「ぬぉぉぉぉぉお!!!ぬぎゃ〜〜⁉︎」
「駄目だ雷牙!何度も言っているだろう!考えるよりも先に身体を動かせ!」
おーす画面の前のみんな、今猛特訓中の雷牙さんだ。え?今俺が何をしているかって?いいぜ、説明しよう。
昨日シュウとの勝負に勝った俺はシュウから日が昇る前にここに来るように言われた。“ボブの像”の下に行った俺は最初にシュウとまた勝負をした。…俺のボロ負けだったが…。
「くそ…やっぱ強ェなシュウは…。」
「実をいうとね、君と僕には身体的な実力はそこまでないんだ。寧ろ気の大きさは君の方が遥かに大きいまである。」
「はっ?じゃあどうして俺はオマエに簡単には勝てないんだよ?」
「答えは簡単。君は気の使い方に無駄が多すぎるんだ。特に君は常人を超えた気を持っているが故にその分ロスも大きい。これから君が覚えるのは効率的な気の使い方だ。」
「気の使い方…?そうか!所謂、精神修行ってやつだな!坐禅とかする事で精神が穏やかになって気の使い方が上手くなるって…「違うね。」はっ?」
「確かに人によっては精神修行も効果的さ。でも君の場合は違う、君のような人間には精神修行じゃなく身体を動かすのが効果的なのさ。」
あっそ…。まぁ別に変に坐禅とかするよりも体を動かす方が俺の性に合ってるし別にいっか。
…で今俺は真っ暗な森の中をひたすらドリブルしているってわけよ。あっ!今、『なんだ、ドリブルしてるだけ〜?』って思ったな!違うんだよな〜それが。いやさ、マジで真っ暗なのよ。例えるならブラックボックスに俺ごと入れられているって感じ?暗闇の中でもちゃんと木々は生えているから何百回もぶつかってるんだよ。
「…なぁシュウ、これって本当に意味があんのか…?」
「そんな泣き言を言う暇があるなら立ってくれよ。強くなりたいんだろ?」
ぐぬぬぬ…。そう言われた何も言い返せねぇよ…。
仕方なく文句を言わずに立ち上がった俺だが、そこからの修行はまさに地獄といってもいい内容だった…。
_______
「さぁ次はこの流砂の上を自在に滑れるようにするんだ!こんな風にね!」
お〜スゲ〜、まるでスノーボードみてーに滑ってら。てかこの島にこんな場所があったんだな。前々から思ってたけどここ本当に日本の領海にある島なのか?
「ほら!ぼさっとしない!少なくとも今日中には初級コースをクリア出来るようになってもらうよ!」
「はッ!望むところだ!って…どわぁぁぁぁあ⁉︎」
ドンガラガッシャ~ン!
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「あれ?まだ1匹も釣れていないのかい?そんなんじゃ餓死しちゃうよ?」
「いやこんな目隠しあったら釣れるもんも釣れねぇだろ⁉︎」
「目隠しをする事に意味があるんだよ。魚が餌に食いつくのを目ではなく感覚で察知する…これは食料調達であり修行の一環なんだよ?」
「ちくしょ〜!目じゃなくて感覚で釣る…、目じゃなくて感覚で釣る…、目じゃなくて感覚で釣る…、…そこだぁぁぁぁあ!!!」
バッシャア~ン!
「……。」
「お見事、魚じゃなくて靴が釣れたね。幸運な事にこの靴は革で出来てるよ?ふやかしたら多分食べれるじゃないかな?」
「…遠慮しときます。」
流石に飯を食わないと明日に響くので、木の実を食べさせてもらう許可を貰った。
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「はぁ〜、マジで疲れたぁ〜!」
「お疲れ様。明日も今日と同じ時間に集合だ、しっかり身体を休めてくれよ。」
「うぃ〜す…お疲れ〜。」
今日の練習が終わり俺はテントに戻って身体を休める。だが満足に飯を食ってないせいで眠くはならなかった。
「…たまには気分転換に星空でも見るか。」
普段何気なく見る星空も所が変われば星々の形も大きく変える。別に俺はライトと違って星座が好きってわけでもねぇが夜アイツが煩いから自然と覚えていた。
「そういや2年に上がる前に守に言ったっけな…“俺たちは地球に向かう星の光みたいだな”って…。今頃アイツらもイプシロンっつーチームを倒す為に特訓をしてるんだろうな…。」
守達も同じ星空を見ていると思うと不思議と力が沸いてくる。みんなとまた一緒にサッカーをする為にも1日でも早くエイリア学園を倒さなくちゃいけないって思った俺は明日の特訓に備える為にテントに戻った。
________
〜1ヶ月後〜
「ハッハッハ…、よっと。」
「いいぞ雷牙!以前よりずっと良くなってる!もっと感覚を研ぎ澄ませるんだ、そうすれば必ず暗闇の中に光が差し込んでくる!」
特訓を初めて早1ヶ月。ようやく俺はシュウが言っていた事が分かってきた。
「はッ!そうか⁈だったらもっとスピードを上げるぜ!」
「ちょっと待て雷牙!その先は…!」
「ぬぎゃ⁉︎ふにゅ〜〜〜…。」
…気がする。
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「いいかい雷牙、この特訓で抑えなくちゃいけないのは風を読む能力だ。君の前に吹く風をただの障害だとは思うな、微妙な風圧の変化さえも感じとるんだ。」
「OK、早速行くか!」
流砂に乗った俺の木の板はどんどんスピードを上げていく。その速度は多分バイクの最高速度でさえも負けちゃいないだろう。
流砂はただ砂が流れているだけじゃない。その道中には剥き出しの岩が所々に飛び出ている。俺はその岩を風を頼りに避けなくてはならない。
「いいぞ雷牙!あと少しだ!」
最初は初級コースにも苦戦したが、今ではこの上級コースでさえ俺の敵じゃねぇ。
「あと数m! …!危ない雷牙!」
分かってるってシュウ。俺の目の前にでっけぇ岩があるって事ぐらいな。そうだなぁ…ただ避けるだけじゃなんかカッコよくねぇなぁ…。だったら一丁試してみっか!
俺は岩にぶつかる直前でボードを蹴って跳躍する。前からジャンプ力はそこそこ自身があったけどここ数ヶ月の修行で更に上がったようだな。今なら野生中だって俺1人で完封出来るわ。
そんな事を考えているうちに俺の身体はシュウの目の前に到着していた。
「凄いね。まさかここまで来るとは思っていなかったよ。」
「へっへ〜ん!どーよ俺の第六感?!」
「そうだね…もうそろそろ試してみてもいいかもね…。」
そう呟いたシュウは特訓を中断させ、俺を“ボブの像”のところまで連れて行った。
「さて、ここで“化身”を出してくれ。」
「“化身”を?いいぜ、はぁぁぁぁぁあ!!」
言われるがまま“化身”を発動するといつも通り“レグルス”が出た。いや…いつも通りは少し違うな、俺の身体が出るオーラは確かにいつも以上に荒々しかったが、以前と比べると明らかに洗練されているのがよく分かった。
「スゲェな…。“レグルス”の迫力が増しただけじゃねぇ…、明らかに負担が少なくなっている…。」
「それは君が効率的に気を扱えている証拠だよ。“化身”とは言わば君の身体中の気の全てが形となって現れたもの…正しく気を扱えていなければその性能をフルに発揮する事は出来ないんだよ。」
へ〜、だとしたらあのアフロディでさえもまだ化身の力をフルに発揮出来ていないって事だよな?……あれで?
「でもまだ改善の余地はあるようだね。しばらくは同じ特訓を繰り返しだ、君にはまだ先を目指してもらわなくてはならないからね。」
「“先”?まだ何かあんのか?」
「…そこに至れるかは僕にも分からない。でも君ならきっと辿り着けると思っているよ。ほら、特訓を再開するよ。」
“その先”か…。面白くなってきた!目指すはてっぺん、世界一だ!
________
〜数日後〜
あれから数日が経った。気の使い方は更に洗練されたと思うがまだ俺は満足してなかった。シュウが言っていた“その先”の正体…なんとなくだが俺には心覚えがある。俺はある一定のラインまで追い詰められると限界を超えた力を発揮出来る事がある…。だがその力は俺の意志では出す事が出来ねぇ…。それを自力で引き出せた時、俺は更に成長出来ると思う…。
「なーんかいい方法ねぇかな〜…?流石に天馬の“化身アームド”までいかねぇけど他にいい方法は…」
ん?“化身アームド”…?そういやアレってアルファの口振りからして200年後の技術だったよな?でも10年後から来た天馬は“化身アームド”に成功した…、つーことは俺も頑張れば使えるんじゃね?
「そうと決まれば…!はぁぁぁぁあ!“雷鳴の覇王 レグルス・マキシマム”!!!」
ここまではいい…。問題はこっからだ。
「え〜と確かこうだったよな…。“アームド”!」
…何も起こらない。1年前はこう叫ぶと化身のオーラが本体の身体にくっつくような感じだったけど俺にはイマイチそれを理解できなかった。
「だったら方向性を変えてみるか?見た感じ“化身アームド”は化身を外側に纏う技術…もしもそれを内側に留め続けたらどうなるんだ?」
…結果だけ言おう。俺の考察は正しかった。化身を発動する際あえて放出するのではなく内側に留め続ければ化身を発動している時よりも遥かに高い身体能力を得る事が出来た。ただ1つだけ問題がある…。
「ハァハァ…、なんつー負担の大きさだ…!こんなんじゃ試合終了までもたねぇぞ…!」
1日に出せる化身の回数を超えた時と似た倦怠感が俺を襲う。駄目だな…いくら強くなっても途中で倒れちゃ意味がねぇ…。
その時近くの草むらからガサガサと音がした。
「アレ、もしかしてシュウか?悪りぃけどもう少し休憩させてくれねぇか?ちょっとアクシデントが起きちまってよ…」
いや、違う!俺の身体中から感じるこの気配は…!
「ブヒィィィィィイ!!!」
マジかよ…!この前の“島の主”じゃねぇか…!マズい、万全の状態だったら撃退出来るが大きく体力を消耗した今じゃ難しいそうだ…!
そう考えているうちに“島の主”は俺に目掛けて突進してきた。なんとか俺は身を捻って躱わす事に成功するが、主はすぐさま急転回し再び俺に向かってきた。
「ぐぁぁぁぁぁあ!!!」
今度は避けきれずに吹っ飛ばされてしまう。流石に身の危険を感じた俺はシュウを呼ぼうとするが体力を使い果たしちまって声すらも出せそうにねぇ…。
「だったら上等だ…!人間様の底力を舐めるなよ…!!!」
覚悟を決めた俺は主をぶっ倒す事を決意する。だが何やら主の様子がおかしい、まるで目の前に主以上の猛獣がいるような反応をしていやがる。
「ブヒ⁉︎ピィィィィィイ!!!」
まるで子犬のように主は逃げ出しやがった。俺は周囲を見渡すが俺以外に動物はいねぇ…。
「まさか…今のか…?」
俺は今自分の身に起こった現象が探し求めていた”その先”である事を確信する。
「うし、一回考えてみよう…“あの現象”が試合中に発現したのは確か“プロトコルオメガ戦”、“帝国との練習試合”、そして“世宇子戦”…。その3試合全てに共通する事は…。」
俺はIQ44万を超える頭脳をフル回転させる。流石に大天才の俺でもそう簡単に答えを得る事は出来なかった。だが日が暮れた頃…遂に俺はその答えに辿り着く事に成功した。
_________
〜数日後〜
「珍しいじゃないか、君から僕を呼び出すなんてね。」
俺はシュウと初めて会った場所に呼び出した。それもこれも全てはアイツに感謝を伝える為…そしてアイツを超える為だ。
「へへ、監督からそろそろ帰って来いって連絡が来てな。最後にここまで俺を強くしてくれたオメーに礼が言いたくてな。」
「礼ね…。柄にもない事を言うなよ、君の目的は別にあるだろ?じゃなきゃユニフォーム姿でボールを足の置かないだろう?」
「察しがよくて助かるぜ、だがコレを見ていつも仏頂面を保っていられるかな?」
「ハハ、どうかな?少なくとも僕を失望させないでくれよ?」
はッ、言ってろ。今の俺はあの時の俺とはちょっち違うぜ?
「“獅風迅雷”!はぁぁぁぁぁあ!!!」
俺は“化身”を発動する要領で気を高める。本来ならばここで背中から紫色のオーラが発生する筈だが、俺は敢えて体内に留まるように気をコントロールする。
「10%…20%…30%…!」
俺の身体には凄まじい負荷が発生するのがよく分かる。負荷の大きさが上がっていく度に俺の身体のリミッターが徐々に外れていくのを感じる。
「がぁぁぁぁあ!70…80…90…100%…!」
「ま、まだ上がっていくのか…!」
流石に俺がここまでするとは思っていなかったようで、シュウは俺の予言通りいつもの仏頂面を崩して冷や汗をかいている。
「そしてこれが…!“
ふぅ…倍率にすれば大体200%ってとこかな…。これで準備は整った!
「さぁ決着をつけようぜシュウ!!!」
「フッ…いつぶりかな…、ここまでココロが震えたのは…。」
正真正銘最後の超決戦…。俺は金色のオーラを激しく振るわせてシュウに向かって走り出す。シュウも俺とほぼ同じタイミングで走り出した。どうやら最初と違って本気でいくようだな。
俺は右に行く…と見せかけて左で抜くようにフェイントをかける。だがシュウはそれを読んでいたようで既に左に方向転換していた。
「流石だなシュウ!まさか“獅風迅雷”を使っても俺に追いつくなんてよ!」
「これでも君より遥かに年上なんでね、そう簡単に僕を超えれるとは思わないことだね。」
数分経ってもシュウは未だに俺に食いついている。ヤロー…やっぱ2度目の勝負の時も手を抜いてやがったな…、だが今のシュウにはこの前のような余裕こそねぇが、その顔には純粋に俺とのサッカーを楽しんでいるのがよく現れている。
「その“獅風迅雷”って技、確かに凄い技だけど身体にかかる負担は化身以上だろ?もうそろそろ息がきれてきたんじゃないか?」
まぁそうだよな。シュウならこの技の弱点くれぇ既に見抜くか…。だがなぁオメーは1つだけ勘違いしている事があるんだよなぁ…。
「もらった!」
“獅風迅雷”の効果が切れた事を察知したシュウは攻めに回る。今までの俺だったら100%取られていたんだろうが、なんとかヘロヘロの身体を動かし回避する。
「凄いね、まだ動けるなんて思っていなかったよ。でもこのままじゃ僕の勝ちは確定だよ?」
「なぁシュウ…オメーはトランプを買った事があるかい?」
「トランプ?悪いけど僕には縁がない物だね。それがどうかしたのかい?」
「じゃあオメーに教えてやんよ…!新品のトランプにはよぉ…
“獅風迅雷”による体力切れ…それこそが俺が狙っていた“その先”へ至る為の布石だった…。
「ようやく入れた…。最初に言っておくぜシュウ、今の俺はかな〜り強ェぜ?」
遂に目標の“
こりゃ凄ェな…まるで全部の感覚が一気に開いたような感じだ…、こんなごちゃごちゃした感覚なのに全くといっていいほど異物感が無ェ、今の俺ならなんでも出来そうな感じだ…。
覚醒した俺は遂にシュウを抜き去る事に成功する。抜き去る直前、シュウは感嘆したように呟いた。
「そうか…。君はようやく到達したんだね…、限界の“その先”へ…。」
この島に達着して早数ヶ月…俺は遂にシュウを超える事に成功した。
________
「ハァハァ…もう駄目だぁ〜…。体力を使い果たして一歩動けねぇ〜…。」
「ハァハァ…僕もだよ…。でも久しぶりだったなぁ…あんなに楽しいサッカーをしたのは…。」
気がつくと俺とシュウは互いに地面に寝そべって青空を見ていた。正真正銘全力を出した俺はその場から崩れ去ってしまった。シュウもシュウで体力を使い果たしてって感じだが、俺に比べたらまだ余裕そうだ。勝ったとはいえ殆ど紙一重の勝利みてぇーなもんだった。まだ改善の余地がありそうだな。
「なぁシュウ…もうすぐ俺はこの島を出るけどよぉ…俺がいなくなったらオメーはどうすんだ?あの世に帰るのか?」
「…さあね。君のお陰でこの世への“未練”は消えたけど、成仏するかは別だね。この島の守り神として彷徨うのも悪くはないね。」
「…ライトの時といい幽霊業界の掟って意外と緩いんだな…。」
暫くこんな感じの話を駄弁って数時間後、ようやく立てる程度には体力が回復した俺は流石に今日は特訓する気になれずテントに戻る事にした。
「ちょっと待って雷牙。君に渡したい物があるんだ。」
「俺に?」
「これを受け取ってくれ。」
シュウが俺に渡したのはシュウが髪に着けているビー玉みてーな髪飾りに似た宝石が付いている首飾りだった。
「いいのか?なんか結構高価そうな首飾りだけど…。」
「別にこれ自体に価値は無いよ。これはお守りさ、いつか君に何かあった時は必ずコレが君を助けてくれる筈さ。」
へ〜これがね〜…。お守りを受け取った俺は早速首飾りを着けてみると思いの外しっくりきた。
「ど〜よシュウ!イケメンの雷牙さんが更にイケ…」
既にシュウの姿はそこにはなかった。俺にはアイツが妹のいる所に行ったとは思えなかった、きっとなんやかんや言って俺と別れるのが悲しくて先に帰ったんだろうな。
俺もテントに帰ろうとする途中、“ボブの像”…いや、“サッカーの神様”を見て呟いた。
「…ありがとうなシュウ。オマエのお陰で俺はもっと強くなれた…。いつになるかは分からないけどさ、いつの日かまた一緒にサッカーしようぜ…。…じゃあな。」
俺の言葉に返答する奴はどこにもいなかった。けど、その時吹いた突風がシュウの返事のように感じられた。
_____________
「お〜!久しぶりだなぁ坊主!身体中傷だらけじゃねぇか!そんなに特訓はハートだったのか⁈」
「ハハハ!そっすね〜、強いて言うなら“サッカーの神様”と一緒に練習してたんっすよ!」
「さ、“サッカーの神様”…?まぁいい、それよりお前さんには福岡に行ってもらうぞ、どうやらそこに大介が残した“裏ノート”があるらしい!ついでにそこのサッカー部を鍛えてやってこいだってさ!」
「福岡に…?また急っすね…。」
取り敢えず福岡に向かう事となった俺は船に乗り込む。俺を乗せた船はそこそこの速さで海の上を走り始めた。どんどん離れて行く“神鳴り島”を見ながら俺はココロの中で静かに呟く。
じゃあなシュウ、また一緒にサッカーしようぜ…!
ボォォォォオ~!
タイミングよく鳴った“神鳴り”だったが、不思議といつもの不気味さは無かった。まるでこれから戦いに赴く俺を激励してくれるように感じられた。
____________
こうして俺の命懸けの特訓は終わった。島を彷徨う亡霊との特訓…それが本当だったのか幻だったのかは今でも分からない…。ただ俺が再び“神鳴り島”の地面を踏んだのはそこから10年後の事だった…
「ハハ、随分と豪快な入場じゃないか雷牙。この10年間で色々大変な事があったそうじゃないか?サッカーの勘は鈍っていないかい?」
「はッ!それはそれこれはこれだろ?今は久しぶりにサッカーがしたくなったのさ。さぁ〜て今回も俺が勝たせてもらうぜ?」
“
アンケートをとっている番外編の件ですが、“オーガ襲来”と“究極の絆グリフォン”をやろうと思います。最後の方でシュウが意味深な台詞を言っていますが、その真相は“グリフォン編(仮)”で判明します。
〜オリ技紹介〜
獅風迅雷:ジェネシス戦で雷牙が発動した強化形態。原理としては“化身アームド”にかなり近く、化身のパワーを内側に留めさせる事によって体力を大幅に消費する代わりに人間の限界を超えた身体能力を向上させる。
ゾーン:スポーツ選手にとっては到達点とも評させる領域。人によってゾーンに入る事が出来る条件はバラバラだが、雷牙の場合は“肉体が限界まで追い詰められている事”、“雷牙のテンションが最高潮”に高まっている事が条件であり、過去にゾーンに入った試合を見直した結果、『体力が限界の時にゾーンに入ってるなぁ〜』→『だったらなんらかの方法で大幅に体力を減らせば入れるんじゃね?』→『やった!雷牙さんの勘大当たり〜!』といった感じで開発されたのが“獅風迅雷”。弱点として前者の条件は“獅風迅雷”でクリア出来るが、後者に関しては雷牙次第な部分が大きい為ゾーンに入らない可能性もある。本人曰く、入れる確率は60〜70%程との事。