イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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唐突に始まったジャック戦もとい【アンダーマフィアズ】との試合なんですけど、【サンダーゲート】とは違ってジャック以外の選手設定は特に考えてないんで、【黒の騎士団】っぽいチームメンバーが大人になった感じでイメージしてください。


未来と因縁と覚醒と PARTⅠ

雷冥「やれやれ…始まりは唐突に、とはよく言いますが、幾らなんでも脈絡無さ過ぎでしょう…。・・・ですが、“楽園(エデン)”へ辿り着く為にはアンダーマフィアの協力は必須です。気合いを入れて挑みますよ!イダテン様!!」

 

イダテン「うんっ!!!絶対におれたちの“夢”を叶えるんだっ!!!」

 

 再度気合いを入れ直した二人は、雷冥の指パッチンと共に見窄らしい衣服を戦闘服(ユニフォーム)へと変え、試合に挑む。

 

 今回の【王魔雷帝】のスターティングメンバーは以下の通り。

 

FW:マルシファー、雷冥(ソラ)、バッサタン

MF:ニャルラ、イダテン、ヨル、ニックス

DF:キュウコ、ダゴン、トウテツ

GK:ムールム

 

 フォーメーション自体はバランスの取れた3-4-3だが、特に目に付くのは、やはり……

 

イダテン「あれ?今日の試合はFWに入るんだ?」

 

雷冥「フィールドプレイヤーならば全てのポジションをこなせますよ。普段はゲームメイクするのにDFが最適なだけです」

 

イダテン「え?んじゃあ、なおさらDFのほうがいいじゃん?」

 

雷冥「…まァ、そこらへんはオイオイ分かりますよ」

 

 基本的にDFを担当する雷冥が今回の試合ではFWとして参戦している点だろう。

 今回もまた、その真意を隠す雷冥だが、元々、彼はリベロとして攻撃にも参加するDFであり、そのキック力は本職のFW顔負けのパワーだ。きっと、彼の実力ならば不慣れポジションを担当したとしても、そこまで問題は無いだろう。

 

雷冥「お相手さんはどのように仕掛けてくるのか…」

 

 最前線に立った雷冥はジッと対戦相手たる【アンダーマフィアズ】の選手一人一人を見つめる。

 【アンダーマフィアズ】はボスでありキャプテンでもあるジャックを除けば、全員成人男性の選手で構成されており、その中には先程一蹴した試験管達の姿もチラホラある。

 

雷冥(…やはり、この中で最も警戒するべきはキャプテンであるジャック殿でしょうね…)

 

 ジャックから発せられる刃物のように鋭い切れ味を持つ殺気(プレッシャー)はそう簡単に出会える物ではない。

 恐らく、彼はイダテンとそう変わらない歳でありながらも、数多の修羅場を潜っているのだろう。

 

 弱冠13歳の少年に、屈強な肉体を持つ強面の男達が付き従っているのが、良い証拠だ。

 

ジャック「…ケッ、照れるねェ。これから殺意をぶつけ合う相手から、そんなにジロジロ顔を見られちゃあ、顔が赤くなっちまうよォ」

 

雷冥「…コレは失礼。貴方の容姿が私の故郷の“英雄”と瓜二つだったモノで」

 

 これは決して言い訳ではない。

 シンフォニーに天才ゲームメイカー・神童拓人の面影を見出したように、剣山を思わせる紫色のヘアースタイルに、狼を想起させる釣り上がった眼差しを持つジャックにも、雷冥はある“英雄”の面影を見出していたのだ。

 

 その“英雄”の名は『剣城京介』。あの豪炎寺修也の再来と謳われた天才ストライカーだ。

 

雷冥「………」

 

 雷冥は考える。過去の偉人と似た面影を持つ者との遭遇が一度のみなら、まだ『偶然』で済ませられる。…だが、それが二度目となると話は別だ。

 

 間違いなく、“この世界”には自身の常識(セオリー)に当てはまらない『何か』がある……そう雷冥は確信していた。

 

 …とはいえ、だ。今は試合と関係の無い事に意識を集中させている余裕は無い。現時点で答えの出せない仮説など考えるだけ労力の無駄と判断した雷冥は即座に思考を打ち切る。

 

ジャック「準備はいいかッ!?テメェらァ!!!試合開始のゴングを鳴らせェェェェ!!!!」

 

ゴーンッ!!!

 

 どうやらアンダーマフィア界隈では試合開始の合図はホイッスルではなく、錆びた鉄板を用いたドラのようだ。

 大ドラによる周囲の空気を大きく震わせる程に強烈な轟音と共に試合が始まり、ジャック率いる【アンダーマフィアズ】陣営とキックオフが行われる。

 

雷冥「さて…人格(スイッチ)を切り替えるとしましょう」

 

 開始の合図(ドラ)が鳴り響いた事で、稲魂雷冥という人間の表面に張り付いた『理性の仮面』が()ぎ取られ、彼の本性たる“魔王”としての人格が()き出しとなる。

 

雷冥「ゲームの開始だ、我が眷属達よッ!!“魔王”の強さを思う存分見せつけてやるがいいッ!!!」

 

ジャック「それがテメェの本性かァ!!いいゼェ!やれるモンならやってみなァ!!!やれるもんなァ!!!」

 

 ボールを受け取ったジャックは、あの【サンダーゲート】ですら圧倒された“魔王”によるプレッシャーを受けてもなお、怯む事なく単身で突撃するが……

 

雷冥「その気概だけは褒めてやろう。…だが、私に勝つ事は出来んッ!!“罰×天(バッテン)ジャッジメントッ”!!!」

 

 天より降り注いだ交差する二体の稲妻が『X(クロス)』の軌跡を描き、ジャックへ目掛けて襲い掛かる。

 

ジャック「グオォォォォ!!!?」

 

 いくら“奈落(アンダー)”最強の戦士であるジャックといえども、初見の稲妻を避ける事すら叶わずに直撃。

 あくまでサッカー用として手加減しているとはいえ、10万V(ボルト)を超える電流をまともに喰らってしまったジャックの筋肉は硬直し、数秒程その場にフリーズしてしまい、足元から離れたボールは“魔王”に確保されてしまった。

 

イダテン「いよっしゃぁぁぁ!!!これでおれたちの攻撃(ターン)だ!!!」

 

雷冥「フッ…。code《シータ》……開始ッ!!!」

 

「「「ハッ!!!」」」

 

 “魔王(キャプテン)”の号令を受け、目の前の敵を殲滅するべく統一された意思の元に一糸乱れぬ連携を披露する【王魔雷帝】…。

 

 伝説のGK・円堂守がリベロとなる事で雷門イレブンの攻撃の幅が大きく広がったように、“魔王”がFWの椅子に座った【王魔雷帝】は“攻撃は最大の防御”と言わんばかりの超攻撃的なプレースタイルとなる。

 

「チィ…!!テメェらァ!!アンダーマフィアの意地に懸けてェ…!!絶対に奴らを止めろぉぉぉぉ!!!!」

 

 頭を失い狼狽えるマフィア達は、せめて己の誇り(プライド)だけは貫き通す為に、死に物狂いで魔王軍の猛攻を防ぐべく奮闘するが、荒狂う大河の如き【王魔雷帝】の攻めを防ぐには実力差があり過ぎる。

 

雷冥(やはりな…)

 

 雷冥は先程のミニゲームから【アンダーマフィアズ】のプレーの傾向とその弱点を概ね理解していた。

 彼らはマフィアであるが故に攻めには長けている。だが、肝心の防御は非常にお粗末なのだ。そんなチームが試合開始早々、(キャプテン)が潰され、先程見せつけられた実力差が頭から抜けきっていない中でまともなプレーが出来る筈が無い。

 だからこそ、雷冥は防御に割くリソースは最低限で事足りると踏み、自らFWとして先陣を切る速攻を仕掛けたのだ。

 

雷冥「飛べェ!!!マルシファーッ!!!」

 

マルシファー「ハァッ!!!」

 

 瞬く間に【アンダーマフィアズ】のディフェンスを突破し、ゴール前へ到達した雷冥とマルシファーは確実に1点をもぎ取るべく、連携シュートの体制へ移る。

 

ピィーーーッ!!!!!

 

 フィールドに“魔王”の指笛(オーケストラ)が奏でられ、“魔王”が立つ地面を起点に禍々しい魔法陣が展開される。

 

雷冥「フンッ!!!」

 

 “魔王”は黄金の翼を生やし空を飛ぶマルシファーに向かってシュートを撃つと、ボールは巨大な紫の魔弾と化す。

 

イダテン「あれは“ペンギン・ザ・デーモン”の体制…!」

 

ワンダバード「いえ、違います!アレは…!!」

 

 紫の魔弾が堕天使の元へ辿り着くと、堕天使の身体より眩い光が発せられ、『紫』は『黄金』へと上書きされる。

 

雷冥「ムゥン…!!ハァァァァァ!!!!!」

 

 上書きと同時に魔法陣より出現せしは、悪魔の如き形相を持つ漆黒の“ペンギン”。だが、“ペンギン・ザ・デーモン”とは異なり現実のペンギンと大差無い大きさであり、数も6匹だ。

 

イダテン「あれ!?もしかして“ペンギン・ザ・デーモン”じゃない…!?」

 

 完全に6匹の悪魔(ペンギン)達を顕現させた“魔王”は即座に飛翔し、堕天使と黄金の魔弾へ追い付くと、体制を逆転させオーバーヘッドキックの体制へと移り、マルシファーもまた、右脚を大きく振りかぶり、より一層黄金の輝きを強める。

 

雷冥&マルシファー「「“ペンギン・ザ・ゴッド&デビル”!!!」

 

 魔王と堕天使によるツインシュートが炸裂し、今度は6匹の悪魔(ペンギン)の内、半数が『悪魔』から『天使』へと上書きされる。

 

「な、何だとォ!?グ…!グァァァァァ!!!!」

 

 【アンダーマフィアズ】のゴールを護る巨漢の守護神(キーパー)は、最強のペンギンと最凶のペンギン達による挟撃に怯みつつも、マフィアとしてのプライドを賭けて逃げるような真似だけはしなかった。

 

 それだけは唯一褒めるべき点ではあるが、彼の実力では一切の拮抗すら許されずに、その身ごとゴールに叩き込まれるだけであった。

 

ピーッ!!!

 

 ゴールネットが激しく揺れると共に審判のホイッスルがフィールド全域に鳴り響く。同時に【王魔雷帝】側のスコアボードに『1』が刻まれ、雷冥とマルシファーによる先制点が確定する。

 

雷冥「………」

 

 だが、先制点を獲得したにも関わらず、“魔王”は眉間に皺を寄せ険しい顔をする。

 その目線の先にあるのは、僅かに息を乱しながら地面に片膝を付く、【アンダーマフィアズ】のキャプテン・ジャック。

 

 要するに彼は試しているのだ。出鼻を挫かれた相手がどう出るのかを。

 

 そして、その返答は……

 

ジャック「カカカ…!いいねェ、その強さァ…!!ますます気に入ったァ…!!!」

 

 あれだけの力の差を見せつけられてもなお、ジャックは笑っていた。

 “楽園(エデン)”最強のサッカーチームである【サンダーゲート】は一瞬で心が折れたにも関わらず、だ。

 

雷冥「なるほど、伊達に負け犬共の親玉を名乗っていないようだな」

 

 この一連の確認には、これからの計画にあたって重要な意味があった。

 

 先日の【サンダーゲート】との試合…。結果こそは雷冥一人による圧勝という形で終わったが、実は【サンダーゲート】には勝機が残されていた。

 

 確かに雷冥は強い。あの時点での雷冥一人と【サンダーゲート】には天と地ほどの実力差が開いているのは覆しようの無い事実だ。

 しかし、シンフォニーが冷静さを保ち的確な指示を出し、チームがそれに従っていれば、少なくともあのような無様な蹂躙劇は披露されずに済んだ筈だ。

 

 にも関わらず、彼らはそうはしなかった。

 その理由はただ一つ。最初からその発想が頭に無かったからだ。

 おかしいとは思わないか?彼らはこの世界の支配者たる“GF”に認められた精鋭中の精鋭…。そんな者達が初心者染みたミスを犯すのだろうか?

 

 …いや、犯したのだから、彼らは魔王に負けたのだろう。

 

 結論を言おう。【サンダーゲート】の明暗を分けたのは“敗北をした経験が無い”という事。

 常勝を体現したチームという事は、裏返せば『負ける』事に慣れていないという事と同義。

 

 故に最強であった筈の【サンダーゲート】はあんな些細なミスをやらかしたのだ。

 

 かつて存在した最低最悪の自称天才科学者(マッドサイエンティスト)はこう言った。

 『敗北こそが人を最も成長させる最高の刺激(スパイス)である』…と。

 

 その言葉に当てはまるのならば、常勝を体現し、一度の敗北すら許されない者は、成長する余地が無いという事。

 これまでの人生で勝利の喜びも、敗北の悔しさも味わってきた雷冥からすれば、敗北を認めない者など取るに足らない存在でしかないのだ。

 

 …だが、目の前の相手は違う。純粋なフィジカルとテクニックは雷冥はおろか、【サンダーゲート】にも劣るが、負け犬の肥溜めである“奈落(アンダー)”に身を置く彼らは敗北する事に慣れている。敗北が齎す成長を知っている。

 

 雷冥にとってはこのような者達こそ、一番相手にしたくない存在なのだ。

 

ジャック「おいテメェらァ!!次のプレーも真っ先にオレ様にボールを渡しやがれェ…!!分かったかァ!!!」

 

『YES!!ボスッ!!!』

 

イダテン「な、なんか…より一層熱が入っちゃったみたいだね…」

 

雷冥「なんだ?怖いのか? 泣き虫弱虫のイダテンよ」

 

イダテン「…違うし」

 

雷冥「そんな貴様に一つ助言をくれてやろう。試合に挑む際は常に100%勝つ気で臨め。逃げ腰でサッカーをするような無能など、私のチームには要らん」

 

 闘志の炎が揺れているイダテンに魔王(キャプテン)としての助言を与えた雷冥は、元のポジションに戻り次のプレーに備える。

 

ピーッ!!!

 

 審判のホイッスルが再度鳴り響き、試合が再開する。…が、試合が大きく動いたのは、再開した僅か数秒後であった。

 

ジャック「があぁぁぁぁ……!!!!」

 

 部下からボールを受け取ったジャックは突如して力み出すと、彼の全身から刃を思わせる鋭く痛々しい気迫(プレッシャー)が発せられる。

 

雷冥「この気迫…!!まさか…!!」

 

 “気迫”の正体に気付いた雷冥はトップスピードでジャックへ向かい、これから顕れるであろう“何か”を阻止しようとするが……

 

ジャック「喜べライメイィ…!!!オレが“この力”を使うのはァ…。テメェが初めてだぜェェェ!!!」

 

 鋭利な“気迫”は、白銀の鎧を、白銀の大剣を、白銀の大楯を…そして、白銀に輝く“剣聖”の(シルエット)を形成する。

 

ジャック「“剣聖 ランスロットォォォ”!!!」

 

雷冥「“ランスロット”だと…!?」

 

 フィールドに顕現せしは、伝説の騎士の名を冠した白銀の“剣聖”。

 奇しくも化身(それ)は、ジャックに面影を見出した“偉人”と同姓同名であり、全く同じ姿をしていた。

 

雷冥(此奴はまさか…!ならば…シンフォニー…も!?)

 

 薄々感じ取っていた事ではあったが、雷冥はこの世界に起こった残酷な“異変”をほぼ確信してしまう。

 …しかし、彼ともあろう者は忘れていた。今は試合中である事を。試合中にも関わらず、サッカー以外の事を考えるという事は、時に致命的な傷を負う事となる。

 

ジャック「隙ありィ!!!」

 

雷冥「ーー!!! しまっーー」

 

 化身によるブーストが掛かっているとはいえ、普段の雷冥ならば、この程度の攻撃など容易に避けられる代物だろう。…だが、“異変”に思考を引っ張られてしまった事があまりに致命的であった。

 

 先程の復讐(リベンジ)と言わんばかりに繰り出されたタックルは、図らずも不意打ちという形式となってしまい、無防備の雷冥は無抵抗のまま“剣聖”の刃を喰らってしまったのだ。

 

 …いや、ただ突破を許しただけならばまだいい。一番の問題はこの後すぐにやってくるのだから。

 

雷冥「不覚…!・・・グッ!?」

 

 己の未熟を恥じると同時に訪れたのは、右脚全体に走る鋭い痛み。雷冥はその痛みの正体を知っている。

 

雷冥(ぬかった…! 中途半端な体制で受け身を取ってしまったせいで私の脚が…!)

 

 雷冥にとって不幸中の幸いだったのは、現時点では骨にまでダメージはいっていない事。…だが、この状態で試合を続ければ損傷は間違いなく骨にまで広がるだろうが。

 

ジャック「クハハハッ!!!邪魔だ邪魔だ邪魔だァァァ!!!」

 

雷冥(非常にマズい…!!化身を発動したジャックの実力ではイダテンはおろかデュプリですらも太刀打ち出来ん…!!だからといって、このまま試合を続行すればこの後の計画に響く…!!)

 

 本来の雷冥が予定していた計画は、精鋭部隊が機能していない内に、アンダーマフィアに協力を取り付け“楽園(エデン)”に侵入し、時空転移装置を使って元の世界へ戻る事。

 

 だが、このまま無理に試合を出場し続け、脚の怪我が悪化すれば唯一の好気が不意となる。…かといって、勝利抜きで実力至上主義であるアンダーマフィアから協力を得られるとは到底思えない。ましてや、自分以外では太刀打ち出来ないという状況下では尚更だ。

 

ワンダキャット「…どしたんだろ、マスター…。急に片膝付いて動かなくなっちゃって?」

 

ワンダバード「まさか…!!」

 

雷冥「……code《アナカラー》起動ッ!!!」

 

 自分が動けなくとも、せめてこのリードだけは維持するべく防御重視のタクティクスでやり過ごそうとするが……

 

ジャック「無駄無駄無駄ァァァァ!!!!闘志の蝋燭に火が着いたオレ様をそうやすやすと止められると思うなよォォォ!!!」

 

 化身を発動したジャックを止めるには力及ばず、白銀の大剣を以て瞬く間にゴールへの道が開かれてしまう。

 

イダテン「くっ…!!そうはさせるかぁぁぁ!!!」

 

ジャック「退きなァ!!!裏切りモンッ!!!」

 

イダテン「うわぁぁぁぁ!!!!」

 

 最後の砦たるイダテンすらも、“剣聖”の暴力には敵わず、遂に残るはキーパーのみとなる。

 

ジャック「オレらが受けた屈辱はァ…!!きっちり100倍で返してやんぜェェェ!!!」

 

 シュートフォームに入ったジャックは、ボールに気を纏わせるとボールは漆黒の球体と化す。間髪入れずに漆黒のボールに渾身のシュートの叩き込み、その技の名を叫ぶ。

 

ジャック「“ロスト…!エンジェルゥゥゥゥ”!!!!」

 

 “堕ちた天使”の名を冠した必殺シュートは、ギャリギャリと轟音を立て伸びる“剣聖(ランスロット)”の剣と共にゴールを引き裂きながらゴールへ襲い掛かる。

 

ムールム「“ホーリーーーウワァァァ!!?」

 

 ムールムもまた必殺技で対抗しようとしたが、“剣聖”の剣の前には聖地の光すらも無力であり、光は物理的に切り裂かれキーパーを大きく吹き飛ばし、ゴールネットを激しく揺らす。

 

ピーッ!!!

 

 審判のホイッスルと共に【アンダーマフィアズ】のスコアボードに『1』が刻まれる。

 我らがボスの華麗なら活躍を目にした観客達は、腹の底から声を出し尊敬するボスを褒め称えている。

 

 …そんな中、ボロボロとなったイダテンは弱々しく立ち上がり、ジャックの前に立つ。その表情は“悔しさ”でも“焦り”でもなく、ただただ悲しそうであった。

 

イダテン「本当に変わったね…ジャック…。…昔のきみは、とっても優しいやつだったのに…」

 

ジャック「変わった?……ククク…!違うなァ!!成長したんだよ、オレはァ!!!いつまでも、出来もしねェ“夢”に囚われてばっかの泣き虫弱虫野郎と違ってなァ!!!!」

 

 旧友の“哀しみ”すらもジャックに届く事はなく、逆に愚弄されるという結果に終わってしまった。

 

 “魔王”の片翼はもがれ、魔王軍の力も“剣聖”には通用しない…。果たして【王魔雷帝】はアンダーマフィアに勝利し、協力を得る事は出来るのか?




“ロストエンジェル”のランスロットの剣先がギャリギャリって伸びる瞬間が大好き♡

最近、新章から台本形式をやめて普通の形式に戻そうかなーって考え始めたんで、参考がてらにアンケートを取ります。投票期間は現在連載中のスピンオフ完結までを予定してます。

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