イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

202 / 202
リトルギガント戦は色々と名シーンが多いですけど、作者は染岡が怪我して交代した際にその原因となったドラゴが強く狼狽えるシーンがメッチャ好きです。
地味なシーンではありますが、一連の流れは彼らが『倒すべき敵』ではなく、『勝ちたいと思えるライバル』なんだと視聴者にさりげなく感じさせる良演出だと思います。


侍の『夢』、巨人の『夢』

ロココ「僕たちも挑戦者(チャレンジャー)…か」

 

 驚かせるつもりが逆に驚かされた“事実”を前に、ロココは感動を覚えたのだろう。

 感慨深そうに呟き、“怪物”の挑発を肯定するとポストに突き刺さったボールを静かに抜き取った。

 

ロココ「みんなっ!もう“遊び”や“驕り”は捨てようっ!!僕たちが相手をしているのは……。コレまでの相手とは違う、最強で最高の好敵手(ライバル)なんだからっ!!!」

 

『おおッ!!!!!』

 

 侍からのサプライズを受けても巨人達の心は揺らがない。

 心の底から尊敬する師より授けられた“イナズマ魂”は、逆境の時こそ真価を発揮するのだから。

 

ロココ「行っっっっけェェェェェ!!!!!」

 

 足元にボールを置いたロココは、そのパワーを以て前線へ大きく蹴飛ばす。リトルギガントの反撃はここからだ。

 

鬼道「来るぞッ!!稲魂ッ!お前はゴーシュに!風丸はドラゴのマークに付けッ!!!」

 

雷牙&風丸「「ラジャー(分かった)ッ!!!」」

 

 当然、巨人達の進撃を指を咥えて見ているだけのイナズマジャパンではない。

 リトルギガントが誇る“緑龍”には日本最速の男が、“灼熱の巨人”には“怪物”が行手を阻む。

 

ゴーシュ「嬉しいぜェ!!!この間の試合じゃあ、オマエの()にいいようにされちまったからよォ!!!兄貴であるテメェにリベンジしてやるぜッ!!!!!」

 

雷牙「ハッ!!またまた猫又勘違いしてるみてーだから、教えといてやんぜ!ライトは……俺の兄だッ!!!」

 

ゴーシュ「ゲッ…!マジかよ…!?アレでか!?」

 

雷牙「YESッ!!アレでだッ!!!」

 

 一瞬、サッカーと関係の無い会話が挟まれたが、ロココが送ったパスはゴーシュではなくドラゴへボールへ回る。

 

風丸「俺が前に居る限り、円堂の元へ辿り着かせやしないッ!!“スピニングフェンスゥゥゥ”!!!」

 

 風丸一郎太最強のディフェンス技がドラゴの前方を覆い尽くし、完全に進路を塞ぐ。

 だが…圧倒的に不利な状況を前にしても、傲岸不遜の“緑龍”はニヒルに笑ってみせる。

 

ドラゴ「いーや抜かせてもらうぜッ!!喰らえェ!!“スカイワイバーンッ”!!!」

 

 技名を叫んだ直後、地面より水色の飛龍(ワイバーン)が飛び出し、その背に主を乗せる。

 

ドラゴ「フルスピードだッ!ワイバーンッ!!!」

 

風丸「なら…!俺もMAXパワーだァァァァ!!!!」

 

 その超スピードを以て空色の矢と化した飛龍に対抗するべく、暴風の牢獄はその勢いを強めより強固に、より規模を拡大する。

 

ドラゴ「…()()()()()()…」

 

バシューンッ!!!

 

 しかし、それこそがドラゴ渾身の(ブラフ)であった。

 

風丸「何ッ!?」

 

 ドラゴの屈強な脚から放たれたシュートは、神速の弾丸となり最硬の強度を持つ暴風の監獄を突き抜けたのだ。

 

 が……

 

熱也「ハンッ!!!もしかしてそれがパスのつもりかぁ?テメェの目にはそっちにお仲間が居るように見えてんのかよ!!!」

 

 弾丸が突き抜けた先に広がるのは、ただの『空』だ。

 そこには敵は居ない。かといって味方も居ない。文字通りの『空』だ。

 

 ただボールが宙を舞う光景に、IQが平均値に足りない者達はドラゴのミスを確信するが…。

 

マキシ「行くよっ!ウォルター!!」

 

ウォルター「はいっス!!!」

 

 たった1試合だけで全世界の人々を魅了した巨人達が、この程度で終わる訳がない。

 

マキシ「そりゃァァァ!!!」

ウォルター「フンヌゥゥゥ!!!」

 

マクスター『と…!飛んだァァァ!!!マキシがウォルターの腹を踏み台にして飛んだぞォォォ!!!?』

 

 ドラゴの判断を瞬時に察知した2人は、同時に飛び上がりウォルターが最高到達点へ達した瞬間に彼の腹部を足場にしマキシが更に飛翔する…。

 

 謂わばニ段階ジャンプを成功させたマキシは本来不可侵の領域であった筈の『空』へ辿り着くと、上半身を地へ向け、下半身を天へ向ける。

 

豪炎寺「あれは…!」

 

壁山「もしかして…!?」

 

 シュートの体制へ移ったマキシを見た侍達は非常に強い既視感に襲われる。

 “ある事情”により豪炎寺と壁山は一足先にその正体を察し、後の選手達にもすぐに知らされる事となる。

 

マキシ「“イナビカリ落としィィィ”!!!」

 

 放たれたシュートは黄金の矢となり、天より落ちる。

 

豪炎寺「あの必殺技は…!“イナズマ落とし”の進化系か!?」

 

鬼道「考えてみればそうだッ!あの円堂大介がこの40年で自分で考案した必殺技を改良していない訳がない!!!」

 

壁山「改良版だろうが関係ないっス!!元祖の足場役の俺が止めてやるっス!!!」

 

 元祖飛び台役としての誇りからか、強い対抗心を燃やした壁山は最強の必殺技“ザ・マウンテン”を発動させ、続けて飛鷹も“真空魔”を発動し鉄壁の防御の体制へと移る。

 

 だが……

 

マキシ「それはどうかな?」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

マクスター『おおっとォォォォ!!!!コレはシュートではないッ!パスだァァァァ!!!!』

 

壁山&飛鷹「「しまったッ!!?」」

 

 この程度の必殺技で日本の守護神を破れる程、この試合は甘くはない…。そう判断した巨人達は確実に点をもぎ取るべく、全てのプレーに徹底的な(ブラフ)を仕込んでいた。

 

 そして、10番のゴーシュが“怪物”の突破に苦戦している以上、フィニッシュを決めるのは当然…。

 

ドラゴ「ドンピシャだぜェ!!!」

 

 もう1人のエースストライカー・ドラゴだ。

 

 黄金の稲妻を浴びたボールに、紅龍の(アギト)重ね掛け(チェイン)され、今度こそ狙いを円堂に定め、その牙を剥く。

 

ゴーシュ「“ダブル・ジョーV4ッ”!!!」

 

マクスター『出たァァァ!!!ドラゴの必殺技シュートだァァァ!!!』

 

 “イナビカリ落とし”とチェインした“ダブル・ジョー”は紅の牙に黄金の稲妻を纏わせ、自身の役目を果たすべくゴールへ向かう。

 

 ()()()()()()……

 

雷牙「ハッ!!!」

 

 ゴーシュを封じていた筈の“怪物”が、鬼道より与えられた仕事を放棄して単身での突撃を始めたのだ。

 

ロココ(ッ!?イナタマ・ライガがこのタイミングで上がってきた…!?)

 

 突拍子もない“怪物”の突撃にロココは混乱してしまう。何もその意図が理解出来ないという訳ではない。

 

ロココ(そこまで信じているのか…?君はマモルを…!)

 

 ゴーシュのマークを放棄したという事は、攻撃に転じる最大のチャンスだと判断した事に他ならない。

 

 ただ…

 

 “怪物”の判断は『円堂守が100%シュートを止める』という信頼の元で初めて成り立つ理論だ。

 

雷牙「……!」

 

円堂「……」(コクッ…!)

 

 雷牙と円堂の間に言葉は交わされる事は終ぞ無かった。

 その代わりに彼らがした事は、“互いの眼を見る”…ただそれだけ。

 

 一見すると意味を為さない動作のように見えるだろう。

 だが……“魂”で繋がり合った者同士のアイコンタクトは、何百、何千、何万通りの弁論よりも遥かに雄弁だ。

 

円堂「ハァァァ…!!!」

 

 友の“想い”を受け取った円堂は、心臓を経由し全身に気を循環させる。

 

円堂「ガンッ!!!」

 

 彼のこの試合に賭ける闘争心は……

 

円堂「シャンッ!!!」

 

 身体より溢れ出す黄金の稲妻と化し……

 

円堂「ドワァァァァァンッッッ!!!!!」

 

 最強最大の魔神を降臨させた。

 

大介「ヌフフ…!!」

 

ロココ「アレが…!!!」

 

 遂に世界の人々にお披露目された最強の魔神は、荘厳なる黄金の両手を力強く突き出す。

 

円堂「“ゴォォォドッ!キャッチィィィ”!!!」

 

 円堂守の集大成、ここに炸裂。

 

マクスター『止めたァァァ!!!エンドウの新必殺技“ゴッドキャッチ”がリトルギガントのシュートを容易く止めて見せたぞォォォォ!!!!』

 

 最鋭の“矛”と最硬の“盾”の衝突は、“盾”の圧勝であった。そこに反論の余地など一切挟む暇も無い程に。

 

ドラゴ「俺達のシュートを止めやがったか…。……ヘッ!!面白くなってきたァ…!!!」

 

 渾身のシュートを塞がれてしまったドラゴだが、不思議と“悔しさ”は感じない。

 今の彼の心にあるのは、未知の強さを持つ好敵手達に対する“感謝”だけだ。

 

円堂「任せたぞ…!雷牙ァァァァ!!!!」

 

 魂で交わした友との約束を果たした円堂は、彼の想いに応えるべくロココと同じくボールを勢いよく蹴飛ばす。

 

ゴーシュ「甘いぜッ!!!俺のマークを外した事を後悔しやがれッ!!!」

 

 道中、想いの旅路はハーフライン付近で阻まれ掛けるが…。

 

鬼道「させるかッ!!必殺タクティクスッ!!“ルート・オブ・スカイッ”!!!」

 

 一足先に、鬼道が先手を打ち全身全霊を以て“怪物”へボールを繋げてみせる。

 

ヒロト「雷牙君ッ!!!」

 

雷牙「ハッ!!受け取ったァ!!!」

 

 仲間達の活躍により絶好のシュートチャンスを得た“怪物”は観客の想定を裏切るように、限界を超えて加速のギアを上げる。

 

 更に更に、“怪物”の隣には……

 

豪炎寺「出し惜しみは無しで行くぞッ!雷牙ッ!!」

 

 これまで幾度となく共に勝利を勝ち取ってきた最高の相棒が並走している。

 

雷牙「“獅風迅雷ッ!超限界突破(オーバー・オーバー・リミテッド)ォォォ”!!!」

豪炎寺「“バーニングフェーズ…3ッ”!!!」

 

 フィールドに紅蓮の炎と黄金の稲妻を立ち昇らせた“最強”は、爆熱の炎をその身に纏わせ二対の旋風を巻き起こす。

 

雷牙&豪炎寺「「“ファイアトルネードDD ReB(リミットブレイク)ッ”!!!!!」」

 

 伝説の序章となった『神々』との戦いにて完成された2人の友情の証とも言える最高の連携シュートがロココに向かって行く。

 

ロココ「絶対に点は入れさせないッ!!!」

 

 だが、ロココ・ウルパはこの程度で怯むような男ではない。

 

ロココ「“爆ゴッドハンドXゥゥゥ”!!!」

 

 即座に紅の稲妻を発生させ、神の御手を右手に宿す。

 

ロココ「グッ…!!?」

 

 師より受け継ぎ、オリジナルとして昇華させた“神の御手”はこれまで数多のシュートを真正面から受け止めてきた。

 

 しかし……

 

ロココ「お…重い…!!!僕が受けてきた…どのシュートよりも…!!!」

 

 “怪物”と“天才”の友情は……過去を容易く凌駕する。

 

ロココ「それでも…!負けるもんかァァァァァ!!!!!」

 

 ある狂人は言った…『敗北こそが人をより強く成長させる為の刺激(スパイス)である』と…。

 

 その言葉は……巨人とて例外ではない。

 

ロココ「“極ゴッドハンドXゥゥゥッ”!!!!」

 

 もう1人のイナズマ挑戦者(チャレンジャー)は、その胸に“イナズマ魂”を宿している限り無限に限界を超え続けるのだ。

 

ロココ「ウォリャァァァァァッ!!!!!」

 

ズガドォォォンッ!!!!!

 

雷牙「な…!!」

 

豪炎寺「なッ…!?」

 

()()()()()()()()()()!!??』

 

 限界の殻を破ってもなお“友情の炎”に苦戦していたロココは、コレが自分の勝利への執念と言わんばかりに拳を繰り出した。

 執念の拳は爆熱の炎を貫き本体(ボール)へ突き刺さり、短くも長かった決戦に一つのケリを付けたのだ。

 

土方「稲魂と豪炎寺が放った渾身のシュートでもロココを破れねぇのかよ…!!」

 

染岡「チッ…!この規格外さ…!嫌でも稲魂の妹が頭に浮かびやがる…!!」

 

 “至高の領域”へ到達した2人のシュートを以てしてもロココを破る事は叶わない…。その事実を前にしたベンチの選手達は、際限なく強さを増す巨人に対して思わず“鬼”を連想してしまう。

 

マクスター『だァがァ!!!ボールはフリーだァァァ!!!先にボールを確保するのは剛力無双のリトルギガントかァ!!?それとも疾風迅雷のイナズマジャパンかァァァァ!!!?』

 

 フリーといえど、ボールが転がった先はリトルギガントの陣地。当然、圧倒的に有利なのは戦地を陣取る巨人達だ。

 

ウィンディ「誰も俺のスピードには付いて来れないッ!!!ボールは貰ったァァァァ!!!!」

 

 巨人達には幸運にも、侍達にとっては不幸にも、ボールから最も近い選手は、リトルギガント最速の巨人・ウィンディであった。

 最高・最速を誇るウィンディのスピードは、見る見るうちに敵味方全員を突き放し、瞬く間にボールの元へ辿り着いた。

 

大介「よくやったウィンディ!!ここでカウンターじゃ!!確実に1点をもぎ取れェ!!!」

 

 敬愛する監督に指示に従い、巨人達は最低限の守り(ロココ・ウルパ)以外の選手が攻撃に参加する。

 

 ……それこそが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

久遠「今だッ!!!ここが正念場だッ!!行けェ!!!」

 

???「だぁりゃぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ウィンディ「なっ…!?オ、オマエは…!?」

 

 攻撃に移る刹那、一つの影がウィンディの足元に鋭い一閃(スライディング)を喰らわせる。

 無論、チーム最速である彼ならば多少の不意を突かれたとしても、躱わすの容易い。

 

 だが……

 

 ウィンディは()()()()()()()()()()()

 

マクスター『ウィンディのボールが奪われたァァァ!!!だが、誰も彼を責める事は出来ないッ!!!何せ…!!!我々ですらも()の奇襲は想定外だったからァァァ!!!』

 

 ウィンディがイナズマジャパンの奇襲を躱し損ねた原因はただ一つ。

 襲撃者の人員が、完全に想定の外に居た人物だった…それだけだ。

 

 しかし、ちょっと待って欲しい。

 伝説の選手・円堂大介からサッカーのいろはを叩き込まれた選手が、想定外といえどもそう簡単に不覚を取るだろうか?

 

 彼の不意を突くには、影が薄い程度の想定外では意味を成さない。それこそ、本当に初めから思考の範囲外に居るような存在でなければ不意打ちは成立しない筈だ。

 

 そんな厳しい条件を満たすような選手が、この試合の出場者の中に居るのだろうか?

 

 ・・・いや居た。一見、不可能にも思える条件に見事なまでに合致する人物が。

 

 その者の名は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

円堂「へへっ…!悪ぃな…!これは俺たちのボールだ…!!!」

 

 イナズマジャパンの最後の砦(エンド)を護る者・円堂守であった。

 

マクスター『まさかまさかのココでエンドウだァァァァ!!!!ポジションに囚われないそのプレーはまさに自由(リベロ)ッ!!!彼を表現するのにそれ以外の言葉が思い浮かばないィィィ!!!』

 

雷牙「よくやった守ッ!!!さァ…!初っ端から最高のハイライトと行こうじゃねェかッ!!!」

 

 円堂の奇襲が初めから“怪物”の策の内であったかは分からない。 

 ただ一つ確かなのは、円堂・雷牙・豪炎寺の3名はこれから数十秒越しのリベンジマッチへと洒落込むという事だけだ。

 

雷牙「きやがれッ!!!“雷鳴の覇王 レグルス・マキシマムッ”!!!」

 

円堂「ハァァァ…!!!!“魔神 グレイトッ”!!!」

 

豪炎寺「カァァァァァッ!!!!“炎魔皇 ガザード・レクイエムッ”!!!!」

 

 早くもフィールドに集結した三体の英雄達。

 彼らの顕現は、英雄を超えた“ 超英雄(スーパーヒーロー)” 誕生への序章曲(プレリュード)だ。

 

雷牙「天丼ッ!!!」

 

豪炎寺「…カツ丼ッ!」

 

円堂「親子丼ッ!!!!!」

 

 唐突に彼らの口から発せられるのは、素っ頓狂な呪文…。

 世界中に“恥”を晒してまでも、世界一のなるという強い“決意”こそが最強の“超英雄(スーパーヒーロー)”が誕生する為の最後のピースとなる…!

 

「「「“稲妻の超英雄 イレブンッ”!!!!!」」」

 

マクスター『出たァァァァ!!!!イナズマジャパンの切り札(ジョーカー)と名高いスーパーヒーローの登場だァァァァ!!!!』

 

ロココ「アレが…!噂の“イレブン”か…!!!」

 

 イナズマジャパンが公式戦で“イレブン”を使用した地区予選決勝であるファイアードラゴンとの試合のみ。

 しかし、テレビ越しからも痺れるように伝わる“超英雄”の強さは世界中のライバル達に認知されていた。

 

円堂「行くぞっ!ロココっ!!!これが俺の…俺たちの全身全霊(ゼンリョク)だァァァァァ!!!!!」

 

 “超英雄”を構成する三人が互いに向き合い、祈るように手を合わせるとボールを起点にチーム全員の“想い”が集約される。

 

大介「この技は…!もしや…!!」

 

 限界まで溜められたエネルギーは、垂直に飛び上がるとその軌跡が大樹を思わせる形相となり、1つの青い果実を生み出した。

 

雷牙「しゃおらァァァァァ!!!!!」

 

 三人の英雄達もまた“超英雄”の力で果実を上回る高度まで飛翔すると、即座に1つの隕石と化して果実へ突撃した。

 

「「「“ジ・アァァァァスッ”!!!!!」」」

 

 瞬間、青い果実はその形状を変化させ球体から巨大な槍へと姿を変える。

 その刃先が向かうのは、最後の砦(エンド)を護る“小さな巨人”ただ1人。

 

ロココ「……」

 

 常人ならば命を危険を感じる程に強力なシュート…。それを前にしたロココは猛烈な“感動”すら覚えていた。

 

ロココ「……にひっ!!!」

 

 気付けば“巨人”は笑っていた。

 

 まるで遊園地(テーマーパーク)へ足を踏み入れた子供のように。 

 

 まるで目の前でさぞ可笑しい喜劇が起こっているかのように。

 

 本当に……無邪気に。

 

ロココ(ありがとう…マモル…!僕と…本気で勝負してくれて…!)

 

 蒼き槍から放たれる圧力は、『()()()()()()絶対に勝つ事は不可能だ』…そう確信させる程に強烈だった。

 

ロココ(分かるよ…!コレがイナズマジャパン(君たち)の“夢”の大きさなんだね…!)

 

 イナズマジャパンの『夢』の結晶たる“ジ・アース”はあまりに巨大だった。それこそ1つの惑星と比肩するくらいに。

 

 ……それがどうした?

 

 彼らにも絶対に譲れない『夢』があるように、ロココ・ウルパにだって絶対に叶えたい『夢』がある。

 

 そう…。仲間…そして自身をここまで鍛え上げてくれた師と約束した銀河に匹敵する程に大きく壮大な『夢』が。

 

ロココ「僕と師匠(ダイスケ)との夢の大きさは…負けちゃいないっ!!!」

 

 最強の好敵手(ライバル)に触発され、燃え上がった闘争心の炎。

 ありとあらゆる方法を以てしても決して消える事はない巨人の炎は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

豪炎寺「これは…!」

 

雷牙「ケッ…!やっぱしなァ…!!!」

 

 ロココの身に起きた“異変”の正体…。もう、語るまでもないだろう。

 

ロココ「見ててよ…!マモルッ…!!!コレが僕のッ…!!!全身全霊(ゼンリョク)だァァァァァ!!!!!」

 

 “伝説”との出会い経て始まった1人の少年の『最高の夢』は、“最強の巨人”の姿となって顕れる。

 

ロココ「“未知なる巨人 エクスドリームッ”!!!」

 

マクスター『な…!な…!な…!なんとォォォォ!!!?キミはまだ力を隠し持っていたというのかァァァァ!!!?まさかまさかのロココが化身に覚醒したぞォォォォ!!!!』

 

大介「夢に向かって飛べェ!!!ロココォォォ!!!」

 

 少年の“喜び”に呼応するかのようにゴール前に顕現した“紅の巨人”。

 その身から放たれる紅き稲妻は『X』の軌跡を描き、自身に降りかかる“惑星”へ挑む。

 

ロココ「“X(アンノウン)・ザ・ハンドォォォォォ”!!!!!」

 

 その巨人の強さはまさに未知数(アンノウン)

 

 未知数の領域に住まう“巨人”の右手は蒼き惑星を力強く受け止め、互角…いや、()()()()の好勝負を繰り広げる。

 

ヒロト「馬鹿な…!?前よりもずっと強くなっている“ジ・アース”だぞ…!?“あの時代”の俺ですらも受け止めきれなかった必殺技を…!まさか1人で受け止めるというのか…!!?」

 

 最も残忍であり、最も化身パワーに満ち溢れていた頃の“自分(グラン)”ですらも打ち破ってみせたシュートと拮抗勝負を演じる巨人にヒロトは驚きを隠せない。

 

ロココ「悪いね…!確かに…!()1()()じゃ手も足も出なかっただろうね…!!けど…!!!」

 

 巨人の右手に宿しは惑星よりも大きく、太陽よりも光り輝く『夢』。

 

ロココ「僕の右手には…!みんなの“想い”も一緒だァァァァァ!!!!!」

 

 この世のどんな物よりも清く純粋な『夢』は、惑星の名を冠した巨槍すらも凌駕する。

 

ロココ「へへへ…!僕の…勝ちだ…!!!」

 

 巨人が高らかに発する勝利宣言。右手に収められたボールがその証だ。

 

マクスター『止めたァァァァ!!!!ロココ・ウルパァ!!!たった1人でイナズマジャパンの最終兵器(リーサルウェポン)を受け止めたァァァァ!!!!』

 

 最強の“ジ・アース”すらもロココには通用しない…。その事実は、世界中の人々に大きな衝撃を与えた。

 

 だが……

 

豪炎寺「フッ…!そうこなくちゃ面白くないッ!!」

 

鬼道「ディフェンスを固めろッ!!円堂がゴールに戻るまで、なんとしてでも時間を稼ぐんだッ!!!」

 

 イナズマジャパンの顔には、絶望どころか満面の笑みが浮かべられていた。

 

円堂「なあ、雷牙……」

 

雷牙「ンだよ…守?」

 

円堂「やっぱり……サッカーって最高だよな!!!」

 

雷牙「……ハッ?何を今サラ。んなモン、紀元前よりも前から知ってたに決まってんだろーが!!!」

 

 挑戦者(チャレンジャー)であるイナズマジャパンに“絶望”は存在しない。

 今はただ、最高の舞台で最強の好敵手と戦える喜びも、最終兵器が通用しない苦境すらも……心ゆくまで楽しむだけだ。




チームGとの戦いを経て大きく成長した円堂ですけど、現時点でのロココとの実力差は
【ロココ(化身有り)>円堂=ロココ(通常時)】くらいになってます。

やはりまだまだ両者の壁は大きいですね。しかも、ロココは鬼乃子と同じで、強者であるが故に成長の余地を大きく残しているタイプなのも厄介。

〜オリ技紹介〜
【通常必殺技】
♦︎スカイワイバーン
属性:風
分類:ドリブル
使用者:ドラゴ
≪概要≫
使用者が気を高めると、地面から水色のワイバーンが現れ、主と共に超スピードで相手を抜き去る。
モーションは“昇り龍”と“エアライド”を足して2で割った感じ。

♦︎イナビカリ落とし
属性:風
分類:シュート
使用者:ウォルター、マキシ
≪概要≫
“イナズマ落とし”を元に大介が改良した必殺技。
空中戦を制する事メインで威力自体はそこまでだった元祖とは異なり、純粋な威力も世界に通用するレベルまで向上している。

【化身】
♦︎未知なる巨人 エクスドリーム
属性:火
分類:キーパー
使用者:ロココ
≪概要≫
【大きな『夢』に呼応して顕れる火の化身。その右手はどんなシュートすらも受け止めるという。】
容姿は紅くなったタイタニアスに南米要素がプラスされた感じ。
名前の由来はextreme+dreamから。

X(アンノウン)・ザ・ハンド
≪概要≫
紅の稲妻を浴びた巨人の右手が如何なるシュートを受け止める。その強さはまさに未知数(アンノウン)
モーションはまんま“ゴッドハンドX”と同じです。

イナMONに引き続き、ちょっとした作者の好奇心なんですけどオリキャラの中で誰が1番好感度が高いのかな〜って気になったんでアンケート取ってみまーす。別に結果によってこの後の展開が変わるとかはないので気楽に投票してください。

  • 稲魂雷牙
  • 稲魂雷斗
  • 明星鬼乃子
  • “雷帝”
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マイペース系クソボケ主人公VS人前では飾らず明るいアイドルだが幼馴染みと2人きりの時だけしっとりする忍原来夏。▼さぁキックオフ!▼※ネタバレ含みます。▼話は忍原来夏との絡みをメインにしたいと思っておりますので、試合の展開とかは薄味になると思います。


総合評価:8932/評価:9.19/完結:69話/更新日時:2026年05月29日(金) 00:58 小説情報


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