イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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アニメを見直して思い出したけど、アメリカ戦って必殺技の応酬が少ないっすね(特に前半戦)。どうりで後半戦くらいしか印象に残ってないワケだ。


誇り高きペガサスよ永遠に!! VSユニコーン!! 中編

雷牙「お怪我はございやがれませんか守〜?てか毎試合、(おんな)じ台詞吐いてる気がすんな…。俺は守のカウンセラーかっての〜…

 

円堂「ああ…!全っ然平気だ!」

 

 待ち望んだ一之瀬との勝負は円堂の大敗という結果に終わったものの、敗北した筈の円堂は満面の笑みを浮かべ興奮を隠し切れていない。

 

円堂「スゲェよ…!一之瀬の“ペガサスショット”は…!今まで“怒りの鉄鎚”を破ったシュートは全部パワーを重視したシュートだった…。けど、“ペガサスショット”は違う…。あの一撃に…一之瀬の持つ全部の技術が詰まってた…!」

 

 鬼乃子、エドガー、デモーニオ…。これまで多くの選手が現時点での円堂最強必殺技である“怒りの鉄鎚”を破ってきたが、彼らは共通してパワーに秀でた選手達だった。

 だが、一之瀬は違う。彼のパワーはそこまで高くない。ユニコーン内でも下から数えた方が早いだろう。

 しかし、彼にはパワー不足を補う卓越したテクニックがある。謎の老人に教わるまで“剛”に対して“剛”で立ち向かってきた円堂にとって、“剛”を“柔”で制されるのは初めて経験だった。

 

雷牙「なるへそ。つまり、“怒りの鉄鎚”はでぇぶ型落ちになっちまってるってこったな。…んなら、この試合で前々から練習してた“()()()()()”を完成させるしかねェなッ!!」

 

円堂「ああ!!やってやるさ!!新必殺技を完成させて、一之瀬に勝つッ!!」

 

 目の前の好敵手に打ち勝つ為に己の限界を超える決意を固めた円堂は、キーパーグローブのストッパーをキツく締め直し気合いを入れる。

 

 前半もまだ始まったばかり。勝負はまだまだこれからだ。

 

ピーッ!!!

 

鬼道「そこだ!風丸ッ!」

 

 FWの連携によりユニコーンの前線を突破したイナズマジャパンは、鬼道を経由し風丸へとボールが回る。

 

一之瀬「行かせないよ!!」

 

 しかし、その動きは既に読まれており、風丸の前に一之瀬が立ち塞がる。

 

一之瀬「君のスピードにどれだけ磨きが掛かったか見せてもらうよ!!」

 

風丸「俺達だって世界を相手に戦ってきたんだッ!甘く見るなよ!!」

 

 一之瀬の挑発にあえて乗った風丸は、手始めに純粋なスピードで突破を試みるが、一之瀬は自身に足りないスピードを卓越したテクニックと百戦錬磨による読みでカバーし、風丸に喰らいつく。

 

風丸「やるな!なら…これならどうだッ!!」

 

 瞬間、風丸と一之瀬の周囲は稲妻が轟く暴風のドームによって包まれる。

 

風丸「“風神の舞 改”!!」

 

 気流に乗る事により更に強化された風丸のスピードは、一之瀬の読みとテクニックを以てしてもカバーする事が出来ず、完全に上を行かれてしまう。

 

風丸「ここだッ!“北風の矢”!!」

 

 一之瀬を突破した風丸は、間髪入れずに久方ぶりとなる“北風の矢”を発動し、疾風を纏わせたボールを天高く上げる。

 

 その終着点に居たのは……

 

豪炎寺「ハァァァァァ!!!」

 

 その背に10番(エースナンバー)を背負いし日本最強のストライカー、豪炎寺修也だ。

 僅かなアイコンタクトのみで風丸の行動を予測していた豪炎寺は、空中に爆熱による螺旋の軌跡を描き天高く舞う。

 

豪炎寺「“爆熱スクリュー改ッ”!!」

 

 進化した“爆熱の旋風”がボールに炸裂し、点を取り返さんとアメリカのゴールを守る、テンガロンハットを被ったガンマンへと襲い掛かる。

 

土門「させるかよッ!パワーアップしてんのは一之瀬だけじゃないってところを見せてやんぜッ!!」

 

 しかし、彼らとの間にユニコーンの守備の要である土門が割り込み、その右脚に高音の溶岩を宿す。

 

土門「“ボルケイノカットV3”!!」

 

 土門に射出された“溶岩の壁”の温度は、“爆熱の旋風”の前では0℃に等しい。それを示すように呆気なく崩壊されてしまうも、その威力を大きく落とす事には成功した。

 

キッド「“フラッシュアッパー”!!」

 

 大きく威力を削がれたシュートは、ガンマンが放った拳という名の弾丸により炎が掻き消され、彼の右手にボールが収まる。

 

マクスター『止めたーーッ!!!日本最強のストライカーによるシュートを、ドモンとビリーによる連携を以て完封してみせたーーッ!!!』

 

土門「悪ぃな豪炎寺!相手が元チームメイトでも…一之瀬(あいつ)の為に、今日の試合は絶対に負けるわけにはいかないんだ!」

 

豪炎寺「…俺達も負けるわけにはいかない!」

 

 詳細までは分からないが、一之瀬と同様に土門のこの試合に賭ける強い想いを受け取った豪炎寺は力強い視線で目線を合わせる。

 

ディラン「いいネ!イチノセとドモンのプレーで、ミーのテンションもギンッギンだヨッ!!」

 

 ボールを受け取ったディランは、仲間達の活躍によりただでさえ高いテンションを更に高め攻め上がる。

 

 そこへ……

 

雷牙「この間ぶりだなァ!鬼道のパチモンゴーグル君ッ!まさかイタリアからアメリカに国籍を変えていたとは知らなかったよ!!」

 

ディラン「? 悪いけど、ユーの言ってる意味が分からないヨッ!」

 

 ディランの前に雷牙が立ちはだかるが、何故か彼はディランをデモーニオと勘違いしているようだ。もしかして彼は人を声だけでしか判別出来ないのだろうか?

 

ディラン「抜かせてもらうヨ!“フーセンガム”!!」

 

 流石の彼も、これ以上目の前の狂人と関わるのは危険だと判断したディランは、ボールを口元まで上げ気を注入する。

 するとボールはみるみるうちに膨張し始め、ピンク色の巨大な風船と化し破裂する。

 

雷牙「ウオッ!?」

 

ディラン「さァ、エンドウ!今度はミーと勝負してもらうヨ!!」

 

 雷牙を突破したディランは即座に身体から大量のオーラを放出すると、フィールドに白馬を模した“騎士”が顕現する。

 

ディラン「コレがミーの化身!“鉄騎兵 ナイト”!!」

 

 化身を発動したディランは砂煙を起こしながらトップスピードで駆け出すと、“鉄騎兵”は蹄を思わせる刃先が潰れた槍を構え攻撃の体制に入る。

 

ディラン「“ギャロップバスター”!!!」

 

 ディランの渾身のシュートがボールに叩き込まれると、“鉄騎兵”も天に向かっていななき、ボールに槍を突き刺した。

 オーラが注入されたシュートは天馬と同様に蒼白の弾丸と化し、DFの妨害を物ともせずにゴールへ向かう。

 

円堂「ハァァァ…!“魔神 グレイトッ”!!!」

 

 円堂も負けじと化身を発動し、その右手に全ての気を集中させ地面を強く叩きつける。

 

円堂「“イジゲン・ザ・ハンド”!!!」

 

 魔神によって展開されたこれまでの常識を覆す“次元の結界”に、“鉄騎兵”の一撃が激突する。

 

円堂「ウオォォォォォォ!!!」

 

 “ギャロップバスター”は“ペガサスショット”とは対照的に純粋なパワーによるシュート。

 “剛”に対し120%の力を発揮した“次元の結界”は、ボールを覆う蒼白のオーラを掻き消すと、シュートをあらぬ方向へと逸らし円堂の右手にボールをワープさせた。

 

マクスター『止めたーーッ!!!ディラン渾身の化身シュートも“イジゲン・ザ・ハンド”には通用せずーーッ!!!』

 

ディラン「ミーの全力のシュートを止めるなんて…!やるネ!エンドウ!」

 

円堂「へへっ!お前もな!ディラン!」

 

 まだユニコーンがリードを保っている事実は変わらないものの、エースストライクーであるディランの化身シュートを円堂が完封してみせたという事実は大きい。

 円堂のパワーアップにより、防御のリソースを攻撃に回せる余裕が出来たイナズマジャパンは烈火の如く攻め上がる。

 

一之瀬「スティーブは豪炎寺を!マークは鬼道を抑えてくれ!稲魂は俺が相手する!!」

 

マーク&スティーブ「「ああっ!!!」」

 

鬼道「やはり読まれているか…!稲魂!ここは一旦、ボールを後ろに下げろ!」

 

雷牙「悪ィな鬼道ッ!!俺の後退のネジがいつの間にかどっかいっちまったよッ!!!」

 

 時間を稼ぐべくボールを下がるように伝える鬼道だが、円堂と一之瀬との激戦による熱波に影響された雷牙は、鬼道の指示をガン無視し先程のリベンジマッチに挑む。

 

雷牙「“獅風迅雷ッ!!限界突破ォォォォ”!!!」

 

 司令塔の指示を無視するという代表選手としては、まずあり得ない行動を取る雷牙だが、さしもの彼も何の勝算無しに無視を決め込んだわけではない。

 

雷牙「さっきは中途半端な技術(ワザ)を使って悪かったなッ!!コイツが俺の全力だァ!!!」

 

 裏技により身体に負荷(ブースト)を掛けた雷牙は、己の限界を超えた証である金色のオーラと紺碧の稲妻をその身に宿し、かつての戦友と対峙する。

 

一之瀬「思い出すよ稲魂!!俺が初めて雷門に来たあの日…!俺のもう一つの目的は君と勝負する事だった!!」

 

雷牙「そりゃ初耳だねェ!!あの後、すーぐに守に浮気してたから気付かなかったぜッ!!!」

 

 数ヶ月後回しとなった“怪物”と“魔術師”の死闘は、先程の“静寂”に満ちた攻防は繰り広げた者達と同一人物か疑いたくなるような荒々しいプレーで激戦を繰り広げる。

 

一之瀬(クッ…!一撃一撃が重い…!今は何とかテクニックでカバー出来ているけど、一瞬でも気を抜いてしまえば俺は負ける…!)

 

 目の前の“怪物”の暴力的なフィジカルを相手すればする程、自身の中にある導火線の火が強まっていく気配を強く感じてしまう。

 だが、文字通り一分一秒ごとに命を削る状況におかれてなお、一之瀬の顔には笑みが溢れている。

 

一之瀬(ハハハ…。やっぱり凄いよ稲魂は…!ストライカーとしてのライバルが円堂なら…フィールドプレイヤーとしてのライバルは君だ!稲魂雷牙!!!)

 

 恐らく“怪物”は本能で、一之瀬の覚悟(ソレ)を感じ取ったのだろう。彼は不敵な笑みを溢すと、更に気を高め既に限界を迎えていた思われていた最高到達点を更新する。

 

一之瀬「正面突破がお望みかい…?…いいだろう!!その勝負…受けて立つッ!!!」

 

雷牙「ハッハァ!!!最っ高だぜ一之瀬ェ!!!」

 

 ハッキリ言おう。限界を超えた“怪物”を相手に、一之瀬一哉では真正面からでは絶対に勝つ事が出来ない。

 人は武器を持ってようやく猛獣と対等に戦える。一之瀬にとっての“武器”とは残酷な運命と共に神から与えられた“技術”だった。

 しかし…彼はたった今、唯一“怪物”と対抗出来る“武器”を捨てた。謂わば、素手で猛獣を駆逐する事を選んだのだ。

 

 無謀としか言えない一之瀬の選択…。だが彼の顔には後悔の念はない。それどころか、まるで何かの呪縛から解放されたかのように実に生き生きとした爽やかな表情をしている。

 

一之瀬「はァァ!!!」

雷牙「しゃおらァ!!!」

 

 “怪物”と“魔術師”の右脚がボール越しに激突する。

 

 何度でも言うが、一之瀬にとって小細工抜きで“怪物”の相手をする事は、素手で猛獣と立ち向かう事と同義…。数秒後には彼はその身ごと吹き飛ばされゴールへの道を譲ってしまうだろう。

 

 …だが、何故だろう?5秒…10秒…と時間を重ねても一之瀬がスタジアムの宙を舞う光景が見られない。

 驚くべき事に、“怪物”の圧勝だと思われていた両者の力比べは、完全に拮抗しボールを楕円形に歪ませているのだ。

 

雷牙「スゲェじゃねェか一之瀬ッ!!!まさかオメーにココまでのパワーがあるとは思ってなかったぜッ!!!」

 

一之瀬「ああ…!正直言って自分でも驚いているよ…!!まさか俺がここまでやれるなんてね…!!」

 

 一之瀬の言葉には嘘偽りはない。何故、技術を捨てた自分が力で“怪物”と互角に立ち回れているのか不思議でたまらない。

 

 それでも…。謎だらけの状況の中でも確かな事が1つだけある…。それは…

 

一之瀬「君達に勝ちたいと思えば思う程…!ドンドン力が湧き出てくる…!ライバルと戦える喜びが…!俺に更なる“追い風”をくれる…!」

 

雷牙「んが…!?こ、この力は…!?」

 

 “勝利”への欲求が高まっていくにつれて、徐々に“怪物”の右脚が押され始める。それに呼応するように一之瀬の身体からは“獅風迅雷”とも化身とも異なる水色のオーラが溢れ出していく。

 

一之瀬「ウオォォォォォッ!!!」

 

雷牙「負けるかァァァ!!!だりゃァァァァ!!!」

 

 一之瀬の身に起こった正体不明の現象を前に、“怪物”も負けじと黄金のオーラを昂らせる。

 際限なく強まる光は、この会場に居る全ての人間の目を容易に眩ませ、“怪物”と“魔術師”の勝敗の行方を遮断する。

 

タッタッタッ!!

 

 皆の目が眩み視界が失われている中、何の前兆もなく光が消失し、彼らの耳に何者かがボールを蹴り、スパイクで芝生を踏み締める音が届く。

 

 観客達は一刻も早く音の正体を知りたいと思うが、光によってやられた視界はそう簡単に復旧してくれない。それでも1秒…また1秒も経っていくにつれ、確実に視力は回復していく。

 

 この会場に居る全ての人間の視力が回復した時に、ボールを持っていたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

一之瀬「今ここに…!一之瀬一哉が生きていた“証”を刻む…!!」

 

 一進一退譲らない死闘を制したのは“魔術師”であった。敗北した“怪物”は短時間にて力を出し尽くした影響で、立ち上がる事が出来ず地面に片足を付いている。

 

一之瀬「円堂ォォォ!!!俺が見えるかァァァ!!」

 

円堂「ああ!!!俺の目にはお前しか見えちゃいないぞっ!!!」

 

 一連の問答にて好敵手の視力が回復した事を確認した一之瀬は、何十倍にも高鳴る心臓の鼓動を噛み締めながら、その身に“天馬(ペガサス)”を宿す。

 

一之瀬「“ペガサス…!ショットV3ィィィ”!!!」

 

 “怪物”を打ち倒した事により己の限界を超えた“天馬(ペガサス)”は、更なる巨体を得て、比例するように巨大化した雄々しくも麗しき翼を羽ばたかせ、天に向かっていななく。

 

円堂(ありがとう一之瀬…!俺との勝負にここまで闘志を燃やしてくれて…!だから俺も…!その想いに応える為に…!今ここで自分の限界を超えてやる…!!)

 

 進化前の“ペガサスショット”ですらも“怒りの鉄鎚”では止められない。ならば円堂に残された選択肢はただ1つ…。この土壇場で限界を超えるだけだ。

 

 常人ならばそう簡単に限界は超えられないと言うだろう。だが、既に円堂の右手にはその為の“鍵”が握られている。

 

ディラン「ホワット!?」

 

マーク「何!?」

 

土門「嘘だろ!?」

 

 突如、ユニコーンの選手達は顔に“驚き”の感情を浮かべ唖然とする。その視線の先には誰1人例外なく日本のゴールを守る守護神の元へ向けられている。

 

 世界の強豪たるユニコーンを驚愕させた円堂が取った行動…それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 身体を右に大きく捻り、心臓の上に右手を当てていた。

 

マクスター『何をしているんだエンドウーーッ!?!?!?それではシュートを止められないだろー!?まさかまさかのコレは日本式の降参の構えなのかーーッ!?』

 

土門「違う…!アレは“マジン・ザ・ハンド”の構えだ…!だがその技で“ペガサスショット”を止めらない事はあいつだって分かってる筈だろ…!?」

 

 円堂の行動の意図を理解できない者達は皆、混乱の表情を浮かべ困惑しているが、それでも一之瀬だけは好敵手を心の底から信頼し、彼が選んだ“答え”が現れるその時をじっと待つ。

 

円堂「ーー!! きた…!一之瀬ぇぇぇ!!!これが俺の…!新しい“()()()()()()”だぁぁぁぁ!!!」

 

 心臓を経由し、右手に何倍にも増幅された気を一気に放出すると、彼の右手から稲妻と共に“黄金の翼”が出現する。

 

 その手に翼を宿した円堂は、力強い一歩を踏み締めその名を叫ぶ。

 

円堂「ゴッドハンドォ…!Vッ”!!!」

 

 黄金の翼をその背に宿した“神の右手(ゴッドハンド)”が、蒼白の天馬と衝突する。

 円堂の原点にしてこれまでの集大成でもある“ゴッドハンドV”は、“怒りの鉄鎚”を遥かに超えるパワーを発揮し、その力強い右手を以て天馬の行進を受け止める。

 

マクスター『エンドウ防いだーーッ!!!新必殺“ゴッドハンドV”により!イチノセのシュートを止めてみせたぞーーッ!!!ですがイチノセも素晴らしい攻撃でしたーーッ!!!』

 

一之瀬「そうだ!どんな時でも諦めずに限界を超え続ける…!それでこそ円堂だッ!!」

 

円堂「あとは頼むぞ…!みんなーーっ!!!」

 

 自身の想いをボールに込め、前方に居る仲間達の元へパスを送る。

 

 キャプテンの想いを受け取った日本の侍達は、これまで以上に激しい攻撃でユニコーンの防御を突破していく。

 

熱也「豪炎寺ッ!!!」

 

 遂に日本のエース豪炎寺の元へボールが繋がる。だが豪炎寺の攻撃を対策していないアメリカではない。

 既に土門が彼の前に立ち塞がり、どんなシュートを撃たれようとも確実に威力を削ぐ姿勢に入っている。

 

???「取り込み中のところ悪いけどさ。その勝負に僕も混ぜてくれないかな?」

 

土門「その声は…!」

 

 刹那、土門に耳に聞き覚えのある声が届く。そして彼は自身の判断ミスを恥じる。何せ、長い間彼らと苦楽を共にしながらも、日本のサッカーはポジションに縛られない柔軟なプレーこそが持ち味である事を失念していたからだ。

 

豪炎寺「フッ、そういう事だ!任せたぞ!吹雪!」

 

 豪炎寺は巧みなヒールリフトでボールを上空に上げると、既に飛び上がっていた吹雪の足にボールが繋がる。

 

マクスター『ココでフブキだーーッ!!!伏兵として息を潜めていたフブキの奇襲が見事炸裂ーーッ!!!』

 

吹雪「久々に決めようか豪炎寺君!」

 

豪炎寺「ああッ!!」

 

 土門を突破した日本が誇る“炎”と“氷”のストライカーは、互いに並走しトップスピードに至ると、豪炎寺には“爆炎”が、吹雪には“氷雪”が纏わされ、ツインシュートを放つ。

 

豪炎寺&吹雪「「“クロスファイア”!!!」」

 

 本来相反する筈の“炎”と“氷”は見事なバランスで調和し合い、1+1の解は2を超え100万の値へ到達した。

 

キッド「“フラッシュアッパー”!!」

 

 荒野に佇む最後の砦を守りしガンマンは、光速の速さで弾丸を炸裂させるが“調和”を崩すにはあまりにも力不足であり、圧倒的な熱風と吹雪によりその身を吹き飛ばされてしまう。

 

キッド「ノォォォォ!!!」

 

ピーッ!!! ピッ!ピッー!!!

 

 審判のホイッスルが鳴り響きイナズマジャパンの得点が確定すると同時に、再度審判が二度ホイッスルを鳴らし前半戦の終了を告げる。

 

豪炎寺「やったな吹雪!」

 

吹雪「うん!豪炎寺君もナイスプレー!」

 

 前半戦終了間際で同点にまで追いついたイナズマジャパンの選手達は、2人のストライカーの活躍を讃え、喜びを分かち合う。

 

一之瀬「ハァ…!ハァ…!」

 

土門「大丈夫か一之瀬!?もうお前の身体は限界なんじゃ…!」

 

一之瀬「…大丈夫だ土門。稲魂との勝負で予想以上に体力が削られただけさ…。まだ…やれる…!」

 

土門「一之瀬…」

 

 着実に導火線の炎が燃え広がっている事を自覚してもなお、一之瀬は止まらない。

 彼の瞳には、例えここでその身を滅ぼしても好敵手達との決着を付ける覚悟の炎が燃え上がっていた。




なんか今回の雷牙はいつにも増して性格が悪いっすね。まぁ、アメリカ戦は一之瀬を主役として書いてるし、相手視点から見た雷牙ってこんな感じなんでしょうね。
…そう考えると主人公がしていい性格じゃないでしょ…。

イナMONに引き続き、ちょっとした作者の好奇心なんですけどオリキャラの中で誰が1番好感度が高いのかな〜って気になったんでアンケート取ってみまーす。別に結果によってこの後の展開が変わるとかはないので気楽に投票してください。

  • 稲魂雷牙
  • 稲魂雷斗
  • 明星鬼乃子
  • “雷帝”
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