元々は、ドカバトのファンメイドbgmなんですけど、力強さの裏にある儚いフレーズがめっちゃ好きなんですよね〜。良曲なんで興味があったら、聞いてみてください。
https://youtu.be/MLl82pKFm_I?si=cRgqVDL9KQXNiLU-
かつて、この世界は争いの絶えない荒廃した世界であった。
ごく一部の限られた人間のみが世界を動かし、その他大勢の人間は強者も弱者も関係無く、“自由”すら与えられない……。
度重なる戦争により土地は荒れ果て、罪も無い人々は理不尽な“悪意”により命を失うのが、この世界の常識だった。
そんな“常識”は長く続き、気付けば人類滅亡はもう、すぐそこまで迫っていた。
理由の無い“狂気”が世界を飲み込み、明日すらも保証されない弱き者達が、絶望に打ちひしがれた時……
“
ある日、世界中に地響きが鳴り響くと、暗雲に覆われた空が割れた。
ぽっかりと空に開いた穴から無数の空飛ぶ戦艦を引き連れ現れた者こそが、“其”であった。
降臨した“其”は圧倒的な力を以て戦争に興じる愚者達に攻撃を加えた。
科学水準を大きく超えた“其”の武力の前に、己の利権を失う事を恐れた旧支配者達は、共同戦線を結び立ち向かった。
だが、“其”の力の前には最初にして最後に結ばれた同盟すらも無力であり、瞬く間に旧支配者達は命を以て、己の罪を償った。
こうして世界は“其”によって掌握され、長きに渡って繰り広げられた戦争は終結した。
その期間は僅か七日。神が世界を創造したのと同じように、たった七日で世界を包み込んでいた“狂気”は消え去ったのだ。
来訪者であり救世主となった“其”を人々は讃え、崇めた。
民は強く願った。救世主たる“其”に世界を統治してもらう事を。
“其”は
世界の総意により頂点へ至った“其”は、初めにこの世界の玉座を一つに定めた。
頂点の玉座に座る者は当然、“其”ただ一人…。
名実共に世界の絶対的な支配者となった“其”が次に定めたのは『法』。
“其”はサッカーによる勝敗こそを、この世界における絶対の『法』へと定めた。
サッカーは実に素晴らしい『法』であった。
決められた規則に則り、勝敗を競い合わせる事で、血の一滴すら流さずに秩序が保たれる…。
サッカーによる『法』が制定された瞬間、この世界を歪めた根源である“戦争”は根絶されたのだ。
“其”が支配者となった事により、遂にこの世界に“平和”が訪れた。
そして……
永遠の平和を実現させた“其”は自らをこう名乗った……。
“
……………
…………
………
……
…
雷冥「・・・何ですか、コレ?怪文書にも程があるでしょう…」
アンダーマフィアの本拠地に向かう道中。試合に勝利し入手した報告書に目を通していた雷冥は、怪文書同然の内容にドン引きしていた。
薄々察していた事だが、【サンダーゲート】の人間達には“GF”の真意など何一つ聞かされておらず、役に立つような情報は選手データを除けば、上記の『神話』のみ…。
その『神話』の内容すらも一見すると素っ頓狂にしか見えない内容である。だが、罰ゲームによって抽出された情報に嘘は付けない。資料に載せられた情報が“事実”なのは確かなようだ。
イダテン「おれも“GF”について詳しく知っているわけじゃないから、上手くは言えないけどさぁ…。たぶん、“
雷冥「洗脳教育…ってワケですか。そう考えると、イダテン様が“
イダテン「…それ褒めてんの?けなしてんの?」
お目当ての情報が手に入らなかったとはいえ、今は立ち止まっている暇は無い。
そこら中に監視に回っている兵士の目を欺く為に、高度な変装を施した雷冥一向は、目的地に向かってガムシャラに脚を動かすだけだ。
雷冥「ハァ…。何か“GF”の弱点の一つや二つでも得られれば、と無茶をしましたが、結局は無駄試合に終わったというワケですか…」
イダテン「??? え、なに?ライメイは“GF”と戦うつもりなの??」
雷冥「理想は、城に近付く事すらせずに本部からの救援を期待する事なのですがね。残念ながら、元の世界に帰るには最低でも“GF”の居城への潜入は必須でしょう」
雷冥からすれば、このまましばらく時間を稼ぎ本部からの救援を待つのがベストであろうが、時空を超える技術を持つ“GF”が逆探知を対策していない筈がない。
ならば、本部からの救援はあくまでもサブプランにし、自らの力で元の世界に帰還するしか方法がないが、かといって“
十中八九、雷冥が求める技術は“GF”の居城にて厳重に保護されているだろう。そんな装置あれば、別世界に逃げる脱獄者は後を経たないだろうから。
それ故に、“GF”と対峙せずに帰還出来るなら最も
イダテン「はへー、ライメイなら“GF”にも勝てそうなのにね〜」
雷冥「負けるつもりは毛頭もありませんが、基本的に“戦闘”は最終手段ですよ。闘争を介さずに脱出するにこした事はありませんからね」
イダテン「そっかぁ……。・・・!!! あっ!!」
何の前触れもなく大声を出したと思ったら、次の瞬間、イダテンの脚が止まる。
雷冥「どうしました、イダテン様?」
イダテン「見て、ライメイ!!!
立ち止まったイダテンは、やや興奮気味に前方へ指を指す。
雷冥「ココがアンダーマフィアの統治区…」
ワンダバード「なんか…想像してた光景とはだいぶ違いますね…」
ワンダキャット「まっぶ…」
指先の光景を見た雷冥一向は、あまりにも想像とかけ離れた光景を前に驚きを隠せない様子だ。
それもその筈。彼らの瞳に映っていたのは……
『ウェルカ〜ム!!!“
眩い
雷冥「…伊達に“
最初こそ唖然とした表情だった雷冥だが、思いの外すぐに適応し、数秒後には関心の声を漏らしていた。
確かに建設物の雰囲気こそは、これまで歩いてきた道と大差無いが、街中を包み込む活気は段違いだ。
・・・とはいえ、だ。
警備員「………」(カチャッ!)
いくら活気に満ち溢れているように見えようとも、所詮ここは“
至る所に点在する警備員らしき人間達は黒光りする銃火器をチラつかせている。
雷冥「…以外ですね。てっきり、銃火器の類は“
イダテン「あんまり大きな声で言えないけど、アンダーマフィアが使ってる武器は違法に作られたものだよ。けど、上に比べたら質もよくないし、治安維持には必須だから黙認されてるってのが現状だね」
銃火器を使わなければまともな治安維持も出来ない程、荒れている“
何せ、銃火器の所持を黙認される程度には“
これならば、イダテンの目論見通り、
雷冥「ならば、早速行動に移りましょう。やはり一番てっとり早いのは、アンダーマフィアのトップに会う事でしょうね。イダテン様、案内をお願いします」
イダテン「あ〜…そのことなんだけど……」
雷冥「???」
今は一分一秒すらも時間が惜しい雷冥は、早速アンダーマフィアのトップとの交渉に入るべくイダテンへ案内を頼むが、何故か当のイダテンの言葉が詰まる。
雷冥「どうしました?出来れば今日中には交渉の場に付きたいのですが…」
イダテン「実はおれ……今のトップとは喧嘩別れ同然で離れちゃったんだよね…」
雷冥「・・・はい?」
ここにきて、またしてもイダテンの悪癖が存分に発揮されてしまった。
てっきり雷冥は、本人の口ぶりからイダテンとアンダーマフィアには強いコネクションがあると思い込んでいた。
仕方ないだろう。まさか、険悪な関係にある組織が唯一の希望であるとは想像出来る筈がない。
基本的に希望的観測しか頼れない…それが“
イダテン「まってまってまって!!!そんな怖い顔しないでって!! 確かに喧嘩してから仲直りはしてないけど、“あいつ”は良いやつなんだ!!きっと、仲直りできれば力を貸してくれるはずなんだって!!!」
雷冥「本当に『良いヤツ』ならば、最初からすぐに仲直りできるのでは?」
イダテン「うう〜〜……」
大まかな“
寧ろ、頭を抱える時間すらも無駄でしかない。ならば、彼が取らなければならない行動はただ一つ、別の方法を見つけるだけだ。
雷冥「ハァ…もういいです。予定変更です、比較的現実的な手段で件のボスと接触出来る方法を教えてください」
イダテン「うん…。おれが知る限り、ボスと会うには大量のお金を渡すか、アンダーマフィアの大幹部になるしか方法はないね…」
雷冥「…賄賂に必要な金額は?」
イダテン「多分…ライメイ5人分くらいかな?」
無駄だと分かっていても、またしても雷冥は頭を抱えてしまう。
雷冥・イダテン共にまともな資金を持たない二人が、億単位の賄賂など渡せる筈がない。
ならば……雷冥が取れる方法など、初めから1つしか残っていない。
雷冥「…良し。ならば、最後の手段です。
イダテン&ワンダバード「「へ・・・?ええぇぇぇぇ〜〜〜〜!?!?!?」」
“魔王”の蒼き頭脳から導き出された結論…。それは、まさかまさかの
♢♢♢
構成員「…
雷冥「私は正常ですよ。何なら、円周率でも諳んじてみせましょうか?」
イダテン「マジか〜…。まさか、こんなアッサリ“あいつ”に会えるいとがかりが見つかるなんて…!」
突如として放たれた
だが、応対室にておもてなしを受けているのは、雷冥とイダテンだけではない。何故か、雷冥のデュプリも全員集結している。そのせいで、応対室はギュウギュウである。
ここに辿り着くまでに雷冥が用いた方法は何て事はない。酒場で暴れる構成員らしき人物を見つけ次第、片っ端からメンツを潰して、引けないところまで持っていくだけだ。
構成員「テメェ…名は?」
雷冥「…ハレワタール。ソラ・ハレワタールです」
捉えられる可能性は低くとも、お尋ね者である雷冥は馬鹿正直に本名を言う訳にもいかず、以前とはまた異なる偽名を伝える。
ちなみに、この偽名は雷冥が嗜んでいる女児アニメの主人公の名前である。
構成員「ハレワタール、ねェ…。そのまんまっつーか、ヤケにヘンテコな名前じゃねェーか?」
雷冥「なんだと貴s……ゲフン!ゲフン! ええ、よく言われます」
構成員「…正直言うとよォ、俺はテメェを雇う事は割と賛成なんだ。酒に酔ってたとはいえ、多勢に無勢を覆す腕っぷしの強さは魅力的だからなァ」
イダテン(おおっ!!これは上手くいきそうな予感…!!)
当初こそ険悪な雰囲気であったが、よくよく考えてみれば
恐らく、この展開もまた雷冥の計算の内だったのだろう。
構成員「
それでも人生とはそうトントン拍子に計画が上手くいく物ではない。でなければ、“GF”が雷冥を取り逃す事などなかった筈なのだから。
構成員「自分を売り込みたいからって、実力行使は判断ミスだったなァ。オマエさんのお陰で俺らのメンツは丸潰れ!そう簡単にオマエさんを許す訳にゃあ、いかねェのよ!!」
確かにマフィアにとって雷冥を雇う事は合理的な判断だろう。だが、それ以上に“誇り”と“メンツ”を重んじるアンダーマフィアにとって、雷冥がしでかした事は極刑に値する無礼であった。
雷冥「…それは百も承知です。ならば…どうです?ココは一つ、5人対5人によるサッカーバトルで白黒を付けるというのは?」
構成員「サッカーだァ?」
だが、マフィアはメンツを何よりも大事にするのは雷冥とて百も承知。金とメンツには人一倍うるさいのは、どの時空でも共通事項だ。
雷冥「“GF”の知世ではサッカーこそが絶対的な『法』…。私が勝てば今までの無礼を水に流し、負ければ私の小指でも人権でも好きにすればいい」
構成員「…テメェか約束を守る根拠は?」
雷冥「残念ながらありません。ですが…私は別に良いのですよ?ココで大暴れしても」
そう言い、彼らを睨み付ける
構成員「…OK、良いだろう。その要求を飲んでやらァ。オイ、テメェらッ!!こいつを裏庭のサッカーコートに案内してやりなッ!!!」
こうして、面白いように事が進み、計画達成の第一歩である
………
……
…
ピッ!ピッ!ピッー!!!
構成員「ガッ…!つ、強過ぎんだろ…!!」
そして
雷冥「私達の勝利ですね。約束です、我々の入団を認めてください」
構成員「チッ…!わーた、わーた…。俺が上にかけあって…」
ピロロロ…!
構成員のリーダーが『かけあってやる』と言い掛けた瞬間、彼の尻ポケットに仕舞われていた懐かしのガラケーから着信音が鳴る。
構成員「…オイ、喜べ
そう、何を隠そうその着信の主は、アンダーマフィアにとって“GF”に匹敵する絶対的な主人である
雷冥は軽く周囲を見渡す。あまり整備が為されていないサッカーコートであった為、ミニゲーム中は気付かなかったが、よくよく見ると至る所に古い機種の監視カメラが起動している。
どうやら、ボスはこのカメラを通じて、圧勝に終わったミニゲームを観ていたようだ。
構成員「…失礼します」
数分後、雷冥一向はリーダーに連れられボスの住まう部屋へと案内された。
…が、神妙な顔持ちで喧嘩別れした旧友との久方ぶりの再会に挑まんとするイダテンとは対照的に、雷冥の表情は実に
それもその筈。目の前に聳え立つ巨大な扉には、鋭い刃物と金属製の骸骨が所狭しに埋められており、この城の主人の趣味趣向が透けて見えるのだから。
今の雷冥の心境を分かりやすく例えれば、同級生が嬉々として道の駅で買ったドラゴンのキーホルダーを見せびらかす…そんな羞恥心に襲われていた。
ギギギ…
だが、雷冥の心境などお構いなしに鈍い音を立てながら扉は開かれ、一向は部屋の中へと案内される。
???「へェ?生で見るとより一層、際立つなァ。アンタの内に秘めた闘争心ってヤツが」
部屋の内部もまた、扉と同じ何処から仕入れてきたのか分からない古今東西の武具と、煌びやかな骸骨を模した家具が所狭しと並べられている。
視線いっぱいに広がる鈍色の輝きの前に、扉の厨n……やや痛いデザインはほんの挨拶代わりであった事を理解してしまう。
そして、部屋の全ての要素がこうなってしまった要因こそが、部屋の最深部にて机に脚を掛け太々しく座るボス……いや、
雷冥「…お初にお目に掛かります。私の名はソラ・ハレワタール…。そして、隣に居るのが我が友・ペガサスと申します」
イダテン「ぺ、ペガサスです…。よ、よろしくお願いします…」
???「コイツは丁寧にどうも。それじゃあ、オレも挨拶をしなきゃ、ボスの名が廃るってモンだなァ!!」
何が面白いのか、ケラケラと乾いた笑いを飛ばすと、ボスは机を思いっきり踏み付け、机を粉砕すると共に勢いよく立ち上がった。
???「オレの名前はジャックナイフ。だが、フルネームで呼ぶヤツは少ねェなァ。もっぱら、周囲からはジャックと呼ばれている。テメェらもそう呼んでくれや」
雷冥「よろしくお願いいたします。…ジャック様」
ジャック「ああ、よろしくなァ。・・・
「「!!!!」」
案の定…というべきか。最大限の変装を以てしても、アンダーマフィアを率いるボスには一向の正体がバレていた。
イダテンはああは言っていたが、ジャックが雷冥の身柄を“
ジャック「オイオイ…。そう警戒すんなって、別にオレは大っっっ嫌ェな“
イダテン「ジャック…」
そう淡々と語る言葉には、イダテンに対し並々ならない“憎しみ”はありつつも、“嘘”は見られない。どうやら、本当にアンダーマフィア…いや、そのトップたるジャックは“
ジャック「だが!!イナタマ・ライメイ、オマエさんだけは違う!!オマエさんにはちゃんとした利用価値ってモンがあるッ!!…んだが?裏切りモンと一緒ってコトはココに来たのは、オレらの力を借りに来たってコトと同義だ!!」
雷冥「…ええ。私達は…「あー、みなまで言うな。オレが欲しいのは理屈なんかじゃねェ」・・・では、私達は貴方に何を差し出せばよろしくて?」
ジャック「そいつはなァ…」
パチンッ!!
刹那、ニヒルな笑みを浮かべたジャックが指を鳴らすと、悪趣味な室内は大きな音を立てて“別の何か”へと変形し始めた。
イダテン「うわわわ…!?な、何これ…!?おれがいた時はこんな仕掛けは…!!」
上方の天井は開き、左右の壁は地面に沈み、下方の床は全く別の材質へと変わる。
目まぐるしく変化する周囲の景色、数秒にも及んだつんざくような変形音の末に雷冥一向が立っていた場所は……
ジャック「ようこそ、オレたちの戦場へ。さァ?サッカー…やろうぜェ?」
何て事はない、ただのサッカーコートだ。
ただ、全てが“偽り”とはいえ一流の設備が整えられていた雷冥のそれとは異なり、周囲にはガラクタが散らばり、地面は荒い砂で覆われている…。お世辞にも設備が整っているとはいえないグラウンドだ。
そして、そのグラウンドにて雷冥一向と対峙するのは、白黒のユニフォームを身に包んだ11人のサッカー
荒くれ者達に“我”を通すのに“言葉”は必要無い。純粋な実力こそが彼らにとっての唯一の“言葉”なのだから。
そんなこんなで、雷冥一向の生還を賭けた運命の一戦は唐突に始まった…!
今話はだいぶまきで行ってます。そんなに長々とする話でもないしね。
起承転結的には今で『承』の終わりらへんくらいかな?できれば今月中にスピンオフを終わらせて新章に入りたいところ…!
〜オリキャラ紹介〜
■ジャックナイフ
性別:♂
年齢:13
≪概要≫
“
数年前に実の兄が失踪して以降、“