全てのチームメイトの気を吸収した“
「何て奴だ…チームメイトの気を全て吸収するとは…」
「お前はチームメイトの事を何だと思っているんだ⁉︎」
「チームメイト?それはそこに倒れている自分の実力を顧みずに“神”の名を語った罪人達の事を言っているのかい?これでも感謝して欲しいものだよ!力無き弱者に“神”の生贄になるという役目を与えたやったのだからね!ハーハッハッハ!!!」
敗北のショックと“神のアクア”を絶たれた事による副作用によってアフロディはもはや正常な判断が出来なくなっていた。
今の彼にあるのは仲間を潰してでも勝利を求める“狂気”だけだ。
「……なぁアフロディ、オマエは何でそこまで勝利に執着するんだ…?」
今のアフロディの姿は影山の支配下に置かれていた頃の帝国を思い起こさずにはいられなかったが、奴の干渉を考慮してもアフロディの勝利への執着は異常である。まるで“敗北”する事に何か
雷牙の言葉を受けたアフロディの目は僅かに震える。
「僕は勝たなければならないのだよ…!僕はもう…敗者には…負け犬にはなりたくない…!!」
過去の自分すらも振り切るように“マキナ”と共に雷門へ突撃するアフロディ。それを見て逃げ出す選手は1人もいない。
「残り時間はあと僅かだ!絶対に食い止めるぞ雷牙!」
「分かってらぁ!全力全開!フルパワーだ!」
先ほどの一撃で底をついている筈の体力を無理矢理絞り出し化身を発動する雷牙と豪炎寺。
だが、世宇子のメンバー全員の気を吸収したアフロディのパワーは以前とは比較にならないものとなっており、力関係は完全に逆転していた。
「その程度か…稲魂雷牙?その程度では“神”には通用しない!!」
「ぐぁぁぁぁぁあ⁉︎」
「雷牙!くそ!今度は俺が!“炎魔 ガザード”!!」
「醜い悪魔が“神”の前に立たないでくれるかなぁ…?悪魔は悪魔らしく地獄に落ちるがいい!!」
“炎魔”すらも軽々と弾き飛ばす“神”。だが雷門は諦めない。残った8人はアフロディの前に集まり、必殺技を放つ。
「ハハハ!!君達は自分の事を勇者だと思っているようだが…“神”からすれば無謀に命を散らす愚者でしかないのだよ!!!」
アフロディの超スピードにより残りのメンバーは吹き飛ばされる。
遂に円堂とアフロディの最終決戦が幕を開けた。今までにないプレッシャーに円堂は思わず冷や汗をかいてしまう。
アフロディは翼を生やし天空に飛び立つ。その瞬間“絶対神”を構成していたオーラが突如崩れていく。
再びエネルギー切れか?誰もがそう思っていたが崩壊したオーラは持ち主と一体化するように彼の身体に張り付いていく。
雷牙と円堂は彼に起きた
だが時空の歪みによるものか、はたまた彼が本来持つ“神域の才能”がここで完全に開花したのか、どちらにせよ彼は“化身アームド”を発現させる事に成功していた。
「アフロディが化身を纏っただと…⁉︎どれだけ常識を超えれば気が済むんだあいつは…!」
「あ、あれって…天馬たちが使っていた…!」
雷門にとって幸運だったのはアフロディが発現した“化身アームド”はまだ未完成だった事。それを示すかのようにアフロディが纏っているのは“絶対神”の意匠のある鎧ではなく紫色のオーラで構成された不安定な鎧である。
しかし紫の鎧を纏いながら空を飛ぶ彼の姿はもはや“神”ではなく“堕天使”としか言いようがなかった。
「くっ!“魔神 グレイト”!!」
円堂も化身を発動するが“ゴッドブレッシング”ですら今の円堂の実力では止める事が出来ないのだ、化身アームドをしたアフロディの“ゴッドノウズ”を止められるとは本人も思っていない。
だが、円堂は逃げる訳にもいかない。自分は雷門のGKなのだ。ここで逃げたら皆の努力が無駄になる。覚悟を決めた円堂はアフロディと決着をつけようとした。
しかし、それに待ったをかける人影が2人いた。
「水臭えじゃねーの守?1人であのバカアフロと戦おうとするなんてよ〜?俺たちも混ぜてくれよ?」
「遅くなって悪かったな…、だが俺たちもついているぞ円堂!!」
「雷牙…豪炎寺…!」
復帰した雷牙と豪炎寺は円堂の背中に立ち円堂を支える。そして今試合幾度目かになる火事場の馬鹿力を用いて化身を発動させる。
「守!気合い入れていけよぉ〜!ここが正念場だ!」
「ああ!勝負だアフロディ!絶対に止めてみせる!」
「俺たちの力を全てお前に託す!そしてこの試合に勝つのは…」
「「「俺たちだ!!!」」」
勝利が目前になった3人の心は1つに重なり、
“
「それがどうした!!勝つのはこの僕だ!“ゴッドノウズ”!!!」
遂に放たれたアフロディの“狂気”を込めた最凶の一撃。その一撃は地面を抉りながらゴールに襲いかかる。だが、彼らには恐怖の感情は一切宿っていなかった。
“覇王”と“魔神”と“炎魔”。彼らが持つサッカーへの想いが形になった存在である“化身”は1つになった彼らのココロと呼応するように混ざり合う。巨大な紫色の柱の中から“神”を超える“奇跡”の
「「「“稲妻の超英雄 イレブン”!!!」」」
「け、化身が…合体しただと……⁉︎」
「いくぞアフロディ!これが俺の…俺たちの“絆”の力だ!!!」
「「「“ネクサス・ザ・ハンド”!!!」」」
英雄は右腕を突き出すと巨大な“
“
だが、僅かに“狂気”が“絆”を押している。
「無駄だ!!!3人になったところで“神”に勝てる筈がない!!!!」
次第に“絆”にヒビが入る。だが、彼らは諦めない。
「バカヤロー……!雷牙と豪炎寺だけの力じゃない…!!」
“神”は今の円堂には雷牙と豪炎寺しかいないと言った。
『円堂!!!』
“神”はここまできても気づいていない。雷門は円堂守だけではない事を。
「みんなの“想い”も一緒だぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
“神”の右手に左手をそえる。円堂の叫びに呼応するかのように
「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!」」」
「馬鹿な…あり得ない…“神”が…“絆”に敗北するだと…?」
次第に“絆”が“狂気”を押さえ込みアレだけドス黒かったオーラが消えていく。永遠にも思えた数秒後、遂に円堂の両手にボールが収まった。
ピッピッピー!!!
突如審判のホイッスルが鳴り響く。円堂の身体はゴールラインを割っていない。アフロディもオフサイドをしていない。では審判は何を知らせたのか…?その答えは1つしかない。
『し、試合終了ーーーーッ!!!!4対3で雷門中の勝利が確定だぁぁぁぁぁぁあ!!!!!』
角馬王将は試合の結果をスタジアム内に響き渡らせる。だがあまりの激闘により観客達は試合が終了した事を脳が理解出来ていない。
誰よりも先に反応したのはやはりこの男であった。
「勝った…!俺たち勝ったんだよ…!ついに俺たちの夢を成し遂げたんだ……!!!〜〜〜〜ッやったーーーーー!!!!!」
自分達の勝利を理解した円堂は今まで聞いてきた中で最大の声量で叫んだ。同時に観客の理解もようやく追いつき彼らは雷門に祝福の歓声を送る。
祝福のコールの中、感動により涙を流している角馬王将は以前息子から聞いた“イナズマイレブン”の伝説を思い出し再びマイクを手に取る。
『お聞きくださいこの大歓声を!!!40年前…雷門中には“イナズマイレブン”と呼ばれたチームがありました…。そして今!幾多の苦難を乗り越え再びここにその“イナズマイレブン”が復活したと言ってもいいでしょうか…!!』
“伝説”とは他者から認められるで初めて“伝説”となる。果たして雷門イレブンは観客に認められるのか。そんな事は既に分かりきっているだろう?
『イナズマイレブン!イナズマイレブン!』
『イナズマイレブン!イナズマイレブン!』
観客の“雷門”コールは“イナズマイレブン”に姿を変えた。
彼らは遂になれたのである。新たな“イナズマイレブン”に…
雷門イレブンはこの歓声を思う存分堪能している。だがその中で敗者となった世宇子に近づく人影があった。
「…立てるかい、バカアフロ?」
「今更僕に何の用だい…稲魂君?君は
雷牙は満身創痍のアフロディに手を貸そうとするが、彼は俯いたままだ。
「別に〜?親父が言ってたからさ。“サッカーは試合が終われば敵味方関係ない、全員友達だ”って。だから俺はその言葉に従っているだけ。」
「ハハハ…残念だが僕はもう終わったんだよ。“神”としても“人間”としてもね…“敗者”は大人しく消えるだけだ。」
そう言って出口に向かっていくアフロディ。雷牙はその後ろ姿を見つめ意を決すると彼に向かって叫ぶ。
「いつか戻って来いアフロディ!俺は知っているぞ!オマエは“神のアクア”が無くてもスゲー選手だって事をな!!だからいつか…正々堂々とサッカーやろうぜ!!!」
彼は振り向く事はなく出口に向かい姿が見えなくなる。返事をもらえなかったが雷牙は自分の言葉がアフロディに届いていた事を確信していた。だって彼の歩みはどこか力強いものだったから。
彼との約束を果たせる事を祈りながら雷牙は仲間達のところへ戻る。
「おっ!俺たちの
「しゃあ!!ズババーンときやがれ!!!」
最高の仲間達に投げられ何度の空中を舞う雷牙。幾度も空に近づきながら彼は空の向こう側にいる家族に思いを馳せる。
「(親父、お袋、ライト…!見てくれたか?俺は遂に夢を叶えたぞ…!最高の仲間達と一緒にな…!)」
『『おめでとう雷牙』』
その時どこからか懐かしい声が聞こえた。それが本当に彼らの声だったかは自分にも分からない。
だが1つだけ確かな事がある。それは…
「なぁ守、俺たち遂になったんだな、“イナズマイレブン”ってのに!!」
「いや…それは違うぜ雷牙。」
「「伝説はこれからさ!」」
まだ彼らが作る“伝説”の序章でしかない事だ。
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かつて影山が君臨していた総帥室に奴はもういない。
だが、主人がいなくなった筈の部屋にはまだ人影が見える。
彼は巨大なモニターの前に映っていた試合を見終わり何かを考え込むように沈黙していた。
数分、数十分、数時間…?どのくらい時間が経ったのか分からないが彼は突然狂ったような笑い声をあげた。
「ククク…アーハッハッハッ!!!!そうだ…!それでいい!本当に長かった…。だがァ!!これで私の“妄想”は遂に“現実”に出現した!!!人間は“怪物”になれる可能性を秘めている!!雷牙!!!君こそが!!ステラの跡を継ぐ“怪物”となる者に相応しい!!!」
ひとしきり笑った“雷帝”は満足し世宇子スタジアムを去る。その際彼のスマホに着信が鳴る、電話の主の名前を確認した“雷帝”は画面に
平和は突如として崩れ去った。
「何でお前たちはサッカーをこんな事に使うんだ⁈」
「“サッカー”こそが“エイリア皇帝陛下”が定めた秩序だからだ。」
圧倒的な力を見せる謎の組織“エイリア学園”
「馬鹿な…!俺たちのスピードが通用しないだと…!」
「地球人如きが我々に追いつけると思うな。」
次々と離れていく大切な仲間達
「悪りぃドジっちまった…ちょっと休むわ……」
「もうこれ以上付き合えない…じゃあな円堂。」
そして新たな仲間達との出会い
「助けたいんだ…パパを奴らの手から…!」
「俺!ずっと円堂さんに憧れていたんです!」
「うっしっしっし!引っかかった〜!」
「俺に乗れねぇ波はねぇ!」
少年少女達のサッカーへの純粋な思いは新たな力を呼び起こす
「待たせて悪かったなぁ、こっからは俺だけの領域だ…!」
「僕はずっと待っていた…この瞬間を。さぁサッカーをやろうか?」
イナズマイレブンHEROS エイリア編近日公開