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CHARACTER SELECT
▶︎RAIMON ELEVEN
???
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《No side》
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雷牙「サッカー……」
円堂「強化委員……?」
轟伝次郎の口から出た『サッカー強化委員』という聞き馴染みのない単語に、雷牙と円堂は揃って間抜けな声を漏らしながら首を傾げる。
首を傾げたのは二人だけではない。他のメンバー達も同様に頭上に疑問符を浮かべ、その言葉の真意を測りかねている様子だ。
轟「ガッハッハッハ!申し訳ない!!いささか、順序を飛ばし過ぎてしまったようだ!!何せ……
一同『!!!!』
円堂「イ、イナズマジャパンのみんなにも!?」
懐かしい戦友達の名を聞いた途端、円堂の瞳はキラキラと眩い光を宿した。
轟「うむッ!!『サッカー強化委員』とは……読んで字の如く、日本の少年サッカーの
染岡「お、俺達が……」
風丸「日本サッカーの
壁山「なんか……話が壮大過ぎて、説明されたのに脳が理解を拒んでるっス……」
世界一になったとはいえ、ただの稲妻町在住の中学生には壮大過ぎる一大プロジェクト……。
戸惑いを隠せない彼らを前に、轟は更に言葉を重ねる。
轟「そもそも!!何故、私が『サッカー強化委員』なる提案を持ちかけたか……君達は、その理由を既に察しているのではないかね?」
円堂「理由……」
そう問われ、彼らの脳裏に真っ先に浮かんだのはーーたった一つの“本音”だった。
それはーーー
雷牙「……最近、サッカーをしても『つまんねェと感じる』から……とかだったり?」
『………』
誰も雷牙の言葉を口にして肯定しようとはしない。……だが、その“沈黙”こそが、何よりも雄弁な肯定だ。
轟「……偶然か、必然か。これまで私が『サッカー強化委員』の話を持ちかけた者達は、例外なく君達と同じ結論へ至っていたよ」
轟伝次郎が雷門よりも前に話を叩き付けたのは、白恋中、陽花戸中、そして永世学園の3校。
それぞれ、白恋中は吹雪兄弟。陽花戸中は立向居勇気。永世学園は基山ヒロト……そして日本代表ではないが、イタリア代表として稲魂ライトを輩出した学校だ。
轟「彼らが所属するサッカー部は、既に県内では敵無しの強豪校となっているそうだ。……そう考えると、帝国イレブンに世宇子イレブンと鎬を削り合えるライバルが存在するだけ、
『強すぎるが故に、サッカーがつまらない』ーーこれほど贅沢で傲慢な悩みはないだろう。
もし彼らが、生まれつき天性の才能に恵まれた『天才』であったなら、現状に飽き足らなくなるのも無理はない。
だが、ここにいる誰一人として、最初から最強だった者などいなかった。
かつて『弱小』や『凡人』、『未熟者』のレッテルを貼られながらも、泥を啜り、死に物狂いで努力を重ねてきたのだ。そうして泥臭く掴み取った先にこそ、今の“世界一”がある。
……だからこそ、なのだろう。
サッカーの“楽しさ”も“苦しさ”も、そして“敗北の悲しさ”も……その全てを痛い程知っている彼らだからこそ、この“渇き”をどうしても割り切る事が出来ないのだ。
轟「……少し説教臭くなってしまったな。では、質問を変えよう。何故、これまでサッカー発展途上国として見向きもされていなかった日本が、数多の
雷牙「あ〜ン?そりゃあ、決まってんじゃないっすか!コホン…! 『世界も強かったが……
豪炎寺「答えを急ぐな、雷牙。轟さんの質問に含みがある時点で、答えがそれではない事だけは明白だ」
豪炎寺の指摘通り、轟が求めている“答え”がそんな単純な筈もない。
尤も……雷牙本人は、ボケでもジョークでもなく、大真面目に本気でそう思っている訳だが。
風丸「だが……かといって、それ以外の理由も見当たらないしな……」
円堂「俺たちの特訓が身を結んだ……じゃダメなのかな?」
論外な雷牙はともかく、誰よりも世界との壁を痛感していた筈の円堂でさえ、轟の意図までは読みきれずにいる。
皆がウンウン思考を絞り尽くすように唸る中……真っ先にその“答え”へと辿り着いたのはーー
鬼道「そうか……!“エイリア事件”か……!!」
轟「その通りだッ!!!鬼道君ッ!!!」
常に癖の強い監督の難解な采配を解読してくれた男ーー鬼道有人だった。
染岡「いや……確かにエイリア学園は強かったけどよぉ……。それとこれとは何の関係があるんだ?」
鬼道「関係大有りだ。よく考えてみろ、今回結成された
風丸「共通点……?」
豪炎寺「ーーッ!!! 分かったぞ……!虎丸と飛鷹を除けば……代表に選出された選手は皆、“地上最強イレブン”の一員として活動した人間ばかりだ……!!」
円堂「そういえば……!」
そう。日本の威信を賭けて全国から選りすぐりの選手が集められた【イナズマジャパン】。
……だが、その実態は、エイリア学園の討伐に参加した選手達が大半を占めていた。加えて……元討伐対象であったエイリア学園ーー改め永世学園の生徒すら含まれていた程だ。
確かに、飛鷹や虎丸といった例外も存在する。……しかし、あの苛烈な激闘を経験した者とそうでない者との間には、途方もない実力差が存在していたのもまた事実。
その残酷な事実を誰よりも痛感していたのは、他ならぬ彼ら自身だった筈だ。
豪炎寺「皮肉なものだな……。誰よりも世界を憎んでいた吉良星二郎の計画が、
雷牙「まァ……“打倒世界”って一点なら、ある意味目的は果たされているがな。つーか、今も生きてんのかァ?あのオッサン」
轟「理解してくれたようで何よりだッ!確かに君達は、見事!世界に日本の“強さ”を知らしめてくれたッ!!!だが……
一同『ッ!!!!』
イナズマジャパンが“世界一”となったーーそれはもはや、誰も否定しようのない紛れもない事実。
だが……代表メンバーの大半が“エイリア事件”の経験者であるという事実は……『あの悲劇がなければ、日本サッカーは弱いままだった』と自ら暴露しているに等しいのだ。
轟「君達も既に痛感しているだろうッ!!現在の日本が世界と戦える人材は1%にも満たないッ!残り99%は未だ世界に通用する
豪炎寺「………」
轟「敢えてこう言おうッ!!!“日本”が強かったのではないッ!!“君達だけ”が強かったのだッ!!……とッ!!!」
傍から聞けば、総括チェアマンとは思えないあまりに冷酷な事実の提示。……しかし、この場にいる誰一人として、彼の言葉を否定する事は出来なかった。
それ程までに、自分達とそれ以外の日本サッカーのレベル差は開いてしまっているのだから。
轟「だからこその『サッカー強化委員』なのだ!1%に入る君達【イナズマジャパン】が全国各地の別々のチームへ加入し、チームの底上げに努めてもらうッ!!!そして……日本のサッカー全体の
そう熱弁を振るう轟だったが、当の雷門イレブンは普段の熱血ぶりが嘘のように引いている。
頭では意義を理解出来ても、あまりにスケールが大きすぎて感情が追い付けていない様子だ。
壁山「轟さんの言いたいことは、だいたい分かったっスけど、俺たちが力になれるかどうか……。そもそも、強い選手1人が加入したところで劇的にチームが強くなるとは限らないっスし……」
轟「おや? 悪いが君達は、『サッカー強化委員』がもたらす効果を既にその身で体験している筈だぞ?」
壁山「え……?」
轟「去年のFFにて彗星の如く現れた雷門中に匹敵するダークホース……とだけ言えば分かるかな?」
雷門イレブンが生み出した『イナズマ伝説』ーーその第一章と言うべき去年のFFでは、数々の波乱が巻き起こった。
……だが、自分たち以外に“ダークホース”と称されたチームなど、一つしか存在しない。
円堂「もしかして……!白恋中ですかっ!!?」
鬼道「ーー!!! もしや……!鳳凰院或葉か……ッ!?」
轟「そうだッ!!! 鳳凰院或葉に漫遊寺から白恋中への移籍を打診したのは、何を隠そうこの私だッ!!!」
一同『ええーーーっ!?!?!?』
鳳凰院或葉――元漫遊寺サッカー部キャプテンであり、現・白恋中サッカー部の
その卓越したゲームメイクの冴えは鬼道にも匹敵すると称され、昨年のFF準決勝では雷門を大いに苦戦させ、エイリア学園との戦いでも多大な功績を残した日本屈指の名将だ。
そんな男のバックに、今日まで顔も役職も知らなかったような人物が居たという事実は、雷門の面々を激震させるに十分過ぎるものだった。
轟「相変わらず読みの鋭い鬼道君に問おう!鳳凰院君抜きの白恋中が、FF準決勝まで勝ち上がる事は出来たと思うかね?」
雷牙「なーに言ってんすか、轟のおっさん。白恋には、あの吹雪兄弟が居るんだぜ?流石の俺らを倒す事は出来なくても、準決勝進出くらーー「いや……
聞かれてもいない自分の持論を喰い気味にぶった切られ、絶句する雷牙。
鬼道「確かに吹雪兄弟の実力は、全国基準でも頭一つ抜けていた。だが……白恋は吹雪兄弟以外の選手の実力が低過ぎる。精々が地区予選一回戦程度……到底、全国に通用する水準には程遠い」
豪炎寺「ましてや……当時の熱也のスタンドプレーは度を越していたからな」
二人の指摘は実に的を射ている。
当時の熱也は、謂わば制御不能の暴走機関車のような選手だった。
確かな実力こそあれど、血を分けた兄である士郎、そして鳳凰院以外の選手には一切心を開かず、単なる『ゲームを成立させるための駒』としか見ていなかったほどだ。そう考えれば、豪炎寺の言いたい意味もよく分かる。
チーム内に巨大な爆弾を抱え、大半の選手は全国基準に遠く及ばない……。
そんな白恋中がFF準決勝にまで勝ち上がれたのは、ひとえに鳳凰院或葉という卓越したゲームメイカーが手綱を握っていたからに他ならない。
轟「私も鬼道君と同意見だッ!!鳳凰院君が居なければ、白恋中は途中でチーム全体が崩壊して、無惨な敗北を喫していただろうからなッ!!!」
雷牙「あ〜……轟のおっさん……。もしかしなくても、それを本人達……特に熱也の前で言ったか?」
轟「勿論ッ!!!もっとも……そのせいで危うく、才能溢れる若者の未来を摘んでしまうところだったがね!ガッハッハッハ!!!」
要するに、馬鹿正直に熱也にも同じ事を言った結果、危うくキレた本人にぶん殴られそうになったという事だ。
目の前の男は、サッカーに全ての熱意を捧げる狂人なのか、それとも単なる大馬鹿なのか……。ある意味で自分以上に命知らずな総括チェアマンに、雷牙は深く溜め息を吐く。
雷牙「こんなんがお偉い人って……マジで大丈夫かよ、日本のサッカー協会!?」
鬼道「まあ……これくらい図太い男でなければ、あの総帥の上に君臨することなどできない……という事なのだろうな……」
轟「……だがッ!!私は白恋中、そして
染岡「確信……?」
轟「今の日本サッカーに欠けているもの……ッ!! それはまだ見ぬ強豪校、そこに眠る可能性の導火線を激しく燃え上がらせるーー“炎”であるとッ!!!」
円堂「可能性の……炎……!」
轟の内に秘めた熱情をぶつけられ、円堂は無意識のうちに右手を強く握り締める。
轟「君達は見たくないかねッ!? 己の力で世界へと羽ばたく、日本サッカーの……新たなる“覚醒”の瞬間をッ!!!」
『日本サッカーの“覚醒”』ーー強すぎるが故に鬱屈した現状を抱える雷牙達にとって、これほど胸を揺さぶる言葉はなかった。
『強化委員』の打診を受け入れれば、日本サッカーの底上げが叶い、協会の悲願は達成され、自分たちもまた未知なる高みを目指せる……。
選手としての血を滾らせるには、これ以上ない願ってもない提案の筈だ。
それでも……
雷牙「……すんません。流石に今ココで結論を出すのは、ちと厳しいっす。少し時間を貰えないっすか?」
あの即断即決を信条とする雷牙でさえ、この場ですぐに答えを出すことができない。
それは雷牙一人の迷いではない。豪炎寺や鬼道……そして、誰よりも仲間を大切にする円堂もまた、まったく同じ思いだった。
轟「勿論! 今すぐこの場で決断しろとは言わんよッ! 1ヶ月後に再び使いを送る!それまでじっくり考えてみてくれッ! ……ただ、私の我儘を言わせてもらえるなら、日本サッカー界の未来のためッ!! どうか……前向きに検討してほしいッ!!」
雷牙「……まっ、検討に検討を重ねて健闘させていただきます……とだけ言っておくっす」
こうして……海外の名門ユースチームをも凌ぐほどの衝撃をもたらした『サッカー強化委員』の打診は、一先ずの幕を下ろした。
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《数十分後》
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雷牙「サッカー強化委員……ねェ」
サッカー協会の応接室から解放された雷門イレブンの面々は、いつもの鉄塔広場へと集まり、思い思いに佇んでいた。
既に日は沈み、夜空には無数の星々が煌めいている。中学生の彼らがうろついてよい時間帯ではないが、当然、保護者への連絡は済ませてある。
……ただ、今の彼らにはどうしても、そのまま家へ帰る気にはなれなかったのだ。
風丸「お前達はどうする?俺は……正直、まだ悩んでいる……」
染岡「俺もだ……。乗っかりてぇって気持ちと、断りてぇって気持ちが中で激突してやがる……ッ!クソッ!!一体、どうすりゃいいんだよッ!!!」
染岡が苛立つのも無理はない。
日本一、エイリア学園の討伐、そして世界一……数々の『イナズマ伝説』を駆け抜けてきた雷門イレブンだが、その激動の月日はまだ1年すら経っていないのだ。
特に創設時からの古参である染岡にとって、“今”は苦労の末にようやく全員で掴み取った黄金期。
それを手放し、しばらく雷門を離れなければならないという事実は、どれほど成長への飢えがあろうとも、簡単に頷けるものではなかった。
壁山「俺が人になにかを教えるなんて、不安でたまらないっス……」
現時点では、プロジェクトの規模に対するプレッシャーと不安から、否定派が優勢といったところだ。
しかしーーー
鬼道「自信が無いのなら断ればいい。別に強制力がある訳でも無いからな。……だが、俺は轟さんの話に乗ろうと思う」
染岡「マジかよ……!?」
『サッカー強化委員』を受け入れようとする者が『0』という訳ではなかった。
鬼道「このまま“世界一”という称号の上に胡坐をかいて座っているだけでは、俺たちは堕落していく一方だ。ならば……いっその事、未知の環境へ飛び込み、己を磨き直すのも一つの手……そう判断した」
極度のシスコンであることを差し引けば、実に自他共に厳しい鬼道らしい、ストイックな向上心に満ちた決断だ。
豪炎寺「俺も鬼道と同意見だ。フィディオに、ゴーシュにドラゴ……世界にはまだまだ、俺の想像を超えるストライカーがごまんと居る。雷門の
風丸「豪炎寺もか……!」
これにて、この場における『サッカー強化委員』への意志表示は、『肯定:2』『難色:3』そして……『未定:2』。
その『未定:2』とは当然ーーー
鬼道「お前達はどうする?……円堂、稲魂」
雷牙&円堂「「………」」
鬼道に問いかけられても、雷牙と円堂は黙したままだ。……いや、正確には答えを出せずにいる。
雷牙「……結論から言えば、俺ちゃんはまだ悩んでる」
風丸「い、意外だ……。てっきり、稲魂の事だから『面白そう』の一言で片付けると思ってたが……」
雷牙「……分かってる。今の『俺ちゃん』がらしくねェってのは、俺自身が一番理解してるつもりだ」
雷牙は大きな溜め息を一つ吐くと、太々しく歩き稲妻町の夜景が一望できるベンチへ深く腰を下ろした。
そしてーーー
雷牙「……ガルシルドとの最終決戦で“
夜風が吹き抜ける広場で、雷牙は胸の奥に押し込めていた熱と葛藤を、ぽつり、ぽつりと吐き出していく。
豪炎寺「………」
雷牙「……だが、鬼乃子も俺と同じ
鬼道「稲魂の言いたい事は理解は出来る。……だが、俺から言えば鬼乃子の強さ明らかに『天然物』ではなく、『人工的』な強さだ。初めから生物として格がまず違う……ではお前は納得しないのだろうな」
雷牙「そーゆーこと。しょ〜じき、超天才である雷牙さんもあの時ばかしは、流石に嫉妬したぜ……」
それでも、際限なく限界を突破し続ける“
……だが、死闘の果てに泥を舐める事となったのは、鬼乃子ではなく雷牙の方だった。
勝負の暗雲を分けたのは、両者の生物としての“
人間の枠組みにいる雷牙の肉体は“
恐らく鬼乃子自身、あれを己の勝利とは認めていないだろう。……しかし、雷牙にとっても到底『勝った』と言えるような結果ではなかった。
だからこそ、だ。雷牙は他のメンバーのような空虚な渇きに呑まれることなく、ただ一点の『雪辱』という明確な領域を見据えて日々己を鍛え続けているのだ。
雷牙「だから……今の俺は、鬼乃子以外に興味は持てねェ。轟のおっさんには悪ィが、日本サッカーの
身勝手にもほどがある言葉。聞く者が聞けば『傲岸不遜のエゴイスト』と眉をひそめるだろう。
だが、誰にどれほど罵られようと、どんな負のレッテルを貼られようと、稲魂雷牙という男にとって、これだけは絶対に譲れない“一線”であるのだ。
豪炎寺「フッ……。相変わらず、雷牙らしいな」
染岡「けどよォ……だからってすぐに鬼乃子と試合できるわけじゃねェだろ? そもそもあいつ、FFIが終わってからずっと行方不明じゃねぇか。下手すりゃ何年も戦えねぇ可能性だってあるんだぞ?」
雷牙「い〜や!俺と鬼乃子は近い内に再戦するね、俺はそう確信している」
風丸「……一応聞くが、その根拠は?」
雷牙「ん〜?強いて言うなら、直感と山勘?」
染岡「結局、勘じゃねェか!!!」
大層なシリアスを演出しておきながら根拠のない雷牙の言葉に、仲間達は拍子抜けして呆れ返る。
……しかしその刹那、雷牙の顔からフッとふざけた色が消えた。
雷牙「……けどよ。近い内に
一同『!!!!』
雷牙が朧げながら描くその“
この仲間達がいるからこそ、雷牙は己の物語に
だからこそ、その“未来”に彼ら以外の人間が立つ事など、あり得なかったのだ。
雷牙「……んまァ、コレはあくまで俺ちゃんの“
鬼道「……お前に言われずとも、俺達の決断は揺るがない」
雷牙「……ちと、加湿し過ぎたみてェだな。んじゃ、空気の入れ替えとして……守はどーなのよ?主人公の癖して、前回から会話も出番もやたらと少なかったんだし、景気良くシメを頼むぜ〜!」
雷牙がおどけて雰囲気を和らげようとするが、振られた円堂の反応は鈍い。
轟から『サッカー強化委員』の言葉を聞いた際、円堂の右手がギュッと強く握り締められていたのを、雷牙は見逃していなかった。
きっと守ならば、最高の答えを見つけ出してくれるーー雷牙が円堂に言葉を振ったのも、そう確信していたからこそだ。
……だが、雷牙の熱い決意も、強化委員として日本のサッカー界を背負う選択も、全てを受け止めた上で葛藤するその姿は、皆のよく知る太陽のような“円堂守”とはあまりにかけ離れていた。
円堂「俺は……」
悩みに悩んだ末に、円堂は重い口を開き、その決断を言葉にしようとする。
???「そんなに自分の意思を発するコトが苦しいならさァ??いっそのコト、物言わぬ石になっちゃえばいいんじゃな〜い???」
ーーまさにその瞬間だった。
一同『!!!?』
周囲を包み込む重苦しい空気を引き裂くように響いたのは、あまりにも軽薄で、ゾッとするほど冷たい少年の声だった。
染岡「だ、誰だテメェ!?」
気配すら伴わず、闇から滲み出るように現れたのは、黄緑色を基調にプリズム柄のラインが入ったフードを着こなした少年。
あまりに異質な存在感を放つ不審者を前に、染岡は威嚇するように速やかに警戒態勢をとる。
……だがーー
???「んもうッ!!怖い顔が更に怖くなっちゃって〜☆ そんなにカッカして人生楽しいの?もっと笑おうよ!ホラ!スマ〜イルッ♪♪♪」
フードの少年は臆する様子もなく、わざとらしい仕草で染岡をおちょくり倒す。
染岡「んな事、聞いてんじゃねェ!!!」
???「ハァ……つまんない人だなァ。オレは親切に、キミ達を楽しい楽しい、“天使”と“悪魔”によるショーに
風丸「ショーだと……!?」
次の瞬間、フードの少年がひらりと手をかざすと、何もない空間にサッカーボールを模した
円堂「ーー!!! そ、そのデバイスは……っ!!」
雷牙「プロトコル・オメガの……ッ!?」
皆が突如出現した未知の装置に困惑し硬直する中、ただ二人ーーその脅威を知る雷牙と円堂だけは、真っ先に飛び掛かるーーーが。
???「んじゃ♪ 7名様ごしょうたーい☆☆☆」
ーーワープモード ON
それよりも速く少年が蹴り上げたボール型デバイスから無機質な電子音が響き渡り、雷牙たちの視界は一瞬で眩い閃光に飲み込まれた。
やがて……強烈な光が収まり、少年達も視力を取り戻す。その先に広がっていた光景はーーー
円堂「ーー!!! こ、ここは……!
FFスタジアムっ!!?」
全国の少年サッカー
或葉の白恋転入が、『サッカー強化委員』の布石であった事は、連載初期からの既定路線だったのですが、それ以上に作者の想定外だったのは世界編以降、或葉の影がアホみたいに薄くなってしまった事ですね(笑)。