イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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俺達のサッカーを守れ!対決プロトコル・オメガ!中編

No side

 

「オマエ……サッカーをしたことがないだろ?」

「…何?」

 

雷牙の発言の意味が理解できないのかアルファはただでさえ鋭い目つきをさらに鋭くさせる。

 

「オマエはいや、オマエ達は確かに強ぇ、俺達を遥かに上回るパワーとスピード、軍隊みてぇに正確な統率力、どれをとっても一級品だ。それは認めてやるよ。」

「…貴様は円堂守と異なり自らの力を把握できているようだな。しかし、サッカーをしたことがないという言葉の意味は理解できない。」

 

 

「なら、何でオマエは未だに俺からボールを取れてねぇ?オマエが本当に“サッカープレイヤー”ならもうとっくに俺からボールを奪っているはすだ。」

 

確かに今のアルファは化身アームドを発動しておりパワーもスピードも稲魂雷牙とは比較にならないほどパワーアップしているはずだ。しかし実際は対面して10秒も経っているというのに未だにボールを奪えていない。アルファ自身もボールを奪えていない事実に疑問を抱いてはいたがそれは先ほど彼の上司である“トウドウ”から聞いた時空共鳴現象による稲魂雷牙の身体能力の向上による影響だと結論づけていた。すると雷牙が右から抜こうとする動作を確認したため思考を打ち切りボールを奪いに行く。取った。アルファはそう確信した瞬間雷牙は身体を回転させすぐさま左側に移動した。

 

「なッ!」

「ようやくデカめの隙を見せてくれたなストレッチマン。こんな見え見えなフェイントに引っかかりやがって。」

 

急いでアルファは方向を修正しようとするが時すでに遅し、雷牙すぐさまボールをFW陣にパスをする。

 

「俺が言ってることがわかったか?要するにオマエ達はトーシロ(シロウト)なんだよ。俺達を超える身体能力があってもテクニックと経験が無い。あんな見え見えのフェイントにすら簡単に引っかかったのがいい証拠だ。」

 

雷牙の考察は実際正しい。アルファ達は元々はサッカープレイヤーではなく、エルドラドのエージェントであり今回のミッションまで“サッカー”という存在に触れたこと(・・・・・)さえ無かった。ボスからサッカーについて学べと命令された時こそ一瞬だけ面をくらいはしたが、エルドラドという組織に絶対的な忠誠を誓っているアルファは保存されているサッカーに関するアーカイブを全て頭に叩き込み、配属された“ルートエージェント”の身体データからそれぞれに適したポジションを割り当て、最新型VRシステムにて過去の強豪サッカーチームを再現したデータと試合をし全てで勝利を収めてきた。アルファ自身も限られた人間しか使うことのできない“化身”をすぐに発現させ、直様さらに上位の技術である“化身アームド”を習得するというサッカーに対して天賦の才能を持っていた。だからこそ雷牙の言っていることが理解できない。

 

「私達がシロウトだと?我々は今回のミッションに備えてエルドラドにあるVRシステムで過去の強豪チームと何度も試合をしてきた。120年前に存在し神をも喰らう鬼とも謳われたサッカーチームや貴様達が最も苦戦したと言われるチームともな。しかし我々その全てにおいて勝利を掴んできた。これでも我々がシロウトだと言うのか?」

「あぁ、何度でも言ってやるね。オマエ達はシロウトだ。嘘だと思うなら前線を見てみな!」

「なッ!」

 

雷牙に言われてアルファが自陣を見るとボールが渡ったフェイとキモロにより綺麗なワンツーによりディフェンスが突破されゴール前に到着される。先ほどまでいいようにやられていたというのに今度こちらが圧倒されている。

 

「こい!」

「決めてやる!って言いたいけどここは…天馬!」

 

前線に上がってきた天馬に気づいたフェイがパスを繋げる。

 

「うぉぉぉ!魔神ペガサスアーク!」

 

再び現れた雄々しくも美しい翼を持つ魔神と共に天馬は空高く飛翔しシュートを打つ体勢になる。

 

「ジャスティスウィング!」

 

魔神に殴られたボールが緑色の風を纏いゴールに襲いかかる。

 

「今度こそ点はやらせん!重機兵バロン!キーパーコマンドK03!」『ガーディアンシールド』

 

背後から現れた機械兵の巨大な盾と正義の翼が衝突する。次第に緑の風の威力が落ちていくもののザノウの化身技でも威力を完全に殺し切るのは無理だったのか大きく弾かれてしまう。

 

「くそ!」

 

『GKザノウ!松風天馬の化身技を防いだぁぁぁ!前半も残りわずかだァ!このまま同点で後半戦に突入かぁ⁉︎』

「No。我々がリードして前半が終わる。」

「ぐわぁ!」

 

ゴール前まで下がっていたアルファがボールを取ろうとジャンプしていた。フェイを空中で吹き飛ばしボール死守する。地上に降り立つと凄まじいスピードでフィールドを駆け回り、雷牙がブロックに入る。

 

「技術はシロウトでも、スピードが乗るとやっぱ厄介だ!だがボールは奪わせてもらうぜ!ハンティングセンス!」

 

アルファの前に立った雷牙が獲物を狩るライオンのような目をし緩急をつけた動きでボールを奪おうとするが化身アームドをしたアルファには敵わず強引に突破される。

 

「雷牙!」

「これで2点目だ。シュートコマンド01!」『スピニングトランザム』

 

無慈悲な嵐が円堂に襲いかかる。

 

「させるか!ジャスティスウィング!」

 

アルファのシュートを打ち返そうと天馬は化身技で対抗するが化身を持ってしても打ち返すことができず吹き飛ばされる。だが辛うじてシュートの威力を減少させることには成功する。

 

「円堂監督…後は頼みます…。」

 

円堂side

 

やっぱりすげぇ威力だ…。天馬がなんとか威力を下げてくれたけど今の俺じゃ止められないかもしれない…でも!ここで逃げたら俺はGKじゃなくなる!GKはゴール(エンド)を守るのが仕事なんだ!そう思いながら俺はゴッドハンドの構えを取ろうとすると雷牙がまた前線に上がっているのが見えた。雷牙…お前は俺のことを信頼してくれているんだな!だったら俺もその期待に答えなくちゃいけないな!爺ちゃん俺に力を貸してくれ!

 

「円堂守!」

「円堂監督!」

「円堂くん!」

 

 

「円堂!いや…!

 

 

 

 

 (マモル)ゥゥゥ!!!」

 

皆んなが俺の名前を呼ぶ。そうだ俺は1人なんかじゃない!ゴールは俺が守る!そう思うと俺の身体から今まで感じたことのないパワーが溢れてきた。自分でも何故かわからなかったけど、そのパワーを心臓に集中させる。そうしたら集中させたパワーがオーラになって背中溢れ出した!そうか!これが!コレがそうなんだって確信した俺は名前を叫ぶ。

 

「魔神!グレイト!」

 

「円堂守が化身を出しただと⁉︎」

 

「グゥレイトォ!ザ!ハンドォォ!」

 

俺の化身が俺の動きと合わせるように右腕を突き出すとあれだけ激しかった竜巻が一瞬で俺の右手に収まった。

 

「もう一度決めろォォ!雷牙ァァァ!」

 

今俺が出すボールの方向はただ一つだけだ。

 

雷牙side

 

本当に…本当にすげぇよ円堂は…。ハッキリ言ってさっき俺がかけた言葉はゴッドハンドが破られたことに悩む円堂を諫めるためだけにかけた言葉であって新技を編み出させるためのものでは無かった。それなのにアイツは俺の想像をぶち破って限界の壁を越えやがった。円堂からパスを貰ったはいいが、さすがにさっきのことを警戒されていたようで俺へのマークは厚い。

 

「ディフェンスコマンド03!」『コイルアッパー』

「ディフェンスコマンド06!」『マグネットドロー』

「ディフェンスコマンド08。」『ギアクラッシュ』

 

ディフェンス陣が一斉に俺に向かってディフェンス技を放つ。その瞬間俺は目に見える光景全てがスローモーションのように感じる。俺は体験したことはないけど走馬灯を見るのってこんな感じなんだろうな…

ははは…さっきは機械みたいに無表情でプレーしてたくせにすげぇ必死な顔で技打ってやんの。だがなぁ…これは円堂がいや、テンマーズのみんなが俺に繋いでくれたボールなんだ…ここで取られるわけにはいかねぇんだよ!

 

「うぉぉぉぉ!!!」

 

俺と背中からとんでもねぇオーラが吹き出しているのを感じる。俺のオーラは徐々に形を形成していき次第に金色の翼と獅子の立髪を思わせる髪型をしたどことなく天馬の化身に似ている戦士が誕生した。

 

「稲魂雷牙も化身に覚醒したか…!」

 

DF陣の誰かがそう呟くのが聞こえる。そうかコレが俺の化身か…。円堂は即興で魔神グレイトってつけてたっけな…だったら俺は…

 

『オマエ本当に星を見るのが好きだよな。』

『うん!サッカーと同じくくらい大好きだよ!あっ雷牙!あの星を見て!」

『やたら強い光の星だな?金星あたりか?』

『違うよ!アレは…

 

 

 

 

 

 

レグルスさ!』

 

突然脳内に溢れたえらく懐かしい記憶。俺にとって唯一の相棒であり大切な兄弟でもあった(・・・)男との他愛の無い会話の記憶。そっかオマエは俺をずっと見守ってくれてるんだな。ならコイツの名前は一つしかねぇ…!そう確信した俺は円堂と同じように天に向かって名を叫ぶ。

 

『天に轟けぇ!雷鳴の王 レグルス!』

 

俺はボールを少し上空にあげて気を溜める。そうするとレグルスは拳を振り上げ俺は再び叫ぶ。

 

「レグルスブレイクゥゥゥ!!!」

 

レグルスが拳を振り下ろすと雷が降りそそぎディフェンス陣を一掃し、キーパーと1対1になる。

 

「重機兵バロン!!」

「そんな盾なんざズババーンっとぶち抜けェェェ!!!」

 

俺は渾身のシュートを放ちガーディアンシールドとぶつかり合う。少しの間拮抗していたが次第に盾にひび割れ始め1秒後に完全に粉砕され稲妻のシュートがゴールネットを激しく揺らす。

 

なぁライト(・・・)?今頃あっちで見てんだろ?コレは俺達とオマエでとった一点だ。

 

『ゴーール!!テンマーズ稲魂雷牙が!再びゴールを決めたァァァ!ここで前半終了のホイッスルだァァァ!得点2対1てテンマーズ優勢のまま前半前終了だァー!』

 

俺はゴールポストに背を向けると左腕を軽く上げて空気を切るように振り下げる動作をし自陣に戻る。その時天馬と守が猛スピードで俺に駆け寄る。

 

「やったな!雷牙!俺たちのリードだ!」

 

「雷牙さん!!!やりましたね!」

 

「よせやい俺はオマエ達の頑張りに全力で答えただけだ。むしろ俺の方からオマエらに礼を言わせてもらうぜ、ナイスブロックだった!しっかし、化身だっけ?コレは相当強力だけど体力の消費が普通の必殺技の比じゃないな。一気に体力を持っていかれやがった。」

 

「化身技は通常の必殺技よりも上位の技術だからね、時空共鳴現象が起きているとはいえ体力の消費は著しいはずだよ。化身技は使えてあと1〜2回が限界ってとこだね。それとテンマーズのメンバーのデュプリ達も化身の亜種なんだよ。一応ある程度は体力の消費を抑えているけど。」

 

「「へ〜。」」

 

興奮気味にゴールを決めた俺を讃える円堂と若干目をウルウルさせながら俺に同調する天馬に俺は少し恥ずかしくなったから逆に円堂たち褒め返したり化身を使った感想を言ってお茶を濁すとフェイが俺達に化身について軽く教えてくれる。今関係ないけど円堂はなんとなく分かるが、未来の天馬と俺の関係ってどうなってんだろうな?初めから名前で呼んでいたから割と親しい関係なんだろうか?

 

天馬side

 

さっきフェイはデュプリのコントロールは化身よりも体力の消費を抑えているって言ってたけどフェイはフィールドプレイヤーとして試合に参加しているんだ。少なくとも通常の選手よりかは疲労が溜まるスピードも早いはずだ。なりゆきとはいえ俺はこのチームのキャプテンなんだ。メンバーの体調は常に気にかけなくちゃいけない。

 

「フェイ大丈夫?さっき、デュプリのコントロールは化身よりも体力の消費が少ないって言ってたけど君はフィールドプレイヤーとしても出ているんだ。もしもキツかったら遠慮なく俺に言ってくれるかな?」

「ありがとう天馬。さっきはああは言ったけど正直言うと体にある程度の負担がかかっているのは事実さ。でも今は弱音を吐いている場合じゃない。サッカーを守るためにこの試合は絶対に勝たなくちゃいけないからね。僕のことは心配せずに試合に集中してくれ。」

 

やっぱりフェイは無理をしてたんだ…。多分神童さんだったらフェイの負担を最小限にしてくれるようなゲームメイクをしてしてくれるんだろうけど俺に司令官としての才能は無い。雷牙さんと円堂監督だってまだ化身に目覚めたばかりで身体が追いついていないせいか俺以上に体力の消耗が激しい。今はリードしているけど前半のペースが後半まで持つとは到底思えない。何よりも最悪なのがプロトコル・オメガのラフプレーによってフェイが負傷しデュプリ達が消えてしまうことだ。そうなれば試合続行不可能と判断され俺達は負けてしまう…。俺の最高威力のジャスティスウィングが相手キーパーに通用しない以上どうしても雷牙さんに頼らざるをえなくなってしまう。くそ!一体どうすればいいんだ!

 

「おーーーい!」

「ん?」

 

俺が後半について悩んでいると無人のはずの観客席の方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「この試合俺も入れてもらえないかな?」

 

声の人物の方向を見ると俺にとって馴染みのある髪型をした男性が立っているのが分かった。言うまでもない剣城だ!剣城も俺と同じように歴史改変の影響を受けなかったんだ!

 

「剣城!来てくれたん…ん?あれ?」

 

あれ?でもおかしいぞ?剣城はあんなに背は高くなかったはずだ、あそこの人影は恐らく高校生くらいはある。それに声も聞き覚えこそあるけど剣城のものではない。そう思って俺は顔を上げるとそこにいたのは確かに俺の知っている顔だった、でも俺が知っているあの人は立つことができないはずだった。

 

「俺は君の知っている京介ではない。京介の兄剣城優一だ!」

「優一…さん?」




アルファの過去は作者の妄想です。原作でもサッカーを実際にやったことがないような描写があるためそこが弱点となって天馬達に全敗したのかなって自分の中で思っていたため今作に反映させました。あと本当は前回からする予定でしたが忘れていたので今回からオリジナル技の解説を行います。

〜オリ技紹介〜
♦︎キングレオーネ
属性:山
分類:シュート
使用者:稲魂雷牙
進化系統:改→真→爆→超
≪概要≫
獅子のオーラを発生させボールを蹴り上げると共に獅子が走り出し最後に咆哮を上げることで完成する稲魂雷牙のシュート技。
威力は、パワーに関してはファイアトルネード以上だがスピードが劣るといった具合。
作者の力量不足で詳しく描写されなかったが技の出だしはイナギャラのカザンライの手の組み方と同じ。

♦︎ハンティングセンス
属性:山
分類:ディフェンス
使用者:稲魂雷牙
進化系統:V2→V3→V4→Z
≪概要≫
緩急のある動きで素早くボールを取ることを目的としたブロック技。ぶっちゃけモーションはワンダートラップとほぼ一緒。

【化身技】
♦︎レグルスブレイク
属性:山
分類:ドリブル
使用者:稲魂雷牙
≪概要≫
化身ドリブル技。名前からお察しのようにペガサスブレイクとモーションは同じ。
ただあちらの雷の色が青色だったのに対しこちらは黄色という違いはある。
天馬のジャスティスウィングでザノウの化身技を破れなかったのにノーマル化身シュートで破れたのは時空の共鳴現象と火事場の馬鹿力的なものです。

【オマケ】
稲魂ステップ:別に必殺技ではないが一応記載。雷牙が試合前に行うルーティンであり本人曰くコレをやるかやらないかで試合のパフォーマンスがなんか違う気がするとのこと。元ネタは映画BROLYで悟空さが披露した妙に印象的なステップ。

雷牙の必殺技が天馬と似たモーションが多いのは彼は天馬のオマージュキャラなためです。

ディフェンスコマンド08 (ギアクラッシュ)
属性:風
分類:ディフェンス
進化系統:改→真→爆→絶
≪概要≫
ディフェンス陣3人を化身で突破する展開を書きたいなーと思いプロトコルオメガの必殺技を調べてみるとパーフェクトカスケイドが使った技以外だと2つしかないと知ったため急遽追加したブロック技。名前もプロトコルオメガの技名法則は機械部品が多いと気づいたため割と適当に名付けた。技としては歯車で構成された壁を蹴り壊しすと分解された歯車がプレイヤーに襲いかかるといった感じ?
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