イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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なーんか最近めっきり集中力が減った気がする…。
エイリア編までは2時間もあれば5000字くらい余裕で書けてたけど、世界編に入ってから急に筆が進まなくなったんですよねー…。イナMONも筆が止まってるし、もしかしなくてもガチめのスランプかな?


真の日本代表はどちらだ!? 激突!ネオジャパン!後編

木野「やった!遂に同点に並んだわ!!!」

 

冬花「いえ…まだ油断出来ません。ここまで緑川さんは一度も化身を使っていません、彼がもう一度化身を発動してしまえば成長した立向居君でも止めらない可能性が高いです。」

 

 冬花の分析通り、これからの試合はネオジャパンは緑川が化身を発動させるか、イナズマジャパンは“ザ・ヒュドラ”もしくはヒロトが化身シュートをどちらが先に炸裂させるかの勝負となる。

 両チーム共大きく消耗している今、文字通り一瞬の油断が勝敗を左右すると言っても過言ではない。

 

音無「皆さーん!!!ラスト15分頑張ってくださーい!!!」

 

円堂「応っ!!!みんな!ギリギリまで踏ん張ってネオジャパンに勝つぞ!!!そして絶対に世界に行くんだっ!!!」

 

イナズマジャパン『応ッ!!!』

 

砂木沼「我々とて一歩も引くつもりはないッ!!!貴様らに勝利し、ネオジャパンこそが真の日本代表として世界に羽ばたくのだッ!!!」

 

ネオジャパン『ああッ!!!』

 

 両チームのキャプテンの鼓舞により際限なくチームメイトの士気が上がる。本当の勝負はここからだ。

 

角馬『これは凄いぞッ!!!誰がこの展開を予想したでしょうか!?今やアジアで五本指に入る強豪と化したイナズマジャパン相手にネオジャパンは互角に立ち回っているーーッ!!!』

 

 誰かが言った。“本当に強い人間とは誰よりも自分の弱さを理解している人間である”と。

 その言葉を体現するネオジャパンは個人の短所を他者の長所で補い合う事でイナズマジャパンと一進一退の攻防を繰り広げていた。

 

 だがイナズマジャパンも負けていない。久遠は敢えて大半のメンバーを不慣れなポジションに配置する事で砂木沼の読みを妨害、かつ鬼道の指揮の元で短所を補い合う事でネオジャパン以上のパフォーマンスの発揮に成功している。

 

 互いに一歩も引かない激戦の末に先に勝利への入り口へ辿り着いたのは…

 

 

 

 

緑川「もう一度俺に力を貸してくれ…!“ジェミニストームゥゥゥゥ”!!!」

 

 皆の想いを一粒も漏らす事なく受け止めた緑川の背に“双子座の嵐”の名を冠した天からの侵略者(エイリアン)が再臨する。

 

鬼道「化身のパワーで“ブロック・ザ・キーマン”を強引に打ち消したか…!」

 

緑川「どうしたイナズマジャパン!?本気で日本代表の座を守りたいのなら出し惜しみせずに本気で掛かってこい!!!」

 

 化身により強化された緑川の身体能力は圧倒的であり、彼よりも格上であるイナズマジャパンでもなす術もなく蹂躙されるだけだ。

 

 かつて日本を襲った侵略者達の蹂躙劇を思わせる緑川の進撃。MFすらも突破し残るはDF陣のみとなった侵略者の前に紅き彗星が流れ落ちる。

 

ヒロト「“創世神 ジェネシス”!そして…鎧装!“アポカリプス・00”!!!」

 

緑川「この時を待っていたぞ…!ヒロト!!!」

 

 “創世神”の名を冠しながらも破壊を司る神を剣先に宿す双剣を携え顕現する神。その姿はまさに“矛盾”と評するに相応しい。

 

ヒロト「勝負だ!緑川!!!」

 

 矛盾を抱えた“創世神”は目の前に侵略者に裁きを与えんと破壊の双剣を振り下ろす。

 全盛期は雷牙の“レグルス”ですらも歯が立たなかった破壊の双剣。

 星二郎の呪縛から解放され、化身パワーが落ちた現在でも並大抵の化身ならばいとも容易く粉砕する。

 

 だが…

 

緑川「負けるかァ!!!」

 

ヒロト「何!?」

 

 ただこの一瞬だけを待ち望んでいた緑川は残りの体力なぞ気にしないとばかりに最大限まで気を高める。主人の覚悟に正比例するように更なる力を発揮した“ジェミニストーム”は“創世神”の双剣をいとも容易く受け止めてみせた。

 

緑川「感じるかヒロト…!この重みを…!“ジェミニストーム”は俺だけの化身じゃない…ネオジャパンみんなの化身なんだ…!お前が本当の日本代表なら…俺達の“想い”を受け止めてみせろォォォォォォッ!!!」

 

ヒロト「クッ…!ウォォォォォッ!!!」

 

 遅れて化身のパワーを全開にするヒロトだったが、今、この瞬間における力関係は完全に緑川が上回っていた。

 仲間達の想いの結晶たる“ジェミストーム”の拳は破壊の双剣から発られる破滅の気すらも弾き、徐々に双剣を押し返す。

 彼の抵抗も虚しく、“ジェミニストーム”の拳は破壊の双剣を粉砕し、本体たる“創世神”に手を掛ける。

 

円堂「ヒロトっ!!!」

 

雷牙「ヒロトッ!!!」

 

 仲間達が自身を心配する声を背景に、ヒロトの意識は徐々に途切れてしまった。

  

 

♢♢♢

ヒロト「ここは…?俺はネオジャパンと試合をしていた筈じゃ…?」

 

 気がつくとヒロトは見知らぬ空間に居た。周囲には真っ白で何も無い空間が地平線を沿うように広がっているだけだ。

 エイリア時代であってもこのような空間は見た事も訪れた事もない。にも関わらず、ヒロトはこの空間に対し、強烈な既視感と本能的な安心感を覚えていた。

 

???『ここは精神世界さ。君…そして()のね。」

 

ヒロト「この声は…!いや…そんな筈はない…!」

 

 絶対に聞こえる事などあり得ない声を前にヒロトの理性は理解よりも先に拒絶を選択してしまう。

 しかし、今の状況事態があり得ないの権化である以上、彼の持つ常識など通用しない。

 覚悟を決めたヒロトは背筋に張り付く嫌な予感を振り切るように素早く視線を移す。そこに居たのは…

 

ヒロト「俺…?」

 

???『やっ、久しぶりだね俺。』

 

 爽やかな笑みと気さくな態度で返事をしたのは、かつて“グラン”と名乗っていた頃の自分自身と同じ顔、声、恰好を持った赤髪の少年だった。

 

ヒロト「…誰だ?お前は…」

 

???『今認めたじゃないか、俺はお前だよ。』

 

ヒロト「違う…!俺はもうその姿(グラン)とは訣別した…!本当に俺を名乗るのなら今の姿で現れる筈だ…!」

 

 ワザとらしく惚ける少年を否定するように一言一句違わずに自身の考察を伝えるヒロト。その考察を聞いた少年は正解だと言わんばかりに悪意が込められた笑みを浮かべる。

 

???『へぇ?中々鋭いじゃないか?点数を付けるなら95点といったところだね。…でも俺の答えは変わらない。俺はお前さ、基山ヒロト。ただ…1つ付け加えるなら俺はお前の“影”だ。』

 

ヒロト「“影”…?」

 

???『そう。基山ヒロト…厳密には()()()()()()()()1人の人間から枝分かれした負の側面さ。俺が“グラン”と同じ容姿なのも、あの時代がお前にとってトラウマだからだ。まっ、名前が同じなのもややこしいし俺の事はグランって呼んでよ。』

 

 その名を聞いたヒロトは僅かに眉間に皺を痩せてしまう。顔、髪型、服装、だけでも十分すぎる程にヒロトの地雷を踏み潰す要素で構成されているにも関わらず、嬉々として“グラン”の名を名乗っているのだ。

 怒りを爆発させて殴りかからないだけでもヒロトを褒めるべきだろう。

 

ヒロト「…単刀直入に聞く、お前の目的は何だ?」

 

グラン『俺の目的…?そうだなぁ…。』

 

 顎に手を当てて考え込むグランにヒロトは警戒してしまう。ライトから(強制的)に付き合わされた特撮作品に似たような展開があった。

 そのキャラは自らの精神世界に主人格を呼び出し、トラウマを刺激する事で心を端折り、主導権を握ろうとしていた。

 まさか現実でも似たような体験をするとは思わなかったが、正々堂々と緑川との決着を付ける為にも彼に屈するわけにはいかないのだ。

 

 しかしグランの口から出た答えは彼の予想を超えるものだった。

 

グラン『特に深い意味は無いね。強いて言うならただ君と話したかっただけ…かな?』

 

ヒロト「……は?」

 

 あまりに予想外すぎる答えに人生で初めて腑抜けた声が出てしまう。

 

ヒロト「いやいや!!!口ではそんな事言ってもどうせ俺の身体を乗っ取ろうとしているんだろ!?俺は騙されないからな!!!」

 

グラン『いやいや、君が警戒するのも分かるけどさ、考えてみなよ。どうしてこんな中途半端な場面で人格を乗っ取る必要があるんだい?俺が本当に君の人格を乗っ取るつもりなら、もっと早い段階で接触していた筈だろ?』

 

ヒロト「……確かに。」

 

 ヒロトはグランの筋の通った反論に思わず納得してしまう。エイリア学園時代の経験から他者の嘘を見抜く事に長けているヒロトの観察眼を持ってしても、グランが嘘をついているようには見えない。恐らく本気で自分と話したいだけなのだろう。

 

グラン『立ち話も何だし歩きながら話そうか、といってもこの空間には何も無いけどね。』

 

 こうしてヒロトとグランは他の色が一切混じっていない白一色の中を歩く。

 人工物もなく、ただ“無”だけが続く空間はヒロトに時間の感覚を鈍らせる。…元々時間という概念自体存在しないかもしれないが。

 その中で話す内容は本当に平凡なものだった。今注目しているサッカー選手だとか、父が帰ってきたら最初に掛ける言葉は何かだとか、永世学園で気になっている女子は居るかだとか…本当に年頃の人間らしい何1つ変哲の平凡な会話だった。

 

 普段から口数が多いタイプではないヒロトだが、不思議と彼との会話を苦痛に思わなかった。寧ろ、相手が自分自身という事もあり躊躇なく本音で語り合う事ができ、サッカーとは違う爽快感すら感じている。

 …だが楽しい時間にはいつか終わりが来る。ヒロトとグランにとってそれが“今”だったのだ。

 

ヒロト「…名残惜しいけど、もうそろそろお別れの時間だ。俺は現実に帰って緑川との決着を付けなくちゃいけない。だから…最後に1つだけ質問させてくれ。」

 

グラン『…いいよ。ここまで俺のお喋りに付き合ってくれたからね、俺に答えられる事なら何でも答えるよ。』

 

ヒロト「…本当の俺って一体何なんだろうな?」

 

グラン『…遂に核心に触れちゃったか。』

 

 ヒロトの口から発せられた質問に対し寂しそうな顔をするグラン。ヒロトは分かっていた、グランはワザとこの質問をさせない為に立ち回っていた事を。

 それでもヒロトはいつまでも立ち止まっているわけにはいかない。現実世界に帰り親友である緑川と決着を付けなければならないのだ。彼らに勝って仲間達と世界に挑戦する為に。

 

グラン『その質問に答える為には先に俺から質問しなきゃいけない。お前は俺と触れ合って何を感じた?』

 

ヒロト「…“陽”と“影”に本質的な境界線は無い。どちらも俺が持つ1つの側面なんだ、改めて思ったよ俺はお前で、お前は俺だ。」

 

グラン『それが真実(答え)だよ俺。“表”が無ければ“裏”は生まれない、“陽”が周囲を照らさなければ“影”は出来ない。裏表の両方が揃って初めて人は人に成れるんだ。』

 

 自分なりの答えを見つけ出したヒロトは今一度自身の人生を振り返ってみる。

 

 その記憶にはお日さま園と名付けられた施設で過ごす少年が居た。

 彼にあったのは実の親から捨てられた“事実”と漢字も意味も分からない“名前”だけ。

 “事実”は優しかった父との交流を通して徐々に癒えていったが、“名前”だけはずっと少年の心に重くのし掛かった。

 その名を呼ばれる度に心の奥底から嫌な感情が込み上げて来るのだ。いつしか本当の名前は少年にとって忌まわしき存在と化していた。

 

 だからこそ少年はその名を捨てた。実の名を捨てる事だけが過去を否定する唯一の手段だったから。

 若くしてこの世を去った父の実子と同じ名を与えられた少年は“基山ヒロト”して生まれ変わった。…そう思い込んでいた。

 

ヒロト「結局のところ…俺は“基山ヒロト”を演じていただけだったんだ。少しでも父さんの笑顔が見たかったから…。」

 

 ヒロトは何故自分には化身だけが2種類を使えるのか理解する。

 いや…使えて当然だったのだ。だって自分には2つの心があったのだから。

 

 復讐に狂うエイリア皇帝の刃・グランとしての化身が“ジェネシス”。

 

 慈愛に満ちた父を慕う息子・ヒロトとしての化身が“アポカリプス”。

 

 まるでコインの表と裏のように対照的な性質を司る神々は、文字通り本来の“自分”の光と闇だったのだ。

 

ヒロト「…グラン、少し遅くなったけど…俺を受け入れてくれるかい?」

 

グラン『よろこんで。…と言いたいところだけど、最後に1つ聞きたい。お前はこれからどちらの名を名乗って生きていくつもりかな?』

 

ヒロト「…この名前(ヒロト)を捨てるつもりは無いよ。ただ…今だけはやり直してみようと思う。エイリア学園のグランでもなく、永世学園の基山ヒロトでもない…1人のサッカーを愛する人間・()()()として…!」

 

グラン『…そっか、ありがとう俺。楽しかったよ、思う存分話が出来て。』

 

 ヒロトの返答を聞いたグランは満足そうに頷き、手を差し伸べる。ヒロトは躊躇する事なく手を掴み取り、熱い握手を交わす。次の瞬間、グランは光の粒子へ変わり、ヒロトの身体を包み込む。

 光が晴れた先に居たのは“ヒロト”でも“グラン”でもない。全てを受け入れた本当の自分…“タツヤ”だった。

 

タツヤ「『本当の勝負は…これからだ!』」

 

 “タツヤ”はその身を紅の彗星へ変え、音速を超える速度で光を飛び出す。全ては自らの過ちに気づかせてくれた親友との決着を付ける為に。

 

♢♢♢

ヒロト「ウォォォォォッ!!!」

 

 ヒロトの敗北は確実かと皆が確信し始めた瞬間、突如として“創世神”の双剣が再生し、“ジェミニストーム”の拳を切り刻む。

 

緑川「この力は…!?」

 

ヒロト「ごめん緑川。俺はずっと過去を…両親との繋がりを否定したくて中途半端な自分を演じて続けていた…。けどそれも今日で終わりだ。」

 

緑川(ーー!!! なんなんだヒロトのこの気迫は…!いや…俺はこの気迫を感じた事がある…!これは…まるで…!)

 

 まるで落下直前の隕石を前にしているかのような気迫を直接感じ取った緑川は冷や汗が止まらない。

 この数秒の間に根本的な何かが変わった親友の立ち姿には、赤髪を逆立て近未来的なユニフォームを身に包んだ少年が重なってしまう。

 

緑川「グランッ!?」

 

タツヤ「見せてやる緑川!これが本当の俺だ!!!」

 

 気迫のみで“ジェミニストーム”を吹き飛ばしたタツヤはソウルウェポンを解除し、フィールドに“創世神”と“破壊神”を顕現させると、二対の神々は白と黒の螺旋を描き、1つに混ざり合う。

 

鬼道「あれは…!“ジェネシス”と“アポカリプス”の合体化身か!?」

 

雷牙「このビリビリと来る感じ…!激ヤバだ…!」

 

 光が晴れた先に顕現していたのは“創世神”でも“破壊神”でもなく、“創造()”と“破壊()”をその身に抱く、神秘の巨人だった。

 

目金「おお…!来たぞ我らの…!」

 

タツヤ「“銀河超人 エイリアマスターズ”!!!」

 

 “ヒロト”と“グラン”が混ざり合った事で生まれた“タツヤ”としての化身“銀河超人 エイリアマスターズ”。

 身体に白と黒のラインが走る神秘の巨人は目の前の“侵略者”を討つべく、腰を低くし独特な構えを取る。

 

タツヤ「いくぞ緑川ッ!!!これが俺とお前の!!最後の決戦だッ!!!」

 

緑川「この一撃に俺の全てを賭けるッ!!!勝つのは俺達だァァァァッ!!!」

 

 両者が持つ力、技術、経験の全てを総動員させ、最終決戦に挑む“侵略者”と“神秘の巨人”。両者の両手には獲物ゼロ 拳のみ 勝者は1人

 

 拳同士の殴り合いを制した者のみが未来を切り拓く権利を与えられるのだ。

 

 時間にして1秒にも満たない一度きりの最終決戦の勝者となったのは…

 

 

 

緑川「あと一歩…届かなかったか…!」

 

タツヤ「いや…紙一重だ…!だけど…今日は俺の勝ちだ…!!!」

 

 コンマ0.1秒の差で“侵略者”の胸を“神秘の巨人”の手刀が貫いた。これにより体力の限界を迎えた緑川は化身を維持出来なくなり、役目を終えた“侵略者”はオーラとなって飛散する。

 

 漸く緑川を突破したヒロトは最後の力を振り絞りボールを前線に飛ばす。

 彼の足からボールが離れたと同時に“神秘の巨人”は“侵略者”と同様にオーラとなり飛散する。

 

ヒロト「ハァ…ハァ…!後は…任せたよ…!皆…!」

 

 全ての力を使い果たした“紅の彗星”は膝を突く。仲間達なら必ず、自身の想いを繋いでくれると信じて。

 

綱海「ヒロト!お前の想い、確かに受け取ったぜぇ!!!喰らえ!“ザ・タイフーン”!!!」

 

 ヒロトの想いに応えるべく、綱海はオーストラリア戦で習得した新必殺技で確実にFWにボールを回そうとする。

 

西垣「させるか!“スピニングカットV4”!!!」

 

 それを読んでいた西垣も得意技の“スピニングカット”を発動させ、シュートを防ごうとする。

 しかし、綱海の脚力は並大抵のFWを凌駕する。彼の実力ではシュートを完全に止める事は叶わなかったものの、最後の最後で意地を見せ、シュートの軌道を変える事に成功した。

 

 ボールが向かった先には両チームの選手は居ない。このままフィールドの外に出てしまえばネオジャパンのスローインとなってしまう。まだ緑川の体力に余裕のある状況で攻守が切り替わってしまうのは非常にマズイ。

 

 鬼道は即座に防御の指示を送り、砂木沼はカウンターの指示をチームメイトに送る。残り時間も僅かの中、イナズマジャパンのピンチを救ったのは一陣の疾風だった。

 

角馬『な、な、な、なんとォォォォォォッ!!!?綱海のこぼれ球を拾ったのは…!!!まさかまさかの風丸一郎太だァァァァッ!!!』

 

砂木沼「なんだと!?」

 

 ネオジャパンのマークを振り切り、ギリギリの所でボールに追いついたのは風丸だった。

 ボールを確保した風丸は目の前に立ち塞がるネオジャパンを“風神の舞”で次々と突破して行く。

 

砂木沼(落ち着け砂木沼治…!風丸一郎太はDF…奴単体のシュートでは源田からゴールを奪う事は不可能だ…!ヒロトは既に戦闘不能…FW陣のマークも完璧…ここはカウンター前提の動きで緑川にボールを繋ぐ…!)

 

 砂木沼の卓越した判断力は僅か1秒の間で全ての情報を纏め上げ、最適解を導き出す。だが皮肉な事にこの判断の早さがネオジャパンの運命を決定づけてしまう。

 

久遠「今だ!コード44(ダブルフォー)発動!」

 

 今まで石像のように試合の戦況を見守るだけだった久遠が突如として、ベンチから謎の指示を送る。

 

瞳子(ダブルフォー…44…しし…ーー!!! まさか…!?)

 

 瞳子は久遠の号令の意図を遅れて理解するも、時既に遅く、窮屈な檻の中から解放された“怪物”は地を駆けていた。

 

雷牙「“獅風迅雷・限界突破”ォォォォォォッ!!!」

 

 翌日の筋肉痛と引き換えに限界を超える力を発揮した雷牙は凄まじいスピードでゴール前まで移動し、風丸と合流する。

 ここで漸く瞳子と砂木沼は謎に包まれていた久遠の戦略の意図を理解する。

 

砂木沼(やられた…!後半から稲魂をDFに下げ、今まで守備に集中させていたのは全てこの瞬間の為か…!)

 

瞳子(その為のポジションシャッフル…!作戦の意図を撹乱だと勘違いさせる事で本来の目的である稲魂君のカウンターを意識から外させた…!)

 

 判断ミスを取り返す為に指示を送るが、既にフィールドには黄金の稲光と翡翠の暴風を纏いし大嵐が吹き荒れる。

 

雷牙&風丸「「“ランペイジツイスター”!!!」」

 

 未来の弟子との絆の結晶たる暴乱の乱気流が炸裂し、音速を超える速度で源田へ襲い掛かる。

 

源田「“エナジーキングーー!!!は、速い!?」

 

 日本最速の必殺技に反応出来なかった源田は王国を出現させる暇もなく、ノーマルキャッチで対応せざるおえなくなる。

 だが、K・O・Gの腕力を持ってしても乱気流を抑え込む事は出来ずに限界を迎えた源田は弾き飛ばされてしまう。

 

 遂に最後の砦を突破し後はボールがゴールラインを割るだけだ。

 

 …しかし99%確定したイナズマジャパンの勝利に異議を唱える者が居た。

 

砂木沼「まだだッ!!!まだ試合は終わってないッ!!!俺は最後の1秒になるまで勝利を諦めんぞォォォォォォッ!!!」

 

 いつの間にかここまで下がっていた砂木沼はゴールラインの前に割り込む。彼の背に純白の翼を出現させながら。

 

雷牙「ったく…オメーさんの勝利の執念は尊敬するぜ…。闘争心の一点に関しちゃあ日本一どころか世界一かもしれねェ…。ただ…()()()()()()()()()()()()()()に通用するかな?」

 

 雷牙の捨て台詞が終わると同時に現れたのは橙色のバンダナを頭に巻いた宇宙一のサッカーバカだった。

 

円堂「ウォォォォォッ!!!」

 

砂木沼「来たか…!円堂守ゥ!!!」

 

 遂に対峙したライバル達は、漫遊寺から長き渡って続いた戦いに終止符を打つ為に己の全てを“そこ”に込める。

 

 円堂は尊敬する亡き祖父の形見である橙色のバンダナを巻き締めた頭部に。

 

 砂木沼は顔も知らない両親が唯一残したくれた鋼鉄よりも硬い右脚に。

 

 両者の誇りとも言える部位に全てのエネルギーを集中させ、彼らはその名を叫ぶ。

 

円堂「“メガトンヘッドG4”!!!」

砂木沼「“爆ゴッドノウズ”!!!」

 

 チームメイトの想いを背負い、己の全てを出し尽くして初めて歩む事の出来る、英雄たちの栄光への道(グレートロード)

 

 その終着点に到達したのは…

 

砂木沼「見事だ…円堂守…!そして…日本を背負う戦士達(イナズマジャパン)よ…!」

 

 心の底から敗北を認めた誇り高き鋼鉄の戦士は、満足そうに笑みを浮かべる。

 役目を終えた天使の翼は飛散し、純白の羽の雨が戦場に降り注ぐ。その様はまるで日の本を背負う戦士達の誕生を祝福するように荘厳な光景だった。

 

ピッ!ピッ!ピッーー!!!

 

 天使の祝福の中で古株のホイッスルが三度鳴り響き、試合の終了を知らせる。

 スコアボードに刻まれた得点は2-1。真の日本代表の座を勝ち取ったのは我らがイナズマジャパンだ。




やっとネオジャパン戦終わった…。想定以上に長くなりすぎたな…。
次回から韓国戦に入るけど、多分先にイナMONを投稿するので少し投稿期間空くと思います。気長にお待ちくださ〜い。

〜オリ技紹介〜
♦︎銀河超人 エイリアマスターズ
属性:無
分類:??
使用者:基山ヒロト
≪概要≫
緑川の覚悟に呼応して覚醒したヒロトの化身“アポカリプス”とグランの化身“ジェネシス”の合体化身であると同時に彼の本来の化身でもある、特殊な立ち位置の化身。
その力は凄まじくグラン時代の化身パワーに引けを取らないものの、ヒロトの実力を持ってしてもまだ不安定である為、短時間しか発動出来ず化身技も使えない。
容姿にはどちらの化身の面影はなく、口元が隠れ顔つきがシャープになった白と黒の模様を持つニュージェネウルト○マンといった感じ。中の人的にはアスト○だけど。
見た目がウル○ラマンっぽいのは多分、十中八九、99%、ライトの影響。
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