!」
ボールを受け取った吹雪はやや灰が掛かった銀髪を靡かせながらドリブルで攻め上がる。
だが彼の前に立ち塞がったのは吹雪と瓜二つの容姿を持った吊り目の少年だった。
熱也「兄弟だからって手は抜かねーぜ兄貴ッ!!!」
吹雪「それはこっちの台詞だよ熱也!」
弟は兄が相手でも一切容赦せずに本気で襲い掛かり、日本屈指のスピードでボールを奪おうとする。
兄も弟の期待に応えるべく吹き荒れる吹雪の如く荒々しいプレーとスピードで弟を返り討ちにする。
吹雪「今回は僕の勝ちだね熱也!」
熱也「クッソが…!俺の知らねぇところで特訓してやがったな…!」
吹雪「さーてね。けど驚くのは
立向居と対峙した吹雪は熱也の“ウルフレジェンド”を思わせるトップスピードで走り出すとボールを軽く上に上げ自身も飛び上がると右脚、左脚、右脚の順で空を蹴る。すると彼の背後から
そのまま“エターナルブリザード”を思わせる動作でシュートを叩き込むとケルベロスの口から炎、氷、雷のエレメントが放出されボールに注入される。
吹雪「“トリニティブリザード”!!!」
吹雪の新必殺技“トリニティブリザード”が炸裂し3つの属性のエレメントを纏わせながら立向居へ襲い掛かる。
立向居「“ムゲン・ザ・ハンドG4”!!!」
立向居は円堂大介が遺した最強のキーパー技“ムゲン・ザ・ハンド”を発動させ無数の腕がケルベロスの咆哮を受け止めるが3つのエレメントはある腕は一瞬で凍らせ粉々に粉砕し、またある腕は燃やし尽くし灰へと変え、またまたある腕は強烈な雷により感電しパクリとも動かなくなる。
こうして数十本あった無数の腕は1本も残らず消え去り立向居の身体ごとゴールに叩き込んだ。
立向居「グァァァァァァァ!!!」
角馬『ゴーールッ!!!吹雪士郎の新必殺技が最強のキーパー技である“ムゲン・ザ・ハンド”を単独で破ったーーッ!!!』
審判のホイッスルによりAチームのゴールが確定しスコアボードに『1』の数字が刻まれる。
チームメイトは吹雪の得点を喜ぶ一方でゴールを許してしまった立向居は己の不甲斐なさに悔しがっていた。
立向居「なんて凄いシュートなんだ…!俺もパワーアップしたつもりだったけど吹雪さんはそれ以上に強くなってる…!」
少なくとも総力戦の時のライトを超える実力へと至っている吹雪を見た立向居は自身の努力が足りなかったと反省していた。
雷牙「そうくよくよすんなよ立向居。まだ負けた訳じゃねェ、取られたなら俺たちが取り返せばいいだけだ。オメーはただこの失敗を糧にどうすれば強くなれるかだけを考えていればいいんだよ。」
立向居「稲魂さん…!分かりました!俺、“ムゲン・ザ・ハンド”を更に進化させて次は失点しないように頑張ります!」
雷牙「ハッ!その意気だぜェ〜〜!立向居ッ!!!」
立向居の覚悟を見て更に瞳の奥に映る闘志の炎を燃え上がらせる雷牙。その身体からは普段とは異なる
ピーッ!
Aチームの得点によりBチームのキックオフから試合が再開する。
雷牙「豪炎寺!俺にボールをくれ!」
豪炎寺「…! 分かった!任せたぞ雷牙!」
“水を得た魚”ならぬ“ボールを得た怪物”はこの時を待っていたと言わんばかりの不敵な笑みを浮かべながらガンガン攻め上がる。
或葉「稲魂にボールが回った…!貴様ら…絶対に奴を先に行かせるな…!」
或葉の指示で熱也とヒロトが彼にプレスを仕掛けると突如雷牙の姿が人型から四足歩行の獣へと変貌する。
雷牙「“雷獣義牙G3”!!!」
文字通り目にも止まらぬ速さで熱也とヒロトを抜き去った獣はそのままの勢いでMF陣の防御も諸共せず更に加速する。
壁山「これ以上先には行かせないっス!“超 ザ・ウォール”!!!」
雷電「“スーパーしこふみV4”!!!」
壁山と雷電の2人によるブロック技が黄金の獣の行手を阻みその口に咥えたボールを奪わんとするが巨大な足が激突する瞬間、突如獣は大爆発を起こし周囲が大量の砂煙に包まれる。
雷電「なんだぁ!?」
あまりに突然の出来事に困惑する雷電と壁山だがその答えはすぐに明らかとなる。
砂煙が晴れた先には黄金の獣の姿はそこには無くその代わりに立っていたのは…
円堂「あれは…!
背後に円堂のものとは異なる白金色に輝くマジンを顕現させた雷牙の姿だった。
雷牙「全力でいくぞーーッ!!!守ーーッ!!!」
マジンの片手で投げ飛ばされた雷牙は縦回転を行いながら通常時の倍の高さまで跳躍する。
最高地点まで到達した雷牙は姿勢を元に戻し黄金の右脚を天高く上げるとマジンも両手を合わせる。
そしてボールに雷牙渾身の踵落としとマジンのハンマーが叩き込まれると白金色の稲妻を纏わせながら円堂目掛けて落下して行く。
雷牙「“プラチナギャラクシーッ”!!!」
“プラチナギャラクシー”と名付けられた雷牙の新必殺技は白と黒の二色で構成されていたボールをまるで白金を思わせる光沢を持つ真球へと変え同色の稲妻と共にゴールへ向かう。
円堂「勝負だ!雷牙ッ!!!」
円堂は右拳を作り左脚を天高く上げ間髪入れずに力強く地面を踏み込み勢いよく拳を突き出し、黄金の拳を出現させる。
円堂「“正義の鉄拳G3”!!!」
研鑽を重ね更に進化した黄金の拳と白金の真球が衝突し合い激しい稲妻を発しながら拮抗する。
だが次第に黄金の拳に亀裂が入り始めるとみるみるうちに拳全体へ広がり遂に黄金の拳は砕け散ってしまった。
そのまま白金の真球は円堂を吹き飛ばし、ゴールネットを激しく揺らした。
円堂「痛ってて…。なんて凄ぇシュートなんだ…!まだ手が痺れてる…!」
雷牙に点を許してしまった円堂だがその表情には悔しさは一切見られない。寧ろ、親友がこんな強力なシュートを習得していた事に喜びさえ感じている様子だ。
“怪物”は再び不敵な笑みを浮かべ親友兼ライバルに向けて改めて宣言する。
雷牙「守ッ!コレが俺の世界への想いだ!!!」
親友の想いをその身で感じ取った円堂は言葉ではなく笑みで応える。
現在両チームとも1-1の同点。まだまだ勝負は始まったばかりだ。
展開の都合上カットしたんですけど選考試合は連携技に加えて化身も使用禁止になってます。じゃないと化身使いがガン有利になっちゃうからね。仕方がなかったってヤツだ。
〜オリ技紹介〜
♦︎トリニティブリザード
属性:無
分類:シュート
使用者:吹雪士郎
進化系統:改→真→爆→極
≪概要≫
吹雪士郎が使用する無属性のシュート技。
決定打がない事を問題視していた吹雪が“ザ・トリニティ”から着想を得て開発した技。
やや消費体力が大きいのが欠点だが、その威力は“ウルフレジェンド”を超える。
モーションは“パンサーブリザード”とほぼ同じだが、最初のキックが2回から3回に増えている違いがある。
♦︎プラチナギャラクシー
属性:山
分類:シュート
使用者:雷牙
進化系統:V2→V3→V4→S
雷牙が使用する山属性のシュート技。
モーションはゲーム版の“爆熱ストーム”のようにマジンさんの拳で飛び上がる点は同じだが、雷牙が屈んで縦回転で飛翔しているのとシュートフォームが踵落としという違いがある。
技名の元ネタはイナMONを読めば大体察しがつくと思うのでよかったらどうぞ。(唐突な宣伝)