イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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御影専農ってゲームとアニメだとかなり印象が変わる学校の1つですよね、新作で下鶴がでるって聞いた時は割と嬉しかったです。


偽りのサッカー

雷牙 side

 

『な、なんだよコイツ!急に殴ってきやがって!』

 

『へ!複数でしかイキれないヤツが女の子1人いじめてんじゃねーよ!』

 

あーなんだっけこの記憶?確か1年くらいの時に鉄塔に行った時の記憶だったような…あーそうだあの日俺女の子をいじめてた6年生くらいのヤツと喧嘩したんだ。お袋にめちゃくちゃ怒られたなぁ…、あん?なんかそこの女の子お嬢に似てね?

 

『あ、ありがとう…助けてくれて。』

 

『はっ!別に助けたつもりはねーよ!あいつらはサッカーをバカにしただからちょいと脅かしてやっただけだし。』

 

『おーい雷牙ー!どこに行ったんだよー?』

 

チリリリリリ…

 

目覚ましのアラームが鳴り時間を確認すると午前5:00朝練の時間だ。しかしやけに懐かしい夢を見たな…

 

「よーし行け行け!左だ!もっとプレッシャーかけろ!」

 

「よし抜けた!くらえ円堂!」

 

「こい!“熱血パンチ”!」

 

俺たちは相変わらずグラウンドを借りれずに河川敷で練習しているが、野生中と試合をしてから明らかに練習を見物するギャラリーが増えている。

 

「なんか最近ギャラリーが増えてないか?」

 

「もしかして遂に俺たちのファンができたんじゃないのか?」

 

意外と風丸って俗っぽいこと言うんだな。あんまりそこらへん意識してねぇと思ってたけど。だが、初めてのファンがついたのが嬉しかったのか豪炎寺以外の全員どこか浮かれている…が多分アレってあれだろうなぁ…

 

「あなた達これから必殺技の練習を禁じます。」

 

「いきなり何を言い出すんだよ?必殺技無しでFFを勝ち抜けるのかよ!」

 

「アレが見えてないの?アレはあなた達のファンなんかじゃない他校の偵察よ!」

 

「て、偵察ぅ⁉︎」

 

やっぱそうだよなぁ…今年に入ってから名前も知らないサッカー部が帝国と引き分け、その後の試合も連戦連勝を重ねて遂にFF予選の第一試合を突破した…そりゃ偵察にも来るか…

 

「…けど必殺技無しでどうやって試合をすれば…雷牙もそう思うだろ?」

 

「いや、今回ばかりはお嬢の提案に賛成。情報によるアドバンテージは予想以上に大きいもんだ。偵察がいなくなるまで基礎能力を上げる練習に切り替えるべきだと思う。」

 

「〜〜!だったら誰にも見られない練習場を見つければいいんだよ!そうしたら偵察が来ても大丈夫だ!」

 

誰にも見られない練習場所って守…、んなとこここらへんあるわけねぇでしょうが。

しばらく必殺技練習ではなく基礎練を主にしていたら帝国の黒バスと同じくらいデカい車が数台やってきて、中からブレザーを着た学生が2人降りてきた。

 

No side

 

「…なぜ必殺技の練習をしない?」

 

「な、なんでって…。」

 

「もうすでに我々は完璧に再現された雷門中のデータに完勝している。万が一のイレギュラーを考慮したとしても我々が負ける確率は0.01%以下だ。」

 

「お前らのデータがなんだって言うんだ!勝負はやってみなくちゃ分からないだろ!」

 

「…勝負?これは害虫駆除だ。」

 

害虫駆除。あまりにも次に対戦する学校にかけるとは思えないその言葉に円堂は初めは理解できなかったが次第に怒りの感情が沸いてくる。

 

「俺たちが害虫だって…?取り消せ…取り消せよ!今の言葉!」

 

「なんだ?私は事実を言っただけだ。取り消す気は無い。」

 

「まさか自分達の実力を測れてないとは思わなかったな。」 

 

円堂は怒りの抗議をするが、杉森と下鶴はさも当然のように心無い言葉を続ける

 

「へぇ〜?だったら俺たちに負けた時はオマエらは害虫以下だってことだよな?」

 

「…副キャプテンの稲魂雷牙か。我々が負けることなど億に一にもありえないがな。」

 

「だったら決闘だ!俺たちの必殺技を見せてやる!今すぐ決闘をしろ!」

 

円堂はお互いのチームにFWがシュートを一本打ち合い、GKが止められるかで決着をつけるルールを提案し、雷門先行で決闘が開始する。

 

「よしこい!止めてやる!」

 

ゴールに向けて走りだす下鶴はボールを上空に上げると豪炎寺に嫌な予感が走る。その動きは自分が最も得意とする技と全く同じ動き(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)であったからだ。

 

「“ファイアトルネード”!」

 

御影専農のFWが雷門が誇る“ファイアトルネード”を使った。その事実は円堂の反応を遅らせるのに十分であり“ゴッドハンド”ではなく“熱血パンチ”で応戦せざるを得なくなる。円堂は不完全な威力の“熱血パンチ”では止めきることができずにゴールネットを揺らしてしまう。

 

「こちらの能力を解析したと言ってましたがまさか必殺技までコピーしていたとは。」

 

初戦に負けた円堂の意志を継ぐために豪炎寺は静かにボールを受け取る。その目は力強く準備する杉森の方を見つめている。

 

「いくぞ!“ファイアトルネード”!」

 

「やはりデータ通りだ!“シュートポケット”!」

 

豪炎寺の炎が杉森が作り出した空間に引き摺り込まれ呆気なく鎮火する。

雷門が誇るエースストライカーでも点が取れないあまりの衝撃に雷門イレブンは絶句している。

 

「証明は終わった。雷門は絶対に我々には勝てない。」

 

感情の籠っていない事実を突きつけ杉森と下鶴は河川敷を後にした。

 

 

 

〜数時間後〜

 

「はっ、はっ、はっ!これで100本目終了!腹減った!帰る!」

 

雷牙は日課の別メニューをこなした後今日の決闘について考える。雷門の2大エースが敗北をしたこの事実は自信家の雷牙にも少なくない衝撃を与えた。はっきり言って円堂はまだいい、確かに円堂は突然のアクシデントに弱いという弱点を抱えているものの2度目の不覚をとるような奴では無いことを理解している。問題はFWだ、今の雷門のFWは総合力の豪炎寺と爆発力の染岡の2人に分かれる。もしもさっきの決闘の際に染岡が“ワイバーンクラッシュ”を放っていれはおそらく“シュートポケット”を破ることができただろう。だが“ワイバーンクラッシュ”は今の染岡には負担が大きすぎて試合中2回撃てば染岡は使いものにならなくなるだろう。自分の“キングレオーネ”でも破れる自信がないならどうすればいいか?答えは簡単練習あるのみだ。とりあえず日が傾いてきたので帰ろうとバッグを漁ると宿題のプリントを忘れていることに気づく。

 

「げっ、、、しくった…しゃーねぇ取りに学校戻るか、めんどいけど」

 

数分かけて学校に戻る雷牙だがそこにユニフォーム姿で部室を出る土門の姿を発見する。アイツも自主練か?一瞬呑気な考えが脳内を掠めたがすぐに現実を見る、そもそもサッカー部は未だにグラウンドを借りて練習ができていないのだ、それなのにこんな時間までユニフォームでいるのはおかしい。気になった雷牙は土門の後をつけてみることにした。

 

「もしもし?はい…鬼道さん雷門中のデータを今送りました…」

 

ビンゴ。実のところ雷牙はここ最近土門を疑っていた。FF予選前に転入しサッカー部に入部した時点でどこか変だと思っていたが本格的に疑いだしたのは今日の杉森の言葉からだ。

『やはりデータ通りだ!』データ通り…ハッキリと見たわけじゃないがここ数日で偵察きた学校の中で杉森たちが着ていたブレザーを着ていた学校はいなかった。それにも関わらず奴はデータ通りと言った、それはどこからか情報が漏れていたのではないか?そう思っていたがまさか帝国と繋がっているとまでは思っていなかった。

 

「…鬼道さん俺は貴方に雷門のデータを帝国に送れと命令されてスパイとして雷門に転入しました。でもなんで偵察にも来ていない御影専農の連中が雷門のデータを持ってるんです?まさか帝国と御影専農はグルだったんですか⁉︎」

 

どうも帝国と御影専農が繋がっていることは土門には知らされていなかったらしく電話相手の鬼道に土門は抗議している。

 

「…え?これは総帥の命令ですって⁉︎い、いや…逆らおうとは思っていません…で、でも…」

 

とりあえず雷牙はその場から立ち去る。別に土門を許したわけじゃない、ただ抗議している時の土門の目は帝国の連中とは違っていたただそれだけである。

 

〜次の日〜

 

雷門イレブンは夏美からの命令で校内で“開かずの扉”と噂される場所の前に集まっていた。

 

「雷門中七不思議の一つ“開かずの扉”…!昔生徒がこの中に入って行方不明になったと伝えられるいわく付きの扉ですよ…!」

 

目金の解説にあたり一帯の空気が冷え込む。すると開かない筈の扉がギリギリと音を立てて開き始める。

 

「「お、お化け〜〜〜!」」

 

「みんな揃ったわね。」

 

中から出てきたのは雷門夏未だった。その後中に案内された扉の先にあった光景は軍事施設のような無骨な雰囲気の訓練場であった。

 

「ここはイナビカリ修練場。かつて伝説のイナズマイレブンが使っていた修練場…らしいわ。」

 

イナズマイレブンが使っていた修練場、その言葉に円堂はいち早く反応する。

 

「ここがイナズマイレブンが使っていた修練場…ってなんでお前がこんなところを知ってるんだ?」

 

「見つけたのよ…書類整理をしていた時にね…。安心しなさい補強工事は行ってあるわ、思う存分使いなさい。」

 

「へぇ〜、鬼のお嬢にも俺たちを思いやる心が残ってたんだな、意外に。」

 

「誰が鬼ですって!それに私は雷門の看板を背負うあなた達に不様な戦いをして欲しくないだけです!」

 

いつも通り茶化す雷牙に珍しく噛み付く夏未だがすぐにいつもの冷静さを取り戻し入り口に向かう。各自が様々なマシーンが設置されている場所に着くとスピーカーから夏美の声が響く。

 

「ここはタイマーロックがかかっていて設定された時間が経過するまで絶対に出られない仕組みになっているわ。せいぜい頑張ることね…死なないように。」

 

最後の最後で物騒な言葉が聞こえたと思うとブザーが鳴り出し練習が始まる。その内容はまさに地獄と言ってもおかしくないものだった。当たれば即死と思わせるレーザーを必死に避ける特訓、カジノのルーレットのようなランニングマシンで延々と走り続ける特訓、ボールが弾のマシンガンから放たれるシュートを力尽きるまで弾き続ける特訓…もはや特訓ではなく怪物の生態実験のようなものばかりであったがなんとかやり遂げて扉が開いた先にマネージャーの目に入ったのはボロボロになった雷門イレブンの姿であった。

 

「み、みんな中で何があったの⁉︎」

 

「雷門中1番のスタミナを持つ稲魂先輩ですらバテてるってそんなに凄まじい特訓だったんですね…。」

 

「で…でも伝説のイナズマイレブンはこの修練場で特訓してたんだ…!明日から試合までずっとここで特訓するぞ!」

 

「お、おぅ〜」と弱々しく返事する中で土門の弱音が小さく混じる。それから毎日拷問とも言える特訓をこなす雷門イレブン。それを乗り越えついに試合当日になる。

 

「この前はやられちまったけど、今日は絶対に負けないからな!」

 

「君達が勝つ確率は今も変わらない。精々不様な戦いをしないように気をつけることだな。」

 

試合前に杉森を見つけ宣戦布告をする円堂だが相変わらず杉森は感情が篭らない言葉で返事をする。

雷門は御影専農のデータサッカーを破ることができるのか?




タイトルになんとなく偽りのサッカーって入れたけど全然偽り要素ないっスね。まぁデータに支配されるサッカーが偽りのサッカーってことで。
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