「そこまで!今日の練習は終わりよ。ストレッチをして明日に疲れを残さないようにしなさい。」
「ハァハァ…やっと終わったぁ〜…。みんな大丈夫か‥?」
円堂が見た先には倒れ伏す雷門イレブンの姿があった。塔子が仲間となり、早6日が過ぎた。
相変わらず瞳子が命じる練習は長距離の走り込みのみ。ボールを使う練習はせいぜいウォーミングアップの時くらいだ。
「ふぅ…。凄いねあんた達は…、毎日こんな距離を走っているんだろ…?」
新参の塔子は最初こそ雷門についていけていなかったが、持ち前の負けん気の強さで、2日目からは彼らについて行けるようになっていった。
ストレッチが終わり、皆で夕食を食べていると瞳子がタブレットを持って現れた。
「みんな、遂にエイリアが現れたわ。これを見てちょうだい。」
瞳子はタブレットを机の上に置くと、そこに映っているのは緑色の独特な髪型をした少年…レーゼその人であった。
『聞け、この星の民達よ。我々はこの地より遥か遠くの惑星『エイリア』から我らの力を示す為にやって来た。だが、我々は野蛮な暴力は好まぬ。
我々が行使する手段はただ1つ、“サッカー”のみ!そして今この地に潜んでいる雷門イレブンよ!明日、我らは再びこの場所に降り立ち貴様らの今度こそ完膚なきまで叩きのめしてやろう!』
まさかのレーゼからの宣戦布告が入り、雷門イレブンは動揺する。父を誘拐した犯人がようやく目の前に現れた塔子は急いでSPフィクサーズに連絡を入れる。
「スミス!あいつらが今どこにいるか分かる⁈え…奈良TV局⁈しかも不思議なバリヤーが張ってあって入れないって⁉︎」
この言葉が意味する所は“ジェミニストーム”はTV局の職員を人質にとっている事に他ならない。
「みんな話は聞いたわね?今日はもう休んで明日に備えなさい。明日の朝一番に彼らがいる奈良TV局に乗り込むわよ。」
遂に“ジェミニストーム”とのリベンジマッチのチャンスが回ってきた事により、雷門イレブン達はここで奴らを倒す覚悟を決める。
「みんな!俺たちはこの1週間あいつらを倒す為に死ぬ気で特訓してきたんだ!今度こそ絶対勝つぞ!」
『おう!』
体を休める為にキャラバンに入る雷門イレブンを瞳子は相変わらず冷ややかな目で見つめる。
「(明日の試合…、一番ネックなのは豪炎寺君ね…。恐らく彼はまともにシュートを撃つ事は難しいでしょう…、最悪彼をチームから脱退させる事を考えなければね…。たとえ私に非難が集中しようとも…。)」
各々が明日への思いを胸に眠りについた。
〜次の日〜
「本当にバリヤーが張ってあるなんて…。」
奈良TV局に着いた雷門の目に入ったのはシャボン玉のような光沢を放つ電磁波の壁であった。
物理的な強度はないものの、この壁に触れるものは強力な電流により身体が真っ黒にこげるほどだ。
「ここまでの科学力がある奴らが“サッカー”に拘っているのがもはや不思議なくらいだな…。」
「逆に言えばそれだけ自分達の身体能力に自信があるという事なのだろうな。」
そう考えているうちに、TV局を覆っていたバリヤーが解除され道が開かれる。
「バリヤーが解けた、行くぞお前たち!」
『おう!』
TV局の中に入るとまるで彼らを待っていたようにエレベーターの中の扉が開く。恐らく彼らはこの屋上にいるのだろう。エレベーターに導かれるままに上がった先には予想通り“ジェミニストーム”の面々がいた。
「ようやく会えたなエイリア学園!今度こそ俺たちがお前たちを倒す!」
「フッ、貴様らが私達を倒すだと?笑わせる!地球にはこんな言葉がある“井の中の蛙大海を知らず”とな。地球という井の中にいる貴様らに宇宙の広さを教えてやろう!」
遂に始まった雷門イレブンVSジェミニストームのリベンジマッチ。
雷門のスタメンは以下の通りだ。
FW:染岡、豪炎寺
MF:一之瀬、塔子、鬼道、松野
DF:風丸、土門、壁山、栗松
GK:円堂
ディフェンス能力に優れた塔子が入った事により雷門の中盤の守りがより厚くなる。
前回はスピードに付いてこれなかった事を考慮しても、守りの薄さにより前半の大量得点が響き、あと一歩のところで敗北した。その反省から塔子をMFに置く事でジェミニストームの攻撃に中盤から対応しようというわけだ。
「よっしゃ!みんなサッカーしようぜ!!」
円堂のお決まりの決め台詞に仲間達は力強く答える。だが、レーゼは愚かにも自分達に立ち向かう彼らを嘲笑う笑みを浮かべるのだった。
ピッピッピー!
試合開始のホイッスルでリベンジマッチの幕が開ける。開始早々、ショートパスでなるべく早くボールを回す。
距離が開けば開くほどパスカットされる危険性が増す。予め瞳子からそう指示されていた。
「(行ける…!奴らのスピードは確かに脅威だが、短い間隔でパスを回せばなんとか対応出来るぞ…!)」
だが鬼道のその考えは一瞬にして崩れ去る事となる。
「遅いな。前回貴様らに苦戦した自分の不甲斐なさが苛立たしい。」
一瞬にして、ボールを奪い去るジェミニストームだが、そのスピードは前回の比でない。
「馬鹿な…!まさか前回の試合は本気を出していなかったというのか…!」
「…非常に癪だが認めてやろう。前回の我らは確かに全力だった、だが貴様らとは元から体の出来が違うのだ。貴様らと同じ時間をかけてトレーニングすれば追い越す事など造作もないのだ!!!」
自分達の想像を超えるスピードとパワーを披露するジェミニストームに驚愕する雷門イレブンだったが、その中で誰よりも驚いていたのは監督である瞳子だった。だがその驚きの理由は彼らのスピードではなく、彼らの
「(嘘でしょ…!あれは明らかに
瞳子は雷牙のいない雷門でもある程度の体力を付けさせれば十分にジェミニストームに対抗出来ると考えていた。しかし、それはあくまでジェミニストームの実力が前回と変わらなかった場合に限る。
流石にこのまま雷門と戦う事をまずいと思った彼らは裏技を使い自分達の実力を向上させていたのだ。
「絶対に奴らを止めろ!これ以上先に行かせるな!!」
「邪魔だ雑魚共が!“真ワープドライブ”!!」
「消えた⁉︎」
アフロディの“ヘブンズタイム”とは異なる、本物の瞬間移動により雷門のディフェンスが突破されてしまう。
「(くる…!恐らく奴らのシュート力も以前より向上している筈だ…!だから化身や“マジン・ザ・ハンド”では対抗出来ない…!だったら“ゴッドハンド”で止めてやる!)」
円堂の予想通り、FWが放つシュートは前回とは比較にならないスピードとなっていた。予めチャージしていた右手の気を放出させ“ゴッドハンド”を放つ
…が奴らのスピードはそれすらも上回っていた。
『ゴーール!!先制点を奪ったのはジェミニストームだ!このまま前回の焼き直しとなってしまうのかぁぁぁあ!?』
「くそ…!またボールが見えなかった…!“ゴッドハンド”でも間に合わないのかよ…!!」
「大丈夫か円堂?そう焦るな、まだ1点目勝負はこれからだろ?」
風丸なりに円堂にフォローを送る。その言葉に円堂は気合いを入れるものの、やはり力の差を埋める事が出来ずに前回の焼き直しと言わんばかりに蹂躙されていく。
気づけば10点目を取られていた。
「(くそ…!本当にないのか!奴らに…ジェミニストームに付け入る隙は…!)」
司令塔として碌な指示を出せていない鬼道は根気よく彼らのプレーを観察する。すると、ある事に気づく。
『おおっと⁉︎遂に鬼道がジェミニストームからパスカットしたぞぉ⁉︎これは逆転の兆しとなるのか⁉︎』
今まで蹂躙してきた筈の雷門についにボールを奪われてしまった事にジェミニの動きが固まってしまう。
その隙を見逃す鬼道ではなく豪炎寺にパスを回す。
「頼んだぞ豪炎寺!」
「任せろ!“ファイアトルネード改”!!!」
得意技の“ファイアトルネード”を放つ豪炎寺だが、ボールを蹴り上げる瞬間、物陰に自身を脅迫したスキンヘッドの男達の姿を見てしまう。脳裏に大切な家族の姿が浮かんでしまった豪炎寺はシュートを蹴り損ない、ゴールポストを掠めてフィールドの外に出てしまった。
「ご、豪炎寺が外した…?」
「ど、ドンマイ豪炎寺!次は決めてこーぜ!」
他のメンバーが豪炎寺が外した事に驚愕する中、円堂だけは豪炎寺のフォローに回ってくれる。しかし、今の豪炎寺にはその言葉が何よりも重かった。
その後も豪炎寺は一度もシュートを決める事はなく、逆に3点も得点されて前半が終わってしまった。
_________
「とりあえず奴らの攻撃パターンは分かった。まだ3点差だ、前回よりも効率よく動ければ逆転も夢じゃない…。気張っていくぞお前達!」
なんとか鬼道が見出した希望を突破口にしようとするが、そこに口を挟んだのは瞳子だ。
「甘いわね。」
「甘い?失礼ですが監督。今はこれにかけるしかないんです。」
「ジェミニストームに一定の攻撃パターンがある…、その事を見抜いたのは褒めましょう。しかし、貴方達がここから逆転するのは絶対に不可能よ。」
「そんなのやってみなくちゃ分からねぇだろ!!!」
相変わらず自分達を信用していない言葉を投げかける瞳子に染岡は噛み付くが、瞳子はその反応が来る事は既に予測していた。
「分かっていないのは貴方達の方よ。今の貴方達は前回とは異なる点が1つだけあるわ。」
「…奴らのスピードに付いてこれていない点ですね監督。」
「流石鬼道君ね、その通りよ。前回の貴方達は前半中に彼らのスピードに目を慣らす事が出来た。でも今はどう?一向に目で追える気配がないじゃない?そんな状態で作戦を立てたところで再び蹂躙されるのがオチよ。」
「じゃあどうしろって言うんですか?このまま奴らに良いようにされるのは俺は反対です!」
円堂の言葉を聞くと瞳子はボードを取り出し説明する。
「前半で攻撃に参加しているのはFWの他には鬼道君と一之瀬君だけ。だけど後半は円堂君以外の全員に上がってもらうわ。」
“円堂以外の全員を上がらせる”つまりそれは全員が攻撃に参加するという事、“攻撃は最大の防御”とはよく言うがそれをするくらいならば鬼道の作戦に乗った方が遥かにマシに感じる。
「そんな博打みたいな作戦で本当に勝てるんですか⁉︎とても信じられません!」
「あら?貴方達は今まで、その博打みたいな作戦で勝っていたじゃない?何を今更恐れる必要があるの?」
そう言うと瞳子はベンチに戻り、無言となる。
「…監督の指示に従おう。少なくとも彼女は俺とは異なる視点を持っている、もしかしたら何か状況が変わるかもしれない。」
鬼道がここまで言うならば他のメンバーも渋々従わざるを得なくなる。
「覚悟していたが実際にやってみるとやはり不安しかないな…。」
風丸が見る先には大きく空いたスペースとそこにポツンと立つ円堂がいる。
「ハハハ!!何だそのフォーメーションは?地球には“背水の陣”なる故事があるが、本当に実現するほど馬鹿だとはな!」
雷門のフォーメーションを見たレーゼは彼らを笑う。案の定、キックオフと同時にシュートが放たれると円堂ごとゴールに入る。
「迷っている暇はない!ボールをキープしながら攻めるぞ!」
瞳子の指示に答えを見出せない鬼道は仕方なく攻めるが、普段攻め慣れていないDFも攻撃に参加している以上、どうしても穴が発生してしまう。
一度穴を見つけられれば、あとはただ抜かれるだけだ、前半以上の攻めにより何度もゴールが破られていく。
「円堂…!おい鬼道!もういいだろう!今すぐ俺たちを元のポジションに戻せ!これ以上は円堂がもたない!」
風丸は必死に鬼道に懇願するが、鬼道は首を縦に振る事はない。
「だ、大丈夫だ風丸…。俺はまだやれるぞ…!」
円堂の闘志はまだ折れてはいない。キャプテンが折れない以上風丸は言葉を失ってしまう。
だが、現実はあまりにも残酷だ。
『ゴーール!!!遂に20点目を取られた雷門!もはやこれは試合なのかぁぁぉぁあ⁉︎』
20点目を取られた雷門イレブンには重い空気が流れる。確かに諦めている人間は1人もいないが、勝てると思っているかと聞かれれば話は別だ。
特に風丸は自分達がほぼ無傷でいる中円堂だけが傷つく様を見て、あのトラウマが蘇っていた。
『はは…悪りぃ、ちょっと休むわ…。』
自分は友の意志を継ぐと決めたではないか。だが現実はどうだ?あれだけ特訓してきたのに再び自分達は蹂躙されている。こんな時友がいればなんと言うだろう?
『へいへいへ〜い?何辛気臭ぇ顔してんだオメー達は?まだたかが20点差だろーが、時間もまだあるし20秒に1点取ればヨユーで逆転よ!!!こっからキバってこーぜ!』
だいたいこんな所だろうか?だが、その言葉を投げかける人間はここにはいない。何故なら自分が奪ってしまったからだ。
「不様だな円堂守。仲間からも見捨てられ、なす術もなく点を取られるだけ。だが安心しろ、すぐに貴様も
今試合何度目かになるシュートを放つレーゼ。今度こそ止める為に気合いを入れ直す円堂だったが、そこに
「愚かな…。」
円堂の前に立ったのは風丸だった。だが円堂ですら止める事の出来ないレーゼのシュートを風丸が止める事は不可能である。
本人もそれは理解している。だからこそ、彼は自らの身体を使って腹からシュートを受けていたのだ。
あまりの衝撃に風丸の口から胃液が逆流してしまう。だが、彼は倒れる訳にはいかない。これ以上親友を失わない為に、これ以上あの悲劇を引き起こさない為に。
「もう止めろ風丸!あとは俺が止める!!だから避け....「嫌だ…」え⁈」
「俺はもう嫌なんだ…!これ以上、俺の弱さで誰かが傷つく所を見たくない…!!」
風丸の想いに応えるかのようにシュートの威力が次第に落ちていく。
「バカな…!何故貴様如きにそれほどの力を……!!」
レーゼの声は風丸には聞こえていない。だが風丸は止めた、レーゼのシュートを。
あまりの衝撃で彼の長髪を束ねているヘアゴムが千切れ、長髪姿になってしまう。だが彼はそんな事を構わずにボールを蹴ってドリブルを始める。
「みんな上がれ!カウンターだ!!」
叫ぶ風丸だが、彼からボールを奪おうとジェミニストームが襲いかかる。
「そのボールを寄越せ風丸一郎太!!」
「断る!これは俺だけのボールじゃない!!俺たち雷門のボールなんだ!!!」
すると風丸の姿が3人に増える。まるで忍術を使ったかのように…
「あれは伊賀島が使っていた必殺技…!」
「“分身フェイント”!!!」
使っている技は戦国伊賀島が使っていたものと同一だったが、分身達が織りなす連携の精度は彼らとは比較にならない。
遂に実力でジェミニストームを抜き去った風丸は残りの体力を使い豪炎寺目掛けてキラーパスを放つ。
「受け取れ豪炎寺ぃぃぃぃぃい!!!」
ジェミニストームの実力ならば豪炎寺に向かっているパスをカットする事は造作もない事だ。だが、彼らはあえて動かなかった。彼らには豪炎寺は
奴らの予想通りボールを受け取った豪炎寺に家族の顔が再び映る。だが何故だろうか…気づいた時には彼は化身を出現させていた。
「……“炎魔 ガザード”!!!」
まさか彼が化身を発動させるとは思っていなかったジェミニストームは反応が遅れてしまう。その隙を見逃す豪炎寺ではなく、彼は渾身のシュートを放った。
「な、何だと…!!!くっ、“ブラックホールV3”!!!」
圧倒的な重力により豪炎寺の炎をかき消そうとするが、いかに強化されようとも実力の差は歴然であり一瞬で身体ごとゴールに叩き込まれた。
『ご、ゴーール!!!遂に雷門が1点をもぎ取りましたぁぁぁぁぁあ!!!しかしここで試合終了ぉぉぉぉお!!!雷門は圧倒的な点差で敗れましたぁぁぁぁあ!!!』
圧倒的な差で敗北した雷門だが、この試合で風丸と豪炎寺が希望を見せてくれた。自分達は確実にエイリアに近いているという事実を。
歓喜に沸く雷門に気づかれないようにレーゼは豪炎寺の前に立ち小声で話しかける。
「貴様は今自分が置かれている状況を分かっているのか…?あれだけの事をしておいてただで済むとは思うなよ…!」
だが豪炎寺は無言である。まるである覚悟を決めたかのように。
彼は少し離れた所で見納めと言わんばかりに仲間達を見つめていた。
「(……すまないな円堂、雷牙、雷門のみんな…。豪炎寺修也はこの試合で死んだ。もう俺これ以上ここにいる事は出来ない…。)」
何はともあれ、奈良での再戦は雷門の惨敗で幕を閉じたのだった。
___________
「いててて…。もう少し優しく貼ってくれよ…。」
再び奈良公園に戻ってきた雷門イレブンは円堂と風丸の治療をしている。幸い2人とも大きな怪我はない。
「納得いかねぇぜ!今日のあの監督の指示は!」
「確かに結果は20対1で完敗、前回の試合よりも酷い結果でしたからね…。」
「もう我慢の限界だ!理事長に連絡を入れて響木監督に戻って来てもらう!あんな何を考えているか分からねぇ女に付いていけるか!!」
染岡はもう瞳子に対して我慢の限界だ。だが鬼道は染岡を諌める。
「…俺はそうは思わない。後半の展開で分かった、あの人は俺よりも先を見ていた事をな。」
「先だとぉ⁈鬼道テメェあの女の肩を持つっていうのかよ⁉︎」
「一旦冷静になれ染岡。今日の試合を終えて何か感じた事はないのか?」
「感じた事だと?前回よりも大差で負けたそれだけだろうが!!!」
「だったらその前回の試合が終わった後、俺達はどんな状態だった…?」
「どんな状態って…、立つ事も出来ねぇくらい疲れ果てて…ッ!」
そこでようやく染岡は気付く、前回のジェミニストーム戦では試合終了後は立つ事も出来ないほど体力を消耗していた。しかし、今回はどうだ?奴らがそそくさと退散してくれたお陰とはいえ豪炎寺の得点に喜ぶ余裕があった。少なくとも今ならば雷牙を失った悲劇は起こらなかった事は確かだ。
「恐らく監督は前半時点で前回みたいな巻き返しは不可能だと判断したのだろう。だからあえて俺達を前線に上げる事で負傷のリスクを最小限にした…」
「……くっ!理屈は分かったが俺たちを守る為に円堂を犠牲にしたって事かよ!!そんなこと..「多分違うぞ染岡。」円堂!!」
治療を終えた円堂がキャラバンから出てきた。
「多分監督は俺にあいつらのシュートを慣れさせる為の特訓をさせたんだと思う。その証拠に最後の方はちょっぴりだけど奴らのシュートを捉える事が出来たんだ。」
円堂まで肯定されると染岡はもう何も言えなくなる。そこに話題の本人が現れた。瞳子は彼らに何も言う事なく遠くで立っていた豪炎寺を見るとただ一言こういった。
「豪炎寺君。貴方にはチームを離れてもらいます。」
当然、瞳子の突然の命令に皆が驚いたのは言うまでもないだろう。
現時点での雷門イレブンの瞳子の好感度一覧
好意的:円堂、鬼道、豪炎寺、木野、夏美、音無
普通:風丸、一之瀬、壁山、栗松、影野、松野、宍戸、少林
嫌い:染岡、半田、土門、塔子
このリスト作っている時に初めて入院組がいた事を思い出した。一応彼らを残したのは理由があるんだけど、多分終盤になるまで空気です。