マクスター『お待たせしました皆さんッ!いよいよ日本対アルゼンチンの後半戦が再開しようとしていますッ!!』
“怪物”の紛い物の乱入により混沌に包まれた試合は、紆余曲折を経て歪な形となりながらも再開しようとする。
後半戦からのイナズマジャパンのスタメンは以下の通り。
FW:豪炎寺、熱也、染岡
MF:風丸、ヒロト(キャプテン)、虎丸
DF: 綱海、壁山、木暮
GK:立向居
黒幕による不公平な裁定のせいで1人欠けた状態で試合を続けなければならなくなったイナズマジャパンは、人員不足を攻撃力で埋める為に土方をベンチに下げ、虎丸をMFに採用する事で“攻撃は最大の防御”を体現しようとする。
それでも中核である選手達の不在による痛手を隠しきれておらず、何名かが本来不得手なポジションを兼任している様は実に心許ない。
音無「稲魂さんの偽者のせいで、ジ・エンパイアも相応のダメージを負っているとはいえ…あちらは11人に対しこちらは10人…。この1人の差はかなり大きいですよ…!」
目金「それでもやるしかありませんよ…。この試合を落としてしまえば、残りの試合は全勝しなければなりませんからね…。ここはテレスの弱体化によるワンチャンが生まれただけでもラッキーと捉えるべきでしょう…」
目金の言う通り、もしもこの試合に敗北してしまえば、残りの試合で日本が獲得出来る点数は最高で9点…。
決勝リーグへ進出できる枠が2枠しかない以上、日本が確実に予選を突破する為には最低でも最硬の防御力を持つアルゼンチン相手に引き分けまで持ち込まなければならない。
雷牙「フッフッフッ!何をそんなに不安そうにしているのかねチミたち〜?この超天才最強イケメン監督がベンチに座っているのだよ〜?つ・ま・り!日本の勝利は確約されたも同然なのだ!!ワッハッハッハ!!」
ライト「流石は雷牙!選手だけじゃなくて監督も出来るなんて、まさしく一流だね〜!」
目金「その監督が一番の不安要素なんですよ…」
秋「アハハ…」
冬花「…そもそも何でイタリア代表のライトくんがここに居るんですか……?」
特に頼まれたわけでもないのに勝手に監督を務め相変わらずのナルシズムを発揮する雷牙と、部外者であるにも関わらずさも当然のように弟の隣に座るライトに対し、マネージャー達は苦笑いを浮かべる事しか出来ない。
目金「…一応聞きますけど、何か良い作戦とかないのですか?まぁ…ぶっちゃけ期待はしていませんけど…」
音無「あっ、そうだ!もしかしてお兄ちゃんから何か伝言を預かっていたり!」
雷牙「フッフッフッ!ま〜ま〜!皆まで言うな!俺ちゃんのIQ100(四捨五入)が誇るパーフェクトな頭脳が導きだした必勝法!それは…!」
目金&音無「「それは…!」」
雷牙「さっぱり分からんッ!!」
選手としては頼りになっても監督としては無能にも程がある雷牙に、マネージャー陣はギャグ漫画の如くズッコケる。
目金「あんだけ大口を叩いておいて、何が『さっぱり分からん!』ですか!?ナルシズムもいい加減にしてくださいよ!?」
雷牙「だって仕方ねェだろ〜?俺、あんまり頭を使うのは得意じゃねェしよ〜。あと、俺ちゃんが超天才最強イケメン監督なのは“
ピーッ!!!
あんまりにもあんまりな雷牙の返答に対し、怒り心頭の目金は珍しく鬼気迫る表情で突っかかるが、そんな事をしても時間の無駄でしかなく遂に試合が始まってしまった。
秋「落ち着いて目金君!もう試合が始まったわよ!」
目金「そ、そんな〜!もうこうなったら、豪炎寺君達に頑張ってもらうしかありませんよ〜!!」
雷牙「頑張れオメーらァ!!!アルゼンチンなんかズババーンとしてドッカーンだーー!!!」
後半戦の残り時間は約20分。様々な陰謀が渦巻く中、仲間達の応援を背景に10対11での決戦が始まる…!
ヒロト「皆ッ!前半と同様に連携を意識して攻めるんだ!」
如何に相手が手負いといえど、体格面で遥かに劣るイナズマジャパンは力押しによる“直線の動き”を捨て、パス回しを巧みに活かした“点と点の動き”で攻め上がる。
染岡「風丸ッ!」
前半戦は偽者のせいで意味をなさなかったものの、平均的なフィジカルはジ・エンパイアが上でも、技術面はイナズマジャパンの方が上だ。
手負いのジ・エンパイアにヒロトの策の効果は絶大であり、安易と風丸へボールが渡る。そこに……
テレス「行かせねェ…!」
風丸の前にテレスが立ち塞がるも、前半戦にて負ってしまった“紛い物”による負傷はあまりにも致命的であり、世界最強のDFと謳われる彼もそのプレーにはキレがない。
風丸「稲魂の偽者によって本来の力を発揮出来ない点においては同情はするが…俺達は絶対に勝たなくちゃいけないんだ!手は抜かないぞッ!」
テレス「それでいいッ…!誇り高きアンデスの戦士には“手加減”こそが何よりも侮辱だからなァ…!!!」
その瞬間、フィールド上に稲妻を纏いし暴風と侍の行手を阻む巨大な鉄壁が出現する。
風丸「“風神の舞ッ”!!」
テレス「“アイアンウォール”!!!」
残り少ない体力を振り絞り十八番たる“アイアンウォール”を発動するテレスだが、使い手の健康状態を表すように、鉄壁を構成する鋼の表面は鯖に覆われ、至る所に亀裂が入っている。
世界最大最硬を誇るダイヤモンドでさえ、数mmの亀裂が入ってしまえば容易く崩れる。金剛石よりも硬度が劣る鉄ならなおさらだ。
マクスター『イチロウタ・カゼマルッ!
亀裂だらけの鉄壁にはもはや防壁としての機能を果たす事は出来なかった。疾風の侍はその俊足を以て鉄壁の隙間を潜り抜けゴールの前へ到達する。
マクスター『ああっとーッ!?だがテレスの突破も束の間!既にイナズマジャパンのFW陣にはマークが付けられているーッ!コレではパスを出す事は不可能だーーッ!!』
本人にとっては屈辱であろうが、テレスの突破を前提に戦略を練っていたDF達は既にFW陣には厚いマークが付いており、伏兵として忍ばせておいた壁山も進路を塞がれ機能不全に陥っている。
風丸「だったら俺1人で決めるだけだッ!」
1分1秒の時間すらも惜しいこの状況の中で、立ち止まっている時間はない。
風丸はドリブルを再開すると即座にトップスピードへ至り、加速によって得た
風丸「“爆マッハウィンド”!!!」
“怪物”から受け継いだ翡翠色の疾風が炸裂し、凄まじいスピードでゴールへ向かう。
進化を果たした“マッハウィンド”の速度は、“エターナルブリザード”にも匹敵する。並大抵のキーパーならば反応する暇もなく、失点を許してしまうだろう。
だが、生憎目の前の相手は“並”ではない。アルゼンチンの守護神・オルテガは、両手に気を集中させ宙に向かって幾千の張り手を繰り出す。
オルテガ「“ミリオンハンズ”!!!」
祖国に存在する古代の先人達の遺産の面影を見せる紅の結界は、容易く弾き飛ばし守護神の右手にボールが収まってしまう。
風丸「くっ…!」
マクスター『止めたーーッ!キーパー、オルテガ!カゼマルのシュートをいとも容易く止めてみせたーーッ!!ココからジ・エンパイアのカウンターが始まるかー!?』
オルテガ「レオーネェ!!!」
その巨漢を活かした強靭な肩から繰り出される円堂以上のオーバースローは侍達の頭上を悠々と通り過ぎ、絶対の信頼を置くアルゼンチン最強のFWの元へ届く。
ヒロト「ゴールには行かせないぞッ!!」
カウンター対策に中盤で待機していたヒロトが、仲間達がディフェンスに参加するまでの時間を稼ぐべく、レオーネの前に立ちはだかる。
レオーネ「そんな貧相な体格で俺を止められると思うなんてお笑いだぜッ!!喰らえッ!“ジグザグフレイムッ”!!」
ヒロト「ぐあぁ!!!」
だがヒロトの奮闘も虚しく、レオーネによって繰り出された軌道の読めない業火にその身を焼かれてしまう。
レオーネ「邪魔者は消えたッ!コレで先制点だッ!!“ヘルファイア”!!!」
“紅の彗星”を下した“獅子”の冠したストライカーは、その右脚に地獄の業火を宿し、ボールに強烈なシュートを炸裂させた。
壁山「少しでも立向居くんの負担を減らすっス!だったぁ!!!“ザ・マウンテンV2”!!!」
木暮「こうなったらもうヤケクソだっ!!“真 旋風陣っ”!!!」
数少ないDF達は後方に控える仲間の減らすべく、フィールドに雄大なる山脈と旋風が吹き荒れる。
だが、業火の熱気は瞬く間に目の前の障壁を燃やし尽くし、その威力を保持したまま進路を切り開く。
壁山&木暮「「うわぁぁぁぁ!!!」」
立向居「壁山君!木暮君!」
日本屈指のDFである壁山と木暮でさえも歯が立たない“現実”を前に、立向居の全神経に緊張が走る。
立向居「それでも…!俺は逃げるわけにはいかないっ!!“ムゲン・ザ・ハンドGX”!!!」
例え、自身の役目が円堂の代用品であってもゴールを守る者として逃げるわけには絶対にいかない。立向居は、今自身が繰り出せる“黄金の千手”を降臨させ、地獄の業火を受け止めんと試みる。
立向居「グ…!こ、これが…世界のレベル…!」
これまで戦場の外にて幾度となく目撃し、いつの日か自身の実力で止める事を夢見た世界トップランカーによる必殺シュート…。
実際に肌で感じるその威力は、立向居の想像を遥かに超えた存在であった。
立向居「うわぁぁぁ!!!」
“獅子”による地獄の業火は、伝説のGKが生み出した“最強の千手”すらも容易く粉砕し、立向居の身体を大きく吹き飛ばした。
後はゴールラインを超え、ゴールネットを激しく揺らすだけ…。それだけでジ・エンパイアの勝利はほぼ確定する。
そう観客達が確信した時だった……。
綱海&熱也「「させるかよッ!!!」」
立向居が破られたと同時に、それぞれの右脚に“海水”と“氷雪”を纏った綱海と熱也が割って入り、全力のツインシュートを繰り出したのだ。
1年生ながらも日本最強クラスのFWである熱也と、DFでありながらも純粋な脚力ならばチーム屈指の綱海とのツインシュートにより、辛うじてシュートコースを大きく逸らす事に成功し、何とか失点を回避する。
マクスター『止めたーーッ!!!イナズマジャパン、ただでさえ少ない人員を総動員する事でレオーネの必殺シュートを止めてみせたぞーーッ!!!』
立向居「ハァ…ハァ…!あ、ありがとうございます…みなさん…!」
綱海「痛つつ…!んな暗い顔すんなよ立向居!仲間のピンチを助けるのは当然だろ?なっ!熱也!」
熱也「ケッ!別に俺は立向居を助けたつもりはねぇよ。ただそこにボールがあったから噛み付いただけっての!」
レオーネのシュートを止められなかった事に強い責任を感じる立向居を励まそうと、綱海と熱也は凸凹漫才を繰り広げ何とか空気を軽くしようとするが、その想いが立向居に届く事はなかった。
立向居(やっぱり…。俺なんかじゃ…円堂さんの代わりにはなれないのか…?)
あれだけ努力を重ねながらも尊敬する円堂の代用品にすらなれない事実に、目に光をなくし絶望に打ちひしがれる立向居…。
雷牙「……」
そして非公式ながらも監督代理を務める“怪物”は、風船のよりも軽い口を横一文字に閉じ、苦悩する弟子を静かに見つめていた…。
ヒロト「豪炎寺君ッ!!」
綱海達のファインプレーにより失点を防ぎ攻撃権を得たイナズマジャパンは、死に物狂いで攻め上がっていた。
最低限の防御すらも捨て、全てのリソースを攻撃に費やす覚悟の前には、さしものジ・エンパイアの防御力を以てしても止める事は叶わずに、遂に中盤を突破され日本最強のストライカーである豪炎寺にボールが回る。
豪炎寺「いくぞ虎丸ッ!!」
虎丸「はいっ!!!」
皆の想いを受け取った豪炎寺は、その背に灼熱の魔神を降臨させ天高く飛翔し、虎丸は天に待機する“憧れ”に向けて月光の猛虎が咆哮を上げる。
豪炎寺&虎丸「「“タイガーストームッ”!!!」」
灼熱の拳と猛虎の咆哮が重ね合わされ、橙のオーラをボールに纏わせゴールへ襲い掛かる。
だが……
テレス「その程度のシュートで俺達から点を奪えると思うなよ…!!!」
マクスター『またしてもテレスだーーッ!!!もう彼は立っているのもやっとな状態の筈だぞーーッ!!そのような状態の中で、ゴウエンジのシュートを止めようとするとはハッキリ言って無謀だーッ!!一体何が彼をそこまで動かすのかーーッ!?』
テレス「んなこたァ…俺がイチバン分かってらァ…!!!だから…!
するとジ・エンパイアのDF陣がテレスを中央に横一列に並び、内部にチャージした気を一気に放出する。その瞬間、彼らの背後に幾つもの完全なる“
「「「「“ウォール・フォー・ワンッ”!!!」」」」
心の底から深い信頼を置くチームメイトとの“
重ね合わされた鋼鉄の巨壁の前に、灼熱の猛虎はあまりにも無力だった。一瞬の拮抗すらも許さずにボールに纏われたオーラは消え去り、テレスの足元にボールが転がってしまう。
虎丸「そんな…!俺たちのシュートがあんなにあっさり止められるなんて…!」
豪炎寺「…これが世界最強のDFか…!!」
テレス「さァ…!ココから反撃だッ…!!!」
それからの戦況は完全にジ・エンパイアに傾いてしまった。チームの核であるテレスの復活により俄然勢いを増すアルゼンチンに対し、日本は防御に徹するのがやっと…。
皆の頑張りにより辛うじて失点は防いでいるが、ワンプレーごとに要求される運動力は普段の数倍であり、この状態が続けばどちらが先に潰れてしまうかは火を見るよりも明らかだった。
豪炎寺「クソ…!だったら…!」
ピーッ!!
このままでは埒が開かないと悟った豪炎寺は、“流れ”を変える為にボールを外へ出し試合を一時中断させ、チームメイトを集める。
豪炎寺「皆ッ!聞いてくれ!このままじゃ俺達は確実に負ける!」
染岡「んな事は分かってる!けど、攻めようがない以上どうしようもねぇじゃねぇーか!」
豪炎寺「そうだ!だから俺達は一か八かの博打に賭けるしかないッ!!」
染岡「博打…?」
豪炎寺「…次のプレー、俺に攻撃を任せて皆はディフェンスに専念してくれ…!」
『なっ…!?』
豪炎寺の最後の提案に皆は衝撃を受ける。豪炎寺以外はディフェンスに徹するという事は、次のプレーからは豪炎寺のワントップとなる事だ。
風丸「無茶だ!俺達の連携を以てしてもジ・エンパイアのディフェンスを破れないんだぞ!流石の豪炎寺でも1人でこの戦況を覆すなんて不可能だ!」
豪炎寺「無茶は承知の上だ…!だが、後少し…!後少しで俺は“ゾーン”に入れる…!“レクイエム”になれさえすれば必ずジ・エンパイアのゴールを破れる筈なんだ…!だから頼む!俺を信じてくれ…!」
あまりにリスクの大きい策に躊躇するチームメイトに向かって豪炎寺は頭を下げる。言葉ではなくサッカーで物事を語る彼が、ここまで必死になって訴える姿を見て誰がその賭けを無碍に出来ようか。
染岡「…しゃあねぇ!ここまで来たら博打を打ってでも、勝利を掴むしかねぇ!その作戦乗ったッ!!」
風丸「俺達はどんな時でもか細い希望を掴んできたんだ!今回だって、その賭けに勝ってやるさ!」
同郷の友である染岡と風丸を筆頭に日本の侍達は次々と、豪炎寺の賭けに乗っていく。
残り時間は僅か10分…。侍達はこの10分で全ての力を使い切る覚悟を決める。
ピーッ!!!
マクスター『さぁ!ジ・エンパイアのスローインで試合が再開!…おおっとーーッ!?まさかのゴウエンジが単身で駆け上がっているぞーッ!!!コレはまさかカウンター狙いかーーッ!?』
テレス「そいつはどうかな…!?俺達がディフェンス一辺倒のチームだと思ったら大間違いなんだよ…!!」
当然、ここまで攻防でジ・エンパイアの攻撃力の高さは理解している。それでもイナズマジャパンにはもうこれしか方法はないのだ。
テレス「ぶちかませェ…!レオーネェェェ…!!!」
レオーネ「任せろォ!!!“ヘル…!ファイアァァァ”!!!」
一か八かの大博打が通用すると鷹を括る侍達の驕りを打ち砕くべく、アルゼンチン最強のストライカーによる渾身のシュートが放たれる。
最大級の火力へ達した獅子の業火は、地面を焼き尽くしながらゴールへと向かう。
そこへ……
熱也「“ウルフレジェンドG5”!!!」
ヒロト「“流星ブレードV4”!!」
虎丸「“タイガードライブ”!」
日本が誇るストライカー達の必殺シュートが業火の前に立ち塞がり、その身を犠牲にしてでも撃ち返さんとする。
ヒロト「なんて重さだ…!立向居君はここまで凄いストライカーの相手をしていたのか…!」
熱也「だけどなぁ…!諦めるわけにはいかねぇんだよ…!!」
虎丸「俺たちが…!豪炎寺さんに繋げるんだぁぁぁ!!!」
全ては勝利を掴む為、全ては前方にて駆ける仲間にボールを繋ぐ為…。その想いに呼応するようにストライカー達の右脚は徐々にシュートを押し返し始める…。
そして…!
マクスター『撃ち返したーーッ!!!イナズマジャパンの決死の覚悟が勝り、レオーネの“ヘルファイア”を撃ち返したぞーーッ!!!』
テレス「何だとォォォ…!?」
地獄の業火を掻き消し、新たに“流星”、“銀狼”、“猛虎”のオーラが混ざり合ったシュートは、その威力とスピードを以てジ・エンパイアの妨害を物ともせずに豪炎寺の元へ届く。
秋「届いたっ!」
音無「みなさんの覚悟が勝ったんですよ…!」
冬花「これが最高のシュートチャンス…!」
雷牙「決めろォォォ!!!豪炎寺ィィィ!!!」
フィールド・ベンチに居る仲間達が次々と彼の名を呼び、その背中を押す“追い風”となる。
その“追い風”は10年に1人の天才を“至高の領域”へと押し上げる…!
豪炎寺「“バーニングフェーズ3ッ”!!!」
遂に“
紅蓮の炎は次々とフィールドに顕現した“炎魔”の身体を包み込むと、その形状を荘厳なる鎧へと変え、炎魔を超えた炎魔…“炎魔皇”を降臨させる。
豪炎寺「“炎魔皇 ガザード・レクイエムッ”!!!」
“炎魔皇”の座についたガザードは、間髪入れずに爆熱の炎で構成された紅の槍を右手に携え、刃先を守護神へ向け獲物を定める。
豪炎寺「“ファイア・オブ…!レクイエムッ”!!!」
“炎魔皇”が奏でる
「「「「“ウォール・フォー・ワンッ”!!!」」」」
大将無き鋼鉄の巨壁が閻魔皇の鎮魂歌を拒絶するも、実力差は歴然であり霞んだ鈍色は明るい橙色へと変わり溶解される。
染岡「豪炎寺ィ!!!」
虎丸「豪炎寺さんっ!」
風丸「豪炎寺!」
ヒロト「豪炎寺君ッ!」
熱也「豪炎寺ッ!!!」
綱海「豪炎寺っ!!」
壁山「豪炎寺さん!!」
木暮「豪炎寺さーん!」
立向居「豪炎寺さんっ!!!」
『行っけーーッ!!!』
仲間達の声援を推進力に変えるように、炎魔皇の鎮魂歌は更に威力を増し、鋼鉄の巨壁を完膚なきまでに粉砕する。
残るは、額に冷や汗を流すアルゼンチンの守護神のみ…。
その筈だった。
テレス「まだだァァァァァ!!!」
全てを蹂躙しながら突き進む鎮魂歌の前に、満身創痍である筈のテレスが立ち塞がったのだ。彼は全ての力を振り絞りその誇りたる名を叫ぶ。
テレス「“爆アイアンウォール”!!!」
その覚悟を示すかのように、たった一度だけ完全なる姿を取り戻した鉄壁は、炎魔皇の鎮魂歌の前には無意味だと理解していながらも、最後の抵抗を試みる。
テレス「グ…!グオォォォォ!!!」
一瞬にして粉砕されながらも、世界最強のDFの最後の意地は鎮魂歌の威力を僅かに削ぐ事に成功した。
そしてその想いは、先程まで絶望に包まれていた守護神へと受け継がれる事となる。
オルテガ「テレス!オマエの想いは決して無駄にはせんッ!!!ハァァァァァ!!!」
我らが大将の犠牲により奮起した守護神は、その背より膨大なるオーラを放出し煉瓦模様の“巨神”を顕現させる。
オルテガ「“巨神 ギガンデスッ”!!!」
マクスター『オルテガも負けじと化身を発動したぞーーッ!!!日本最強のストライカー、ゴウエンジが放った一撃を彼は止められるのかーッ!?』
“巨神”は天に向かって咆哮を上げその両手を大きく振りかぶり、鎮魂歌に立ち向かう。
オルテガ「“ギガンティックボムゥゥゥ”!!!」
その巨大なる両手から左右二方向に繰り出される拳が紅蓮の鎮魂歌に包まれたボールを殴りつける。
本来ならば両者の間には、一瞬の拮抗すらも許されない程の実力差が存在していた。
しかし、豪炎寺と同様にチームメイトの“想い”を受け取ったオルテガは己の殻を破り限界を超える事で、隔絶していた筈の“差”を埋めていた。
オルテガ「ウオォォォォォォ!!!」
遂には紅蓮の鎮魂歌は、“巨神”の拳により掻き消されその両手にボールが収まる。
豪炎寺「馬鹿…な…!?」
自身が出せる最強最大のシュートすらも止められてしまった豪炎寺の表情には驚きが隠しきれずに、ショックのあまり膝から崩れ落ちてしまう。
豪炎寺「クソ!!!」
皆の“想い”を台無しにしてしまった己への不甲斐なさにより、強い怒りに感情を支配されてしまった豪炎寺は、力限り地面を強く殴りつける。摩擦により皮膚が破け、血が流れてもかまわずに何度も、何度も…
豪炎寺(今のは…!皆が必死の思いで繋いでくれた絶好のシュートチャンスだった…!それを…俺は台無しにしてしまった…!!)
虎丸「豪炎寺さん…」
仲間達の想いを背負いながらも最大のチャンスを不意にしてしまった豪炎寺…。
残り時間は5分を切っている…。イナズマジャパンに負け受けるのは“敗北”か?それとも…?
アンデスの砂地獄「あの…ボクの出番は…?」
〜オリ技紹介〜
♦︎ウォール・フォー・ワン
属性:山
分類:ブロック(オーバーライド)
使用者:テレス+他多数
≪概要≫
雷牙の偽者により大怪我を負わされ本来の実力を発揮出来なくなったテレスが、チームメイトとの協力による土壇場で発動したオーバーライド技。
即興で開発した技ではあるものの、普通に“アイアンウォール”の上位互換であり、“タイガーストーム”を完封するくらいには強力。
技の雰囲気は岩壁が鉄壁になった以外は“レンサ・ザ・ウォール”と一緒。名前の由来も同技の英名から。
【オマケ】
♦︎孤高の
属性:山
分類:ブロック
使用者:テレス
<概要>
テレスが使用する化身……だったのだが、本編では雷牙の偽者が介入した事で、発動する機会が一向に見えない不遇の化身。少なくもイナズマジャパン戦には登場しない。容姿は、“巨神 ギガンデス”に近い。
まだ本戦の中盤だから登場もワンチャンある…と言いたいところだが、肝心のテレスが何で動けてるのか不思議なくらいの大怪我を負っている為、残り試合で活躍出来るかも不明。
イナMONに引き続き、ちょっとした作者の好奇心なんですけどオリキャラの中で誰が1番好感度が高いのかな〜って気になったんでアンケート取ってみまーす。別に結果によってこの後の展開が変わるとかはないので気楽に投票してください。
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稲魂雷牙
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稲魂雷斗
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明星鬼乃子
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“雷帝”