レベル5産のゲームって、イナイレしかり妖怪ウォッチしかり、初代は後続作品とは全然違う独特の雰囲気があるから、結構癖になるんですよね。
特に激シブボイスのウィスパーすこ。
円堂「みんなーっ!!ここから反撃だーーっ!!!」
いつの間にか後方に逸らした筈のボールを両手に抱えていた円堂は、勢いよくボールを蹴り上げ、前線に居るチームメイトにボールを繋げる。
不動「俺の足を引っ張るなよ?鬼・道・ク・ン?」
鬼道「誰にモノを言っているッ!!」
後半から不動が投入された事で、ナイツオブクイーンの防御に対応出来る柔軟性を得たイナズマジャパンは、もはや別チームと呼べる程までの変貌を遂げていた。
鬼道「絶対に相手にボールを渡すな!!」
不動「ダイレクトパスだ!!」
鬼道と不動の巧みな指示によって、イナズマジャパンのパスが繋がり出す。
2人の司令塔を起点とし、彼らの周囲を囲むようにパス回しを続けるイナズマジャパン…その様はまさに、フィールドを吹き荒れる時には縦、時には横に…縦横無尽に動く2つの台風だ。
冬花「これがイナズマジャパンの新しい必殺技タクティクス…!」
秋「鬼道君と不動君、チームに2人の天才司令塔が居るからこそ出来る戦術ね!」
目金「名付けるならそう!“デュアルタイフーン”です!!」
目金によって“デュアルタイフーン”と名付けられたタクティクスは、鉄壁を誇っていた“アブソリュートナイツ”を崩壊させ、ゴールへの活路を切り開いた。
虎丸「稲魂さんっ!!」
雷牙「ナイッパァ*1!!オマケにも一つ…!天まで轟けェェェ!!!“雷鳴の覇王 レグルス・マキシマム”!!!」
スタジアム内に黄金の稲妻が轟き落ちると同時に、“怪物”と“覇王”による渾身の一撃が叩き込まれる。
雷牙「“マキシマム・オブ・レグルスゥゥゥゥ”!!!」
“怪物”の強靭な右脚と“覇王”の大斧によって放たれた一撃は、ボールに凄まじい量の稲妻を纏わせながらゴールへ襲い掛かる。
ランス「させるかッ!!ハァァァァァ!!“ストロングタワー”!!!」
当然、“覇王”の進撃をただ見ているだけの騎士ではない。
誇り高き騎士団の守備の要を務めるランスは、その身に煉瓦模様の“巨塔”を顕現させ、もう1つの凄まじき巨塔を天に聳えさせ、“覇王”の覇道の行手を阻む
事はなかった。
雷牙「そう来る事は想定済みだぜェェェ!!!」
既にランスの妨害を予感していた雷牙は、独特な構えで指を鳴らすと、その音色に呼応するかのように覇道の
ランス「何ッ!?」
完全に不意を突かれたランスは、体制を整えようとするが、時既に遅し。
“覇王”の覇道の終着点……そこには日本が誇る蒼き疾風と山の如しの巨壁が待ち構えていた。
風丸「皆から託されたこのボール…!絶対に決めるぞ!壁山!」
壁山「はいっス!!!」
互いに最高到達点まで飛翔した“疾風”と“巨壁”は、“巨壁”の強靭な足腰を踏み台とさせ“疾風”を更なる高みへと、物理的に押し上げる。
壁山「竜巻ぃ…!!」
“巨壁”により再び飛翔した“疾風”は、空中にて体制を上下反転させ回転によって得た力の全てを力へと変換し、渾身の一撃をボールに叩き込んだ。
風丸「落としぃぃぃぃ!!!」
天より降り注ぐのは、“流星”でも“星屑”でも、ましてや“宇宙”でもない稲妻と暴風を纏っただけの“竜巻”だ。
フレディ「“ガラディーン”!!!」
自身に向かって流れ落ちる“暴風雨”を食い止めんと、英国の守護神はその手に黄金の大剣を携え、勇敢に立ち向かう。
だが、天が生み出した“災害”の前には如何なる人間も等しく無力。それは人工の“災害”ですらも例外ではない。
フレディ「グァアアアアア!!!」
ピーッ!!!
マクスター『ゴーールッ!!!カゼマルとカベヤマによる、新必殺技がナイツオブクイーンからゴールを奪ったぞーーッ!!!コレにより両者の得点は3-2!!!遂にイナズマジャパンのリードだーーッ!!!』
綱海「って!あの必殺技、俺と壁山が練習してたヤツじゃねぇーか!……まっ、いっか!ナイスシュートだったぞー!壁山ー!風丸ー!」
綱海の賞賛と共に、予想だにしなかったイナズマジャパンのリードにより観客達の熱気は更にヒートアップする。
フィリップ「ク…!まさか日本に逆転を許すとは…!」
ランス「すまない…。全ては私の油断が招いた事態だ…」
攻撃の要たるエドガーの化身シュートを止められ、防御の要たる“アブソリュートナイツ”も攻略された…。
今のナイツオブクイーンに残されたのは、“無敵の槍”のみ。しかし、いくら敵陣に入り込めたとしても、点を奪えなければ意味がない。
全ての切り札を出し尽くしたイギリスには、もう勝ち目はない。
…少なくとも、チームメイトはそう思い込んでいた。
だが、この男だけは違った。
自軍の戦術を悉く攻略され、“最強”すらも通用しない絶体絶命のピンチに陥りながらも、その目線の先にあるのは“勝利”の二文字だけだった。
エドガー「次のプレー…キックオフと同時に“無敵の槍”を使う…。指定のメンバーは準備をしてくれ」
フィリップ「だが…!お前の化身はエンドウには通用しないのだぞ!?確かに、“無敵の槍”はまだ攻略されていないが…日本のディフェンスを突破した所で点を取らなければ意味がないだろう!?」
エドガー「誰がエンドウには勝てないと言った?安心したまえ、私の予想が正しければ…“イジゲン・ザ・ハンド”には
フィリップ「致命的な弱点…!?それはなんだ!?」
エドガー「フッ、試合が始まってからのお楽しみさ」
イギリス代表・ナイツオブクイーンを率いる大将、エドガー・バルチナス。
世界トップクラスのシュート力と卓越した戦略眼を以て、数多の勝利をチームに齎してきた名将の中の名将…
彼の活躍を讃えて名付けられた異名は“静かなる闘将”…。
その真骨頂が今、魅せられようとしている。
ピーッ!!!
エドガー「必殺タクティクス!!“無敵の槍”!!!」
宣言通りキックオフ早々、フィールドに蒼白に輝く一振りの巨槍が出現する。
鬼道「やはり来たか…!皆!監督の指示通りにいくぞッ!!!」
『おおっ!!!』
イナズマジャパンが、未だに破れていない必殺タクティクス“無敵の槍”。
エドガーを中心に、他の3人の選手と四身一体となる事で、何者も寄せ付けない文字通り“無敵の槍”と化すタクティクス…。
その威力は折り紙つきであり、単純なパワーは化身にすら匹敵するだろう。
鬼道(認めよう…。“無敵の槍”は文字通り無敵のタクティクスだ…。一度発動されれば、為す術もなく攻められてしまうだろう…。だが…!
それでもだ。この世に永遠の“絶対”はない。命ある者いつかは朽ち果てるように、“絶対”とは常に覆されていくものだ。
それは“無敵”ですらも例外ではなかった。
マクスター『どうした事だイナズマジャパンーーッ!?突然、“無敵の槍”を避け始めたぞーーッ!?まさか、エンドウに全てを任せ、カウンターに入るつもりかーッ!?』
“無敵”の『無』を『有』に変える手段…。その答えは既に、“怪物”によって導き出されている。
マクスター『そのままナイツオブクイーンは日本のDFを突破ーーッ!!!そしてエドガーは“エクスカリバー”の体制に入ったぞーーッ!!!』
鬼道「今だっ!稲魂ッ!!」
雷牙「任せとけェ!!“絶 覇王の斧ォォォ”!!!」
司令塔の指示に従って、その脚に“黄金の斧”を宿した“怪物”が“聖騎士”の前に立ちはだかる。
マクスター『そういう事かーーッ!!!“無敵の槍”の無敵も無限ではなく有限ッ!!!シュートを放つ際は、無敵ではなくなるという弱点があったーーッ!!!』
一般的に必殺シュートとタクティクスの併用は不可能だと言われている。
それは“無敵の槍”ですらも例外ではなく、シュートを放つ際には必ずタクティクスを解除しなければならない。
それこそが鬼道と久遠が見つけ出した“無敵の槍”の弱点だったのだ。
目金「大当たりです!!ここでボールを奪えれば絶好のカウンターチャンスですよっ!!!」
音無「しかもエドガーの周囲は、イナズマジャパンによって封鎖されていますっ!!!ここからのフォローはありえませんっ!!!」
誰もがイナズマジャパンの戦略勝ちを確信する中……
“聖騎士”と対峙する“怪物”は、ある違和感に襲われる。
雷牙(笑ってる…?)
“聖騎士”は笑っていた。それもただの笑みではない、まるで自身の策略にまんまと引っかかってくれた目の前の“怪物”に対し、感謝をしているかのような不敵な笑みだった。
エドガー「そう来ると思ってたよ…!イナタマッ!!」
一見すると日本の圧勝に見えた戦略戦…。だが、その実態は“聖騎士”が一枚上手であった。
エドガー「“パラディンストライク”!!!」
“聖騎士”は目にも止まらぬ速さで、“エクスカリバー”の体制を崩し、回し蹴りの体制に移る。
“聖騎士”の強靭な脚から繰り出された回し蹴りは、ボールに翡翠色の気を纏わせ、“怪物”の頭上を嘲笑うように通り抜け円堂の元へ向かった。
鬼道「クッ…!読まれていたか…!」
カウンター前提の戦術を採用し、攻撃に大半の人員を割いていた事により、シュートブロックをする者も居ない日本陣地は、“パラディンストライク”の威力を一切落とさせる事なく、万全の状態で円堂の元へ向かわせてしまった。
マクスター『ここに来てエドガーのもう1つのシュートが炸裂ーーッ!!!キーパー・エンドウ!この技に対してどう対処するのかーーッ!?』
“パラディンストライク”は威力・速度共に“エクスカリバー”には劣るものの、肌と神経で感じる緊張感から、今の円堂では“怒りの鉄鎚”を以てしても止める事は不可能だと直感で理解してしまう。
円堂「だったら…!“魔神 グレイトッ”!!!」
ここまで来たら出し惜しみは無しと言わんばかりに、黄金の“魔神”を顕現させた円堂は、次元を超える結界を展開させシュートに立ち向かう。
円堂「“イジゲン・ザ・ハンド”!!!」
苦悩の果てに導き出した円堂の新たな“答え”は、騎士の一撃を力強く受け止め、シュートを止めんと試みる。
だが…
円堂「な、なんだこのシュート…!?今までのシュートとは何かが違う…!!」
“力に対して技術で勝つ” それが“イジゲン・ザ・ハンド”のコンセプトだ。
これまで力に対し力で勝負を制してきた円堂に取って、初めての技術をメインとした必殺技。
…だが、習得したばかりの不慣れな技術がここに来て仇となる。
円堂「なっ…!?う、嘘だろ…!?」
“聖騎士”によって放たれた騎士の一撃は、魔神の結界によって逸らされる事なく、目の前の障壁に僅かな風穴を開けゴールネットに突き刺さった。
観客『得点…したんだよな…?』
観客『あ、ああ…ボールがゴールラインを割っているし…』
イナズマジャパンが苦労の末にようやく掴んだリードを、一瞬で消失させたエドガーの得点。
本来なら観客の大部分を占めるイギリスのサポーター達は、歓声を上げるべきなのだろう。…だが、会場内は静寂によって包まれている。
その理由は至極単純。これまでのエドガーのシュートとは毛色の異なる、派手さもなければ、激しさもない、あまりに静かすぎる得点に観客・選手共に脳の理解が遅れているのだ。
ピーッ!!!
皆が呆気に取られる中、審判のホイッスルが会場内に鳴り響きナイツオブクイーンの得点が確定する。
エドガー「やはり思った通りだ!“イジゲン・ザ・ハンド”はパワー重視のシュートには強いが、テクニック重視の技には非常に弱いッ!!そのような極端な必殺技に頼っているなど言語道断!!その驕りが命取りだぞエンドウッ!!」
円堂「くそっ…!力と技術の判断をミスった…!俺もまだまだだな…!」
習得したばかりの“イジゲン・ザ・ハンド”を過信する余り、せっかくのリードを帳消ししてしまった事実に、自分はあくまでも“一流”へ至る道の入り口に立っているだけにすぎないと自覚する。
豪炎寺「悔やんでいる暇があるなら前を向け!円堂ッ!!」
鬼道「お前の失点はチームの失点でもある。取られてしまったのなら、俺達が取り返せばいいだけだ」
円堂「みんな…!……ああっ!!次は絶対に負けないッ!!」
雷牙「ハッ!それでこそ円堂守だッ!!!」
またしても同点のイーブンに持ち込んだ両チーム。イギリスが点を取れば日本がすぐさま取り返す、日本が点を取ればイギリスがすぐさま取り返す。まるで終わりの見えないイタチごっこだ。
それでも、両国の代表達の表情に“飽き”の感情は一切籠もっていない。
寧ろ、目の前の強敵と戦える事への“喜び”の笑みさえ溢れている。
すると…
観客『ニッポン!!ニッポン!!ニッポン!!』
試合開始前は英国コール一色だった会場に日本コールが混ざり始め、会場内の派閥が二分される。
なんて事はない。イナズマジャパンの勇姿が観客の心を動かしたのだ。
フィリップ「ナイスシュートだエドガー。次のプレーも頼むぞ」
エドガー「…いや。ああは言ったが、さっきのは上手く彼の慢心を突けただけだ。きっと、二度も同じ手は喰らわないだろう」
先日の親善パーティーでの扱いが嘘のように、円堂に対し高い評価を送るエドガー。
直線上に居る日本の守護神を見つめるその目は、これまでの日本の戦士達を格下と見下す目ではなく、自身と比肩する実力を持つ
ピーッ!!!
残り時間も少ない中、日本とイギリスの戦士達は一進一退の攻防を繰り広げる。
虎丸「“グラディウスアーチ”!!!」
フレディ「“ガラディーン”!!!」
虎の子が放つ無数の短剣の襲撃を、守護神の大剣が見事防ぎ
雷牙「“雷獣義牙G5”!!!」
エッジ「“ストーンプリズン”!!」
先ほどは逃した雷獣を、今度こそ石の監獄が捉え
フィリップ「“マシンガンビート”!!!」
風丸「“魔帝の逆鱗ッ”!!!」
“精鋭兵”の
一分一秒が永遠にも感じられる両者一歩も引かない激しい攻防の中、最後の攻撃権を掴んだのは……
染岡「これで…!決める!!!」
年齢に似合わない強面と桃色の髪を剃り上げた日本の蒼龍だった。その後ろには、蒼龍と強い絆を結んだ2匹の銀狼も共に走っている。
熱也「俺らが揃えば最強だッ!!誰が相手でも負ける気がしねぇ!!!」
吹雪「僕達の力を皆に見せてやろうよ!」
“勝利”という目標の元に、心を1つにした蒼龍と銀狼達はその背後に無数に分かれた首を持つ蒼龍が降臨させ、トリプルシュートをボールに叩き込む。
染岡&熱也&吹雪「「「“ザ・ヒュドラ”!!!」」」
シュートに呼応するように、ヒュドラの数多の首から様々な元素を持つ息吹が放たれ、騎士達の妨害を容易く跳ね除けながら、英国の最後の砦へと向かう。
マクスター『これは凄いッ!!!ナイツオブクイーンのディフェンスすらも物ともしないとは驚きですッ!!!さぁ!キーパー・フレディ!この強烈なシュートを止める事が出来るのかーーッ!!!?』
実況によるフレディに対しての強い期待が寄せられるが、染岡単独のシュートを止められなかった彼が、それよりも更に強力な連携シュートを止められる筈がないのは、火を見るよりも明らかだ。
会場内に居るイギリスのサポーター達はナイツオブクイーンの敗北を確信し、根っからの日本ファンとつい数分後前に日本のサポーターに鞍替えした観客達がイナズマジャパンの逆転を確信する中……
その“聖騎士”は現れた。
雷牙「エドガー…!?」
エドガー「聞けッ!!!マモル・エンドウッ!!!」
突如、シュートとゴールの前に立ちはだかったエドガーは、その瞳に強い覚悟を宿し声高々に宣言する。
エドガー「このエドガー・バルチナス…!今、この瞬間だけはッ!!女王を
騎士としてではなく選手として、円堂に勝つ覚悟を決めた“聖騎士”は、その背に英雄たる“魔犬騎士”を顕現させ、その技の名を叫ぶ。
エドガー「“霧幻の剣牙ッ”!!!」
蒸気機関の“魔犬”の牙と“騎士”の大剣は、一瞬でヒュドラの息吹を掻き消す…どころかその息吹すらも自らの力に加える受容性を見せつけ、距離と共に威力を比例させながらフィールドを駆ける。
染岡「んだと!?“ザ・ヒュドラ”を弾き飛ばした!?」
エドガー「ただ弾き飛ばしただけではないッ!!その力すらも取り込んだのだッ!!そしてこの距離…!究極の領域に至った我が一撃は“次元”の壁すらも超えるぞッ!!!」
“エクスカリバー”と同様に、距離が離れれば離れるほど威力を増す特性を持った化身シュートは、先ほどの意趣返しと言わんばかりにイナズマジャパンの妨害を圧倒的なパワーで返り討ちにしながら、円堂に襲い掛かる。
円堂「…見つけた!これが俺の…“答え”だァ!!!」
今度こそ確信を以て、“力”と“技術”の二者択一を果たした円堂は、その右手に全ての気を集中させ、その名を叫ぶ。
円堂「“イジゲン・ザ…!ハンドォォォォ”!!!」
全てを技術を圧倒する“力”に対して、全ての力を受け流す“技術”の結界が衝突する。
円堂「グッ…!」
だが、
このままでは円堂の敗北は確定…同時にイナズマジャパンの敗北も確定してしまう。
円堂「なら…!これならどうだァァァァ!!!」
最後の最後で奮起した円堂は、シュートを縦に逸らすのではなく、時には横に、時には斜めに結界の上を走らせる始める。
一方方向だけに加えられたシュートに、上下左右のありとあらゆる方向に異なる力が加えられた事で、徐々にシュートを構成していた物理運動と気が消失し始める。
エドガー「馬鹿な…!?そんな手段でシュートを止めようとするとは…!なんて非常識な…!」
円堂「ヘッ…!そんな寂しい言い方するなよ…!これはなぁ…!非常識じゃなくて超次元なんだよっ!!!」
“異次元”を超えた“超次元”の結界によって、完全に威力を殺されたシュートは、天高く宙を舞い、重力に導かれ真下に居た円堂の右手にボールが収まった。
マクスター『止めたーーッ!!!イギリスの“誇り”と日本の“意地”!どちらも一歩も引かない勝負の末に勝ったのはマモル・エンドウだーーッ!!!』
円堂「みんなーっ!!!あとは任せたぞーーッ!!!」
円堂の“想い”を乗せたボールはDF、MF、FWへと次々と伝播し、ナイツオブクイーンの抵抗を容易く突破していく。
鬼道/不動「「“デュアルタイフーン”!!!」」
再び二対の台風が吹き荒れた事で、イギリスのディフェンスは完全に崩壊し、ゴールへの活路が開かれた。
不動「ここで外したりしたら承知しねぇぞぉ!クソライオンッ!!!」
雷牙「ハッ!!!
腐れ縁たる悪魔からのパスを受け取った“怪物”は、相棒たる豪炎寺と共に並走し、心を1つにする魔法の言葉を紡ぐ。
雷牙「天丼ッ!!!」
豪炎寺「カツ丼ッ!!」
雷牙&豪炎寺「「親子丼ッ!!!」」
両者の心が1つになった事で、“覇王”と“炎魔”は黄金と真紅の光は螺旋を描きながら1つに混ざり合い、フィールドに神殺しの槍を携し白金の凶戦士が顕現する…!
雷牙&豪炎寺「「“神殺の凶戦士 ロンギヌス”!!!」」
1つになった奇跡の炎雷は白金の槍を構えると同時に、豪炎寺は右回転、雷牙は左回転で飛翔し 仲間達の“想い”を背負ったボールに向かって渾身のツインシュートを放つ。
雷牙&豪炎寺「「“神滅槍弾ッ”!!!」」
“凶戦士”の手から放たれし“神殺の槍”は、圧倒的な威力と速度を以てゴールへと向かう。
その時…“神殺の槍”の行手を阻むべく建造されし“巨塔”が降臨する。
ランス「“ストロングタワー”!!!グ…!グァアアア!!!」
威力、勇気、発動タイミング…その全てが完璧だったものの、目の前の“神殺の槍”はかつて日の本の地にて、獅子の姿を模った一等星すらも一撃で屠ってみせたのだ。
伝統あれども強度は据え置きである、煉瓦模様の巨塔では止められる筈もなく、呆気なく粉砕されてしまい、“神殺の槍”は一切の威力を落とす事なく歩みを進める
エドガー「まだだァァァ!!!いでよッ!!“白銀の霧幻騎士 バスカヴィルゥゥゥ”!!!」
だが、試合が終わる一分一秒まで勝利を諦めない戦士は英国にも居た。
既に満身創痍である筈の“聖騎士”は、最後の力を振り絞り“魔犬騎士”を顕現させ、シュートに喰らい付かせる。
エドガー「“霧幻の…ッ!!剣牙ァァァ”!!!」
再びシュートを打ち返し今度こそ円堂に勝利する為に、“聖騎士”の神聖なる右脚を槍とボールの間に挟ませる。
エドガー「私達は負けんッ!!!我らは伝統ある、祖国の“誇り”と全国民の“想い”を背負っているのだッ!!!
雷牙「ハッ!!!その心意気や
祖国の“誇り”と“夢”を背負って戦う“聖騎士”と、祖国の国民と夢破れし者達の“想い”を自らの“夢”へと変換し戦う“日の本の侍達”。
どちらも一歩引く事のない“エゴ”のぶつかり合いの末に、勝負を制したのは……
エドガー「グワァァァァァ!!!」
ピーッ!!!
雷牙「ハァ…!ハァ…!俺たちの…!勝ちだな…!!!」
勝敗を分けたのは紙一重の差…されども勝者となったのは侍達だ。
ピッ!ピッ!ピーッ!!!
マクスター『試合終了ーーッ!!!両者一歩引かない激戦の末に…!勝負を制したのは…!イナズマジャパンだーーッ!!!』
得点と同時に試合終了のホイッスルが鳴り響き、イナズマジャパンの勝利が確定する。
まだ初戦にも関わらず、決勝と見間違うかのような激戦を繰り広げた両チームの選手達は、全ての体力を使い果たした事でその場に座り込んでいる。
観客『ニッポン!!!ニッポン!!!ニッポン!!!』
素晴らしい試合を見せてくれたイナズマジャパンを称賛するべく、これまで二分されていた応援コールは、日本コール一色となり会場内に鳴り響く。
日本の侍達はその歓声を心ゆくまで噛み締め、英国の騎士達は会場内を英国コール一色に染められなかった事に対して悔しさを噛み締める。
エドガー「…負けたか。…だが、悪くない気分だ。…ん?」
円堂「……」
敗者となったエドガーの前に、勝者となった円堂が現れる。
疲労によるものか、それとも勝利の余韻によるものか、何故か円堂は軽く俯いている為、その表情は読み取れない。
だが、エドガーには円堂の目的を察していた。
先日のパーティーしかり今日の試合しかり、アレだけ円堂に対して無礼な態度を取ったのだ。嫌味の1つや2つを言われる覚悟は既に出来ている。
しかし……エドガーの予想に反し、円堂の口から嫌味が発せられる事はなかった。
円堂「良い試合だったな!エドガー!」
エドガー「…何?」
太陽のように明るい笑顔で右手を差し出す円堂に、エドガーは言葉を失ってしまう。
エドガー「…何故、嫌味を言わない?私は君に対してアレだけ無礼な態度を取ったのだぞ?」
円堂「そんなのは些細な問題だろ?試合が終わればノーサイドだ!俺はただ、お前たちとスッゲェ試合が出来て超満足なんだ!」
エドガー「…なるほど」
円堂の返答を聞いたエドガーは、祖国の“想い”と“誇り”を一心に背負った自分達が、何故イナズマジャパンに後一歩及ばなかった理由を理解する。
エドガー「…エンドウ、今日の試合は私達の完敗だ。だが、本戦はまだ始まったばかり…残り全ての試合を勝利し、必ずや我々は決勝ブロックに進む!そこで今日の雪辱を果たす!!」
円堂「おうッ!望む所だ!」
決勝での
こうして、イナズマジャパンの栄光への第一歩は見事、勝利という形で幕を閉じた。
はい!イギリス戦しゅーりょー!…はぁ、長かったなぁ…。ぶっちゃけ当初は前後編にする予定だったけど、色々あって3話構成になっちゃった。