イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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そういや、ダークエンジェルって世界基準で見たらどんくらいの強さなんでしょうね?
一応ゲームの裏ボスではあるけど、アニメじゃ試合をしたのがブラジル戦の前だから実力的にはブラジル以上コトアール未満かな?イナヒロじゃ、コトアールは当然として鬼乃子の足元にも及ばなそうだけど。


栄光を掴むのはどちらだ!? VSザ・キングダム!!! 後編

円堂「これがロニージョの本気の力か…」

 

 ロニージョの化身によって、自慢の“イジゲン・ザ・ハンド”を破られてしまった円堂だが、その顔には満面の笑みが浮かべられており、真の力を発揮したロニージョに対して胸を躍らせている。

 

円堂「へへっ!!流石は“キング・オブ・ファンタジスタ”だ!!あんなシュート、受けたことがないぜ!!!ますますお前を止めたくなってきたっ!!」

 

ロニージョ「フッ、本気になった俺達を止める事は出来ないぜボーイ!!」

 

 初心に帰り、己を見つめ直した今のザ・キングダムには死角はない。

 強靭なフィジカル、常識を超えたプレー、強力なタクティクス…。そのどれもが超一流だ。

 

雷牙「ハッ!!ますます面白くなってきたァ!!!流石はサッカー大国ブラジルッ!だが…!!日本とて負けてねェぜ!!試合に勝つのは俺達だッ!!!」

 

 ロニージョの覚醒を見た“怪物”は、サッカー大国の(ブランド)に相応しい強さを前に、金色のオーラを煌めかせモチベーションを高める。

 残り時間は約15分、ザ・キングダムとの点差は1点…。イナズマジャパンの反撃はここから始まる。

 

ピーッ!!!

 

 ガルシルドの呪縛から完全に解放されたザ・キングダムだが、イナズマジャパンも負けちゃいない。

 自分達に足りないフィジカルは連携で補い、どちらも一歩も引かぬ互角の激戦を繰り広げる。

 

 イナズマジャパンの根底にあるのは、ただ“世界一”の称号を手に入れたいという夢だけではない。

 今頃、難しい手術を受けているであろう、自分達を見守り、育ててくれた恩師・響木へ勝利を捧げる為に全ての力を総動員しているのだ。

 

ガト「“スーパーエラシコォ”!!!」

 

吹雪「しまった!!」

 

 だが、今この瞬間においては僅かにザ・キングダムが優勢だった。

 ガトの“スーパーエラシコ”により吹雪が突破を許してしまい、イナズマジャパンのディフェンスが崩壊してしまう。

 

ガト「ロニージョ!!!」

 

 ガトのパスは前方を走るロニージョに繋がり、再度円堂とロニージョが対峙する。その様は数分前の焼き直しだ。

 

ロニージョ「追加点だッ!!“百族の嵐…グッ!?」

 

 化身を発動しようとした瞬間、強烈な眩暈がロニージョを襲う。まるで天地が逆転したと錯覚させるような衝撃…。それにより、絶好のシュートチャンスにも関わらず危うく倒れかけてしまう。

 

ガト「どうしたロニージョ!?」

 

レオナルド「マズいぞ…!!RHプログラムの負担がまだロニージョの身体に残っているんだ…!!」

 

 確かにロニージョはRHプログラムの呪縛から脱した。しかし、彼の身体には依然として後遺症は残っていた。

 30分だけとはいえ、限界を超えたプレーを強制されたロニージョの身体は既にボロボロ…。

 何とかイナズマジャパンへの恩義だけで動かしていた肉体も限界を迎えかけていた。

 

レオナルド「ボールを下げろロニージョッ!!シュートは俺が打つ!オマエは下がって少しでも体力を回復させるんだッ!!」

 

ロニージョ「あぁ…!!頼んだぞレオナルド…!!」

 

 ロニージョからボールを受け取ったレオナルドは、ガトと共にトップスピードに走り込むと、互いに向き合いボールに強力なスピンをかけ上空へ飛ばす。そして、自らもその背に孔雀を思わせる羽を出現させ飛翔し、ボールに追いつくと渾身のツインシュートを叩き込む。

 

レオナルド&ガト「「“デス・サンバ”!!!」」

 

 放たれたシュートは、キャプテンとは対照的に濃い紫色のオーラをボールに纏わせる凄まじいスピードで円堂に襲い掛かる。

 

円堂「スゲェシュートだ…!けど…!!お前たちの家族が応援してくれているように…!俺たちにも負けられない理由がある…!!」

 

 脳裏に恩師の姿を浮かべた円堂は、ザ・キングダムにも負けない強い想いを右脚に宿し、右手より黄金の翼を力強く出現させる。

 

円堂「“爆!!ゴッドハンドVッ”!!!」

 

 響木の想いを受け継ぎ更に進化させた“神の右手”は、受け止めたと同時に紫のオーラを一瞬で消失させ、円堂の右手にボールが収まる。

 

ロニージョ「この土壇場で自分の殻を破ったか…!」

 

円堂「みんなーーっ!!!反撃だぁぁーーっ!!!」

 

 円堂は、自身の想いの全てをボールに込め前線に居る仲間に託す。

 

鬼道「豪炎寺!!」

 

豪炎寺「雷牙ッ!!」

 

雷牙「しゃあ!!ヒロトォ!!!」

 

 円堂の想いに呼応するように、これまで防戦一方だったイナズマジャパンはザ・キングダムのディフェンスを物ともせずに、パスを繋ぎ始める。

 

吹雪「ヒロト君ッ!!今こそ僕達の特訓の成果を見せる時だよ!!」

 

ヒロト「ああッ!!皆の想いを無駄にしない為にも…!ここで絶対に決めるッ!!」

 

 パスの終着点となったヒロトは、吹雪と共に並走し気を最大まで高めると、ヒロトから紅のオーラが、吹雪から水色のオーラが噴き出す。

 

ヒロト&吹雪「「ハァァァ!!!」」

 

 ヒロトと吹雪は、ボールに淡い緑色のオーラを纏わせ飛翔すると、遺伝子を思わせる螺旋と共に上昇し、最高地点へ到達した瞬間に全てのオーラが一つに混ざり合う。

 

吹雪&ヒロト「「“ザ・バース”!!!」」

 

 2人の強力なストライカーによって放たれた連携シュートは、美しい三色の軌跡を描きファルカオが護るゴールへ向かう。

 

ファルカオ「今度こそ止めるッ!!“カポエラスナッチV3”!!!」

 

 先程の屈辱を晴らすべく、円堂と同じくこの土壇場で必殺技を進化させたファルカオは、更に洗練されたスナッチで“生命の螺旋”を受け流そうとする。

 

 だが……

 

ファルカオ「グッ…!?グアァァァッ!!!」

 

 イナズマジャパンの“イナズマ魂”その物とも言える“生命の螺旋”の前には、単なる物理的なスナッチはあまりに無力だった。

 

ピーッ!!!

 

マクスター『ゴーールッ!!!キヤマとフブキの新連携シュートがファルカオからゴールを奪ったぞーーッ!!!コレにて両チームの得点は互いに「2」ッ!!!同点に追い付いたーーッ!!!』

 

『いよっしゃぁぁぁ!!!』

 

 遂に強豪ザ・キングダムに同点にまで追い付いたイナズマジャパンは、ヒートアップする観客にも負けないレベルの大声を上げ、喜びを分かち合う。

 

ガト「まさか…全力の俺達が追いつかれちまうなんてな…!」

 

レオナルド「だが…!それでこそ倒し甲斐がある…!!」

 

 一方のザ・キングダムはあれだけ恐れていた敗北の二文字が近づいているにも関わらず、息を乱しながらも晴れ晴れとした表情で笑顔を浮かべていた。

 

ロニージョ「聞いてくれ皆ッ!!ココまで来たら最後に勝負を決めるのは、“心”だッ!!故郷で待っている家族…そして俺達を救ってくれたイナズマジャパンへの恩を返す為に、全ての力を出し尽くそう!!!」

 

『おおッ!!!』

 

 長かった準決勝も残り時間はあと僅か。両チームは互いの胸に各々が大切な人から受け継いだ“想い”を秘め、力強く視線を合わせる。

 

ピーッ!!!

 

 ラストワンプレーを知らせる審判のホイッスルが鳴り響き。ザ・キングダムのラストアタックが幕を開ける。

 

ロニージョ「必殺タクティクス!!“アマゾンリバーウェーブ”!!!」

 

 開始早々、ザ・キングダム最強のタクティクスが炸裂し、フィールドに荒れ狂う大運河の大波乱が引き起こされる。

 

雷牙「ヌグゥ…!!!コレが自慢の必殺タクティクスかよ…!だが…俺には通用しねェ…!!」

 

 荒れ狂う大波に飲まれてもなお、雷牙は水圧に苦しみながらも一歩一歩着実に前に進み、ロニージョからボールを奪わんとする。

 だが、チームの要であるロニージョが加わった“アマゾンリバーウェーブ”の完成度はレオナルドが起点となった物と比較にならず、雷牙の抵抗虚しく荒波は更に勢いを増す。

 

マクスター『抜いたーーッ!!!ロニージョ!!イナタマとキドウを抜き去ってエンドウと一対一だーーッ!!!』

 

 家族を想う彼の執念が“怪物”の強さを僅かに上回った。

 

ロニージョ(家族の為…応援してくれる皆の為…。そして俺達の為にも…!この試合…絶対に勝つッ!!!)

 

 既に肉体が限界を迎えてもなお、家族そして仲間達の想いがロニージョを奮い立たせる。

 その覚悟に呼応するように、彼の背より膨大なオーラが放出され、徐々に異形を形作ると、両腕が美しい大翼に置き換えられた百族を統べし“嵐王”が顕現する。

 

ロニージョ「“百族の嵐王 ドゥパン”!!!」

 

 今度こそ完全に顕現した“嵐王”…。だが、化身は発動するだけでも多大な体力を消耗する。

 今にも意識が飛びそうなロニージョだが、円堂への恩に報いる為に必死に自分を奮い立たせ、最後の勝負に挑む。

 

ロニージョ「行くぞッ!!!エンドウォォォ!!!」

 

 周囲に強烈な乱気流を発生させたロニージョは化身と共に飛翔し、サンバを思わせる軽快なリズムとステップを駆使して、ボールにオーラを纏わせる。

 

ロニージョ「コレでフィニッシュだッ!!“サンバ・デ・トルメンタァァァァ”!!!」

 

 ロニージョ渾身のシュートが放たれ、フィールドに鮮やかな紙吹雪を撒き散らしながら、新緑の魔弾が円堂に襲い掛かる。

 

壁山「止められなくてもキャプテンの負担を少しでも減らすっス!!!」

 

土方「勝つのは俺達イナズマジャパンだぁぁぁぁ!!!」

 

 勝てないと分かっていながらも、せめて一矢報いる為に壁山と土方はシュートブロックに入るが、覚悟虚しく一瞬の拮抗すら許されずに吹き飛ばされてしまう。

 

 それでも、力及ばずとも仲間の努力は円堂に新たな力を与えてくれる。

 

円堂「ハァァ…!!“魔神 グレイト”…!!」

 

 仲間の想いを受け取った円堂は“至高の領域”とは全く異なる進化を遂げ、その身に虹色に輝く荘厳なる気を宿す。

 

円堂「みんなの想いは絶対にムダにはしない…!“イジゲン・ザ…ハンドォォォ”!!!」

 

 ゴールを覆い囲むように展開された“異次元の結界”が、新緑の魔弾と衝突する。

 

円堂(このシュートは時間が経つにつれて性質を変化させる…。そして、初めの傾向はパワー系…!なら、俺はテクニックが混ざる前に完璧にさばき切る…!!)

 

 “イジゲン・ザ・ハンド”はパワー重視のシュートに非常に強い効力を発揮する一方で、テクニック重視のシュートならば化身でなくとも簡単に破れるという、ある意味円堂らしい両極端な性質を抱えている。

 

 恐らくパワーとテクニックの比率が5:5を超えれば、結界は為す術もなく崩壊し、ゴールを奪われてしまうだろう。

 だからこそ、円堂は何としてもあと数秒以内にシュートの軌道を逸らさなければならない。

 

 

 

 

 筈だった……

 

ピキ…

 

 円堂が耳にしたのは、薄いガラスのような物体に亀裂が入る音。しかし今は試合中、普通ならばそのような音が聞こえる筈がない。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 

円堂「なんだと…!?まだ時間には余裕がある筈…!!」

 

 まだ数秒程時間があるにも関わらず、今のシュートの比率は5:5にまで変化していた。

 つまる所、今の亀裂は合図だ。結界が限界を迎える寸前だという……。

 

ロニージョ「俺が必殺技の弱点をそのままにしておくと思うか!?オマエの油断を誘う為にあえてパワーとテクニックが切り替わる時間を短かくしたんだッ!!」

 

円堂「まだ化身に覚醒して間もないってのに、もうそこまで使い熟せているってのかよ…!…へっ!!流石はロニージョだぜっ!!」

 

 この短時間である程度化身を使い熟せす、圧倒的なサッカーセンスを見せるロニージョを前に、円堂の頬が緩んでしまう。

 

 結界はもう決壊寸前…。このままではザ・キングダムの勝利が確定、自分達の夢が叶わなくなってしまう…。

 

円堂「だったら…!俺も最後の賭けに出るっ!!!」

 

ロニージョ「何だと…!?」

 

 最後の最後で円堂が打った大博打。それを見たロニージョは目を見開き驚愕する。

 彼だけじゃない。あまりに破天荒な円堂の選択は他のザ・キングダムの選手もキャプテンと同様に驚き、観客達に至って衝撃のあまり言葉を失っている。

 この会場の中で、平静を保っているのは円堂の突発的な賭けに慣れた仲間達くらいだ。

 

 会場内を静寂に包み込んだ円堂の奇策…。その正体は……

 

 

 

 

 

 

 

 

マクスター『な、なんとーーッ!!!?キーパー・エンドウ!!まさかまさかの()()()()()()()()ーーッ!!!?』

 

 そう、円堂は飛び出したのだ。自身が護るべきゴールから。

 

ロニージョ「馬鹿な!?技を解いてゴールから飛び出しただと!?そんな事をすればゴールはガラ空きになるじゃないか!?」

 

 キーパーが居なくなればゴールはガラ空きになる。そんな事はバカでも分かる。ましてや、円堂は化身シュートを止める最中だったのだ、カウンター狙いでゴールを飛び出したとしても、点が入ればカウンターもクソもない。

 

 だが、円堂が率いるイナズマジャパンの選手達は、キャプテンの突拍子もない蛮行に呆れる所か、微笑を浮かべて何かに備えている。

 つまり、彼らは分かっているのだ。円堂の行動、その意図を。

 

 そして、ロニージョもまた理解する事となる。

 

 円堂が最後にゴールを託した者の名を……

 

飛鷹「まだだ…!まだ俺が居るッ!!!」

 

ロニージョ「ココでトビタカだと…!?」

 

 守護神無きゴール。その最後の壁として立ちはだかったのは、飛鷹征矢だった。

 円堂の意図を思考ではなく直感で確信した飛鷹は、自身を更生させてくれた恩師に報いる為に、天より授けられた強靭な右脚で空気を切り裂く。

 

飛鷹「“真空魔A”!!!」

 

 円堂、そして響木の想いにより極限まで進化した“真空魔”は、不完全ながらも“異次元の結界”により大きく威力を削がれた新緑の魔弾を飲み込み、ゴールラインを割るギリギリの所で、飛鷹の足元へ収まった。

 

マクスター『止めたーーッ!!!ロニージョの化身シュートを止めたのは、エンドウではなくまさかのDFであるトビタカだーーッ!!!この土壇場で進化させた彼のフェイバリットが、ロニージョに打ち勝ったぞーーッ!!!』

 

鬼道「なるほど、テクニックに移行されれば“イジゲン・ザ・ハンド”に勝ち目はないと見た円堂は、ギリギリの所まで威力を削いで残りは飛鷹に任せた、という訳か…」

 

豪炎寺「フッ、円堂らしい作戦だ」

 

 一見すると無茶苦茶だが、その実彼なりに考え抜いた上で実行した大博打…。それがどのような結果を齎したかは、飛鷹の足元に収まったボールが証明している。

 

円堂「見ていろロニージョ!!!これが俺の…俺たちの…!!ラストアタックだぁぁぁぁ!!!」

 

ロニージョ「クッ…!そうはさせなーーグガッ!?か、身体が…!」

 

 円堂を追いかけようとするロニージョだが、突如として身体が言う事を聞かなくなる。

 それもその筈、彼は今の一撃の全てを込めていたのだ。ただでさえ動けているのかが不思議な程、体力を消耗しているにも関わらず更に肉体を無茶をさせた…。そんな状態になれば、まともに動ける筈がない。

 

円堂「行くぞっ!!みんなっ!!!」

 

『応ッ!!!』

 

 円堂が攻撃に加わった事で、攻撃のバリエーションを増したイナズマジャパンは更に激しく攻め上がる。

 円堂を起点とした既存の戦略に留まらない“自由(リベロ)”な攻めを前に、要を欠いたザ・キングダムは反撃の隙すらも与えられず遂にゴール前まで侵入を許してしまった。

 

円堂「みんなが繋いでくれたこのチャンス…。絶対にムダにはしない…!!」

 

雷牙「見せてやろーぜ守ッ!!俺らがイナズマイレブンから受け継いだ“イナズマ魂”ってモンをなァ!!!」

 

豪炎寺「この試合…絶対に俺達が勝つッ!!」

 

 この一撃で勝負に決着を付けるべく、日本が誇る最強トリオがゴール前に集結する。

 

 決着の起点となるのは、“怪物”・稲魂雷牙。彼は前方に友を走らせるとその右脚に蒼き稲妻を宿し、天高く上げる。

 すると、何十倍にも増幅された稲妻は巨大な渦を作り出すと、黄金の稲妻が垂直に落雷する。

 

円堂「響木監督に届けぇ!!!」

 

雷牙&円堂&豪炎寺「「「“イナズマブレイクS”!!!」」」

 

 どんなに挫けようとも雑草の如く立ち上がり己の限界を壊し(ブレイク)続ける“イナズマ魂”の結晶とも呼べる、必殺技が世界の大舞台で再び日の目を浴びた。

 

 3人により放たれたシュートは、黄と蒼色の稲妻を浴びた弾丸となり、ザ・キングダムのブロックを破壊しながらゴールへ辿り着く。

 

ファルカオ「ハァァァ!!!“カポエラスナッチV3ィィィ”!!!」

 

 ザ・キングダムの守護神を務めるファルカオは、必ずこのシュートを止めガラ空きとなったゴールにシュートを決めるべく、鬼の形相で弾丸の衝撃を受け流さんとする。

 

雷牙&円堂&豪炎寺「「「ぶち抜けェェェェ!!!」」」

 

飛鷹「勝つんだぁぁぁ!!!俺達がぁぁぁ!!!」

 

 次々と繰り出される侍達の魂の叫び。それが弾丸に更なる追い風を齎した。

 

ファルカオ「グガァァァァァ!!!」

 

ピーッ!!!

 

 心を一つに重ね何十倍にも増幅されたイナズマジャパンの想いの結晶を受け流すには、ファルカオ1人の力では及ばなかった。

 柔を剛で捩じ伏せた二色の弾丸はゴールネットに突き刺さり、ゴール全体を僅かに後退させる。

 

 そして……

 

ピッ!ピッ!ピッー!!!

 

 審判のホイッスルが三度鳴らされる。それが示すのは試合の終わり。

 脳の片隅に置いておきながらも、いざ現実に直面すると人は理解が追いつかない生物だ。

 フィールドの戦士達は恐る恐るスコアボードに目を移す。そこに表示されていたのは『3』と『2』の英数字。

 サッカーの勝利条件は三度笛が鳴るまでに多く点を取る事だ、そして今この瞬間において勝者となったのは……

 

マクスター『試合終了ーーッ!!!イナズマジャパンッ!逆転勝利ですッ!!決勝進出を決めましたーーッ!!!』

 

『よっしゃぁぁぁぁ!!!』

 

 実況により全ての人間の理解が追いついた瞬間、会場内は大歓声に包まれる。

 そこにあるのは、勝者となった日本への歓声(コール)だけではない。敗北しても素晴らしい試合を見せてくれたブラジルの選手達にも惜しみない大歓声が贈られる。

 

飛鷹「響木さん…!俺…やりましたよ…!!」

 

 感慨深そうにスコアボードを見上げた飛鷹は、病院に居る恩師に向けて勝利を報告する。

 当然、響木はこの場には居ない。だが、彼が届けたのは言葉ではなく、この試合で幾度となく受け取った“想い”だ。

 

円堂「やったな飛鷹っ!!この試合、勝てたのは間違いなくお前のおかげだ!!」

 

飛鷹「キャプテン…。……はい!!!」

 

 両チームに向けて惜しみない大歓声が贈られる中、激闘を終えノーサイドとなったイナズマジャパンとザ・キングダムの選手達は、フィールド中央で集まり握手を交わす。

 

ロニージョ「負けたのは悔しいが悔いはない。君達こそ、世界一を決める決勝に進むのに相応しいチームだ!!」

 

円堂「ありがとなロニージョ!!…けど、俺は一度も本気になったお前には勝てなかった。試合に勝って勝負に負けたようなもんさ、もしも機会があればまたサッカーやろうぜっ!!」

 

ロニージョ「ああ!!またやろうッ!!」

 

 互いの健闘を讃え合った両チームのキャプテンは、再度熱い握手を交わしいつか悪意の介入がない純粋なサッカーでの再戦を誓う。

 

雷牙「……」

 

 友がロニージョとの再戦を誓う合う中、雷牙は珍しく意味深な表情で空を見つめていた。

 

雷牙(ライト…。俺は決勝まで勝ち進んだぜ…!だからオマエも絶対ェ次の試合に勝てよ…!!)

 

 雷牙もまた天に居る両親に祈る。

 兄、そして旧友が所属するオルフェウスが無名の強豪・リトルギガントに打ち勝ち、決勝の大舞台で再会するその時を。




やっっっっとブラジル戦が終わった…。別に4話も使うつもりはなかったんですけど、ブラジル戦は試合の最中に挟まれるイベントが多すぎて作者の想定以上に長丁場になっちゃった…。
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