??? side
『本当にいいのかい?君の実力ならこっちでも十分に通用すると思うけど?』
イタリアの有名なジュニアチームが保有するグラウンドで2人の少年がサッカーボールを蹴り合っている。
1人は整った顔立ちと茶髪が目立ち常人を上回るテクニックと流星を思わせるスピードによりジュニアチームのエースを務めている。
もう1人は対照的に金色の髪色と稲妻を思わせる癖のある髪型をしておりチーム内ではややテクニックは劣っているものの驚異的な身体能力とスタミナにより流星のスピードに追いついている。
『オレ、ヤクソクノタメ、ニホン、カエル』
ただ金髪の少年はイタリア語が得意ではないのか喋る言葉は片言でありかろうじて会話できるレベルである。
『結局、3年経ってもイタリア語のレベルだけは成長しなかったね』
茶髪の少年がやや呆れるような態度で彼の言語能力について触れる。チーム内でのコミュニケーションはサッカーというスポーツに置いて必要不可欠なものであるため、監督は必死になって彼にイタリア語を教えたものの結果はご覧の有り様である。
『ウッサイ、イタリアゴ、ムズカシイ、オレ、ジャパニーズ』
少年の言葉が彼のプライドを刺激したのかやや荒いプレーで仕返しをする。
『しかし、君がそこまで惚れ込んでいる奴ってのは俺も興味があるな。そんなに強い奴なのかい?』
練習中彼はことあるごとに留学前に出会ったらしい“エンドウ マモル”というゴールキーパーについて語っていた。片言でも熱く語る姿を見て彼の“エンドウ”への思いがよく伝わってきた。1週間の付き合いだったらしくすぐに話す内容がループしていたけど…
彼がここまで注目するプレイヤーは事故で死んだ兄弟以外では自分しかいないため1週間だけの付き合いだけの“エンドウ”に少しだけ嫉妬する。そのようなことを考えていると一瞬の隙をついた彼が雷を思わせるスピードで少年を抜き去りゴールポストにシュートを叩きこんだ。
『しまった!』
『サイゴノショウブハ、オレノカチダナ!フィディオ!』
『これで100戦50勝50敗か…。勝ち越したかったけどやっぱり君相手じゃそれも難しいらしいね、ライガ』
一瞬の隙を突かれたことを悔しがる少年ことフィディオ・アルデナはシュートしたボールを取って帰ってきた彼ことライガに賞賛を送る。
『オマエト、スゴシタ、サンネンカンハ、スゲータノシカッタゼ、コンド、アウトキモ、マケネェゾ』
『俺もだよライガ。日本に帰っても俺のことを忘れないでくれよ?そしていつか世界のステージでまた会おう!』
フィディオとライガは互いに拳を合わせグラウンドを後にする。世界のステージで再会することを期待しながら。
円堂side
ついにこの日がやってきたんだ!小学生の時は母ちゃんにサッカーを禁止されていたけど中学生になってサッカー部に入ることができるんだ!爺ちゃんみたいなゴールキーパーに絶対なってみせるんだ!って意気込んだけどこの学校にサッカー部が無いってどういうことだ?うじうじしてても仕方がない!だったら俺がもう一度サッカー部を作ればいい!クラスメイトの木野がマネージャーになってくれるって言ってくれたし。そこから部員を集めてFF(フットボールフロンティア)で優勝して日本一になるんだ!
顧問の冬海先生から部室を紹介してもらったけど想像よりかなり古いな…まずは掃除からと思って掃除を始めると木野が何かを見つけたようだ。俺も見てみるとサッカー部の看板だった!やっぱりここは昔サッカー部で使われていた部室だったらしい。爺ちゃんもここで過ごしていたと考えると胸の奥が熱くなっていくのを感じる。ここから俺たちのサッカー部が始まるんだ!
掃除がひと段落して外を見ると日が暮れていたから今日は解散して明日から本格的に活動を開始することになった。部員集まるといいな…そう思いながら木野と一緒に家に帰ろうと部室を出たら外に金色の髪をした男子生徒が外に立っていた。もしかして入部希望の生徒かな?そう思って声をかけようとしたら
「おーおー、やっと見つけたぜ。オマエ円堂守だろ?授業終わってから話かけようとしたら一目散にどっか行きやがって、探すのに苦労したんだぜ?」
俺を探してたのか?それにしてもコイツどっかで見たことがあるような?
俺が頭の上に?マークを浮かべているのに気づいた木野が少し呆れたようにあいつの名前を言った。
「円堂くん覚えてないの?同じクラスの子だよ?名前は確か…」
「雷牙…」
「「え?」」
「稲魂雷牙…。円堂守!オマエとの約束守りにきたぜ!」
短いですがキリがいいので今回はここまでとします。ある程度全体の構想は練っているので打ち切りにならないように努力します。