円堂side
「円堂守!オマエとの約束守りにきたぜ!」
「えーと…君と俺知り合いだっけ?」
「は?」
「でも、円堂くんのことを知っているみたいよ?」
突然現れた金髪の男が俺との約束を守りにきたってドヤ顔で言うけどイマイチピンとこない。俺に金髪の髪をした知り合いなんていないし…ん?稲魂?それにあの青色の瞳は確か…
「あー!!!思い出した!お前ってあの時のすげぇストライカーか⁈」
「はっ!ようやく思い出したか!こんのサッカーバカめ!」
俺が金髪…稲魂雷牙のことを思い出すと稲魂も少し安心したような表情になったけど存在を忘れていたことが不服だったのかいきなりバカ呼ばわりされた。
「悪かったよ…でも昔鉄塔で会った時とは見た目が全然違ったからしょうがないだろ?」
稲魂雷牙…俺とアイツが出会ったのは3年前の夏頃だった。あの日俺はいつもの鉄塔に練習しに行くと俺と同じくらいの年の男の子がいた。それが稲魂雷牙だった。今までこの場所で見たことがなかった子だし、両手に古いサッカーボールを持っているのが見えたから興奮して話しかけたのがきっかけだった。小学校だと俺とサッカーに付き合ってくれるのが風丸と転校した冬っぺくらいしかいなかったから初対面だけど同い年の子がサッカーをしていることがすげー嬉しかったんだ。
「やあ!おれ円堂守!君もサッカー好きなの?よかったらおれと一緒に練習しようぜ!」
「…いやだ。今の俺にはサッカーをする意味すらない。他をあたってくれ…」
帰ってきた返答は意外なものだった。俺にサッカーをする意味すらない?ふと雷牙の顔を見てみると青色の瞳には光が入っておらずまるで死んでいる人の目だった。生まれて初めて見る表情に俺は少しだけ怖かったけど、それでも俺が振り絞った言葉は自分自身でも意外なものだった。
「だったら何でサッカーボールを持ってるんだよ?本当にサッカーをする意味がなかったらサッカーボールを外に持ち歩かないはずだろ⁈」
俺の言葉が地雷を踏んだのか雷牙は死んだ表情から一転して怒りの表情を浮かべ、俺に向かってシュートを打った。
「今あったばかりのオマエに俺の何がわかる!知ったような口を利くなぁぁぁぁぁ!」
当然俺は放たれたシュートを止めようとしたけど、雷牙のシュートは風丸が放つシュートとは比較にならないほど鋭くて速かった。俺は1秒も耐えることができずに後ろに吹っ飛ばされた。
「すげぇ…!」
シュートを止められるなかったことの悔しさもあったけど、それ以上に初めて受けたシュートの威力の感動が上回って気がつくと言葉にでていた。
「すげぇよ!オマエのシュート!もう一回打ってくれよ!次は絶対止めてみせる!」
「なんだよ…なんなんだ!オマエは!まるで
俺の挑発に火がついたのかさっきまでとは性格が明らかに変わっており再びシュートを打つ。今度こそ止めようとシュートに立ち向かうけど吹っ飛ばされる。だけど俺は何度も立ち上がって雷牙を挑発する。最初のうちは怒りに溢れていた表情だったけどだんだん楽しむような表情に変わっていったのがわかった。その後、俺たちは時間が経つのも忘れてPK戦を繰り返していると気付いた時には日が暮れそうになっていた。当然PK戦といえど長時間していたら体力がしだいになくなり、俺も雷牙も体力の限界を迎えていた。
「これで終わりだ!円堂!」
「こい!今度こそ絶対に止めてみせる!」
何百回も繰り返したPK戦俺は一度も止めることができなかったけど、最後のシュートだけは何故か止められる気がした。
「うぉぉぉぉ!ゴッドハンド!!!」
ゴッドハンド…爺ちゃんが残していたノートに書いてあった必殺技…俺は一度も見たことがないけどノートに書かれた内容だけを見て憧れていままで練習してきたんだ。その思いを胸に必殺技の名前を叫ぶと本当に一瞬だったけど小さな金色の手が俺の手のひらから伸びて今まで止めることが出来なかった雷牙のシュートをついに止めることが出来た。
「やったぁぁぁぁ!やっと止めたぞぉぉぉぉ!」
ようやくシュートを止めることができた嬉しさでつい叫んでしまった。はっと我に返って雷牙の顔を見てみると
「は、、、はーはっはっは!!!!」
そこにはシュートを止められたことへの悔しさは一切なく、逆に満面の笑みを浮かべて雷のような大声で笑っていた。
気づけば俺たちはその場で座り込んで互いのことについて話し合っていた。俺は死んだ爺ちゃんがすげぇサッカー選手だったこと、爺ちゃんが残したノートとサッカーボールがきっかけでサッカーを始めたこと。雷牙は父ちゃんがすげぇサッカー選手で一緒にサッカーをやっている兄弟がいること、本当は兄弟といっしょにイタリアに留学する予定だったけど風邪をひいたせいで遅れてイタリアに行くことになったこと
「おれさ母ちゃんがあまりサッカーが好きじゃないからクラスの友達以外とサッカーしたことがないんだ。」
「それはもったいないな。オマエは一回とはいえ俺のシュートを止めた男だ。クラブチームに入ってちゃんとした指導を受ければぜってぇすげぇGKになれると思うけどな…」
雷牙が残念そうな顔で同情する。きっとクラブチームのGKは俺以上に強いやつがいるのだろう。そう考えるとますますサッカーをやりたいっていう気持ちが強くなった。すると雷牙が口をひらいた
「俺はオマエのおかげでサッカーを続ける意味を取り戻せた。けどこれからの未来があやふやだ。イタリアに行ってからその後をどうするか、今の俺にはそれがない。
「だったらさ!中学生になったら一緒にサッカーやろうぜ!」
「は?オマエさっき母ちゃんが厳しくてサッカーできないって言ったばっかじゃねぇか?」
「確かに母ちゃんはサッカーをすることに反対しているからクラブチームに入れないけど、中学生になってサッカー部に入るのは母ちゃんの意思は関係ないだろ?」
「そーゆーことね、だいたい理解した。オマエはどこの中学校に行くつもりなんだ?」
「雷門中!爺ちゃんがそこの卒業生でサッカーをやってたって聞いたことがあるからきっとすげぇ強いサッカー部なんだろうな!」
「ライモンチュウね…」
「あっー!!!」
色々なことを話していたら沈みかかっていた日が完全に暮れて空が暗くなっていることに気付いた。
「ヤバい!早く帰らないと母ちゃんに叱られる!」
「もうそんな時間か、俺も帰らないとヨネさんに怒られるな」
「おれとの約束ちゃんと覚えておいてくれよ!」
「分かってるって」
「そういえばお前の名前なんだっけ?」
「そういや名乗ってなかったな、…雷牙 稲魂雷牙」
「イナタマ ライガか!じゃあな雷牙!いつか一緒にサッカーしようぜ!」
そう言って俺は急いで家に帰ると案の定母ちゃんの雷が落ちた。次の日また雷牙に会えるか期待したけどその日以降鉄塔に来ず会うこともなかった。今日までは…
「しっかし、本当に見た目が変わったな!雷牙!最初見た時お前だって全然わからなかったぞ!」
俺の記憶が確かなら雷牙は黒髪のショートヘアーだったけど、今のアイツは金髪だし髪も稲妻みたいなヘアースタイルになっている。ただ青色の目は変わっていなかったからすぐに思い出せた。待てよ…確か雷牙はイタリアに留学がしていたはずだ…でも今日本それも雷門中にいるってことは…
「俺と一緒にサッカーをしてくれるってことか!!!」
「だからさっきからそう言ってんだろーが、お前を探すのに学校中を走り回るはめになったがな…まぁいい。この俺が雷門中サッカー部に入ったからにはズババーンとプレーしてやるぜ!」
「あぁ、よろしくな!雷牙!」
俺と雷牙は互いに握手を交わすと横にいた木野が口を開いた。
「私からも改めて自己紹介させてもらうね。私は木野秋。雷門中のマネージャーです。これからよろしくね!」
「おう!よろしく頼むぜ!マネージャー!」
「よーし!今日から雷門サッカー部始動だー!」
もう日が暮れているから雷牙の入部届けは明日にすることになって俺達は家に帰ることになった。雷牙と木野の家の方向は俺と一緒だったから下校中雷牙のイタリアでの話や木野の話を聞きながら歩いていると、ふと雷牙から
「円堂、お前はサッカー部を作った後に何かやりたいこととかないのか?」
当然あるに決まってる!これは明日に言おうと思ってたことだけどちょうどいいタイミングだから今言おう!
「あぁ!もちろん!色々やりたいことはあるけど、まずはフットボールフロンティアの優勝を目指す!」
「フットボールフロンティア?」
「中学生サッカー界の日本一を決める大会のことよ。イタリアじゃ名前が違うかもね?」
「あー、そういうことか!へっ!イタリアで修行した成果を試すにはちょうどいい!ズババーンっと優勝してやるぜ!」
「そのいきだ!雷牙!」
「無駄だ。雷門にサッカー部は出来ない。」
こうして俺たちが盛り上がっていると突然後ろから無機質な声が聞こえてきた。
「えっ?誰だ?木野の知り合いか?」
「私も知らない。稲魂くんの知り合い?」
「こんなピッチピチのコスチュームを着ている奴が知り合いだったら俺はとっくに縁を切ってるね。」
今しれっと服装をダサいって言ったな…
「…サッカー部は出来ない。確実に。」
「確実にだって?どうしてそう決めつけるんだ!わからないだろ!雷門にサッカー部は作れるさ!本当にサッカーが好きなヤツらが集まれば!」
目の前の男は雷門にサッカー部は確実にできないと言ったその言葉に俺はついカッとなって強い口調で言い返してしまった。でも
「サッカーが好きな奴などいない。」
「!…いない?何言ってi「いるぜ!ここにな!」雷牙!(稲魂くん!)」
サッカーが好きな奴などいない。その言葉に耐えきれなかったのか様子を見ていた雷牙が声を出した。そうだよな…サッカーが好きなやつはちゃんとここにいる。俺と木野と雷牙少なくともこの3人が!
「お前達がどう思っていようが関係ない。嫌いになる。まもなく。」
「俺はサッカーを嫌いになんてならないぞ!」
「よく言ったぜ!円堂!それでこそ俺が見込んだプレイヤーだ!そーゆーわけだストレッチマングレー!これ以上なにか因縁つけるようなら抵抗するぜ。」
「…そうか。」
男が呆れたような顔で俺達を見ると突然足元が光出して『ムーブモード』と機械音が聞こえると俺達の視界が光で埋め尽くされた。
「しまった!連れて行かれた!」
「僕たちも行こう!」
一瞬だけど俺達以外の声が聞こえた気がする。そして光が消えると俺たちは知らない場所にいた。
「ここは!?」
「えらく立派なスタジアムじゃねーか。」
よかった雷牙たちも無事だ。すると謎の男と同じ服を着た人物たちが次々と何もない場所から現れて最後に俺達をここに連れてきた男が現れた。
「お前達がサッカーを奪われるのにふさわしい場所だ。」
「これはどういうことなんだ!」
「お前達にはこれから我々とサッカーをやってもらう…試合だ。」
「あん?試合だって?そのためだけにこんな大掛かりな仕掛けで俺達を呼んだのかよ?」
「円堂監督!雷牙さん!」
またまた突然俺達の後ろから知らない声が聞こえた。この声ってさっき一瞬だけ聞こえた声だな…
「天馬、この時代の円堂守はまだ君たちの監督じゃないよ…」
「そうだった!円堂さん!そいつらはサッカーを消そうとしてるんです!」
「え〜と、君は?」
「まさか、奴らの仲間じゃないだろうな?」
この子も謎の男と同じで俺のことを知っているみたいだ、さっきからわからないことの連続で頭の中がパンクしそうだ…
「…あ、俺は松風天馬といいます。えっと…あの色々説明難しいんですけど…。とにかく!俺、大好きなサッカーを守るためにここに来ました!このままじゃ大変なことになるんです。信じてください円堂さん!雷牙さん!」
いきなり現れてサッカーを消そうとして俺達を襲うとかスケールが大きすぎて話についていけないぞ…本当に信じていいのか…?俺がそう思って少し悩んでいると、その様子見ていた雷牙が俺の肩を軽く叩くと
「円堂、雷門サッカー部のキャプテンはお前だ。俺はオマエの決断にはついていくし後悔はしねぇ。ここはいっちょお前の直感でズババーンっと決めてみろ!」
雷牙…!分かったよ…!俺は…
「天馬!俺は…俺達はお前を信じる!!」
「!!信じてくれるんですか!」
「ああ!サッカーが好きなって言えるヤツの言うことは信じるさ!大好きなものにウソはつけないからな!」
謎の男達の方を見ると天馬の存在は奴らにも予想外だったのか少しだけ狼狽えている。しかしすぐにキャプテンっぽい男が口を開き
「情報を受け取った。奴らは我々のインタラプト修正を取り消そうと時間移動している。他のパラレルワールドの我々とすでに戦っているようだ。ならば、円堂守と稲魂雷牙、松風天馬の3人同時にサッカーを奪えばいいだけのこと。」
「おい!ストレッチマングレーファミリー!サッカーを消すって本当なんだろうな!」
「そうだ…。」
「はっ!だったら受けてやるよ試合に!」
「試合でお前達にサッカーは楽しいってことを教えてやるぞ!!」
「いくぜ!円堂、天馬!俺達のサッカーを守るんだ!」
稲魂 雷牙:イタリアのジュニアチームでプレーしていたが、卒業後日本に帰国し雷門中に入学。ポジションは基本はMFだがある事情によりそれ以外のポジションとある程度はこなすことができる。性格はやぶてん版円堂と初代の豪炎寺を出して2で割った感じ。口が悪いのはイタリア関係なく素。
現在の修得技
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