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CHARACTER SELECT
▶︎RAIMON ELEVEN
???
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《No side》
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染岡「ど、どうなってやがる……!?俺達はさっきまで、鉄塔広場に居た筈じゃ……!!」
鬼道「明らかにエイリア学園を遥かに超える技術……!貴様ッ!一体、何者だ!!?」
月明かりに照らされたサッカーコートのど真ん中に立ち尽くす雷門イレブンは、突如として巻き起こった怪現象を前に、凄まじい困惑を隠せずにいた。
直前まで彼らが居た鉄塔広場とこのFFスタジアムは、キロ単位で離れている。
少なくとも彼らの知る現代の“常識”の中に、一瞬でこれほどの距離を移動できる技術など存在する筈がない。
唯一、その可能性を持ち得たエイリア学園の科学技術でさえ、事件の解決に伴い全て破棄された以上、文字通りの意味で存在しないのだ。
???「ヌルフフフ……♪」
混乱する彼らを見下ろすように立ち尽くす少年。
その首元には、怪しく輝く薄紅色の宝石が、月明かりを浴びて淡い光を放っていた。
???「あっれ〜? まさか覚えてないの?オレ、この時空のキミ達とは
染岡「んだと……ッ!?俺はテメェのような不審者は知らねェぞッ!!!」
???「ヘェ〜?だったら……こうすれば思い出すかな?」
『ッ!!!?』
フードの少年の陽気な声が一転、低く歪んだ刹那ーー少年を中心に、息をのむほど禍々しい殺気が膨れ上がった。
その殺気を全身で浴びた者達の脳裏に、海馬の奥底へと眠っていたあの世界の大舞台で起こった“非日常”の記憶が、濁流の如く強制的に呼び覚まされる。
雷牙「ーー!!! この気……!この気配……!テメェはあの時の……!」
???「そっ♡ 時間を超えて直々に会いに来てやったよ〜?『キミにとっての“絶望”』がね♪」
ーーパサ……
再び声色を明朗に戻した少年は、顔を覆っていたフードをゆっくりと脱ぎ捨てる。
豪炎寺「お前は……!まさか……!?」
フードの下から現れたのは、“怪物”からは対極に位置する、白銀の髪が目を引く一人の少年……。
その素顔を目にした瞬間、雷門の精鋭達は強烈な違和感と既視感に襲われる。何よりーーその顔立ちが、
風丸「い、稲魂……!?……いや、限りなく似てはいるが、微妙に違う……ッ!!」
染岡「どちらかと言えば……稲魂の妹が男になったみてぇな顔だ……ッ!!」
その素顔自体には、誰一人として見覚えがない。
……だが、白銀の少年が全身から放つ歪んだ気配は間違いなくーーかつてアルゼンチン代表戦の最中に現れた“雷牙の偽者”そのものであった。
???「キミ達と最初に会った時は、そこの“稲魂雷牙”のスキンを被っていたからね〜。それじゃ!改めて、自己紹介をしてあげよう☆ オレの名前は“
雷牙「REON……!」
少年の名が判明しても、雷門の精鋭たちが流す冷や汗は収まる気配を見せない。何故なら、自分たちをこの地に拉致した真の目的が未だ見えてこないのだから。
すると…… 沈黙を切り裂くように、声が上がったーーー
円堂「多分……REONは、俺たちからサッカーを奪うために200年先の未来から来たーー“敵”だ……っ!!」
円堂、そして雷牙は仲間達よりも一歩前に踏み出すと、REONを射抜くような強い視線で睨みつける。
その眉間には深く皺が寄せられ、誰も見たことがないほど険しい表情を浮かべていた。
豪炎寺「……らしくないな。円堂が他者を明確に“敵”と断じるなど。……だが、それほどまでに目の前の男が危険な存在という事か……」
風丸「待て……! どうして円堂と稲魂はそこまで冷静でいられるんだ!? そもそも……お前たちはREONって奴の何をどこまで知っているんだ……!?」
雷牙「悪ィ、今は細かい事を話してる時間はねェんだ!……けどよォ、全員タマキンに覚悟詰めとけよ?ヤツらは目的の為なら手段を選ばねーぜ……ッ!」
雷牙はそれ以上、状況を説明しようとはしなかった。
そもそも、突飛すぎる真実を語ったところでおいそれと信じてもらえるとは思えない。そう確信していたからこそ、彼らは今の今まで、当事者以外にこの秘密を共有してこなかったのだから。
鬼道「……分かった。今だけは何も問わずお前達を信じよう。……だが、無事にREONを退けた後には必ず全てを話してもらうからな」
円堂「分かってる……っ!!」
これまでの苦楽を共にしてきた経験から、彼らの“隠し事”には並々ならぬ理由があると察した仲間たちは、それ以上の詮索を断ち切り、目の前の脅威を退けるべく一斉に戦闘体勢をとる。
ーーーだが。
REON「ホォ〜ン?勝てないと分かっていても、諦めずに抵抗しようとするその心意気や
ーーパチンッ!!!
焦燥感を露わにする雷門イレブンとは対照的に、REONは歪んだ笑みを浮かべながら軽やかに指を鳴らした。
刹那ーー星々が煌めく夜空に、まるで鋭利な刃で空間ごと切り裂いたかのような“亀裂”が走る。
そしてーーー
???『どわぁぁぁああ〜〜〜〜!?!?!?』
雷牙「ッ!?な、何だァ!!?」
天から響くのは、目の前の状況をまったく理解できていないような情けない大絶叫。
激しい風切り音と共に、無数の人影が地上へ向かって超高速で落下してくる。
しかも、降ってきたのは一人や二人ではない。
具体的な数はまだ分からないが、一つ確かなのは、両手の指のみでは到底数え切れない量だという事だ。
円堂「お、
夜空を見上げ、落ちてくる者たちの顔をその目に捉えた瞬間、円堂は限界まで目を見開き、かつてないほど狼狽した。
何せ、彼らはーーー
ーードスンッ!!!
熱也「ガァ!?クソが……ッ!!腰が痛ェ……!!!」
吹雪「熱也……!」
熱也「ッ……! 兄貴……!」
豪炎寺「お前達は……ッ!吹雪兄弟……!?」
ーードスンッ!!!
佐久間「ク……ッ!一体……何が起こったというんだ……!?」
不動「チッ!!クソライオンにそっくりな野郎が現れたと思ったら、妙な機械を使いやがって……ッ!!!」
鬼道「佐久間!?それに不動まで……!!」
ーードスンッ!!!
綱海「痛って〜!!?? なんだよチクショウ!あん……?なんか、沖縄にしてはヤケに寒ィな……?」
雷電「ぶえっくしょん!!! ……って!綱海じゃねェか!?久しぶりだな〜!!!」
飛鷹「ここは……どこだ?俺が居たのは、自主練の帰り道だった筈じゃ……?」
染岡「綱海、雷電、飛鷹!? 飛鷹はまだしも、綱海達は沖縄に居るんじゃねェのか……!!?」
ーードスンッ!!!
木暮「うわぁっ!? な、何なんだよ~! イタズラにしては手が込みすぎだろっ!!」
虎丸「ううっ……! うわ、びっくりした……! あれ、豪炎寺さん!?」
立向居「痛たた……なんで急にFFスタジアムに……!?」
風丸「木暮に虎丸、立向居……!お前達もか……!」
ーーヒュー……!
音無「きゃあぁぁぁーーーっ!!!」
夏未「な、何なのよ〜!?これーーー!!!」
秋「キャッ……! た、助けてーー!」
冬花「こ、ここって空……!?私……部屋にいた筈じゃ……!?」
壁山「あ、危ないっス!!!」
ーードスンッ!
音無「だ、大丈夫ですかっ!?壁山くん!?」
壁山「い、痛いっす……。で、でもマネージャーさんたちが無事でよかったス〜……!」
ーースタンッ!!!
ヒロト「ここは……?」
円堂「ヒロト……っ!?」
ヒロト「円堂君……ッ!?そ、それに……ここはFFスタジアム……ッ!?」
時空の裂け目から現れたのは、かつて【イナズマジャパン】の一員として、世界と戦い抜いた戦友達だったのだから。
だが、空を切り裂く落下音は、あと
ーーヒュー……
???「だ、誰か〜っ!!!ボクを受け止めてよ〜〜!!!」
雷牙「オイオイ、その声は……嘘だろ……!?」
嫌というほど聞き覚えのある声に、雷牙は円堂と同じく目を見開いて焦りを見せる。
そしてそのまま、“ある人物”の落下地点へと即座に駆け出し、しっかりと受け止める。
雷牙「あっ、コッチだったか!?」
……なんて事はなかった。
ライト「ヘブシっ!!??」
ーーズシーーン!!!
ヒロト「ちょ!?雷牙君!?」
雷牙「いや〜……悪ィ……。なんか普通にミスったわ……」
ライト「くぁwせdrftgyふじこlp〜〜!?!?!?」
皆よりも僅かに遅れて落ちてきた雷牙の義兄ーー稲魂雷斗は、最愛の弟の“ミス”によって無情にも地面へ激突。
痛みのあまり言葉にならない凄まじい奇声を上げながら悶絶していた。
鬼道「……それで?どうしてお前達がここに居る?」
不動「こっちが聞きてェよ!!急にそこのフード野郎が現れたと思ったら……光が晴れた時には
綱海「俺も同じだ!」
立向居「俺も……!」
豪炎寺「どうやら……皆、俺達と同じ状況のようだな……!」
ーーパチパチパチ!!!
『!!!?』
REON「ようこそ!旧人類の皆さん♪ いや〜!相変わらず、クソほどムカつく顔ぶればっかだねェ〜☆」
満面の笑みを浮かべ、わざとらしく賞賛の拍手を送るREON。
だが、その引き攣った笑顔と楽しげな声色の裏には、隠しきれない粘着質な“悪意”が不気味に渦巻いていた。
鬼道「詳しい説明は省くが、奴の名はREONッ!俺達をここへ呼び寄せた……元凶だッ!!!」
REON「元凶だなんて酷い言い草だなァ、オレはただ……キミ達の“渇き”を満たしてやろうとしてるだけなのに〜☆」
雷牙「渇きだァ!?」
REON「そんじゃ!役者も揃ったコトだし、そろそろ始めよっか!“天使”と“悪魔”による愉快で痛快な歌劇団の〜?おでましおでまし〜♪♪♪」
ーーパチンッ!!!
本日何度目かになるREONの指鳴りが響き渡った瞬間ーー彼の背後に、空間を削り取るように禍々しい紫電が叩きつけられた。
???「ククク……ッ!」
???「フフフ……ッ!」
激しい閃光が収まると、そこには橙色を基調に緑の翼を思わせる装飾が際立つユニフォームを身に纏った、十六人の少年少女たちが冷ややかに佇んでいた。
雷牙「……誰だ、オメーら……??」
突如現れた少年少女達が纏う異様な空気から、彼らが只者ではない事は嫌というほど伝わってくる。
……しかも、その全員の顔には
音無「なんというか……反応に困るメイクですね……。それに……彼らを見てると、なぜか本能的な嫌悪感を感じちゃうような……」
???「ククク……!この気高くも美しき隈取りを目の当たりにしても、その程度の感想しか出ないとは……。どうやら、人間共の美的感覚は相当に狂ってるらしいなァ!!」
???「フフフ……!所詮は、矮小な人間。我らの美しさを理解出来る筈がない」
雷牙「質問に答えろ、16人のペニー・ワイズ共。それとも何だ?排水溝に隠れないと自己紹介すら出来ねェってか?」
???「フンッ!!!いいだろうッ!!俺の名はデスタッ!!!魔界の力を受け継いだ、最凶の悪魔ッ!!!」
???「そして、私はセインッ!!!天界の力を受け継いだ、至高の天使ッ!!!」
円堂「デスタとセイン……!」
雷牙「ハァ……。未来人だけで手一杯ってのに、ま〜た、癖の強ェ敵が現れやがった……」
雷門イレブンは、これまで数多の“非常識”と遭遇してきた。
200年後の未来から来た未来人を筆頭にーー
神を自称する在日韓国人。
宇宙人を名乗る静岡県民。
サッカーで世界征服を企む狂人。
そして今度は、自らを“天使”と“悪魔”と名乗る
流石に“非常識”のバーゲンセールに慣れてきたつもりの彼らでも、そろそろ頭が痛くなってきたようだ。
デスタ「そして俺達こそ……!1000年に一度、“悪魔”と“天使”が手を組み誕生する、最凶にして至高の歌劇団!その名も……【劇団・天魔】!!!」
セイン「イナズマジャパンよッ!!我らは貴様らに、サッカーによる決闘を申し込むッ!!!」
ふざけたチーム名に、ふざけた格好。しかし、スタジアム全体を包み込む“天使”と“悪魔”の異様な威圧感は、並の選手なら直視する事すら躊躇う程だ。
そんな圧倒的な殺気を真正面から受け止めながらも、鬼道は腕を組み、青いゴーグルの奥で静かに思考を巡らせる。
鬼道「……もしも、断ったら?」
REON「あっれェ?世界一のイナズマジャパンが、サッカーを拒む選択肢があるんだァ?……まァ、ネタバレになっちゃうから、深くは言えないけど……命の保証はまず無いネ」
REONから放たれるおぞましい殺気は、彼の言葉が断じて冗談などではない事を雄弁に物語っていた。
つまりーーこれは試合の“打診”などではない。イナズマジャパン全員の命を人質に取った、不可避の“強制”なのだ。
雷牙「……んじゃあ、俺達が勝てば素直に解放……って解釈いいんだな?」
REON「モッチロン!こう見えても、オレは義理堅い性格だからね〜☆ キミ達が彼らに勝てれば、何一つ危害を加えずに解放すると約束しよう」
円堂「……分かった!!!その試合……受けて立つ!!!だって、俺たちは世界一の【イナズマジャパン】なんだからなっ!!!」
REON「そうこなくっちゃ!それじゃ……キミ達に相応しい品を
ーーパチンッ!!!
またまたREONが軽快に指を鳴らした瞬間、選手達の眼前に一組ずつのユニフォーム、スパイク、そしてソックスが突如として現れた。
それはーー見間違えようもない。あの世界の大舞台を共に戦い抜いた【イナズマジャパン】の代表ユニフォーム。
本来であれば、各自が自宅で大切に保管している筈の代物だ。
何故、REONが一瞬で取り寄せて見せたのかは知る由もない。だが、かつて日の丸を背負った戦士達は迷う事なく、力強い手つきでその一着を掴み取る。
円堂「・・・行くぞっ!!!俺たち自身の手で、絶対に“未来”を掴み取るんだっ!!!!!」
一同『応ッ!!!!!』
こうして、世界の頂点を極めた伝説のイレブンと、“天使”と“悪魔”が交差する狂気の歌劇団による、果てなき激闘の幕が上がる。
果たして、再び結集した【イナズマジャパン】は、この絶望を打ち破り自らの“未来”を掴み取る事ができるのか……!?
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《??? side》
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ここは、無限に広がるどの
そして現在。その本拠地の一角に設けられたオペレーションルームでは、ある捜査が急ピッチで進められていた。
???「まだ時間がかかるのですか、No.
蒼炎のラインが奔る漆黒のスーツを纏った青髪の青年は、モニターと睨めっこする人物へ静かに、だが確実に圧をかける。
……奇妙な事に、その顔立ちは髪色を除けば、稲魂雷牙のそれと驚くほど瓜二つであった。
???「ハァ〜……こっっっれだから現場至上主義のエージェントは嫌いなのよ〜っ! デジタル担当の苦労ってもんをまっっったく理解してないんだから!!!」
キーボードを叩き叩き、盛大な溜息と共に愚痴をぶちまける人物ーー青髪の青年から『No.
……だが、その態度のデカさと態勢の不遜さは、到底12歳やそこらのそれではない。
???「……その、不遜極まりない態度は相変わらずですね。仮にも私の方が“
No.10「はいはい、分かってますよ〜だ!コードNo.
???「………」
『No.666』という単語でお気づきになった方も多いだろう。
そう、彼こそは“怪物”の血を色濃く受け継ぎ、自らを“魔王”と称するタイムエージェント、そして稲魂雷牙のひ孫ーーコードNo.666・稲魂雷冥その人である。
ーーカンッ!カラランッ!!!
そんな、雷冥とNo.10がバチバチと無言の睨み合いを繰り広げていた、まさにその最中。
オペレーションルームの奥から、虚しくアルミ缶が転がり落ちる音が響き渡った。
No.10「ああもうっ!!! うるさいわねっ!! ただでさえ面倒な上司がいるってのに、余計に気が散る!! ……ってか誰よ!? この部屋に飲食物を持ち込んだ奴はーーーッ!!?」
雷冥「……私です。何せ、許可を出さなければ“彼”がゴネるものでね」
任務の為とはいえ、ただでさえ気難しくじゃじゃ馬なNo.
彼は深く溜め息をつき、静かに視線を奥へと向けた。その蒼い瞳に宿るのは、隠しきれない僅かな“失望”と、濃密な“呆れ”の感情であった。
そして……彼の蒼い瞳に映っていたのはーーー
???「………」(グビ……ッ!グビ……ッ!)
日本酒にビール、ワイン……節操なく転がる酒瓶や空き缶の山に囲まれ、現在進行形で太々しく缶ビールを煽っているボロボロのフード姿の男性であった。
???「……っはぁ~」
男は空になった缶を投げ捨てると、懲りもせず次の一本へ手を伸ばす。……だが、彼が勝手に持ち込んだ酒は今ので最後だったらしく、足元には転がる空き缶しか残っていない。
???「……オイ、青髪の未来人。ココにコンビニはあるか?酒が切れた。新しいのを買いに行くついでに、金を貸してくれ」
雷冥「……ハァ。オペレーションルームを居酒屋代わりに使った挙句、タイムエージェントに向かって金を要求する……。本当に、あなたの厚顔無恥さには頭が痛くなりますよ」
???「ホ〜ン?言うねェ。だったら……オレはアンタの依頼を降りてもいいんだぞ?」
雷冥「………」
プライドの高い雷冥にとって、男の我儘に屈する事など屈辱でしかなかった。……だが、どれだけの労力を費やして彼を探し出したかを思えば、ここで投げ出されて困るのは雷冥ーーひいては時空管理局側なのである。
雷冥は呆れたように眉間を寄せると、ホログラム式のデジタル財布を操作し、男のスマホへ数万円分の電子マネーを叩き込むように送金した。
???「……サンキュ。んじゃあ、ちょっち行って来るわ」
“彼”は酒を補充しようと億劫そうに腰を上げるがーー
雷冥「……お待ちなさい。もうすぐ“彼ら”の試合が始まりますよ。最悪の事態にならないようにベストは尽くすとはいえ……貴方には試合を見届ける“義務”があるのでは?」
???「………」
呼び止められた男は、雷冥に答える事はしなかった。
ただ静かに、その視線をモニターに映る【イナズマジャパン】ーーそして、スタメンに名を連ねる稲魂雷牙と、ベンチで弟を見守る稲魂雷斗へと向ける。
……だが、二人の姿を視界に収めた瞬間。
フードの奥にて、さっきまで酔いに染まっていた筈の男の顔が、複雑な感情によって苦々しく歪んだ。
???「……もう、オレには全てがどうでもいいんだよ……」
ポツリと、それだけを弱々しく呟くとーー男はまるで“ナニカ”から逃げ出すように、背を向けたまま部屋を後にした。
現実の話、代表ユニフォームって、世界大会が終わったら選手に貰えるんですかね?確か円堂はイナGO時代もどっかのタイミングで交換したであろう、ロココとフィディオのユニフォームを大切に保管している描写はありましたけど……。
【オリジナル用語解説】
■劇団:天魔
本作における【ダークエンジェル】の名称。チームメンバーに変更はなく、強いて言うならREONが監督兼控え選手として入っているくらい。
本来ならば正史通り、ライオコット島にてイナズマジャパン+代表エース達と試合を行う筈であったが、REONによって攫われ洗脳されてしまった(時系列はイギリス戦とアルゼンチン戦の間)。
REONから力を分け与えられた事で大幅にパワーアップを果たしているが、洗脳の影響により、元から粗暴で凶悪だった【魔界軍団Z】は更に非道に、不遜ながらも根底には慈悲があった【天空の使徒】は慈悲を失い冷酷となっている。
恐らく、この中で一番の被害者は忌み嫌う魔族と手を組まされた挙句、信念すらも捻じ曲げられた【天空の使徒】組。