イナズマイレブンHEROS!!!   作:月兎タンク

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過去一意味の分からないタイトルですが気にしないでください。


ノリノリサッカー!略して“リサ”!

『雷門ファンの皆さん!お待たせしました!本日はここ、南国沖縄の地から雷門中対大海原中の一戦をお送りいたします!』

 

いつも通りどこからか現れた角馬が俺たちの試合を実況する。大海原イレブンの面々は少し混乱していたが、すぐに持ち前のノリのよさで適応しているようだ。

俺たちは今試合に向けてベンチで今日の作戦を練っている。

 

まぁ作戦を練るっつってもスタメンを決めるだけだがな。どうやら監督はマジでエイリアとの試合以外は指示を出すつもりねぇらしい、一応響木監督から話は聞いていたがここまで偏屈な大人って中々いねぇんじゃねぇの?

 

「フォーメーションはリカと熱也の2トップでいく。今日の稲魂のポジションはMFだ、陽花戸以来の試合で感覚が掴みにくいかもしれないが頑張ってくれ。」

 

ほ〜ん、てっきり俺と熱也の2トップでいくと思ってたが俺はMFか。まぁ浦部も割と実力のあるFWだし問題はねぇか。

てかよく考えたらMFやんのも久々だな。“自縛猫鈴”になりきってた時はもっぱらDFだったし。

 

「よーーし!みんな気合いを入れていくぞ!相手は少し変わっているけど戦う時はいつも真剣勝負だ!」

 

『おお!』

 

円陣を終えた俺たちは各自ポジションに着く。

 

さ〜て大海原の皆さんよ、少しは俺ちゃんを楽しませてくれよ?

 

今回のスタメンは以下の通りだ。

 

FW:リカ、熱也

MF:或葉、雷牙、鬼道、一之瀬

DF:風丸、土門、壁山、木暮

GK:円堂

 

ジェネシス戦でDFの要であった士郎が抜けたのは痛ぇが、どうやら木暮には新しく習得した新必殺技があるようだしな。

 

ピー!

 

「みんな!ノッてくぜ!」

 

『おお!!』

 

本来ならFF本戦に出る筈だったって言う通り、実力は高いなぁ。少なくとも俺が来る前の陽花戸イレブンじゃ相手にならない実力だ。…何故か大道芸人みてーな芸をする奴がちょくちょくいるけど。

 

「うほぉーー!!!こりゃ俺も負けてらんねぇなぁ!渡具知、俺にパスをくれぇ!!!」

 

他のメンバーのプレーに興奮を抑えきれなくなった綱海は自分のDFエリアから飛び出して前線に上がりなんつーかこう、凄い体制でパスを受け取った。

 

…てかなんで綱海はDFなんだ?アイツのキック力ならどう考えてもFWが適任だろ?…いやあの腰の軽そうな監督の事だし何も考えてねぇんだろうなぁ…。

 

「やっぱスゲェぜ綱海!」

 

「だが今のプレーに何の意味があるんだ…?」

 

うん。みんなそう思うよね。俺も同感、だがこの前会った時よりかはちったぁマシなプレーは出来るようにはなったみてぇだな。

 

…あっ、俺の前にFWが来た。

 

『おおっと!綱海からパスを受け取りぐんぐん攻める東江矢の前に稲魂が立ちはだかったぁ!ジェネシス戦にて奇跡の復活を遂げた“サッカーモンスター”は今回の試合でどのような活躍を見せてくれるのかぁ⁉︎』

 

お〜お〜、やたら俺に期待を寄せてくれんねぇ。だったら雷牙さんもいいとこ見せねぇとな…

 

「な、何⁉︎」

 

『な、なんと稲魂は東江矢をスルー!これは鬼道の指示なのかぁ⁉︎』

 

スルー?おいおい角馬くんよぉ、オメーの目は節穴かい?俺ちゃんの足をよ〜く見てみろよ。

 

『い、いや違う!すでにボールを確保しているぞぉぉお!!!まさかあの一瞬の間でボールを取ったいたというのか稲魂雷牙ぁぁぁあ⁉︎以前の彼からでは考えられないテクニックです!!!一体離脱期間中にどんな特訓をしていたというのかぁぁぁあ⁉︎』

 

うっせ、こちとらナンベンもシュウから同じ事をされとんじゃい。

 

「…なるほど雷門イレブン(彼ら)の“リズム(・・・)”は大体分かった…。みんな“16ビート”だ!」

 

16ビートォ?サッカーで聞きなれない単語だねぇ…

 

って危っぶな!危ね〜もう少しでボールが取られるところだっ…

 

「“キラーホエール”!」

 

「もぎゃぁぁぁあ!!!!」

 

大海原のDFをかわしたと思った瞬間、伏兵として近づいていた女子選手の存在に気付かずにモロに必殺技を喰らいなっさけない声を出してしまう。

 

痛ってて…練習試合だからって流石に気を抜きすぎた…。

もうそろそろ認識を改めねぇとな〜。大海原(ヤツら)は並大抵のチームじゃねぇ、FF本戦に出てたら間違いなく白恋と同じくれ〜の脅威になってた…。

 

はッ!面白くなってきたじゃねーか!こっからが本当の勝負だ大海原!

 

 

____________

 

音村の的確な指示により完全に大海原イレブンのペースに持ち込まれた雷門イレブンは迂闊に攻める事が出来ないでいた。

当然、身体能力ならば雷門の方が遥かに上であるものの音村が得意とする相手チームの行動を“リズム”として捉える能力には流石の鬼道と或葉も手を焼いているようだ。

 

「“フライングフィッシュ”!」

 

「はぁぁあ!“真マジン・ザ・ハンド”!!!」

 

エースストライカーの東江矢のシュートを軽々と止める円堂。現状大海原イレブンには円堂を突破出来るほどの攻撃力はないようだが、このままのペースでは間違いなく円堂が潰れる方が先だ。

 

「(くっそ〜、多分力押しじゃ駄目なんだよなぁ〜。な〜んかいい手はねぇかな〜、…! そうだあの手があった!)」

 

雷牙は“神鳴り島”での特訓の中に大海原の攻略法があった事に気がついた。

 

〜数ヶ月前〜

時は雷牙がシュウに認められ彼に師事し始めた頃に遡る。雷牙はシュウに呼び出されこれからの特訓の方向性を決めていた。

 

『さて、これから君には新しいプレースタイルを編み出してもらうよ。』

 

『新しいプレースタイルゥ?今のプレースタイルを捨てろって言うのか?』

 

『いや基本的なプレースタイルを変える必要はない。だが状況に応じて攻め方を変えれるのは強い武器になる。』

 

『強い武器に…。』

 

『そうだ。例えば相手チームに選手の動きの読みが得意な司令塔がいるとしよう、その時真っ先に雷牙はマークされて身動きがとれなくなってしまう筈だ。』

 

『ふむふむ。』

 

『そんな時急に君の動きが変化したらどうなると思う?』

 

『ん〜対応するのに少し時間がかかる?』

 

『その通り。相手からすれば厄介な事この上ないだろうね。』

 

『しゃあ!そうと決まれば特訓だ!』

__________

 

「ヘッ、まさかこんなに早く実戦で使えるようになるとはなぁ…。ありがとうよシュウ…。」

 

友との会話を思い出した雷牙はボール共に走り出す。その姿はまるでその風のように軽やかなものだった。

 

「(! 稲魂君の“ビート”が明らかに変わった…!)」

 

音村はすぐに彼の変化に気づき、“ビート”を修正しようとする。しかしその僅か数秒後、再び雷牙のプレーは荒々しいものとなり“ビート”を修正した事が裏目に出る。

 

『おおっと⁉︎先ほどまで完璧なディフェンスを見せていた大海原の守りが崩れてきたぞぉぉぉお⁉︎』

 

「はっはー!シーサーマン、俺のシュートを受けてみな!」

 

ゴール前に到達した雷牙は目にも止まらぬスピードで跳躍し上空に移動する。

 

「“イナビカリブレイカー”!!!」

 

天空から放たれた雷牙のシュートは凄まじい稲妻を纏い地面を抉りながらゴールへ向かう。大海原正GK首里は逃げずに必殺技である“ちゃぶだい返し”を放つが破壊者(ブレイカー)の名を冠するシュートの前ではちゃぶ台は返されるものではなく砕かれるものであったようだ。

 

『ゴーール!先制点を奪ったのは稲魂雷牙だぁぁぁぁあ!!!』

 

1人で大海原イレブンをごぼう抜きする雷牙の姿を見た鬼道はようやく音村の攻略方法を見つける。

 

「みんな!これからは常に2〜3人での連携を意識しろ!そしてこれまでの練習で鍛えた“直感力”を常に活用するんだ!そこに勝機はある!」

 

鬼道の指示により次第に雷門イレブンの方に戦況が傾いていく。数分後、遂に大海原のディフェンスは崩壊しゴール前がフリーとなる。

 

「付いてこいよぉ鬼道、一之瀬!」

 

「誰にものを言っている!」

「俺たちを舐めないでくれよ!」

 

ゴール前に集結した天才3人は鬼道を起点とし新たに習得した必殺技を発動する。

 

「「“皇帝ペンギン2号”!!」

「feat ドルフィン”!」

 

帝国の誇りである皇帝ペンギンに雷門の自由の象徴であるイルカが加わり新たな力を得る。GKも必殺技で対応するが再びちゃぶ台は砕かれてしまった。

 

『ゴーール!“サッカーモンスター”が生み出した突破口を天才MFの鬼道が見事に開拓したぁぁぁぁあ!!!大海原イレブンはここから巻き返せるかぁぁぁぁあ⁉︎』

 

雷門イレブンの見事な連携を見た音村は自身の戦略を破った鬼道へ尊敬の念を送る。

 

「凄いな君達。全員方向性の違う“ビート”を持っているのに見事に調和していたよ。あまりに見事な“リミックス”だったからつい聴き入ってしまったよ。」

 

「お前の方こそ選手の動きを“音”として捉える能力には驚かされた。日本一のゲームメイカーを自称していたが俺もまだまだであると気付かされたよ。」

 

互いに実力を認め合った天才ゲームメイカー達は試合を再開する為に自陣に戻る。

 

一度自身の戦略が破られても流石は沖縄が誇る天才ゲームメイカーだ。すぐに雷門が織りなす“リミックス”にもすぐに適応し試合は再び膠着状態となった。

 

気がつけば試合は1対0で雷門リードのまま後半ラストワンプレーまで進んでいた。最後にボールを持ったのはDFエリアから飛び出していた綱海だった。

 

「受けてみろ円堂!俺の“ツナミブースト”をなぁ!」

 

負けが確定した試合だが、綱海は最後に自身にサッカーを教えてくれた円堂と勝負する為に渾身の“ツナミブースト”を放つ。

海によって鍛えられた綱海の脚から放たれるシュートは圧倒的なパワーとスピードで円堂が守るゴールに襲いかかる。

 

「“真マジン・ザ… ! くそ間に合わない!」

 

完全に不意を突かれた円堂は一瞬反応が遅れてしまい中途半端なところで“マジン・ザ・ハンド”を中断さぜるを得なくなる。

 

「だったらこのまま突っ込んでやる!うぉぉぉぉお!!!“正義の鉄拳”!」

 

せめてもの抵抗で未完成の“正義の鉄拳”を繰り出す。“マジン・ザ・ハンド”を発動する為に気を溜めていたからか、それとも不意を突かれた事で練習時とは異なる体制で“正義の鉄拳”を放ったからか、円堂本人にも原因は分からなかったが、明らかに今度の“正義の鉄拳”はいつもと様子が違っていた。

 

ドッカ~ン!

 

凄まじい雷鳴が発生したと思うと、いつの間にか円堂はボールと共に吹き飛ばされていた。

その時丁度試合終了を告げるホイッスルが鳴り響き、雷門イレブンの勝利が幕が閉じた。

 

「大丈夫か守⁉︎なんかスゲー音がしたけど⁉︎」

 

雷牙は円堂を心配して思わず駆け寄ったが、当の本人はどこか上の空である。

 

「これだ…!」

 

「あん?なんて?」

 

「今の動きだよ雷牙!きっとあれが“ギューン”の正体なんだ!」

 

「スゲェな円堂!今の動き、サーファーが波に飲まれそうな時ボードから吹っ飛ばされねぇようにする時の動きだぜ。こうやって腰入れてよぉ!」

 

「そうか!あの時俺は無意識に腰を入れて…!」

 

ようやく“正義の鉄拳”完成への糸口を掴んだ円堂だったが何度先ほどの動きを再現しようとしても本職のサーファーである綱海からダメだしを受けてしまう。

 

「そもそも何故サーファーの動きが必須なんだろうな?」

 

「知らね、多分サーフィンしている時に思いついた技なんじゃね〜か?」

 

結局、綱海から合格を貰う事が出来なかった円堂はある事を思いつき綱海に提案した。

 

「綱海、俺にサーフィンを教えてくれないか?今俺が習得しようとしている技にはこの動きがどうしても必要なんだ!」

 

「…駄目だ。海はお前が思っている以上に危険なんだ。それにあの動きだって素人が簡単に出来る動きじゃねぇんだぜ?気持ちだけじゃどうにもならない事もあるんだよ。」

 

“正義の鉄拳”習得の為に綱海にサーフィンを教えてもらうとするが海の怖さをよく知る綱海はそれを拒否する。

だがようやく掴んだ手がかりを簡単に諦める円堂ではない。なんとか綱海を説得する為に円堂は何度も食い下がった。

 

「あちゃ〜ありゃ火が着いちゃってんなぁ。お〜い綱海〜こうなった円堂は台所の汚れ並にしつこいぜ〜こうなったらオメーさんがサーフィンを教えるまで離れないぜ〜。」

 

さらっと円堂をディスる発言をする雷牙だが、綱海もここまで円堂が食い下がると思っていなかった為、ポリポリ頭をかき溜め息を吐き険しい表情を緩める。

 

「はぁ…わーったよ。サーフィンを教えてやるよ…。」

 

「本当か⁉︎ありがとう綱海!」

 

「でもいいか!海では俺の言う事は絶対だ!分かったな!」

 

「あぁ!」

 

ようやく綱海から許しが出た事で円堂は早速練習を始めようするとどこから怪物の唸り声のような音が響いた。

 

「壁山君、空気を読んでくださいよ…。」

 

「お、俺じゃないっスよ〜!」

 

「君じゃなかったら一体の誰のお腹の音だと言うんですか!」

 

「悪りぃ俺の腹の音。」

 

「稲魂君のですか⁉︎」

 

「ガッハッハ!ナイスな試合の後にはナイスなバーベキューだぁ!」

 

負けたものの試合内容に満足した大海原の監督は雷門イレブンをもてなす為にバーベキューの準備をしていたようだ。

 

「しゃあバーベキューだ!おっさん肉ある?」

 

「勿論あるぞ!どんどん食べたまえ!ところで瞳子さんは何処にいるのかね…?」

 

「あー…、瞳子監督ってよくいなくなるんすよ。まぁしばらくすれば戻ってくると思うんで先に肉焼いちゃいましょうよー。」

 

瞳子がいないと知りがっくり肩を下ろす監督。どうやら瞳子をナンパする気満々だったらしい。

そんな彼の姿を見ていた雷門イレブンは少し引いていたが、なんやかんやで彼らとのバーベキューを楽しむのだった。

 

 

 

 

 

 

 

________

 

人影のない木の影に1人の女性の姿がある。その正体は雷門イレブン現監督の吉良瞳子だ。しかし彼女の様子はどこかおかしい、いつもの思考が読み取れないクールな表情とは異なり明確に焦りの感情が表に出ている。

 

「なんですって…!イプシロンが基準値の5倍のエイリアエナジーをチャージしたですって…⁉︎」

 

“エイリアエナジー”…、一般人には聞きなれない単語だが瞳子はそれの危険性をよく理解している。

基準値をチャージするだけでも身体と精神に多大なる影響を与える物だというのにその5倍もの量をチャージすればいくら彼らでもただで済む筈がない、下手すれば死の危険性だってある危険極まりない行為である。

 

「流石の父さんでもそれを許可する筈がないわ!一体誰が命令したの⁉︎」

 

瞳子は声を荒げて電話の先の人物に問い詰める。その人物は瞳子とは対照的に恐ろしく落ち着いており、淡々と元凶となった人物の名を告げる。

 

「研崎ですって…!やはりあの男が…!!!」

 

“研崎”という男の名を聞かされた瞳子は明確に憎しみの感情を露わにする。何故ならその男こそが親愛なる父を復讐に狂った“エイリア皇帝”に変えた男だったからだ。

 

「1つだけ確認させてちょうだい…。強化されたイプシロンは沖縄に向かっている…その情報は確かね?…分かったわありがとう…。」

 

必要な情報を確保した瞳子は電話を切ろうとする。その瞬間、電話の主は彼女に問いかけた。

 

“姉さんがやっている事は本当に正しいの…?”

 

そう言うと電話の主は瞳子に答える時間を与えず通話を切った。再び1人になってしまった瞳子は“()”から問われた質問が永遠に頭の中を反響していた。




正直大海原に苦戦する要素もないっちゃないので雑に済ませちゃいました。ちなみに割と接戦となってますが雷門イレブンは本気を出してないです。その気なら10点以上は簡単に取れてました。
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