あのシーンをFantasticYouthカバー版の『アスノヨゾラ哨戒班』を聴きながら読むと、なんかこう……エモいんだ。絆が深まるんだ。
雷冥「コレが私の“
“
その身から絶え間なく放たれる圧巻の
シンフォニー「なんて強烈なプレッシャーなんだ……!私の死闘の最中に覚醒した際も凄まじかったが……今の奴はその比じゃない……ッ!!」
雷牙3「超大天才の俺ですらも、自力じゃあ辿り着く事が出来なかった境地を、未来の子孫が完成させるとはな……。嬉しい半面、妬ける俺ちゃんもいるぜ……」
雷牙2「……コレで、長きに渡った因縁に一つの決着が付く……!」
雷牙1「ああ……ッ!オマエの手で終わらせてこい……ッ!雷冥ッ!!!」
雷冥「………」(グッ…!)
仲間達の全てを託した熱い咆哮を背に受けながら、雷冥は言葉を発することなく、ただ静かに親指を立てて応える。
影山「わタシを舐めルナよ……青二才ガ……っ!!全盛期ノ稲魂雷牙ですラ、
雷冥「簡単な事だ。貴様を倒す、コレから行われるのはそれ以上でもそれ以下でもない」
影山「ワタしを……倒スだと……ッ!?」
雷冥「……いや。一つ訂正しておこう。コレから行われるのは、残酷な殺戮
シュンッ!
影山「消エ……っ!!?」
刹那、軽快な風切り音が鳴り響いたかと思うと、影山の視界から何の前触れもなく雷冥の姿が消失する。
雷冥「ただの……“サッカー”だ」
瞬時に姿を現した雷冥は何一つ攻撃を加える事なく、影山の前に立ち塞がる。
なんてことはない。ただ雷冥の放った初速が、神を気取る影山の動体視力を遥かに超越していただけの事だ。
雷冥「先行権は譲ってやる。怖気付いている暇があったら、さっさと攻撃したらどうだ?」
影山「貴様ァ……!!!“神”を侮辱シた事ヲぉ……!後悔すルがいイぃぃィィィィ!!!!!」
雷冥の冷徹な挑発に激昂した影山は、凄まじい殺意を滾らせて牙を剥く。……しかし。
雷冥「フン……トロいな」
いくら影山が凄まじい威力の攻撃を放とうとも、雷冥の肉体は文字通りの意味でそれをすり抜け、指一本触れさせる事すら許さない。
影山「馬鹿な……ッ!?何故、ワタしの攻撃ガ当たラン……っ!!??」
雷冥「攻撃?貴様は何を言っている?今行われているのは“サッカー”であって、戦闘ではないのだぞ?貴様は攻め手、私が守り手である以上、貴様がするべき事は私を抜き去りゴールへ向かう……ただそれだけだろう?」
そもそも、この一連の攻防において影山は一度、雷冥の後方へと体勢を崩していた。それならば、そのままゴールへと突き進めばよかったものの……彼はそれを選ばなかった。
得点というサッカーにおける絶対的な勝利条件すら放棄し、己を侮辱した雷冥への私怨と殺意を優先してしまったのだ。
雷冥「サッカーによる勝敗だけが全てを決める……それがこの世界の秩序であり、狂気……。そして、
影山「黙レ……っ!」
雷冥「おっと、失礼。そもそも常に小動物の如く安全圏から命令を出す事しか能のない貴様に、まともなプレーを要求するのも酷な話ではあったな」
影山「黙れェぇェぇェーーーーっッっ!!!!!」
微かに残った理性すらも吹き飛ばされた影山は、狂乱のままに苛烈な攻撃の
イダテン「す、すごい……っ!あれだけ強いグランドファーザーが……完全に翻弄されている……!」
バード「アレこそが“
荒ぶる影山を無数に降り注ぐ砲弾の嵐と評するのなら、雷冥は爆風に舞う一枚の紙だ。
どんなに強力な大砲が直撃したところで、無に等しい重さをしか持たず、優雅に宙を舞う一枚の紙を破ることはできない。
ただ一つ異なるところがあるとすれば、その紙は……
雷冥「フンッ!!!デェリャァァァァァ!!!!!」
数百キロ単位の質量を伴い、容赦なく反撃を叩き込んでくる事だろう。
影山「ガ……ッ!ぜェ……ゼぇ……!!!」
ありとあらゆる攻撃すらも“極”へ至った雷冥には何一つ通用せず、逆に強烈な反撃を叩き込まれた影山は、疲労とダメージが限界に達して遂に片膝を突いてしまう。
影山「何故ダ……ッ!何故、ワたしの攻撃ガ悉ク回避されル……ッ!?」
雷冥「それは貴様が私の動きを目だけで追っているからだ。重要なのは、全ての五感を使い、気の流れと肉体の動きを掴む事……。だが、貴様は何一つできちゃいない」
かつて天才とまで謳われた観察眼を満足に活かせず、無様に醜態を晒し続ける影山に対し、雷冥は敵へ教導を授ける余裕すらも見せつけている。
もはや両者の間には、実力差のみならず精神的な高低差すら決定的なまでに生じていた。
雷冥「……最後の情けだ、影山零治よ。今すぐ敗北を認め、“マインドイーター”から手を引け。今ならば、まだ終身刑で済む」
影山「ワタしが終身刑ダとォ……!?フザ……けルなヨ……ッ!!!“神”ガぁ……人ノ手で作ラレた監獄に入ルなど、許サレナいのだァァァァァ!!!!!」
雷冥「……哀れ」
魔王の差し伸べた最後の慈悲すら愚かに一蹴した影山は、己の気を極限まで高め、破滅的な一撃を放とうと身構える。
歪んだプライド故に愚行へと走る影山に対し、雷冥が一瞬芽生えさせた哀れみの感情はすぐに霧散し、この長き戦いに完全なる終止符を打つ一撃へと意識を研ぎ澄ませていく。
影山「わタシは……ッ!!“絶対”なノだァ……ッ!!!」
雷冥「そうか。なら私は……ただの“魔王”だ」
互いに向かい合った両者は、極限にまで高めた気を一気に解き放ち、雌雄を決するべく踏み出すーーー
……まさに、その瞬間だった。
ーーービシャァァァァァン!!!!!
突如として上空から凄まじい大轟音が鳴り響き、領域全体が激しく蠢くように揺れ動く。
ジャック「な、なんだァ……!?地震かッ!?」
バード「そ、そんな筈は……ッ!」
三次元と四次元の狭間……謂わば3.5次元に展開される“オーダーツイカー”の領域は、外の世界の影響を一切受けない。
要するに、この孤立した空間内で地震などという現象が発生すること自体、本来であればあり得ないのだ。
……だが、現実として天地を揺るがす地響きは巻き起こっていた。外の影響を受けないはずの、この空間の中で。
イダテン「ーー!!! み、みんな……っ!!空だっ!!空を見てっ!!!」
……思えば、答えはあまりにも単純であった。この世界のあらゆる技術や法則すら通用しない、絶対的な上位存在がただ一柱だけ存在していたのだから。
その元凶は……天空の渦中にて、彼らを冷たく見下ろしていた。
バード「アレは……!“マインドイーター”!?どうしてアイツが……!!」
キャット「まさか……!いつまで経っても生贄が捧げられないから……痺れを切らして、この領域まで現れたっていうの……!?」
その上位存在の名は“マインドイーター”……。
影山が雷冥を生贄として捧げ、この世に顕現させようとした破滅の神だ。
計画が完遂される直前、仲間たちの決死の尽力により己を取り戻した雷冥は何とかその支配から脱したが、神そのものを討ち滅ぼしたわけではない。
恐らく、不完全とはいえ己の力を与えた影山が未だに生贄を捧げられずにいる事に痺れを切らし、自らこの場へと降り立ったのだろう。
ーー『………』
革命軍にとって唯一の幸運は、未だ“マインドイーター”が完全な実体化を果たしていない事だろう。
それ故か、その上位存在は時空の裂け目からただ下位生命体を見下ろすだけに留まっていた。
影山「いイ、トコろに来タ……“マインドイーター”……!ワタしに……モッと力ヲぉ……っ!!!叛逆者を叩キ潰せル……パわーを寄越セぇぇぇェェ!!!!!」
しかし、革命軍にとって致命的な不幸だったのは、影山に“マインドイーター”と交渉する余地を与えてしまった事だ。
ーー『………』
圧倒的な上位存在である“マインドイーター”にとって、対等に交導する存在など初めから存在しない。
本来ならば、影山の程度の下位生命体の言葉に耳を傾ける事すらあり得ない。
……筈であった。
だが……今、この最悪な瞬間においてのみ、“マインドイーター”と影山零治の利害は見事なまでに一致してしまった。
ーーズガァァァァァン!!!!!
時空の裂け目より、禍々しい薄紅色の雷が影山へと向かって放たれ、直撃する。
しかし、その雷が影山の肉体を傷つける事はなかった。それどころか、雷冥によって刻まれた傷も痣も瞬く間に消滅していき、底を突いていた筈の気すらも、以前を遥かに凌ぐ密度で満ち溢れていく。
影山「素晴ラ、シい……!実ニーー素晴ラしイ
イダテン「そん……な……!せっかくライメイが追い詰めたのに、また復活しちゃった……っ!!」
雷牙1「どこまでもクソ野郎だなァ!!オメーはよォ!!!」
自らを“神”と豪語しておきながら、土壇場では上位存在から力を分け与えられなければ何も出来ない影山。
革命軍からは容赦ない罵声が浴びせられるが、当の本人は嘲笑を浮かべたまま、気にする素振りすら見せない。
影山「関係無いナァ……ッ!!!ドンな手段ヲ使おウがァ……ッ!!勝てバいいノだヨォ……ッ!!!ソウやって……歴史は“勝者”にヨッて形作られテきた……ッ!!!」
雷冥「……確かにな。貴様の言う通り、敗者には“歴史”を作る権利すら与えられない。精々が道中に転がる石ころと同じ扱いだ。……だが」
バジュウッ!!!
雷冥「いつから、貴様が歴史を“作る側”だと思い込んでた?」
“マインドイーター”の加護を得て禍々しく跳ね上がった影山の圧力を前にしてもなお、雷冥の心胆が揺らぐことはない。
魔の王たる眼光を鋭くぎらつかせ、眼前の断罪対象へと静かに踏み出していく。
影山「新たナる力ヲ得タ、ワタしを前ニしても……逃ゲ出サナなかった事ダけは評価シテやロう……ッ!!!だガァァぁ!!!」
影山の全身から噴き出す薄紅色のオーラは、空間の歪みを伴いながらより一層激しさを増していく。
影山「貴様でハぁ……!!!神にハ勝テんッッッ!!!!!」
上位存在が鎮座する上空へ向けて甲高い口笛を鳴らした影山は……己の
シンフォニー「やはり“それ”できたか……ッ!」
喚び出された“ある存在”がボールへと吸い込まれるように収束すると、影山は間髪入れず、雷冥の命を刈り取るべくシュートを叩き込む……!
影山「“皇帝ペンギン……!レクイエム”ゥゥゥゥゥ!!!!!」
影山の脚から解き放たれた“皇帝ペンギン
だが、もはやそれは、かつてシンフォニーが放った物とは似て非なる異物であった。
狂気へ堕ちた神の邪気により侵された人鳥たちは原形すら留めず崩れ去り、禍々しいドス黒い“怨念”の塊となって雷冥へと迫り寄る。
影山「死ネぇぇェぇぇェ!!!!!!稲魂雷冥ィィぃぃぃィ!!!!!!」
雷冥「私は死なん……ッ!!生きて必ず……元の世界へ帰るのだッ!!!」
迫り来る怨念の津波がその身を呑み込もうとした瞬間、雷冥の領域からあらゆる雑音が消失する。
極限まで研ぎ澄まされた思考の中で静かに足を引き込むと、地平線の彼方から湧き上がるような神聖なる威圧感を、その右脚へと果てなく収束させていく。
雷冥「
解き放たれた蒼炎と白銀の閃光は、空間そのものを切り裂くような暴風を巻き起こしながら直進する。
邪神の呪詛を宿し、ドス黒い怨念の塊となって押し寄せる人鳥と、金剛石の輝きを持つ覚悟を宿した魔王の足技が、正面から激突した。
ーーーズドドドドドドドドドッ!!!!!!
天地を揺るがす絶大な衝撃波が吹き荒れ、3.5次元の領域に亀裂が走り出す。
歪んだ神の威光を傘に旋風を巻き起こす影山の怨念は、雷冥の存在そのものを消し去らんと徹底的に喰らいついていく。
……しかし、“極”の境地へ至った雷冥の魂は、一切の濁りを寄せ付けない。
ーーーだが……。
影山「無駄だ、無駄ダぁァぁッ!!!ワタしの
雷冥「グ……ッ!!!」
邪神の莫大な力を背景にした怨念の質量はあまりにも重く、“極”の境地へと至った雷冥の脚を以てしても、徐々にその均衡が崩されつつあった。
踏みしめた足元から亀裂が走るような感覚が襲い、じりじりと後退を余儀なくされる。
影山「虫ケらのヨウに押シ潰れロぉォォ!!!稲魂雷冥ぃィィィぃ!!!!!」
雷冥「貴様如きにィ……!潰されてなどたまるかァァァァァ!!!!!」
心の水面は静寂を保ちながらも、額に青筋を浮かべ全身の力を振り絞る。
無我の境地である“極”に身を置きながら必死に抵抗を試みるという……まさに矛盾した極限の精神状態の中で、雷冥は押し寄せる怨念に耐え続けていた。
しかし、戦況が影山へと傾きつつあるのは明白であった。
もはや雷冥の敗北は時間の問題ーーーーーーーー
ーー誰もがそう確信した瞬間だった……。
???「まだだっ!!!まだ終わってないぞぉぉぉぉぉ!!!!!」
???「俺達に……イナズマ魂に……ッ!不可能なんて無ェんだよォォォォォ!!!!!」
窮地に陥った魔王を支えるべく、絶妙のタイミングで二つの救いの手が差し伸べられる。
土壇場で現れた二人の救世主ーーーその名は……!
雷冥「イダテン……ッ!?祖先殿……ッ!?」
イダテン「助けに来たよっ!ライメイっ!!!」
雷牙1「オメーさんは、俺ちゃんの血を継いでるんだろ?まさか、こんな最っ高に燃える
無意識のうちに、雷冥は“極”に到達した自分だけがこの絶望に立ち向かえるのだと勘違いしていた。
……しかし、目の前に現れた二人の姿によって、それが浅はかな思い込みに過ぎなかったと思い知らされる。
巨悪に立ち向かうために必要な“資格”など、最初から存在しない。ただ眼前の脅威を打ち破らんとする、揺るぎない“勇気”さえあればいいのだ。
影山「笑止ィぃィ!!!貴様ラのヨウな“ごミ”が助太刀に入ッタとこロでぇ……!何の抵抗ニもならヌワァァァぁぁぁ!!!!!!」
雷牙1「ハッ……!助太刀に入ったのが、俺ら二人だけだとォ?テメーの目は節穴かよォ!?」
影山「何……ッ!?」
雷牙1の言葉に促されるまま、影山は彼らの遥か後方へと視線を向ける。
そこにはーーー
シンフォニー「イダテンッ!!こうなれば一蓮托生だ……!我々の力を……全て貴様に託すッ!!!」
ジャック「“
二人の叫びに呼応するように、シンフォニーとジャックの全身から絶大な化身エネルギーが噴き出し、イダテンの背後へと収束していく。
注ぎ込まれた圧倒的な力を受けて、紅の大翼を羽ばたかせていた猛き魔神は、黄金の輝きを纏う神々しき姿へと劇的な変貌を遂げていく……!
それはまさしく、かつて対立していた二つの勢力、そして絆を紡いだ少年達の心が一つに重なり合った、三位一体の“究極の絆”。
イダテン「“魔帝……!グリフォン”!!!」
影山「“グリフォン”だト……ッ!?なラバ……!貴様は……ッ!!?」
伝説の化身の神々しき威容を目にし、影山はその眼前に立つ少年の真の正体に気づき驚愕の表情を浮かべる。
しかし、衝撃を受ける猶予すら与えられない。今度は時代を超えて集いし“
雷牙2「過去の俺ェ!!!まさか、その程度が限界じゃねェよなァ!!?もっと気合い出せェ!!!」
雷牙3「オメーさんにゃあ、やらなきゃなんねェ事が山ほどあるんだッ!!!こんなところで終わっちゃいけねェんだよッ!!!!!」
バード「頑張ってください、雷牙様ーーッ!!!僕たちの気も……全て貴方に託しますッ!!!」
キャット「……ココまでお膳立てしてやったんだから……。もしもシクッて死んだりしたら、あの世でアタシがアンタを殺す」
未来の己、そして子らの想いを宿した気の一筋一筋が、雷牙1の全身へと際限なく吸い込まれていく。
常人では受け止め切れぬ程のエネルギーが高まるにつれ、立ち昇る黄金のオーラは白銀の輝きを帯びて乱反射し、周囲の空間そのものを激しく震わせる……!
雷牙1「ハァァァァァ……ッ!!!“獅風迅雷……
極限の死闘の末に更なる覚醒を果たした二人の救世主は、魔王の背中を力強く押す、文字通り魂の全てを込めた“切り札”を解き放つ。
イダテン「“ソード・オブ……!ファイアァァァァァ”!!!!!」
雷牙1「“ゴォォォドッ!レグルスゥゥゥゥ!!!!
雷冥「“エンペラーディアボロス……ッ!
解き放たれた炎の剣と黄金の獅子、そして魔王の一閃が重なり合い、空間そのものを塗り替えるほどに眩い三色の光柱となって昇り立つ。
過去、現在、未来……時代を超えて繋がれた絆が一つに束ねられ、“狂気の神”を穿つ絶対不可避のシュートとなって怨念の更に奥深くへと突き進む。
「「「ハァァァァァーーーーッッッ!!!!!」」」
三位一体となって昇り立った究極の光柱は、空間を黒く染めていた漆黒の怨念を容易く押し返し、瞬く間に呑み込んでいく。
影山「馬鹿ナ……ッ!?ワタしは至高の存在トナッた筈……ッ!!?なノニ……!何故、押し返セんッ!!!???」
神の力を得て最強に至った筈の己の必殺技が、たった二人の増援を得ただけで逆転されていくという現実に、影山は激しく困惑する。
だが、どれほど思考を巡らせようと、その答えに辿り着く事はあり得ない。
人の心はおろか、かつて愛したサッカーの本質すらも見失った狂人に、絆が齎す無限の可能性を理解できる筈もなかった。
影山「理解不能……ッ!理解不能ぉぉォぉぉォーーーーーッ!!!!!!!!!!!」
理解を拒む影山の悲鳴を置き去りにし、三つの絆が融合した絶対の光芒は、Cデュプリ達をも一瞬にして消滅させる。
激突の波及はそれだけに留まらず、後方にそびえる巨大なゴールすらも跡形もなく粉砕し、絶大な衝撃波とともに虚空のゴールラインを撃ち抜いた。
ピィーーッ!!!
♦︎♦︎♦︎
影山「稲魂……雷冥……ッ!」
全ての光と熱量が収束し、静寂だけが支配する暗闇の精神世界。
崩れ去る意識の深淵にて、共鳴を果たした二つの魂が最後に相対する。
影山「何故だ……ッ!?何故、貴様らのような矮小な存在に……!“神”である私が敗北を喫したというのだ……!?」
雷冥「……もはや、初心すらも忘れてしまったのか?影山零治よ。貴様ほどの男ならば、自力で気付けただろうに……」
影山「理解不能……ッ!理解出来ん……ッ!!!一体……私で貴様で何が違ったというのだ……ッ!!??」
最後まで理解を拒み続けた男……かつて“影山零治”と呼ばれた魂は、哀れな咆哮を残したまま暗闇の深淵へと溶け込み、その姿を消していく。
雷冥「………」
一人闇のなかに残された雷冥の表情には、勝利の“喜び”も、宿敵を打ち倒した“悲しみ”すら存在しない。……だが、狂気へ堕ちてしまった男の末路に、胸の奥で思うところがあったのだろう。
彼は静かに目を閉じ、ぽつりと溢すように呟いた。
雷冥「……ああ、そうだ。貴様は負けたのだよ、完膚なきまでにな。ーーー」
♦︎♦︎♦︎
雷冥「ーーー影山零治。遥か昔から……偉大なる先人達が築き上げた“時空を超えた絆”を前にな……」
ピッ!ピッ! ピィィィィ!!!
ホイッスルが
決ッ着ッッッ!!!【エンペラーシャドウズ】戦……完全決着ッッッ!!!そして次回、『魔王・イン・アナザーワールド篇』完結ッッッ!!!
・・・とまぁ、次回は次章予告の関係で後書きが使えないので、ここで9割9分本章を完走させた感想を話しましょうかね。
『魔王・イン・アナザーワールド篇』は原作には無い、月兎タンク完全オリジナルストーリーってのもあって、UA面では世界編中盤以降以上に苦戦し、バカみたいに低評価押されまくってモチベーション削がれたりしたけど、その分構成力を鍛えられた所もあるので完結させた今となっては割と満足な章ではありましたね。
まあ、早く新章に行きたくて端折った部分や大幅に変更した展開などもちょこちょこありますし、執筆中はこれ書くくらいならイナMON進めた方が良くない?と思う場面も確かにありました。そもそも、本章を書くかギリッギリまで悩んでましたし。
元々、劇場版を意識した作風という事もあり、20話以上使ってもなお説明不足や急ぎ足な展開の多い本章ですが、失敗や後悔以上に作者の創作活動に大きな影響を与えた一作である事は間違いないので、これはこれでOKです!
それでは!次回の最終回、そしてもうじき久方ぶりに戻って来る雷牙(中学生)達の新たな冒険をお楽しみに!ついでに新連載の『ピカチュウ仮面』もよろしくお願いします!
それでは!!!
最近、新章から台本形式をやめて普通の形式に戻そうかなーって考え始めたんで、参考がてらにアンケートを取ります。投票期間は現在連載中のスピンオフ完結までを予定してます。
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