イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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アニメでの活躍が嘘のように影が薄くなった虎丸なんですけど、作者は彼には特別な思い入れがあります。
だって、彼が最後の最後でケーンを破ってくれたお陰でイナズマジャパンが世界一になれたんですからね。
自力習得技が全て属性不一致でも彼は永遠の月兎MVPです。


最強で最高の決勝戦、ここに開幕!!!

円堂「どうしたんだろうな?久遠監督。急に俺たちを集めたりして…」

 

雷牙「さーてねェ。もしかしたらこの土壇場で代表交代の知らせかもしんねェぜ?」

 

風丸「流石の監督もそんな非情な事はしないだろ。……恐らく、多分、きっと…」

 

染岡「お前もハッキリと否定出来てねぇじゃねぇか」

 

 現在、イナズマジャパンの選手全員は久遠の命令で宿舎前に集められていた。いつもの如く、その意図は一切不明。

 

 今となっては久遠の秘密主義は特段珍しい物ではないが、『ただ待て』なる類を見ない命令を前に、チーム内では良からぬ噂まで立つ始末だ。

 

久遠「…全員揃ったか?」

 

円堂「監督!はい!!全員揃ってます!!!」

  

 集められたのは選手だけではない。今までチームを影で支えてきたマネージャーは元より、数日前に退院した響木、そして運転係の古株も居る。

 正真正銘、イナズマジャパンを構成するメンバーが勢揃いだ。

 

久遠「……」

 

『ゴクッ…!』

 

 ようやく姿を現した久遠の眉間は、いつにも増して皺が深い。

 只事ではない雰囲気を醸し出す久遠の存在によって、否が応でも空気がピリついてしまう。

 

久遠「……円堂守!」

 

円堂「……へ?」

 

 極度の緊張がチームを包み込む中、久遠の口から放たれたのは『円堂守』の三文字だった。

 完全に想定の外を突かれてしまった円堂は意図せず腑抜けた返事を返してしまうが、久遠は想定内の反応であると言わんばかりに再度、力強く円堂の名を呼ぶ。

 

久遠「円堂守!!」

 

円堂「……はい!!!」

 

 そう。これは久遠道也の日本代表監督としての最後の務めだ。

 

ーー円堂守。その諦めない『心』でこれまで幾度となく奇跡を起こし続けた、チームの大黒柱。

 

久遠「稲魂雷牙!」

 

雷牙「ハッ!!はいよッ!!!」

 

ーー稲魂雷牙。不遜な自信家ながらも常に“最強”を目指し続ける、不屈の怪物(サッカーモンスター)

 

久遠「豪炎寺修也!」

 

豪炎寺「はいッ!!」

 

ーー豪炎寺修也。その卓越した才能と圧倒的な実力を以て、数多の勝利を掴み取ってきた日本一のストライカー。

 

久遠「鬼道有人!」

 

鬼道「はいッ!」

 

ーー鬼道有人。数々の因縁を乗り越え、チームの勝利に貢献してきた鬼才の司令塔(ゲームメイカー)

 

久遠「風丸一郎太!」

 

風丸「はいッ!!!」

 

ーー風丸一郎太。かつては闇に堕ちかけながらも、友から教えられた『心の強さ』を以て“弱さ”を受け入れた、強き者。

 

久遠「染岡竜吾!」

 

染岡「応ッ!!!」

 

ーー染岡竜吾。才能の差を見せつけながらも、“努力”の一点だけで天才達に喰らい続けてきた、天性の努力家。

 

久遠「壁山塀五郎!」

 

壁山「はいっス!!」

 

ーー壁山塀五郎。気は弱くともその巨体を以てチームの窮地を救ってきた、心優しき守護者(ガーディアン)

 

久遠「吹雪士郎!」

 

吹雪「はい!」

 

ーー吹雪士郎。勝気な手を焼きながらも、常に弟の味方であり続けた日本が誇る美しき氷壁。

 

久遠「吹雪熱也!」

 

熱也「おうよッ!!」

 

ーー吹雪熱也。ここに至るまで幾度の挫折を経験しながらも、その度に立ち上がり著しい成長を重ねてきた、猛吹雪(ブリザード)

 

久遠「不動明王!」

 

不動「はいよ」

 

ーー不動明王。悪雄の如き力への貪欲さを持ちながらも、ここまでの冒険を通して 手に入れた、孤高の叛逆児。

 

久遠「佐久間次郎!」

 

佐久間「はいッ!」

 

ーー佐久間次郎。一度は“力”に溺れながらも、親友の発破経て本当の“強さ”を見つけ出した、片目の賢者。

 

久遠「綱海条介!」

 

綱海「おうッ!!!」

 

ーー綱海条介。素人ながらも持ち前の器の広さでチームの精神的な支柱となってきた、海を愛する者。

 

久遠「土方雷電!」

 

土方「はい!」

 

ーー土方雷電。南国の地にて鍛え上げられた屈強な肉体を、故郷に残した兄妹の為に振るう、雄大なる力士。

 

久遠「木暮夕哉!」

 

木暮「はいっ!」

 

ーー木暮夕哉。尊敬する先輩…そして雷門イレブンとの出会いにより、精神的にも大きな成長を果たした、イタズラ小僧。

 

久遠「立向居勇気!」

 

立向居「はいっ!!!」

 

ーー立向居勇気。円堂を超える破格の才能を持つ、新世代を代表するGK。

 

久遠「基山ヒロト!」

 

ヒロト「はい!」

 

ーー基山ヒロト。かつては父の傀儡でありながらも、サッカーを通して“自分”を取り戻した紅の彗星。

 

久遠「宇都宮虎丸!」

 

虎丸「はい!!!」

 

ーー宇都宮虎丸。チーム最年少ながらも、どのストライカーにも引けを取らない実力を持つ期待のホープ。

 

久遠「飛鷹征矢!」

 

飛鷹「うっすッ!!!」

 

ーー飛鷹征矢。喧嘩一筋だった自分に新たな道を切り開いてくれた恩師、そして信じてくれた仲間達の為に戦い続ける、誇り高き鷹。

 

 飛鷹の返事を以て全ての代表選手の点呼が終わる。

 

 だが…

 

久遠「…木野秋」

 

 久遠の点呼はまだまだ続く。

 

秋「え…? は、はい!!」

 

ーー木野秋。“伝説”の黎明期からチームを裏で支え続けた、最高の立役者。

 

久遠「音無春奈!」

 

音無「はいっ!!!」

 

ーー音無春奈。兄譲りの分析力を活かして情報戦を支えた、優秀な参謀。

 

久遠「久遠冬花!」

 

冬花「はい!」

 

ーー久遠冬花。偽りの記憶を植え付けられながらも、哀しみのトラウマを乗り越え、本当の記憶を取り戻した強き乙女。

 

久遠「目金欠流!」

 

目金「ここに居ます!!!」

 

ーー目金欠流。非力ながらも己に出来る事を最大限活かし、チームに貢献した縁の下の力持ち。

 

久遠「雷門夏未!」

 

夏未「私も…?・・・はい!」

 

ーー雷門夏未。己の使命を完遂し、再びイナズマジャパンの一員として舞い戻って来た気高き少女。

 

 こうしてマネージャー達の点呼も終わるが…。当然、代表を率いる者が()()()()()()()()()()()()

 

久遠「鳳凰院或葉!」

 

木暮「ーー!!! 或葉さん…!?」

 

 日本代表の名に込められた“想い”はこの場に居る者だけじゃない。

 

久遠「闇野カゲト!」

 

 惜しくも代表に選ばれなかった者…

 

久遠「松野空介!」

 

 初めから世界に挑戦する権利すら与えられなかった者…

 

久遠「最後に……栗松鉄平!」

 

 遠く離れた故郷で見守ってくれている人達の“想い”も背負っているのだ。

 

久遠「そして…。ネオジャパンを始めとする選ばれなかった多くのプレイヤー達…。その意志を受け継ぐ日本代表としての決勝戦……絶対に勝つぞッ!!!」

 

『はいッ!!!』

 

 久遠の点呼によって、代表の名、ユニフォーム、ピッチに立つ“重さ”を再確認した日本代表はキャラバンへ乗り込む。 

 

 その胸いっぱいに“夢”と“希望”を詰め込んで。

 

♢♢♢

 

マクスター『遂に…!遂にこの日がやって来ましたァァァァ!!!!FFI決勝戦ッ!!日本代表・イナズマジャパン対コトアール代表・リトルギガントとの一戦が!ココ、タイタニックスタジアムで行われようとしていますッ!!!』

 

 サッカーを愛する全世界の少年少女憧れの大舞台、フットボールフロンティア・インターナショナル…。略してFFI。

 

 その華々しい始まり(オープニング)を飾った地こそが、世界一を決める決戦の舞台だった。

 

『ニッポン!!!ニッポン!!!ニッポン!!!』

 

『コトアールッ!!!コトアールッ!!!コトアールッ!!!』

 

 壮絶なチケット争奪戦を経て、この地へ足を踏み入れた観衆達はこれから現れる最強の戦士達へ惜しみない大歓声を送り続ける。

 

ライト「頑張れーーっ!!!雷牙ーーっ!!!キミなら絶対に世界一になれるよーーっ!!!!!お兄ちゃんの分まで頑張ってねーーっ!!!!!」

 

 観客席に腰を下ろしているのは人畜無害な傍観者のみではない。

 この大舞台にて激戦を繰り広げた、全ての代表チームも会場へ集結し世紀の一戦を見守っている。

 

マクスター『お待たせしました皆さんッ!!!それでは、各チームの入場ですッ!!!!!』

 

 実況の号令と共にピッチへ入場するのは、藍に染まりし侍と新緑に染まりし小さな巨人。

 

 この大会中に幾度となく巻き起こったジャイアントキリング。その渦中に居た最強にして最高の戦士を目にした観客達の興奮のボルテージは最高潮(マキシマム)に達する。

 

雷牙「おーおー!中々に中々な超歓声じゃねェーか!決勝戦(フルコース)前の食前酒にゃあ、丁度良いッ!!」

 

 日の本のベンチに居る“怪物”は、史上類を見ない大歓声を前にしても一切臆する事なく、あまつさえ決勝戦を“フルコース”だと言い放つ。

 

 その姿はまさに“傲慢”この上ない。だが、その認識は何も“怪物”のみならず。

 

豪炎寺「フッ。決勝戦がフルコースか…。相変わらず独特だが、実に雷牙らしい表現じゃないか」

 

熱也「しゃあッ!!!なら喰らい尽くしてやろうじゃねぇかッ!!!巨人のフルコースをよォ!!!」

 

 心身共に最高潮に高まっている侍達には、どんな相手も皆等しく捕食対象でしかないのだ。

 

ゴーシュ「聞いたか師匠?俺らがフルコースだってよ?」

 

ドラゴ「ケッ!!舐められたモンだぜッ!!!」

 

大介「そうカッカするでないお前達。あやつらは認めとるんじゃよ。リトルギガントこそが人生最高の食事であると…な」

 

 お世辞にも品性方向とは呼ばない言い回しをするイナズマジャパンだが、決して慢心はしていない。油断など以ての外だ。

 

大介「お前達ッ!!イナズマジャパンは全ての力を振り絞って優勝を掴みに来るッ!!今こそ全てを解放しろッ!!!」

 

ロココ「師匠…!それって…!」

 

大介「ウム!」

 

ロココ「そっか…!よしみんなっ!!()()()!!!」

 

 師より“全力”の許可を得たロココ…引いてはリトルギガント全員は満面の笑みを浮かべ、遂にその封印を解く。

 

ドスンッ!!!!!

 

 ユニフォームの下より地面に落ちたのは、用途不明の漆黒の物体。

 巨人達の“全力”を封じてきた鍵は、鈍い音を立てて地面にめり込んだ。

 

目金「あれって…!重りですか…!?」

 

夏未「そうよ。その重量はおよそ20kg…。リトルギガントはアレを付けた状態で試合をしてきたの」

 

音無「ルール上は問題無いとはいえ、そんな状態で決勝まで勝ち進んできたなんて…!」

 

秋「しかも…!リトルギガントは準決勝まで意図的に必殺技を封印してる…!」

 

 オルフェウスとあれだけの激戦を繰り広げながらも、まだ本気とは程遠い状態であった事実にベンチのメンバーは驚きを隠せない。

 

 だが……

 

雷牙「ハンッ!!!」

 

 この男はそんな“事実”すらも鼻で笑う。

 

雷牙「オイオイオイオーイ?まさかと思うがよォ?ビビってんじゃねェだろうなァ?」

 

 早速、不安な空気が流れた始めた事を察した“怪物”は、流れを変える為……そして自己顕示欲を満たす為に敢えてチームメイトを煽る。 

 

雷牙「20キロの重しだァ?それがどーした?自慢じゃねェ自慢だが、俺の最高記録は倍の40キロだぜ?」

 

 無論、“怪物”が言っているのは試合では練習での話だ。

 だが…“怪物”の自称自慢ではない自慢は、淀んだ空気を容易く吹き飛ばす程の強い追い風を与えてくれる。

 

円堂「雷牙の言う通りだっ!! 重りなんか関係ない!!相手が最強のチームである以上…俺たちは俺たちの全力で迎え討つだけだっ!!!」

 

『応ッ!!!!!』

 

 決戦前の第一の試練とも呼べる、巨人からのプレッシャーを見事乗り越えたイナズマジャパンは、指定のポジションへ着き終わり、開始のカウントダウンは秒読みとなる。

 

 決勝戦のイナズマジャパンのスタメンは以下の通り。

 

FW:ヒロト、熱也、豪炎寺

MF:風丸、鬼道、雷牙

DF:綱海、吹雪、壁山、飛鷹

GK:円堂

 

 最強の好敵手相手に、日本が誇る侍達は出し惜しみのない最高のスターティングメンバーで試合へ挑む。

 

ピーッ!!!

 

マクスター『試合開始ーーッ!!!さァ!!数々の激戦を経て、ココまで辿り着いた勇者達よッ!!一体、君達はどんな素晴らしい試合を我々に見せてくれるんだーーッ!!??』

 

 開幕の合図を告げるホイッスルが鳴り響き、全世界が待ち望んだ世界一の称号を決める決勝戦が幕を開けた。

 

ゴーシュ「さてと…。手始めに……軽い挨拶と行くかッ!!!」

 

 先行を得たのはリトルギガント。そしてボールを受け取ったのはリトルギガント最強のストライカー・ゴーシュだ。

 

 師からの言いつけも、煩わしかった重りも…己の自由を縛っていた物が全て解除された灼熱の巨人は、本能が赴くが儘に一切の手加減なくボールを蹴る。

 

ズババーンッ!!!!!

 

 スタジアムを包み込む大歓声すらも掻き消す程の轟音が、灼熱の巨人を起点に響き渡る。

 

 何て事はない。彼はただシュートを撃っただけだ。

 放たれたシュートには炎は無い。龍も居ない。ただのノーマルシュートだ。

 

 その代わり……

 

 この世で誰よりも速く鋭いシュートであったが。

 

マクスター『撃ったッ!早くもゴーシュが仕掛けたぞッ!!!誠に遺憾ながら、私の眼にはボールを捉える事すらも出来ませんッ!!!』

 

 灼熱の巨人により離れたシュートは、以前とは比較にもならない圧倒的なスピードを誇っていた。

 実況は元より、観客席に座る代表選手ですらもその姿を正確に捉えられるのはほんの一握りだ。

 

 もはや“並み”の選手では反応すらも叶わない程、速いシュート…

 

 ()()

 

 巨人達は忘れている。

 

 目の前で対峙する相手は決して“並み”ではない事を。

 

雷牙「デェリャァァァァァ!!!!!」

 

ズガガーンッ!!!!!!

 

 灼熱の巨人が奏でた轟音を遥かに上回る激音が轟き響くと、ピッチに一陣の突風が発生し……

 

ゴンッ!!!

 

 何やら鈍い音が発せられる。

 

ゴーシュ「なっ…!?」

 

ロココ「……」

 

マクスター『コ…!コレは…!何という事でしょう…!!??』

 

 まるでリバーシのように矢継ぎ早にひっくり返された“非常識”を前に観客達は言葉を失ってしまう。

 

 何故なら……

 

 

 

 

 

 

 

 ピッチに一つしかないボールは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

雷牙「勘違いしてるみてーだから言っとくぜ?」

 

 静寂と衝撃を引き起こした傲岸不遜の“怪物”は不敵に笑い、巨人達に向けて指を刺す。

 

雷牙「アンタらも挑戦者(チャレンジャー)だ」

 

 世界一を決める最強の決勝戦は、最高の幕開けから始まった。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢

 

???「………」

 

 イナズマジャパン対リトルギガントの運命の決戦が開始した直後。タイタニックスタジアムの影で彼らの試合を静かに見守る者が居た。

 

 試合が見えるか否かレベルの影の中に居る事もあるが、その者は古ぼけたパーカーに加え、フードを深々と被っている為、その顔を見る事は誰にも叶わない。

 

???「アレが…()()()()()雷牙か…」

 

 唯一、絞り出すようにポツリと呟かれた声からその性別が男性である事だけは分かるくらいだ。

 

 パーカーの男はその常人を超えた視力で雷牙の姿を捉えるなり、感慨深そうに試合に見入っている。

 

雷冥「コレは滑稽ですね。数分前まではアレだけ不貞腐れていらしたのに、もう立ち直っていらっしゃる。貴方様がもっと素直でしたなら、私も面倒臭い手続きを踏まずに済んだのですがね」

 

 影に紛れて音も無く背後に現れたのは、雷牙の子孫・稲魂雷冥。

 数日前に見せた余裕のある飄々とした態度はどこに行ったのやら、言葉の節々にはパーカーの男に対する京都式の“怒り”が漏れ出ている。

 

???「…“この世界”のライトは何処に居る?」

 

雷冥「ガン無視ですか…。ハァ…。ライト大叔父様は反対側の観客席です。彼は“亡き父”に憧れてイタリア代表を選んだみたいですからね」

 

???「………」

 

 『亡き父』…つまりは稲魂ステラの存在がパーカーの男の“何か”を強く刺激したのだろうか?

 突然、俯き黙り込むと右手を強く握り締め始めた。

 

雷冥「ココに来る前にも話しましたが、雷牙ひいお祖父様とライト大叔父様との接触だけは()()厳禁です。それ以外の人間との接触も最低限に留めてください」

 

???「……どうでもいい」

 

 稲魂ステラへの怒りが一周したのか、YESでもNOでも返答を弱々しく返したパーカーの男は雷冥を居ない者として扱い、試合の傍観に徹する。

 

 ……右手から滴り落ちる紅の水滴を放置しながら。

 

雷冥「…私の知っている『貴方』は()()()()()()()()()()()()()()()()。一体、何が貴方様をそこまで変えてしまったのでしょうか?」

 

???「……」

 

雷冥「…失礼。私とした事が少々無礼が過ぎたようです。…ですが、交渉が成立した以上、我々に力を貸して貰いますよ。貴方様こそが“()()”に対抗する為の希望(ピース)なのですから」

 

 側から見れば現実逃避をしているだけにしか見えない客人に対して、怒りを通り越して呆れを覚えた雷冥は、溜め息混じりに淡々と現実を突き付ける。

 

 それに対し、パーカーの男はただ一言こう答える。

 

???「……もう、全てがどうでもいい」




さぁさぁ!事実上の二度目のラスボス戦。ポケモンで例えるなら、悪の組織決着後のチャンピオン戦であるリトルギガント戦の開幕です!

ぶっちゃけ、明星鬼乃子とかいうSSCの領域に片足をドップリ突っ込んでるようなバケモンを登場させた後なので、上手く決勝戦を書き切れるかが不安でたまりませんが、『個』としての強さの極致が鬼乃子、『チーム』としての強さの極致がリトルギガントなる独自解釈の元で頑張ります。
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